JP2005226527A - Ｓｃｒマフラー - Google Patents

Abstract

【課題】還元剤等供給ノズルが受ける車輌振動や排気ガス等の影響による振動を抑制又は緩和することで、ＳＣＲ触媒による窒素酸化物（ＮＯｘ）の浄化効率を向上させ、且つ、還元剤等供給ノズルの耐久性を向上させることができるＳＣＲマフラーを提供する。
【解決手段】排気ガスに含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）を選択的に還元浄化するためのＳＣＲ触媒１と、排気ガスをＳＣＲ触媒１に流入させる排気管２と、排気ガスに還元剤又は還元剤前駆体を供給する還元剤等供給ノズル３とを備えたＳＣＲマフラーにおいて、還元剤等供給ノズル３に、通気孔５を有するプレート４を挿入し、プレート４を排気管２に保持した。
【選択図】 図１

Description

本発明は、排気ガスに含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）を選択的に還元浄化するためのＳＣＲ触媒を備えたＳＣＲマフラーに関する。

近年、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排気ガスに含まれる粒子状物質（ＰＭ）や窒素酸化物（ＮＯｘ）については、酸性雨や光化学スモッグ等の環境汚染の問題から、これを浄化する必要性が高い。

このため、従来、内燃機関の排気系に選択還元型のＳＣＲ（＝Selective Catalytic Reduction）触媒を備えたＳＣＲマフラーにおいて、その上流側から、還元剤等供給ノズルにより、尿素水等の還元剤又は還元剤前駆体を排気ガスに噴霧供給することで、排気ガスに含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）を、ＳＣＲ触媒によって選択的に還元浄化する技術がある（例えば、特許文献１参照）。
特開２００１−２０７２４号公報

しかしながら、従来の技術では、還元剤等供給ノズルが車輌振動や排気ガス等の影響を受けて振動してしまうため、尿素水等の還元剤又は還元剤前駆体を均一に分散させた状態で、排気ガスに噴霧供給することが困難であり、ＳＣＲ触媒による窒素酸化物（ＮＯｘ）の浄化効率が低いという問題がある。

また、このような車輌振動や排気ガス等の影響による振動のため、還元剤等供給ノズルは、破損、変形しやすく、耐久性が低いという問題もある。

そこで、本発明は、還元剤等供給ノズルが受ける車輌振動や排気ガス等の影響による振動を抑制又は緩和することで、ＳＣＲ触媒による窒素酸化物（ＮＯｘ）の浄化効率を向上させ、且つ、還元剤等供給ノズルの耐久性を向上させることができるＳＣＲマフラーを提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、本発明は、排気ガスに含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）を選択的に還元浄化するためのＳＣＲ触媒と、排気ガスをＳＣＲ触媒に流入させる排気管と、排気ガスに還元剤又は還元剤前駆体を供給する還元剤等供給ノズルとを備えたＳＣＲマフラーにおいて、還元剤等供給ノズルに、通気孔を有するプレートを挿入し、プレートを排気管に保持したことを特徴とする。

本発明によれば、ＳＣＲマフラーにおいて、還元剤等供給ノズルが受ける車輌振動や排気ガス等の影響による振動を抑制又は緩和することで、ＳＣＲ触媒による窒素酸化物（ＮＯｘ）の浄化効率を向上させ、且つ、還元剤等供給ノズルの耐久性を向上させることができる。

以下、添付図面を参照しながら、本発明のＳＣＲマフラーを実施するための最良の形態を説明する。

図１は、本発明の一実施形態におけるＳＣＲマフラーの基本模型図であり、排気ガスに含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）を選択的に還元浄化するためのＳＣＲ触媒１と、排気ガスをＳＣＲ触媒１に流入させる排気管２と、排気ガスに還元剤又は還元剤前駆体を供給する還元剤等供給ノズル３とを備えたＳＣＲマフラーにおいて、還元剤等供給ノズル３に、通気孔５を有するプレート４を挿入し、プレート４を排気管２に保持した構成となっている。

図１（a）は、還元剤等供給ノズル３の先端部に、折り曲げ部（Ｒ型、バルジ型、平面形状等）を保有するプレート４を挿入し、この折り曲げ部を排気管２の内壁に固着することによって、プレート４を排気管２に保持したＳＣＲマフラーを示している。他方、図１（b）は、還元剤等供給ノズル３の先端部に、円錐型のプレート４を挿入し、底面側の折り曲げ部をフランジに挟み込み、固定することによって、プレート４を排気管２に保持したＳＣＲマフラーを示している。

このような構成のＳＣＲマフラーにおいて、排気ガスは、排気管２を通過して上流側から下流側の方向に流れ、ＳＣＲ触媒１に流入する。

なお、排気ガスには、ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出され、有害物質として、未燃焼炭化水素（ＨＣ）、一酸化炭素（ＣＯ）及び一酸化窒素（ＮＯ）、二酸化窒素（ＮＯ_２）等の窒素酸化物（ＮＯｘ）が含まれる。

このような排気ガスは、ＳＣＲ触媒１に流入するまでの間に、還元剤等供給ノズル３によって還元剤又は還元剤前駆体が供給される。

本発明では、還元剤等供給ノズル３には、通気孔５を有するプレート４が挿入され、プレート４は、排気管２に保持されている。このため、還元剤等供給ノズル３が受ける車輌振動や排気ガス等の影響による振動は、抑制又は緩和される。その結果、尿素水等の還元剤又は還元剤前駆体は、均一に分散された状態で排気ガスに噴霧供給される。また、還元剤等供給ノズル３は、プレート４によって補強されているため、耐久性が向上する。

図２は、本発明の一実施形態におけるＳＣＲマフラーの排気管内部を、上流側から下流側の方向に投影した図であり、排気ガスは、プレート４の通気孔５を通過し、上流側から下流側の方向に流れる。また、還元剤等供給ノズル３は、プレート４の中心部に挿入されており、尿素水等の還元剤又は還元剤前駆体は、上流側から下流側の方向に噴霧供給され、均一に分散された状態で排気ガスに接触混合される。

ここで、本発明における通気孔５は、円形、楕円形、長穴形、扇形その他の多角形等いずれの形状であってもよく、複数組み合わせてもよい。通気孔５の大きさ及び個数は、大小及び多寡を問わない。また、通気孔５の配置は、中心部、同心円上等どのように配置してもよいが、均一且つ対照的に配置することが好ましい。

さらに、本発明におけるプレート４は、円形、楕円形、正方形、円錐形その他の多角形等いずれの形状であってもよく、平型、凸型等いずれの形状であってもよい。プレート４の大きさは、排気管２の口径を塞ぐような大きさであることが好ましい。また、プレート４の数は、１枚だけでもよく、複数枚であってもよい。

さらに、還元剤等供給ノズル３にプレート４を挿入する形態としては、還元剤等供給ノズル３の先端側からプレート４挿入し、ノズル先端部がわずかに突き出た状態で、還元剤等供給ノズル３に固定しておくことが好ましい。

また、プレート４を排気管２に保持する形態としては、排気管２の内壁に固着させてもよく、排気管２の外側のフランジに挟み込み、固定させてもよく、その他の形態であってもよい。

なお、還元剤又は還元剤前駆体としては、還元剤そのものだけではなく、還元剤を遊離する物質等の還元剤前駆体をも含み、炭化水素、シアヌール酸、アンモニア、炭酸アンモニウム、カルバミン酸アンモニウム、尿素等のうちいずれの物質であってもよく、複数組み合わせてもよい。また、このような還元剤又は還元剤前駆体は、固体、液体、気体の状態のうちいずれの状態であってもよく、複数組み合わせてもよい。

例えば、アンモニアそのものを還元剤として供給してもよいが、アンモニアは臭気が強く、比較的高濃度では毒性が高いため、毒性の低い尿素水を還元剤前駆体として噴霧供給するものが好ましい。この際、尿素水中の尿素は、排気管内の排気ガスと接触混合され、熱分解又は加水分解されて、還元剤であるアンモニアを遊離する。

その後、排気ガスは、さらに下流側の方向に流れていき、ＳＣＲ触媒１に流入すると、排気ガスに含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）は、ＳＣＲ触媒１に吸着されて、選択的に還元浄化される。その結果、窒素酸化物（ＮＯｘ）は、環境に優しい窒素及び水に変換される。

本発明では、ＳＣＲ触媒１に流入する排気ガスは、尿素水等の還元剤又は還元剤前駆体と十分に接触混合されており、排気ガスに含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）のＳＣＲ触媒１への吸着率は高い。このため、ＳＣＲ触媒１による窒素酸化物（ＮＯｘ）の浄化効率は向上する。

なお、ＳＣＲ（＝Selective Catalytic Reduction）触媒１としては、二酸化チタン（ＴｉＯ_２）、五酸化バナジウム（Ｖ_２Ｏ_５）、三酸化タングステン（ＷＯ_３）、三酸化モリブデン（ＭoＯ_３）、二酸化ケイ素（ＳｉＯ_２）、硫酸塩、ゼオライト等のうちいずれの物質であってもよく、複数組み合わせてもよい。また、ＳＣＲ触媒１は、ケージングさせてもよく、ハニカム構造を有する触媒担体に担持させてもよい。

本発明の一実施形態におけるＳＣＲマフラーの基本模型図である。 本発明の一実施形態における排気管内部の投影図である。

符号の説明

１ ＳＣＲ触媒
２ 排気管
３ 還元剤等供給ノズル
４ プレート
５ 通気孔

Claims (1)

1. 排気ガスに含まれる窒素酸化物（ＮＯｘ）を選択的に還元浄化するためのＳＣＲ触媒と、
   前記排気ガスを前記ＳＣＲ触媒に流入させる排気管と、
   前記排気ガスに還元剤又は還元剤前駆体を供給する還元剤等供給ノズルと
   を備えたＳＣＲマフラーにおいて、
   前記還元剤等供給ノズルに、通気孔を有するプレートを挿入し、該プレートを前記排気管に保持したことを特徴とするＳＣＲマフラー。

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