JP2005219173A - 打ち抜き加工診断方法及び打抜機の制御方法 - Google Patents

打ち抜き加工診断方法及び打抜機の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】打抜機の運転を止めることなく切断状況を把握できる打ち抜き加工診断方法及び打抜機の制御方法を提供する。
【解決手段】面板上に載置されたシート材を抜型で打ち抜く打抜機に機械的に結合されて配置された少なくとも1つのアコースティック・エミッション(AE)センサ21、22を設け、前記抜型が前記面板に当接する際に前記AEセンサが取得したアコースティック・エミッション(AE)信号を測定し、当該AE信号により加工状態を診断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、打抜機によりシート材を所定の形状に打ち抜く際の打ち抜き加工診断方法及び打抜機の制御方法に関する。
合成樹脂製フィルム、薄紙または厚紙等のシート材から、展開した箱等の所定形状の打抜片を打ち抜くために、打抜機が用いられる。この種の打抜機は上下に相対向する抜型及びカウンタープレートなどの面板を有し、カウンタープレートの上にシート材を載置してその上から抜型を圧接することによりシート材から打抜片を打ち抜く。
このような打ち抜き加工では、大量な打ち抜きを連続的に行うが、打抜片の品質を所定の状態に保つために、所定のタイミングで打抜機を停止し、切断状態を観察し、必要に応じて切断刃の交換を行うという作業が必要となる。
しかしながら、作業効率を低下させずに品質維持を図るためには、打抜機の運転を止めることなく切断状況を把握できるのが望ましい。
そこで、本発明者らは、シート材の切断時に発生する可聴音を測定して経時変化を検出することにより切断状態を診断する方法を先に提案した(特許文献1参照)。
しかしながら、この方法では、環境騒音の影響が大きいので、切断により発生する可聴音と環境騒音とを差別化する必要があるという問題がある。
特開2002−96296号公報
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、打抜機の運転を止めることなく切断状況を把握できる打ち抜き加工診断方法及び打抜機の制御方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、面板上に載置されたシート材を抜型で打ち抜く打抜機に機械的に結合されて配置された少なくとも1つのアコースティック・エミッション(AE)センサを設け、前記抜型が前記面板に当接する際に前記AEセンサが取得したアコースティック・エミッション(AE)信号を測定し、当該AE信号により加工状態を診断することを特徴とする打ち抜き加工診断方法にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記AEセンサは、前記面板に機械的に結合した状態で配置された面板AEセンサを含むことを特徴とする打ち抜き加工診断方法にある。
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記面板AEセンサは、前記面板又は当該面板を支持する支持基板に固設されて前記面板を伝わる弾性波を計測可能に配置されていることを特徴とする打ち抜き加工診断方法にある。
本発明の第4の態様は、第2の態様において、前記面板AEセンサは、前記面板と当該面板を支持する支持基板との間に弾性的に挟まれて当該面板AEセンサに伝わる弾性波を計測可能な状態に設けられていることを特徴とする打ち抜き加工診断方法にある。
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記AEセンサは、前記面板を支持する支持基板に機械的に結合している支持基板AEセンサを含むことを特徴とする打ち抜き加工診断方法にある。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れかの態様において、前記加工状態の診断は、シート材を切断することにより、当該シート材が破断して前記抜型の切断刃が前記面板に当接する際の動的衝突振動に基づくAE信号から荷重落差を求めて、切断抵抗を推定することにより行うことを特徴とする打ち抜き加工診断方法にある。
本発明の第7の態様は、第1〜6の何れかの態様において、前記加工状態の診断は、前記抜型の切断刃の刃先の潰れ変形状態を診断するものであることを特徴とする打ち抜き加工診断方法にある。
本発明の第8の態様は、第4の態様において、前記加工状態の診断は、シート材を切断することにより、前記面板AEセンサからの最初のAE信号のタイミングにより、前記シート材と前記抜型の切断刃との当接のタイミングを求め、これにより前記切断刃の先端位置の良否を推定することにより行うことを特徴とする打ち抜き加工診断方法にある。
本発明の第9の態様は、面板上に載置されたシート材を打ち抜く打抜機の制御方法であって、前記打抜機に機械的に結合されて配置されたアコースティック・エミッション(AE)センサを設けて抜型が前記面板に当接する際に前記AEセンサが取得したアコースティック・エミッション(AE)信号を測定し、当該AE信号の切断繰り返しに伴う経時変化を監視し、この経時変化に基づいて前記切断刃の調整又は交換を行うことを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第10の態様は、第9の態様において、前記監視は、シート材を切断するときに、当該シート材が破断して前記抜型の切断刃が前記面板に当接する際の動的衝突振動に基づくAE信号から荷重落差を求めて、切断抵抗を推定することにより行うことを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第11の態様は、第9又は10の態様において、前記監視は、前記抜型の切断刃の刃先の潰れ変形状態を診断して行うものであることを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第12の態様は、第9〜11の何れかの態様において、前記AEセンサは、前記面板に機械的に結合した状態で前記面板又は当該面板を支持する支持基板に固設されて前記面板を伝わる弾性波を計測可能に配置されている面板AEセンサを含むことを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第13の態様は、第9〜12の何れかの態様において、前記AEセンサは、前記面板に機械的に結合した状態で前記面板と当該面板を支持する支持基板との間に弾性的に挟まれて当該面板AEセンサに伝わる弾性波を計測可能な状態に設けられている面板AEセンサを含むことを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第14の態様は、第9〜13の何れかの態様において、前記AEセンサは、前記面板を支持する支持基板に機械的に結合している支持基板AEセンサを含むことを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第15の態様は、第9〜14の何れかの態様において、前記診断の結果を切断刃の交換時期として出力することを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第16の態様は、第15の態様において、前記切断刃の交換時期としての出力は、警報又は運転停止により行うことを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第17の態様は、第9の態様において、前記監視は、シート材を切断するときに、当該シート材と前記抜型の切断刃との当接のタイミングを求め、これにより前記切断刃の先端位置の良否を推定することにより行うことを特徴とする打抜機の制御方法にある。
本発明の第18の態様は、第17の態様において、前記AEセンサは、前記面板に機械的に結合した状態で当該面板を支持する支持基板に弾性的に支持された状態で設けられている面板AEセンサを含むことを特徴とする打抜機の制御方法にある。
かかる本発明によれば、切断時に切断刃が面板に当接した際に発生するアコースティック・エミッション信号から荷重落差を推定し、これから切断繰り返しに伴う切断刃の刃先の潰れ状態等を推定することができ、これにより、切断刃の交換時期を有効に判断し、切断不良を有効に防止するという効果を奏するものである。
また、AEセンサを弾性支持して面板に機械的に結合させることにより、刃先が紙に対して適正位置に保持されているか、又は出っ張り過ぎか、引っ込み過ぎかを判断でき、切断刃の保持位置の微調整を行い、適正な状態で打抜を行うことができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施の形態に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態で用いた打抜試験機及びAE測定装置の概略を示す図である。
図1に示すように、打抜試験機10は、下部定盤11及び上部定盤12を具備し、下部定盤11上には、カウンタープレート13が設置され、上部定盤12には切断刃14が取り付けられている。下部定盤11は、ロードセル15を介して上下方向調整台16上に載置されている。一方、上部定盤12を支持する支持部17は、クランク軸18に固定されており、クランク軸18の回転により、上部定盤12が上下方向に25mmずつ移動するようになっている。なお、クランク軸18は、Vベルト19を介して連結されたモータ20の駆動力により回転されるようになっている。
図2に示すように、打抜試験機10のカウンタープレート13の切断刃14が当接しない領域に接触するように、下部定盤11に設けられた凹部11a内に第1のAEセンサ21が設けられ、また、下部定盤11上には、第2のAEセンサ22が固定されている。また、第1のAEセンサ21及び第2のAEセンサ22にはオシロスコープ23が接続されており、第1及び第2のAEセンサ21、22からのAE信号は、オシロスコープ23に導入され、波形としてオシロスコープ23の画面に表示されるようになっている。なお、第1のAEセンサ21は、下部定盤11に設けられた溝11a内に弾性部材11bを介して設けられ、カウンタープレート13とは真空グリースを介して機械的に結合させるように設けられている。また、第2のAEセンサ22は、下部定盤11に対して機械的に結合されるように、真空グリースを介して固定されている。ここで、機械的に結合されるとは、固体音波が伝播可能なように結合されていることをいう。
このような装置を用い、カウンタープレート13上に板紙1を設置し、加工条件を変えながら打ち抜き加工を実施し、このときに発生したAE信号を第1のAEセンサ21及び第2のAEセンサ22で取得してオシロスコープ23で受信し、解析した。
ここで、測定条件は以下の通りである。
切断刃14:80mm×23.6mm×0.7mm、刃先角度42°、刃先硬度約600Hv、素材硬度約330Hv
なお、切断刃14の刃先を研磨加工して、刃先幅w=10,36,119μmとしたものを用意した。
カウンタープレート13:SUS630、板厚1.5mm、表面硬度約510Hv
板紙1:塗工紙、坪量ρ=350g/m、板厚t=0.46mm
AEセンサ21、22:共振型
加工は、切断刃14の上下動を5rpmで行い、空打最大線荷重fLmaxを30kN/mとし、切断刃14が板紙1の抄造方向に対して直交するφ=90°で行った。
(試験例1)
板紙1を載置しない空打ちを行い、その時の第1のAEセンサ21及び第2のAEセンサ22のAE信号の波形を図3に示す。一方、坪量350g/m2の板紙を用い、φ=90°、刃先幅w=36μmとして、打ち抜いた際のAE信号の波形を図4に示す。なお、図3及び図4では、第2のAEセンサ22の信号を0.02[V]プラス方向へシフトさせて示してある。
この結果、空打ち時に発生する強制的な振動である静的な衝突振動に対しては、下部定盤11に設けられた第2のAEセンサ22は鈍感であり、第1のAEセンサ21のみで観察されることが確認された。
また、板紙1の切断時に観測されるAE信号には、空打ち時にも発生する静的な衝突振動に基づく波形と、板紙1の切断時に切断刃14に蓄えられたエネルギが板紙破断時に解放されることによって生じる動的な衝突振動に基づく波形とが含まれ、前者の波形は第1のAEセンサ21のみで観察されるが、後者の波形は第1のAEセンサ21及び第2のAEセンサ22の両者で観察されることが推測されるので、t=0.2〜0.3[msec]にかけて観測されているAE信号が切断時の動的衝突に基づくことがわかった。
従って、カウンタープレート13に機械的に結合された第1のAEセンサ21だけでなく、カウンタープレート13を支持する下部定盤11に機械的に結合する第2のAEセンサ22を設けることにより、動的衝突に基づくAE信号を特定できることがわかった。
また、下部定盤11へのAE信号の伝達状況が解析できていれば、下部定盤11のみにAEセンサを設け、これでシート材切断時の動的衝突に基づくAE信号を観察するだけでも、切断状況が把握できる可能性があることがわかった。
(試験例2)
坪量350g/m2の板紙を用い、空打最大線荷重fLmax=30kN/mとし、φ=90°において、刃先幅wを、10μm、36μmに変化させたときのAE信号を測定した結果を図5及び図6に示し、動的衝突に基づくAE信号の最大振幅を比較した。
この結果より、最大振幅は、刃幅が広がるに従って大きくなることが認められた。
また、図7(a)に一般的な切断負荷特性を示す。
刃先幅の増加に伴い1番目の極大点(fc1)と2番目の極大点(fc2)とが徐々に大きくなり、ほぼ刃先幅wに比例して増加することがわかっている。
ここで、図7(b)及び(c)での切断負荷特性を例に切断の様子を説明する。最初に、切断刃14が被加工物である板紙1と接触することによって切断抵抗が緩やかに増加していく。ある程度押込まれることによって、表面層にき裂が入り切断抵抗は1番目の極大点fc1を示す(図7(b)参照)。さらに押込まれることによって繊維層が徐々に破壊され、最終的に切断刃14の楔効果によって破断するため切断抵抗が急激に減少して2番目の極大点fc2を示す(図7(c)参照)。被加工物である板紙1が破断すると切断刃14の下部には被加工物が存在しないのでカウンタープレート13と衝突するため、再び切断抵抗が増加する(この点をfcbとする)。これ以降の切断抵抗は切断刃14とカウンタープレート13との押込み抵抗になるため、空打ち荷重と一致する。
図8に刃先幅wとAE波形の第1波形片振幅の大きさとの関係を示す。第1及び第2のAEセンサ21、22の測定位置(第1のAEセンサ21の測定位置をA、第2のAEセンサ22の測定位置をBとする)によって刃先幅wとAEとの応答性は異なるが,いずれも正の相関性があるとわかる。
図8に示すように、刃先幅wとAEとの間に相関性があることから、刃先幅の変化をAE信号によって計測できることがわかる。
以上の結果、刃先幅wとAEとの間に明確な相関性があることからAEによって切断刃と面板の衝突振動を検出することが切断刃の状態を診断するために有効であることが確認された。
(試験例3)
刃先幅wを、16,47,88μmに変化させた切断刃を用いた以外は、試験例2と同様にして切断したときのAE信号を測定した結果を図9〜図11にそれぞれ示す。
また、各刃先幅毎の切断負荷特性を図12に、Δf=fcmax-fcb [kN/m] と刃先幅w [μm] との関係 Δf= 0.20w + 1.2 kN/m (線形近似式)を図13に示す。なお、fcmax [kN/m] とw[μm]との関係も線形関係で近似できて、ここでは fcmax= 0.32w + 15.19 kN/m である。
この結果、上述した試験例2と同様な傾向を示し、wとfcmax ならびにΔf との間に明確な相関性があり、AEによって切断刃と面板の衝突振動を検出することが切断刃の状態を診断するために有効であることが確認された。
また、図14に示すように、切断時の最大振幅を中心に前後0.2[sec]の間のAEエネルギを求め、この結果のAEエネルギと刃先幅との関係を図15に、AEエネルギと荷重落差との関係を図16にそれぞれ示した。
この結果、それぞれ線形の相関関係があることが認められた。
以上説明したように、切断抵抗から求められる切断時衝突のエネルギ(荷重落差)とAEの二乗時間積分値(AEエネルギ)との間に相関性が見いだされ、切断抵抗の極大点と刃先の幅との線形関係が知られていることから、破断時のAEの二乗時間積分値から刃先幅を推定可能であることがわかった。
(試験例4)
図17に示すように、AEセンサ21Aを下部定盤11の溝11a内にホットメルト接着剤11cで固定すると共にカウンタープレート13に対して真空グリースを介して機械的に結合させてAE信号を測定した。この結果、例えば、図14の最初と三番目の波形は観察されず、破断時衝突のAEのみが観察された。一方、AEセンサ21Bのように弾性部材11bなどの詰め物を介して弾性的に支持されている場合には図14の最初と第3の波形が検出されることがわかった。
すなわち、図17に示すAEセンサ21Aのようにホットメルトで固定した状態でカウンタープレート13と機械的に結合させると、カウンタープレートを伝わる弾性波のみを計測可能となり、破断時衝突のAEのみを測定することができる。従って、破断時衝突のAEのみを測定する場合には、AEセンサを面板にホットメルト等で固定し、衝撃変形による圧力を受けないようにすればよいことがわかった。
一方、図17のAEセンサ21Bのように弾性部材11bなどの詰め物を介して弾性的に支持されている場合には、カウンタープレートを伝わる弾性波の他、AEセンサ21Bに伝わる他の信号、例えば、面板と支持部とでセンサーを機械的に挟み込むことによる刃の紙(または面板)への押しつけの時間的変動の信号を計測可能であり、この場合、最初のAE波形のタイミングを計測することにより、切断刃が、切断するシート部材と接触する時期を検出することができることがわかった。従って、上述した打抜機のクランク軸の回転位置に対する接触位置を検出し、シート部材の厚さを把握すれば、最適な接触角度は自ずと決定されるので、第1のAE波形のタイミングがこれに対してずれているかどうかを判断すれば、切断刃が適正位置にあるか、すなわち、出っ張りすぎではないか、引っ込みすぎではないかを把握することができる。
(その他の実施例)
上述したように、打抜機に機械的に接続されて配置されたアコースティック・エミッション(AE)センサを設けて抜型が面板に当接する際にAEセンサが取得したアコースティック・エミッション(AE)信号を測定することにより、当該AE信号の切断繰り返しに伴う経時変化を監視し、この経時変化に基づいて前記切断刃の調整又は交換を行うことができる。すなわち、上述したように、シート材を切断するときに、当該シート材が破断して前記抜型の切断刃が面板に当接する際の動的衝突振動に基づくAE信号から荷重落差を求めて、切断抵抗を推定することにより、切断刃の潰れ状態を監視することができ、例えば、これにより抜型の切断刃の刃先の潰れ変形状態を診断して、適正な調整又は交換を行うことができる。
かかる本発明方法では、複数のAEセンサを面板の各コーナおよび中央部等に設置し、少なくとも3つ以上のAEセンサで囲まれる領域でのAE信号を測定することにより、AE信号源の場所が判定できる。すなわち、切断刃が面板上の紙を破断する時に面板を伝わる弾性波を複数のAEセンサで計測することによって、例えば、切断刃が強くあたる箇所の特定を行うことができる。また、外部の機械的雑音であるかどうかも判定できる。よって、この手法を用いることで、上述した抜型の刃つぶれ、むら取りの場所を推定でき、各作業に要する時間を短縮することができる。
一方、AEセンサにより、シート材を切断するときに、当該シート材と抜型の切断刃との当接のタイミングを求めることにより、切断刃の先端位置の良否を推定することができ、これにより、打抜当初の切断刃の調整、又は刃潰れ状態の程度を把握することができ、適正な調整又は交換を行うことができる。この場合にも複数のAEセンサを適宜配置することにより、むら取り場所を容易に特定することができる。
なお、AEセンサを設ける位置は上述したように下部定盤側である必要はなく、抜型側に設けても、切断刃と面板との動的衝突振動に基づくAE信号等を測定できればよいことはいうまでもない。
さらに、本発明方法は、従来技術で挙げた可聴音を用いた打ち抜き加工診断方法を併用してもよく、これにより、両者の欠点を補い、また、精度の高い診断を行うことが可能である。
例えば、マイクによる空気音波の計測では、機械装置に穴をあけたりしないでマイクで計測できるので、機械剛性を弱めたり、余計な加工をしたくない場合に有効であるという利点がある。一方、AEセンサによる固体音波の計測の場合、機械装置に穴をあけたり、衝撃を直接受けるので、剛性を弱める場合があるのと、衝撃でセンサが破損する可能性を考えて、適当な場所に埋め込む必要があるが、固体波なので騒音ノイズの影響を受けないという利点があるし、発生方位を特定する精度に高い信頼性があるという利点がある。
しかしながら、切断刃の衝突から発生するエネルギを診断するものなので、両者を比較すれば,同じ現象を判定可能であり、2つを使用することにより確信度を高めることができる。
また、両者の苦手な評価状態が少し違うので、お互いを補う形にすれば,計測評価できる範囲が拡大するという利点がある。すなわち、音圧は周囲騒音ノイズによって精度が低くなると思われるから、高速運転時や周囲に騒音の高い機械があるときは信頼性が低いが、固体波は確実に計測可能である。一方、減衰効果が大きいむらとりシートを使ったり、全体のあたりの平均状態を知りたいとき、AEセンサはたくさん埋め込めないので、全域の様子を判断するのは難しい。つまり、AEセンサは局所を精度よくみるにはよいが、全域を把握するには音圧のほうがよい場合がある。例えば、むらとりが均一にできていると、紙が破断して切断刃が面板に衝突するときの音波が一斉に生じるので、音圧はきれいに揃って明瞭に計測できるが、当たりがばらばらで悪いと音圧はそろわないということで判断可能である。しかしながら、むらのでている箇所を正確につきとめるには音圧では難しいかもしれないが、AEセンサであれば、そういった個別の異常を検出しやすい。
従って、総合的な空気音圧による評価と少ない固体波による評価を組み合わせると、精度の高い評価を行えるという利点がある。
総合的には、本発明方法により、多数のAEセンサを埋め込む方式が最も好ましいが、埋め込む場所の制約とAEセンサのコストを考えると、両者併用でAEセンサをできるだけ少なくしたほうが有利である。
本発明の一実施の形態に使用した打抜試験機及びAE測定装置の概略を示す説明図である。 本発明の一実施の形態で使用した打抜試験機のAEセンサを示す説明図である。 本発明の試験例1の結果を示すグラフである。 本発明の試験例1の結果を示すグラフである。 本発明の試験例2のAE測定の結果を示すグラフである。 本発明の試験例2のAE測定の結果を示すグラフである。 本発明方法により一般的な切断負荷特性及びその説明をする図である。 本発明の試験例2の各刃先幅と第1波形片振幅との関係を示すグラフである。 本発明の試験例3のAE測定の結果を示すグラフである。 本発明の試験例3のAE測定の結果を示すグラフである。 本発明の試験例3のAE測定の結果を示すグラフである。 本発明の試験例3の各刃先幅毎の切断負荷特性を示すグラフである。 本発明の試験例3のΔfと刃先幅との関係を示すグラフである。 本発明の試験例3のAEエネルギの求め方を説明する図である。 本発明の試験例3のAEエネルギと刃先幅との関係を示すグラフである。 本発明の試験例3のAEエネルギと荷重落差との関係を示すグラフである。 本発明の試験例4で使用した打抜試験機のAEセンサを示す説明図である。
符号の説明
1 板紙
10 打抜試験機
11 下部定盤
12 上部定盤
13 カウンタープレート
14 切断刃
15 ロードセル
16 上下方向調整台
17 支持部
18 クランク軸
19 Vベルト
20 モータ
21,21A,21B,22 AEセンサ
23 オシロスコープ

Claims (18)

  1. 面板上に載置されたシート材を抜型で打ち抜く打抜機に機械的に結合されて配置された少なくとも1つのアコースティック・エミッション(AE)センサを設け、
    前記抜型が前記面板に当接する際に前記AEセンサが取得したアコースティック・エミッション(AE)信号を測定し、当該AE信号により加工状態を診断することを特徴とする打ち抜き加工診断方法。
  2. 請求項1において、前記AEセンサは、前記面板に機械的に結合した状態で配置された面板AEセンサを含むことを特徴とする打ち抜き加工診断方法。
  3. 請求項2において、前記面板AEセンサは、前記面板又は当該面板を支持する支持基板に固設されて前記面板を伝わる弾性波を計測可能に配置されていることを特徴とする打ち抜き加工診断方法。
  4. 請求項2において、前記面板AEセンサは、前記面板と当該面板を支持する支持基板との間に弾性的に挟まれて当該面板AEセンサに伝わる弾性波を計測可能な状態に設けられていることを特徴とする打ち抜き加工診断方法。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記AEセンサは、前記面板を支持する支持基板に機械的に結合している支持基板AEセンサを含むことを特徴とする打ち抜き加工診断方法。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記加工状態の診断は、シート材を切断することにより、当該シート材が破断して前記抜型の切断刃が前記面板に当接する際の動的衝突振動に基づくAE信号から荷重落差を求めて、切断抵抗を推定することにより行うことを特徴とする打ち抜き加工診断方法。
  7. 請求項1〜6の何れかにおいて、前記加工状態の診断は、前記抜型の切断刃の刃先の潰れ変形状態を診断するものであることを特徴とする打ち抜き加工診断方法。
  8. 請求項4において、前記加工状態の診断は、シート材を切断することにより、前記面板AEセンサからの最初のAE信号のタイミングにより、前記シート材と前記抜型の切断刃との当接のタイミングを求め、これにより前記切断刃の先端位置の良否を推定することにより行うことを特徴とする打ち抜き加工診断方法。
  9. 面板上に載置されたシート材を打ち抜く打抜機の制御方法であって、
    前記打抜機に機械的に結合されて配置されたアコースティック・エミッション(AE)センサを設けて抜型が前記面板に当接する際に前記AEセンサが取得したアコースティック・エミッション(AE)信号を測定し、当該AE信号の切断繰り返しに伴う経時変化を監視し、この経時変化に基づいて前記切断刃の調整又は交換を行うことを特徴とする打抜機の制御方法。
  10. 請求項9において、前記監視は、シート材を切断するときに、当該シート材が破断して前記抜型の切断刃が前記面板に当接する際の動的衝突振動に基づくAE信号から荷重落差を求めて、切断抵抗を推定することにより行うことを特徴とする打抜機の制御方法。
  11. 請求項9又は10において、前記監視は、前記抜型の切断刃の刃先の潰れ変形状態を診断して行うものであることを特徴とする打抜機の制御方法。
  12. 請求項9〜11の何れかにおいて、前記AEセンサは、前記面板に機械的に結合した状態で前記面板又は当該面板を支持する支持基板に固設されて前記面板を伝わる弾性波を計測可能に配置されている面板AEセンサを含むことを特徴とする打抜機の制御方法。
  13. 請求項9〜12の何れかにおいて、前記AEセンサは、前記面板に機械的に結合した状態で前記面板と当該面板を支持する支持基板との間に弾性的に挟まれて当該面板AEセンサに伝わる弾性波を計測可能な状態に設けられている面板AEセンサを含むことを特徴とする打抜機の制御方法。
  14. 請求項9〜13の何れかにおいて、前記AEセンサは、前記面板を支持する支持基板に機械的に結合している支持基板AEセンサを含むことを特徴とする打抜機の制御方法。
  15. 請求項9〜14の何れかにおいて、前記診断の結果を切断刃の交換時期として出力することを特徴とする打抜機の制御方法。
  16. 請求項15において、前記切断刃の交換時期としての出力は、警報又は運転停止により行うことを特徴とする打抜機の制御方法。
  17. 請求項9において、前記監視は、シート材を切断するときに、当該シート材と前記抜型の切断刃との当接のタイミングを求め、これにより前記切断刃の先端位置の良否を推定することにより行うことを特徴とする打抜機の制御方法。
  18. 請求項17において、前記AEセンサは、前記面板に機械的に結合した状態で当該面板を支持する支持基板に弾性的に支持された状態で設けられている面板AEセンサを含むことを特徴とする打抜機の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108227610A (zh) * 2016-12-21 2018-06-29 费希尔控制产品国际有限公司 用于验证声发射传感器的操作的方法和装置
CN111538235A (zh) * 2019-02-07 2020-08-14 松下知识产权经营株式会社 学习装置以及切断加工评价系统

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