JP2005239646A - ピロリジン誘導体の立体選択的合成方法 - Google Patents

ピロリジン誘導体の立体選択的合成方法 Download PDF

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壽次 吉村
Masanori Yamaura
政則 山浦
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克彦 鈴木
Teru Yamanobe
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Abstract

【課題】 従来法では容易に得難い、ピロリジン骨格のα位に立体選択的に置換基を導入する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 (A)少なくともβ位に置換基R1を有し、α位に置換基Rを有しかつβ位炭素が不斉炭素であるピロリジン化合物のN−ヒドロキシルアミン体を酸化して、R1及びRを有しかつ前記α位炭素と窒素の間に二重結合を有するピロリジン化合物のニトロン体を合成する工程、
(B)前記ピロリジン化合物のニトロン体を還元する工程
を特徴とする、α位とβ位の置換基がシスの立体配置にあるピロリジン誘導体の合成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ピロリジン誘導体の合成方法に関し、さらに詳細には、α位にアルキル基等の置換基を有するピロリジン誘導体を立体制御して合成する方法に関する。
ピロリジン類は、抗生物質をはじめとする多くの天然物中に含まれている基本骨格であり、各種生理活性物質や医薬の合成中間体として、また機能性材料として有用である。特に、ヒドロキシル化されたピロリジン誘導体は、その構造が1)タンパク質の3次元的構造の形成に重要な役割を果たしているプロリンに類似している、2)遺伝情報を掌る核酸に類似している、3)細胞間相互作用や分子認識に関わる複合糖質の関連物質である、などの特徴を有しており各分野で興味がもたれている。しかし、天然に存在するそれらの多くは窒素原子のα位にC-C結合を有し置換基の種類や立体が多彩である(スキーム1)。そのために、目的の立体に置換基が配置された化合物を合成する場合には、標的となる各化合物の立体配置をすでに満たしている糖を出発原料とするなどの戦略が主流となっていた。(例えば非特許文献1〜6参照)
スキーム1 側鎖部分の立体配置の違いによるピロリジン型化合物の分類例
Figure 2005239646
しかし、合成ルートが個別的であり煩雑なために、異性体や類縁体を得るためにはそれぞれ異なる原料および合成法を用いる必要があった。一方、種々の求核試薬を付加することができる含窒素環状化合物は、様々な置換基を有する一連のピロリジン型天然物の合成において有望な前駆体であると考えられるが、イミノ体は目的の立体配置に炭素鎖を導入し難い中間体であり、基質の自由度・行程数・収率・反応の位置および立体選択性を十分に満足させる画一的な手法の開発には至っていない(例えば、非特許文献7)。
これに対し、環状ニトロンは付加反応の際にイミノ体よりも高立体選択的に進行する傾向があり、様々な天然物合成に応用されている。(例えば、特許文献1、非特許文献8〜11)。.
だが、この場合でも直接的に炭素鎖の導入方向を逆転させることは容易ではないことから、目的の立体配置に炭素鎖を効率良く構築する方法が必要とされている状況である。
Hiranuma, S.;Shimizu, T.; Nakata, T.; Kajimoto, T.; Wong, C. H. Tetrahedron Lett., 1995, 36, 8247-8250. Bernet, B.; Murty, A. R. C. B.; Vasella, A. Helv. Chim. Acta., 1990, 73, 940-958. Lundt, I.; Madsen, R. Synthesis, 1995, 787-793. Dureault, A.; Portal, M.; Depezay, J. C. Synlett, 1991, 225-226. Fitremann, J.; Dureault, A.; Depezay, J. C. Synlett, 1995, 235-237. Baxter, E. W.; Reitz, A. B. J. Org. Chem., 1994, 59, 3175-3185. Davis, B. G.; Maughan, M. A. T.; Chapman, T. M.; Villard, R.; Courtney, S. Organic, Lett., 2002, 4, 103-106 Ballini, R.; Marcantoni, E.; Petrini, M. J. Org. Chem., 1992, 57, 1316. Giovannini, R.; Marcantoni, E.; Petrini, M. J. Org. Chem., 1995, 60, 5706. Murahashi, S.; Ohtake, H.; Imada, Y. Tetrahedron, Lett., 1998, 39, 2765. Lombardo, M.; Trombini, C. Tetrahedron, 2000, 56, 323. 特開2002-088059
本発明の目的は、従来法では容易に得難い立体配置を有するピロリジン類の合成法を提供することである。本発明の目的はまた、ピロリジン骨格のα位に立体選択的に置換基を導入する方法を提供することである。
上記課題は、ヒドロキシルアミンの酸化反応と前記酸化反応により得られるニトロンへの水素付加反応(還元反応)を組み合わせることを特徴とするα-置換基の立体選択的導入法により解決される。すなわち、本発明は、(A)少なくともβ位に置換基R1を有し、α位に置換基Rを有しかつβ位炭素が不斉炭素であるピロリジン化合物のN−ヒドロキシルアミン体を酸化して、R1及びRを有しかつ前記α位炭素と窒素の間に二重結合を有するピロリジン化合物のニトロン体を合成する工程、
(B)前記ピロリジン化合物のニトロン体を還元する工程
を特徴とする、α位とβ位の置換基がシスの立体配置にあるピロリジン誘導体の合成方法、を提供する。
本発明はまた、少なくともβ位に嵩高い置換基R11を有するピロリジン化合物のニトロン体のα位に置換基Rを導入することを特徴とする、α位とβ位の置換基がトランスの立体配置にあるピロリジン誘導体の合成方法、を提供する。
本発明の方法により、α位に立体選択的に置換基が導入された、光学純度の高いピロリジン誘導体を合成することができる。また、抗生物質等の天然物である生理活性物質の合成も容易に行うことができる。
本発明の合成方法について以下により詳細に説明する。
本発明の第一の方法は、(A)少なくともβ位に置換基R1を有し、α位に置換基Rを有しかつβ位炭素が不斉炭素であるピロリジン化合物のN−ヒドロキシルアミン体を酸化して、R1及びRを有しかつ前記α位炭素と窒素の間に二重結合を有するピロリジン化合物のニトロン体を合成する工程、
(B)前記ピロリジン化合物のニトロン体を還元する工程
を特徴とする、α位とβ位の置換基がシスの立体配置にあるピロリジン誘導体の合成方法、である。
上記製造方法において、工程(A)における“少なくともβ位に置換基R1を有し、α位に置換基Rを有し、かつβ位炭素が不斉炭素であるピロリジン化合物”とは、ピロリジン環骨格を有する化合物であって、ピロリジン環上の窒素原子のβ位に少なくとも一つの任意の置換基R1を有しており、さらに前記β位炭素原子と窒素原子に隣接するα位に置換基Rを有しており、かつR1が結合するβ位炭素が不斉炭素である化合物である。従って、β位炭素はRまたはS配置である。
工程(A)における原料は、前記ピロリジン化合物のN−ヒドロキシルアミン体である。このN−ヒドロキシルアミン体は、様々な公知の方法により適宜合成できるが、例えば、(C)少なくともβ位に置換基R1を有しかつβ位炭素が不斉炭素であるピロリジン化合物のニトロン体のα位に置換基Rを導入する工程、により合成することができる。
本発明において、工程(A)におけるピロリジン化合物のN−ヒドロキシルアミン体は下記式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2005239646
式中、R1は任意の置換基であり、R2〜R5はそれぞれ独立に水素または任意の置換基であり、かつβ位炭素は不斉炭素である。
上記式(II)におけるR1は任意の置換基であってよい。具体的には、水酸基、任意に保護された水酸基、アリル基、ハロゲン、アミノ基、鎖状若しくは環状の炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基等が挙げられる。
上記式におけるR1として、好ましくは水酸基若しくは保護された水酸基が挙げられる。保護基は一般に水酸基を保護する目的で使用される任意の保護基でよいが、脱離、安定性等の観点から、シリル系保護基が好ましい。より具体的には、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、メチルジ-tert-ブチルシリルオキシ、イソプロピルジメチルシリルオキシ、メチルジイソプロピルシリルオキシ、(トリフェニルメチル)ジメチルシリルオキシ、及びtert-ブチルジフェニルシリルオキシ基からなる群より選択されることがより好ましい。
R2〜R5の任意の置換基としては、R1に関して述べた任意の置換基が挙げられる。従って、R2〜R5はそれぞれ独立に、水素、水酸基、任意に保護された水酸基、アリル基、鎖状若しくは環状の炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン、アミノ基、及び炭素数1〜10のアルコキシ基からなる群より選択されることができる。
次に、上記N−ヒドロキシルアミン体を酸化することによりニトロン体へ変換する。
酸化剤としては、市販のものあるいは調製した試薬および酸素を含むガス(例えば、空気)を利用する方法が適用できる。この反応は、黄色酸化水銀の作用によっても行なうことができる。黄色酸化水銀の使用量は、ヒドロキシルアミン1当量に対して1〜5当量用いることが好ましく、さらに1.2〜2当量用いることが好ましい。反応溶媒、温度、時間は、用いる化合物によって適宜決定することができるが、溶媒は例えば、クロロホルム、塩化メチレンおよびこれらの混合溶媒などが使用できる。反応温度は、通常−10〜50℃程度が好ましく、特に0〜20℃が好ましい。反応時間は、通常5分間〜2日間程度が好ましい。
上記酸化により得られる、“α位置換基を有しかつα位炭素と窒素の間に二重結合を有するピロリジン化合物のニトロン体”は好ましくは、下記一般式(III)で表される。
Figure 2005239646
式中、R1〜R5は式(II)において定義したとおりであり、Rは後述する“α位に導入される置換基”の定義のとおりである。また、β位炭素は酸化する前のヒドロキシルアミン体と同じ立体を有する。
R1が保護された水酸基である場合、保護基は、一般式(III)で表されるα位置換基を有するピロリジン化合物のニトロン体を還元する工程の前に脱保護されていてもよい。
次に上記ピロリジン化合物のニトロン体を水素付加反応により還元する。還元は、市販のものあるいは調製した水素求核剤を利用することができる。水素求核剤としては、水素化ホウ素ナトリウムに代表されるヒドリド供与体が好ましい。水素化ホウ素ナトリウムの使用量は、ニトロン1当量に対して1〜5当量であることが好ましく、さらに1.2〜2当量であることが好ましい。反応溶媒、温度、時間は、原料化合物や用いる試薬により適宜決定することができるが、溶媒としては例えば、メタノール、エタノールをはじめとするアルコール類、水、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフランおよびこれらの混合溶媒などが使用できる。反応温度は、通常−10〜50℃程度が好ましく、特に0〜20℃が好ましい。反応時間は、通常5分間〜2日間程度が好ましい。
上記第一の方法により、α位置換基とβ位置換基の立体配置がシス配置であるピロリジン誘導体を高い光学純度で得ることができる。
工程(C)における“少なくともβ位に置換基R1を有するピロリジン化合物のニトロン体”とは、“少なくともβ位に置換基R1を有するピロリジン化合物”の窒素原子及びβ位炭素に隣接するα位炭素と、窒素原子との間に二重結合を有し、かつ窒素原子が酸化されてN−オキシドとなっている化合物である。
工程(C)における“少なくともβ位に置換基R1を有するピロリジン化合物のニトロン体”は下記式(I)で表されることが好ましい。
Figure 2005239646
式中、R1は任意の置換基であり、R2〜R5はそれぞれ独立に水素または任意の置換基であり、及びβ位炭素は不斉炭素である。すなわち、β位炭素は、R若しくはS配置である。
上記式(I)におけるR1〜R5の定義は式(II)において述べたとおりである。
上記原料のピロリジン化合物のニトロン体は、公知の方法に従い、例えば、相当するN-ヒドロキシピロリジン誘導体やピロリジン誘導体をNa2WO4・2H2O、HgO、Mn2O等により酸化して合成することができる(例えば、S. Murahashi et al, J. Org. Chem. 1990, 55, 1736-1744, S.Cicchi and A.Brandi, Tetrahedron Lett. 42, 6503-6505 (2001))。また、酸化剤として酸素を使用し、二酸化マンガン存在下で相当するN-ヒドロキシピロリジン誘導体を合成することもできる。上記相当するN-ヒドロキシピロリジン誘導体は、例えば、Goti, A. et al.,, J. Org. Chem. 62, 3119-3125(1997), Tetrahedron Lett. 40, 2853-2856 (1999) に記載される方法により合成することができる。
ニトロン体のα位への置換基導入は、例えばグリニヤール反応により行なうことができる。グリニヤール反応とは、V.Grignard, CRV, 130, 1322 (1920)をはじめとして多数の文献に記載されている、RMgX(R:導入される基、X:ハロゲン)で表される試薬を用いた付加反応である。当業者であれば、目的に応じたグリニヤール試薬を調製して反応を行ない、α位へ目的の置換基Rを導入することができる。
α位に導入される置換基として、具体的には、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換アラルキル基、及び置換または非置換アルキルアリール基からなる群より選択される基が挙げられる。より具体的には、アルキル基は、炭素数1〜10、より好ましくは1〜3の、直鎖、分岐鎖若しくは環状アルキル基が挙げられ、アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基、好ましくは、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基及びアルキルアリール基は、上記アルキル基とアリール基との組合せからなる基である。上記基における置換基としては、ハロゲン、水酸基、アミノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基等が挙げられる。
本発明の第二の方法は、少なくともβ位に嵩高い置換基R11を有するピロリジン化合物のニトロン体のα位に置換基Rを導入することを特徴とする、α位とβ位の置換基がトランスの立体配置にあるピロリジン誘導体の合成方法、である。
上記製造方法において、好ましくは、ピロリジン環上窒素原子の少なくともβ位に嵩高い置換基R11を有するピロリジン化合物のニトロン体は式(I)で表される:
Figure 2005239646
式中、R11は任意の嵩高い置換基であり、R2〜R5はそれぞれ独立に水素または任意の置換基であり、及びβ位炭素は不斉炭素である。
“嵩高い置換基R11”とは、付加反応等によるα位への置換反応が立体選択的(エナンチオマー過剰率1%以上)に起こる置換基を意味し、付加反応等に用いる試薬や、導入する置換基により、当業者は“嵩高い置換基R11”を適宜選択することができる。R11の好ましい例としては保護された水酸基が挙げられる。保護基は一般に水酸基を保護する目的で使用される任意の保護基でよいが、脱離、安定性等の観点から、シリル系保護基が好ましい。保護された水酸基の好ましい具体例としては、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、メチルジ-tert-ブチルシリルオキシ、イソプロピルジメチルシリルオキシ、メチルジイソプロピルシリルオキシ、(トリフェニルメチル)ジメチルシリルオキシ、及びtert-ブチルジフェニルシリルオキシ基からなる群より選択される基である。
上記第二の方法において、ピロリジン化合物のニトロン体のα位に置換基Rを導入する方法、R2〜R5の定義、原料であるピロリジン化合物のニトロン体の合成方法は、上記第一の方法において述べたとおりである。
上記第二の方法により、α位置換基とβ位置換基の立体配置がトランス配置であるピロリジン誘導体が得ることができる。
以下、本発明の合成方法の好ましい実施態様について説明する。
本発明の合成方法の一つの実施態様は、ニトロンへの炭素鎖導入(工程1)、酸化によるニトロン生成(工程2)、ニトロンへの付加反応(工程3)を含んでなる、スキーム2に示される方法である。各工程においては公知の手法を適宜使用できる。
スキーム2 環状ニトロンに対する立体選択的な炭素−炭素結合の構築

Figure 2005239646
工程1;
ニトロン化合物である、3-tert-ブチルジメチルシリルオキシ-1-ピロリン N-オキシド(0)を上述した公知の方法に従い合成し、このニトロン化合物のα位に炭素鎖を導入する。炭素鎖導入においては、炭素求核剤の使用によりアルキル炭素鎖が構築される。炭素求核剤としては、市販のものあるいは調製したグリニヤール試薬を利用することができる。炭素求核剤は過剰に使用することができるが、単離・精製の簡単のため、使用量としてはニトロン1当量に対して0.1〜10当量が好ましく、さらに好ましくは0.5〜3当量、最も好ましくは1当量である。反応溶媒としては、通常テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサンおよびこれらの混合溶媒などが使用できる。反応温度は、通常−78〜50℃程度が好ましく、特に0〜20℃が好ましい。反応時間は、通常5分間〜2日間程度が好ましい。(前出の参考文献:1. Ballini, R.; Marcantoni, E.; Petrini, M. J. Org. Chem., 1992, 57, 1316. 2. Giovannini, R.; Marcantoni, E.; Petrini, M. J. Org. Chem., 1995, 60, 5706. 3. Murahashi, S. I.; Ohtake, H.; Imada, Y. Tetrahedron, Lett., 1998, 39, 2765. 4. Lombardo, M.; Trombini, C. Tetrahedron, 2000, 56, 323.)
工程2;
工程1によって得られたヒドロキシルアミン(1)は、酸化によりα-アルキル基含有ニトロンへ(3)と変換できる。酸化剤としては、市販のものあるいは調製した試薬および酸素を含むガス(例えば、空気)を利用する方法が適用できる。この反応は、黄色酸化水銀の作用によっても行なうことができる。黄色酸化水銀の使用量は、ヒドロキシルアミン1当量に対して1〜5当量、好ましくは1.2〜2当量である。反応溶媒としては、通常クロロホルム、塩化メチレンおよびこれらの混合溶媒などが使用できる。反応温度は、通常−10〜50℃程度が好ましく、特に0〜20℃が好ましい。反応時間は、通常5分間〜2日間程度が好ましい。この反応においては、アルキル基の導入されたニトロンの位置異性体が生成し得るので、それぞれを分離して引き続く反応に供することが望ましい。次の工程で使用するニトロン(ニトロン炭素に水素原子を結合していないもの)を確保するために、異性体を還元した後に再度酸化・分離することも可能である。(参考文献:1. J. Org. Chem., 1990, 55, 1736-1744. 2. Bull.Chem. Soc. Jpn., 1999, 72, 2737-2754. 3. Tetrahedron, Lett., 2001, 43, 6503-6505. 4. Synthesis, 1999, 2036-2040. 5. 特願2003-56626)
工程3;
工程2において分離したアルキル基の導入されたニトロン(3)は、各種求核剤との反応に供することができる。求核剤としては、市販のものあるいは調製した水素求核剤を利用することができる。水素求核剤としては、水素化ホウ素ナトリウムに代表されるヒドリド供与体が好ましい。水素化ホウ素ナトリウムの使用量は、ニトロン1当量に対して1〜5当量、好ましくは1.2〜2当量である。反応溶媒としては、通常メタノール、エタノールをはじめとするアルコール類、水、酢酸エチル、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフランおよびこれらの混合溶媒などが使用できる。反応温度は、通常−10〜50℃程度が好ましく、特に0〜20℃が好ましい。反応時間は、通常5分間〜2日間程度が好ましい。
次に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
以下のスキーム3に従い、α位にメチル基が立体選択的に導入されたピロリジン誘導体の合成実施例を示す。
スキーム3

Figure 2005239646
参考例1;
(3S)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド (0)
(3S)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン(171 mg, 0.79 mmol)に水(20 ml)と二酸化マンガン(323 mg, 85%; 3.16 mmol)を加え撹拌、25℃で5分間空気のバブリングを行った(通気量6 L/分)。反応終了後、セライトを通してろ過し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール =10:0→8:2)で精製し、目的とする(3S)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド(0)及び(4S)-4-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド(147 mg, 0.68 mmol, 87%)を91:9で得た。
(3S)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド(0)
分子式 : C10H21NO2Si
分子量 : 215.36
TLC : Rf = 0.50(CHCl3 : CH3OH = 9 : 1)
1H-NMR(ppm, CDCl3) : δ 6.78(1H, m), 4.94(1H, m), 4.08(1H, m), 3.79(1H, m), 2.50(1H, m), 2.02(1H, m), 0.82(9H, s), 0.03(6H, s)
13C-NMR(ppm, CDCl3) : δ135.5, 72.1, 61.2, 30.8, 25.6, 17.9, -4.8, -4.9
(4S)-4-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド
分子式 : C10H21NO2Si
分子量 : 215.36
TLC : Rf = 0.45(CHCl3 : CH3OH = 9 : 1)
1H-NMR(ppm, CDCl3) : δ 6.86(1H, m) 4.64(1H, m), 4.13(1H, m), 3.81(1H, m), 3.02(1H, m), 2.63(1H, m), 0.85(9H, s), 0.056(6H, s)
13C-NMR(ppm, CDCl3) : δ 133.7, 70.4, 66.4, 40.0, 25.7, 17.9, -4.9
実施例1;
(2R,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン (1) および(2S,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン (2)
<ニトロンに対する付加反応による2,3-trans型炭素鎖の導入>
(3S)-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド (0) (500 mg, 2.32 mmol)をTHF (5 ml)に溶かし、メチルマグネシウムブロマイド (3.15 ml,4.41 mmol)を加え、室温で50分間撹拌した。反応終了後、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ塩化メチレンで抽出した。有機層を水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン : 酢酸エチル = 10 : 0 〜 8 : 2 〜 5 : 5)で精製し、(2R,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン (1) および (2S,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン(2) を (1) : (2) = 93.5 : 6.5の混合物 (508 mg, 2.20 mmol, 95 %)として得た。なお、(1) と (2) はシリカゲルカラムによる分離が困難である。
化合物(1)
分子式:C11H25NO2Si
分子量:231.4105
比旋光度:[a]D +47.6° (c 1.0, CH2Cl2)
Rf 値: 0.5 (n-ヘキサン : EtOAc = 5 : 5)
1H NMR (CDCl3) d 3.81 (br s, 1H, H-3), 3.22 (ddd, 1H, H-5a, J = 2.9, 8.1, 10.6 Hz), 3.03 (ddd, 1H, H-5b, J = 9.52, 9.52, 9.52 Hz), 2.71 (dq, 1H, H-2, J = 6.6 Hz), 2.01-2.12 (m, 1H, H-4b, J = 8.1, 13.2 Hz), 1.66 (dddd, 1H, H-4a, J = 2.9, 7.0, 9.5, 13.2 Hz), 1.21 (d, 3H, CH3, J = 6.6 Hz).
CH3に起因するシグナル (1.21 ppm) に照射した際、H-2のシグナルに明確なNOEが観測された。
13C NMR (CDCl3) d 75.92 (C-3), 70.71 (C-2), 56.09 (C-5), 31.32 (C-4), 25.79, 17.97, -4.61, -4.80.
化合物(2)
分子式:C11H25NO2Si
分子量:231.4105
比旋光度:[a]D +47.8° (c 1.0, CH2Cl2)
Rf 値: 0.5 (n-ヘキサン : EtOAc = 5 : 5)
1H NMR (CDCl3) d 4.18 (ddd, 1H, H-3, J = 3.3, 5.9, 7.7 Hz), 3.38 (ddd, 1H, H-5a, J = 3.3, 8.4, 10.0 Hz), 2.71-2.65 (m, 2H, H-2 and H-5b), 2.22 (dddd, 1H, H-4a, J = 3.3, 7.7, 9.2, 12.2 Hz), 1.65 (dddd, 1H, H-4a, J = 3.3, 8.8, 8.8, 12.1 Hz), 1.18 (d, 3H, CH3, J = 6.6 Hz).
CH3に起因するシグナル (1.18 ppm) に照射した際、H-2のシグナルに明確なNOE(核オーバーハウザー効果、nuclear overhauser effect)が観測されなかった。
13C NMR (CDCl3) d 71.26 (C-3), 68.00 (C-2), 55.76 (C-5), 32.37 (C-4), 25.77, 18.09, 12.47, -4.75, -5.08.
(3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド (3) および (2R,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-5-ピロリン N-オキシド (4)
<アルキル基の導入されたニトロンの合成>
(2R,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン (1) (147 mg, 0.64 mmol)を塩化メチレン (3 ml)に溶かし、黄色酸化水銀 (208 mg, 0.96 mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後、不溶物をセライトろ過し、濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル : メタノール = 10 : 0 〜 8 : 2)で精製し、(3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド (3)および、(2R) (3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-5-ピロリン N-オキシド (4) を(3) : (4) = 83 : 17 の混合物 (146 mg, 0.63 mmol, 99 %) として得た。(3) と (4) はシリカゲルカラムにより分離が可能である。
化合物(3)
分子式:C11H23NO2Si
分子量:229.3946
比旋光度:[a]D -24.8° (c 1.0, CH2Cl2)
Rf 値: 0.4 (EtOAc : MeOH = 8 : 2)
1H NMR (CDCl3) d 4.85-4.87 (m, 1H, H-3, J = 4.4 Hz), 4.06-4.13 (m, 1H, H-5a),3.87-3.90 (m, 1H, H-5b), 2.45 (dddd, 1H, H-4a, J = 4.4, 13.2, 7.7, 8.4 Hz), 2.01 (s, 3H, CH3), 1.96 (dddd, 1H, H-4b, J = 4.4, 13.2, 6.6, 9.5 Hz).
13C NMR (CDCl3) d 74.79 (C-3), 60.31 (C-5), 28.89 (C-4), 25.58, 17.96, 10.30 (C-2), -4.62, -4.93.
元素分析 計算値: C, 57.59; H, 10.11; N, 6.11. 分析値: C, 57.86; H, 9.82; N, 6.15.
化合物(4)
分子式:C11H23NO2Si
分子量:229.3946
比旋光度:[a]D +23.4° (c 1.0, CH2Cl2)
Rf 値: 0.6 (EtOAc : MeOH = 8 : 2)
1H NMR (CDCl3) d 6.80 (br s, 1H, H-5), 4.21 (ddd, 1H, H-3, J = 3.3, 3.3, 6.6 Hz), 3.82-3.85 (m, 1H, H-2), 2.94 (dddd, 1H, H-4a, J = 1.8, 2.6, 7.0, 18.6 Hz), 2.53 (dddd, 1H, H-4b, J = 1.1, 2.9, 5.9, 18.3 Hz), 1.45 (d, 3H, CH3, J = 7.0 Hz).
13C NMR (CDCl3) d 131.51 (C-5), 76.40 (C-2), 73.53 (C-3), 37.16 (C-4), 25.59, 17.87, 15.57, -4.81, -4.83.
元素分析 計算値: C, 57.59; H, 10.11; N, 6.11. 分析値: C, 57.30; H, 9.94; N, 6.41.
(2R,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン(1) および (2S,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン(2) <アルキル基の導入されたニトロン(ニトロン炭素に水素原子を結合していないもの)の還元反応による2,3-cis型炭素鎖の導入>
(3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-1-ピロリン N-オキシド (3) (287 mg, 1.25 mmol)をエタノール (7.2 ml)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウム (70.9 mg, 1.88 mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を飽和食塩水にあけメチレンクロライドで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥・濃縮後、残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー (n-ヘキサン : 酢酸エチル = 10 : 0 〜 7 : 3 〜 5 : 5)で精製し、(2R,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン (1) および (2S,3S)-2-メチル-3-(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ-N-ヒドロキシピロリジン(2) を (1) : (2) = 7.2 : 92.8 の混合物 (240 mg, 1.05 mmol, 83 %)として得た。なお、(1) と (2) はシリカゲルカラムによる分離が困難である。
実施例2;
前記したニトロン化合物に対するアルキル基導入反応、および酸化・還元反応の活用により達成された有用ピロリジン型化合物デアセチルアニソミシン(Deacetylanisomycin)の合成プロセスを示す(スキーム4)。





スキーム4 デアセチルアニソミシンの立体選択的合成

Figure 2005239646
上記スキーム及び下記記載において、“MBn”は、‘メトキシベンジル’を意味する。
(2S,3S,4S)-3,4-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-(4-メトキシベンジル)-N-ヒドロキシ-ピロリジン (5)
(3S,4S)-3,4-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-1-ピロリン N-オキシド (4)(1.93 g, 5.27 mmol)をアルゴンガス置換下、THF(5 ml)に溶かし、p-MBnMgBr(0.5 M in THF, 13.1 ml, 6.58 mmol, 1.25 eq.)を滴下し加えた。5分後TLC(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)で反応終了を確認し、飽和塩化アンモニウム水溶液でクエンチ(100 ml)し、塩化メチレン(200ml×2)で抽出した。その後、塩化ナトリウム(50ml×2)で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。濃縮後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:EtOAc = 9:1→2:1)により精製し、目的の (2S,3S,4S)-3,4-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-(4-メトキシベンジル)-N-ヒドロピロリジン (5)(2.45 g, quant, > 99% de)を無色油状物質(colorless oil)で得た。
分子式:C24H45NO4Si2
分子量:467.79
TLC:Rf = 0.45(n-ヘキサン:EtOAc = 4:1)
1H-NMR (CDCl3):δ= -0.02, (3H, s, Si-CH 3 in TBDMS), -0.05 (3H, s, Si-CH 3 in TBDMS), 0.11 (6H, s, Si-CH 3 in TBDMS), 0.81 (9H, s, Si-C(CH 3)3 in TBDMS), 0.89 (9H, s, Si-C(CH 3)3 in TBDMS), 2.85 (1H, dd, H-MBna JMBha,MBnb = 13.7 Hz, JMBha,H-2 = 6.8 Hz), 2.97 (1H, dd, H-MBnb, , JMBhb,H-2 = 8.2 Hz ), 3.14 (1H, ddd, H-2, JH-2,H-3 = 6.2 Hz), 3.18(1H, dd, H-5a, JH-4,H-5a = 2.2 Hz, JH-5a,H-5b = 11.2 Hz), 3.31(1H, dd, H-5b), 3.78(3H, s, OMe), 3.82(1H, dd, H-3, JH-3,H-4 = 1.5 Hz), 4.06(1H, ddd, H-4), 7.2 and 6.8(4H, Ph each d, J = 8.8 Hz)
(3S,4S)-3,4-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-(4-メトキシベンジル)-1-ピロリン N-オキシド (7)
(2S,3S,4S)-3,4-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-(4-メトキシベンジル)-N-ヒドロキシピロリジン (5)(2.54 g, 5.27 mmol)を塩化メチレン(25 ml)に溶かし、黄色 HgO(0.83, 6.58 mmol, 1.25 eq.)を加えた。3時間後TLC(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)で反応終了を確認し、塩化メチレンで希釈しセライトろ過し、濃縮した。濃縮後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:EtOAc = 9:1→2:1)により精製し、目的の(3S,4S)-3,4-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-(4-メトキシベンジル)-1-ピロリン N-オキシド (7) (1.22 g, 50%)を無色油状物質(colorless oil)で得た。また、このとき同時に得られる位置異性体 (6) (1.22 g, 50%)は、NaBH4で還元することにより(2S,3S,4S)-3,4-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-(4-メトキシベンジル)-N-ヒドロキシピロリジン (5)へと変換可能である。
分子式:C24H43NO4Si2
分子量:465.77
TLC:Rf = 0.25(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)
元素分析 計算値:C, 61.89; H, 9.31; N, 3.01; O, 13.74; Si, 12.06
分析値:C, 61.91; H, 9.47; N, 2.97; O, 13.70
1H-NMR (CDCl3):δ= -0.02 - 0.06, (12H, s, Si-CH 3 x 2 in TBDMS), 0.81 (18H, s, Si-C(CH 3)3 x 2 in TBDMS), 3.38 (1H, d, H-MBna JMBha,MBnb = 15.8 Hz ), 3.76 (1H, dd, H-5a, JH-4,H-5a = 2.6 Hz, JH-5a,H-5b = 13.5 Hz), 3.79 (3H, s, OMe), 4.15 (1H, ddd, H-4, JH-4,H-5b = 1.4 Hz, JH-3,H-4 = 1.3 Hz), 4.23 (1H, d, H-MBnb), 4.39 (1H, dd, H-5b), 4.49 (1H, d, H-3) 6.82 and 7.16 (4H, Ph each d, J = 8.8 Hz)
(3S,4S)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-1-ピロリン N-オキシド (8)
(2S,3S,4S)-3,4-ビス(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)-2-(4-メトキシベンジル)-1-ピロリン N-オキシド(7) (1.00 g, 2.15 mmol)をアセトニトリル(5 ml)に溶かし、48%HF(0.25 ml, 6.48 mmol, 3.0 eq.)を加えた。6時間後TLC(EtOAc:MeOH = 4:1)で反応終了を確認し、1M NaOH水溶液(6.24 ml, 6.24 mmol, 2.9 eq.)を加え、中性になった事を確認し、EtOAc (50 ml)でソックスレー抽出を行い濃縮した。有機層を濃縮後、MeOH (3.4 ml)加え、再結晶を行い、目的の(3S,4S)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-1-ピロリン N-オキシド (8) (0.50g, 98%)を白色結晶で得た。
分子式:C12H15NO4
分子量:237.25
TLC:Rf = 0. 5(EtOAc:MeOH = 4:1)
元素分析 計算値:C, 60.75; H, 6.37; N, 5.90; O, 26.97
分析値:C, 60.59; H, 6.31; N, 6.05; O, 26.90
1H-NMR (MeOH-d4):δ= 3.51 (1H, d, H-MBna JMBha,MBnb = 15.0 Hz ), 3.70 (1H, dd, H-5a, JH-4,H-5a = 2.6 Hz, JH-5a,H-5b = 8.7 Hz ), 3.76 (3H, s, OMe) 4.04 (1H, d, H-MBnb), 4.18 (1H, ddd, H-4, JH-4,H-5b = 2.9 Hz, JH-3,H-4 = 1.3 Hz), 4.33 (1H, dd, H-5b), 4.40 (1H, d, H-3) 6.86 and 7.22 (4H, Ph each d, J = 8.7 Hz)
(2R,3S,4S)-N-(ベンジルオキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)ピロリジン (9)
(3S,4S)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-1-ピロリン N-オキシド (8) (0.46 g, 1.96 mmol)をEtOH(10 ml) に溶かし、NaBH(0.30, 7.82 mmol, 4.0 eq.)を加えた。6時間後TLC(EtOAc:MeOH = 9:1)で反応終了を確認し、水 (25 ml) 加え、EtOAc (50 ml)でソックスレー抽出した。有機層を濃縮すると得られる(2R,3S,4S)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-N-ヒドロキシピロリジンを用いて、引き続き接触還元を行なった。
尚、(2R,3S,4S)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-N-ヒドロキシピロリジンの物性値は以下のとおりである。
分子式:C12H15NO4
分子量:237.25
TLC:Rf = 0. 5(EtOAc:MeOH = 4:1)
元素分析 計算値:C, 60.75; H, 6.37; N, 5.90; O, 26.97
分析値:C, 60.59; H, 6.31; N, 6.05; O, 26.90
1H-NMR (MeOH-d4):δ= 2.72 (1H, dd, H-MBna JMBha,MBnb = 13.6 Hz, JMBha,H-2 = 6.2 Hz), 2. 77 (1H, ddd, H-2, , JMBhb,H-2 = 4.7 Hz, JH-2,H-3 = 7.0 Hz ), 2.87 (1H, dd, H-MBnb), 2.99(1H, dd, H-5a, JH-4,H-5a = 2.6 Hz, JH-5a,H-5b = 11.0 Hz) ), 3.05(1H, dd, H-5b, JH-4,H-5b = 6.6 Hz,), 3.56(1H, dd, H-3, JH-3,H-4 = 2.9 Hz), 3.68(3H, s, OMe) 3.89(1H, ddd, H-4) 7.2 and 6.8(4H, Ph each d, J = 8.8 Hz)
上記操作により得た(2R,3S,4S)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-N-ヒドロキシピロリジンのEtOH(5 ml)溶液に5% Pd/Cを触媒量加え、水素雰囲気下で12時間撹拌した。TLC(EtOAc:MeOH = 9:1)で反応終了を確認後、セライトろ過を行い濃縮することで、(2R,3S,4S)- 3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-ピロリジン(デアセチルアニソミシン(Deacetylanisomycin))が得られる。本化合物は、引き続きアミンの保護を行ない同定した。
上記操作により得たデアセチルアニソミシン(Deacetylanisomycin)(0.40 g, 1.96 mmol-粗製物)をジオキサン(15 ml)に溶かし、7% NaHCO3 (6.3 ml)加えた。0℃に冷却し、95%CbzCl(0.43 ml, 2.88 mmol, 1.5eq.)を滴下し、室温に戻し2時間後TLC(EtOAcのみ)で反応終了を確認し、塩化メチレン(200ml×2)で抽出した。その後、塩化ナトリウム(50ml×2)で洗浄した。有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。濃縮後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:EtOAc = 1:9→0:10)により精製し、目的の(2R,3S,4S)-N-(ベンジルオキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル) ピロリジン (9)(0.59 g, 84%, > 99% de)を無色オイル状物質(colorless oil)として得た。
分子式:C20H23NO5
分子量:357.40
TLC:Rf = 0. 6(EtOAc Only)
元素分析 計算値:C, 67.21; H, 6.49; N, 3.92; O, 22.38
分析値:C, 66.61; H, 6.41; N, 3.87; O, 22.38
1H-NMR (CDCl3, at 40℃):δ= 2.68 (1H, br, H-MBna), 2.88 (1H, dd, H-MBnb, JMBna,MBnb = 13.7 Hz, JMBhb,H-2 = 9.1 Hz ), 3.33 (1H, dd, H-5a, JH-5a,H-5b = 11.7 Hz, JH-4,H-5a = 4.0 Hz), 3.54(1H, dd, H-5b, JH-4,H-5b = 5.6 Hz,), 3.75(3H, s, OMe), ), 3.87(1H, m, H-4), 3.95(1H, m, H-3), 4.20 (1H, br, H-2), 5.09 (1H, br, Cbz), 6.75 and 7.07 (4H, Ph each d, J = 8.8 Hz)
本化合物のデータは、非特許文献(J. Org. Chem., 1986, 51, 1069-1073)に記載されているものと完全に一致した。また、ここで得られた (9) は上記文献にしたがってアニソミシン(Anisomycin)への変換が可能である(スキーム5)。

スキーム5 アニソミシンの合成

Figure 2005239646
(2R,3S,4S)-N-(ベンジルオキシカルボニル)-3-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-4-{(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ}ピロリジン (10)
(2R,3S,4S)-N-(ベンジルオキシカルボニル)-3,4-ジヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)ピロリジン (9) (10.7mg, 0.03mmol)を塩化メチレン(0.5ml)に溶かし、2,6-ルチジン(Lutidine)(83.2μl, 0.07mmol, 2.4eq.)を加えた。0℃に冷却し、TBDMSOTf(82.5μl, 0.04mmol, 1.2eq.)を滴下し、室温に戻し3時間後、TLC(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)で反応終了を確認し、水でクエンチ後、塩化メチレン(200ml×2)で抽出した。その後、塩化ナトリウム(50ml×2)で洗浄し、有機層は無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。濃縮後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:EtOAc = 4:1→2:1)により精製し、(2R,3S,4S)-N-(ベンジルオキシカルボニル)-3-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-4-{(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ}ピロリジン (10)(12.7 mg, 90%, > 99% de)を無色油状物質(colorless oil)として得た。
分子式:C26H37NO5Si
分子量:471.66
TLC:Rf = 0.45(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)
1H-NMR (CDCl3):δ= -0.02, (6H, s, Si-CH 3 in TBDMS), 0.81 (9H, s, Si-C(CH 3)3 in TBDMS), 2.88 (1H, dd, H-MBna JMBha,MBnb = 13.7 Hz, JMBha,H-2 = 9.2 Hz), 3.03 (1H, br, H-MBnb), 3.33(1H, dd, H-5a, JH-4,H-5a = 4.0 Hz, JH-5a,H-5b = 11.3 Hz) ), 3.48(1H, dd, H-5b, JH-4,H-5b = 5.3 Hz ), 3.77 (3H, s, OMe), 3.78 (1H, dd, H-4, JH-3,H-4 = 4.76 Hz), 3.92 (1H, br, H-3 ), 4.16 (1H, br, H-2 ), 5.16 (1H, br, H-Cbz ), 6.79 and 7.17 (4H, Ph each d, J = 8.8 Hz)
(2R,3S,4S)-3-アセトキシ-N-(ベンジルオキシカルボニル)-2-(4-メトキシベンジル)-4-{(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ} ピロリジン (11)
(2R,3S,4S)-N-(ベンジルオキシカルボニル)-3-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-4-{(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ}ピロリジン (12.7mg, 0.03mmol) (10) にピリジン(0.5ml)に溶かし、無水酢酸(83.2μl, 0.07mmol, 2.4eq.)を加えた。室温で12時間撹拌し、TLC(n-ヘキサン:EtOAc = 4:1)で反応終了を確認し濃縮した。濃縮後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:EtOAc = 4:1→2:1)により精製し、 (2R,3S,4S)-3-アセトキシ-N-(ベンジルオキシカルボニル)-2-(4-メトキシベンジル)-4-{(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ} ピロリジン (11)(13.0 mg, 96%, > 99% de)を無色油状物質(colorless oil)として得た。
分子式:C28H39NO6Si
分子量:513.70
TLC:Rf = 0. 60(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)
1H-NMR (CDCl3):δ= -0.02, (6H, s, Si-CH 3 in TBDMS), 0.81 (9H, s, Si-C(CH 3)3 in TBDMS) 1.93 (3H, s, OAc), 2.75 (1H, br, H-MBna), 3.08 (1H, br, H-MBnb), 3.25(1H, dd, H-5a, JH-4,H-5a = 4.4 Hz, JH-5a,H-5b = 11.3 Hz), 3.33(1H, dd, H-5b, JH-4,H-5b = 5.4 Hz ), 3.67 (3H, s, OMe), 3.82 (1H, br, H-4), 4.32 (1H, br, H-2 ), 4.75 (1H, br, H-3 ), 5.08 (1H, br, H-Cbz ), 6.69 and 6.87-6.97 (4H, Ph each d, J = 8.8 Hz)
(2R,3S,4S)-3-アセトキシ-N-(ベンジルオキシカルボニル)-4-ヒドロキシ -2-(4-メトキシベンジル)-ピロリジン (12)
(2R,3S,4S)-N-(ベンジルオキシカルボニル)-3-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-4-{(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ}ピロリジン (11) (13.0mg, 0.03mmol)をTHF(0.5ml)に溶かし、1MTBAF (30.0μl, 0.03mmol, 1.2eq.)を加えた。室温で12時間撹拌し、TLC(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)で反応終了を確認し濃縮した。濃縮後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(n-ヘキサン:EtOAc = 4:1→2:1)により精製し、目的の(2R,3S,4S)-3-アセトキシ-N-(ベンジルオキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-2-(4-メトキシベンジル)-ピロリジン (12)(9.2 mg, 90%, > 99% de)を無色油状物質(colorless oil)で得た。
分子式:C22H25NO6
分子量:399.44
TLC:Rf = 0. 60(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)
1H-NMR (CDCl3):δ= 2.11 (3H, s, OAc), 2.78-3.00 (2H, br, H-MBna, H-MBnb), 3.42(1H, dd, H-5a, JH-4,H-5a = 4.0 Hz, JH-5a,H-5b = 11.3 Hz), 3.50(1H, dd, H-5b, JH-4,H-5b = 6.2 Hz ), 3.73 (3H, s, OMe), 3.99 (1H, br, H-4), 4.42 (1H, ddd, H-2, JH-2,H-3 = 5.5 Hz), 4.89 (1H, dd, H-3 ), 5.11 (1H, br, H-Cbz ), 6.74 and 7.00 (4H, Ph each d, J = 8.4 Hz)
(-)-アニソミシン(Anisomycin) (13)
(2R,3S,4S)-3-アセトキシ-N-(ベンジルオキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-2-(4- メトキシベンジル)-ピロリジン (12) (9.2 mg, 0.02mmol)をEtOH(2 ml)に溶かし、5%Pd/Cを触媒量加えた。減圧下、水素を添加し、12時間後TLC(n-ヘキサン:EtOAc = 2:1)で反応終了を確認し、セライトろ過を行い濃縮し,目的の(-)-アニソミシン(Anisomycin) (13) ( 5.9mg, 96%, >99%de)を得た.
分子式:C14H19NO4
分子量:265.30
1H-NMR (CDCl3):δ= 2.11 (3H, s, OAc), 2.78-3.00 (2H, br, H-MBna, H-MBnb), 3.42(1H, dd, H-5a, JH-4,H-5a = 4.0 Hz, JH-5a,H-5b = 11.3 Hz), 3.50(1H, dd, H-5b, JH-4,H-5b = 6.2 Hz ), 3.73 (3H, s, OMe), 3.99 (1H, br, H-4), 4.42 (1H, ddd, H-2, JH-2,H-3 = 5.5 Hz), 4.89 (1H, dd, H-3 ), 5.11 (1H, br, H-Cbz ), 6.74 and 7.00 (4H, Ph each d, J = 8.4 Hz)
以上の工程を経て得られるピロリジン型化合物のα位へアルキル基等の置換基が導入された化合物は、1工程目で導入された立体配置とは異なり、結果として立体反転したものと同等である。ニトロンあるいは相当するイミノ体への直接的な付加反応の立体制御によるそれぞれの異性体の作り分けは困難である背景を考慮すると、本発明による立体反転は実用的であり、種々の高付加価値化合物の合成手段の一手法として特に適している。

Claims (13)

  1. (A)少なくともβ位に置換基R1を有し、α位に置換基Rを有しかつβ位炭素が不斉炭素であるピロリジン化合物のN−ヒドロキシルアミン体を酸化して、R1及びRを有しかつ前記α位炭素と窒素の間に二重結合を有するピロリジン化合物のニトロン体を合成する工程、
    (B)前記ピロリジン化合物のニトロン体を還元する工程
    を特徴とする、α位とβ位の置換基がシスの立体配置にあるピロリジン誘導体の合成方法。
  2. 工程(A)におけるピロリジン化合物のN−ヒドロキシルアミン体が以下の工程により合成される、請求項1記載の方法:
    (C)少なくともβ位に置換基R1を有するピロリジン化合物のニトロン体のα位に置換基Rを導入する工程。
  3. 工程(A)におけるピロリジン化合物のN−ヒドロキシルアミン体が下記式(II)で表される、請求項1または2記載の合成方法:
    Figure 2005239646
    式中、R1は任意の置換基であり、R2〜R5はそれぞれ独立に水素または任意の置換基であり、かつβ位炭素は不斉炭素である。
  4. R1が任意に保護された水酸基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の合成方法。
  5. R1が、ヒドロキシ基、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、メチルジ-tert-ブチルシリルオキシ、イソプロピルジメチルシリルオキシ、メチルジイソプロピルシリルオキシ、(トリフェニルメチル)ジメチルシリルオキシ、及びtert-ブチルジフェニルシリルオキシ基からなる群より選択される、請求項4に記載の合成方法。
  6. Rが、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換アラルキル基、及び置換または非置換アルキルアリール基からなる群より選択される、請求項1〜5の何れか一項に記載の合成方法。
  7. 工程(C)におけるニトロン体のα位への置換基導入が、グリニヤール反応により行なわれる、請求項2〜6の何れか一項に記載の合成方法。
  8. 少なくともβ位に嵩高い置換基R11を有するピロリジン化合物のニトロン体のα位に置換基Rを導入する工程を特徴とする、α位とβ位の置換基がトランスの立体配置にあるピロリジン誘導体の合成方法。
  9. 少なくともβ位に嵩高い置換基R11を有するピロリジン化合物のニトロン体が式(I)で表される、請求項8記載の合成方法:
    Figure 2005239646
    式中、R11は任意の嵩高い置換基であり、R2〜R5はそれぞれ独立に水素または任意の置換基であり、及びβ位炭素は不斉炭素である。
  10. R11が保護された水酸基である、請求項7〜9のいずれか一項に記載の合成方法。
  11. R11が、tert-ブチルジメチルシリルオキシ、メチルジ-tert-ブチルシリルオキシ、イソプロピルジメチルシリルオキシ、メチルジイソプロピルシリルオキシ、(トリフェニルメチル)ジメチルシリルオキシ、及びtert-ブチルジフェニルシリルオキシ基からなる群より選択される、請求項10に記載の合成方法。
  12. α位に導入される置換基が、置換または非置換アルキル基、置換または非置換アリール基、置換または非置換アラルキル基、及び置換または非置換アルキルアリール基からなる群より選択される、請求項7〜11の何れか一項に記載の合成方法。
  13. ニトロン体のα位への置換基導入が、グリニヤール反応により行なわれる、請求項7〜12の何れか一項に記載の合成方法。
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