JP2005226122A - 方向性電磁鋼板の製造システム及び方法、磁気特性予測装置 - Google Patents

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辰彦 坂井
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Abstract

【課題】 レーザ磁区制御後の磁気特性を精度良く予測し、適切な素材を適切な素材製品在庫から選択してレーザ処理を行うことができるようにする。
【解決手段】 方向性電磁鋼板の磁気特性連続測定装置及びレーザ磁区制御装置を備えた方向性電磁鋼板製造工場M1における素材製品の特性データ記憶装置1、レーザ磁区制御装置を備えたコイルスリットセンターS1、S2における素材製品の特性データ記憶装置1、コイル輸送媒体T1、T2における素材製品の特性データ記憶装置1と、コイル磁気特性管理装置2と、コイル生産管理装置3とが通信ネットワークを介して接続されており、コイル生産管理装置3が提示する個々のレーザ磁区制御製品仕様に対して、特性データ記憶装置1に格納されている素材製品の磁気特性データを基にして、コイル磁気特性管理装置2がレーザ磁区制御後の磁気特性を予測し、レーザ磁区制御製品仕様を満たす素材製品を検索して加工する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ磁区制御された方向性電磁鋼板の製造システム及び方法、磁気特性予測装置に関する。
主に積み鉄芯に使用される方向性電磁鋼板は、磁区制御を施して鉄損を極力低減した磁区制御製品と、磁区制御を施していない素材製品とに大別される。磁区制御の手法としては、レーザ磁区制御法が最も効率的に鉄損を低減させる方法として既に実用に供されている。現在、磁区制御製品はすべてレーザ設備を持つ電磁鋼板製造工場で生産されており、素材コイルの製造・選別、レーザ磁区制御工程を経た後、注文板幅に切断するコイルスリットセンターを経由して、あるいは、工場から直接に顧客に配送される。
方向性電磁鋼板の磁気特性は一般にB8(外部磁界0.8A/mが印加されたときに発生する磁束密度、以下「B」と省略)及びW17/50(磁束密度1.7T、50Hzの交番磁界における鉄損、以下「W」と省略)で代表される。磁束密度Bが高く、且つ、鉄損Wが低いことがトランス材料としての高性能の指標であり、コイル単位で受注する際は、そのコイルの全長に渡るB及びWを一定間隔で測定し、そのコイルの最小B及び最大Wを保証して販売されている。
方向性電磁鋼板のレーザ磁区制御の基本原理は、レーザ照射部での微小な環流磁区の発生が素材の180°磁壁間隔を細分化し、異常渦電流損を減少させることにある。その結果、レーザ照射後では、磁束密度Bはほとんど低下せずに、鉄損Wが10%以上低減される。
レーザ照射前の素材の磁束密度BをB1、鉄損WをW1とし、レーザ後のそれをB2、W2とする。図2は磁束密度B及び鉄損Wの相関を示したものである。ここで磁束密度Bはレーザ照射前後でほとんど変化しないため、横軸のBはB1で代表した。この図からわかるように、一般に磁束密度Bが大きい方が鉄損Wは小さい傾向にある。レーザ照射前の素材では同じB1の値に対してW1の値は比較的広く分布している。しかし、レーザ照射後はB1とW2の関係は、式1に示すようなほぼ線形関係に収斂する傾向にある。
W2=-a×B1+b・・・(式1)
すなわち、素材の磁束密度B1が同じであれば、適当な条件でレーザ照射を行うことで、素材の鉄損W1が異なっても、ほぼ同じ程度の鉄損W2が得られるということである。換言すれば、大まかな指標として、磁束密度B1のみでレーザ後に得られる鉄損W2を予測することが可能であると言える。
しかしながら、図2から明らかなように、磁束密度B1の値が同じでも、依然として鉄損W2は若干の分布を持ち、式1を用いて鉄損W2を予測しても1〜2%の誤差が生じる。レーザ磁区制御材の特性保証の観点では、この程度の特性分布、すなわち特性誤差が問題になる場合がある。その場合、注文仕様特性を満足できないため、製造をやり直すこととなり、納期遅れが発生するおそれがある。これを避けるために、ある程度余裕を持った素材を選別するか、あるいは過剰にレーザ磁区制御材を生産して、注文仕様を満足したコイルを選別して販売するということが必要であったが、そのようなやり方では、過剰仕様品の生産や歩留まりが低下するという問題があった。
また、従来、電磁鋼板工場の素材製品にのみレーザ照射を行っていた。しかし、仮に、電磁鋼板製造工場、コイル輸送経路、あるいは電磁鋼板を切断するコイルスリットセンターの素材製品の在庫に余裕があれば、適当な場所でレーザ照射を行い緊急な納品へも対応が可能になることが期待できる。しかし、どの素材にレーザ照射を行えば注文に見合うレーザ磁区制御製品が製造できるかという、明確な指標や精度の高い予測手段がなく、素材製品在庫の有効活用は困難であった。また、電磁鋼板製造工場、コイル流通経路、コイルスリットセンターを含む総合的な方向性電磁鋼板の製造システムは存在しなかった。
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、レーザ磁区制御後の磁気特性を精度良く予測し、適切な素材を適切な素材製品在庫から選択してレーザ処理を行うことができるようにして、素材の有効活用や納期短縮を可能とすることを目的とする。
本発明の方向性電磁鋼板の製造システムは、方向性電磁鋼板の磁気特性連続測定装置及びレーザ磁区制御装置を備えた方向性電磁鋼板製造工場における素材製品の特性データ記憶装置、レーザ磁区制御装置を備えたコイルスリットセンターにおける素材製品の特性データ記憶装置、コイル輸送媒体における素材製品の特性データ記憶装置という少なくとも3箇所の特性データ記憶装置と、コイル磁気特性管理装置と、コイル生産管理装置とが通信ネットワークを介して接続されている方向性電磁鋼板の製造システムであって、前記コイル生産管理装置が提示する個々のレーザ磁区制御製品仕様に対して、前記特性データ記憶装置に格納されている素材製品の磁気特性データを基にして、前記コイル磁気特性管理装置がレーザ磁区制御後の磁気特性を予測し、前記レーザ磁区制御製品仕様を満たす素材製品を検索して加工する点に特徴を有する。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造システムの他の特徴とするところは、方向性電磁鋼板の磁気特性として、磁化力800A/mおける磁束密度をB[T]、周波数50Hz、最大磁束密度1.7Tにおける鉄損をW[W/kg]とし、仕掛品の磁束密度Bと鉄損WをそれぞれB1、W1とする場合、前記特性データ記憶装置が、素材製品の位置データL、コイル識別番号n、コイル先頭位置を原点とする位置Z、Z位置における磁束密度B1及び鉄損W1からなる磁気特性データを素材製品特性データとして格納し、且つ、通信ネットワークを介して前記コイル磁気特性管理装置に出力する手段とを備える点にある。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造システムの他の特徴とするところは、方向性電磁鋼板のレーザ磁区制御後の磁束密度B、鉄損WをそれぞれB2、W2とする場合、前記コイル磁気特性管理装置が、前記特性データ記憶装置から通信ネットワークを介して素材製品特性データを取得する手段と、当該素材製品特性データを基にB2、W2を予測計算する手段と、位置データL、コイル識別番号n、Z位置における磁束密度B1及び鉄損W1、レーザ照射後の磁束密度B2及び鉄損W2、コイル毎のB2の最小値B2g、W2の最大値W2g、各々の平均値B2a、W2aからなる磁気特性データをレーザ磁区制御製品特性予測データとして蓄積し、且つ、通信ネットワークを介して前記コイル生産管理装置に出力する手段を備える点にある。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造システムの他の特徴とするところは、前記コイル生産管理装置が、顧客の注文磁気特性データであるレーザ磁区制御製品の最小磁束密度BをBo、及び最大鉄損WをWoとして注文仕様データとして格納する手段と、前記コイル磁気特性管理装置から通信ネットワークを介してレーザ磁区制御製品特性予測データを取得する手段と、コイル毎のB2g、W2gとBo、Woとを数値比較計算し、B2g>Boであり、且つ、W2g<Woであることを満たす素材製品コイルのレーザ磁区制御製品特性予測データを検索する手段と、検索された素材製品コイルにレーザ磁区制御を行った後のコイル販売価格Pと納期dtをレーザ磁区制御製品特性予測データ付加したデータを見積もり回答データとして格納する手段と、その見積もり回答データを外部に表示する手段とを備えた点にある。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造システムの他の特徴とするところは、前記コイル磁気特性管理装置が、B1、W1、及びコイル板厚情報データを基に選定される定数α、β、γ、ηを用いる関係式
W2=(α×B1+β)×W1+(γ×B1+η)
B2=B1-0.005
によりB2、W2を計算する点にある。
また、本発明の方向性電磁鋼板の製造システムの他の特徴とするところは、前記コイル磁気特性管理装置にて用いられる計算式において、電磁鋼板の板厚が0.23mmであり、α、β、γ、ηがそれぞれ以下の範囲
α=4.96±0.1
β=-9.43±0.1
γ=-6.16±0.1
η=12.48±0.1
である点にある。
本発明の方向性電磁鋼板の製造方法は、方向性電磁鋼板の磁気特性連続測定装置及びレーザ磁区制御装置を備えた方向性電磁鋼板製造工場における素材製品の特性データ記憶装置、レーザ磁区制御装置を備えたコイルスリットセンターにおける素材製品の特性データ記憶装置、コイル輸送媒体における素材製品の特性データ記憶装置という少なくとも3箇所の特性データ記憶装置が互いに通信可能とされたシステムを利用して方向性電磁鋼板を製造するための方法であって、前記いずれかの特性データ記憶装置に格納されている素材製品の磁気特性データを基にして、レーザ磁区制御後の磁気特性を予測し、前記レーザ磁区制御製品仕様を満たす素材製品を検索して加工する手順を有する点に特徴を有する。
また、本発明の方向性電磁鋼板の磁気特性予測装置は、磁化力800A/mおける磁束密度をB[T]、周波数50Hz、最大磁束密度1.7Tにおける鉄損をW[W/kg]とし、仕掛品の磁束密度B、鉄損WをそれぞれB1、W1とする場合に、磁束密度B1、鉄損W1、及びコイル板厚情報データを基に選定される定数α、β、γ、ηを用いる関係式
W2=(α×B1+β)×W1+(γ×B1+η)
B2=B1-0.005
により方向性電磁鋼板のレーザ磁区制御後の磁束密度B2、鉄損W2を予測する手段を備えた点に特徴を有する。
本発明によれば、特性データ記憶装置に格納されている素材製品の磁気特性データを基に、レーザ磁区制御後の磁気特性を予測するようにしたので、レーザ磁区制御に注文仕様特性を満足しない不具合品がでる確率を極力小さくし、歩留まりを向上させることができるという利点がある。また、要求仕様を満足させ得る素材製品を、在庫あるいは流通している素材製品から選別し、最適な場所でレーザ照射することが可能となり、緊急注文への対応も可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。本願発明者らは、レーザ磁区制御前後の鉄損W1、W2の相関関係について詳細な研究と実験検討を行った。その結果、素材磁束密度B1に依存して鉄損W1、W2の間に特定の相関があることを見出した。
図3は例としてB1=1.920TにおけるW1、W2の相関図である。これより、同じ磁束密度B1でも、鉄損W1が高い場合はレーザ後の鉄損W2も高くなることがわかり、更にこの関係は式2で表されるような線形近似が可能であることを明らかにした。
W2=c×W1+d・・・(式2)
素材製品において磁束密度B1が同じでも鉄損W1が大きいということは、鋼板の結晶方位性は同等であるものの、平均的な180°磁壁間隔が比較的広いものと推測される。レーザ照射の効果は180°磁壁間隔を細分化し、異常渦電流損を減少させることにあるが、素材の磁壁間隔が広すぎると細分化にも限界があり、その結果、レーザ照射後の鉄損W2は素材の鉄損W1に影響されると考えられる。その関係は近似的に式2の様な線形関係にあると推測している。
更に、本願発明者らは、式2における係数c、dが素材の磁束密度B1に依存して変化することを予測し、鋼板板厚0.23mmの方向性電磁鋼板を用いて詳細なレーザ磁区制御実験を行った。ここで、レーザ照射条件として、平均照射エネルギー密度Ua=2.0mJ/mm2とした。レーザ平均照射エネルギー密度Ua(mJ/mm2)は、連続波レーザのレーザパワーをP(mW)、圧延方向照射ピッチをPl(mm)、ビーム操作速度をVc(mm/s)とした場合、式3で計算される。
Ua=P/(Pl×Vc)・・・(式3)
その結果、図4に示す相関関係を得た。すなわち、式2における係数c、dは磁束密度B1の線形関数であり、式4で表されることを見出した。
W2=(α×B1+β)×W1+(γ×B1+η)・・・(式4)
c=α×B1+β、 d=γ×B1+η
α=4.96±0.1
β=-9.43±0.1
γ=-6.16±0.1
η=12.48±0.1
また、磁束密度Bのレーザ照射前後の変化については、レーザ照射を行うと多少低下することが知られている。これは、レーザ照射部に微細な環流磁区が発生して、そこでの結晶方位性が僅かに低下するためである。実験の結果、一般的な方向性電磁鋼板の磁束密度Bの範囲である1.80〜1.95Tにおいては、その低下量は非常に小さく、素材磁束密度Bに依存せず、最大でも0.005Tであることを見出した。顧客への性能保証方法はレーザ照射後の磁束密度Bの最低値であるため、式5のように最大低下代である0.005TをB1から差し引いた値をレーザ照射後の保証値B2とすることが可能である。
B2=B1-0.005・・・(式5)
以下、図1を参照して、本発明の具体的実施例を説明する。図1は本発明を適用した方向性電磁鋼板の製造システムの構成例を示す図である。製造システムでは、電磁鋼板製造工場M1で製造された素材製品コイルの磁気特性データを記憶する媒体を備えた特性データ記憶装置1が電磁鋼板製造工場M1、トレーラーや船舶等の輸送媒体T1、T2、コイルスリットセンターS1、S2に備えられている。更に、これら特性データ記憶装置1と通信ネットワークを介して接続されたコイル磁気特性管理装置2、及びコイル磁気特性管理装置2と通信ネットワークを介して接続されたコイル生産管理装置3が備えられている。
尚、工場M、輸送媒体T、コイルスリットセンターSの数は図示例に限られるものではない。また、本実施例は、方向性電磁鋼板でも最高級品の部類に属する板厚0.23mmの素材に適用した例である。
まず、電磁鋼板製造工場M1では、生産される鋼板コイルのすべてについて、図示されない磁気特性連続測定装置によりコイルの全長にわたり磁気特性が測定され、工場内の特性データ記憶装置1に自動的に記憶される。特性データ記憶装置1に記憶される磁気特性データは、コイル識別番号データn、コイルの先頭を原点としたコイル圧延方向座標Z、座標Zの位置における磁束密度B1及び鉄損W1からなるデータセット(n,Z,B1,W1)である。尚、鋼板の板厚である0.23mmはコイル識別番号に記号として含まれ、レーザ後の磁気特性予測における計算式の係数の選択にて使用される。
工場出荷後は、データセット(n,Z,B1,W1)は、輸送媒体T1、T2及びコイルスリットセンターS1、S2に備えられ、且つ、無線又は有線の通信ネットワークを介して接続された各特性データ記憶装置1にも自動的に入力されて、共有される。
また、通信の際に、当該コイルが現在どこにあるかを示す位置データLを取り扱う。この位置データLは、当該コイルの移動の際に更新される。この(L,n,Z,B1,W1)からなるデータセットを素材製品特性データとする。例えばコイル識別番号が入力されることで、任意のコイルについてデータセット(n,Z,B1,W1)を工場出荷前、輸送途中、スリットセンターのどの場所に存在しても常にリアルタイム表示することが可能である。
また、本実施形態の製造システムではコイル磁気特性管理装置2が設けられており、この装置2は各所の特性データ記憶装置1と通信ネットワークを介して接続されている。コイル磁気特性管理装置2内では、データセット(L,n,Z,B1,W1)が入力データとして式4、5に代入され、各素材製品コイルにレーザを照射した後の磁気特性を予測計算する作業が行われる。計算式の係数データα、β、γ、ηは装置2内の記憶媒体に記憶されており、コイルの板厚に併せて自動的に選択される。コイルの板厚情報は一般にコイル識別番号nに含まれており、例えば識別番号n=23G001であれば、最初の2桁の23がコイルの板厚が0.23mmであることを示すデータとして定義されており、計算作業で使用する定数はこの番号を引用して自動的に0.23mm材の定数が使用される。ここで新たに得られるデータは(B2,W2)である。この作業は本装置内に入力された全コイルデータについて実行され、その結果は(L,n,Z,B1,W1,B2,W2)として記憶される。
具体例として、図5に素材コイル識別番号n=23G001の磁気特性データセットをグラフ化した。図5(a)、(b)はコイル圧延方向座標Zと磁束密度B1及び鉄損W1との関係を実測したデータである。これらすべての測定データがコイル磁気特性管理装置2内で(Z,B1,W1)として入力され、式3、4にてB2、W2が計算される。
図6は計算された鉄損W2の値と実際にレーザ照射を行った後に測定された鉄損W2との値の比較である。鉄損W2の計算予測値と実測値はよく一致しており、その誤差は±0.5%以内であった。
次に、コイル毎のデータセット(L,n,Z,B1,W1,B2,W2)の磁束密度B2と鉄損W2の全データについて大小比較計算と平均値計算が実行され、各データセット内での最小B2と最大W2をそれぞれB2g、W2g、平均値をB2a、W2aとして新たにデータセット(L,n,B2g,W2g,B2a,W2a)が作成され、記憶される。これらの二つのデータセットに含まれるデータは磁区制御製品特性予測データとする。
また、これらのデータセットは汎用的なデータベース形式で保存され、パーソナルコンピュータと同様の入出力装置に接続されており、管理者はコイル番号、コイル特性等を条件式として入力することで、その条件を満たすコイル番号、特性データ等を表示させることが可能である。
更に、本実施形態の製造システムでは、顧客C1からの注文仕様特性データを格納し、また前記コイル磁気特性管理装置2とのデータ比較により、注文に最適な素材製品コイルを自動検索するコイル生産管理装置3を構成要素として含む。コイル生産管理装置3はコイル磁気特性管理装置2と通信ネットワークを介して接続され、データセット(L,n,B2g,W2g,B2a,W2a)を入力データとして取得する。
次に、格納されている注文仕様特性データ、すなわち顧客の要求特性データである最小BをBo、及び最大WをWoとしてデータセット(Bo,Wo)が作成される。
次に、コイル磁気特性管理装置2から取得した(L,n,B2g,W2g,B2a,W2a)のB2g、W2gと比較計算作業が実行され、B2g>Boであり、且つW2g<Woであることを同時に満たす全素材製品コイルを検索する。
次に、位置データLを参照して、検索したコイルの場所を特定し、レーザ処理を行う最適な工場あるいはコイルスリットセンターの選別と顧客への納期が計算される。また、輸送時間とレーザ照射コストを含む販売価格が算出される。この作業の結果、検索された全素材製品コイルについて、納期dt、価格Pがコイルのデータセットに加えられ、新たにデータセット(L,n,B2g,W2g,B2a,W2a,dt,P)が生成され、記憶される。このデータセットを見積もり回答データとする。
コイル生産管理装置3内部のデータは汎用的なデータベース形式で保存され、図1には図示されないパーソナルコンピュータ等の入出力装置に接続されており、選別されたコイルデータセット(L,n,B2g,W2g,B2a,W2a,dt,P)は管理者の表示指示にディスプレイ等の表示装置に表示される。
製造あるいは販売管理者はコイル生産管理装置3に表示された複数のコイルデータの見積もり回答データを顧客に提示して商談を行うことが可能である。商談がまとまればコイルを選別してレーザ照射の指示を出す。
以上、本発明を実施形態とともに説明したが、本発明は実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
本発明を適用した方向性電磁鋼板の製造システムの構成例を示す図である。 方向性電磁鋼板のレーザ磁区制御前後のB−W特性を表わす特性図である。 B=1.920Tにおけるレーザ前後のWの相関関係を表わす特性図である。 本発明の磁気特性予測計算式に用いられる定数のB1依存性を表わす特性図である。 レーザ照射前のB、Wのコイル圧延方向分布を表わす特性図である。 レーザ照射後のWの予測計算値と実測値のコイル圧延方向分布を表わす特性図である。
符号の説明
1 コイル特性データ記憶装置
2 コイル磁気特性管理装置
3 コイル生産管理装置
M1 電磁鋼板製造工場
T1、T2 コイル輸送媒体
S1、S2 コイルスリットセンター

Claims (8)

  1. 方向性電磁鋼板の磁気特性連続測定装置及びレーザ磁区制御装置を備えた方向性電磁鋼板製造工場における素材製品の特性データ記憶装置、レーザ磁区制御装置を備えたコイルスリットセンターにおける素材製品の特性データ記憶装置、コイル輸送媒体における素材製品の特性データ記憶装置という少なくとも3箇所の特性データ記憶装置と、コイル磁気特性管理装置と、コイル生産管理装置とが通信ネットワークを介して接続されている方向性電磁鋼板の製造システムであって、
    前記コイル生産管理装置が提示する個々のレーザ磁区制御製品仕様に対して、前記特性データ記憶装置に格納されている素材製品の磁気特性データを基にして、前記コイル磁気特性管理装置がレーザ磁区制御後の磁気特性を予測し、前記レーザ磁区制御製品仕様を満たす素材製品を検索して加工することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造システム。
  2. 方向性電磁鋼板の磁気特性として、磁化力800A/mおける磁束密度をB[T]、周波数50Hz、最大磁束密度1.7Tにおける鉄損をW[W/kg]とし、仕掛品の磁束密度B、鉄損WをそれぞれB1、W1とする場合、
    前記特性データ記憶装置が、素材製品の位置データL、コイル識別番号n、コイル先頭位置を原点とする位置Z、Z位置における磁束密度B1及び鉄損W1からなる磁気特性データを素材製品特性データとして格納し、且つ、通信ネットワークを介して前記コイル磁気特性管理装置に出力する手段とを備えることを特徴とする請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造システム。
  3. 方向性電磁鋼板のレーザ磁区制御後の磁束密度B、鉄損WをそれぞれB2、W2とする場合、
    前記コイル磁気特性管理装置が、前記特性データ記憶装置から通信ネットワークを介して素材製品特性データを取得する手段と、当該素材製品特性データを基にB2、W2を予測計算する手段と、位置データL、コイル識別番号n、Z位置における磁束密度B1及び鉄損W1、レーザ照射後の磁束密度B2及び鉄損W2、コイル毎のB2の最小値B2g、W2の最大値W2g、各々の平均値B2a、W2aからなる磁気特性データをレーザ磁区制御製品特性予測データとして蓄積し、且つ、通信ネットワークを介して前記コイル生産管理装置に出力する手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の方向性電磁鋼板の製造システム。
  4. 前記コイル生産管理装置が、顧客の注文磁気特性データであるレーザ磁区制御製品の最小磁束密度BをBo、及び最大鉄損WをWoとして注文仕様データとして格納する手段と、前記コイル磁気特性管理装置から通信ネットワークを介してレーザ磁区制御製品特性予測データを取得する手段と、コイル毎のB2g、W2gとBo、Woとを数値比較計算し、B2g>Boであり、且つ、W2g<Woであることを満たす素材製品コイルのレーザ磁区制御製品特性予測データを検索する手段と、検索された素材製品コイルにレーザ磁区制御を行った後のコイル販売価格Pと納期dtをレーザ磁区制御製品特性予測データ付加したデータを見積もり回答データとして格納する手段と、その見積もり回答データを外部に表示する手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方向性電磁鋼板の製造システム。
  5. 前記コイル磁気特性管理装置が、B1、W1、及びコイル板厚情報データを基に選定される定数α、β、γ、ηを用いる関係式
    W2=(α×B1+β)×W1+(γ×B1+η)
    B2=B1-0.005
    によりB2、W2を計算することを特徴とする請求項3に記載の方向性電磁鋼板の製造システム。
  6. 前記コイル磁気特性管理装置にて用いられる計算式において、電磁鋼板の板厚が0.23mmであり、α、β、γ、ηがそれぞれ以下の範囲
    α=4.96±0.1
    β=-9.43±0.1
    γ=-6.16±0.1
    η=12.48±0.1
    であることを特徴とする請求項5に記載の方向性電磁鋼板の製造システム。
  7. 方向性電磁鋼板の磁気特性連続測定装置及びレーザ磁区制御装置を備えた方向性電磁鋼板製造工場における素材製品の特性データ記憶装置、レーザ磁区制御装置を備えたコイルスリットセンターにおける素材製品の特性データ記憶装置、コイル輸送媒体における素材製品の特性データ記憶装置という少なくとも3箇所の特性データ記憶装置が互いに通信可能とされたシステムを利用して方向性電磁鋼板を製造するための方法であって、
    前記いずれかの特性データ記憶装置に格納されている素材製品の磁気特性データを基にして、レーザ磁区制御後の磁気特性を予測し、前記レーザ磁区制御製品仕様を満たす素材製品を検索して加工する手順を有することを特徴とする方向性電磁鋼板の製造方法。
  8. 磁化力800A/mおける磁束密度をB[T]、周波数50Hz、最大磁束密度1.7Tにおける鉄損をW[W/kg]とし、仕掛品の磁束密度B、鉄損WをそれぞれB1、W1とする場合に、磁束密度B1、鉄損W1、及びコイル板厚情報データを基に選定される定数α、β、γ、ηを用いる関係式
    W2=(α×B1+β)×W1+(γ×B1+η)
    B2=B1-0.005
    により方向性電磁鋼板のレーザ磁区制御後の磁束密度B2、鉄損W2を予測する手段を備えたことを特徴とする方向性電磁鋼板の磁気特性予測装置。
JP2004036163A 2004-02-13 2004-02-13 方向性電磁鋼板の製造システム及び方法、磁気特性予測装置 Withdrawn JP2005226122A (ja)

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