JP2005234197A - 熱現像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数サイズの熱現像感光フィルムを用いて熱現像プロセスを実行する際に、フィルム端面付近からの断裁くずや乳剤剥がれが対向ローラに付着し固化し、この固着物を核としてフィルム処理にともない揮発した脂肪酸等が凝集し固着し異物が成長することを防止し、対向ローラと加熱ドラムとの均一な接触・伝熱を確保する熱現像記録装置を提供する。
【解決手段】 この熱現像記録装置は、複数サイズの熱現像感光フィルムFを装填可能であるフィルム載置手段と、フィルムを搬送する搬送手段と、搬送された熱現像感光フィルムに画像データに基づいて潜像を形成する露光手段と、潜像が形成されたフィルムを加熱しながら搬送し現像可視化する加熱ドラム14及びフィルム押圧のための対向ローラ16a、16bを含む熱現像手段と、を備え、大サイズフィルムFBが加熱ドラムに接触する両端部近傍では各対向ローラが加熱ドラムと接触せず、かつ、小サイズフィルムFAを対向ローラに対し斜めに搬送する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、シート状の熱現像感光フィルムに潜像を形成してから、加熱することで現像可視化する熱現像記録装置に関するものである。
従来の医療用イメージャ(熱現像記録装置)では、半切(17×14)・大角(14×14)・大四切(11×14)の各サイズの熱現像感光フィルム(以下、単に「フィルム」という場合がある。)を、主走査方向が14インチとなるようフィルムを搬送することで同一のイメージャで処理可能とし、他のサイズ、例えば六切等は専用イメージャで処理するものであった。このような場合には、どちらの方式を採用しても、機能性能的及びコスト的観点からはあまり差異が見られなかった。
ところが、近年では上記3サイズの他に、超音波撮影装置の出力時に用いられる六切(8×10)等の短辺及び長辺ともに半切(17×14)・大角(14×14)・大四切(11×14)とは一致しないサイズのフィルム処理も行えるイメージャが望まれている。
また、熱現像プロセスを採用したイメージャでは、熱現像特有の次の問題がある。即ち、熱現像プロセスにおいて、フィルムを加熱する加熱し搬送する手段として、下記特許文献1に示すように加熱ドラムと複数の対向ローラとによってフィルムを挟持しながら搬送する方式を採用した場合、フィルムと加熱ドラム及び対向ローラとの密着均一化、及び加熱ドラム表面温度均一化を図るために加熱部材表面にシリコンゴム等の弾性層を設ける場合がある。
ところが、この弾性層は熱現像感光フィルムの処理にともなって、当該熱現像
感光フィルムに含有していた有機酸や高級脂肪酸等が加熱によりフィルムから揮
発し、当該弾性層周辺に漂い、弾性層をアタックし、シリコンゴムの架橋結合等
を阻害しようとする。また、揮発した有機酸等が凝集して加熱ドラム表面に付着
し、かかる凝集物によりフィルム通過跡等が形成されると、画像に影響を与える
おそれが生じる。
更に、フィルム端面(先端・後端・側端)からの断裁くずや乳剤剥がれ等も、加熱ドラムや対向ローラに付着し、フィルム〜加熱ドラム〜対向ローラの均一な接触(伝熱)を乱し、結果として濃度むらを招くことになる。
これに加えて、加熱ドラム自体が加熱・冷却を繰り返すことと相俟って、フィルム通過部の弾性層が膨潤し、やがてはその表面にひび割れ等を生じ始め、やがてこのひび割れがフィルムに転写されることとなる。これは、加熱ドラムとフィルムの密着状態が不均一となり、加熱ドラム全面にわたって熱伝達が均一ではなくなるためである。熱現像部でのフィルム通過位置が14インチのみであれば、半切(17×14)・大角(14×14)・大四切(11×14)の3サイズを処理しても影響は比較的少なく、弾性層にひび割れが生じるまでは使用可能であ
る。
しかしながら、この14インチと異なるサイズを同じイメージャ(熱現像記録装置)で処理すると、14インチ幅端部とは異なる部分に、この膨潤跡やフィルム端に対応した通過跡が発生することになり、最大サイズのフィルム処理時には、画像に表れてしまう不具合があった。
下記特許文献2は、露光後のフィルムを熱現像部に搬入し、加熱ドラムで加熱することで現像を行うとき、それまでとはサイズの異なるフィルムを熱現像部に搬入する際に、その新たなサイズのフィルムを所定時間待機させることで、熱現像部へ搬入するのを遅らせる。この待機させている間、加熱ドラムの回転および熱源による加熱を継続することで、表面温度を均一にするようにした画像記録装置を開示するが、熱現像感光フィルムの加熱処理に伴う画像の不具合に対処するものではない。
下記特許文献2は、潜像を形成した熱現像感光フィルムを加熱部にて加熱ドラムとエンドレスベルトとにより挟持して搬送することにより可視像を得る際に、表面に粘着性を有する塵埃除去手段を加熱ドラムに接触させて配設することで加熱ドラムに付着する塵芥を除去し点状の画像欠陥の発生を防止するようにした熱現像記録装置を開示するが、加熱手段と共同する補助手段である対向ローラへの異物影響や対向ローラのクリーニングに対する開示は無い。
特表平10−500497号公報 特開平11−65070号公報
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、複数サイズの熱現像感光フィルムを用いて熱現像プロセスを実行する際に、フィルム端面付近からの断裁くずや乳剤剥がれが対向ローラに付着し固化し、この固着物を核としてフィルム処理にともない揮発した脂肪酸等が凝集し固着し、異物が成長することを防止し、対向ローラと加熱ドラムとの均一な接触・伝熱を確保する熱現像記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による熱現像記録装置は、複数サイズのシート状の熱現像感光フィルムを装填可能であるフィルム載置手段と、前記フィルム載置手段の熱現像感光フィルムを搬送する搬送手段と、前記搬送された熱現像感光フィルムに画像データに基づいて潜像を形成する露光手段と、前記潜像が形成されたシート状の熱現像感光フィルムを加熱しながら搬送し現像可視化する、加熱手段及びフィルム押圧のための複数の対向ローラを含む熱現像手段と、を備える熱現像記録装置であって、複数の幅方向位相の最大幅の前記熱現像感光フィルムが前記加熱手段に接触する両端部近傍では前記複数の対向ローラが前記加熱手段と接触しないように構成し、前記搬送手段は、前記複数サイズの熱現像感光フィルムを前記熱現像手段に対し前記複数の幅方向位相で搬送するとともに、前記複数の幅方向位相の最大幅よりも小さい幅方向位相となる熱現像感光フィルムを前記熱現像手段の対向ローラに対し斜めに搬送することを特徴とする。
この熱現像記録装置によれば、小サイズのシート状の熱現像感光フィルムを熱現像手段の対向ローラに対し斜めに搬送するので、熱現像感光フィルムの対向ローラに対する進入位置がフィルム先端部と後端部とで異なる。このため、フィルム断裁くずや乳剤剥がれ等が線状に集中せずに分散するので、装置使用時に揮発した高級脂肪酸等が装置不使用時の温度低下に伴い凝集し付着しようとする核が分散し、凝集物が大きな固まりの異物に成長し難くなる。また、大サイズの熱現像感光フィルムに対しては、加熱手段に接触するフィルム両端部近傍では各対向ローラが加熱手段と接触しないので、フィルム端付近からの断裁くずや乳剤剥がれ等が対向ローラに付着し難くなる。以上のことから、断裁くずや乳剤剥がれ等が対向ローラに付着固化することに起因して異物が成長することを防止でき、このため、加熱手段とフィルムと対向ローラの間における均一な接触(伝熱)を確保でき濃度むらの発生を抑えるとともに、熱現像感光フィルムを小サイズから大サイズに変更したときに異物分散し画質低下を防止でき、また、装置のメンテナンスサイクルを従来よりも延長することが可能となる。
なお、最大サイズの熱現像感光フィルムを搬送するときの搬送幅方向を対向ローラに対し略直交方向とすることで、加熱手段の幅方向寸法が大きくなることもなく、好ましい。
上記熱現像記録装置において、前記搬送手段が、前記熱現像感光フィルムを前記フィルム載置手段から前記露光手段までの搬送を行う第1搬送手段と、露光後に前記熱現像手段へ搬送する第2搬送手段と、を備え、前記第2搬送手段が前記熱現像感光フィルムを前記熱現像手段の対向ローラに対し斜めに搬送することが好ましい。これにより、潜像を形成する露光のときは斜めにせずに通常にフィルムを搬送できるので、フィルム露光の画像データを斜め対応にする必要がない。
また、前記加熱手段が、その最外層に弾性層を有することが好ましく、この場合、前記弾性層が、その最外層に滑面層を有することが好ましい。特に、加熱ドラム等の加熱手段の弾性層の最外層にフッ素樹脂等の滑面層がある場合、乳剤剥がれや断裁くず等が滑面層の良好な離型性により金属製の対向ローラに付着し易くなるので、特に好ましい。更に、滑面層にダメージを与えるような大きな異物・固まりが発生し難いので、滑面層の長寿命化を実現でき、好ましい。
また、前記加熱手段におけるフィルム接触面をクリーニングするためのクリーニング手段、を備え、前記熱現像感光フィルムが幅方向位相小から大サイズに変更されたとき、前記クリーニング手段が前記加熱手段のフィルム接触面をクリーニングするように制御することが好ましい。熱現像感光フィルムを小サイズから大サイズに変更したとき、フィルム接触面における小サイズフィルム処理による乳剤剥がれや断裁くず等による汚れをクリーニングするので、大サイズフィルム処理に影響を与えずに好ましく、また、小サイズフィルム処理のときの搬送跡の断裁くずや乳剤剥がれ等が上述のように分散するので、クリーニング材への負荷も緩和され、クリーニング効果も高まり易い。
また、前記加熱手段に前記複数の対向ローラが接触可能である対向ローラ接触領域は、前記加熱手段に前記最大幅の熱現像感光フィルムが接触するフィルム接触領域よりも狭いように構成できる。これにより、加熱手段に接触可能な対向ローラ接触領域が最大幅のフィルムの接触領域よりも狭く、フィルム接触領域内に存在するので、フィルム端付近からの断裁くずや乳剤剥がれ等が対向ローラに付着し難くなる。
前記複数の対向ローラは大径部をそれぞれ有し、前記対向ローラ接触領域は前記加熱手段に前記大径部が接触可能な領域であるように構成できる。この場合、フィルム端付近からの断裁くずや乳剤剥がれ等が対向ローラの大径部に付着し難くなる。
また、前記複数の対向ローラは小径部をそれぞれ有し、前記小径部が前記フィルム接触領域の端部に対応するように構成できる。対向ローラの小径部がフィルム接触領域の端(フィルムの左右側端)に対応して存在することで、フィルムに若干の搬送曲がりが生じても、対向ローラ接触領域がフィルム接触領域内に存在する関係を保つことができる。なお、大径部と小径部との境界は段差状に構成してよく、また、大径部と小径部との間に、大径部の端からローラ径が小径部まで漸次に減少するような傾斜部を介在させるようにしてもよい。
本発明の熱現像記録装置によれば、複数サイズの熱現像感光フィルムを用いて熱現像プロセスを実行する際に、フィルム端面付近からの断裁くずや乳剤剥がれが対向ローラに付着し固化し、この固着物を核としてフィルム処理にともない揮発した脂肪酸等が凝集し固着し、異物が成長することを防止し、対向ローラと加熱ドラムとの均一な接触・伝熱を確保できる。これにより、濃度むらの発生を抑え画質低下を防止できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。図1は本実施の形態による熱現像記録装置の要部を示す正面図である。図2は図1の熱現像記録装置の熱現像部をフィルムの出口側から見た斜視図である。図3は図1の熱現像記録装置の露光部を概略的に示す図である。
図1に示すように熱現像記録装置100は、シート状の熱現像感光材料である熱現像感光フィルムを所定枚数でパッケージした包装体を装填する第1及び第2の装填部11,12と、フィルムを1枚づつ露光・現像のために搬送する搬送部5とを有する供給部110と、供給部110から給送されたフィルムを露光し潜像を形成する露光部120と、潜像を形成されたフィルムを熱現像する熱現像部130と、現像されたフィルムの濃度を測定し濃度情報を得る濃度計200や搬送ローラ149等を含む冷却搬送部150と、を備える。
供給部110の第1及び第2の装填部11,12には、サイズの異なるフィルムをそれぞれ装填することができ、第1の装填部11または第2の装填部12からフィルムが1枚づつ搬送部5、搬送ローラ対139,141(第1搬送手段)により図1の矢印方向(1)に搬送されるようになっている。そして、フィルムは矢印方向(2)に搬送され搬送ローラ対142により副走査されながら露光部120で潜像が形成され、次に、搬送ローラ対146,145,144,143144,143(第2搬送手段)により矢印方向(3)へ搬送され熱現像部130で潜像が可視像化され、更に、矢印方向(4)へ搬送され冷却搬送部150で冷却されてから排出部160に排出されるようになっている。
搬送ローラ対139,141,142,146,145,144,143等は、後述の図4、図9のモータ151、156等により回転駆動され、モータ151、156等は図4、図9のように中央演算装置(CPU)から構成された制御部152で制御される。
次に、露光部について説明する。図3のように、露光部120は、画像信号Sに基づき強度変調されたレーザ光Lを、回転多面鏡113によって偏向して、フィルムF上を主走査すると共に、フィルムFをレーザ光Lに対して主走査の方向と略直角な方向に相対移動させることにより副走査し、レーザ光Lを用いてフィルムFに潜像を形成するものである。
露光部120のより具体的な構成を以下に述べる。図3において、外部の画像信号出力装置121から出力されたデジタル信号である画像信号Sは、D/A変換器122においてアナログ信号に変換され、変調回路123に入力される。変調回路123は、かかるアナログ信号に基づき、レーザ光源部110aのドライバ124を制御して、レーザ光源部110aから変調されたレーザ光Lを照射させるようになっている。
レーザ光源部110aから照射されたレーザ光Lは、レンズ112を通過し、シリンドリカルレンズ115により上下方向にのみ収束されて、図中矢印A’方向に回転する回転多面鏡113に対し、その駆動軸に垂直な線像として入射するようになっている。回転多面鏡113は、レーザ光Lを主走査方向に反射し偏向し、偏向されたレーザ光Lは、2枚のレンズを組み合わせてなるシリンドリカルレンズを含むfθレンズ114を通過した後、光路上に主走査方向に延在して設けられたミラー116で反射されて、搬送ローラ対142により、矢印Y方向に搬送されている(副走査される)フィルムFの被走査面117上を、矢印X方向に繰り返し主走査する。すなわち、レーザ光Lを、フィルムF上の被走査面117の全面にわたって走査する。
fθレンズ114のシリンドリカルレンズは、入射したレーザ光LをフィルムFの被走査面117上に、副走査方向にのみ収束させるものとなっており、また前記fθレンズ114から前記被走査面までの距離は、fθレンズ114全体の焦点距離と等しくなっている。このように、露光部120においては、シリンドリカルレンズを含むfθレンズ114及びミラー116を配設しており、レーザ光Lが回転多面鏡113上で、一旦副走査方向にのみ収束させるようになっているので、回転多面鏡113に面倒れや軸ブレが生じても、フィルムFの被走査面117上において、レーザ光Lの走査位置が副走査方向にずれることがなく、等ピッチの走査線を形成することができるようになっている。回転多面鏡113は、例えばガルバノメータミラー等、その他の光偏光器に比べ走査安定性の点で優れているという利点がある。以上のようにして、フィルムFに画像信号Sに基づく潜像が形成されることとなる。
図4乃至図6はフィルムFを加熱する熱現像部130の構成を示す図であり、より具体的には、図4は熱現像部130の斜視図であり、図5は図4の構成をIV−IV線で切断して矢印方向に見た断面図であり、図6は図4の構成を正面から見た図である。
熱現像部130は、フィルムFを外周にほぼ密着して保持しつつ加熱可能な加熱部材としての加熱ドラム14を有している。加熱ドラム14は、フィルムFを所定の最低熱現像温度以上に、所定の熱現像時間維持することによって、フィルムFに、形成された潜像を可視画像として形成する機能を有する。ここで、最低熱現像温度とは、フィルムFに形成された潜像が熱現像され始める最低温度のことであり、例えば95℃以上である。一方、熱現像時間とは、フィルムFの潜像を所望の現像特性に現像するために、最低熱現像温度以上に維持するべき時間をいう。なお、フィルムFは、40℃以下では実質的に熱現像されないものであることが好ましい。
図4,図5に示すように、加熱ドラム14の外方には、案内部材かつ押圧部材として加熱ドラム14に比べて小径の回転自在の対向ローラ16(押圧手段)が複数本設けられており、加熱ドラム14の回転中心軸に対して平行にかつ加熱ドラム14の外周面に対向するように配置されている。
対向ローラ16は、ステンレス鋼からなり、上流側の3本16a、16b、16cを中実の例えば直径12mmの大径ローラに構成し、その下流に隣接する対向ローラ16d及び最下流側の対向ローラ16eまでの残りの対向ローラ16を管状の例えば直径8mmの小径ローラに構成している。対向ローラ16は熱容量が0.16kJ/K以上が好ましく、対向ローラ16の材質であるステンレス鋼は、熱容量が0.18kJ/K程度である。
加熱ドラム14の両端には、フレーム18に支持されている案内ブラケット21が片側に3個ずつ備えられている。案内ブラケット21を組み合わせることにより、加熱ドラム14の両端において、対向するC字形状が形成されるようになっている。
案内ブラケット21は複数の対向ローラ16をその両端で一体的に保持しており、案内ブラケット21による保持位置が調整可能になっている。即ち、案内ブラケット21の位置を調整することで複数の対向ローラ16の加熱ドラム14に対する位置を調整できる。これにより、加熱ドラム14の軸線方向における加熱ドラム14と対向ローラ16との間の平行度を適切に調整できるので、フィルムが加熱ドラム14の外周面に均一に密着できる。特に、後述のように加熱ドラム14の外周面にフッ素樹脂等の滑面層を設けた場合に、かかる平行度のずれに起因して濃度むらが生じ易いのであるが、平行度を調整可能に構成することでかかる濃度むらを防止できる構成を実現できる。
各案内ブラケット21は、半径方向に延びた長孔42を9つ形成している。この長孔42から、対向ローラ16の両端部に設けられたシャフト40が突出する。シャフト40には、それぞれ各コイルばね28の一端が取り付けられており、各コイルばね28の他端は、案内ブラケット21の内方縁近傍に取り付けられている。従って、各対向ローラ16は、各コイルばね28の付勢力に基づく所定の力で、加熱ドラム14の外周にそれぞれ付勢される。フィルムFは、加熱ドラム14の外周と対向ローラ16との間に進入したときに、かかる所定の力で加熱ドラム14の外周面に対して押圧され、それによりフィルムFを全面的に均一に加熱する。このように、対向ローラ16は加熱ドラム14に対し付勢されながら回転する加熱ドラム14と協動してフィルムを挟持し搬送する。
加熱ドラム14に同軸に連結されたシャフト22は、フレーム18の端部部材20から外方に延在しており、シャフトベアリング24により、端部部材20に対して回転自在に支承されている。シャフト22の下方に配置され、端部部材20に取り付けられたマイクロステップモータ(図示省略)の回転軸23には、ギヤ(図示省略)が形成されている。一方、シャフト22にもギヤが形成されている。両ギヤを連結するタイミングベルト(ギヤが刻まれているベルト)25を介して、マイクロステップモータの動力がシャフト22に伝達され、それにより加熱ドラム14が回転する。なお、回転軸23からシャフト22への動力の伝達は、タイミングベルトではなくチェーンやギヤ列を介して行っても良い。
図4〜図6に示すように、加熱ドラム14は、回転自在な円筒形状のアルミニウム製のスリーブ36と、スリーブ36の内周面に貼り付けられた加熱源であるヒータ32と、スリーブ36の外側に取り付けられたシリコンゴム等からなる柔軟な弾性層38と、弾性層38の外周にフッ素樹脂を塗布後、所定温度で焼成し、所望の膜厚に形成された最外周層としての滑面層39と、を備える。ヒータ32に対し通電制御を行うことで加熱ドラム14が所定温度に加熱される。
弾性層38の厚さと熱伝導率は、複数のフィルムFの連続的処理を効率的に行えるように選択され、熱伝導率は0.5W/k以上が好ましい。また、弾性層38の硬度は、JIS−A硬度20乃至70度であることが好ましい。なお、弾性層38は、スリーブ36に間接的に取り付けられていても良い。
弾性層38はゴムまたはゴム状部材から構成でき、かかるゴムまたはゴム状部材としては、各種ゴム材料や熱可塑性エラストマなどの他に、ゴム材料と同様の弾性をもつ各種材料を広く含む。例えば、各種ゴム材料、樹脂材料、熱可塑性エラストマ等を、単独もしくは併用したものを用いても良い。この場合において、各種ゴム材料とは限定されるものではなく、例えば、固体のゴム材料の他に、液状の粘弾性体を硬化させて得られる液状反応硬化物等を用いても艮い。
また、固体のゴム材料とは、例えばエチレンプロピレン三元共重合体(EPDM)、ブチルゴム、ポリイソブチレン、エチレンプロピレンゴム、クロロフレンゴム、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−イソブレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、ウレタンゴム等を、単独もしくは併用して用いたポリマに対して、従来からゴム工業一般で用いられている、加硫剤や架橋剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、粘着付与剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、溶剤等の配合薬品を配合し、加硫(又は架橋)したものが含まれる。
また、液状のゴム材料とは、例えば、ウレタン、液状ポリブタジエン、変性シリコン、シリコン、ポリサルファイド等が含まれる。なお、これらの材料は、固体化させるための硬化剤を所定量添加して混合し、反応硬化させて用いることが好ましい。弾性層38は、密な状態に形成しても、スポンジ状に形成してもよい。
滑面層39を形成するために塗布するフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレンとハーフルオロアルコキシエチレンとの共重合体(PFA)、エチレンとテトラフルオロエチレンとの共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロブロビレンとの共重合体(FEP)などの化合物が用いられる。
フィルムFが加熱ドラム14の周囲で熱現像のため加熱されると、例えば有機酸などの薬品成分を含むガスを発生するが、弾性層38の表面に設けられた滑面層39を構成するフッ素樹脂は、耐化学反応性を有するので、有機酸などのガス成分とは反応せず劣化しない。また、フッ素樹脂はそれらのガス成分が透過しないよう遮断し、シリコンゴム等からなる弾性層38が有機酸などのガス成分に接触することはないので、そのガス成分により劣化せず、また変質しない。よって、弾性層38は、経時的にその形状や物性の変化をほとんど起こさないので、初期の弾性力や熱伝導性を維持できる。
また、滑面層39の膜厚は、弾性層38の有機酸などのガス成分による劣化防止の観点から10μm以上が好ましく、濃度むら防止の観点から60μm以下が好ましい。
また、コイルばね28の付勢力は、フィルムFが加熱ドラム14の外周面により確実に密着して、十分な熱伝達を受けながら安定して搬送されるように対向ローラ16の押圧力を決定するものであるため、その値の選定には注意する必要がある。即ち、コイルばね28の付勢力が過小であれば、フィルムFに熱が不均一に伝導するため画像の現像が不完全になるおそれがあり、またフィルムの搬送が不安定になるおそれがある。
次に、図1の熱現像記録装置100に設けたクリーニング部13について図7、図8を参照して説明する。図7は図1のクリーニング部と加熱ドラムを拡大して部分的に示す正面図である。図8は、図1の熱現像記録装置に設けたクリーニング部を示す斜視図である。
図1のように、熱現像記録装置100は熱現像部130において加熱ドラム14の下方に加熱ドラム14の表面をクリーニングするためのクリーニング部13を備える。クリーニング部13は、図7、図8のように、加熱ドラム14の長手方向の幅寸法ととほぼ同じ幅を有するクリーニングウェブ13aと、クリーニングウェブ13aを押し付ける押圧ローラ13bと、クリーニングウェブ13aを巻き取った状態から押圧ローラ13b側に繰り出すように回転可能な繰り出しローラ13cと、押圧ローラ13b側からのクリーニングウェブ13aを巻き取るように回転駆動される巻き取りローラ13dと、各ローラ13b〜13dを収容するシャーシ13eと、を備える。
クリーニング部13は、移動部153(図9)により図7の実線位置から矢印方向Tに移動し、クリーニングウェブ13aが加熱ドラム14の表面(フィルムが接触する面)に当接し、押圧ローラ13bにより加熱ドラム14の表面に押し付けられて圧着してクリーニングを行い、クリーニング終了後に矢印方向T’に移動し加熱ドラム14の表面から離れるようになっている。なお、移動部153は、例えばモータとワイヤとプーリによる公知の往復動機構でシャーシ13eを方向T、T’に移動するように構成できるが、これに限定されるものではない。
上述のように、クリーニング部13はクリーニングウェブ13aが加熱ドラム14の表面に対しクリーニング時に圧着し、非クリーニング時に離間する構成であるので、加熱ドラム14がフィルム加熱のために回転するとき加熱ドラム14に対する負荷が増大することはない。
クリーニングウェブ13aは、不織布等の吸収体からなる長尺状のシートから構成され、加熱ドラム14の温度に耐えることのできる耐熱性と、有機酸やMEKといった凝集物の付着物との接触に耐える耐薬品性と、を備え、加熱ドラム14の滑面層39の表面に押圧ローラ13bから押し付けられて圧着することでその表面に付いた付着物を効率的に吸着する。
巻き取りローラ13dが回転駆動手段であるクリーニング用のモータ154(図9)により図8の回転方向rに回転駆動されると、クリーニングウェブ13aの未使用部分が繰り出しローラ13cに巻き取られた状態から繰り出され、押圧ローラ13bで加熱ドラム14の滑面層39の表面に当接しクリーニングを行い、その使用後のクリーニングウェブ13aが巻き取りローラ13dにより巻き取られる。
上記クリーニング時に加熱ドラム14はクリーニングが加熱ドラム14の全外周面にわたって行われるように回転方向Rに回転するが、このとき、クリーニングウェブ13aは図7の方向wに移動する。即ち、クリーニングウェブ13aは繰り出しローラ13cから押圧ローラ13bにより回転中の加熱ドラム14の滑面層39の表面に当接しながら巻き取りローラ13dに向けて図7の方向wに移動することでクリーニングが行われる。
なお、加熱ドラム14の回転方向Rへの回転中に、停止した状態のクリーニングウェブ13aが加熱ドラム14の滑面層39の表面に当接してクリーニングを行うようにしてもよい。この場合、クリーニングが終了し、クリーニング部13が図7の矢印方向T’に移動し加熱ドラム14から離れた後、クリーニングウェブ13aをその未使用部分が押圧ローラ13bに位置するように繰り出しローラ13cから巻き取りローラ13dに若干巻き取ることで、次回のクリーニングに備えることが好ましい。
次に、クリーニング部13、搬送ローラ対144、搬送部5等の制御系について図9を参照して説明する。図9は図1,図7,図8のクリーニング部13、搬送ローラ対144、搬送部5等の制御系を示すブロック図である。
図4、図9の制御部152は、図3の外部の画像信号出力装置121から受信した画像情報に付帯する付帯情報に含まれるフィルムサイズ情報に基づいて加熱ドラム14用のマイクロステップモータ155,クリーニング部13の移動部153及びクリーニング用モータ154を制御する。即ち、制御部152は画像信号Sを含む画像情報を受信する度に付帯情報のフィルムサイズ情報をチェックし、フィルムが小サイズから大サイズに変更されたことを検知すると、フィルム搬送を一旦停止し、マイクロステップモータ155で加熱ドラム14を回転させ、移動部153が作動して図7の方向Tに移動し、クリーニングウェブ13aが回転中の加熱ドラム14の表面に押圧ローラ13bにより圧着しながらその表面をクリーニングする。
また、制御部152は、搬送ローラ対143,144等を駆動するためのモータ151、156を制御し、図1に示す搬送部5,5の駆動モータ等の駆動手段を制御し、各搬送部5を切り替え制御することで装填部11、12からサイズの異なるフィルムを選択し搬送できる。
次に、加熱ドラム14から離れたフィルムFを最初に案内するガイド部材について図2,図5を参照して説明する。図2,図5のように、現像されたフィルムFを加熱ドラム14から分離し搬送方向に案内するためのガイド部材210が最下流の対向ローラ16eの下方に加熱ドラム14と搬送ローラ148との間に配置されている。即ち、ガイド部材210は、フィルムFが加熱ドラム14と対向ローラ16との間で搬送されて最外周の滑面層39から離れた後に最初にその案内面300がフィルムFを案内するように配置されている。ガイド部材210の案内面300には不織布等の断熱性を有する部材が設けられている。
図2のように、ガイド部材210の両端には、ガイド部材210を加熱ドラム14に対し位置決めるための位置決め部250が設けられている。位置決め部250の突き当てコロを構成する回転部材251が加熱ドラム14に対し両端で当接しガイド部材210の先端210aと加熱ドラム14との間隙を一定に維持するようになっている。
次に、小サイズフィルムを熱現像部130の加熱ドラムと対向ローラとに対し斜めにして搬送するための構成例について図10を参照して説明する。図10はフィルムの斜め搬送のための図1の搬送ローラ対144の構成を模式的に示す図である。
図10のように、斜め搬送のための搬送ローラ対144は、熱現像部130の入口近傍に配置された搬送ローラ対143の上流側直前に配置されており、図9の制御部152で制御されるモータ156により回転駆動される金属ローラからなる駆動ローラ144aと、駆動ローラ144aの回転に伴い従動回転する従動ローラ144bと、を有する。従動ローラ144bは回転軸の外周に複数のゴムローラ144c,144d,144e,144fが分離して配置されている。
従動ローラ144bの複数のゴムローラ144c〜144fが大サイズフィルム(例えば、幅14インチの半切)の搬送を行い、内側部分のゴムローラ144dと144eが小サイズフィルム(例えば、幅8インチの六切)の搬送に関与する。
また、従動ローラ144bは駆動ローラ144aに対し例えばソレノイド等の駆動手段(図示省略)により圧着・離脱可能に構成され、従動ローラ144bが駆動ローラ144aに圧着すると、各ゴムローラ144c〜144fが所定のニップ圧で押し付けられてフィルム搬送が可能になり、従動ローラ144bが駆動ローラ144aから離脱すると、フィルム搬送が停止する。
従動ローラ144bの内側部分のゴムローラ144dと144eのいずれか一方、例えば、ゴムローラ144eの径が他のゴムローラ144c,144d,144fの径よりも若干小さく構成している。これにより、駆動ローラ144aと従動ローラ144bとの間にフィルムが図10の紙面垂直方向に進入してくると、フィルム圧着のタイミングがゴムローラ144eにおいて若干遅れるため、フィルムは、フィルム平面内で姿勢を変えて搬送方向に対し若干曲がり斜めに搬送される。なお、ゴムローラ144eの径を微調整することでフィルムの傾斜(曲がり)の程度を変えることができる。
次に、加熱ドラムと対向ローラに対する小サイズフィルムの斜め搬送及び大サイズフィルムへの変更時のクリーニングの効果について図11を参照して説明する。図11は図1の加熱ドラムの外周面と対向ローラとに対し斜めに搬送される小サイズフィルムとほぼ平行に搬送される大サイズフィルムを模式的に示す平面図である。なお、図11には説明の便宜上、図10の搬送ローラ対143の従動ローラの各ゴムローラ144c〜144fを示している。
図10,図11のように、フィルムは、駆動ローラ144aと従動ローラ144bのゴムローラ144c〜144fとの間に形成されるニップ部に挟まれた状態で駆動ローラ144aが回転駆動されることにより搬送される。
図11のように、小サイズフィルムFAは加熱ドラム14に対し中央基準で搬送される一方、大サイズフィルムFBは中央基準で搬送されるとともに、対向ローラ16に対しその側端が略直交するように搬送される。なお、複数サイズのフィルムを対向ローラ16に対し複数の幅方向位相で搬送するとは、例えば図11のように、各サイズのフィルムを幅方向Wの異なる位置(異なる位相)で搬送することである。
小サイズのフィルムFA(例えば、幅8インチの六切)を搬送する場合、ゴムローラ144eの径が他のゴムローラよりも小さいことでゴムローラ144eの圧着タイミングが他方のゴムローラ144dよりも遅れる。このため、ゴムローラ144eに対応する小サイズフィルムFAの先端の右コーナ部Fb側のフィルム搬送が遅れ、フィルムFAの先端の左コーナ部Faが先頭になって斜めに搬送される。
そして、小サイズのフィルムFAは加熱ドラム14と対向ローラ16aとの間に図の破線のように進入し、続いて斜めになっている分だけ左コーナ部Faに遅れて右コーナ部Fbが進入する。この関係が維持されてフィルムFは次の対向ローラ16bと加熱ドラム14との間に進入し、同様にして順々に、次の下流側の対向ローラ16へと搬送されていく。
このように、小サイズのフィルムFAはコーナ部から各対向ローラ16に徐々に進入するので、平行搬送のときに比べ突入時の抵抗が低減され、対向ローラ16の配列ピッチによる濃度むらの発生を抑制できる。
以上のようにして、小サイズのフィルムFAが加熱ドラム14及び対向ローラ16a,16b,・・・,各対向ローラ16に対し斜めに搬送されるので、図11のように、フィルムFの各対向ローラ16に対する進入位置がフィルム先端部と後端部とで異なり、フィルムFは搬送中に両側端F1,F2が各対向ローラ16に対しずれながら搬送される。このため、各対向ローラ16においてフィルム断裁くずや乳剤剥がれ等が線状に集中せずに分散するので、装置使用時にフィルムから揮発した高級脂肪酸等が装置不使用時の温度低下に伴い凝集し付着しようとする核(凝集物が凝集する際の核)が分散し、凝集物が大きな固まりの異物に成長し難くなる。このため、熱現像部130におけるフィルムの加熱・搬送中に、加熱ドラム14とフィルムFと対向ローラ16の間における均一な接触・伝熱を確保できるので、濃度むら等による画質低下を防止できる。
次に、図11のように、小サイズのフィルムFAから大サイズのフィルムFB(例えば、幅14インチの半切)に変更する場合、図3、図9のように外部の画像信号出力装置121から画像信号S及びフィルムサイズ情報を含む画像データが入力し、制御部152がそのフィルムサイズ情報に基づいて小サイズから大サイズへのフィルムサイズ変更があるか否かを判断し、小サイズから大サイズへのフィルムサイズの変更があると、フィルム搬送を一旦停止し、クリーニング部13が作動し加熱ドラム14の表面をクリーニングする。
上述のクリーニングにより、大サイズフィルムFBの処理前に、加熱ドラム14の表面上における小サイズフィルムFAの通過跡をクリーニング部13のクリーニングウェブ13aにより除去できるので、大サイズフィルムの画像に影響を与えない。
また、小サイズフィルムの斜め搬送により従来の場合よりも凝集物が大きな固まりの異物に成長し難くなり、クリーニング効果が高まるとともに、大サイズフィルムへの変更時にクリーニングを行うので、装置のメンテナンスサイクルが従来よりも延長でき、メンテナンスコストを低減できる。
また、上述のクリーニング部13によるクリーニングは、大サイズに変更前の小サイズフィルム処理数に応じて実行するようにしてもよく、この場合、小サイズフィルム処理におけるフィルムの乳剤剥がれや断裁くず等の加熱ドラム14の表面への付着状態が上述の斜め搬送により分散されるので、小サイズフィルム処理数を大きく設定でき、クリーニング回数が減る。
また、小サイズのフィルムの最大処理サイズ(幅)が例えば8インチで六切処理の場合、フィルム先端から後端の位相差m(図11)が長さ10インチに対し2〜6mmであると、対向ローラ16への突入起因のむらは認められず、乳剤剥がれ等のフィルム起因の異物も分散し、加熱ドラム14及び各対向ローラ16においてともに異物影響が一極集中せずに、直線状の轍を形成しない。
また、加熱ドラム14の弾性層38の最外層にフッ素樹脂等の滑面層39が形成されている場合、フィルムの乳剤剥がれや断裁くず等が滑面層39の良好な離型性により金属製の対向ローラ16に付着し易くなり、加熱ドラム14側に付着し難くなるので、特に好ましく、また、滑面層39にダメージを与えるような大きな異物・固まりが発生し難いので、滑面層39の長寿命化を実現できる。
また、フィルムを露光前に斜めにして搬送すると、フィルム露光に対する画像データを斜め対応に作成することが必要となり、制御シーケンス的に複雑になって制御部152の構成が複雑になってしまうのに対し、本実施の形態では、露光後に斜めにして搬送しているので、制御部152の構成が複雑にならない。
次に、加熱ドラムに対する対向ローラ接触領域(対向ローラ位置)とフィルム接触領域(フィルムの通過幅)との関係について図11、図12を参照して説明する。図11に、図1の加熱ドラム(部分的に示す)に対して配置された対向ローラ及び大サイズのフィルムの通過幅を模式的に示す。図12は図11の対向ローラが加熱ドラムの表面と接触している状態を模式的に示す図である。
図11、図12のように、複数の対向ローラ16は、加熱ドラム14の中心軸方向Pに延びるように配置されるが、加熱ドラム14の中心軸方向Pの中央部に位置する大径部16gと、加熱ドラム14の中心軸方向Pの両端側に位置する小径部16hと、を有する。大径部16gと小径部16hとの境界16iは段差となっている。本実施の形態では対向ローラ16の大径部16gが加熱ドラム14と接触できるので、大径部16gの長さの範囲が対向ローラ接触領域Cである。
また、フィルムが加熱ドラム14と対向ローラ16との間に挟まれて加熱ドラム14の回転により加熱されながら図11の加熱ドラム14の円周方向Hに搬送されるが、このとき、大サイズのフィルムFBは加熱ドラム14に対し図11,図12の中心軸方向Pの領域Aで接触するので、本実施の形態では領域Aがフィルム接触領域である。フィルム接触領域Aは加熱ドラム14上の大サイズのフィルムFBの通過幅に対応する。
図11,図12に示すように、対向ローラ接触領域Cを構成する大径部16gの長さがフィルム接触領域Aよりも短く構成されており、対向ローラ16の境界16iとフィルム接触領域Aの各端との間に距離B(=(A−C)/2)が保たれている。フィルム接触領域Aの各端が小径部16hと対応している。
図11,図12の構成によれば、加熱ドラム14の表面に接触可能な大径部16gによる対向ローラ接触領域Cがフィルム接触領域Aよりも狭くフィルム接触領域A内に位置する。熱現像時に加熱ドラム14と対向ローラ16の大径部16gとの間にフィルムが介在し非接触の状態になったときも、対向ローラ接触領域Cがフィルム接触領域A内に位置する関係は維持される。このようにして、加熱ドラム14に大サイズのフィルムが接触するとき、そのフィルムの両端部近傍では各対向ローラ16が加熱ドラム14と接触しないので、大サイズのフィルムの熱現像のときにフィルム端付近からの断裁くずや乳剤剥がれ等が対向ローラ16に、特に大径部16gに付着し難くなり、固着物を形成しない。このため、図1の熱現像部130における熱現像プロセスの際に大サイズの熱現像感光フィルムから揮発した高級脂肪酸等が装置停止時の温度低下に伴い凝集付着する核を形成しないので、固着物を核とした異物の成長を防止でき、対向ローラ16と加熱ドラム14との均一な接触を確保できる。
また、大サイズのフィルムの熱現像時に、対向ローラ16等において固着物を核とした異物が装置の運転と停止の繰り返しにより成長することを防止できるので、装置のメンテナンスサイクルを更に延ばすことができ、また、上述のクリーニング部13によるクリーニング効果が更に高まる。
また、対向ローラ16の小径部16hがフィルム接触領域Aの端部に対応し、対向ローラ16の境界16iとフィルム接触領域Aの各端(フィルムの左右側端)との間に距離Bが存在するので、フィルムが図11の方向Hに搬送されるとき、中心軸方向Pに平行移動して若干の搬送曲がりが生じても、対向ローラ接触領域Cがフィルム接触領域Aよりも狭い関係を保つことができる。
また、大サイズのフィルム端からの乳剤剥がれや断裁くず等が滑面層39の良好な離型性により金属製の対向ローラ16のフィルムの左右側端に対応する小径部16h側に付着し易くなり、加熱ドラム14側に残らず、好ましい。更に、対向ローラ16の小径部16hに付着した断裁くずや乳剤剥がれを核として、高級脂肪酸等が凝集固着して、徐々に大きく成長しても、大径部16gよりも凸になるまでは、対向ローラ16と加熱ドラム14との均一接触が維持されるので、対向ローラ清掃等のメンテナンスサイクルの延長が可能となる。
以上のように本発明を実施の形態により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図5において、上流側の蓄熱容量を大きくした対向ローラは、その本数を適宜増減でき、また、大径の管状ローラから肉厚を適宜大きくして構成してもよい。また、材質もステンレス鋼以外の鉄鋼材料やアルミニウム材料から構成してもよい。また、対向ローラの直径は、3段階またはそれ以上に変えてもよく、また、異なる径のローラを交互に配列してもよい。
また、本実施の形態では、熱現像部130の入口近傍に配置された搬送ローラ対143の上流側直前に配置された搬送ローラ対144をフィルムの斜め搬送のために用いたが、これに限定されずに、図1の第2搬送手段を構成する搬送ローラ対143乃至146の内のいずれか1つまたは複数をフィルムの斜め搬送の構成にしてよい。このように、副走査搬送のための2対の搬送ローラ対142で潜像を形成した後、フィルムの上昇搬送中に搬送ローラ対144等において図10のように小サイズフィルムに対し左右の圧着タイミングやニップ圧を調整することで搬送姿勢を制御できる。
また、副走査のための搬送ローラ対142の下流側直後の搬送ローラ対146を斜め搬送のために用いる場合は、搬送ローラ対142における露光中にフィルムの先端部の搬送影響が後端側の露光部分に及ばないようにソレノイド等の駆動手段により搬送ローラ対146を開放し、後端側の露光が終了した後、搬送ローラ対146を閉じるように構成される。搬送ローラ対146は例えば図10のような構造であるので、小サイズフィルムはこの搬送ローラ対146のみで搬送される間に曲がりが生じ、斜め搬送され、この後、ニップ圧が左右均等の搬送ローラ対145,144,143で加熱ドラム14へと搬送される。
また、図11,図12では、対向ローラ16の大径部16gと小径部16hとの境界16iを段差状に構成したが、図12の破線で示すように、大径部16gと小径部16hとの間に、大径部16gの端からローラ径が小径部16hまで漸次に減少するような傾斜部16jを介在させるように構成してもよい。
また、図13のように、大径部16gと長さの比較的短い大径部16g’との間に小径部16h’を設け、この小径部16h’に対応して加熱ドラム14上のフィルムFの一端F1が位置するようにしてもよい。フィルムFの他端F2は図11,図12と同様に小径部16hに対応する。図13の構成により、図11,図12と同様の効果を得ることができる。なお、図13のような対向ローラ16は、例えば、大径部16gと大径部16g’が連続した状態のローラを小径部16h’が形成されるように機械加工を行うことで得ることができる。
また、クリーニング部は、図14のように、単一のクリーニングローラから構成してもよい。即ち、図12のクリーニング部13は、加熱ドラム14の長手方向の幅とほほ同じ幅に構成されたクリーニングローラ13fがアーム13gに連結され、ローラ台13hの回動軸13iを中心にアーム13gとともに回動方向u及びその反対の回動方向u’に回動するようになっている。クリーニングローラ13fは、ばね等の付勢手段(図示省略)で回動方向uに回動し加熱ドラム14の表面に圧着したとき、回転中の加熱ドラム14に従動回転しながら加熱ドラム14の表面をクリーニングする。クリーニングローラ13fは、非クリーニング時に、ばね等の付勢手段を解除する解除手段(図示省略)により回動方向u’に回動し、加熱ドラム14の表面から離れる。
本実施の形態による熱現像記録装置の要部を示す正面図である。 図1の熱現像記録装置の熱現像部をフィルムの出口側から見た斜視図である。 図1の熱現像記録装置の露光部を概略的に示す図である。 図1の熱現像部130の斜視図である。 図4の構成をIV−IV線で切断して矢印方向に見た断面図である。 図4の構成を正面から見た図である。 図1のクリーニング部と加熱ドラムを拡大して部分的に示す正面図である。 図1の熱現像記録装置に設けたクリーニング部を示す斜視図である。。 図1,図7,図8のクリーニング部13、搬送ローラ対144、搬送部5等の制御系を示すブロック図である。 フィルムの斜め搬送のための図1の搬送ローラ対144の構成を模式的に示す図である。 図1の加熱ドラムの外周面と対向ローラとに対し斜めに搬送される小サイズフィルムとほぼ平行に搬送される大サイズフィルムを模式的に示す平面図である。 図11の対向ローラが加熱ドラムの表面と接触している状態を模式的に示す図である。 図11,図12の対向ローラの変形例を示す図12と同様の図である。 図7,図8のクリーニング部の変形例を示す図13と同様の正面図である。
符号の説明
5 搬送部
11,12 装填部(フィルム載置手段)
13 クリーニング部(クリーニング手段)
14 加熱ドラム(加熱手段)
16 対向ローラ
16g 大径部
16h 小径部
16i 境界
16j 傾斜部
38 弾性層
39 滑面層
100 熱現像記録装置
120 露光部(露光手段)
130 熱現像部(熱現像手段)
139,141 搬送ローラ対
146,145,144,143 搬送ローラ対
144a 駆動ローラ
144b 従動ローラ
144c,144d,144e,144f ゴムローラ
152 制御部
F フィルム(シート状の熱現像感光フィルム)
FA 小サイズフィルム
FB 大サイズフィルム
F1,F2 フィルムの両側端
Fa 左コーナ部
Fb 右コーナ部
m 位相差
A フィルム接触領域
C 対向ローラ接触領域
H 円周方向

Claims (8)

  1. 複数サイズのシート状の熱現像感光フィルムを装填可能であるフィルム載置手段と、
    前記フィルム載置手段の熱現像感光フィルムを搬送する搬送手段と、
    前記搬送された熱現像感光フィルムに画像データに基づいて潜像を形成する露光手段と、
    前記潜像が形成されたシート状の熱現像感光フィルムを加熱しながら搬送し現像可視化する、加熱手段及びフィルム押圧のための複数の対向ローラを含む熱現像手段と、を備える熱現像記録装置であって、
    複数の幅方向位相の最大幅の前記熱現像感光フィルムが前記加熱手段に接触する両端部近傍では前記複数の対向ローラが前記加熱手段と接触しないように構成し、
    前記搬送手段は、前記複数サイズの熱現像感光フィルムを前記熱現像手段に対し前記複数の幅方向位相で搬送するとともに、前記複数の幅方向位相の最大幅よりも小さい幅方向位相となる熱現像感光フィルムを前記熱現像手段の対向ローラに対し斜めに搬送することを特徴とする熱現像記録装置。
  2. 前記搬送手段が、前記熱現像感光フィルムを前記フィルム載置手段から前記露光手段までの搬送を行う第1搬送手段と、露光後に前記熱現像手段へ搬送する第2搬送手段と、を備え、
    前記第2搬送手段が前記熱現像感光フィルムを前記熱現像手段の対向ローラに対し斜めに搬送することを特徴とする請求項1に記載の熱現像記録装置。
  3. 前記加熱手段が、その最外層に弾性層を有することを特徴とする請求項1または2に記載の熱現像記録装置。
  4. 前記弾性層が、その最外層に滑面層を有することを特徴とする請求項3に記載の熱現像記録装置。
  5. 前記加熱手段におけるフィルム接触面をクリーニングするためのクリーニング手段、を備え、
    前記熱現像感光フィルムが幅方向位相小サイズから大サイズに変更されたとき、前記クリーニング手段が前記加熱手段のフィルム接触面をクリーニングするように制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱現像記録装置。
  6. 前記加熱手段に前記複数の対向ローラが接触可能である対向ローラ接触領域は、前記加熱手段に前記最大幅の熱現像感光フィルムが接触するフィルム接触領域よりも狭いことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱現像記録装置。
  7. 前記複数の対向ローラは大径部をそれぞれ有し、前記対向ローラ接触領域は前記加熱手段に前記大径部が接触可能な領域であることを特徴とする請求項6に記載の熱現像記録装置。
  8. 前記複数の対向ローラは小径部をそれぞれ有し、前記小径部が前記フィルム接触領域の端部に対応することを特徴とする請求項6または7に記載の熱現像記録装置。

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