JP2005241916A - 電気泳動表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧を印加し続けなくても安定した画像を保持することのできる電気泳動表示装置を提供する。
【解決手段】電気泳動装置1は、透明電極23と個別電極13とにそれぞれ透明強誘電体層16と強誘電体層15とが対向する位置に積層されている。各強誘電体層15、16の間には、着色粒子41及び白色媒体43を含む電気泳動分散液層40が挟まれている。個別電極13と透明電極23に電圧を印加することによって、着色粒子41が一方の強誘電体層上に堆積すると同時に、強誘電体層15及び透明強誘電体層16は分極する。電極間に印加させる電圧を反転させると、強誘電体層15及び透明強誘電体層16の分極極性も反転し、着色粒子41は反対側に移動する。強誘電体層の残留分極特性があるため、その後電圧を印加し続けなくても一方の強誘電体層上に堆積した着色粒子41は、強誘電体層15、16の反発力及び吸引力によって長期にわたって保持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気泳動表示装置に関し、特に液相分散媒と電気泳動粒子とを含む電気泳動分散液を対向電極間に収容してなる電気泳動表示装置に関する。
従来、電気泳動を利用した電気泳動表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、透明な電極と有色の電極との間に電気泳動分散液層と強誘電体層が並列配置されている。電気泳動分散液層は、帯電した有色の電気泳動粒子が液相分散媒に分散されており、電気泳動分散液の流出を防ぐスペーサによって多数分割されている。
この電気泳動粒子は、対向する電極間に電圧を加えることによって移動する。例えば、電気泳動粒子がプラスに帯電していた場合には、透明電極にマイナスの電荷を印加することによって、電気泳動粒子が透明電極側へ移動し、透明電極に電気泳動粒子が付着する。電気泳動粒子は着色されているため、使用者は、透明電極側から電気泳動粒子の色を確認することができる。逆に透明電極にプラスの電圧が印加された場合は、電気泳動粒子が背面電極側に移動するため、液相分散媒の色が表示される。
強誘電体は、電場を加えることで電気双極子が分極して表面に分極電荷があらわれる。電気泳動表示装置に強誘電体層を設けると、電圧を取り去った後も電気双極子の分極状態が保たれる。この強誘電体の残留分極を利用して、着色された電気泳動粒子を電極上に保持できる。
特開2002−196373号公報
しかしながら、特許文献1では強誘電体層が一方のみに配置されているため、この強誘電体層の吸引力又は反発力によって電気泳動粒子が保持されることとなる。吸引力で保持する場合は、強誘電体層と電気泳動粒子とが密着する状態になり、十分な保持力を有するが、反発力により保持される場合は、強誘電体層から電気泳動粒子を退けるため、強誘電体層と電気泳動粒子との距離が遠ざかるほど電気泳動粒子に対する反発力は弱くなり、電気泳動粒子を固定するには不十分となる恐れがある。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は電圧を印加し続けなくても安定した画像を保持することのできる電気泳動表示装置を提供する。
かかる目的を達成するために、請求項1に記載の電気泳動表示装置は、少なくとも一方が透明な材料で形成された第1および第2の電極の間に、少なくとも液相分散媒と電気泳動粒子とを含む電気泳動分散液層を有する電気泳動表示装置において、前記第1の電極と前記電気泳動分散液層との間に第1の強誘電体層を、前記第2の電極と前記電気泳動分散液層との間に第2の強誘電体層を備え、前記第1および第2の電極の間に生じる電界にしたがって前記第1及び第2の強誘電体層の極性が反転することを特徴とする。
請求項2に記載の電気泳動表示装置は、請求項1に記載の電気泳動表示装置であって、前記電気泳動分散液層が複数の画素領域に分割されており、前記第1及び第2の強誘電体層のうち少なくとも一方は、前記画素領域ごとに独立して設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の電気泳動表示装置は、請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置であって、前記第1又は第2の電極の少なくとも一方に外部からの熱を遮る断熱層をさらに備えることを特徴とする。
請求項4に記載の電気泳動表示装置は、請求項3に記載の電気泳動表示装置であって、基板をさらに有し、前記基板は、前記第1若しくは第2の電極と前記断熱層との間に設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の電気泳動表示装置は、請求項4に記載の電気泳動表示装置であって、前記断熱層と前記基板が一体に形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の電気泳動表示装置は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置であって、前記断熱層が発泡材料からなることを特徴とする。
請求項7に記載の電気泳動表示装置は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置であって、前記断熱層が繊維質材料からなることを特徴とする。
請求項8に記載の電気泳動表示装置は、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置であって、前記断熱層が中空の筐体から形成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の電気泳動表示装置は、請求項8に記載の電気泳動表示装置であって、前記筐体の内部が真空であることを特徴とする。
請求項10に記載の電気泳動表示装置は、請求項8又は9に記載の電気泳動表示装置であって、前記筐体の内部に、前記電気泳動分散液層と前記断熱層の積層方向に伸び前記筐体を支持する支持部材が設けられていることを特徴とする。
請求項11に記載の電気泳動表示装置は、請求項10に記載の電気泳動表示装置であって、前記断熱層が透明な電極側に設けられており、前記第1および第2の電極の少なくとも一方が複数の画素領域に分割され、前記筐体が透明であり、前記支持部材が前記筐体を前記画素領域と同一形状の領域に前記筐体の内部を区画することを特徴とする。
請求項12に記載の電気泳動表示装置は、請求項3乃至11のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置であって、前記断熱層が前記第1電極と前記第2電極とに設けられ、透明な電極側に設けられた断熱層は透明であることを特徴とする。
請求項13に記載の電気泳動表示装置は、請求項3乃至12のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置であって、前記断熱層の熱伝導率は、0.06W/m・k以下であることを特徴とする。
本発明の電気泳動表示装置によると、強誘電体層を第1および第2の電極の両側に設けている。電極間の電界にしたがって強誘電体層の極性が反転するため、電気泳動粒子の移動が促進される。さらに、強誘電体層は電圧を印加した後に残留分極が残るため、電気泳動粒子を吸引及び反発することで確実に画像を保持することができる。さらに、請求項2では、複数の画素領域に分割しているので、各画素毎に異なる内容を表示でき、所望の画像を表示することが可能となり、強誘電体層が画素領域ごとに分割されているため、隣り合った強誘電体層の影響を受けることなく画像を保持できる。
請求項3では、断熱層を設けることにより強誘電体層が温度の影響を受けにくくなるため、高温環境下でも画像を長期的に安定して保持することができる。また、請求項4では、電極と断熱層との間に基板が設けられているため、電極の形成方法を幅広く選択することができる。さらに、請求項5は基板と断熱層とが同一であるため、構成が簡単となる。
請求項6や請求項7によると、断熱層が発泡材料や繊維質材料であるため、外部からの熱を確実に遮断できる。
請求項8では、中空の筐体を設けることで空気層を形成し、断熱効果が得ている。さらに請求項9では、筐体の内部を真空にすることでさらに断熱性が上がり、より断熱効果が得られる。請求項10では、支持部材を筐体の内部に設けることで筐体が壊れにくい。また、請求項11では、支持部材に邪魔されることなく各画素の画像が表示される。
請求項12では、電極の両側に断熱材を設けているため、強誘電体層への熱をより遮断する。また、熱伝導率が小さいほど断熱性が高いため、請求項13のように断熱層の熱伝導率が0.06W/m・k以下と小さいほど断熱効果が高くなる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔電気泳動表示装置の構成〕
図1に示すように電気泳動表示装置1は、前面板20と背面板30とが、スペーサ10を介して対向している。スペーサ10は、前面板20と背面板30との間で電気泳動表示装置1の外周に渡ってに設けられており、前面板20と背面板30とを所定間隔に保つことで密閉空間を形成している。前面板20と背面板30とスペーサ10で囲まれた密閉空間内には、電気泳動分散液40が封入されている。電気泳動分散液40は、格子状に設けられた隔壁11によって分割されており、この分割された1つの領域が、1つの画素を形成している。図1は、電気泳動表示装置1の部分拡大図であり、電気泳動表示装置は、隔壁11によって区分された画素が格子状に複数個並んで形成されている。このときスペーサ10と隔壁11は一体に形成されていてもよい。また、背面板30上には、スペーサ10で区切られた空間に対応する位置に、それぞれ個別電極13と強誘電体層15が積層されている。
前面板20は、透明基板21上の背面板30側に透明全面電極23が、その透明全面電極23に透明強誘電体層16がそれぞれ成膜されて構成されている。背面板30は背面基板31と発泡材層33とからなる。
背面基板31の発泡剤層33とは反対側に、個別電極13が各画素ごとに独立して成膜されている。なお、本実施形態における基板21、31は、共にポリエチレンテレフタレート(PET)基板を用い、電極は酸化インジウム・スズ(ITO)膜で構成されている。このときの基板はPETに限られず、他の樹脂やガラスであってもよく、電極もITO膜に限られずフッ素がドープされた酸化スズ膜やインジウムがドープされた酸化亜鉛膜等電極としての役割を果たせばよい。前面板20の透明基板21と透明全面電極23は、透明な材料であることが必要であり、背面板30の背面基板31や個別電極13は透明であっても有色であっても構わない。利用者は、透明基板21側(図1の上側)から表示された画像を見ることとなる。
電気泳動分散液40は、白色溶媒(液相分散媒)43中にプラスに帯電した着色粒子(電気泳動粒子)41が複数個含まれて構成されている。着色粒子41は、白色溶媒43中で電位差による電気泳動により移動する性質を有する有機あるいは無機の粒子(高分子あるいはコロイド)である。例えば、アニリンブラック、カーボンブラック等の黒色顔料、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の白色顔料、モノアゾ、ジイスアゾン、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン等の黄色顔料、キナクリドンレッド、クロムバーミリオン等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、アントラキノン系染料、紺青、群青、コバルトブルー等の青色顔料、フタロシアニングリーン等の緑色顔料等の1種又は2種以上を用いることができる。なお、電気泳動粒子41は、プラスに帯電しているが、マイナスに帯電していてもよく、その場合は、本実施形態のプラスとマイナスを逆として考えればよい。
また、液相の白色溶媒(液相分散媒)43としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ぺンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロへキサン、メチルシクロへキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩又はその他の種々の油類等の単独又はこれらの混合物に界面活性剤等を配合したものがあり、これらに白色顔料を加えることで、表示上白色に見えることができる。
個別電極13と透明全面電極23とは、各画素ごとに電気的に接続されており(図2参照)、電圧を印加することにより、着色粒子41が移動する。このとき印加する電圧は、正と負に切換可能となっている。
強誘電体層15は、個別電極13と同じ大きさからなる。強誘電体層15及び透明強誘電体層16は、電場を加えることで電気双極子が分極し、表面に分極電荷があらわれ、さらに、電場が除かれた後も残留分極を有するため、表面には分極電荷を有する。よって、個別電極13と透明全面電極23とに電場を加えることで移動した着色粒子を、その後電場を加えつづけなくても移動後の位置で保持することができる。強誘電体層15はチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛に加えキュリー点がPZTやBaTiOよりも低いPNN−PZT、PMN−PZTのような電歪材料を用いることができる。また、ポリフッカビニリデン(PVDF)、ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体のような有機高分子誘電材料でも良い。透明強誘電体層16は、透明な材料、例えば、ランタン添加チタン酸ジルコン酸鉛(PLZT)等から形成されることとなる。
個別電極13は、各画素毎に分割されているが、電極の代わりに透明電極23を各画素毎に分割しても良い。つまり対向する2つの電極の少なくとも一方を複数の区画に分割することで、複数の画素を実現している。
なお、電気泳動表示装置1の厚さは、通常約0.1から1ミリメートル程度であり、電気泳動分散液40の厚さは、約30から500マイクロメートル程度である。また隣り合う隔壁11の間隔は、約10マイクロメートルから100マイクロメートル程度である。
〔電気泳動表示装置の動作〕
次に、図1から図3を用いて本発明の動作を説明する。
まず図2のように、個別電極13をプラスとして透明全面電極23との間に、直流電圧200Vを印加すると、透明全面電極23と個別電極13間に電場が形成される。この電場により、強誘電体層15及び透明強誘電体層16は分極される。分極される極性は、個別電極13がプラスの電位であるため、強誘電体層15の個別電極13に接する面はマイナスになり、反対に白色溶媒43に接する面にはプラスの極性が現れる。そして、透明強誘電体層16は、透明全面電極23に接する面がプラスとなり、反対側の面がマイナスとなる。白色溶媒43中に分散していた着色粒子41はプラスに帯電しているため、分極によって現れた強誘電体層15のプラスの極性から反発力を受け且つ透明強誘電体層16のマイナスの極性にひきつけられ、透明強誘電体層16上に堆積する。この場合、画素は透明基板21と透明全面電極23、透明強誘電体層16を通して、着色粒子41の色が表示される。
次に、図3のように、個別電極13をマイナスとして透明全面電極23との間に直流電圧200Vを印加する。透明全面電極23と個別電極13間に逆の電場が形成される。電極間に印加される電圧は、絶対値が図4に示すヒステリシスの変曲点Aより大きい値であるため、図4のヒステリシスに沿って強誘電体層15は今度は逆に、個別電極13に接する面はプラスになり、反対に白色溶媒43に接する面にはマイナスの極性が現れる。そして、透明強誘電体層16は、透明全面電極23に接する面はマイナスとなり、反対側の面がプラスとなる。この結果、透明強誘電体層16上に堆積していた着色粒子41は、透明強誘電体層の反発力を受けかつ強誘電体層15のマイナス極性にひきつけられて白色溶媒43中を移動してゆき、強誘電体層15上に堆積する。
このように、着色粒子41は、電極及び強誘電体の分極電荷によって移動が促進される。さらに、移動後は、強誘電体層15や透明強誘電体層16に残留分極が残るため、電圧の印加を停止しても着色粒子41が長期にわたって保持される。この場合画素は透明基板21と透明全面電極23、透明強誘電体層15を通して、白色溶媒43の色すなわち白色が表示される。
電気泳動表示装置1は、隔壁11によって区切られた画素が連続して形成されており、各々に個別電極13を有しているため、個別電極13に印加する電圧を制御することで、複数の画素からなる画像を表示させることができる。
電圧を制御し、画像を表示させた状態から電圧を切る。電圧を切った後も強誘電体層15及び透明強誘電体層16はそれぞれ残留分極を有するため、電圧が印加されているときと同じ極性を保っている。すなわち、図3において強誘電体層15は個別電極13に接する面はプラスの極性を、反対に電気泳動分散液40に接する面はマイナスの極性を保ち、透明強誘電体層16は反対に透明全面電極23に接する面はマイナスの極性、電気泳動分散液40側の面はプラスの極性を保つ。したがって、着色粒子41は透明強誘電体層16の反発力を受けかつ強誘電体層15上に引きつけられて保持される。逆に図2の電圧を加えた後に電圧を切った場合には、強誘電体層15は残留分極により個別電極13に接する面はマイナスの極性を、白色溶媒43に接する面にはプラスの極性を保持し、透明強誘電体層16は反対に透明全面電極23に接する面はプラスの極性、電気泳動分散液40側の面はマイナスの極性を保つ。したがって、着色粒子41は強誘電体層15から反発力を受けかつ透明強誘電体層16上に引きつけられて保持される。
この結果、本発明の電気泳動表示装置1は、画像を表示させるための電圧を切った後も各画素の表示を保持することが可能となる。
このとき例えば、強誘電体層15の分極は、図4に示すように印加された電界量によってヒステリシスを描く。図2のように、200Vの電界を加えられた強誘電体15は、図4に示すP200Vの分極量で分極される。電界を取り去った後には、強誘電体層15の分極量は図4における電圧0での分極量、すなわち残留分極+Prになる。図4のように、強誘電体層15は200Vの電界を除いた後も、高い分極量+Prを有しているため、電圧をかけつづけなくても、着色粒子41を保持しつづけることができる。ここで透明強誘電体層16を強誘電体層15と対向して設けると強誘電体層15の残留分極による電界が透明強誘電体層16に加わり、残留分極+Prより高い分極量の+Pとなる。逆に、強誘電体層15にも透明強誘電体層16の分極による電界が加わるため−Prよりマイナスの方向に大きい分極量−Pになる。したがって、両電極側に強誘電体層15及び透明強誘電体層16を設けることで、さらに強力に着色粒子41を保持することができる。
また、強誘電体層15は、図5に示すような残留分極の温度特性を有している。一般的に強誘電体は温度が上昇するにつれて分極量が低下してゆき、ついには分極は消失する。分極が消失する温度はキュリー温度Tcと呼ばれ、強誘電体の重要な特性のひとつとして知られている。図5に示すように強誘電体層15の温度が室温TからTに上昇すると分極量はPからPに低下してしまう。そして、一度分極量が低下してしまうと、温度がTに戻っても分極量はPに低下したままである。強誘電体層15の分極量が低下すれば着色粒子41を保持する力が低下するため、画像を長期的に安定して保持することは難しくなる。
しかしながら、本発明の電気泳動表示装置1は、図1に示すように背面基板31の外側に発泡材層33が積層されているため、電気泳動表示装置1が高温環境、例えばTに置かれた際にも、発泡材層33の断熱効果により強誘電体層15はTに保たれる。そのため強誘電体層15の分極量は、当初のPを保つことができ、着色粒子41は長期的に安定して保持される。このように、本発明の電気泳動表示装置1は、環境温度の変化に対しても安定して長期的に画像を保持することが可能である。
なお、本発明は上記実施形態に限られず本発明を逸脱しない程度に変形可能である。
例えば、上記実施の形態では強誘電体層15が環境温度の影響を受けないための断熱層として発泡材層33を設けていたが、発泡材に限らず、プラスチック系、無機繊維系(ガラスウール等)、天然系(セルロース等の木質繊維等)等の断熱材を用いてもよい。なお、この断熱層は、熱伝導率の値が0に近づくほど断熱性に優れており、熱伝導率が0.06W/m・k以下であれば、十分に強誘電体層の残留分極を保つことができる。また、発泡材層33の代わりに、図6のように中空の筐体53からなる空気層断熱体51であってもよい。断熱層は、図6における筐体53内部の空気を抜いて真空とすることでさらに断熱効果を高めることも可能である。ここで、真空とは、熱伝導率が0.0045W/m・k以下のような低圧のものも含む。空気層断熱体51の内部には、上面から下面に渡って筐体53を支持する支持部材55が複数設けられており、筐体53内部を真空にした場合であっても筐体53が壊れることを防止している。
また、断熱層は、背面板側に限らず前面板側に設けても良い(図7参照)。このとき、断熱層は透明な材料から構成される必要がある。例えば、図6に示すような空気層断熱体51であって、筐体53が透明なガラス(例えば、ソーダガラス等)や樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹脂等)で設けられているものが考えられる。さらに、図7に示すように、支持部材55と隔壁11とを同じ位置に配することにより、支持部材55に邪魔されることなく各画素を良好に表示できる。このとき、支持部材55は、セルごとになくてもよく、例えば、20セルに1個設ける程度であってもよい。支持部材55が少ない方が、支持部材55から伝導する熱が減少され、より断熱効果が得られる。また、上記実施の形態では、強誘電体層15がセルごとに分割されており、透明強誘電体層は全面に設けられているが、透明強誘電体層がセルごとに分割されていてもよいし、図7に示すように、強誘電体層57及び透明強誘電体層58は、両方ともセルごとに分割されていてもよい。セルごとに分割することで隣り合う強誘電体同士が干渉することなく、それぞれの分極量を保持できる。
また、断熱層は、前面板側、背面板側の両方に設けていても良い。さらに、基板と断熱層が一体に形成されていても良い。図8に示す電気泳動表示装置60は、前面板61が透明断熱基板62と透明全面電極65と透明強誘電体層66が積層されて構成されており、背面側には背面断熱基板71が配置されている。背面断熱基板71は、樹脂からなる筐体72の中に発泡材料や繊維質材料のような断熱材73を収納したものである。この場合、筐体72は樹脂でなくても例えばガラスでもよい。樹脂はガラスより断熱性が高いため、より効果的に外部からの熱の侵入を防ぐことができる。また透明断熱基板62は、図6に示したような構造であって、筐体63が透明なガラスや樹脂等を用いている。背面断熱基板71や透明断熱基板62は、筐体72と筐体63が対向する表面72a、63aにそれぞれ個別電極74、透明全面電極65を成膜することで基板の役割を果たしている。個別電極74の上にはさらに強誘電体層76が成膜されている。この実施の形態では、基板が断熱性を有しているため、基板の積層が少なくなることで構成が簡単になるとともに表示画像の視認性も高められる。
また、電気泳動分散液40は、マイクロカプセルに封入して使用してもよく、さらに、着色粒子とは反対の電荷に帯電した白色粒子を、2つの電極及びスペーサの内部に封入し、表示を制御してもよい。
本発明は、表示部を備えた様々な電子機器に適用される。
例えば、電子ペーパー等が挙げられる。電子ペーパーは、紙と同様の質感及び柔軟性を有するリライタブルシートからなる本体と表示ユニットとを備えており、この表示ユニットが上述の電気泳動表示装置から構成される。電子ペーパーは持ち歩き可能であり、車内等の高温環境下に放置することがあるが、外部の熱を遮断する断熱材を有することによって、表示状態を良好に保つことが可能となる。
また、モバイル型コンピュータのように操作部と一体となった装置の表示部に用いてもよい。このような場合、操作部から操作された内容の信号に基づいて表示部に所望の画像が表示される。このとき信号が転送・格納される回路基板が表示部の背面に配されることがある。本発明のように断熱材を背面側に設けることで、この回路基板からの熱による表示部への影響を防止することができる。
その他、携帯電話や電子ブック、テレビ、電卓等の電子機器の表示部として本発明の電気泳動装置を適用することができる。
本発明の実施形態の電気泳動表示装置の概略を示す説明図である。 本発明の実施形態の電気泳動表示素子の装置の1画素の動作を説明する説明図である。 本発明の実施形態の電気泳動表示素子の装置の1画素の動作を説明するもうひとつの説明図である。 本発明の強誘電体の電界と分極の挙動を説明する説明図である。 本発明の強誘電体の温度と残留分極の挙動を説明する説明図である。 本発明の他の実施形態における空気層断熱体の構造を説明する説明図である。 図6における空気層断熱体を使用した際における電気泳動表示素子の説明図である。 本発明の他の実施形態の電気泳動表示装置の概略を示す説明図である。
符号の説明
1、60 電気泳動表示装置
10 スペーサ
11 隔壁
13 個別電極
15、57、76 強誘電体層
16 透明強誘電体層
21 透明基板
23 透明全面電極
31 背面基板
33 発泡材層(断熱層)
40 電気泳動分散液
41 着色粒子(電気泳動粒子)
43 白色溶媒(液相分散媒)
51 空気層断熱体(断熱層)
53 筐体
55 支持部材
62 透明断熱基板
71 背面断熱基板
72 筐体
73 断熱材

Claims (13)

  1. 少なくとも一方が透明な材料で形成された第1および第2の電極の間に、少なくとも液相分散媒と電気泳動粒子とを含む電気泳動分散液層を有する電気泳動表示装置において、
    前記第1の電極と前記電気泳動分散液層との間に第1の強誘電体層を、前記第2の電極と前記電気泳動分散液層との間に第2の強誘電体層を備え、前記第1および第2の電極の間に生じる電界にしたがって前記第1及び第2の強誘電体層の極性が反転することを特徴とする電気泳動表示装置。
  2. 前記電気泳動分散液層が複数の画素領域に分割されており、
    前記第1及び第2の強誘電体層のうち少なくとも一方は、前記画素領域ごとに独立して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
  3. 前記第1又は第2の電極の少なくとも一方に外部からの熱を遮る断熱層をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置。
  4. 基板をさらに有し、前記基板は、前記第1若しくは第2の電極と前記断熱層との間に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電気泳動表示装置。
  5. 前記断熱層と前記基板が一体に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置。
  6. 前記断熱層が発泡材料からなることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  7. 前記断熱層が繊維質材料からなることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  8. 前記断熱層が中空の筐体から形成されていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  9. 前記筐体の内部が真空であることを特徴とする請求項8に記載の電気泳動表示装置。
  10. 前記筐体の内部に、前記電気泳動分散液層と前記断熱層の積層方向に伸び前記筐体を支持する支持部材が設けられていることを特徴とする請求項8又は9に記載の電気泳動表示装置。
  11. 前記断熱層が透明な電極側に設けられており、前記第1および第2の電極の少なくとも一方が複数の画素領域に分割され、前記筐体が透明であり、前記支持部材が前記筐体を前記画素領域と同一形状の領域に前記筐体の内部を区画することを特徴とする請求項10に記載の電気泳動表示装置。
  12. 前記断熱層が前記第1電極と前記第2電極とに設けられ、透明な電極側に設けられた断熱層は透明であることを特徴とする請求項3乃至11のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
  13. 前記断熱層の熱伝導率は、0.06W/m・k以下であることを特徴とする請求項3乃至12のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置。
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