JP2005215469A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転写ベルトを用いたインライン方式の画像形成装置で発生する異常放電によるトリアシや水玉等の各環境下での画像不良や、中間転写方式の画像形成装置で発生する局部的な電流集中による異常放電による画像不良や濃度ムラ等の画像不良を防止し、耐久による劣化を防止することができる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】複数色のトナー像をそれぞれ担持する複数の像担持体と、記録材を担持して搬送する無端状の記録材搬送部材と、前記複数の像担持体上の複数色のトナー像を前記搬送部材により搬送される記録材に順次多重転写する、前記搬送部材の裏面側に設置された複数の転写部材とを備えた画像形成装置において、前記転写部材をポリオキシアルキレン系ポリマーと極性ゴムとを混合加硫して構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置に関するものである。
従来、カラーの画像形成装置としては、電子写真方式、熱転写方式、インクジェット方式等、種々の方式が知られているが、これらのうち電子写真方式のものは、他の方式のものに比べて画像形成速度、画質、静粛性等の点で優れている。
電子写真方式を採用する画像形成装置の中でも、更に種々の方式がある。例えば、一旦、中間転写ベルト上に各色のトナー像を順次一次転写した後、転写材上に一括転写する中間転写方式や複数の異なる色の画像形成ステーションを直列に配置して、記録媒体として紙をベルト状の搬送手段で搬送しながら、複数のステーションで形成した複数色のトナー像を用紙に順次多重転写するインラインタイプの画像形成装置等がある。
これらの中でも、複数の異なる色の画像形成ステーションを直列に配置して、記録媒体として紙をベルト状の搬送手段で搬送しながら、複数のステーションで形成した複数色のトナー像を用紙に順次多重転写するインラインタイプの画像形成装置は、高速でカラー画像の形成が可能である。
インライン方式は、中間転写体に多重転写を行うタイプと、転写ベルトに用紙を吸着させて多重転写を行う紙吸着タイプに分けられるが、装置の小型化、低コスト化のためには、システムの構成要素が少ない紙吸着タイプを採用する方が有利である。
最近では、プリンタの高機能化の観点から、各種のサイズや厚さ(坪量)の記録材、更にはオーバーヘッドプロジェクタ投影用の光透過性樹脂(OHT)等が扱えるという、記録媒体(メディア)の多様性、更には両面プリントの必要性等が益々要求されるようになっている。
又、プリンタが使用される環境の点でも、ソーホー(SOHO)化等の様々な環境下で良好な出力画像を得ることが望まれている。
このように、プリンタにはメディアフレキシビリティー、使用環境の観点から益々高い性能が求められるようになっている。
インライン方式のプリンタは、一般には4つの異なる色の画像形成ステーションを横方向に並べたものが普通であるが、このような装置構成を採ると、装置の設置面積が大きくなり、オフィスにおける装置小型化の要求を満足し得なくなるという問題がある。
又、レーザースキャナ等の光学素子が装置本体の上部に来るため、装置本体を上開きにして、用紙の搬送路や装置の消耗部品にアクセスすることが難しく、トナーや感光ドラムの交換が難しい、用紙ジャム時の操作性が悪いという問題を生じる。
このため、複数の画像形成ステーションを縦に並べることによって、装置の設置面積の低減を図り、更に用紙の搬送路に沿って本体を縦に分割することにより、ジャム処理性や消耗部品の交換性を向上させるような構成が考案されている。
又、中間転写方式のものは、質や厚さの異なる様々な転写材の使用が可能であること等の利点を有する。
図2に中間転写方式の画像形成装置の一例として4色のフルカラーレーザービームプリンタの概略を示す。
図2に示すように、電子写真感光体である感光ドラム21の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器22、レーザ光を感光ドラム21に照射する露光装置23、現像器25〜28、中間転写ベルト29及び感光ドラムクリーナ216が配置されている。
感光ドラム21は、その表面が帯電器2によって負極性に帯電される。帯電された感光ドラム21は、露光手段3の露光Lにより表面に静電潜像が形成される。現像器支持体4に搭載された1色目のイエロートナーが入った現像器25によって、感光ドラム21上の静電潜像部にトナーを付着させ、トナー像を形成する。
一方、中間転写ベルト29は、2つの支持軸(二次転写対向ローラ212、テンションローラ214)に支持され、矢印R4方向に回転する二次転写対向ローラ212によって矢印R3方向に回転する。中間転写ベルト29に従動回転する一次転写ローラ210に、一次転写電源217から正極性の一次転写バイアスが定電圧で印加されると、感光ドラム21上のトナー像は、一次転写ニップ部N1を介して一次転写される。一次転写後の感光ドラム21は、弾性体ブレードを有する感光ドラムクリーナ216によって表面の一次転写残トナーが除去される。
以上の帯電、露光、現像、一次転写、クリーニング、除電の一連の画像形成プロセスを、各現像器26,27,28に収納された2色目マゼンタ、3色目シアン、4色目ブラックのトナーについても繰り返し行い、中間転写ベルト29上に4色のトナー像を重ねる。
中間転写ベルト29上に転写された4色のトナー像は、二次転写ローラ211により二次転写バイアスが印加されると、二次転写対向ローラ212上の二次転写ニップ部N2を介して転写材P表面に一括して二次転写される。表面に4色の未定着トナー像を担持した転写材Pは、定着器(不図示)に搬送され、定着器により表面のトナー像を定着され、画像形成が完了する。
しかしながら、それぞれ以下の問題がある。
即ち、用紙を転写ベルトに吸着させ、これに対して多重転写を行う紙吸着タイプのインライン装置では、抵抗値的な不安定要素を有する紙や、その紙を転写ベルトという対象物上に吸着して4回転写を行う必要があるため、装置の置かれている環境や紙種の影響を受け易い問題点がある。
定着を1回受けて水分が蒸発し高抵抗化した紙を再給紙する自動両面プリント時や、厚さ方向に対しては絶縁性である透明フィルムに対してプリントを行うOHTモード時には、転写電流を流すために非常に高い転写電圧が必要となる。
又、転写ベルトを用いたインライン方式の装置では、上流のステーションで転写を受ける際に、用紙や転写ベルトが転写電荷を受け取ってチャージアップするため、下流のステーションに行くに従い、より高い転写電圧が必要になるという問題も生じている。
転写部においては、感光体(OPC)、用紙、転写ベルト、転写部材の間で放電が発生して、トナーの転写、用紙への電荷授受が行われるが、転写電圧が高いと、互いの間で過剰放電、異常放電、トナーの飛び散り、転写電荷による感光体の帯電不良等が発生する。
(1)転写部材と転写ベルトとの間にリークサイト等がある場合には、ここに放電が集中することによって画像飛び散りが発生する。具体的には、トリアシや水玉と呼ばれる放電マークが画像上に発生する。これらは、部材表面に局部的な低抵抗領域がある場合に顕著に発生し、低抵抗領域に極端な電流が流れることが原因である。
(2)転写部材表面が平滑な場合には、両者の間の放電閾値が高くなり、転写ニップ出口での剥離過程におけるギャップ間電圧が高くなることにより、1回の放電量が大きくなってしまうことから、画像不良が発生し易くなる。
(3)反転現像系においては、感光体上の暗部電位と明部電位に対する転写部材から見た電位コントラストの違いが、感光体への付与電荷の差をもたらす。転写コントラストが大きくなる暗部電位部には、感光体の帯電電位と逆極性の転写電荷が付与されるため、次の画像形成時に感光体電位が十分に載らないことによる帯電不良やドラムゴーストといった問題も生じていた。
又、中間転写方式の画像形成装置では、一次転写ニップ部で中間転写ベルトと感光ドラムとが分離する際に、局部的な電流集中による異常放電が発生し、中間転写ベルト上のトナー像を乱すことがあった。この異常放電は、中間転写ベルトの抵抗よりも一次転写ローラの抵抗を高くすることにより抑えられる。
しかし、一次転写ローラの抵抗は一次転写部の抵抗に大きな影響を与えるため、一次転写ローラの抵抗を高くすることには限界がある。このため、フルカラー画像において、一次転写ローラの周期の濃度ムラが画像上に現れるという問題があった。
これに対し特許文献1に開示されているように、中間転写ベルトを多層構成によって抵抗ムラを緩和し、色ムラを改善することが提案されているが、転写部材の影響は記載されていない。
特開平10−39646号公報(第3頁:段落[0028]〜[0034])
そこで、本発明は、中間転写方式の画像形成装置において異常放電によるトナー像乱れや濃度ムラ等の画像不良を防止し、更に耐久による劣化を防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数色のトナー像をそれぞれ担持する複数の像担持体と、記録材を担持して搬送する無端状の記録材搬送部材と、前記複数の像担持体上の複数色のトナー像を前記搬送部材により搬送される記録材に順次多重転写する、前記搬送部材の裏面側に設置された複数の転写部材とを備えた画像形成装置において、前記転写部材を構成する弾性体層が、ポリオキシアルキレン系ポリマーと、極性ゴムとを混合加硫して構成されていることを特徴とする。
又、本発明は、電子写真感光体と、該電子写真感光体上に複数色のトナー像を形成する複数の現像手段と、前記電子写真感光体上のトナー像が転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの裏面に当接し前記複数色のトナー像のうち、第1色目のトナー像から順次中間転写ベルト上に複数回転写する転写ローラと、を有する画像形成装置において、前記転写ローラを構成する弾性体層が、ポリオキシアルキレン系ポリマーと、極性ゴムとを混合加硫して構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、転写ベルトを用いたインライン方式の画像形成装置において、転写ローラ等の転写部材をイオン導電性の材料で形成したので、転写部材を、部分的な抵抗ムラが少なく、又、転写電位コントラストに対して転写電流の変化が少ないものにでき、転写電圧が高くなる両面プリント時やOHTプリント時等に異常放電を防止して、これに起因するトリアシや水玉等の画像不良を防止することができる。
更に、高耐久化が可能である。又、微分散によって過大な放電を一層抑制して、画像不良防止を更に向上することができる。同様にして、中間転写方式の画像形成装置では、異常放電によるトナー像乱れや濃度ムラ等の画像不良を防止し、更に耐久による劣化を防止することができる画像形成装置を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
従来の導電剤を添加して電気抵抗値を調整した場合、導電剤の移行による汚染や電気抵抗値の経時変化が発生する恐れがあるが、本発明の場合、ポリオキシアルキレン系ポリマーと極性ゴムとを混合加硫して電気抵抗値を調整するものであり、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体等のポリオキシアルキレン系ポリマーは、その主鎖構造中にエーテル酸素を含むため導電性があり、又、高分子化合物であるため導電剤の移行による汚染の発生や電気抵抗値の経時変化が抑制される。ここで、ポリオキシアルキレン系ポリマーとしては、アルキレンオキシドの単独重合体、2種以上のアルキレンオキシドの共重合体、アルキレンオキシドと不飽和エポキシドとの共重合体等が挙げられる。
特に、ポリオキシアルキレン系ポリマーでは、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体が好ましい。即ち、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体にはアリルグリシジルエーテルが共重合されているため、反応性が付与されている。このため、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体を、ブレンドされた他のポリマーと反応させ固定化することもできる。従って、ポリエチレンオキサイドを構造に持つノニオン系界面活性剤と違って、移行することなく電気抵抗値が調整でき、且つ、移行性がないため経時や通電耐久による電気抵抗値の変動を抑制できる。
加えて、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体は極性が大きいため、他の極性ゴムとの相溶性に優れ均一な導電性弾性体が得られる。尚、特開平9−27215号公報の第2頁段落[0007]〜[0010]に開示されているような同様な構造を持つヒドリンゴムに比べてエーテル酸素の含有量が多いため、比較的少量の添加で電気抵抗値を効率良く下げられる。よって、導電性弾性体全体の物性を変化させることなく、種々の極性材料を用いた場合において電気抵抗値の微調整が可能となる。又、ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体の結晶性が低いため、電気抵抗値の環境依存性が抑制される効果もある。
更に、極性ゴムとのブレンドにおいて、両者は海島構造を採るが、特にポリオキシアルキレンポリマーが島相となる場合、外部からの水分の出入りを抑制され、抵抗値湿度依存性は小さくなる等、環境に対する抵抗値依存性が更に改善される。
特に、ニトリルゴムが海相、ポリオキシアルキレンポリマーが島相となった時にこの傾向が顕著に表れる。ニトリルゴムは汎用性ゴムとして安価であり、他のポリマーとのブレンド性や押出し、加硫等の加工性に優れ、ニトリル量に応じて硬度等の物性が制御できる点において優れている。
しかし、例えばNBR等分子内にジエン結合を有するポリマーでは、酸化や熱劣化に弱く、ローラ表面から深さ方向に向かって劣化が進行していくが、ポリオキシアルキレンポリマー島相がこれらの進行をブロックすることが考えられる。特に、実機耐久では、通電によってNBR等分子内にジエン結合を有するポリマーでは表面劣化の進行が速く、分子切断や分子架橋反応が進むことにより、抵抗値が上昇するだけでなく、その不均一性が生じ抵抗値ムラが増大するが、ポリオキシアルキレンポリマー島相がある場合はこの点においても有効であり、従って、耐久における抵抗値変動や抵抗値ムラ増加を抑制できる。
ポリオキシアルキレンポリマーではエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体が導電性に優れ、又、アリルグリシジルエーテル部が架橋性を有するため、自身の架橋のみならず、例えばNBRとブレンドした場合、共架橋する点においても有利である。更に、これら2相に相溶化剤となるエピクロルヒドリンのホモポリマーを混合することで、島サイズは更に微小化される。又、これら相溶化剤は2相の界面に位置し、両者を強固に接着させるため、界面強度が上昇し、ローラ繰り返し使用時の相間剥離が抑制されることでローラ磨耗性も大きく改善される。
以上のような理由により、本発明の帯電部材においては、電気抵抗値の調整が容易であり、電気抵抗値のムラが小さく均一であり、被帯電部材との固着が抑制され、被帯電部材を汚染することも抑制され、優れた通電耐久性及び加工性を実現できる。
極性ゴムとしては、極性を有するものであれば特に限定はなく、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、水添NBR(H−NBR)、更にイソプレン等の第3成分を共重合したNBRやカルボキシルキ等の官能基を導入した変性NBR、ブタジエン部位を内部架橋したNBR等のニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴム(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム(ECO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム等のヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム等が挙げられる。これらの中でも、極性ポリマー自身の電気抵抗が低い点で、CO、ECO等のヒドリンゴム、NBR、H−NBR等のニトリルゴム等が好適に用いられる。
相溶化剤は2種類の極性ポリマーを、より微細混合させるために用いる。相溶化剤としては、ブレンドするポリマー各々に相溶性を有する或はこれらに反応する基を有する共重合体や、この反応性基等で変性した有機化合物が挙げられる。これらは使用するポリマーに合わせて適宜選択する必要がある。例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)とポリオキシアルキレン系ポリマーをブレンドする系では、エピクロルヒドリンゴム(CO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム(ECO)、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合ポリマーを相溶化剤として用いることができる。特に、島サイズ小径化の点でエピクロルヒドリンゴム(CO)を用いることが好ましい。これらの添加量は5〜30重量部が好ましい。5重量部以下だと相溶化剤としての効果が現れず、30重量部以上だと相溶化剤として使用したポリマーが島構造を採ってしまう。
更に、導電性弾性体層におけるポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体の配合量は、抵抗値制御性の点からポリマー合計100質量部に対して5〜80質量部が好ましい。
又、導電性弾性体層に非極性ポリマーをブレンドすることにより、耐オゾン性等の耐候性や非粘着性を改善できる。
ここで、非極性ポリマーとは、分子内に大きな双極子モーメントを持たない高分子であり、一般的に誘導率が小さい高分子である。
このような非極性ポリマーとしては、具体的にはNR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンターポリマー)、HR(ブチルゴム)やオレフィンエラストマー、SEBS系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー等が挙げられる。
特に、耐オゾン性等の耐候性が問題になる場合、更に耐老化性を考慮する場合はEPDMの使用がその高耐候性の点から適している。特に、硫黄加硫の場合は共加硫性の点から、使用するEPDMのヨウ素価が20以上、好ましくは30以上が適している。
又、必要に応じて、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、シリカ、炭酸マグネシウム、カーボンブラック等の充填剤を配合することもできる。
本発明において、導電性弾性体層とは転写バイアス電圧を紙に印加することができ、且つ、均一に紙に圧接することができる程度の電気抵抗を有するものであれば良いが、好ましくは、体積抵抗値1×105Ω〜1×1012Ω程度を有するものである。
又、被帯電体とのニップ幅が十分に取れ、均一な帯電が得られることや、特に転写部材の場合、線画の中央部が抜ける「中抜け」対策として低硬度が好ましく、硬度(asker C)で20°〜80°が好ましい。低硬度に対してはニトリルゴム等、極性ゴムとの相溶性が良い液状NBR等を添加する方法や発泡体にする等の手段を用いれば良い。
又、表面性に関しては特開平10−268673号公報の第3頁段落[0009]〜[0010]に開示されているような転写ローラの表面が平滑な場合は、転写ローラと転写ベルト背面の間の放電開始閾値は高い。これは、パッシェンの法則を初めとした放電理論で示されるように、放電開始電圧(放電閾値)が、気圧と、転写ローラ/転写ベルト両者間の電界強度のみに依存するからである。つまり、平面電極間の電界は、平行電界(平等電界)であるため、両者間の放電閾値は最も高くなる。両者が回転・移動する離間工程では、ギャップ間電圧は非常に高くなるため、放電閾値の大小に拘らず、一般的な転写電圧で必ず放電が励起される。
平滑な表面間のような閾値が高い状態で放電が発生すると、1回の放電で移動する電荷量が非常に大きくなることから、記録材背面の電荷バランスが崩れ易くなり、又、放電ショックも大きいことから、トリアシや水玉に代表される画像不良が発生し易くなる。又、記録材がOHTのときは、記録材背面電荷の不均一性に起因する爆発画像等も顕著に発生する。
これに対し、表面がスポンジ状の転写ローラでは、転写ローラ表面に無数の凹凸があり、これが不平等電界を発生するため、放電閾値が低下し、更に放電1回当たりの電荷移動量が小さくなる。つまり、多数の微小な放電によって電荷授受が行われるため、同じ転写電流でも画像不良をもたらすような大きな放電を防止できるようになる。
又、表面の非粘着性や感光体への汚染性を低減させるため紫外線照射や電子線照射等、エネルギー線の照射等を適宜施すことも有効である。
以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて更に詳しく説明する。
図1は本発明の画像形成装置の一実施例を示す断面図である。
本装置は、複写機若しくはレーザープリンタ等とされるインライン方式のフルカラー画像形成装置に構成され、感光ドラム、現像器、ドラムクリーナ等を含む、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つの独立した画像形成ステーションPY,PM,PC,PKを縦一列に配置し、転写ベルト8により記録媒体としての記録材、例えば紙をこれらステーションに搬送して転写を行うことにより、用紙上にフルカラーの画像を得るものである。
各ステーションPY,PM,PC,PKは、像担持体として回転ドラム型の電子写真感光体、即ち感光ドラム111,112,113,114を備え、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
感光ドラム111,112,113,114は、回転過程で、それぞれのステーションの1次帯電器121,122,123,124により表面を所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで画像露光手段131,132,133,134(レーザダイオード、ポリゴンスキャナ、レンズ群等によって構成される)からの画像露光を受けることにより、それぞれの表面に目的のカラー画像の第1、第2、第3、第4の色成分像、本例ではイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック成分像に対応した静電潜像が形成される。
次いで、感光ドラム111,112,113,114の静電潜像は、それぞれのステーションの現像器141,142,143,144により現像される。現像器141,142,143,144は、磁性体を含まないイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー(所謂ノンマグトナー)を収容しており、非磁性一成分接触現像方式によって、感光ドラム111,112,113,114の潜像を現像して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像として可視化する。現像時、各現像器141,142,143,144は、図示しない回転駆動装置によって回転して、感光ドラム111,112,113,114と対向するように位置される。
本実施例では、代表例として、感光ドラム111,112,113,114の暗部電位−700V、明部電位−130Vに対し、現像電位−400Vでマイナス帯電性のトナーを用い、正極性のバイアスで転写を行うような反転現像方式によって潜像を現像して画像を形成している。
ベルト状の記録材搬送部材である転写ベルト8は、2つの従動ローラ1101と1つの駆動ローラ1102の3つのローラに掛け回されて、画像形成ステーションPY〜PKに沿った直線部を有する縦形軌道に形成され、矢印方向に感光ドラム111〜114と同じ周速度で回転駆動されている。
感光ドラム111〜114への画像形成に対応して、図示しない用紙カセットから用紙が給紙され、用紙はレジストローラを通過した後、転写ベルト18と吸着ローラ17によって構成された吸着ニップを通過して、転写ベルト18の表面に静電吸着される。
吸着ローラ17は、芯金上にソリッドゴムをローラ状に成型して構成されており、芯金に図示しない高圧電源から吸着用の高圧バイアス、つまり、吸着バイアスが印加されるようになっている。本例では、吸着ローラ17を、直径6mmの芯金上にカーボンブラックを分散して抵抗調整したEPDMゴムを成型して、直径12mmのソリッドゴムローラに形成した。このローラの抵抗値は、幅1cmの金属箔をローラ外周に巻き付け、芯金との間に500Vの電圧を印加した条件で測定して105Ωである。
吸着バイアスは、装置本体が使用される環境やプリント条件からDCコントローラで決定された信号によって、高圧電源に設置された高圧基板から発生され、高圧基板上のA/Dコンバータによって、吸着バイアスの電圧及び電流をモニターできるようになっている。
転写ベルト8に吸着された用紙は、転写ベルトにより搬送されて各画像形成ステーションPY,PM,PC,PKを順次通過する。転写ベルト8の裏面側には、転写部材の転写ローラ151,152,153,154が感光ドラム111,112,113,114と対向して設置されており、用紙は各ステーションを通過する度に転写バイアスを印加されたそれぞれの転写ローラによりトナー像を転写されて、用紙上にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナー像を重畳したフルカラー画像が形成される。トナー像転写後の感光ドラム111,112,113,114は、それぞれのクリーナ161,162,163,164によって転写残りのトナーをクリーニングされる。
4色のトナー像を多重転写された用紙は、次いで転写ベルト1 8の上端において曲率により分離され、その後、熱ローラ定着器1 9に送られて、そこでトナー像が用紙に定着された後、最終のフルカラーのプリント画像として機外に排出される。
自動両面プリントを行う際には、一旦定着器9を通過した用紙を図示しない自動両面ユニットに導いて、そこで表裏を反転して再び給紙部に送り、表側になった用紙の裏面に対し画像形成を行う。
本実施例では、転写ベルト1 8は、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)樹脂にイオン導電剤を添加して、体積抵抗値109Ωcmに抵抗調整したイオン導電性の樹脂材料のシートから成り、厚さ100μmの単層構成とした。
本発明において、体積抵抗値はJIS法K6911に準拠した測定プローブを用い、ADVANTEST社製の高抵抗計R8340により100Vの印加で抵抗を測定し、その測定値をベルトの厚さで割って単位当たりの値に正規化したものである。
本実施例では、自己減衰を実現し、且つ、十分な紙吸着力を確保させる観点から、転写ベルト1 8に1012Ωcmの体積抵抗値を設定した。
転写ベルト8の体積抵抗値は、紙を静電吸着する観点からは高いことが望まれるが、体積抵抗値が1012Ωcm以上に高くなり過ぎると、転写ベルトがステーション間を移動する間に電位の減衰を起こす、所謂自己減衰を期待することができず、転写ベルト自体がチャージアップしてしまい、高い転写電圧が必要になったり、転写ベルトを除電するコロナ帯電器等の除電手段が別途必要となる。装置の簡易化や低コスト化のために望ましくない。
本実施例で用いた転写ローラについて説明する。
図3は本発明における転写ローラーを示す模式断面図であり、32は導電性弾性体層、31は導電性円柱基材である。直径6mmのステンレススチール製、鉄製又は防錆のため表面をニッケルやニッケル・クロム鍍金等を施した鉄等の、導電性の芯金上に導電性弾性体層を形成する。
以下、本発明を実施例により図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。原則として「部」は「質量部」を表す。
弾性体の材料は、NBRとしてDN214(ニトリル分33.5%)(商品名:Nipol DN214、日本ゼオン(株)製)の60部、ポリオキシアルキレンポリマーとしてポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル共重合体(商品名:ゼオスパン8030、日本ゼオン(株)製)の20部、相溶化剤としてエピクロルヒドリンゴム(商品名:エピクロマーH、ダイソー(株)製)の20部、酸化亜鉛5部、ステアリン酸2部、炭酸カルシウム30部、ハイドロタルサイト3部を加圧ニーダーにて混合し、更に、硫黄1部、加流促進剤M(メルカプトベンゾチアゾール)1部、TRA(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)2部、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)2部、キノキサリンXL211部、発泡剤としてADCA(アゾジカルボジアミド)4部、OBSH(オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)12部、同助剤として尿素1部をオープンロールにて混合したものを使用した。
このゴムを押出し成形によってチューブ状に成形した。押出し後のチューブの形崩れはなく、連続成形においてもダイスウェルは安定であり、寸法変動はなかった。このチューブを蒸気加流によって一次加流を160℃にて30分間行い、更に電気炉によって二次加流を160℃にて30分間行って加流物を得た。接着剤を塗布した芯金にこのようにして得られたチューブを圧入し、研磨して直径12mmの弾性ローラを得た。
得られた弾性ローラの抵抗値を図4に示す装置を、弾性ローラの導電性芯金43の両端に各々500gの加重を掛けて、アルミニウムドラム42を回転させながら測定した。44は電流計である。電気抵抗値は、NN環境下24時間放置後、直流電圧2kVの印加で7.82×107Ωであった。又、その1回転中のmax./min.の値は1.05であった。硬度は31.2°asker Cであった。
インライン方式の画像形成装置では、先に述べたように、下流のステーションでは、上流のステーションで与えられた転写電荷によって用紙や転写ベルトがチャージアップしてしまい、同じ転写電流を流すためには転写電圧を高くしなければならず、異常放電による画像不良が発生し易くなっていた。このような現象は、記録材の抵抗が高く、より高い転写電圧が必要とされる両面プリント時やOHTプリント時に特に顕著である。
一例を挙げると、画像形成ステーションによって形成された各色のトナー像を一旦ベルト若しくはドラム形状の中間転写体上で重ね合わせ、最終的にこれらフルカラー画像を記録材に一括転写する中間転写タイプのプリンタにおいて、両面プリント時の転写電圧は約2kVであり、これは電子導電性でもイオン導電性でも、同じような画質を得ることが可能である。これに対し、転写ベルトタイプのインライン方式のプリンタでの両面プリント時の転写電圧は、1色目のステーションでは2kVであり、これで十分であったのが、最終の4色目のステーションでは3kVが必要となる。これは記録材や転写ベルトが1kV分のチャージアップをしていることを示す。
このような電圧で、EPDMに導電剤として導電性カーボンブラックを分散させ、加硫発泡し表面を研磨したタイプの電子導電性の転写ローラを用いると、ローラ上の部分的なリークサイトに放電が集中して、トリアシや水玉等の画像不良が発生してしまう。又、反転現像においては、暗部電位部に相当する非画像部や、非通紙部(特に小サイズ記録材通紙時の非通紙部)には多量の転写電流が流れ込んで、OPC感光体の帯電不良による画像不良が発生する。
これに対し、本実施例で用いた転写ローラでは、最終ステーションで3kVの転写電圧を印加しても、ローラ表面に電気的に微小なリークサイトが存在せず、又、電流〜電圧特性がリニアであることから、転写コントラストが大きい暗部電位部や小サイズ記録材非通紙部に対して電流が過大に流れ込むことがなく、このため、トリアシや水玉等の画像不良や感光体帯電不良による画像不良は発生しなかった。
非通紙部への転写電流の流れ込みを制限するためには、転写部材である転写ローラから見た通紙部と非通紙部のインピーダンスを小さくする必要があり、このため転写ローラの抵抗値を或る程度以上大きく設定する必要がある。従来のような電子導電性の転写ローラの場合には、高圧領域での抵抗値低下があるため、転写ローラに108
Ω程度以上の抵抗値を設定する必要があったが、本実施例のようなイオン導電性の転写ローラの場合には、同様の条件で抵抗値を107Ω以上に設定すれば良い。
尚、実用的な高圧電源(例えば、最大電圧10kV)を用いて転写に必要な電流(例えば、10μA程度)を流すためには、転写ローラの抵抗値は109Ω以下に制限することが望ましい。
以上述べたように、本実施例では、転写ベルトを用いたインライン方式の画像形成装置において、転写部材としての転写ローラに、本実施例のローラを用いた場合、部分的な抵抗ムラが少なく、転写電位コントラストに対して転写電流の変化を少なくできるイオン導電性の材料で形成したので、特に転写電圧が高くなる両面プリント時に、転写で異常放電が発生するのを防ぐことができ、異常放電によるトリアシや水玉等の画像不良を防止することができた。
更に、20万枚の連続通紙耐久を行ったところ、抵抗値は8.80×107Ωであった。そのときの1回転中のmax./min.の値は1.05であり、高抵抗化による異常放電に伴う画像不良や抵抗値ムラによる色ムラ等は発生しなかった。
本実施例は、図1の転写ベルトを用いたインライン方式の画像形成装置において、転写部材としての転写ローラ151〜154を、例えばスポンジのような表面が平滑でない部材を用いることにより、高い転写電圧の印加による画像不良を防止するようにすることができる。以下、必要に応じ図1の装置を用いて本実施例を説明する。
実施例1で述べたように、インライン方式では、記録材がチャージアップすることにより、下流ステーションの転写バイアスを高く設定する必要があり、このために画像不良が発生し易いという問題点を有していた。
両面プリントにおける最大電圧は、インライン方式においても3kV程度であり、イオン導電性の転写部材を用いることによって画像不良を防止することができたが、厚さ方向には殆ど絶縁性であるOHTフィルムに対して必要な転写電圧は6kV以上に達することがある。
これは、OHTフィルムは、一般に表面に抵抗処理を施して、剥離放電に起因する画像不良を防止する手段を採っており、更にOHTのベースフィルムがPET等の絶縁体であり、その厚さも100μm以上あることから、転写に必要な電圧は高くなり、チャージアップも激しく、下流ステーションの転写バイアス、画像不良に対して非常に激しい条件になるからである。
本実施例では、上述したように、転写部材の転写ローラ151〜154としてイオン導電性のスポンジローラを用いることにより、OHTへのプリント時の画像不良を防止するものである。
本実施例では、実施例1と同様なローラを用いて評価した。
このスポンジローラを図1の画像形成装置の第1〜第4ステーションPY〜PKの転写ローラ51〜54として用い、OHTに対する転写に供することにより、OHTへのプリントを行った。OHTプリントモードは、ホストコンピュータからの画像形成装置へのコマンドによって、高圧電源からの転写ローラに印加する転写電圧を切り換えることにより行った。
比較例として、転写ローラ151〜154にEPDMにカーボンブラックを分散した電子導電性のソリッドローラを用い、上流ステーションから順に2kV、3.5kV、5.0kV、6.5kVの転写電圧を印加してOHTへのプリントを行った。その結果、激しい画像飛び散り、非通紙部の紙跡が発生した。
これに対し、本実施例のスポンジローラを用いた場合には、上流ステーションから順に2kV、3.5kV、5.0kV、6.5kVの同じ条件の転写電圧の印加で、OHTに良好な画像を得ることができた。
以上述べたように、本実施例では、転写部材として、イオン導電性で且つ表面が平滑でないスポンジ等の転写ローラを使用することにより、OHTプリントのような高電圧を必要とする転写において、過剰な放電を抑制し、小さい放電を多数発生させて転写電荷を移動させることができ、異常放電に起因するトリアシ、水玉等の画像不良を防止することが可能となった。又、耐久後においても良好な画質を提供することができる。
本発明に係る画像形成装置の実施形態について図を用いて説明する。図2に中間転写方式の画像形成装置の一例として4色のフルカラーレーザービームプリンタの概略構成を示す。
図2に示すように、電子写真感光体である感光ドラム21の周面には、回転方向(矢印R1方向)に沿って順に、帯電器22、レーザ光を感光ドラム1に照射する露光装置23、現像器25〜28、中間転写ベルト29及び感光ドラムクリーナ216が配置されている。
感光ドラム21は、その表面が帯電器22によって負極性に帯電される。帯電された感光ドラム21は、露光手段3の露光Lにより表面に静電潜像が形成される。現像器支持体24に搭載された1色目のイエロートナーが入った現像手段である現像器25によって感光ドラム21上の静電潜像部にトナーを付着させ、トナー像を形成する。
一方、中間転写ベルト29は、2つの支持軸(二次転写対向ローラ212、テンションローラ214)に支持され、矢印R4方向に回転する二次転写対向ローラ212によって矢印R3方向に回転する。中間転写ベルト29に従動回転する一次転写ローラ210に、一次転写電源217から正極性の一次転写バイアスが定電圧で印加されると、感光ドラム21上のトナー像は、一次転写ニップ部N1を介して一次転写される。一次転写後の感光ドラム21は、弾性体ブレードを有する感光ドラムクリーナ216によって表面の一次転写残トナーが除去される。
以上の帯電、露光、現像、一次転写、クリーニング、除電の一連の画像形成プロセスを、各現像器26,27,28に収納された2色目マゼンタ、3色目シアン、4色目ブラックのトナーについても繰り返し行い、中間転写ベルト29上に4色のトナー像を重ねる。
中間転写ベルト29上に転写された4色のトナー像は、二次転写ローラ211により二次転写バイアスが印加されると、二次転写対向ローラ212上の二次転写ニップ部N2を介して転写材P表面に一括して二次転写される。表面に4色の未定着トナー像を担持した転写材Pは、定着器(不図示)に搬送され、定着器により表面のトナー像を定着され、画像形成が完了する。
(一次転写ローラの周期の濃度ムラ)
次に、従来の画像形成装置における、一次転写ローラ210の周方向の抵抗ムラに起因する一次転写ローラの周期の濃度ムラについて詳しく説明する。
中間転写ベルト29と感光ドラム21とが分離する際の異常放電を防ぐため、中間転写ベルト29の抵抗RITBよりも一次転写ローラ210の抵抗RT1を高くしている(RT1/RITB≧1.0)。
その理由は以下の通りと推測される。
即ち、転写電流は一次転写ローラ210から中間転写ベルト29を経て感光ドラム21へ流れるが、電流が局部的に集中しようとすると、一次転写ローラ210と中間転写ベルト29の抵抗による電圧降下の作用で電流を抑制しようとする。
T1/RITB<1.0の場合は、中間転写ベルト29の抵抗RITBが支配的になり電流抑制を行う。但し、中間転写ベルト29の抵抗RITBによる抑制は、感光ドラム21と中間転写ベルト29間の局部的な電流が、集中による放電が開始してから、その作用が発揮されるため異常放電の発生が避けられない。
これに対し、RT1/RITB≧1.0の場合は、一次転写ローラ210の抵抗RT1が支配的になり電流抑制を行う。一次転写ローラ210の抵抗RT1による抑制は、一次転写ローラ210内で行われるため、感光ドラム21と中間転写ベルト29間の局部的な電流が集中による放電そのものを抑制でき、異常放電の発生を防止できる。
このように、中間転写ベルト29と感光ドラム21とが分離する際の異常放電を防ぐ手段として、中間転写ベルト29の抵抗よりも一次転写ローラ210の抵抗を高くした場合には、一次転写部の抵抗としては、一次転写ローラ210の抵抗RT1が支配的となる。従って、一次転写バイアスを定電圧で制御している場合、一次転写ローラ210の周方向の抵抗ムラが一次転写電流のムラとなってしまう。
又、一次転写おいて、3色目以前に中間転写ベルト29上に転写されたトナーは、繰り返される一次転写により、トナーの電荷が正極性に反転することがある。中間転写ベルト29上に転写されたトナーが強く正極性に帯電してしまった場合、負極性に帯電されている感光ドラム21に再転写してしまう。この再転写は、一次転写電流の量に左右されるため、一次転写電流にムラがある場合、再転写の量にもムラが生じてしまう。
再転写量の差は、モノカラー画像においては画像上に見えることはないが、フルカラー画像においては画像上に一次転写ローラ210周期の濃度ムラとなって現れる場合がある。特に、中間転写ベルト29の周長が、一次転写ローラ210の円周長の整数倍になっている場合、中間転写ベルト29に対する一次転写ローラ210の転写位置が、複数回の転写において同一位置となる構成を採っていたため、4回の一次転写で、同じ再転写が同一画像内に重なってしまい、再転写量の差が大きくなり、濃度ムラのレベルが悪化するためである。
1回の一次転写での再転写による濃度ムラは小さいが、2回目以降の一次転写でも同一位置に再転写を受けると、4回の再転写により画像上に一次転写ローラの周期の濃度ムラとして現れてしまう。又、複数色のトナー像を重ねた場合でも同様に、一次転写ローラ210の周方向で転写量に差が生じるため、4回の一次転写で、同じ転写が同一画像内に重なってしまうと、画像上に濃度ムラとして現れてしまう。
中間転写ベルト29として、周長440mm、厚さ80μmのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)の従来の中間転写ベルトと同様の樹脂ベルトを用いた。矢印R4方向に表面速度117mm/秒で回転駆動される二次転写対向ローラ212によって、中間転写ベルト29は矢印R3方向に回転する。
中間転写ベルト29の抵抗RITBは8.00×105[Ω]であり、以下の測定方法により測定した。
具体的には、図5に示すように、矢印R6方向に表面速度117mm/秒で回転する導電ゴムローラ54と、2本のアルミシリンダ52,53に中間転写ベルト29を掛け渡し、矢印R7方向に回転させる。そして、アルミシリンダ23に対向した導電ゴムローラ55の芯金に、電源V1より正極性の直流定電圧+1kVを印加し、アルミシリンダ53の下流に設置された1kΩの測定抵抗R両端の電圧を測定することで電流を求め、中間転写ベルト29の抵抗を算出する。
一方、一次転写ローラには前記実施例1と同様の処方で製造し外径14.01mmのローラを用いた。
抵抗値RT1は7.82×107[Ω]であり、中間転写ベルト29の抵抗RITBよりも2桁以上高いものを用いた。
この結果、4回の再転写による濃度ムラの無い良好な画像を得ることができた。更に、連続耐久20万枚行ったが抵抗値ムラによる濃度ムラや、抵抗値上昇による転写不良等の画像不良は発生しなかった。
(比較例1)
NBRとしてDN214(ニトリル分33.5%)(商品名:Nipol DN214、日本ゼオン(株)製)の85部、エピクロルヒドリンゴム(商品名:Gechron 3106、日本ゼオン(株)製)の15部、酸化亜鉛5部、ステアリン酸2部、炭酸カルシウム30部を加圧ニーダーにて混合し、更に、硫黄1部、加流促進剤M(メルカプトベンゾチアゾール)1部、TRA(ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)2部、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)2部、発泡剤としてADCA(アゾジカルボジアミド)4部、OBSH(オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド)12部、同助剤として尿素1部をオープンロールにて混合したものを使用した以外は実施例1と同様にしてローラを得た。
得られた弾性ローラの抵抗は1.6×108Ωであった。又、その1回転中のmax./min.の値は1.2であった。硬度は33.7°asker Cであった。
上記ローラを転写ローラとして用いる以外は実施例2と同様にして評価したところ、濃度ムラの無い良好な画像を得ることができた。更に、連続耐久15万枚耐久を行ったところ、抵抗値は4.5×109であった。その1回転中のmax./min.の値は1.5を示した。このとき、高抵抗化による転写不良画像、更には画像上に色ムラの画像不良が発生した。
以上の実施例では、何れも転写部材として転写ローラ、つまりローラ状の転写部材を使用した場合を示したが、感光ドラム等の像担持体と対向した部位で転写ベルトの裏面に接触して、高圧電源から印加された転写バイアスにより転写ベルト上の記録材に転写電荷を付与して記録材に像担持体上のトナー像を転写する転写部材ならば、ブラシ、ブレード等の形式のものであっても良い。
本発明は、記録媒体上にカラー画像を形成する画像形成装置に対して有用である。
本発明のインライン方式の画像形成装置の一実施例を示す断面図である。 本発明の中間転写方式の画像形成装置の一実施例を示す断面図である。 本発明の転写ローラの構成を示す模式的断面図である。 導電性弾性ローラの抵抗値測定装置の構成を示した図である。 中間転写ベルトの抵抗の測定方法の説明図である。
符号の説明
17 吸着ローラ
18 転写ベルト
19 定着器
111〜114 感光ドラム
121〜124 帯電ローラ
141〜144 現像器
151〜154 転写ローラ
PY〜PK 画像形成ステーション
2L 露光
N1 一次転写ニップ部
N2 二次転写ニップ部
P 転写材
21 感光ドラム
22 帯電器
23 露光装置
24 現像器支持体
25〜28 現像器
29 中間転写ベルト
210 一次転写ローラ
211 二次転写ローラ
212 二次転写対向ローラ
214 テンションローラ
216 感光ドラムクリーナ
217 一次転写電源
221 芯金
222,223,226 アルミシリンダ
224,225 導電ゴムローラ
31 導電性円柱基材
32 導電性弾性体層
41 導電性弾性ローラ
42 アルミニウムドラム
43 導電性芯金
44 電流計
52,53 アルミシリンダ
54,55 導電ゴムローラ

Claims (8)

  1. 複数色のトナー像をそれぞれ担持する複数の像担持体と、記録材を担持して搬送する無端状の記録材搬送部材と、前記複数の像担持体上の複数色のトナー像を前記搬送部材により搬送される記録材に順次多重転写する、前記搬送部材の裏面側に設置された複数の転写部材とを備えた画像形成装置において、
    前記転写部材を構成する弾性体層が、ポリオキシアルキレン系ポリマーと、極性ゴムとを混合加硫して構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 電子写真感光体と、該電子写真感光体上に複数色のトナー像を形成する複数の現像手段と、前記電子写真感光体上のトナー像が転写される中間転写ベルトと、前記中間転写ベルトの裏面に当接し前記複数色のトナー像のうち、第1色目のトナー像から順次中間転写ベルト上に複数回転写する転写ローラと、を有する画像形成装置において、
    前記転写ローラを構成する弾性体層が、ポリオキシアルキレン系ポリマーと、極性ゴムとを混合加硫して構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 前記ポリオキシアルキレン系ポリマーがポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド−アリルグリシジルエーテル3元共重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記極性ポリマーが少なくともアクリロニトリルブタジエンゴムを含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の画像形成装置。
  5. 前記極性ポリマーが少なくともエピクロルヒドリンポリマー又はエピクロルヒドリン系共重合体を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 前記少なくとも2種の極性ポリマーに相溶化剤を混合することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像形成装置。
  7. 前記極性ポリマーのうちアクリロニトリルブタジエンゴムが海であり、ポリオキシアルキレンポリマーが島を形成する請求項6記載の画像形成装置。
  8. エピクロルヒドリンホモポリマーを相溶化剤として用いることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
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