JP2005224198A - 生体の局所領域における蛋白質発現抑制方法、及びその装置システム - Google Patents
生体の局所領域における蛋白質発現抑制方法、及びその装置システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005224198A JP2005224198A JP2004037540A JP2004037540A JP2005224198A JP 2005224198 A JP2005224198 A JP 2005224198A JP 2004037540 A JP2004037540 A JP 2004037540A JP 2004037540 A JP2004037540 A JP 2004037540A JP 2005224198 A JP2005224198 A JP 2005224198A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- expression
- pulse
- protein
- target protein
- electric pulse
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
【解決手段】 脳限定領域に電気パルスを与えることによってsiRNAを細胞内導入し、局所領域における目的蛋白質の発現のみを顕著に抑制することに成功した。電気パルスは、細胞膜穿孔用パルス及び細胞内導入用パルスの2種類のパルスを組合せることによって、比較的弱い電圧でもsiRNAを細胞内導入することができ、生体に対するダメージを軽減できる。siRNA導入を行った組織には病的変化は認められず、目的蛋白質以外の蛋白質の発現に対する影響も認められなかった。本発明は、遺伝子機能解析への利用は勿論のこと、治療などへの応用も期待できる。
【選択図】 図2
Description
(2)従来のノックアウト法では、標的遺伝子のノックダウンによって実験動物が出生前または発達期に死亡してしまうことが少なくなく、個体レベルでの実験が不可能な場合があった。
(3)従来のノックアウト法では、通常、全身にわたって目的蛋白質の発現が抑制されるため、生体の局所領域に着目して実験を行う場合、標的遺伝子のノックダウンによって生体の他の部分に生じた影響が目的の局所領域に及んでいる危険性がある。
(4)従来のノックアウト法では、実験動物が殆どマウスに限定され、他の実験動物の使用が困難であり、ヒトに応用することもできないので、治療などに臨床応用することもできない。
(5)従来のノックアウト法は、通常、ノックアウト動物の作出に多大な時間、労力および経費を必要とする。
上記RNAi法は、オリゴヌクレオチドを用いた従来のアンチセンス法に比べて、遥かに効果的に標的遺伝子の発現を抑制する方法である。
A) 生体の局所領域における目的蛋白質の発現抑制方法であって、電気穿孔法により局所領域の細胞集団の細胞膜を一時的に穿孔し、目的蛋白質の発現抑制を招来する発現抑制物質を細胞内に導入することを特徴とする蛋白質発現抑制方法。
B) 発現抑制物質としてsiRNAを細胞内に導入することを特徴とする上記A)記載の蛋白質発現抑制方法。
C) 電気穿孔法において、細胞膜穿孔用の第1の電気パルス、及び、第1の電気パルスよりも電圧値が低く、かつ、パルス幅が長い発現抑制物質細胞内導入用の第2の電気パルスの2種類の電気パルスを組合せて使用することを特徴とする上記A)又はB)記載の蛋白質発現抑制方法。
D) 第1の電気パルスの電圧値を50V/cm以上200V/cm以下に、そのパルス幅を0.5m秒以上2m秒以下に設定すると共に、第2の電気パルスの電圧値を1V/cm以上5V/cm以下に、そのパルス幅を1秒以上5秒以下に設定することを特徴とする上記C)記載の蛋白質発現抑制方法。
E) 脳の局所領域における目的蛋白質の発現抑制に使用することを特徴とする上記A)〜D)の何れかに記載の蛋白質発現抑制方法。
F) 生体の局所領域における目的蛋白質の発現抑制装置システムであって、
目的蛋白質の発現抑制を招来する発現抑制物質を局所領域に注入する注入手段と、
電気パルスを印加して局所領域の細胞集団の細胞膜を一時的に穿孔し、発現抑制物質を細胞内に導入する電気パルス印加手段と、
を備えることを特徴とする蛋白質発現抑制装置システム。
G) 注入手段は、発現抑制物質を含む溶液をポンプにより予め定める速度で局所領域に注入するものであることを特徴とする上記F)記載の蛋白質発現抑制装置システム。
H) 電気パルス印加手段は、正極用電極及び負極用電極の2つの電極を有し、細胞膜穿孔用の第1の電気パルス、及び、第1の電気パルスよりも電圧値が低く、かつ、パルス幅が長い発現抑制物質細胞内導入用の第2の電気パルスの2種類の電気パルスを電極間に印加するものであることを特徴とする上記F)又はG)記載の蛋白質発現抑制装置システム。
I) 第1の電気パルスの電圧値は50V/cm以上200V/cm以下に、そのパルス幅は0.5m秒以上2m秒以下に設定されると共に、第2の電気パルスの電圧値は1V/cm以上5V/cm以下に、そのパルス幅は1秒以上5秒以下に設定されることを特徴とする上記H)記載の蛋白質発現抑制装置システム。
J) 脳の局所領域における目的蛋白質の発現抑制に使用することを特徴とする上記F)〜I)の何れかに記載の蛋白質発現抑制装置システム。
前述のように、本発明者は、成体ラットの脳限定領域に電気パルスを与え、いわば局所エレクトロポレーション法によってsiRNAを細胞内導入し、局所領域の目的蛋白質の発現を顕著に抑制することに成功した。以下では、本発明者が行ったこの方法を「RISLE(RNAi-induced gene silencing by local electroporationの略)」と称し、詳しく説明することとする。尚、実際に行った実験方法の詳細については、後述の実施例において説明する。
これに対して、RISLEでは、実験開始時に目的蛋白質をノックアウトするので他の蛋白質への影響が殆どなく、純粋に目的蛋白質の機能を調べることができ、任意の齢の任意の領域での解析が可能である。
しかし、RISLEでは、このような場合でも、成体になってから標的遺伝子をノックダウンさせることによって目的蛋白質の機能解析が可能である。
しかし、RISLEでは、目的の局所領域のみでの蛋白質の機能を調べることができる。
これに対して、RISLEの場合、対象動物種は特に限定されるものではなく、例えばカエルなどに適用してもよいし、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラット、ペレット、サルなどの哺乳動物に適用してもよい。また、疾患原因遺伝子の発現を抑えるsiRNAをRISLEによって導入するなど、ヒトに対する治療などへの応用も可能である。
これに対して、RISLEでは、簡易な方法により生体局所領域における目的蛋白質の発現を抑制することができ、従来のノックアウト法と比べて実験動物の作製に費やす労力、時間及び経費を大幅に節減することができるため、多種の目的蛋白質の解析が可能である。
まず、神経細胞に発現する2つの既知蛋白質GluR2及びCox-1に対するsiRNAを作製した(以下、それぞれ「iRGluR2」、「iRCox-1」という。作製方法については後述する)。これらsiRNAが、標的蛋白質の発現を抑制するか調べるために、GFPプラスミドをsiRNAと同時に海馬培養細胞に導入した。免疫細胞化学染色法により調べた結果、GFPプラスミドとともにiRGluR2または iRCox-1が導入された神経細胞は、それぞれ選択的にGluR2または Cox-1の免疫活性を低下させたが、それぞれの別の蛋白質の発現には影響がなかった。また、GFPプラスミド単独を導入した場合では、両蛋白質の発現に影響はなかった(図1)。この結果、作製したsiRNAはいずれも標的遺伝子の発現抑制に有効であることが示された。
RISLEでは、局所エレクトロポレーションにおいて、先行のポアリングパルス(poring pulse)と、後続のドライビングパルス(driving pulse)とから構成される電気刺激パルスを使用した(図2(c))。
RISLEのmRNAレベルでの効果を確認するために、定量リアルタイムPCR法により、刺激電極間の組織の一部から抽出したmRNAを逆転写法により、cDNAに変換した上で、定量した。それぞれのsiRNAは、エレクトロポレーション1日後でも約半分のmRNAレベルまで発現を低下させた(図3(e))。3−6日後にはCox-1およびGluR2のcDNAを極端に低いレベルにまで低下させた。この結果は、siRNAを使用したRNAiの効果が、mRNAレベルに対して迅速であり強力なものであることを示すものである。
RISLEの効果が標的蛋白質に対して特異的であるか調べるために、RISLE後に、大脳皮質視覚野における、類似蛋白質を含む標的蛋白質以外の蛋白質発現レベルを調べた。
RISLEの効果が局所領域に限定されるか、それより広い領域に及ぶかを調べるために、iRGluR2やiRCox-1をエレクトロポレーションにより導入して6日後に免疫組織染色を行った。その結果、RISLEの効果は、RISLEの行われた領域に限定していた。発現の低下した領域は、約1−2mm幅で(図6(a)(c)(d))、かつ、5mm幅の電極間の全ての領域に及んでいた(図6(b)。電極を刺入した場所が矢印で示される)。
エレクトロポレーションにおける強大な電気刺激パルスは、細胞に病的変化をもたらすので、RISLEが行われた組織に細胞死が起こっていないかを調べた。アポトーシスにより死にかけている細胞はその核においてTUNEL陽性になる。アクチノマイシンD(AcD)がアポトーシスを引き起こすことが知られているが、それをポジテイブコントロールとして大脳皮質視覚野に投与したとき、その注入領域周囲にアポトーシスが起こっていたが、その反対側にRISLEのみを行ったところは、アポトーシスは起きなかった(図7)。
グルタミン酸受容体であるGluR2の細胞内分布は、シナプス後部に限局している。RISLEにより作製されたGluR2ノックダウンラットのシナプスはグルタミン酸放出のような機能に異常が生じていないか検討するために、KClまたはBDNF刺激によるシナプスニューロゾームからのグルタミン酸放出が測定された。
RISLEにより作製されたGluR2ノックダウンラットから正常な電気生理学的反応が得られるか検討した。その結果が図10に示される。
初代培養、免疫細胞化学染色およびsiRNAの導入
胎生18日のSDラットの海馬から得られた細胞は、37℃で3時間培養され、最初の培養液はB27、0.5mMグルタミン、100単位/mlペニシリンと100μg/mlストレプトマイシンを含むニューロベーサル液に交換された。11日後、培養細胞に、pGFP単独、pGFP+iRGluR2、またはpGFP+iRCox-1がリポフェクタミンを用いて導入された。4日後、カバーガラス上の細胞は室温で4%パラフォルムアルデヒド10分間投与により固定されてから、0.2%トリトンX-100の10分間投与により細胞膜透過可能にした。その後、細胞に10%ヤギ血清が投与され、一次抗体が4℃で一晩投与された。一次抗体の希釈率は以下のとおりである。ニワトリ抗GFP抗体1:2000、マウス抗Cox-1抗体1:200、ウサギ抗GluR2抗体1:200。PBSで洗浄後、細胞はFITC, Texas redまたはCy5の結合した二次抗体を室温で1時間投与された。洗浄後、細胞の蛍光信号はコンフォーカル顕微鏡により観察された。
動物の取扱いおよび実験は大阪大学医学部動物取扱い委員会の規定に遵守して行われた。
iRGluR2およびiRCox-1に対する標的siRNAを選択すると共に、その配列の特異性を確認するために、NCBIおよびNCBI nucleotide BLASTを参考にした。4種の部位をそれぞれの標的に選び、次のようなオリゴヌクレオチド鋳型を用いた。(配列表の配列番号1〜16にも各塩基配列が示される。)
iRGluR2a (antisense):AATATTCTTGATCAGCGCCCCCCTGTCTC,
iRGluR2b (sense):AACAGTTTCGCAGTCACCAATCCTGTCTC,
iRGluR2b (antisense):AAATTGGTGACTGCGAAACTGCCTGTCTC,
iRGluR2c (sense): AAGGAGCACTCCTTAGCTTG ACCTGTCTC,
iRGluR2c (antisense):AATCAAGCTAAGGAGTGCTCCCCTGTCTC,
iRGluR2d (sense):AAGCTGTTCTGGATTCTGCTGCCTGTCTC,
iRGluR2d (antisense): AACAGCAGAATCCAGAACAGCCCTGTCTC,
iRCox-1a (sense): AACCCAGGGTGTCTGTGTCCGCCCTGTCTC,
iRCox-1a (antisense): AAGCGGACACAGACACCCTGGCCTGTCTC,
iRCox-1b (sense): AACTGTACTATCCCTGAGATC CCTGTCTC,
iRCox-1b (antisense): AAGATCTCAGGGATAGTACAGCCTGTCTC,
iRCox-1c (sense): AAGTACTCATGGGCTGGGTACCCTGTCTC,
iRCox-1c (antisense): AAGTACCCAGCCCATGAGTACCCTGTCTC,
iRCox-1d (sense): AACCTACAACACAGCACATGACCTGTCTC,
iRCox-1d (antisense): AATCATGTGCTGTGTTGTAGGCCTGTCTC
生後15−20日のSDラットが実験に用いられた。ラットを麻酔後、3個の隣接する直径2mmの穴を頭蓋骨に歯科用ドリルで開けた(図2(a))。まん中の穴はsiRNA注入用で、他の二つはエレクトロポレーションの電極用である。脳固定による部位決定は次のようにして行われた。大脳皮質視覚野:大泉門から後方へ3.8−4.0mm、中心線から側方へ1.5−2.0mm、0.5−0.6mmの深さ。海馬CA1領域:大泉門から後方へ3.8−4.0mm、中心線から側方へ1.5−2.0mm、2.5−2.8mmの深さ。
顕微鏡下、ヘパリン含有冷却PBSの中で、siRNA注入部位を含む組織が2mm立方に切り取られた。この組織は、25mM HEPES, 150mM NaCl, 1mM EDTA, 1% TritonX-100, 適当量のComplete protein inhibitor(Roche社)と0.7μg/ml pepstatinを含む300μLの溶解溶液中、氷上で2ml用ガラスシリンジで15回ストロークによりホモジナイズされた。その後、30分間、4℃で震盪された。15600gで遠心分離後、その上澄液はウエスタンブロット解析に、その一部はBio-Rad protein assayを用いた蛋白質濃度解析に用いられた。3分間の煮沸後、62.5mM Tris-HCl(pH6.8), 19% glycerol, 2.3% SDSおよび0.01% bromophenol blue中の上澄液は、SDS−PAGEで分離され、ニトロセルロース膜に転写された。このニトロセルロース膜は、0.1% Tween20を含むPBS(T−PBS)中の5%スキムミルクで処理された後、2時間、T−PBS中の一次抗体中で震盪された。一次抗体の希釈率は次のとおりである。抗GluR1 1:500、抗GluR2 1:500、抗NR11: 500、抗Cox-1 1:200、抗Cox-2 1: 200、抗GRIP1 1: 200、抗GRIP2 1:200、抗α-tubulin 1: 5000。T−PBSで3回洗浄後、ニトロセルロース膜はペロキシダーゼと結合した抗マウス、抗ウサギまたは抗ヤギ二次抗体に1時間処理した。4回T−PBSで洗浄後、ECL-Western blotting detector reagentで信号を発現させた。
RISLEを行った部位および反対側の組織を取り出し、RNAの分解を抑制する働きのあるRNAlater液中に−80℃で保存した。この組織はメスにより細断された。それから、断片化された組織は冷却溶解溶液中に入れられ、20ゲージ針に通すことによりさらに細断片化した。その後キットを使用して、全RNAは抽出された。
5’ primer for Cox-1: CGAGCCCAGTTCCAGTATCG,
3’ primer for Cox-1: TGAACGGATGCCAGTGATAGAG,
TaqMan probe for GluR2: TGCATTCAGCCAGTCCTCGGGAC,
5’ primer for GluR2: ATGGGAGGGTGCTGATATTCC,
3’ primer for GluR2: AGTTGTAGCTGGTGGCTGTTGA
麻酔後、ラットはPBS中の4%パラフォルムアルデヒドを心臓から循環させて固定し、脳を取り出しPBS中の10%スクロースで処理した。組織は、凍結ミクロトームで60−80ミクロンに切片化された。その後、PBS中の0.2% TritonX-1005分間投与により細胞膜を透過化した。PBS中の5%スキムミルクでブロッキングを行い、切片は抗GluR2抗体または抗Cox-1抗体を24−48時間投与し、ペロキシダーゼが結合した二次抗体でインキュベートした。視覚化はDAB基質と反応させることにより行った。
大脳皮質視覚野のグルタミン酸およびAcD投与部位は脳固定法により決定し、その反対側でRISLEによる局所エレクトロポレーションを行った。5日後、アポトーシス解析のために、固定、切片化、細胞膜透過化および視覚化を免疫組織染色の項に述べられている方法と同様に行った。In situ cell death detection kitを用いて、カバーガラス上の切片はfluorescein-12-dUTPと37℃1時間インキュベートした。洗浄後、切片はHRPと結合した抗fluorescein抗体とインキュベートした。
RISLEを行った側と反対側の大脳皮質視覚野組織は、125 mM NaCl, 5 mM KCl, 1 mM MgCl2, 1.2 mM Na2HPO4, 10 mM glucose, および20 mM HEPES/NaOH (pH 7.4)を含む溶液中で、ガラス−ガラスホモジナイザーを用いて、氷上で緩やかにホモジナイズされた。これらの溶解液は、直径100ミクロン穴を持つナイロンメッシュの2重膜および5ミクロンのフィルターに順次、通過させた。その後、1000gで4℃、10分遠心分離を行った。
外側膝状体(LGN)を刺激するために、バイポラーの刺激電極を脳位固定法により、正中線に平行な位置で、かつ、エレクトロポレーション電極挿入用の穴よりも1.0−1.5mm前方に挿入した。記録に最適な電極先端の深度は、LGNと反対側の眼に閃光に対する最大のフィールド反応が得られる場所を探し出すことにより決められた。大脳皮質のフィールド電位のモノポラー電極による記録は、シングルバレルのボロシリケートのガラスマイクロピペットに3M NaClを充填したものを、エレクトロポレーション用の穴から1.0−2.0mm前方の脳膜下垂直に0.5mmに下ろすことにより、大脳皮質2/3層に置くことにした。
ラットに麻酔を行ってから、エレクトロポレーション電極挿入部位の間の大脳皮質視覚野領域を迅速に取り出し、冷却され、95% O2-5% CO2で飽和された人工CSFに入れられた。組織はロータースライサーにより400ミクロンの厚さの冠状切片に切断され、室温で1時間以上インキュベートされた。フィールド電位記録には、0. 5 M sodium acetateと2% pontamine sky blueを充填したガラスマイクロピペットを2/3層に挿入し、一方、バイポラーの刺激電極は切片の厚さの中心部に挿入された。0.2m秒の持続時間で15−300μAの強さの刺激による誘発電位は増幅され、0.1−3kHzでフィルター化され、20kHzでデジタル化された。In vivoおよびin vitroにおけるTB刺激およびLFSは、それぞれ、10m秒の持続時間で100Hz4回のパルスを5Hzで10回刺激したものを更に0.1Hzで5回刺激したものと、0.2m秒の持続時間で1Hz15分間刺激したものとを用いた。
Claims (10)
- 生体の局所領域における目的蛋白質の発現抑制方法であって、電気穿孔法により局所領域の細胞集団の細胞膜を一時的に穿孔し、目的蛋白質の発現抑制を招来する発現抑制物質を細胞内に導入することを特徴とする蛋白質発現抑制方法。
- 発現抑制物質としてsiRNAを細胞内に導入することを特徴とする請求項1記載の蛋白質発現抑制方法。
- 電気穿孔法において、細胞膜穿孔用の第1の電気パルス、及び、第1の電気パルスよりも電圧値が低く、かつ、パルス幅が長い発現抑制物質細胞内導入用の第2の電気パルスの2種類の電気パルスを組合せて使用することを特徴とする請求項1又は2記載の蛋白質発現抑制方法。
- 第1の電気パルスの電圧値を50V/cm以上200V/cm以下に、そのパルス幅を0.5m秒以上2m秒以下に設定すると共に、第2の電気パルスの電圧値を1V/cm以上5V/cm以下に、そのパルス幅を1秒以上5秒以下に設定することを特徴とする請求項3記載の蛋白質発現抑制方法。
- 脳の局所領域における目的蛋白質の発現抑制に使用することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の蛋白質発現抑制方法。
- 生体の局所領域における目的蛋白質の発現抑制装置システムであって、
目的蛋白質の発現抑制を招来する発現抑制物質を局所領域に注入する注入手段と、
電気パルスを印加して局所領域の細胞集団の細胞膜を一時的に穿孔し、発現抑制物質を細胞内に導入する電気パルス印加手段と、
を備えることを特徴とする蛋白質発現抑制装置システム。 - 注入手段は、発現抑制物質を含む溶液をポンプにより予め定める速度で局所領域に注入するものであることを特徴とする請求項6記載の蛋白質発現抑制装置システム。
- 電気パルス印加手段は、正極用電極及び負極用電極の2つの電極を有し、細胞膜穿孔用の第1の電気パルス、及び、第1の電気パルスよりも電圧値が低く、かつ、パルス幅が長い発現抑制物質細胞内導入用の第2の電気パルスの2種類の電気パルスを電極間に印加するものであることを特徴とする請求項6又は7記載の蛋白質発現抑制装置システム。
- 第1の電気パルスの電圧値は50V/cm以上200V/cm以下に、そのパルス幅は0.5m秒以上2m秒以下に設定されると共に、第2の電気パルスの電圧値は1V/cm以上5V/cm以下に、そのパルス幅は1秒以上5秒以下に設定されることを特徴とする請求項8記載の蛋白質発現抑制装置システム。
- 脳の局所領域における目的蛋白質の発現抑制に使用することを特徴とする請求項6〜9の何れか1項に記載の蛋白質発現抑制装置システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004037540A JP2005224198A (ja) | 2004-02-13 | 2004-02-13 | 生体の局所領域における蛋白質発現抑制方法、及びその装置システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004037540A JP2005224198A (ja) | 2004-02-13 | 2004-02-13 | 生体の局所領域における蛋白質発現抑制方法、及びその装置システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005224198A true JP2005224198A (ja) | 2005-08-25 |
Family
ID=34999387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004037540A Pending JP2005224198A (ja) | 2004-02-13 | 2004-02-13 | 生体の局所領域における蛋白質発現抑制方法、及びその装置システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005224198A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8207138B2 (en) | 2009-05-19 | 2012-06-26 | Medtronic, Inc. | Methods and devices for improved efficiency of RNA delivery to cells |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002516678A (ja) * | 1998-06-03 | 2002-06-11 | ジェネトロニクス、インコーポレーテッド | 生体外遺伝子治療のためのフロースルー電気穿孔システム |
-
2004
- 2004-02-13 JP JP2004037540A patent/JP2005224198A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002516678A (ja) * | 1998-06-03 | 2002-06-11 | ジェネトロニクス、インコーポレーテッド | 生体外遺伝子治療のためのフロースルー電気穿孔システム |
Non-Patent Citations (5)
Title |
---|
BIOELECTROCHEMISTRY AND BIOENERGETICS, vol. 38, JPN6010002304, 1995, pages 223 - 228, ISSN: 0001518052 * |
CANCER RES., vol. 56, JPN6010002256, 1996, pages 1050 - 1055, ISSN: 0001518049 * |
FEBS LETT., vol. 425, JPN6010002307, 1998, pages 436 - 440, ISSN: 0001518051 * |
GENE THER., vol. 9, JPN6010002253, 2002, pages 1247 - 1253, ISSN: 0001518050 * |
PROC NATL ACAD SCI U S A., vol. 101, JPN6010002260, January 2004 (2004-01-01), pages 16 - 22, ISSN: 0001518048 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8207138B2 (en) | 2009-05-19 | 2012-06-26 | Medtronic, Inc. | Methods and devices for improved efficiency of RNA delivery to cells |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Gao et al. | Treatment of autosomal dominant hearing loss by in vivo delivery of genome editing agents | |
US20200353100A1 (en) | Motor neuron-specific expression vectors | |
Dimidschstein et al. | A viral strategy for targeting and manipulating interneurons across vertebrate species | |
Zhou et al. | CREB regulates excitability and the allocation of memory to subsets of neurons in the amygdala | |
Yang et al. | Selective synaptic remodeling of amygdalocortical connections associated with fear memory | |
Jego et al. | Optogenetic identification of a rapid eye movement sleep modulatory circuit in the hypothalamus | |
Shigetomi et al. | TRPA1 channels are regulators of astrocyte basal calcium levels and long-term potentiation via constitutive D-serine release | |
Mannironi et al. | miR-135a regulates synaptic transmission and anxiety-like behavior in amygdala | |
Fernández-García et al. | Astrocytic BDNF and TrkB regulate severity and neuronal activity in mouse models of temporal lobe epilepsy | |
US11013917B2 (en) | Method and apparatus for close-field electroporation | |
Shimogori et al. | Gene application with in utero electroporation in mouse embryonic brain | |
Gee et al. | Imaging activity in astrocytes and neurons with genetically encoded calcium indicators following in utero electroporation | |
Wei et al. | Calmodulin regulates synaptic plasticity in the anterior cingulate cortex and behavioral responses: a microelectroporation study in adult rodents | |
JP2016514953A (ja) | テロメア伸長に関する化合物、組成物、方法及びキット | |
Wang et al. | Adenosine A 2A receptors in the olfactory bulb suppress rapid eye movement sleep in rodents | |
Wang et al. | Fetal antisense oligonucleotide therapy for congenital deafness and vestibular dysfunction | |
Pacary et al. | Visualization and genetic manipulation of dendrites and spines in the mouse cerebral cortex and hippocampus using in utero electroporation | |
Yang et al. | Transgenic overexpression of furin increases epileptic susceptibility | |
Ji et al. | Plasticity in ventral pallidal cholinergic neuron-derived circuits contributes to comorbid chronic pain-like and depression-like behaviour in male mice | |
Longaretti et al. | LSD1 is an environmental stress-sensitive negative modulator of the glutamatergic synapse | |
Rohmann et al. | Manipulation of BK channel expression is sufficient to alter auditory hair cell thresholds in larval zebrafish | |
Chen et al. | First knockdown gene expression in bat (Hipposideros armiger) brain mediated by lentivirus | |
Tang et al. | Voltage-gated potassium channels involved in regulation of physiological function in MrgprA3-specific itch neurons | |
Iwasaki et al. | A novel analgesic pathway from parvocellular oxytocin neurons to the periaqueductal gray | |
JP2005224198A (ja) | 生体の局所領域における蛋白質発現抑制方法、及びその装置システム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061222 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20080304 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080321 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100120 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100630 |