JP2005213389A - ポリオレフィン系樹脂組成物とその成形品 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂組成物とその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】
層状無機化合物とポリオレフィン系樹脂との樹脂組成物であって、それより得られる成形品が従来品に見られない耐熱性、機械的物性等に優れた該樹脂組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に層状無機化合物0.01〜20重量部を該ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の軟化点以下で、均一層流により混合し、該均一層流の周速度が10m/Sec以上の一定の周速度で、10秒以上攪拌分散して得られる、成形後の成形物の透明度及び強度の高いポリオレフィン系樹脂組成物、及びその製造方法。

Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂を改質するため層状無機化合物を一定スピ−ドの均一層流周速度により攪拌分散することで、それから得られる成形品が従来品に見られない透明性、耐熱性、機械的物性等に優れた物性を有するものとなるポリオレフィン系樹脂組成物及びその組成物の製造方法に関するものである
近年、熱可塑性樹脂中に有機処理層状無機化合物を配合した、所謂ナノコンポジットが開発検討されている。
ナノコンポジットは、少量の有機処理した層状無機化合物を熱可塑性樹脂へ配合することで、従来法による無機フィラ−を熱可塑性樹脂に充填して得られる複合材料に比較して、より高い弾性率や引張強度等の機械的物性が向上した熱可塑性樹脂組成物が得られることが記載されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4参照)。
即ち特許文献1には、「粒径が5μm以下、アスペクト比が50以上5000以下の無機層状化合物と樹脂を含むことを特徴とする樹脂組成物またはそれよりなるフィルム」が記載され、無機層状化合物が溶媒に膨潤、へき開したものを用いること、樹脂が高水素結合性樹脂(ポリビニルアルコールまたは多糖類)であることがそれぞれ記載され、特許文献2には「層状化合物に有機カチオンを接触させる工程と、その接触させたものを有機溶媒で膨潤化する工程と、その膨潤化したものを分散樹脂組成物と混練する工程とを有することを特徴とする無機質フィラー含有樹脂組成物の製造方法」が記載され、有機カチオンが4級アンモニウム塩類またはアミノ酸類の正電荷有機化合物であること、分散樹脂組成物が結晶性ポリマー(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、非結晶性ポリマー(エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン共重合体等)であり、混練機としてバンバリーミキサー、2軸押出機等を用いることがそれぞれ記載され、特許文献3には「(a)結晶性熱可塑性樹脂100重量部に対して、(b)層状珪酸塩0.01〜11重量部を含有する樹脂組成物であって、該層状珪酸塩が分子レベルで分散された結晶核であり、該結晶核の長径と短径の比で表されるアスペクト比が20以上であることを特徴とする結晶性熱可塑性樹脂組成物。」が記載され、結晶性熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂であること、層状珪酸塩が膨潤剤で処理されたものであることがそれぞれ記載され、特許文献4には「官能基を含有するポリオレフィン系オリゴマー(A成分)と、前記A成分の官能基に水素結合した有機化層状粘土鉱物(B成分)と、前記A成分及びB成分を分散させたポリオレフィン樹脂のマトリクス(C成分)よりなる粘土複合材料であって、前記官能基の含有量が前記A成分に対して0.001mmol/g以上で、かつ、0.45mmol/g以下であることを特徴とする粘土複合材料。」が記載され、「前記のB成分と、熱溶融状態である前記のA成分と、熱溶融状態である前記のC成分とを、同時に、あるいは任意の順序で経時的に、剪断力を伴う混合手段によって混合する粘土複合材料の製造方法であって、その際、官能基の含有量がA成分に対して0.001mmol/g以上で、かつ、0.45mmol/g以下である前記A成分を用いることを特徴とする粘土複合材料の製造方法。」が記載されている。
特開平6−93133号 特開平8−302062号 特開平9−183910号 特開平10−182892号
上記の特許文献1〜4にみられるように、従来の無機化合物と樹脂とからなる組成物は、層状無機化合物を溶媒で膨潤させたり(特許文献1)、層状無機化合物を有機カチオンと接触させ、次いで有機溶媒で膨潤化するもの(特許文献2)、層状化合物が溶媒により膨潤化させ或いは層状化合物が膨潤剤で処理されたもの(特許文献3)、或いは官能基を有する樹脂(A)と、該官能基に水素結合した有機化層状粘土鉱物(B)及び前記(A)と(B)を分散させたオレフィン樹脂のマトリクス(C)からなる特定の粘土複合材料であり、A成分、B成分及びC成分を剪断力を伴う混合手段により粘土複合材料を製造するもの(特許文献4)であり、前記の溶媒等により膨潤するものでは、その操作工程を複雑にすると共に、層状化合物を有機溶媒に分散させて溶融した樹脂を注入混合することは作業上危険があり、又層状化合物を膨潤して樹脂融点以上に放置すると凝集が生じるおそれがある上に、高温度の操作が必要なポリオレフィン(ポリエチレンやポリプロピレン)には不適当な方法である。
上記の通り、従来の方法である上記の特許文献1〜4の様な層状無機化合物を溶媒で膨潤させたり、有機溶媒に熱可塑性樹脂を分散して両者を配合する方法は操作が複雑なものとなるし、又得られるポリエチレンやポリプロピレン組成物から製造された成形品は満足のいく性質のものは得られない、という課題を有するものであった。
本発明者等は前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、層状無機化合物とポリオレフィン系樹脂の混合(配合)条件を特定することにより前記の課題が一挙に解決できることを見出したのである。
そして、従来の、樹脂と添加剤の混合(配合)では、最も汎用な高速混合機としてヘンシェルミキサ−が使用されているが同装置では混合物が、(イ)容器側面に沿い一定周速度で攪拌されながら容器内側面に沿い持ち上げられた後に、(ロ)上部まで持ち上げられた混合物は容器底面に落下するというサイクルの混合操作が行われており、即ち、ヘンシェルミキサ−では、混合速度が(イ)及び(ロ)の2種からなり、この操作条件で得られるポリオレフィン系樹脂組成物では、それから得られる成形品の物性が劣るものとなることが判明した。そこでこれを改善すべく、本発明では、混合条件を検討した結果、従来法にはない以下に詳述する新しい操作条件により、ポリオレフィン系樹脂への少量の層状無機化合物の配合で、従来品に見られない透明性、機械的物性等に優れた成形品が得られるポリオレフィン系樹脂組成物を得ることができるという知見を得、本発明に到達したものである。
即ち、本発明は(1)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に層状無機化合物0.01〜20重量部を該ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の軟化点以下で、均一層流により混合し、該均一層流の周速度が10m/Sec以上の一定の周速度で、10秒以上攪拌分散して得られる、成形後の成形物の透明度及び強度の高いポリオレフィン系樹脂組成物、(2)層状無機化合物がモンモリロナイトである1記載のポリオレフィン系樹脂組成物、(3)ポリオレフィン系樹脂が低密度ポリエチレンである1記載のポリオレフィン系樹脂組成物、(4)ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンである1記載のポリオレフィン系樹脂組成物、(5)1、2、3または4記載のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られる成形品、(6)フィルム成形品である5記載の成形品、及び(7)ポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に層状無機化合物0.01〜20重量部を該ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の軟化点以下で、均一層流により混合し、該均一層流の周速度が10m/Sec以上の一定の周速度で、10秒以上攪拌分散することを特徴とする、成形後の成形物の透明度及び強度の高いポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法、に関するものである。
以下の実施例に示す通り、各実施例で得られる本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、多量の無機フィラ−を配合した従来品(各比較例に記載)に比較し、少量の層状無機化合物を配合することで、従来品と変わらぬ弾性率や引張り強度等機械的強度が向上した樹脂組成物が容易に得られるのである。
しかも、本発明では、少量の層状無機化合物を配合することにより、添加剤未配合の所謂ナチュラル樹脂よりも透明性が向上するという、優れた効果が発揮されている。
従って、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を用いてフィルム成形品を製造した場合には、透明性の良好な、引張り強度等が優れた製品が容易に得られる。
本発明で使用するポリオレフィン系熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、プロピレン単独重合体などが挙げられる。
本発明で使用する層状無機化合物としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スチ−ブンライト、ノントロナイト等のスメクタイト、バ−ミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカ等が挙げられ、これらについて天然品、合成品を問わず使用できる。
層状無機化合物の平均粒径は、0.5〜20μmである。0.5μmより小さいとオレフィン系熱可塑性樹脂との攪拌配合の際に操作性が低下する、また、20μmより大きいと分散性が低下し本発明の満足する効果が得られず好ましくないので、通常この範囲のものが用いられる。この範囲の平均粒径のものを用いることにより、得られる本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の透明性及び機械的物性が向上する。尚、平均粒径の測定には、日機装社製マイクロトラック粒子径分布測定装置を使用して、メディアン径を測定した。
本発明において、層状無機化合物の使用量は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部とする。0.01重量部より少ないと、本発明の満足する効果が得られないし、又、20重量部より多いと樹脂物性が低下するので好ましくない。
本発明においては均一層流により混合するが、その際、使用するポリオレフィン系熱可塑性樹脂の軟化点(JIS−K−7206に準拠し測定)以下で処理する。該軟加点以上で攪拌分散すると、層状無機化合物の均一な分散物が得られない状態で、塊(ゲル)状となり易く好ましくない。
本発明は、ポリオレフィン系樹脂と層状無機化合物との攪拌分散において、本発明で特定する均一層流周速度を採用することで、優れた効果を発揮するポリオレフィン系樹脂組成物が得られることを見出したのである。
図1は混合機の混合槽の層流混合における混合流の周速の状況を示す模式図であり、図中、矢印は混合物の流れ、Aは混合槽の内周の周速、Bは混合槽の外周の周速、Cは混合槽、Dは混合羽根、Eは羽根の動き、Lは混合羽根の直径を示す。
本発明で用いる均一層流周速度は、図1に示す混合機での層流による混合において、混合羽根を回転して内周Aと外周Bの間で遠心力により混合物を層状に流動して混合するとき、該混合羽根(の直径L)の回転による遠心力によって生ずる周速が一定以上になると、混合槽のA点での内周速とB点での最外周速の差が小さく、均一層流となって流れるので、これを均一層流と言い、その周速は次式で示される。
周速(m/sec)=羽根の直径L(m)×π×回転数(rpm)÷60
本発明で使用する均一層流周速度の得られる混合機としては、数種類の混合機が挙げられるが、最も汎用な装置として米国特許3266738号に基づくもので米国 DRAISWERKE社製のモデルGシリ−ズ装置、同モデルGSシリ−ズ装置が挙げられる。
これらの混合機(装置)は、いずれも攪拌軸及び円筒形の槽を基盤に対して横向きに設置した所謂横型ミキサ−であり、一定スピ−ドの均一層流の周速度が容易に得られる。
更に、モデルGシリ−ズの混合機では、投入口が混合機上部に設置されたホッパ−型であり、最初から一定スピ−ドの均一層流周速度が容易に得られるので好ましい。
尚、攪拌軸及び円筒形の槽が基盤に対して縦型である縦型ミキサ−の場合でも、一定スピ−ドの均一層流の周速度が得られる様に設計されたものであれば良く、例えば、ヘンシェルミキサ−の様な筒形槽が縦に設置された場合でも、円筒槽の内側面のみを使用して一定スピ−ド均一層流速度からなる周速度に調整して攪拌分散できれば、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、容易に得ることができるものである。
これらの混合機(装置)は図1に示す撹拌混合機構により混合物が撹拌分散される。
本発明はポリオレフィンと層状無機化合物の攪拌混合には一定スピ−ドの均一層流の周速度を用いる。該周速度は、10m/Sec以上であり、該周速度で10秒以上撹拌混合する。これにより、成形物に成形した際に透明性、機械物性等に優れたポリオレフィン系樹脂組成物が容易に得られるのである。
この際に、10m/secより小さいと満足な攪拌効果が得れず、本発明の物性効果の良好なポリオレフィン系樹脂組成物は得られない。
撹拌時間は10秒以上である。これ以下では目的とする組成物は得られない。一般には10秒以上好ましくは3分〜10分間であるが、目的とする組成物が得られる限り、限定されるものではない。
本発明の一定スピ−ドの均一層流の周速度に特定して得られた本発明の層状無機化合物とポリオレフィン系樹脂組成物は、層状無機化合物を未配合の所謂ナチュラル樹脂と比較してもその透明度が優れており、貯蔵弾性率に示される機械的物性も良好な数値を示している。
従って、この様にして得られた本発明品は、この特徴を生かした各種成形品の用途に使用可能であり、特にフィルム成形品として最適である。
又本発明は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に層状無機化合物0.01〜20重量部を該ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の軟化点以下で、均一層流により混合し、該均一層流の周速度が10m/Sec以上で、10秒以上攪拌分散することを特徴とするポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法である。
本発明の製造法では、均一層流周速度を特定することで、攪拌分散に優れた効果が発揮され、従来法による混合によって樹脂に無機化合物(フィラ−)を混合機を配合した場合に比較して、少量の無機化合物の配合により透明性と機械的物性の向上が計られるものである。
層状無機化合物としてモンモリロナイトを用いたポリオレフィン系樹脂組成物は、層状無機化合物のモンモリロナイトが非常に分散性に富んでおり、透明性と機械的強度が向上するので好ましい。
層状無機化合物のモンモリロナイトは本来非常に分散性が悪いが、うまく分散させることによってのみ好ましい物性が得られる材料である。この分散を好くするために従来の特許文献に記載されているような複雑な操作が行われているものであるが、本発明ではその前処理なしに分散させることが出来るという点でも特徴を有するものである。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、ポリプロピレンを使用するものでは、層状無機化合物と容易に配合でき、従来、多量生産が困難であるとされたポリプロピレンに層状無機化合物が容易に配合可能となるのである。これにより、透明性、機械的物性等が非常に向上した製品が得られる。
又、ポリオレフィン系樹脂組成物が、低密度ポリエチレンであるポリオレフィン系樹脂組成物もまた得られる。
従来、多量生産が困難であるとされていた低密度ポリエチレンに層状無機化合物を容易に配合でき、透明性と機械的物性が著しく向上した製品が得られる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られる成形品は、透明性、機械的物性に優れている。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られるフィルム成形品は、透明性に優れており、特に低密度ポリエチレンを使用したフィルム(シ−ト)成形品の製造に最適である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、使用目的に応じ各種成形品を製造する際に、必要に応じて押出機や射出成形機等を使用して成形加工を行うことができる。
尚、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を製造の際に、その特徴を損なわない程度で各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等安定剤を配合することができる。また、剛性、耐熱性等を向上するために必要に応じて、シリカ、炭酸カルシウム等を配合することができる。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において部と記載されているものは重量部を表す。
〔測定方法〕
得られたポリオレフィン系樹脂組成物について、下記の(1)透明性及び(2)貯蔵弾性率について測定した。
(1)透明性(防曇性)
本発明に関連するポリオレフィン系樹脂組成物を230℃、3分間加熱して、厚さ1mmの測定用試料を作成する。
該試料を用い、直読ヘ−ズメ−タ(東洋精機製作所製)を使用して、HAZE値をJIS−K−7136−1に準じて測定し、透明性を調べる。
(2)貯蔵弾性率
本発明に関連するポリオレフィン系樹脂組成物を230℃、6分間加熱して、厚さ0.5mmの測定用試料を作成する。
該試料を用い、動的粘弾性測定装置(パ−キンエルマ−社製:DMA−7)を使用して、JIS−K−7244−4の引っ張り試験に準じて測定し、弾性率を算出した。
実施例1
MFR5g/10分(JIS−K−7210に準拠)、軟化点100.2℃(JIS−K−7206に準拠)の低密度ポリエチレン(宇部ポリエチレン社製商品:F522N、3mm径ペレット)100部、平均粒径7.4μmの有機化未処理モンモリロナイト(Sud Chemie社製商品:OPTIGEL CL)5部を、混合機として容量5リットル横型ミキサー(米国DRAISWERKE社製:G5シリーズ)を使用しホッパー口より投入し、混合条件として、混合機の一定の周速度の中心(均一層流の周速度に相当)を10m/secとして5分間攪拌分散して、粉末状の樹脂組成物を得た。
実施例2
使用の混合機を、攪拌羽根が底部材に平行に取り付けられた縦型の円筒槽で一定スピードの周速度が得られる混合機とし、混合条件として、混合機の一定の周速度の中心を26m/secとして5分間攪拌した以外は実施例1と同様にして、塊状の樹脂組成物を得た。
実施例3
実施例1に於いて、混合条件の周速度を40m/secとした以外は実施例1と同様にして、塊状ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
実施例4
実施例1に於いて、混合条件の周速度を90m/secとした以外は実施例1と同様にして、塊状ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
実施例5
実施例3において、層状無機化合物の使用量を0.01部にした以外は実施例3と同様にして塊状のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
実施例6
実施例3において、層状無機化合物の使用量を20部にした以外は実施例3と同様にして塊状のポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
実施例7
実施例3に於いて、混合条件の攪拌時間を1分間にした以外は実施例3と同様にして、粉末状ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
実施例8
実施例3に於いて、混合条件の攪拌時間を3分間とした以外は実施例3と同様にして、塊状ポリオレフィン系樹脂組成物の塊状物を得た。
実施例9
実施例3に於いて、混合条件の攪拌時間を10分間とした以外は実施例3と同様にして、塊状ポリオレフィン系樹脂組成物の塊状物を得た。
実施例10
MFR5g/10分、軟化点100.2℃の低密度ポリエチレン(宇部ポリエチレン社製商品:F522N、3mm径ペレット)100部、平均粒径11.7μmの有機化未処理マイカ(コープケミカル社製商品:ソマシフME−100)5部を、実施例1で使用の混合機を用いて、混合条件として、混合機の一定スピードの周速度の中心を40m/secとして5分間攪拌分散して、塊状ポリオレフィン系樹脂組成物を得た。
実施例11
MFR20g/10分、軟化点159.9℃のポリプロピレン(出光石油化学社商品:J2000GP、3mm径ペレット)100部、平均粒径7.4μmの有機化未処理モンモリロナイト(Sud Chemie社製商品:OPTIGEL CL)5部を、実施例1で使用の混合機を用いて、混合条件として、混合機の一定スピードの周速度の中心は40m/secとして、5分間攪拌分散して、ポリオレフィン系樹脂組成物の塊状物を得た。
比較例1
MFR5g/10分、軟化点100.2℃の低密度ポリエチレン(宇部ポリエチレン社製商品:F522N、3mm径ペレット)100部、平均粒径7.4μmの有機化未処理モンモリロナイト(Sud Chemie社製商品:OPTIGEL CL)5部を、混合機として東洋精機社製ラボプラストミル(バンバリーミキサーに類似)を使用し、周速度0.2m/secで5分間攪拌分散して、塊状の混合物を得た。
比較例2
実施例3で記載の低密度ポリエチレン及びモンモリロナイトを、混合機に汎用の攪拌羽根を使用のヘンシェルミキサーの側面周速度40m/secで60分間攪拌分散して、混合物を得た。
比較例3
実施例3において、モンモリロナイトを使用しない、所謂ナチュラル樹脂に対して、実施例3と同じ操作を行って塊状樹脂を得た。
比較例4
実施例3において、モンモリロナイトの使用量を0.005部とする以外は、実施例3と同じ操作を行って、塊状の混合物を得た。
比較例5
実施例3において、モンモリロナイトの使用量を25部とした以外は、実施例3と同じ操作を行い、塊状の混合物を得た。
比較例6
実施例11において、モンモリロナイトを使用しない、所謂ナチュラル樹脂に対して、実施例11と同じ操作を行って塊状樹脂を得た。
比較例7
実施例11において、モンモリロナイトの使用量を0.005部とする以外は、実施例11と同じ操作を行って、塊状の混合物を得た。
比較例8
実施例11において、モンモリロナイトの使用量を25部とする以外は、実施例11と同じ操作を行って、塊状の混合物を得た。
実施例及び比較例で得られた組成物の物性を以下の表1に示す。
Figure 2005213389
上記表1の結果から明らかなように、本発明の撹拌方法により、少量の無機化合物の配合で、無機フィラ−を多量に配合して得られる機械物性が容易に得られ、しかも、透明性に優れたポリオレフィン系樹脂組成物であることが分かる。
混合機での混合槽の層流混合における周速の状況を示す模式図である。
符号の説明
矢印:混合物の流れ
A :混合槽の内周の周速
B :混合槽の外周の周速
C :混合槽
D :混合羽根
E :羽根の動き
L :羽根の直径

Claims (7)

  1. ポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に層状無機化合物0.01〜20重量部を該ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の軟化点以下で、均一層流により混合し、該均一層流の周速度が10m/Sec以上の一定の周速度で、10秒以上攪拌分散して得られる、成形後の成形物の透明度及び強度の高いポリオレフィン系樹脂組成物。
  2. 層状無機化合物がモンモリロナイトである請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  3. ポリオレフィン系樹脂が低密度ポリエチレンである請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  4. ポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンである請求項1記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
  5. 請求項1、2、3または4記載のポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られる成形品。
  6. フィルム成形品である請求項5記載の成形品。
  7. ポリオレフィン系熱可塑性樹脂100重量部に層状無機化合物0.01〜20重量部を該ポリオレフィン系熱可塑性樹脂の軟化点以下で、均一層流により混合し、該均一層流の周速度が10m/Sec以上の一定の周速度で、10秒以上攪拌分散することを特徴とする、成形後の成形物の透明度及び強度の高いポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法。
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