JP2005221382A - ベントス採集装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一定面積内のベントスを効果的に安定して採集可能なベントス採集装置を提供する。
【解決手段】ベントス採集装置10は、掘削枠吸引口25が海底11に当接してベントス12を含む海底11の砂泥15を吸引する砂泥吸引器20を有する。砂泥吸引器20は、内側に海水を流入可能な流入水管35を有する。
【効果】吸引器内に流入した流体は、吸引器に作用する吸引力によって吸引器内に水底側から吸引力が作用する方向に向かう流れを形成するので、該流れによって吸引器内の沈殿物のみが吸引される。さらに、吸引器内に流体が流入することにより、沈殿物中の粒子間の間隙水が減少しないので沈殿物の硬化を防ぐことができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、水産資源調査および環境保全などを目的としてベントスを採集するベントス採集装置に関する。
水域の水産資源調査および環境保全などを目的として、ベントス(潜砂性貝類を含む水底およびその付近に生息する生物)を採集する装置では、ベントスを含む海底の底泥(沈殿物)を圧縮空気による気泡ポンプ方式を用いて吸引し、吸引された底泥の中からベントスを選別することでベントスを採集する、海洋汚染調査を目的とした海底泥自動採集装置(ベントス採集装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
これは、海底泥吸引器(吸引器)の吸引口を海底(水底)に当接させるとともに、気泡ポンプ方式で海底泥吸引器内に負圧を生じさせて底泥を吸引してベントスを採集する装置である。
特開2000−121513号公報
しかし、特許文献1の海洋汚染調査を目的とした海底泥自動採集装置では、海底泥吸引器は、吸引口以外に外部に開口する箇所がないため、吸引口が海底に当接することにより内部の海水が吸引されてしまい海底泥吸引器の内部の負圧が大きくなる。これにより、海底泥自動採集装置は、海底泥吸引器の吸引口の外側周囲の底泥を巻き込んで吸引してしまうことがある。また、海底の底泥が主に砂などの場合では、底泥中の砂粒子間の間隙水が海底泥吸引器によって吸引されることにより減少するので、底泥が硬化することがある。
それゆえ、海底泥自動採集装置は、底泥を吸引することが困難になることがある。すなわち、特許文献1の装置では、海底の一定面積内のベントスを安定して採集することは、難しい。
したがって、本発明の目的は、一定面積内のベントスを効果的に安定して採集可能なベントス採集装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のベントス採集装置では、吸引器は、吸引口以外に吸引器の内側に周囲の流体を流入可能な流入部を備える。
なお、水底が例えば粘土質など固い場合では、流入部は、吸引器外の沈殿物を撹拌することのない範囲で水底側に傾斜して開口してもよい。また、沈殿物が主に砂などの場合は、流入部の出口部は、水底に対して略平行な方向や水底から離れる側に傾斜して開口してもよい。本明細書では、ベントスとは、潜砂性貝類を含む水底およびその付近に生息する生物とする。
より一層効果的に安定して吸引器内のベントスを採集するために、請求項2に記載のベントス採集装置では、流入部の出口部は、吸引器の軸線側に向かう方向に対して傾いて開口する。なお、例えば出口部が複数設けられる場合には、各出口部は、各出口部から流入する流体の流れがお互いに打ち消されることがないように設けられてもよい。
吸引器の水底への掘削方向を水底に対して略垂直に保持するために、請求項3に記載のベントス採集装置は、さらに、吸引器の水底への掘削方向を水底に対して略垂直に保持する垂直姿勢保持手段を備える。
吸引器の水底への掘削方向を水底に対して略垂直により効果的に保持するために、請求項4に記載のベントス採集装置では、垂直姿勢保持手段は、吸引器を水底に対して略垂直方向に移動可能に格納する吸引器格納室と、吸引器格納室の外側に広がって形成され、水底に当接して吸引器格納室を支持する支持部とを備える。
水底において所定の深さにいたるまでのベントスを採集可能とするために、請求項5に記載のベントス採集装置は、さらに、吸引器が水底を掘削する際の掘削深度を調節する掘削深度調節手段を備える。
低コストでかつ短時間でベントスを採集可能とするために、請求項6に記載のベントス採集装置は、さらに、吸引器で吸引された沈殿物からベントスを分離するベントス分離器と、吸引器とベントス分離器とに連通し、吸引器で吸引された沈殿物をベントス分離器まで搬送する搬送器と、吸引器の駆動源とを備える。
この構成によれば、吸引器で吸引されたベントスを含む沈殿物は、搬送機を通りベントス分離器に導かれてベントスが分離される。それゆえ、ベントス採集装置は、特に潜水夫や、沈殿物からベントスを分離する作業員を必要としないでベントスを採集可能な構成である。
請求項1に記載した発明によれば、吸引器内に流入した流体は、吸引器に作用する吸引力によって吸引器内に水底側から吸引力が作用する方向に向かう流れを形成するので、該流れによって吸引器内の沈殿物のみが吸引される。さらに、吸引器内に流体が流入することにより、沈殿物中の粒子間の間隙水が減少しないので沈殿物の硬化を防ぐことができる。すなわち、ベントス採集装置は、一定面積内のベントスを効果的に安定して採集することができる。
請求項2に記載した発明によれば、吸引器内には、回転しながら水底側から吸引力が作用する方向に向う流れが形成される。それゆえ、ベントス採集装置は、請求項1に記載の発明の効果に加えてより一層効果的に安定して一定面積内のベントスを採集することができる。
請求項3に記載した発明によれば、吸引器の姿勢が傾くことや吸引器の位置がずれることが抑えられるので、吸引器内の沈殿物が効果的に吸引される。それゆえ、ベントス採集装置は、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えてより一層効果的に安定して一定面積内のベントスを採集することができる。
請求項4に記載した発明によれば、支持部によってより確実に吸引器の姿勢が保持される。それゆえ、ベントス採集装置は、請求項3に記載の発明の効果に加えて、より一層効果的に安定して一定面積内のベントスを採集することができる。
請求項5に記載した発明によれば、ベントス採集装置は、請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、水底の所定深さにいたるまでのベントスを採集することができる。
請求項6に記載した発明によれば、ベントス採集装置は、潜水夫や、沈殿物からベントスを分離する作業員を必要としないでベントスが採集される構成なので、請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、コストを抑えて短時間でベントスを採集することができる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るベントス採集装置について図1から図11を参照して説明する。図1は、ベントス採集装置10の概略的構成図を示している。ベントス採集装置10は、例えば海5において海底(水底)11の付近に生息するベントス12(潜砂性の貝類を含む海底11およびその付近に生息する生物)を採集する装置であって、例えば調査船13に搭載されている。
なお、本実施の形態では、ベントス採集装置10は、海5においてベントス12を採集するために用いられるが、これに限定されるものではなく、例えば川や湖などの水底およびその付近に生息する生物および潜砂性の貝類を採集するために用いられてもよい。
ベントス採集装置10は、海底11に当接してベントス12を含む海底11の砂泥15(沈殿物)を吸引する砂泥吸引器20と、砂泥吸引器20によって吸引された砂泥15からベントス12を分離するベントス分離器21と、砂泥吸引器20とベントス分離器21とを連通し、ベントス12を含む砂泥15をベントス分離器21まで搬送する搬送器22と、砂泥吸引器20の海底11への掘削方向を海底11に対して略垂直に保持する垂直姿勢保持器23と、砂泥吸引器20の駆動源としての吸引ポンプ14とを有している。
砂泥吸引器20は、図2に示すように、掘削枠24を有している。掘削枠24は、例えば略円筒状であって、海底11に当接する掘削枠吸引口25と、搬送器22の一端に接続される搬送管接続部30が形成される接続部側端31とを有している。掘削枠吸引口25は、例えば略円形に開口している。搬送管接続部30は、掘削枠24が延びる方向に沿って延出する略円筒状であって、例えば内側に雌ねじ部が形成されている。
掘削枠24の接続部側端31は、搬送管接続部30に向かって、例えば略円錐状に狭まる円錐部32となっており、砂泥吸引器20で吸引されたベントス12を含む砂泥15が円錐部32に沿ってなだらかに搬送器22に導かれるようになっている。円錐部32には複数の移動用ロープ結索金具33が設けられている。移動用ロープ結索金具33のいずれかには、砂泥吸引器20を海底11の所定の箇所まで導き、また砂泥吸引器20を回収するための移動用ロープ34が締結されている。移動用ロープ34は、例えば調査船13に固定されている。なお、移動用ロープ34は、1本に限定されるものではなく、複数の移動用ロープ34が移動用ロープ結索金具33に締結されてもよい。
砂泥吸引器20は、掘削枠24の外側から内側に周囲の海水を流入可能な流入部として流入水管35を例えば3本有している。なお、流入水管35は、3本に限定されるものではなく、例えば1本であっても、4本などの複数本であってもよい。流入水管35は、それぞれ掘削枠24の内側において、例えば円錐部32から掘削枠吸引口25の近傍まで延びており、掘削枠24の側壁40の近傍に、かつ周方向に沿って略等間隔に離間されて配置されている。
流入水管35の円錐部32側の一端は、円錐部32に固定されるとともに円錐部32から外側に開口しており、それぞれに流入水管入口部41が設けられている。流入水管入口部41は、流入水管35に対して、例えば砂泥吸引器20の周方向外側に向かって傾いて設けられている。各流入水管入口部41には、流入する海水の流量を調節する流入水量調節バルブ42が組み込まれている。
流入水量調節バルブ42は、例えば水槽実験などにより、砂泥吸引器20の設置される海底11の例えば砂泥15の構成要素や状態などを含む底質や、砂泥吸引器20の海底11への掘削深度などの種々の条件において、流入水管35から砂泥吸引器20の内側へ流入する海水の流入圧力と砂泥吸引器20内の吸引力とを掘削枠24外のベントス12を含む砂泥15を吸引しない範囲で最大にする流量を求めることにより、ベントス12を含む砂泥15の採集条件に対応することができる。
流入水管35の掘削枠吸引口25側の一端には、掘削枠吸引口25を越えないように流入水管出口部43が設けられている。このとき、掘削枠吸引口25から流入水管出口部43までの距離は、流入水管出口部43から砂泥吸引器20の内側へ流入する海水が砂泥吸引器20外のベントス12を含む砂泥15を撹拌するなどの作用を生じない距離Lを保っている。なお、この距離Lも水槽実験などで求められる。
各流入水管出口部43は、海底11に対して略平行な方向に開口するように、掘削枠吸引口25に対して略平行な方向に開口している。さらに、各流入水管出口部43は、図3に示すように、各流入水管出口部43から流入した海水の水流がお互いに打ち消されないように、掘削枠24内において各流入水管出口部43が位置する面の中心Pに向かう方向に対して、例えば反時計回り方向に角度θ傾いて開口している。中心Pは、砂泥吸引器20の略軸線上に位置している。なお、各流入水管出口部43の開口が傾く方向は、反時計回り方向に限定されるものではなく、例えば時計回り方向であってもよい。また、各流入水管出口部43には、掘削枠24内の海水および砂泥15が流入水管35に逆流することを防止する逆止弁44が組み付けられている。
ベントス分離器21は、図4に示すように、ベントス12を含む砂泥15からベントス12を分離する分離部45と、ベントス12が分離された後の砂泥15を海5へ戻すベントス分離排水器50とを有しており、船上13aに載置されている。分離部45は、搬送器22に接続される吸引砂泥配管51と、ベントス12を含む砂泥15からベントス12を濾すベントス分離ネット52と、ベントス分離ネット52を支持するベントス分離枠53とを有している。
吸引砂泥配管51は、例えば一端が閉口している略円筒状であって、開口端51aが搬送器22に接続されている。吸引砂泥配管51の側壁には、外部に連通する吸引砂泥排出口51bが凸設されている。
ベントス分離ネット52は、袋網構造であって、その開口52aが吸引砂泥排出口51bの周囲に、例えばネット固定バンド54を用いて締め付けられて取り付けられている。ベントス分離枠53は、例えば金属のパイプ材などを用いて、ベントス分離ネット52の周囲および下方を包囲するように格子状に形成されている。吸引砂泥配管51は、例えばベントス分離枠53の開口面53aに固定されている。
ベントス分離排水器50は、ベントス分離枠53の下方に配置されており、ベントス分離枠53に略重なる略直方体の排水枠55を有している。排水枠55は、上面が開口する箱型であって側面60には、排水口61が形成されている。排水口61には、船外まで延びる排水管62が接続されている。
排水枠55の内側には、排出傾斜板63が取り付けられている。排出傾斜板63は、側面60と隣接する両側面64,65から排水口61に向かって傾斜する形状である。
搬送器22は、図1に示すように、砂泥吸引器20と吸引ポンプ14とを連通する第1搬送部70と、吸引ポンプ14とベントス分離器21とを連通する第2搬送部71とを有している。ベントス採集装置10は、吸引ポンプ14の吸引力が第1搬送部70を通して砂泥吸引器20に作用し、砂泥吸引器20で吸引されたベントス12を含む砂泥15や海水が第1,2搬送部70,71を通してベントス分離器21に送られる構造である。
第1搬送部70は、例えば吸引ポンプ14に取り付けられる第1基部72と、砂泥吸引器20の搬送管接続部30と第1基部72とに接続される搬送管73とを有している。第1基部72は、吸引ポンプ14の近傍に吸引制御バルブ74が組み付けられている。第1搬送部70は、吸引制御バルブ74を開くことによって吸引ポンプ14と搬送管73とが連通する構造である。また、第1基部72の搬送管73側には、外気導入式の流量調節バルブ75と、ベントス12を含む砂泥15や海水の第1搬送部70内での流量を計測する流量計80とが組み付けられている。
搬送管73の砂泥吸引器20側端には、搬送管接続部30に形成される雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部が形成されており、搬送管73と砂泥吸引器20とが螺合することで接合されている。
第2搬送部71は、例えば吸引ポンプ14に取り付けられる第2基部81と、第2基部81とベントス分離器21の吸引砂泥配管51の開口端51aとに接続される第1仲介管82とを有している。第2基部81には、逆流バルブ83が組み付けられている。第2搬送部71は、逆流バルブ83を開くことによって、第1仲介管82と吸引ポンプ14とが連通する構造である。
第1基部72と第2基部81とは、逆流バイパス84を用いて連通されている。逆流バイパス84の第1基部72側一端は、例えば吸引制御バルブ74よりも搬送管73側に接続されている。逆流バイパス84の第2基部81側の一端は、逆流バルブ83よりも吸引ポンプ14側に接続されている。
垂直姿勢保持器23は、図6に示すように、砂泥吸引器20を収容可能な砂泥吸引器格納室85と、砂泥吸引器格納室85を支持する支持部90とを有している。砂泥吸引器格納室85は、砂泥吸引器20を海底11に対して略垂直方向に移動可能に包囲する略円筒状であって、一対の略環状に形成された内側円形パイプ91と、両内側円形パイプ91間に渡される複数の第1垂直支持パイプ92とを有している。
一方、砂泥吸引器20は、ベントス12を含む砂泥15を吸引することにより海底11を掘削する。そのため、ベントス採集装置10は、砂泥吸引器20の海底11への掘削深度を調節する掘削深度調節器93を有している。掘削深度調節器93は、掘削枠24の側壁40に、例えばねじ止めされて固定される複数の掘削停止金具94と、第1垂直支持パイプ92と、掘削深度調節金具95とを有して形成される。掘削停止金具94は、例えば砂泥吸引器20の側壁40に当接する基部94aと、基部94aから略垂直に延びる円柱部94bとを有している。
具体的に説明すると、掘削停止金具94は、図2または図7に示すように、掘削枠吸引口25から略同じ高さに、かつ周方向に例えば略等間隔に離間して4つ取り付けられている。なお、掘削停止金具94の個数は、4つに限定されるものではない。第1垂直支持パイプ92は、図7に示すように、砂泥吸引器20が砂泥吸引器格納室85に収容された状態で、各掘削停止金具94の円柱部94bを両側から挟んで配置されている。このとき、円柱部94bを挟む一対の第1垂直支持パイプ92の間には、円柱部94bが砂泥吸引器格納室85に対して移動可能な掘削深度調節窓100が形成される。
掘削深度調節金具95は、円柱部94bを挟む一対の第1垂直支持パイプ92間に渡されており、図7に示すように、両内側円形パイプ91のうち海底11と対向する側と掘削停止金具94の円柱部94bとに挟まれて、例えば溶接されて固定されている。これにより、掘削深度調節器93は、砂泥吸引器20が海底11を掘削して砂泥吸引器格納室85に対して海底11に沈下すると、掘削停止金具94の円柱部94bが掘削深度調節金具95に当接する構造となる。すなわち、砂泥吸引器20の海底11への掘削深度は、掘削枠24が海底11に当接した状態での掘削停止金具94の位置から掘削深度調節金具95までの長さである。それゆえ、掘削停止金具94および掘削深度調節金具95のそれぞれ固定箇所は、砂泥吸引器20の海底11への所望な掘削深度に基づいて調節される。
また、両内側円形パイプ91の間には、さらに例えば各掘削深度調節窓100に挟まれてそれぞれ例えば1本の第1垂直支持パイプ92が渡されて固定されている。
垂直姿勢保持器23の構造に戻って、支持部90は、図6と図7とに示すように、砂泥吸引器格納室85を包囲する略円筒状の外側円筒体101と、外側円筒体101と砂泥吸引器格納室85とを連結する連結部102とを有している。
外側円筒体101は、各内側円形パイプ91と略同一面上に、かつ略同心に配置されて内側円形パイプ91より大きな径の外側円形パイプ103と、両外側円形パイプ103間に渡されて、例えば溶接されて固定される複数の第2垂直支持パイプ104とを有している。第2垂直支持パイプ104は、例えば等間隔に離間して10本固定されている。
連結部102は、各外側円形パイプ103と、各外側円形パイプ103と略同一面上に位置する内側円形パイプ91との間にそれぞれ略同数渡されて、例えば溶接されて固定される複数の第1連結パイプ105を有している。第1連結パイプ105は、外側円形パイプ103において、例えば第2垂直支持パイプ104が溶接される箇所から内側円形パイプ91に向かって渡されている。
また、連結部102は、海底11と対向する側の各第1連結パイプ105の例えば略中間箇所を隣接するどうしで連結し、例えば溶接して固定される第2連結パイプ110を複数有している。
吸引ポンプ14は、例えば、内部にエンジンポンプ14bを有するジェットポンプが採用されており、呼び水配管14aを有している。吸引ポンプ14は、調査船13の船上13aに載置されている。
ベントス採集装置10は、砂泥吸引器20の海底11への着底と、ベントス12を含む砂泥15の吸引状況を観察する手段として観察装置116を有する。観察装置116は、図1に示すように、水中カメラ111と、水中カメラ111が撮影する映像を見るための水中カメラモニター112とを有している。水中カメラ111と水中カメラモニター112とは、カメラケーブル113を用いて接続されている。水中カメラ111は、例えば外側円形パイプ103に固定されている。水中カメラモニター112は、例えば船上13aに載置されている。
次に、ベントス採集装置10の動作を説明する。ベントス採集装置10は、ベントス12を含む海底11の砂泥15を採集する場合は、図7に示すように、まず、砂泥吸引器20が垂直姿勢保持器23に組み付けられる。このとき、掘削停止金具94および掘削深度調節金具95は、所望の掘削深度に合わせて調節され固定されている。砂泥吸引器20と垂直姿勢保持器23とは、図1に示すように、水中カメラモニター112を見ながら、移動用ロープ34を用いて、例えば砂泥吸引器20で吸引が可能であるなど、海底11の所望の位置に掘削枠吸引口25が海底11に当接するように設置される。海底11に設置された砂泥吸引器20は、垂直姿勢保持器23によって垂直姿勢が保持されるとともに、当接箇所から位置がずれることが防止される。
ついで、吸引制御バルブ74および逆流バルブ83を開き、吸引ポンプ14が稼働される。吸引ポンプ14が稼働すると、図8に示すように、呼び水配管14aから吸引された呼び水の作用により第1搬送部70内に負圧が生じて砂泥吸引器20内に吸引力が作用する。吸引力は、砂泥吸引器20の内部では、海底11側から搬送管接続部30に向かう方向に作用する。
砂泥吸引器20の外側周囲の海水は、砂泥吸引器20の内側に作用する吸引力により、流入水管35の流入水管入口部41から流入し、流入水管出口部43から砂泥吸引器20の内側へ流入する。このとき、各流入水管出口部43は、海底11に略平行な方向に、かつ中心Pに向かう方向に対して角度θ傾いた方向に開口している。このため、各流入水管出口部43から砂泥吸引器20の内側へ流入する海水は、図8に示すように、その水流がお互いに干渉して打ち消されることなく吸引力によって回転しながら海底11側から吸引力が作用する方向、すなわち搬送管接続部30に向う水流を形成する。なお、図8では、砂泥吸引器20の内部を説明するために、垂直姿勢保持器23は省略されている。
上記水流により掘削枠24内のベントス12を含む砂泥15だけが押し上げられて吸引される。すなわち、一定面積内のベントス12を含む砂泥15だけが吸引される。また、流入水管出口部43から海水が流入することにより、掘削枠24内の砂泥15の砂粒子間の間隙水が減少することがなくなる。よって、砂泥15が主に砂である場合でも、砂泥15が硬化することがなく、掘削枠24内の砂泥15だけが吸引される。
吸引されたベントス12を含む砂泥15や海水は、搬送管73を通り、第1基部72を通り、吸引ポンプ14を通り、第2基部81を通り、第1仲介管82を通りベントス分離器21に搬送される。第1搬送部70内を流動するベントス12を含む砂泥15や海水の流量は、流量計80によって確認される。ベントス12を含む砂泥15や海水の流量を調節する場合は、流量調節バルブ75を調節する。流量調節バルブ75を調節することにより、第1基部72内に外気が流入する。これにより、砂泥吸引器20に作用する吸引力が調節されるので、吸引されるベントス12を含む砂泥15や海水の流量が調節される。
ベントス分離器21に搬送されたベントス12を含む砂泥15や海水は、図4と図5とに示すように、吸引砂泥配管51を通り吸引砂泥排出口51bからベントス分離ネット52内に排出される。排出されたベントス12は、ベントス分離ネット52によって砂泥15から濾されて分離される。
ベントス12が分離された後の砂泥15や海水は、ベントス分離排水器50に流入し、排出傾斜板63に沿って排水口61まで導かれて排水管62を通って海5に戻される。砂泥吸引器20は、垂直姿勢保持器23によって海底11に対して略垂直に海底11を掘削する。
砂泥吸引器20によるベントス12を含む砂泥15の吸引は、水中カメラモニター112によって、掘削停止金具94が掘削深度調節金具95に当接したことが確認されるまで続けられる。水中カメラモニター112によって、図9に示すように、掘削停止金具94が掘削深度調節金具95に当接したことが確認されると、例えば、吸引制御バルブ74を閉じることでベントス12を含む砂泥15の吸引が停止される。
砂泥吸引器20を回収する場合は、さらに、逆流バルブ83が閉められる。すなわち、吸引制御バルブ74と逆流バルブ83とが閉められた状態になる。この間も吸引ポンプ14は、稼働している。呼び水は、図10に示すように、逆流バイパス84を通り第1基部72に導かれ、搬送管73を通り砂泥吸引器20内に流出される。すなわち、吸引制御バルブ74と逆流バルブ83と逆流バイパス84とによって呼び水を砂泥吸引器20内に逆流させる逆流手段117が構成される。
第1搬送部70内を逆流する呼び水は、ベントス12を含む砂泥15の吸引終了時に吸引ポンプ14内と第1搬送部70内とに残った砂泥15を砂泥吸引器20に向かって押し流す。また、砂泥吸引器20から流出する呼び水の流出圧力により、図11に示すように、海底11に沈下した砂泥吸引器20が浮上する。なお、流入水管35の流入水管出口部43には逆止弁44が取り付けられているため、砂泥吸引器20内に逆流した呼び水が流入水管35を通って砂泥吸引器20外へ流出することはない。
ベントス採集装置10の動作は、砂泥吸引器20の設置後、調査船13の乗員による吸引ポンプ14と吸引制御バルブ74と逆流バルブ83の操作のみで行われる。
上記のように構成されるベントス採集装置10では、流入水管35を通って砂泥吸引器20内に流入した海水は、吸引力によって砂泥吸引器20の海底11側から搬送管接続部30側へ向かう水流を形成する。この水流によって、砂泥吸引器20内のベントス12を含む砂泥15だけが押し上げられて吸引される。さらに、砂泥15が主に砂などの場合であっても、砂粒子間の間隙水の減少による砂泥15の硬化を防ぐことができる。すなわち、ベントス採集装置10は、一定面積内のベントス12を効果的に安定して採集することができる。
また、各流入水管出口部43が中心Pに向かう方向に対して角度θ傾いて開口していることにより、砂泥吸引器20内には、回転しながら海底11側から搬送管接続部30に向かう水流が形成される。それゆえ、砂泥吸引器20内のベントス12を含む砂泥15がより効果的に押し上げられて吸引されるので、一定面積内のベントス12をより一層効果的に安定して採集することができる。
また、流入水管出口部43が、海底11に対して略平行な方向に開口することにより、流入水管出口部43から流入する海水が砂泥吸引器20内の砂泥15に直接噴射されることによって砂泥15が直接掘り下げられることがない。これにより、砂泥吸引器20内に砂泥吸引器20の周囲の砂泥15が崩れ落ちてくることがないので、ベントス採集装置10は、一定面積内のベントス12を効果的に安定して採集することができる。
また、砂泥吸引器20の海底11への掘削方向は、垂直姿勢保持器23によって海底11に対して略垂直に保持される。このため、砂泥吸引器20は、姿勢が傾くことや砂泥吸引器20の位置がずれることが抑えられる。それゆえ、砂泥吸引器20内のベントス12を含む砂泥15を効果的に吸引することができる。すなわち、ベントス採集装置10は、より一層効果的に安定して一定面積内のベントス12を採集することができる。
垂直姿勢保持器23は、砂泥吸引器格納室85と、海底11に当接して砂泥吸引器20を支持する支持部90とを有する。このため、支持部90によって砂泥吸引器20の水底に対する姿勢がより一層効果的に垂直に保持される。それゆえ、より一層効果的に安定して一定面積内のベントス12を採集することができる。
垂直姿勢保持器23は、砂泥吸引器20の掘削深度を調節する掘削深度調節器93を有する。このため、ベントス採集装置10は、海底11の所定深さにいたるまでのベントス12を採集することができる。この掘削深度調節器93は、砂泥吸引器20の掘削枠24の側壁40の外側に掘削停止金具94をねじ止めし、掘削停止金具94に当接することで砂泥吸引器20のそれ以上の沈下および掘削を停止する掘削深度調節金具95を砂泥吸引器格納室85に溶接して固定することで構成される。それゆえ、ベントス採集装置10は、掘削停止金具94と掘削深度調節金具95とを用いた簡素な構造で海底11の所定深さまでに生息するベントス12を採集することができる。
また、ベントス採集装置10の動作の制御は、吸引ポンプ14と吸引制御バルブ74と逆流バルブ83の操作のみで行われる。また、ベントス12は、ベントス分離器21で自動的に分離される。それゆえ、特に潜水夫や、ベントス12を砂泥15から分離するための作業員を必要としないのでベントス12を短時間にかつコストを抑えて採集することができる。
また、流入水管出口部43は、流入水管出口部43から砂泥吸引器20内に流入する海水が砂泥吸引器20外の砂泥15を撹拌などすることを抑える位置に設けられることにより、一定面積外のベントス12が採集されることが抑えられる。それゆえ、より一層効果的に安定して一定面積内のベントス12を採集できる。
ベントス採集装置10は、逆流手段117を有している。このため、逆流する呼び水により、吸引ポンプ14と第1搬送部70に残った砂泥15を取り除くことができる。さらに、砂泥吸引器20内に逆流する海水の圧力によって、沈下した砂泥吸引器20を浮上させることができる。それゆえ、海底11に沈下した砂泥吸引器20を容易に回収することができる。
また、流入水管出口部43には、逆止弁44が取り付けられるので、砂泥吸引器20内に逆流する呼び水が流入水管35から外部へ流出することがない。それゆえ、砂泥吸引器20内に逆流する海水の流出圧力を沈下した砂泥吸引器20を浮上させるためだけに用いることができるので、効果的に砂泥吸引器20を回収することができる。
ベントス採集装置10は、観察装置116を有する。このため、砂泥吸引器20が傾くなどの異常を随時確認することができる。それゆえ、異常時には砂泥15の吸引を停止するなどの対応を確実にとることができるので一定面積外のベントス12を含む砂泥15の吸引を抑えることができる。すなわち一定面積内のベントス12をより一層効果的に安定して採集することができる。
第1基部72には、外気導入式の流量調節バルブ75が組み付けられている。このため、第1搬送部70を直接狭めるなどして第1搬送部70内を流動するベントス12を含む砂泥15や海水の流量を調節することがないので、第1搬送部70内でベントス12を含む砂泥15が詰まることを抑えてベントス12を含む砂泥15や海水の流量を調節することができる。
また、ベントス採集装置10は、吸引ポンプ14にインペラを用いないジェットポンプを採用することにより、ベントス12が損傷することがないので、効果的にベントス12を採集することができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るベントス採集装置10を図12から図15を参照して説明する。第2実施形態に係るベントス採集装置10は、浅海や河口などの水深が浅い水域で使用される。第1実施形態と同様な機能を有する構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図12は、第2実施形態に係るベントス採集装置10の概略的構成図を示している。第2実施形態では、搬送管73は、剛性が高い部材である例えば金属製配管を用いて形成されている。なお、搬送管73は、剛性が高ければよいので金属性配管に限定されるものではない。搬送管73は、第2仲介管114を介して第1基部72に連通されている。すなわち、第1搬送部70は、さらに第2仲介管114を有する。
第2仲介管114は、例えば樹脂などの素材を用いて屈曲可能に形成されている。第2実施形態では、姿勢保持手段は、上記した搬送管73と、搬送管73を移動可能に支持する支持手段としての支持器115とを有している。
支持器115は、ベントス採集装置10の搭載相手としての調査船13の例えば側壁13bに固定されており、例えば内側に搬送管73を保持して、搬送管73を海底11に対して略垂直方向に移動可能にしている。支持器115は、例えば、調査船13のローリングおよびピッチングに対応して自由に回転して傾斜できるように設けられており、搬送管73を海底11に略垂直に保持できるようになっている。
すなわち、ベントス採集装置10は、搬送管73が支持器115に移動可能に支持されることにより、砂泥吸引器20の海底11への掘削方向が海底11に対して略垂直に保持される構造である。
第2実施形態では、掘削深度調節手段として、掘削枠24の側壁40の外側に固定される掘削深度調節つば120を有している。掘削深度調節つば120は、図13に示すように、掘削枠24の側壁40に固定される調節つば取り付け枠121と、調節つば取り付け枠121の周方向に略円状に広がって形成されるつば部122とを有している。
調節つば取り付け枠121は、掘削枠24の側壁40と略同径に開口する調節つば取り付け口123を有し、掘削枠24に沿って延びる略円柱状である。また、調節つば取り付け枠121の側壁には、ねじ孔125が複数形成されている。掘削深度調節つば120は、図14に示すように、ボルト130を用いて掘削枠24の側壁40に固定される。
砂泥吸引器20が海底11のベントス12を含む砂泥15を吸引することで海底11を掘削すると、掘削深度調節つば120のつば部122が海底11に当接し、砂泥吸引器20はそれ以上海底11を掘削することができなくなる。すなわち、掘削枠吸引口25からつば部122までの長さが砂泥吸引器20の海底11への掘削深度になる。それゆえ、掘削深度調節つば120は、所望の掘削深度に基づいて調節されて掘削枠24の側壁40に固定される。
次に第2実施形態にかかるベントス採集装置10の動作を説明する。図12に示すように、まず、例えば搬送管73が支持器115に組み付けられる。次いで、砂泥吸引器20の掘削方向が海底11に対して略垂直になるように支持器115を調査船13に固定する。このとき、掘削深度調節つば120は、所定の掘削深度に基づいて調節されて掘削枠24の側面に固定されている。
次いで、掘削枠24の掘削枠吸引口25が海底11に当接するように砂泥吸引器20を海底11の所定の位置に設置する。このとき、海5は、水深が浅い水域なので、搬送管73の沈降停止が目視によって確認されることによって、砂泥吸引器20の着底が確認される。あるいは、搬送管73を上下させた時の手の感触によって砂泥吸引器20の着底が確認される。なお、砂泥吸引器20に別途に観察装置116を取り付けてもよい。
次いで、吸引制御バルブ74と逆流バルブ83とを開き、吸引ポンプ14を稼働させて、砂泥吸引器20内のベントス12を含む砂泥15の吸引を開始する。吸引されたベントス12を含む砂泥15は、第1搬送部70と第2搬送部71とを通ってベントス分離器21に運ばれ、砂泥15中のベントス12が分離される。砂泥吸引器20がベントス12を含む砂泥15を吸引することにより海底11を掘削して沈下する際には、搬送管73が支持器115に対して海底11に向かい移動し、それに合わせて第2仲介管114が屈曲する。
砂泥15の吸引は、掘削深度調節つば120のつば部122が海底11に当接されるまで続けられる。図15に示すように、つば部122が海底11に当接すると、例えば、吸引制御バルブ74を閉じる。これにより、ベントス12を含む砂泥15の吸引が停止される。砂泥吸引器20の回収方法は、第1実施形態と同様でよいので、その説明を省略する。
第2実施形態のベントス採集装置10では、搬送管73は、高剛性を有する例えば金属製配管で形成されるとともに、調査船13に支持器115を用いて海底11に対して略垂直方向に移動可能に支持される。調査船13は、支持器115を支持する作用を有するので、支持器115を大掛かりなものにすることがなくなる。それゆえ、支持器115をコンパクトにするとともにベントス採集装置10をコンパクトにすることが出来るので、ベントス採集装置10を小型の調査船13に充分搭載することができる。すなわち、小型の調査船13しか航行できないような浅海や河口などの水深が浅い水域であっても、海底11の一定面積内のベントス12をコストを抑えて短時間に採集することができる。
ベントス採集装置10は、さらに、砂泥吸引器20の掘削深度を調節する掘削深度調節つば120を有する。このため、ベントス採集装置10は、海底11の所定深さまでに生息するベントス12を採集することができる。また、掘削深度調節つば120は、砂泥吸引器20の掘削枠24の側壁40の外側にねじ止される簡素な構造である。それゆえ、ベントス採集装置10は、簡素な構造で海底11の所定深さまでに生息するベントス12を採集することができる。
なお、第2実施形態では、搬送管73は、支持器115を用いて調査船13に保持されているが、これに限らず、例えば調査船13の乗員が搬送管73を直接保持してもよい。この場合は、支持器115が必要ないので、ベントス採集装置10をより一層コンパクトにすることができる。
また、第1実施形態および第2実施形態では、砂泥吸引器20は、沈殿物としての砂泥15を吸引するが、これは海底11によって変化するものであり、砂泥15に限定されるものではない。また、各流入水管出口部43は、海底11に対して略平行な方向に開口しているが、これに限定されるものではなく、海底11から離れる側に傾斜して開口しても同様な効果が得られる。また、海底11が粘土質などで硬い場合では、各流入水管出口部43は、各流入水管出口部43から流入する海水が砂泥吸引器20外の砂泥15を撹拌することない範囲で海底11側に傾斜して開口してもよい。この場合は、各流入水管出口部43から流入する海水が砂泥吸引器20内の砂泥15に直接噴射されて砂泥15を直接掘り下げて撹拌するので、ベントス12を含む砂泥15を吸引しやすくなる。
この発明は、実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の第1実施形態に係るベントス採集装置の概略的構成図。 同実施形態に係る砂泥吸引器を一部切欠いて示す斜視図。 図2のF3−F3線に沿って示す断面図。 同実施形態に係るベントス分離器を示す斜視図。 同実施形態に係るベントス分離排水器を一部切り欠いて示す斜視図。 同実施形態に係る垂直姿勢保持器を示す斜視図。 同実施形態に係る砂泥吸引器が垂直姿勢保持器に組み付けられた状態を一部切欠いて示す斜視図。 同実施形態に係るベントス採集装置がベントスを含む砂泥を吸引する様子を一部省略し、一部切欠いて示す正面図と斜視図。 同実施形態に係る砂泥吸引器が所定深さまでのベントスを含む砂泥を吸引した状態を一部切欠いて示す斜視図。 同実施形態に係る砂泥吸引器が回収される様子を一部省略し、一部切り欠いて示す正面図。 同実施形態に係る砂泥吸引器が浮上する様子を様子を示す正面図。 本発明の第2実施形態に係るベントス採集装置の概略的構成図。 同実施形態に係る掘削深度調節つばを示す斜視図。 同実施形態に係る掘削深度調節つばが砂泥吸引器に組み付けられた状態を示す斜視図。 同実施形態に係る砂泥吸引器が所定深さまでのベントスを含む砂泥を吸引した状態を示す正面図。
符号の説明
10…ベントス採集装置、11…海底(水底)、12…ベントス、14…吸引ポンプ(駆動源)、15…砂泥(沈殿物)、20…砂泥吸引器(吸引器)、21…ベントス分離器、22搬送器、23…垂直姿勢保持器(垂直姿勢保持手段)、25…掘削枠吸引口(吸引口)、35…流入水管(流入部)、43…流入水管出口部(出口部)、85…砂泥吸引器格納室(吸引器格納室)、90…支持部、93…掘削深度調節器(掘削深度調節手段)。

Claims (6)

  1. 吸引口が水底に当接してベントスを含む沈殿物を吸引する吸引器を具備したベントス採集装置であって、
    前記吸引器は、前記吸引口以外に前記吸引器の内側に周囲の流体を流入可能な流入部を具備したことを特徴とするベントス採集装置。
  2. 前記流入部の出口部は、前記吸引器の軸線側に向かう方向に対して傾いて開口していることを特徴とする請求項1に記載のベントス採集装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のベントス採集装置において、さらに、前記吸引器の前記水底への掘削方向を前記水底に対して略垂直に保持する垂直姿勢保持手段を具備したことを特徴とするベントス採集装置。
  4. 前記垂直姿勢保持手段は、前記吸引器を前記水底に対して略垂直方向に移動可能に格納する吸引器格納室と、
    前記吸引器格納室の外側に広がって形成され、前記水底に当接して前記吸引器格納室を支持する支持部とを具備したことを特徴とする請求項3に記載のベントス採集装置。
  5. 請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載のベントス採集装置において、さらに、前記吸引器が前記水底を掘削する際の掘削深度を調節する掘削深度調節手段を具備したことを特徴とするベントス採集装置。
  6. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のベントス採集装置において、さらに、前記吸引器で吸引された前記沈殿物から前記ベントスを分離するベントス分離器と、
    前記吸引器と前記ベントス分離器とに連通し、前記吸引器で吸引された前記沈殿物を前記ベントス分離器まで搬送する搬送器と、
    前記吸引器の駆動源と
    を具備したことを特徴とするベントス採集装置。
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