JP2005243194A - 超高密度光記録磁気材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来よりも高い高密度化に適用することができる超高密度光記録磁気材料を提供する。
【解決手段】 単位胞の点対称性がペロブスカイト型結晶構造の格子並進構造を構成する化合物からなり、その平均最大寸法(一般的には粒子径寸法)が0.1nm以上100nm以下の範囲にある強相関物質ナノ粒子6を合成する。この強相関物質ナノ粒子6を非磁性で且つ非伝導性の多孔マトリックスの細孔5中に鋳込んで超高密度光記録磁気材料2を合成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、高い記録密度を有する情報ストレージ材料として用いることができる超高密度光記録磁気材料及び該材料を用いた光磁気ディスクに関するものである。
従来より、高密度の記録方式を実現するために、磁性体を微小化した材料の開発が行われてきた。しかしながら、例えば数十テラビット/平方インチ程度の高密度になると、磁性体のサイズを従来よりも更に小さくする必要がある。しかしながらサイズが更に小さくなると、従来の材料では熱擾乱によって超常磁性が発現し、情報の書き込み機能を失ってしまうために、記録の高密度化が困難である。
S.Kohiki,Y.Ishida,S.Nogami,H.Shimooka,T.Tajiri,H.Deguchi,M.Mitome,and M.Oku,"Magnetic properties of La1−xSrxMnO3 nanocrystals embedded in a mesoporous silicate" MAT.RES.SOC.SYMP.PROC.,Vol.776,pp.231−236(2003). T.Tajiri, S.Maruoka, H.Deguchi, S.Takagi, M.Mito, Y.Ishida, S.Kohiki, "Superparamagnetic behavior of La1−xSrxMnO3 nanoparticles in the MCM−41 molecularsieve", PHYSICA B, Vol.329−333, pp.860−861 (2003). Y. Muraoka, H. Tabata, and T. Kawai, "Photocontrol of spin−glass state in Mg1.5FeTi0.5O4 spinel ferrite films", APPLIED PHYSICS LETTERS, Vol.76, No.9, pp.1179−1181 (2000).
現在のところ、数十テラビット/平方インチ程度の高密度化に適用できる材料はない。非特許文献1及び2には、非磁性、非伝導性のマトリックス中に、ナノ粒子間の相互作用が無い状態で分散した強相関物質、例えばLa1−xSrMnOナノ粒子において、超常磁性又はスピングラスの転移を有することが記載されている。しかしながらこれらの文献には、この材料を情報ストレージ材料として用いる場合にどのようにすればよいかについては言及されておらず、従来この材料が光記録磁気材料の高密度化に利用できるとは考えられていなかった。また非特許文献3にはスピングラス状態の光照射効果について記載されている。しかしながらこの文献からは、光記録磁気材料の高密度化をどのようにすれば達成できるのかがわからなかった。
本発明の目的は、従来よりも高い高密度化に適用することができる超高密度光記録磁気材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、超常磁性又はスピングラスの転移を有する強相関物質ナノ粒子を用いた超高密度光記録磁気材料を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、例えば数十テラビット/平方インチ程度の高密度になっても情報の書き込み機能を失うことがない超高密度光記録磁気材料を提供することにある。
発明者は、単位胞の点対称性がペロブスカイト型結晶構造の格子並進構造を構成する化合物からなり、その平均最大寸法(一般的には粒子径寸法)が0.1nm以上100nm以下の範囲にある強相関物質ナノ粒子が発現する超常磁性又はスピングラスの転移が、光照射による情報の書き込み、読み出しに利用できることを見出した。
そこで本発明では、この強相関物質ナノ粒子を非磁性で且つ非伝導性の多孔マトリックスの細孔中に鋳込んで超高密度光記録磁気材料を合成した。この超高密度光記録磁気材料を用いて書き込み及び読み出しを行う場合には、まず超高密度光記録磁気材料により形成したナノ粒子系を磁気転移点以下に冷却して、すべての超高密度光記録磁気材料からなる書き込み単位を強磁性状態に揃えた後に、この強磁性状態にあるナノ粒子系の書き込み単位[例えば300nmφなら、平均最大寸法(直径)が5nmφのナノ粒子は50個程度になる)]に紫外光または青色光を照射すると、光照射を受けた書き込み単位にあるナノ粒子は反強磁性状態になる。情報の読み出しには、読み出し単位に赤外光を照射し、磁気光学Kerr効果を利用して、強磁性、反強磁性の回転角の違いを判別することにより、情報の有無を判定することが可能になる。このようなことから本発明によれば、例えば数十テラビット/平方インチ程度の高密度になっても情報の書き込み機能を失うことがない超高密度光記録磁気材料を提供することができる。
なお多孔マトリックスとしては、珪酸塩メソ多孔体を用いることができる。この多孔体は、合成が容易であり、この多孔体を用いれば、超高密度光記録磁気材料を簡単に作ることができる。
また強相関物質ナノ粒子を形成するために用いる化合物としては、その組成がR1−xMO(0≦x<1)で表され、Rが希土類元素、Aがアルカリ土類金属元素、Mが3d遷移金属元素であるものを用いることができる。また組成が、(R1−xMOまたはRAで表され、Rが希土類元素、Aがアルカリ土類金属元素、Mが3d遷移金属元素であるものも用いることができる。特に、RがLa、AがSr、MがMnまたはCuである化合物が、少なくとも生産性の点から見ると好ましい材料である。
組成がLa1−xSrMnO(x=0.15)の化合物は、合成が容易であり、また安定した特性を得られる点で、現在のところ実用化に適していると考えられる。
なお本発明の超高密度光記録磁気材料をnmオーダの所定周期で配列した光磁気ディスクは、既存の光磁気ディスクよりも高密度化が可能である。
なお具体的なレベルで見ると、本発明によれば、単分散のナノサイズ、特に粒子径寸法が約5nm程度の強相関物質ナノ粒子を用いて光記録磁気材料用のナノ粒子材料を提供することができる。
本発明によれば、例えば数十テラビット/平方インチ程度の高密度になっても情報の書き込み機能を失うことがない超高密度光記録磁気材料を得ることができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の超高密度光記録磁気材料を記憶部分に使用した光磁気ディスクの構成とその一部分を模式的に拡大して示した図である。この例では、光磁気ディスク1の表面に同心的に設けられた複数本の円形トラックに沿って周方向に所定の間隔(約100nm)を開けて超高密度光記録磁気材料2からなるナノ粒子系の書き込み単位3が並んだ構造を有している。1つの書き込み単位3の平均最大寸法は約300nmである。図2には、光磁気ディスク上に配置された1つの書き込み単位3の構造を模式的に示している。1つの書き込み単位3は、非磁性で且つ非伝導性の多孔マトリックス4に形成された六方配列の複数の細孔5中にそれぞれ強相関物質ナノ粒子6を鋳込んだ(充填した)構造を備えている。図2に示すように、1つの細孔5の横断面形状はほぼ六角形になっている。なおナノ粒子系の書き込み単位が300nmφであれば、その中には5nmφのナノ粒子が50個程度含まれることになる。実際には、光磁気ディスク1上に連続して多孔マトリックス4が形成されている。なお多孔マトリックス4としては、例えば珪酸塩メソ多孔体を用いることができる。
また細孔5に鋳込まれる(充填される)ナノ粒子6は、単位胞の点対称性がペロブスカイト型結晶構造の格子並進構造を構成する化合物からなり、その平均最大寸法(いわゆる粒子径寸法)が0.1nm以上100nm以下の範囲にあり且つ超常磁性又はスピングラスの転移を有する強相関物質ナノ粒子である。なお強相関物質ナノ粒子を形成するために用いる化合物としては、その組成がR1−xMO(0≦x<1)で表され、Rが希土類元素、Aがアルカリ土類金属元素、Mが3d遷移金属元素であるものを用いることができる。また組成が、(R1−xMOまたはRAで表され、Rが希土類元素、Aがアルカリ土類金属元素、Mが3d遷移金属元素であるものも用いることができる。特に、RがLa、AがSr、MがMnまたはCuである化合物が、少なくとも生産性の点から見ると好ましい材料である。
以下具体的な実施例1及び2について説明する。
なお実施例1及び2において使用した強相関物質特性評価測定機器は、以下の通りである。
1.X線回折パターンの測定:リガク(株)製X線回折装置(Geigerflex 2013)ならびにKEK−PF(BL−1B)での放射光を用いて、メソ多孔体のメソ孔の大きさが100nmφから0.1nmφの範囲のサイズであること、そのメソ孔が六方配列を形成していること、ナノ粒子を構成するはずの化学成分がバルク粒子を形成していないことを確認する。
2.磁化率の温度依存特性:Quantumデザイン社製超伝導量子干渉素子帯磁率計(MPMS−5S)を用いて磁化率の温度依存特性を測定し、ナノ粒子がバルクと異なる磁気物性、特に超常磁性又はスピングラスを示していることを確認する。
3.メソ孔中の超微結晶の構造解析:日本電子(株)製原子識別透過型電子顕微鏡(JEM−3100FEF)を用いて超微粒子の構造解析を、また、それに併設されている電子線エネルギー損失分光装置(Gatan model 666)を用いて超微粒子の組成分析を、それぞれ行う。
A.多孔マトリックス(鋳型材料)の合成
先ず、本発明の超高密度光記録磁気材料を合成するために使用する、多孔マトリックス(鋳型材料)を構成するメソ多孔体について説明する。このメソ多孔体に合成法ついては、多くの研究が既にされている。そこでこの合成法の一例を以下に示す。SiO(1.00モル)、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド〔C2n+1N(CHCl(n=8,10,12)〕あるいはアルキルトリメチルアンモニウムブロマイド〔C2n+1N(CHBr(n=8,10,12)〕あるいはノルマルドデシルトリメチルアンモニウムブロマイドn−C1225N(CHBr(0.70モル)、NaOH(0.24モル)、およびHO(53.7モル)の混合物を使用し、これを室温で撹拌後、140℃で48時間加熱する。これを80℃で24時間洗浄後、80℃で24時間加熱脱水する。この乾燥した混合物を酸素気流中で700℃から800℃で6時間焼成し、メソ細孔の鋳型を形成する際に加えられた有機分子を除去することによって珪酸塩メソ多孔体薄膜またはメソ多孔体(多孔マトリックス)が得られる。
B.強相関物質ナノ粒子の合成
ナノ粒子の合成は、例えば前記Aで合成したメソ多孔体(多孔マトリックス)をナノ粒子を構成する元素を含む前駆体を溶解させた水溶液に浸漬し、メソ多孔体中にナノ粒子構成元素を取り込ませる(鋳込む)。そしてこのナノ粒子構成元素が取り込まれたメソ多孔体を例えば700から800℃で焼成することによって作られる。
具体的に本実施例では、La1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子の合成を行ったので、この法制方法について説明する。
まず前記Aで説明した合成方法でメソ多孔体(多孔マトリックス)を作った。この例では、界面活性剤としてC1225N(CHClを用いてMCM−41メソ多孔体を合成した。合成したMCM−41メソ多孔体のX線回折パターンを図3中の解析データaとして示した。
次に酢酸ランタン1.5水和物、蓚酸ストロンチウム1水和物、硝酸マンガン6水和物を水に0.005モル/Lの濃度になるように溶解させて調製したLa1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子前駆体溶液に、MCM−41メソ多孔体を60時間撹拌しながら浸漬した。そしてその後浸漬済MCM−41メソ多孔体を乾燥し、次いで酸素中において、730℃で、6時間焼成してLa1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子含有メソ多孔体試料を合成した。
図3に示したX線解析データ2bは、MCM−41メソ多孔体に担持されたLa1−xSrMnO(x=0.15)の解析結果を示しており、このX線解析データ2bからX線回折ピークが現れないナノ粒子であることが判る。またこのLa1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子は、MCM−41メソ多孔体の細孔間および細孔内部の両者において並進対称性を保持していないこと、また、浸漬・焼成したメソ多孔体試料の外表面にLa1−xSrMnO(x=0.15)粒子(X線回折パターンが現れる)が存在していないことがわかる。また0.005モル/Lの濃度の前駆体溶液を乾燥し、730℃で焼成して得られるLa1−xSrMnO(x=0.15)粉末(図3にX線解析データcを示す)は、報告されているLa1−xSrMnO(x=0.15)バルク結晶のX線回折パターンによく一致しており、この合成条件でペロブスカイト型構造La1−xSrMnO(x=0.15)結晶の単位胞が十分形成されていることが判る。
更にLa1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子含有メソ多孔体試料の原子識別透過型電子顕微鏡像を図4に示す。図4から算出した粒径分布を図5に示す。これより、分布の狭い約5nmφの黒いしみが点在している事が確認できる。また、電子線エネルギー損失スペクトルより、共にLaがM準位、MnがL準位のエネルギー損失スペクトルが検出され、このナノ粒子がLa1−xSrMnO(x=0.15)であることが確認できた。
次にLa1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子の磁気物性評価について説明する。
La1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子含有メソ多孔体試料の直流磁化率温度依存特性を測定した。外部磁場1kG、温度5〜200Kの範囲で測定した直流磁化率温度依存特性を図6に示す。図6に示した直流磁化率温度依存特性データaはメソ多孔体試料、直流磁化率温度依存特性データbは浸漬・焼成したメソ多孔体試料の零磁場中冷却磁化(ZFC)、直流磁化率温度依存特性データcは浸漬・焼成したメソ多孔体試料の磁場中冷却磁化(FC)、および直流磁化率温度依存特性データdはLa1−xSrMnO(x=0.15)バルク粉末試料に対応している。図6からは、それぞれの試料の直流磁化率温度依存特性は互いに異なることが判る。また図6のデータaからは、メソ多孔体試料が非磁性体であることが判る。さらに図6のデータb及びデータcからは、La1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子を含有する浸漬・焼成したメソ多孔体試料では、冷却条件により約45K以下で異なる挙動を示すことから、このナノ粒子が超常磁性またはスピングラスの転移を有する強相関物質ナノ粒子であることが判る。
次に上記のようにして作成した材料を用いた光磁気ディスクの書き込み及び読み出しについて説明する。光磁気ディスクの製法には従来の光磁気ディスクの製法を用いる。まず、約5nmφのLa1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子が多孔マトリックス内に鋳込まれて形成された超高密度光記録磁気材料を約300nmの周期で配列した材料を合成する[図1]。La1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子は、多孔マトリックスの珪酸塩メソ多孔体薄膜(壁厚:約1nm)の細孔内に鋳込まれている。
図7に示すように、書き込みを行う場合には、ナノ粒子分散系(書き込み単位)全体を磁気転移点(45k)以下に冷却し、各ナノ粒子を強磁性状態(強磁性秩序)に揃える。書き込みを行う場合には、この強磁性状態にあるナノ粒子系の書き込み単位(例えば300nmφなら、5nmφのナノ粒子が50個程度になる)に、波長が約300nmの紫外光または青色光を照射する。光照射を受けた書き込み単位にあるLa1−xSrMnO(x=0.15)ナノ粒子(5nmφ)は反強磁性状態(反強磁性秩序)になる(図7)。図8(A)には、理解を容易にするために、強磁性状態にある書き込み単位を無色の丸印で示し、反強磁性状態にある書き込み単位を黒丸印で示している。図8(B)に示すように、径方向に並ぶ2本トラック中の3つの書き込み単位を1ユニットとして見た場合、1ユニットを構成する3つの書き込み単位を強磁性状態及び/または反強磁性状態とすることにより、0,1,2,3の4値を強磁性状態及び/または反強磁性状態の組合せによって表現することができる。
情報の読み出しには、磁気光学Kerr効果を利用する。すなわち読み出し単位(例えば1.2μmφ程度とすると、書き込み単位が3個分含まれることになる)に赤外光を照射し、強磁性、反強磁性の回転角の違いを検出して、情報の有無を判別する。ここで、読み出し単位(1.2μmφ)には書き込み単位(300nmφ)が3個含まれるので、磁気回転を受けた光の強度は書き込まれた情報に比例し,前述の0,1,2,3の4値を読み取ることができる。
本発明の実施例2を具体的に示す。
なお実施例2で用いる多孔マトリックス(鋳型材料)は実施例1で用いたものと同じであるので説明は省略する。
実施例2では、強相関物質ナノ粒子としてLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子を用いる。La2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子を合成するために、酢酸ランタン1.5水和物、蓚酸ストロンチウム1水和物、酢酸銅を水に0.005モル/Lの濃度になるように溶解させて調製したLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子前駆体溶液に、該メソ多孔体を6時間撹拌しながら浸漬した。前記の浸漬済MCM−41メソ多孔体を乾燥し、次いで酸素中において、830℃で、6時間焼成してLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子含有メソ多孔体試料(強相関物質ナノ粒子試料)を合成した。
図9にはこの強相関物質ナノ粒子試料のX線回折パターンを示している。図9においては、データaからは、メソ多孔体に担持されたLa2−xSrCuO(x=0.15)はLa2−xSrCuOに帰属されるX線回折ピークが現れないナノ粒子であり、このLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子はメソ多孔体の細孔間および細孔内部の両者において並進対称性を保持していないこと、また浸漬・焼成したメソ多孔体試料の外表面にLa2−xSrCuO(x=0.15)粒子(X線回折パターンが現れる)が存在していないことがわかる。図9のデータbは、0.005モル/Lの濃度の前駆体溶液を乾燥、830℃で焼成して得られたLa2−xSrCuO(x=0.15)粉末のデータである。このデータbは、報告されているLa2−xSrCuO(x=0.15)バルク結晶のX線回折パターンによく一致しており、この合成条件でKNiF型構造La2−xSrCuO(x=0.15)結晶の単位胞が十分形成されることが判る。
次にLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子の磁気物性評価結果について説明する。図10は、この実施例2の試料の直流磁化率温度依存特性のシミュレーションを示しており、具体的には、それぞれ浸漬・焼成したメソ多孔体試料の光照射無し(データa)、光照射有り(データb)の条件下で測定する場合のシミュレーションの挙動である。図10のデータaに示すように、La2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子を含有する浸漬・焼成したメソ多孔体試料では、約40K以下で超伝導状態になるものと考えられる。また、図10のデータbに示されるように、光照射下では、超伝導を発現する周期構造が崩れ、常磁性的挙動になるものと考えられる。
次に、このLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子試料をデバイスに応用した場合について説明する。約5nmφのLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子を多孔マトリックス(メソ多孔体)に鋳込んで約300nmの周期で配列した材料を合成する。すなわちLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子を、珪酸塩メソ多孔体薄膜(壁厚:約1nm)の細孔内に鋳込む。図11(A)に示すように、ナノ粒子分散系(書き込み単位)全体を磁気転移点以下に冷却して、超伝導状態にする。この超伝導状態にあるナノ粒子系の書き込み単位(例えば300nmφなら、5nmφのナノ粒子が50個程度になる)に波長300nmの紫外光または青色光を照射する。光照射を受けた書き込み単位にあるLa2−xSrCuO(x=0.15)ナノ粒子(5nmφ)は常磁性状態になる。この実施例の場合における情報の読み出しは、図11(B)に示すように、磁気力顕微鏡等を用いて磁化の正(常磁性)、負(反磁性)を読み取ることにより、情報の有無を判別することができる。
本発明の超高密度光記録磁気材料は、数十テラビット/平方インチの記録密度を有する情報ストレージ材料の有力な候補となり得る。
本発明の超高密度光記録磁気材料を適用する光磁気ディスクの構成を説明するために用いる図である。 光磁気ディスク上に配置された1つの書き込み単位の構造を模式的に示す図である。 実施例1で用いる強相関物質ナノ粒子試料のX線回折パターンを示す図である。 実施例1で用いる強相関物質ナノ粒子試料のTEM像である。 実施例1で用いる強相関物質ナノ粒子試料の粒径分布を示す図である。 実施例1の強相関物質ナノ粒子試料の直流磁化率温度依存特性を示す図である。 実施例1の超高密度光記録磁気材料の書き込み及び読み出し原理を説明するために用いる図である。 (A)及び(B)は、実施例1の超高密度光記録磁気材料を用いた光磁気ディスクの書き込み及び読み出しにより表現する値の記憶手法を説明するために用いる図である。 実施例2の強相関物質ナノ粒子試料のX線回折パターンを示す図である。 実施例2の強相関物質ナノ粒子試料の直流磁化率温度依存特性のシミュレーションを示す図である。 (A)及び(B)は、実施例2の超高密度光記録磁気材料の記録方法を説明するために用いる図である。
符号の説明
1 光磁気ディスク
2 超高密度光記録磁気材料
3 書き込み単位
4 多孔マトリックス
5 細孔
6 強相関物質ナノ粒子

Claims (7)

  1. 単位胞の点対称性がペロブスカイト型結晶構造の格子並進構造を構成する化合物からなり、その平均最大寸法が0.1nm以上100nm以下の範囲にあり且つ超常磁性又はスピングラスの転移を有する強相関物質ナノ粒子が、非磁性で且つ非伝導性の多孔マトリックスの細孔中に鋳込まれていることを特徴とする超高密度光記録磁気材料。
  2. 前記多孔マトリックスが珪酸塩メソ多孔体である請求項1に記載の超高密度光記録磁気材料。
  3. 前記化合物の組成が、R1−xMO(0≦x<1)で表され、ここでRは希土類元素、Aはアルカリ土類金属元素、Mは3d遷移金属元素であることを特徴とする請求項1または2に記載の超高密度光記録磁気材料。
  4. 前記化合物の組成が、(R1−xMOまたはRAで表され、ここでRは希土類元素、Aはアルカリ土類金属元素、Mは3d遷移金属元素であることを特徴とする請求項1または2に記載の超高密度光記録磁気材料。
  5. 前記RがLa、前記AがSr、前記MがMnであることを特徴とする請求項3に記載の超高密度光記録磁気材料。
  6. 前記化合物の組成が、La1−xSrMnO(x=0.15)である請求項5に記載の超高密度光記録磁気材料。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の超高密度光記録磁気材料がnmオーダの所定周期で配列されていることを特徴とする光磁気ディスク。
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