JP2005214151A - 発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般住宅や集合住宅あるいはビル等の建築物の自家発電用の発電装置として使用できるコンパクトで安価且つ発電効率に優れる発電装置を提供すること。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明の発電装置1は、高所から低所に落下する流体Wの流れを使用して所望の発電力を得る装置であって、縦に長いループ状の流体搬送経路3を有し、流体搬送経路3上を搬送される流体Wの重量と、落下する流体の加速度を利用して発電に必要な動力を得るようにしている。また流体搬送経路3は、上下に配置した一対のスプロケット5、7と、これらの間に巻回される無端体9と、無端体9に対して等間隔に取り付けられる複数のバケット11とから構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高所から低所に落下する流体の流れを利用して所望の発電力を得る発電装置に係り、特に一般住宅や集合住宅あるいはビル等の建築物の自家発電用に好適な発電装置に関するものである。
従来から水力発電による発電施設に見られるように高所から低所に落下する水の流れを利用して、直接タービンを回転させて発電する発電装置は広く使用されている。
また水車に見られるように川の流れを利用して水車を回転させ、その回転力を動力にして例えば粉を碾くという試みも古くから行われている。
しかし水力発電施設は大きな川の上流において川をダムによってせき止めて発電に必要な所望の水量を得るものであって、市街地に設けられる一般住宅やビル等の建築物の自家発電用の発電装置として使用することは、ほとんど不可能である。
また、水力発電では、高所から低所に流れる水の勢いのみを利用して発電しており、所望の発電量を得るには、大量の水と、大きな高低さが必要であり、発電装置を設置するコストも多額に及び現実的でない。
また水車も川の流れを利用しており、市街地に設けられる一般住宅やビル等の建築物に設けるのは不向きであり、川の流れによって得られる水車の回転では低速であり、安定しないため発電装置に利用することは困難である。
本発明は、このような背景技術及び背景技術が抱えていた問題点を踏まえてなされたものであって、一般住宅や集合住宅あるいはビル等の建築物の自家発電用の発電装置として使用できるコンパクトで安価且つ発電効率に優れる発電装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、高所から低所に落下する流体の流れを利用して所望の発電力を得る発電装置において、縦に長いループ状の流体搬送経路を有し、流体搬送経路上を搬送される流体の重量と、落下する流体の加速度とを利用して発電に必要な動力を得るようにしたことを特徴とする発電装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発電装置において、流体搬送経路は、上下に配置した一対のスプロケット間に巻回される無端体と、無端体に対して等間隔に取り付けられる複数のバケットとを備えており、高所に位置するバケット内に流入した流体が流入する流体の勢いと重力によって低所に順次移動することによって所望の加速度を得るようにしたことを特徴とする発電装置である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発電装置において、流体搬送経路の上方には流体搬送経路に所望流量に調整された流体を供給する高所調整槽が設けられ、一方、流体搬送経路の下方には搬送された流体を貯留する低所貯留槽が設けられていることを特徴とする発電装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発電装置において、高所調整槽と低所調整槽との間には、流体の帰還経路が形成されており、帰還経路の途中には低所貯留槽に貯留された流体を高所調整槽まで汲み上げるポンプが設けられていることを特徴とする発電装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発電装置において、ポンプを駆動するための電力は当該発電装置によって発電した電力、または他の発電装置によって発電した電力であり、これらとポンプとの間に設けられる電力切換え装置を適宜切り換えることによって所望の供給電力を選択して使用するようにしたことを特徴とする発電装置である。
本発明の発電装置によれば、極めてコンパクトで安価且つ発電効率に優れる発電装置を提供でき、一般住宅や集合住宅あるいはビル等の建築物等への設置が可能となる。また風力発電やソーラー電池等を利用した発電装置と組み合わせれば、更に大きな発電量を得ることができる。
以下、図示の実施例を例にとって、本発明の発電装置を実施するための最良の形態について説明する。図1は本実施例に係る発電装置の概略を示す説明図である。また図2〜4は設置基数及び配設態様を異ならせた他の種々の形態を示しており、図2は流体搬送経路を上下2段に構成したもの、図3は流体搬送経路を対向するように2基設け、同一の高所調整槽から流体を供給するようにしたもの、図4は更に流体搬送経路を放射状に増設したものを示す説明図である。
本実施例に係る発電装置1は、縦に長いループ状の流体搬送経路3を有し、流体搬送経路3上を搬送される流体W(本実施例では水Wを使用していることから、以下水Wという)の重量と落下する水Wの加速度とを利用して発電に必要な動力を得るようにしている。
流体搬送経路3は、上部に配置した入力スプロケット5と、下部に配置した出力スプロケット7と、これら一対のスプロケット5、7間に巻回される無端体としてのチェーン9と、チェーン9に対して等間隔に取り付けられる複数のバケット11とを備えている。
バケット11は上面が開放された漏斗状の容器であり、水Wを受け取り、高所から低所に搬送する降下経路(図1中、下向きの矢印で示す右側の経路)13では、収容した水Wが零れないように、開放した上面を上にした水平姿勢を保って降下する。
また降下経路13の下端には、出力スプロケット7に対する巻回部である半ループ状の下部切換え経路15が連接されていて、更に降下経路13の背面に位置する上昇経路(図1中、上向きの矢印で示す左側の経路)17を経て、下部切換え経路15と対向する位置にある同じく半ループ状の上部切換え経路19に至り、降下経路13の上端に連接されている。
従って降下経路13の上部において水Wを受け取ったバケット11は重力によって低所に順次移動し、加速度を増して降下して行く。バケット11の降下速度は降下経路13に位置する全てのバケット11内に水Wが収容された状態で最速となり、以後その速度を保って高速循環する。尚バケット11の速度を更に高めるには、流体搬送経路3を縦に長くするか、バケット11の数や容量を増やすようにする。
流体搬送経路3の上方には、流体搬送経路3に所望流量に調整された水Wを提供する高所調整槽21が設けられている。尚、後述するポンプ23あるいはポンプ23から延びる帰還経路25において流量調整装置等が設けられている場合には高所調整槽21が必須の構成とはならないが、ポンプ23から汲み上げられる水Wに派動等がある場合や水Wの流量に急激な変化等があった場合にも対応できる点、設置することが望ましい。
高所調整槽21には降下経路13の上部に到達したバケット11に水Wを提供するための供給経路27が設けられている。本実施例では2本の供給経路27が設けられており、その各々に流量調整機能を備えたバルブ29が設けられている。
また流体搬送経路3の下方には、バケット11によって搬送された水Wを受け取り、貯留する低所貯留槽31が設けられている。低所貯留槽31内に貯留された水Wはポンプ23によって汲み上げられ、帰還経路25を辿って高所調整槽21まで搬送される。従って本発明の発電装置1に使用される水Wは循環して繰り返し使用されるが、水分蒸発等の損失分が生じた場合には、その損失分だけ新たな水Wを補給するようにする。
本実施例では帰還経路25における高所調整槽21側の端部にもバルブ33が設けられている。またポンプ23及び帰還経路25は必須の構成ではなく、例えば高所調整槽21の更に上方から水Wの供給が受けられる場合には省略することも可能である。
またポンプ23を駆動するための電力は本実施例に係る発電装置1によって得られた電力の一部を使用することも可能であるが、商用電力35や風力発電装置37、あるいはソーラーモジュール発電装置39等の他の発電装置によって得られた電力を使用することも可能である。
本実施例では、これらの各種電力を切り換える電力切換え装置41を設けており、電力切換え装置41を時間、天候等の条件に合わせて適宜切り換えることによって所望の電力を選択できるようになっている。
一方、出力スプロケット7の出力軸43には、出力スプロケット7の出力軸43の回転数を増速する増速機45が接続されている。増速機45によって増速された増速機45の出力軸の回転は、発電機47に伝達され発電が行われ、電圧調整器49によって所望の電圧に調整された後、使用電力として出力される。
一例としてポンプ23の揚程を5メートルとし、電気容量を電圧100ボルトで消費電力250ワットに設定し、本発明の発電装置1によって発電される電力を5キロワットとすると、ポンプ23を商用電力のみによって駆動した場合には、5キロワットから250ワットを差し引いて、4750ワットの使用電力が出力される。
一般家庭では通常40アンペア、100ボルトで4000ワットあれば十分と考えられるから、上記使用電力によって十分賄うことが可能である。また1日中、上記使用電力を得るための発電をしなくてもよい時には、適宜商用電力に切り換えて運転することも可能であるし、上記使用電力を超える電力が必要な場合にはポンプ23の容量、発電機47の容量及びバケット11の容量等を更に大きなものに変更して対応することも可能である。
以上、本発明を実施するための最良の形態、その具体的実施例について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの形態や実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、図2に示すように流体搬送経路3を上下2段に設け、上方の流体搬送経路3で使用した水Wをそのまま下方の流体搬送経路3において使用する構成を採用することも可能である。また3段、4段と更に段数を増やすことも勿論可能である。
また図3に示すように流体搬送経路3を2基並設し、同一の高所調整槽21からの水Wの供給を受けて、2基同時に駆動することも可能である。図4は流体搬送経路3を上方から視て放射状に複数基配設し、図3と同様、同一の高所調整槽21から水Wを供給し、これら複数の流体搬送経路3を一挙に駆動するようにしたものである。
このように流体搬送経路3を複数基設け、図3に示すようにその各々から発電され電力が得られる場合には、これらの電力の総和が使用電力となり、更に大きな電力が得られるようになる。
この他、チェーン9と、入力スプロケット5ないし出力スプロケット7との摩擦損失等を小さくすれば更にチェーン9の回転を早くすることが可能であるから、マグネット等を利用した非接触式のリニアモータによってループ状の流体搬送経路3を形成することも可能である。また集合住宅やビル等の建築物には、各部屋に一定水圧の水Wを供給するために、貯水タンクが屋上に設けられることが多いから、この既存の貯水タンクの水Wを発電装置1に利用できる場合には、既存設備の有効利用が図られる。
実施例1に係る発電装置の概略を示す説明図である。 流体搬送経路を上下に2段配設した形態を示す説明図である。 流体搬送経路を対向するように2基設け、同一の高所調整槽から流体を供給するようにした形態を示す説明図である。 同上、流体搬送経路を放射状に増設した形態を示す説明図である。
符号の説明
1 発電装置 3 流体搬送経路
5 入力スプロケット 7 出力スプロケット
9 チェーン(無端体) 11 バケット
13 降下経路 15 下部切換え経路
17 上昇経路 19 上部切換え経路
21 高所調整槽 23 ポンプ
25 帰還経路 27 供給経路
29 バルブ 31 低所貯留槽
33 バルブ 35 商用電力
37 風力発電装置 39 ソーラーモジュール発電装置
41 電力切換え装置 43 出力軸
45 増速機 47 発電機
49 電圧調整器
W 水(流体)

Claims (5)

  1. 高所から低所に落下する流体の流れを利用して所望の発電力を得る発電装置において、縦に長いループ状の流体搬送経路を有し、流体搬送経路上を搬送される流体の重量と、落下する流体の加速度とを利用して発電に必要な動力を得るようにしたことを特徴とする発電装置。
  2. 請求項1に記載の発電装置において、流体搬送経路は、上下に配置した一対のスプロケット間に巻回される無端体と、無端体に対して等間隔に取り付けられる複数のバケットとを備えており、高所に位置するバケット内に流入した流体が流入する流体の勢いと重力によって低所に順次移動することによって所望の加速度を得るようにしたことを特徴とする発電装置。
  3. 請求項1または2に記載の発電装置において、流体搬送経路の上方には流体搬送経路に所望流量に調整された流体を供給する高所調整槽が設けられ、一方、流体搬送経路の下方には搬送された流体を貯留する低所貯留槽が設けられていることを特徴とする発電装置。
  4. 請求項3に記載の発電装置において、高所調整槽と低所調整槽との間には、流体の帰還経路が形成されており、帰還経路の途中には低所貯留槽に貯留された流体を高所調整槽まで汲み上げるポンプが設けられていることを特徴とする発電装置。
  5. 請求項4に記載の発電装置において、ポンプを駆動するための電力は当該発電装置によって発電した電力、または他の発電装置によって発電した電力であり、これらとポンプとの間に設けられる電力切換え装置を適宜切り換えることによって所望の供給電力を選択して使用するようにしたことを特徴とする発電装置。
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