JP2005225775A - 免疫活性剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な免疫活性を発現できる免疫活性剤を提供する。
【解決手段】 β-グルコースがβ1→3結合したβ-1,3-グルコースオリゴマーからなる主鎖と、β-1,3-グルコースオリゴマーからなる1以上の側鎖とを含み、前記側鎖β-1,3-グルコースオリゴマーの末端グルコース残基の1位が、前記主鎖β-1,3-グルコースオリゴマーにおけるいずれかのグルコース残基の6位にβ1→6結合し、且つ、全グルコース残基数が6〜56の範囲である多糖体を含有する免疫活性剤とする。
【選択図】 なし


Description

本発明は、多糖体を含む免疫活性剤に関する。
古来、アガリスクやヤマブシタケ等は漢方薬として重宝されているが、現在では、これらに含まれるβ-グルカンが、免疫活性ひいては抗腫瘍活性を示すことが知られている(例えば、非特許文献1参照)。このβ-グルカンは、一般に、グルコースがβ1→3結合、β1→4結合、β1→6結合等によって多数結合した枝わかれ構造の多糖体であり、分離精製されたβ-グルカンの中には直径5μmにおよぶ巨大分子も存在している。
しかしながら、β-グルカンは、前述のような薬効を示すものの、ヒトに投与する場合に、水に難溶であるとか、腸管等への吸収性が悪い等の問題があり、十分にその効果を発揮できていないのが現状である。
八木田旭邦、外7名、Biotherapy, 17(3), 257-266(2003)
そこで、本発明の目的は、例えば、水に対する溶解性や腸管吸収性に優れ、且つ、体内で十分な免疫活性を発現することができる免疫活性剤の提供である。
前記目的を達成するために、本発明は、多糖体を含む免疫活性剤であって、
前記多糖体が、β-グルコースがβ1→3結合したβ-1,3-グルコースオリゴマーからなる主鎖と、β-1,3-グルコースオリゴマーからなる1以上の側鎖とを含み、前記側鎖β-1,3-グルコースオリゴマーの末端グルコース残基の1位が、前記主鎖β-1,3-グルコースオリゴマーにおけるいずれかのグルコース残基の6位にβ1→6結合し、且つ、全グルコース残基数が6〜56の範囲であることを特徴とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果以下の点を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、従来、β-グルカンは、その免疫活性が知られているものの、厳密な構造・配列が明らかにされていないため、免疫活性を示す部分は全く特定されていなかった。そこで、本発明者らは、天然のβ-グルカンの低分子化を試みたのである。具体的には、天然のβ-グルカンを直鎖のβ-1,3-グルコースオリゴマーに分解し、これを主鎖の原料として再度β1→6結合により側鎖を結合させ、低分子の多糖体を生成させた。その結果、側鎖(β-1,3-グルコースオリゴマー)の末端グルコース残基の1位が、主鎖(β-1,3-グルコースオリゴマー)のグルコース残基の6位にβ1→6結合し、且つ、全グルコース残基数が6〜56の範囲である多糖体であれば、天然のβ-グルカンと比較して低分子化されているにもかかわらず、免疫活性ひいては抗腫瘍活性を発揮することを見出したのである。このよう本発明の免疫活性剤は、含まれる前記多糖体が、天然β-グルカンと比較して低分子であるため、例えば、水への溶解性や体内での吸収性にも優れる。したがって、医薬品や機能性食品の分野において、新規の免疫活性剤として極めて有用であると言える。
本発明の免疫活性剤は、β-グルコースがβ1→3結合したβ-1,3-グルコースオリゴマーからなる主鎖と、β-1,3-グルコースオリゴマーからなる1以上の側鎖とを含み、前記側鎖β-1,3-グルコースオリゴマーの末端グルコース残基の1位が、前記主鎖β-1,3-グルコースオリゴマーにおけるいずれかのグルコース残基の6位にβ1→6結合し、且つ、全グルコース残基数が6〜56の範囲である多糖体を含むことを特徴とする。
前記多糖体の全グルコース残基数は、6〜56の範囲であり、好ましくは6〜45の範囲である、より好ましくは6〜30のであり、特に好ましくは8〜14の範囲である。
また、主鎖のグルコース残基数は、3〜7の範囲が好ましく、より好ましくは3〜6であり、特に好ましくは3〜4である。一方、側鎖のグルコース残基数は、1つの側鎖について、3〜7の範囲が好ましく、より好ましくは3〜6であり、特に好ましくは3〜4である。
前記多糖体(1分子)における側鎖の数は、特に制限されないが、例えば、2〜7の範囲であり、より好ましくは3〜6であり、特に好ましくは3〜5である。このように前記多糖体が2つ以上の側鎖を有する場合、各側鎖は同じグルコース残基数であってもよいし、異なっていてもよい。また、側鎖が2つ以上の場合、側鎖の結合部位、すなわち、主鎖のβ-1,3-グルコースオリゴマーにおいて何残基ごとにβ1→6結合しているかについては、特に制限されず、例えば、隣りあうグルコース残基に共に側鎖が結合していてもよいし、数残基ごとに側鎖が結合してもよい。
本発明において、前記多糖体を構成するグルコース残基は、免疫活性を示す限りにおいて、その水素や水酸基(-OH)の水素が、他の基に置換されていてもよい。置換基としては、例えば、アセチル基、ベンジル基、ベンゾイル基、メトキシメチル基、アリール基、トリメチルシリル基、メチル基等があげられる。
前記多糖体は、天然β-グルカンと比較して低分子であるが、例えば、IL-6誘導活性、TNF-α誘導活性、IL-12誘導活性、IL-18誘導活性、TFN-γ誘導活性等を奏するため、前記多糖体を含む本発明は、免疫活性剤、免疫増強機能性食品として使用できる。また、本発明の免疫活性剤を含む組成物は、本発明の抗腫瘍剤として使用できる。
本発明の免疫活性剤は、主成分あるいは有効成分として前記多糖体を含有すれば、その他の成分については、特に制限されず、その用途に応じ適宜決定される。その他の成分としては、例えば、乳糖、澱粉、デキストリン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、合成若しくは天然ケイ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、重炭酸ナトリウム、乾燥酵母、酸化亜鉛、タルク、澱粉、カキリン、ホウ酸粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、次没食子酸ビスマス、硫酸アルミニウムカリウム末等;水、グリセリン、プロピレングリコール、シロップ、エタノール、脂肪酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等;脂肪、脂肪油、ラノリン、ワセリン、グリセリン、ミツロウ、モクロウ、パラフィン、流動パラフィン樹脂、高級アルコール、プラスチック、グリコール類、水、界面活性剤等があげられる。
本発明の免疫活性剤において、前記多糖体の含有割合は、全体に対して、例えば、0.1〜100重量%の範囲であり、好ましくは20〜100重量%の範囲である。
次に、本発明の免疫活性剤における前記多糖体の製造方法について説明する。なお、本発明において、前記多糖体はグルコース残基が6〜56と低分子であるため、以下に示すような方法によって、構造が明らかな多糖体を調製することができる。
前記多糖体の製造方法は、特に制限されず、公知の合成方法によって、β-グルコースがβ1→3結合したβ-1,3-グルコースオリゴマーの合成、主鎖となるβ-1,3-グルコースオリゴマーと側鎖となるβ-1,3-グルコースオリゴマーとの結合を行うことができる。また、主鎖の任意のグルコース残基に側鎖をβ1→6結合させる方法も、例えば、従来公知の方法によって行うことができる。
前述のようにβ-1,3-グルコースオリゴマーは、従来公知の合成方法によっても調製できるが、例えば、原料として天然β-グルカンを使用し、これをアセトリシス反応で分解することによって調製することもできる。このアセトリシス反応によって、天然β-グルカンから、グルコース残基数が、2〜7であるβ-1,3-グルコースオリゴマーを得ることができる。
アセトリシス反応の条件は特に制限されないが、例えば、天然β-グルカン1gに対して、無水酢酸20〜25ml、酢酸20〜25ml、濃硫酸1〜2mlを添加して、室温で、5〜9日攪拌すればよい。なお、アセトリシス反応の条件を適宜設定することによって、得られるβ-1,3-グルコースオリゴマーのグルコース残基数を調整することができる。
主鎖のβ-1,3-グルコースオリゴマーに、β1→6結合によって側鎖のβ-1,3-グルコースオリゴマーを結合させる一例を、下記スキームに基づいて説明する。この一例においては、主鎖および側鎖ともに3糖体のβ-1,3-グルコースオリゴマー(側鎖となるA、主鎖となるB)をあげているが、前述のように主鎖と側鎖とを有し、且つ、最終的に得られる多糖体のグルコース残基数が6〜56であれば特に制限されない。
Figure 2005225775
側鎖となるβ-1,3-グルコースオリゴマー(A)は、その1位の水酸基と、主鎖となるβ-1,3-グルコースオリゴマーのいずれかのグルコース残基6位の水酸基との脱水素結合によって結合できる。この際、他の部位で結合が生じないよう、1位以外の水酸基に、水素に代えて保護基(前記スキームにおいてX)をつけておくことが好ましい。保護基Xとしては、例えば、アセチル基、ベンジル基、ベンゾイル基等があげられる。また、β-1,3-グルコースオリゴマー(A)の1位の水酸基には、水素に代えて、脱水素反応が起こり易い活性基(Z)をつけておくことが好ましい。保護基Zとしては、例えば、-C(NH)CCl3、-F、-S-C6H5等があげられる。
一方、主鎖となるβ-1,3-グルコースオリゴマー(B)には、選択的に側鎖を結合させるために、側鎖を結合させないグルコース残基の6位に保護基をつけておくことが好ましい。例えば、前記スキームに示すように側鎖を結合させないグルコース残基については、その6位と4位の水酸基の両方を保護する保護基(M)をつけておくことが好ましい。保護基Mとしては、例えば、-CH(C6H5)-、-C(CH32等があげられる。また、末端グルコース残基の3位についても同様に、水酸基の水素に代えて保護基(Q)をつけておくことが好ましく、保護機Qとしては、例えば、メトキシフェニルメチル基、アセチル基、ベンジル基、ベンゾイル基等があげられる。また、その他の水酸基についても同様に、水酸基の水素に代えて保護基(Y)をつけておくことが好ましく、保護機Yとしては、例えば、フェニル基、アリル基、アセチル基、ベンジル基等があげられる。
なお、上述した保護基(Z、M、Q)や活性基(Z)としては、従来公知のものがあげられ、また、従来公知の方法によってβ-1,3-グルコースオリゴマーに導入することができる。
側鎖となるβ-1,3-グルコースオリゴマー(A)と、主鎖となるβ-1,3-グルコースオリゴマー(B)とを脱水反応させて、側鎖をβ1→6結合によって主鎖に結合させ、多糖体の前駆体Cを生成する。この脱水反応の条件は特に制限されず、従来の条件と同様に行うことができる。一例としては、温度が−15〜25℃、反応時間が0.5〜10時間であることが好ましく、また、反応温度を−15〜−10℃程度から徐々に昇温させ、最終的に0〜25℃程度で反応させることがより好ましく、この際、昇温にかける時間は1〜3時間、昇温後の反応時間は7〜9時間程度であることが好ましい。
そして、最終的に前駆体Cから、各種保護基を除去して水素に置換することによって、多糖体C'が得られる。なお、多糖体のグルコース残基は、前述のように免疫活性を有する限り、その水酸基が置換されていてもよく、例えば、前駆体Cをそのまま多糖体として使用することも可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に示すスキームにおいて、化学構造式の下に化合物の整理番号を付している。
I. 本発明の免疫活性剤における多糖体を調製するための原料として使用できるβ-1.3グルコースオリゴマーを調製した。
1.アセトリシスによる調製
下記スキーム(1)〜(3)に基づいて、β-グルカンから、3糖体(化合物1)、5糖体(化合物2)を調製した。
まず、下記スキーム(1)に示すように、β-グルカン(商品名マクロガード:Biotec社製)1gに対して無水酢酸25ml、酢酸25mlおよび2%硫酸1mlを加え、室温で5日間撹拌することによってアセトリシスを行った。この反応液を中和処理した後、水およびクロロホルムで分配を行い、得られたクロロホルム層をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。これによって、β-1,3結合の3糖体である化合物1(アセテート体)を48mg(収率4.8%)、β-1,3結合の5糖体である化合物2(アセテート体)を31mg(収率3.1%)得た。
Figure 2005225775
そして、化合物1(3糖体)にピペリジン、酢酸、THFを添加し、窒素雰囲気下、室温で約1日攪拌することにより一段階目の反応を行い、さらに、CCl3CN、CsCO3、CH2Cl2を添加して、窒素雰囲気下、室温で4時間攪拌することにより二段階目の反応を行った。これによって、末端(1位)の炭素が修飾された化合物3を得た(スキーム(2))。一方、化合物2にナトリウムメトキシド/MeOHを添加し、脱アセチル化を行うことによって化合物4を定量的に得た(スキーム(3))。
Figure 2005225775
Figure 2005225775
得られたβ-1,3グルコースオリゴマーの3量体(化合物3)および5量体(化合物4)は、質量分析およびNMRによって、その構造を確認した。質量分析およびNMR分析の結果、3糖体である化合物3は、MALDI-MS ; m/z = 990.12 [(M+Na)+] Exact Mass; 966.29、5糖体である化合物4は、MALDI-MS ; m/z = 1566.79 [(M+Na)+] Exact Mass; 1542.45となった。このように安価なβ-グルカンのアセトリシスによれば、多段階の合成を行うことなく、わずか2段階でβ-1,3グルコースオリゴマーを調製できるため、本発明の免疫活性剤における多糖体の原料として極めて有用である。
2.有機合成による調製
(i) 単糖
Figure 2005225775
前記スキーム(4)に従って各種単糖を調製した。まず、D−グルコース(化合物5)をアリルアルコール(AllylOH:50当量)に溶解してから、塩化トリメチルシリル(TMSCl:5当量)を加え、60℃で7時間撹拌した。そして、未反応のAllylOHとTMSClとを除去した後、この反応物を未精製のままアセトニトリルに溶解した。この溶液に、さらに、ベンズアルデヒドジメチルアセタール(PhCH2(OMe)2:1.5当量)とp−トルエンスルホン酸(p-TsOH:0.1当量)を加え、室温で3時間撹拌することによって化合物6を得た。2工程によって得られた化合物6の収率は、68%であった。なお、「収率」とは、各反応における出発物質(化合物)を100%とした際の収率であって、以下同様である。続いて、化合物6をジクロロメタン(CH2Cl2)に溶解してから、塩化ベンジル(BzCl:1.1当量)、トリエチルアミン(Et3N:2.2当量)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt:1.1当量)を加え、室温で1日撹拌することによって化合物7を得た。精製後の前記化合物7の収率は、化合物6を100%として76%であった。なお、化合物の精製は、特に言及しない限りシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって行った。次に、化合物7をジクロロメタン(CH2Cl2)に溶解してから、p−メトキシフェニルメチルトリクロロメチルイミデート(MPMOC(NH)CCl3:2.0当量)、ルイス酸、モレキュラーシーブス(商品名MS4A、アルドリッチ社製、以下同じ)を加えて、この混合物を‐20℃で攪拌した。ルイス酸として、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)を用いた場合、0.5時間の攪拌によって、61%の収率で化合物8を得ることができた。また、ルイス酸としてトリフルオロメタルスルホン酸スズ(Sn(OTf)2)を用いた場合には、17時間の攪拌によって、28%の収率で化合物8が得られた。次に、化合物8をジクロロメタン(CH2Cl2)に溶解してから、ジメチルアミン・3水素化ホウ素付加物(HNMe2・BH3:2.5当量)、3フッ素化ホウ素ジエチルエーテル付加物(BF3・OEt2:1.8当量)、モレキュラーシーブスを加え、2時間攪拌して反応を行った。なお、反応温度は、−20℃から2時間かけて室温にまで昇温させた。この反応によって、55%の収率で化合物9を得た。他方、化合物7をジクロロメタン(CH2Cl2)に溶解してから、ジメチルアミン・3水素化ホウ素付加物(HNMe2・BH3:2.5当量)、3フッ素化ホウ素ジエチルエーテル付加物(BF3・OEt2:1.8当量)、モレキュラーシーブスを加え、12時間攪拌して反応を行った。なお、反応温度は、反応液を‐20℃にしてから室温に放置し(2時間で室温)、そのまま残りの10時間は室温とした。この反応によって化合物10(収率24%)、化合物10’(収率43%)を得た。
(ii)2糖体の調製
Figure 2005225775
前記スキーム(5)に従って2糖体を調製した。まず、得られた化合物7をジクロロメタン(CH2Cl2)に溶解してから、p−メトキシフェニルメチルトリクロロメチルイミデート(MPMOC(NH)CCl3:2.0当量)、トリフルオロメタンスルホン酸t-ブチルジメチルシリル(TBDMSOTf:0.1当量)、モレキュラーシーブスを加え、3時間攪拌して反応を行い、化合物8を得た(収率68%)。なお、反応温度は、−20℃から3時間かけて室温にまで昇温させた。この化合物8を完全に精製せずに、イリジウム錯体([Ir(cod)(MePh2P)2]PF6:0.2当量)を加え、化合物8のアリル基を異性化させ、さらに、ヨウ素(I2:2.0当量)と水を加えて、化合物8の1位の保護基を除去することによって化合物11を得た。なお、化合物11は、化合物7を100%とした場合の収率が75%であった。化合物11をジクロロメタンに溶解してから、トリクロロアセトニトリル(CCl3CN:5.0当量)と炭酸セシウム(CsCO3:0.5当量)を加えて室温で2時間撹拌することによって、定量的に化合物12を得た。
他方、化合物10をジクロロメタンに溶解してから、塩化t-ブチルジメチルシリル(TBDMSOTf:1.5当量)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP:1.3当量)、トリエチルアミン(1.5当量)を加え、室温で18時間撹拌することによって、83%の収率で化合物13を得た。この際、化合物10を13%回収した。
そして、化合物13および化合物12(1.2当量)をジクロロメタンに溶解してから、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf:0.1当量)、モレキュラーシーブスを加えて、1時間攪拌した。なお、反応温度は、−10℃から1時間かけて0℃にまで昇温させた。これによって、71%の収率で2糖体の化合物14を得た。化合物14は、質量分析およびNMR分析の結果、MALDI-TOF-MS Exact Mass : 1002.42 m/z = 1025.88 [M+Na+]となった。
(iii)3糖体の調製
Figure 2005225775
次に、前記スキーム(6)に従って3糖体を調製した。まず、前記化合物14を混合溶媒(トルエン:ジクロロメタン:水=10:1:1)に溶解してから、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ:1当量)を加え、室温で1時間撹拌することによって化合物15を得た。化合物15の収率は67%であり、化合物14の回収率は18%であった。そして、この化合物15と化合物12(1.2当量)とをジクロロメタンに溶解してから、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf:0.1当量)、モレキュラーシーブスを加えて、3時間攪拌した。なお、反応は、反応液の温度を−10℃にしてから室温に放置し、3時間反応させた。これによって、29%の収率で化合物16を得た。この化合物16を質量分析およびNMR分析した結果、MALDI-TOF-MS Exact Mass : 1472.63 m/z = 1496.67 [M+Na+]という結果であった。さらに化合物16を混合溶媒(トルエン:ジクロロメタン:水=10:1:1)に溶解してから、DDQ(1.0当量)を加え、室温で24時間撹拌することによって化合物17を得た。
II. つぎに、前述のようにして調製したβ-1,3グルコースオリゴマーと単糖、β-1,3グルコースオリゴマー同士を、β-1,6結合によって結合させた。
1. 単糖と3糖体とのβ-1,6結合
Figure 2005225775
前記スキーム(7)に従って、単糖の6位にβ-1,3グルコースオリゴマーがβ-1,6結合した化合物18を合成した。まず、前記化合物1(3糖体)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解してから、ピペリジン(piperidine:2当量)と酢酸(AcOH:1当量)を加え、室温で1日間撹拌することによって、1位のアセチル基が選択的に除去された化合物1’を得た。この化合物1’をジクロロメタンに溶解してから、トリクロロアセトニトリル(CCl3CN:5当量)と炭酸セシウム(CsCO3:0.5当量)を加え、室温で2時間撹拌することによって、定量的に化合物3を得た。そして、この化合物3と前記化合物9とをジクロロメタンに溶解し、さらにトリフルオロメタンスルホン酸t-ブチルジメチルシリル(TBDMSOTf:0.1当量)を加え、−15℃で1時間撹拌することによって、前記化合物3と化合物9とがβ1,6結合した化合物18が得られた(収率62%)。なお、前記化合物3と化合物9との添加割合は、モル比12:1とした。質量分析およびNMR分析の結果、化合物18は、MALDI-MS ; m/z = 1463.72 [(M+Na)+] Exact Mass; 1440.49であった。
2. 2糖体と4糖体とのβ-1,6結合
Figure 2005225775
前記スキーム(8)および下記スキーム(9)に従って、2糖体の6位に4糖体がβ-1,6結合した化合物21を合成した。まず、前記化合物14を混合溶媒(酢酸:テトラヒドロフラン:水=3:1:1)に溶解し、この溶液を室温で3.5時間攪拌することによって、前記化合物14の6位のt-ブチルジメチルシリル基を除去して、化合物14’を得た(収率69%)。なお、化合物14の回収率は19%であった。
一方、化合物19をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させてから、さらにピペリジン(piperidine:4.0当量)と酢酸(AcOH:2.0当量)とを加え、室温で1日撹拌することによって、前記化合物19の1位のアセチル基を選択的に除去して化合物19’を得た。この化合物19’をジクロロメタンに溶解し、さらにトリクロロアセトニトリル(CCl3CN:5.0当量)と炭酸セシウム(CsCO3:0.5当量)を加えて室温で5時間撹拌することによって、定量的に化合物20を得た。
Figure 2005225775
そして、前記スキーム(9)に従って、前記化合物14’と前記化合物20(1.08当量)とをジクロロメタンに溶解し、さらにトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)、トリフルオロメタンスルホン酸t-ブチルジメチルシリル(TBDMSOTf)およびモレキュラーシーブスを加え、18時間攪拌して反応を行い、化合物21を得た(収率7%)。なお、反応温度は、−10℃から1時間かけて室温にまで昇温させた。また、前記化合物14と化合物20との添加割合は、モル比1.1:1とした。得られた化合物21は、質量分析およびNMR分析の結果、MALDI-TOF-MS Exact Mass : 2082.68 m/z = 2104.7 [M+Na+]という結果であった。
3. 3糖体と3糖体とのβ-1,6結合
Figure 2005225775
前記スキーム(10)に従って、3糖体の両端グルコースの6位に3糖体がβ-1,6結合した化合物23を合成した。まず、化合物3と化合物17(0.1当量)とをジクロロメタンに溶解し、さらにトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(TMSOTf)0.1当量およびモレキュラーシーブスを加え、攪拌して反応を行うことにより化合物22を得た。得られた化合物22のブロッキングをはずすことによって化合物23を得た。
以上のように本発明の免疫活性剤は、含有する多糖体が、従来の天然β-グルカンに比べて、低分子であるにもかかわらず十分な免疫活性能を示すだけでなく、水等に対する溶解性や体内吸収性にも優れるため、医療の分野において極めて有用であると言える。

Claims (6)

  1. 多糖体を含む免疫活性剤であって、
    前記多糖体が、β-グルコースがβ1→3結合したβ-1,3-グルコースオリゴマーからなる主鎖と、β-1,3-グルコースオリゴマーからなる1以上の側鎖とを含み、前記側鎖β-1,3-グルコースオリゴマーの末端グルコース残基の1位が、前記主鎖β-1,3-グルコースオリゴマーにおけるいずれかのグルコース残基の6位にβ1→6結合し、且つ、全グルコース残基数が6〜56の範囲であることを特徴とする免疫活性剤。
  2. 主鎖であるβ-1,3-グルコースオリゴマーのグルコース残基数が、2〜7の範囲である請求項1記載の免疫活性剤。
  3. 側鎖であるβ-1,3-グルコースオリゴマーのグルコース残基数が、3〜7の範囲である請求項1または2記載の免疫活性剤。
  4. 前記主鎖に結合している側鎖の数が、2〜7の範囲である請求項1〜3のいずれか一項に記載の免疫活性剤。
  5. IL-6誘導活性を示す請求項1〜4のいずれか一項に記載の免疫活性剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の免疫活性剤を含む抗腫瘍剤。

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