JP2005221473A - 生体物質検出デバイス及びその製造方法及びその生体物質検出デバイスを用いる反応装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の検体溶液中の生体物質を検出するための生体物質検出デバイスは、割れ等の欠陥により正確なハイブリダイゼーション反応が得られなかったり、薄膜全体の破壊が発生する虞があり、これらの欠陥を防止するデバイスはプローブ物質の固定方法が難しい問題や高製造コストの課題がある。
【解決手段】本発明は、柔軟性を有する高分子樹脂からなり、容易にプローブを固定できる多孔質フィルムを支持体(フィルタ2)として用いて、両側からポリエステルシートからなり、固定したプローブ6を露出するための複数の孔を設けたラミネート基材3a,3bを貼着したラミネート構造の生体物質検出デバイス及びその製造方法及びその生体物質検出デバイスを用いる反応装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、柔軟性を有する高分子樹脂からなり、容易にプローブを固定できる多孔質フィルムを支持体(フィルタ2)として用いて、両側からポリエステルシートからなり、固定したプローブ6を露出するための複数の孔を設けたラミネート基材3a,3bを貼着したラミネート構造の生体物質検出デバイス及びその製造方法及びその生体物質検出デバイスを用いる反応装置である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、生体物質検出デバイス及びその製造方法及びその生体物質検出デバイスを用いる反応装置に関する。
一般に、検体溶液中の生体物質を検出する方法は様々存在している。近年、支持部材(支持体)となる基材に複数固定させたDNA断片と検体をハイブリダイゼーション反応によって小容量で同時に多検体を検出するマイクロアレイの開発が活発になっている。
このマイクロアレイは、DNAだけでなく、ペプチド、タンパク、細胞等を固定することもできるため、その応用範囲はきわめて広い。マイクロアレイは、その支持部材にDNA断片などをプローブとして固定化するため、検体との反応は固−液界面での反応となり、反応性が悪いという欠点があった。
そこで例えば、特表2000−515251公報においては、多孔質体を基板とするDNAチップが開示されている。このようなDNAチップにおいては、基板となる多孔質の陽極酸化アルミニウム薄膜に複数のプローブDNAを固相化しておいて、検体溶液を接触させることでハイブリダイゼーション反応が生じることを利用している。さらに、検体溶液を繰り返し透過させることで、その反応を著しく加速させることが出来るとされている。
特表2000−515251公報
特表2002−531074公報
前述した特表2000−515251公報において用いられている多孔質体基板では、薄膜に割れやヒビなどの欠陥が生じると、例え極微小なものであってもその部分に被検溶液を透過させる圧力が集中することとなる。これにより薄膜全体に均一な被検溶液の透過が行われず、正確な反応を生じさせることが出来なくなる。さらに、そのヒビを起点にしてさらに欠陥が大きくなり、薄膜全体が破壊されてしまうこともある。
これに対して、割れやヒビなどが生じにくいと思われる多孔質体を使用した技術として、例えば、特表2002−531074公報等が知られている。この公報では、有機高分子の多孔質体を使用しており、割れやヒビなどの欠陥は生じにくい。その反面、このような基材は、プローブ物質の固定方法が難しく、基材表面に活性基を作るために多くの化学反応工程が必要である。また、プラズマによる活性化においても、専用の真空装置などの高価な設備が必要となり、この技術においても製造コストが高くなるという課題がある。
そこで本発明は、検体との正確な反応性を向上し、且つ安価で大量に生体物質検出デバイスを作成することが可能となる生体物質検出デバイス及びその製造方法及びその生体物質検出デバイスを用いる反応装置を提供することを目的とする。
本発明は、検体溶液中の少なくとも1つ以上の生体関連物質の有無及び濃度を測定する生体検出デバイスであって、前記生体関連物質と特異的に反応するプローブ物質を少なくとも1つ以上固定する高分子樹脂の多孔質フィルムからなる支持部材と、複数の孔が開口され、前記支持部材を両面側から挟み固着するラミネート基材とで構成され、前記プローブ物質が前記孔で露出する前記支持部材の領域に固定され、前記検体溶液が該領域を透過して往来する生体物質検出デバイスを提供する。
さらに、検体溶液中の少なくとも1つ以上の生体関連物質の有無及び濃度を測定する検出デバイスの製造方法であって、高分子樹脂の多孔質フィルムからなる支持部材に紫外光を照射して、該多孔質フィルムの表面を活性化する工程と、前記支持部材において、所定領域にプローブを固定するプローブ固定工程と、前記所定領域を露出するための孔が開口されたラミネート基材を前記支持部材の両面側から挟み固着するラミネート工程とで構成された生体物質検出デバイスの製造方法を提供する。
また、検体溶液中の生体関連物質と特異的に反応するプローブ物質を少なくとも1つ以上固定する高分子樹脂の多孔質フィルムからなる支持部材及び、該プローブ物質を露出する孔が開口されて該支持部材を両面側から挟み固着するラミネート基材とで構成される生体物質検出デバイスと、前記検体溶液の温度調整を行うヒータを内蔵し、前記生体物質検出デバイスが着脱可能な装置本体と、前記ヒータの温度制御するためのヒータ制御部と、前記生体物質検出デバイスにおける反応の際に、前記孔を透過するように前記検体溶液を往来させるポンプ部と、反応した前記プローブが固定された領域へ測定光を照明する光源と、前記測定光に照明された前記プローブの光情報を結像する光学系と、前記光学系により結像された光情報を撮影する撮像素子と、前記撮像素子で撮像された前記光情報に基づく、観察像の処理や各構成部位を含む装置全体を制御する制御部とで構成され、前記生体関連物質の有無及び濃度を測定する反応装置を提供する。
以上のような製造工程により前記構成に作製された生体物質検出デバイスは、柔軟性が高く、デバイス作製時及び測定時における支持部材への衝撃やストレスによる損傷を受けにくい。この支持部材を紫外光を照射する又は、オゾンに曝す又は、コロナ放電に曝すことにより、多孔質フィルムを活性化した後に、テストサイトとなる領域にDNA、RNA、PNA、ペプチド、抗体、抗原、酵素等のプローブが固定される。また上記反応装置は、種々のプローブが固定された生体物質検出デバイスを用いており、低コストランニングが実現される。
本発明によれば、検体との正確な反応性を向上し、且つ安価で大量に生体物質検出デバイスを作成することが可能となる生体物質検出デバイス及びその製造方法及びその生体物質検出デバイスを用いる反応装置を提供することができる。
まず、本発明の概要について説明する。
本発明は、検体溶液中の少なくとも1つ以上の生体関連物質の有無および濃度を測定するための生体物質検出デバイスである。この生体物質検出デバイスは、生体関連物質と特異的に反応するプローブ物質を固定するための高分子樹脂の多孔質フィルムと、検体溶液を透過させる多孔質フィルムとの積層構造からなる支持部材(以下、支持体と称する)を有している。
本発明は、検体溶液中の少なくとも1つ以上の生体関連物質の有無および濃度を測定するための生体物質検出デバイスである。この生体物質検出デバイスは、生体関連物質と特異的に反応するプローブ物質を固定するための高分子樹脂の多孔質フィルムと、検体溶液を透過させる多孔質フィルムとの積層構造からなる支持部材(以下、支持体と称する)を有している。
この支持体をオゾンに曝す又は、紫外光を照射する又は、コロナ放電に曝すことにより、低コストで多孔質フィルムを活性化した後に、テストサイトとなる領域にDNA、RNA、PNA、ペプチド、抗体、抗原、酵素等のプローブを固定する。この時、プローブにアミノ基が修飾されていることにより固定効率を高めることができるが、他の修飾でも構わない。この多孔質フィルムの化学構造が酸素原子を含まない材料を少なくとも一部含んでいることにより、さらに効率良くプローブを固定化することができる。尚、酸素原子を含まない材料としては、ポリスチレン、ABS、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニリデンジフロライド、ポリフッ化エチレン、ポリテトラフルオロエチレン等が好ましい。これらの酸素原子をその構造に含まない材料同士を混合させてもよい。さらに、その混合材料には一部であれば、酸素原子を含む材料が混ざっていても構わない。
加えて、ハロゲン分子が含有されていることにより固定化効率をさらに向上させることも可能である。このハロゲン分子は、フッソ、塩素が好ましい。このうち、ハロゲン分子を含有している高分子樹脂は例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニリデンジフロライド、ポリフッ化エチレン又は、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。
これらの材料に対して、オゾン、紫外光、コロナ放電等のいずれかの処理を施し、表面を改質を図る。その後、プローブと接触させることにより、静電的またはイオン結合、水素結合などの結合力によってプローブが多孔質フィルム表面に強固に固定される。
このような作製工程は、すべて大気圧下において処理が可能であり、真空装置などの高価な装置が不要である点と、処理工程が単純で短いので大量に処理ができる点、さらに多孔質の内側までその処理が及ぶことで多孔質体の特徴である広い表面積の効果を十分に利用できる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る生体物質検出デバイスの構成例を示す。
本実施形態の生体物質検出デバイス1は、前述した高分子樹脂からなる多孔質フィルムであるフィルタ2の両面側からラミネート基材3a,3bをラミネートして構成される。このフィルタ2は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンにより形成される。このフィルタ2としては、例えば、Millipore社によるオムニポア メンブレンフィルタ(カタログ番号: JHWP04700)等が知られており、このフィルタは平均孔径0.5μmの孔が多数設けられている。また、ラミネート基材3a,3bは、例えば、ポリエステルシートにより形成され、フィルタ2と接合される側に粘着材が貼着されている。
図1には、本発明の第1の実施形態に係る生体物質検出デバイスの構成例を示す。
本実施形態の生体物質検出デバイス1は、前述した高分子樹脂からなる多孔質フィルムであるフィルタ2の両面側からラミネート基材3a,3bをラミネートして構成される。このフィルタ2は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンにより形成される。このフィルタ2としては、例えば、Millipore社によるオムニポア メンブレンフィルタ(カタログ番号: JHWP04700)等が知られており、このフィルタは平均孔径0.5μmの孔が多数設けられている。また、ラミネート基材3a,3bは、例えば、ポリエステルシートにより形成され、フィルタ2と接合される側に粘着材が貼着されている。
これらのラミネート基材3a,3bは、フィルタ2へラミネートした際に、対向する位置に直径5mm程度の孔が4箇所、それぞれ設けられている。これらの孔4が生体物質検出に使用する領域(テストサイト5)となる。勿論、孔4は4つに限定されるものではなく、生体物質や検出方法に応じて適宜、変更することができる。
このような生体物質検出デバイス1の構成においては、孔4のフィルタ2部分で後述する検体溶液を透過させることができる。
次に、生体物質検出デバイス1のテストサイト5上にプローブ6を形成する工程について説明する。
まず、ラミネート基材3a,3bへそれぞれ紫外光を照射する。例えば、UVP社製クロスリンカーCL-1000を使用して、245nmの波長を含む紫外光をラミネート基材3a,3bへ30秒間照射する。照射エネルギーには、特に制限はないが、好ましくは、1〜1000mJ/cm2がよい。
まず、ラミネート基材3a,3bへそれぞれ紫外光を照射する。例えば、UVP社製クロスリンカーCL-1000を使用して、245nmの波長を含む紫外光をラミネート基材3a,3bへ30秒間照射する。照射エネルギーには、特に制限はないが、好ましくは、1〜1000mJ/cm2がよい。
紫外線を照射した後に、図2に示す5’末端にアミノ基を修飾した塩基数17又は22のオリゴヌクレオチドを4種類用意する。次に、これらをホウ酸バッファー40mM、塩化ナトリウム100mM、pH10.5に調整したバッファーに20μMの濃度で溶解する。それぞれ溶解したものを図1に示す同一テストサイト5内の別の位置に約0.5nlづつ、全てのテストサイト(この例では、4個)5に滴下した。滴下後に、室温中にて10分間保持した後、pH7.5のクエン酸バッファー20mMにて洗浄して乾燥させる。乾燥させた後、オリゴヌクレオチドを固定した生体物質検出デバイス1は、図3に示すハウジング7へ組み込み、マイクロアレイデバイス8として構成する。このハウジング7には、それぞれのテストサイト5が露出する開口部が設けられ、それぞれに着脱自在なキャップ9が取り付けられている。
前記マイクロアレイデバイス8は、例えば、図4に示すようなシステムのオリンパス社製マイクロアレイ反応装置FD10を用いて、固定化したオリゴヌクレオチドと特異的に反応する配列を有し、FITC色素で標識したDNAを含有する検体を700mMのクエン酸-リン酸バッファーに溶解させる。この溶解した検体溶液50μlを各テストサイト5に滴下し、マイクロアレイデバイス8を50℃に保持しながらテストサイト5内で上下運動を含むハイブリダイゼーション反応を1時間行った。
図4に示すマイクロアレイ反応装置は、ヒータ11を内蔵しマイクロアレイデバイス8が着脱可能な装置本体12と、ヒータ11の温度制御するためのヒータコントローラ13と、マイクロアレイデバイス8において検体溶液を上下運動させるためのポンプ部14と、反応したテストサイト5のプローブ6を測定するための対物レンズを含む光学系15と、テストサイト5を照明するための光源16と、光源16による照明光とテストサイト5からの測定光を分岐するための観察用のミラーユニット17と、光学系15により結像された観察像を撮影する撮像素子(CCD等)18と、観察像の処理や各構成部位を含む装置全体を制御するパーソナルコンピュータ等からなる制御部19とで構成される。
本実施形態の生体物質検出デバイス1において、この上下運動に伴い、検体溶液が多孔質フィルムからなるフィルタ2のテストサイト5を透過して往来するため、それぞれのプローブ6に対して十分で且つ適切な反応を得られることができる。
その後、150mMのクエン酸-リン酸バッファーで3回ほど洗浄し、蛍光測定を行う。測定の結果、それぞれ4種類のプローブ6において検体溶液と反応しており、検出された蛍光強度は、プローブ6を固定していないバックグランドと比べて、80〜200倍高く、十分な反応結果が得られている。
また、生体物質検出デバイス1は、作製と測定を通じて、テストサイト5の支持体となるポリテトラフルオロエチレンは柔軟性が高く、割れなどの欠陥は認められなかった。
この第1の実施形態においては、プローブ6の一例として、5’末端にアミノ基を修飾したオリゴヌクレオチドを固定した。この固定の原理は、アミノ基と支持体表面とのイオン結合又は水素結合と考えられる。尚、本実施形態は、アミノ基の修飾基に限定されるものではなく、さらにオリゴヌクレオチド以外にも、ペプチド、タンパク、細胞等でも適用することが十分に可能である。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、高分子樹脂を用いた生体物質検出デバイスにおけるテストサイト5の支持体には、製造時及び反応時に割れなどの欠陥は発生せず、また検体溶液がプローブ6が設けられたテストサイト5を透過するように往来させているため、検体との正確な反応性を向上させることができる。また、生体物質検出デバイスは、プローブ6を設けるフィルム状のフィルタ(支持体)の両側からラミネート基材をラミネートするという簡易な構成であるため、低製造コストで大量生産を容易に実現することができる。
また上記反応装置は、安価な生体物質検出デバイスを用いて、種々の反応処理を行うことができるため、ランニングコストを低く抑えることができる。
また上記反応装置は、安価な生体物質検出デバイスを用いて、種々の反応処理を行うことができるため、ランニングコストを低く抑えることができる。
次に、第2の実施形態に係る生体物質検出デバイスについて説明する。
この第2の実施形態の生体物質検出デバイスは、前述した第1の実施形態と同様に支持体となるフィルタを両側から複数の孔を設けたラミネート基材を貼着したラミネート構造であるが、支持体の材料が異なっている。尚、本実施形態の構成部位においては、図1に示した構成部位に参照符号を追加して示している。
この第2の実施形態の生体物質検出デバイスは、前述した第1の実施形態と同様に支持体となるフィルタを両側から複数の孔を設けたラミネート基材を貼着したラミネート構造であるが、支持体の材料が異なっている。尚、本実施形態の構成部位においては、図1に示した構成部位に参照符号を追加して示している。
次に、生体物質検出デバイス21のテストサイト5上にプローブ6を形成する工程について説明する。
生体物質検出デバイス21の支持体としては、ポリビニリデンジフロライドから成るフィルタ22を選択した。このフィルタ22は例えば、PALL社のFPベリセルメンブレンフィルタ(カタログ番号: 66480)等からなり、平均孔径0.45μm、厚さ127μmである。このフィルタ22を前述した第1の実施形態と同様に、両側からポリエステルシートからなるラミネート基材3a,3bを粘着材で貼着する。これらのラミネート基材3a,3bは、直径5mmの孔4が貼着時に対向する位置にそれぞれ4箇所づつ開口されている。これらの孔4が開いたフィルタ部分が生体物質の検出を行うためのテストサイト5となる。
生体物質検出デバイス21の支持体としては、ポリビニリデンジフロライドから成るフィルタ22を選択した。このフィルタ22は例えば、PALL社のFPベリセルメンブレンフィルタ(カタログ番号: 66480)等からなり、平均孔径0.45μm、厚さ127μmである。このフィルタ22を前述した第1の実施形態と同様に、両側からポリエステルシートからなるラミネート基材3a,3bを粘着材で貼着する。これらのラミネート基材3a,3bは、直径5mmの孔4が貼着時に対向する位置にそれぞれ4箇所づつ開口されている。これらの孔4が開いたフィルタ部分が生体物質の検出を行うためのテストサイト5となる。
次に、このように構成された生体物質検出デバイス21のテストサイト5上にプローブ6を形成する工程について説明する。
前記生体物質検出デバイス21をオゾンに暴露する。オゾンは岩崎電気社のオゾン発生装置オゾナイザーOP30Wを使用した。このオゾン発生装置は、専用のチャンバが設けられており、チャンバー内で生体物質検出デバイス21を入れて、条件として、室温にて10分間のオゾン暴露を行った。この時のオゾン発生濃度は、約800ppmであった。オゾン発生濃度に特に制限はないが、10〜3000ppmが好ましい。
前記生体物質検出デバイス21をオゾンに暴露する。オゾンは岩崎電気社のオゾン発生装置オゾナイザーOP30Wを使用した。このオゾン発生装置は、専用のチャンバが設けられており、チャンバー内で生体物質検出デバイス21を入れて、条件として、室温にて10分間のオゾン暴露を行った。この時のオゾン発生濃度は、約800ppmであった。オゾン発生濃度に特に制限はないが、10〜3000ppmが好ましい。
次に、オゾンを暴露した後、前述した第1の実施形態と同様に、テストサイト5上にオリゴヌクレオチドを固定した後、ハウジング7へ組み込み、マイクロアレイデバイス16を構成する。
さらに、第1の実施形態と同様にマイクロアレイ反応装置によりハイブリダイゼーション反応を行い、同じ条件で反応を測定した結果、それぞれ4種類のプローブ6において反応していた。検出された蛍光強度は、プローブ6を固定していないバックグランドと比べて40〜80倍高くなり、十分な反応結果が得られている。
また、本実施形態に支持体に用いたポリビニリデンジフロリドは、柔軟性が高く、デバイス作製時及び測定時において、支持体には割れ等の欠陥が発生しなかった。
また、本実施形態に支持体に用いたポリビニリデンジフロリドは、柔軟性が高く、デバイス作製時及び測定時において、支持体には割れ等の欠陥が発生しなかった。
本実施形態においては、プローブ6として5’末端にアミノ基を修飾したオリゴヌクレオチドを固定した。この固定の原理は、アミノ基と支持体表面とのイオン結合または水素結合と考えられる。尚、本実施形態は、アミノ基の修飾基に限定されるものではなく、さらにオリゴヌクレオチド以外にも、ペプチド、タンパク又は、細胞等でも適用することが十分に可能である。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同等に、生体物質検出デバイス21におけるテストサイト5の支持体には割れなどの欠陥は発生せず、また検体溶液がプローブ6が設けられたテストサイト5を透過するように往来させているため、検体との正確な反応性を向上させることができる。また、生体物質検出デバイス21は、プローブ6を設けるフィルム状のフィルタ(支持体)22の両側からラミネート基材3a,3bをラミネートするという簡易な構成であるため、低製造コストで大量生産を容易に実現することができる。
次に、第3の実施形態に係る生体物質検出デバイスについて説明する。
この第3の実施形態の生体物質検出デバイスは、前述した第1の実施形態と同様に支持体となるフィルタを両側から複数の孔を設けたラミネート基材を貼着したラミネート構造であるが、支持体の材料が異なっている。尚、本実施形態の構成部位においては、図1に示した構成部位に参照符号を追加して示している。
この第3の実施形態の生体物質検出デバイスは、前述した第1の実施形態と同様に支持体となるフィルタを両側から複数の孔を設けたラミネート基材を貼着したラミネート構造であるが、支持体の材料が異なっている。尚、本実施形態の構成部位においては、図1に示した構成部位に参照符号を追加して示している。
生体物質検出デバイス31の支持体としては、ポリ塩化ビニルから成るフィルタ32を選択した。このフィルタ32としては、例えばMillipore社のPVCメンブレンフィルタ(カタログ番号:PVC084700)等があり、平均孔径0.8μmである。
このフィルタ32を前述した第1の実施形態と同様に、両側からポリエステルシートからなるラミネート基材3a,3bを粘着材で貼着する。これらのラミネート基材3a,3bは、直径5mmの孔4が貼着時に対向する位置にそれぞれ4箇所づつ開口されている。これらの孔4が開いたフィルタ部分が生体物質の検出を行うためのテストサイト5となる。
次に、このように構成された生体物質検出デバイス31のテストサイト5上にプローブ6を形成する工程について説明する。
まず、生体物質検出デバイス31をコロナ放電中に暴露した。コロナ放電装置は、新光電気社製コロナマスターを使用した。大気中、室温にて約20kVの高周波により発生させたコロナ放電帯に生体物質検出デバイス31を載せたステージごと、2cm/secの速度で通過させ、暴露を行った。この例においては、1枚の生体物質検出デバイス31の処理時間はおよそ2秒であった。コロナ放電には特に制限はないが、印加電圧として5〜50kVが好ましい。
まず、生体物質検出デバイス31をコロナ放電中に暴露した。コロナ放電装置は、新光電気社製コロナマスターを使用した。大気中、室温にて約20kVの高周波により発生させたコロナ放電帯に生体物質検出デバイス31を載せたステージごと、2cm/secの速度で通過させ、暴露を行った。この例においては、1枚の生体物質検出デバイス31の処理時間はおよそ2秒であった。コロナ放電には特に制限はないが、印加電圧として5〜50kVが好ましい。
次に、オゾンを暴露した後、前述した第1の実施形態と同様に、テストサイト5上にオリゴヌクレオチドを固定した後、ハウジング7へ組み込み、マイクロアレイデバイス16を構成する。
さらに、第1の実施形態と同様にマイクロアレイ反応装置FD10によりハイブリダイゼーション反応を行い、同じ条件で反応を測定した結果、それぞれ4種類のプローブ6において反応していた。検出された蛍光強度は、プローブ6を固定していないバックグランドと比べて145〜310倍高くなり、十分な反応結果が得られている。
また、本実施形態に支持体に用いたポリビニリデンジフロリドは、柔軟性が高く、デバイス作製時及び測定時において、支持体には割れ等の欠陥が発生しなかった。
本実施形態においては、プローブ6として5’末端にアミノ基を修飾したオリゴヌクレオチドを固定した。この固定の原理は、アミノ基と支持体表面とのイオン結合または水素結合と考えられる。尚、本実施形態は、アミノ基の修飾基に限定されるものではなく、さらにオリゴヌクレオチド以外にも、ペプチド、タンパク又は、細胞等でも適用することが十分に可能である。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、前述した第1の実施形態と同等な作用効果を得ることができ、簡易な構成であり低製造コストで大量生産を容易に実現することができる。
ここで、第3の実施形態に対する比較例について説明する。
この比較例は、第3の実施形態に記載したポリ塩化ビニルを用いた生体物質検出デバイス31をコロナ放電による暴露処理しなかった場合について検討したものである。但し、この生体物質検出デバイス31は、製作途中でコロナ放電中への暴露処理を行わなかった以外の製造工程は、第3の実施形態と全く同様である。
この比較例は、第3の実施形態に記載したポリ塩化ビニルを用いた生体物質検出デバイス31をコロナ放電による暴露処理しなかった場合について検討したものである。但し、この生体物質検出デバイス31は、製作途中でコロナ放電中への暴露処理を行わなかった以外の製造工程は、第3の実施形態と全く同様である。
この生体物質検出デバイス31をマイクロアレイ反応装置FD10を用いて、第3の実施形態と同じ条件でハイブリダイゼーション反応を行い、蛍光観察した結果、それぞれ4種類のプローブ6において反応が行われていた。これらから検出された蛍光強度は、プローブ6を固定していないバックグランドと比べて1.5〜2倍程度高くなるだけであり、生体物質検出デバイスとしては不適合であった。この暴露処理は、デバイス作成に当たり必要な条件である。
以上説明したように、本発明の生体物質検出デバイスは、高分子樹脂からなり、容易にプローブ6を固定できる多孔質フィルムを支持体(フィルタ)として用いて、両側からポリエステルシートからなり複数の孔を設けたラミネート基材を貼着した簡易なラミネート構造である。従って、簡易な構造であるため、低製造コストで大量生産に好適している。
また、生体物質検出デバイスは柔軟性を有しているため、デバイス作製後やハイブリダイゼーション反応処理後に割れなどの欠陥が発生しない。
1,21,31…生体物質検出デバイス、2,22,32…フィルタ(支持体)、3a,3b…ラミネート基材、4…孔、5…テストサイト、6…プローブ、7…ハウジング、8…マイクロアレイデバイス、11…ヒータ、12…、13…ヒータコントローラ、14…ポンプ部、15…光学系、16…光源、17…ミラーユニット、18…撮像素子(CCD等)、19…制御部。
Claims (10)
- 検体溶液中の少なくとも1つ以上の生体関連物質の有無及び濃度を測定する生体検出デバイスであって、
前記生体関連物質と特異的に反応するプローブ物質を少なくとも1つ以上固定する高分子樹脂の多孔質フィルムからなる支持部材と、
複数の孔が開口され、前記支持部材を両面側から挟み固着するラミネート基材と、
で構成され、
前記プローブ物質が前記孔で露出する前記支持部材の領域に固定され、前記検体溶液が該領域を透過して往来することを特徴とする生体物質検出デバイス。 - 前記生体物質検出デバイスにおいて、
前記支持部材に固定する前記プローブは、
DNA、RNA、PNA、ペプチド、抗体、抗原及び、酵素のいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の生体物質検出デバイス。 - 前記生体物質検出デバイスにおいて、
前記プローブにアミノ基が修飾されていることを特徴とする請求項2に記載の生体物質検出デバイス。 - 前記生体物質検出デバイスにおいて、
前記多孔質フィルムが、その構造に酸素原子を含まない材料を少なくとも一部含んでいることを特徴とする請求項1に記載の生体物質検出デバイス。 - 前記生体物質検出デバイスにおいて、
前記高分子樹脂の多孔質フィルムは、さらにハロゲン分子が含有していることを特徴とする請求項4に記載の生体物質検出デバイス。 - 検体溶液中の少なくとも1つ以上の生体関連物質の有無及び濃度を測定する検出デバイスの製造方法であって、
高分子樹脂の多孔質フィルムからなる支持部材に紫外光を照射して、該多孔質フィルムの表面を活性化する工程と、
前記支持部材において、所定領域にプローブを固定するプローブ固定工程と、
前記所定領域を露出するための孔が開口されたラミネート基材を前記支持部材の両面側から挟み固着するラミネート工程と、
で構成されことを特徴とする生体物質検出デバイスの製造方法。 - 前記生体物質検出デバイスにおいて、
前記紫外光の照射に換わって、前記支持部材をオゾンに曝すことを特徴とする請求項6に記載の生体物質検出デバイスの製造方法。 - 前記生体物質検出デバイスにおいて、
前記紫外光の照射に換わって、コロナ放電を前記支持部材に曝すことを特徴とする請求項6に記載の生体物質検出デバイスの製造方法。 - 前記検出デバイスの製造方法であって、
前記多孔質フィルムの表面を活性化する工程及び、前記プローブを固定するプローブ固定工程を含む製造工程が、大気下で実施されることを特徴とする請求項6に記載の生体物質検出デバイスの製造方法。 - 検体溶液中の生体関連物質と特異的に反応するプローブ物質を少なくとも1つ以上固定する高分子樹脂の多孔質フィルムからなる支持部材及び、該プローブ物質を露出する孔が開口されて該支持部材を両面側から挟み固着するラミネート基材とで構成される生体物質検出デバイスと、
前記検体溶液の温度調整を行うヒータを内蔵し、前記生体物質検出デバイスが着脱可能な装置本体と、
前記ヒータの温度制御するためのヒータ制御部と、
前記生体物質検出デバイスにおける反応の際に、前記孔を透過するように前記検体溶液を往来させるポンプ部と、
反応した前記プローブが固定された領域へ測定光を照明する光源と、
前記測定光に照明された前記プローブの光情報を結像する光学系と、
前記光学系により結像された光情報を撮影する撮像素子と、
前記撮像素子で撮像された前記光情報に基づく、観察像の処理や各構成部位を含む装置全体を制御する制御部と、
を具備し、前記生体関連物質の有無及び濃度を測定する反応装置。
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JP2004032018A JP2005221473A (ja) | 2004-02-09 | 2004-02-09 | 生体物質検出デバイス及びその製造方法及びその生体物質検出デバイスを用いる反応装置 |
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KR100806202B1 (ko) | 2007-02-15 | 2008-02-22 | 광주과학기술원 | 다중 형광동소보합 분석 장치 |
WO2017002882A1 (ja) * | 2015-06-30 | 2017-01-05 | 田中貴金属工業株式会社 | クロマト分析装置およびクロマト分析方法 |
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2004
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