JP2005211810A - 集塵体およびこれを搭載した電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】塵埃を含んだ空気を吸引し、所定の粒子径の塵埃を集塵する集塵袋において、塵埃を分離後に前記集塵袋を通過する空気中に含まれるアレルゲン性物質を少なくすること。
【解決手段】集塵袋(集塵体)6の表面に形成された分離フィルター10に、アレルゲン15を不活性化するアレルゲン不活化材であるポリビニルフェノール11を設けることで、簡単かつ効率的にアレルゲン15の不活化をおこなうことができ、集塵袋6を通過する空気中に含まれるアレルゲン量を低減する、衛生的な集塵袋6が提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用の電気掃除機などに使用する集塵体に関するもの、特に塵埃中に含まれるアレルゲン性物質の不活性化機能を有する集塵体に関するものである。
ダニやカビが家屋に生存するということは古くから知られている。しかし、近年、これらの生物粒子がアレルギー性疾患の原因となっていることが示唆されている。そして、これらの生物粒子およびダニの糞にたいしてアレルゲン性を失活させる掃除機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に記載された従来の電気掃除機の構成図である。図8において、床、絨毯などのアレルゲン性物質(以下、アレルゲンと称す)を含む塵埃を含む空気は、送風機1のはたらきで吸気口2から集塵袋3にはいる。そして、塵埃4がイオン発生器5の横を通過するときにイオン発生器5から発生したプラスイオンおよびマイナスイオンの働きにより不活性化されるというものであった。
また、集塵袋としては、ダニなどの害虫忌避材、殺虫材等を有するものはあったが、アレルゲン自体を不活化するものではなかった(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−153831号公報 特開昭61−280830号公報
上記従来の電気掃除機においては、通過する塵埃を直接不活性化させるというものであり、吸引したゴミの量、大きさなどの変化がある場合には充分な処理性能が得られない場合があるという課題を有していた。また、害虫忌避材、殺菌材等を有する集塵袋においてはダニを殺滅するものであり、アレルゲン自体の不活化がなされるものではなかった。
本発明は上記課題を解決するもので、簡単かつ効率的にアレルゲンの不活化をおこない、外部に排出される、または外表面に付着するアレルゲン量を低減できる集塵体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、収集した空気から塵埃を分離する分離フィルターをその表面の一部に有する集塵体において、前記分離フィルターにアレルゲン性物質を不活性化する不活化材を有する構成としている。
本発明の集塵体は、吸引した空気から塵埃を分離する分離フィルターに、収集した塵埃に含まれるアレルゲン性物質を不活性化する不活化材を有することで、簡単かつ効率的アレルゲンの不活化をおこなう集塵体を提供することができる。
第1の発明は、アレルゲン性物質を不活化するアレルゲン不活化材を配設した構成としている。この構成により、収集した塵埃中のアレルゲン性物質(以下、アレルゲンと称す)はアレルゲン不活化材と近い位置に存在することになるので、アレルゲン不活化材とアレルゲンの接触確率を向上することができる。よって、効率的に不活化されるので、集塵体を通過した空気中に放出されるアレルゲン量が減少し、衛生性を向上させることができる。
第2の発明は、その表面の一部または全部に、吸引した空気から塵埃の一部または全部を分離する、少なくとも1層以上の分離フィルターを備え、前記分離フィルターがアレルゲン不活化材を有した集塵体としている。この構成により、アレルゲンが集塵体を通過するときにはアレルゲンが摩擦により静電気を帯びてアレルゲン同士が凝集し、大きい塊になり下流側の不活化材と接触しやすくなるので、アレルゲンの不活性化性能が向上する。
第3の発明は、メッシュ(通気孔の大きさ)の異なる複数の分離フィルターを備え、少なくとも前記分離フィルターの内、集塵体の一番下流側に位置する分離フィルターがアレルゲン不活化材を有した集塵体としている。この構成により、吸引した空気から塵埃を分離する分離フィルターの下流側すなわち、集塵した塵埃と直接接触しない方向にアレルゲン性物質を不活性化する不活化材を有するフィルターが配置されることで簡単かつ効率的にアレルゲンの不活化ができる。これと同時にアレルゲンが分離フィルターを通過するときにはアレルゲンが摩擦により静電気を帯びアレルゲン同士が凝集し、大きい塊になり下流側の不活化材と接触しやすくなるので、アレルゲンの不活性化性能が向上する。よって、排気中のアレルゲン量を低減することができる。
第4の発明は、メッシュ(通気孔の大きさ)の異なる複数の分離フィルターを備え、少なくとも前記分離フィルターの内、集塵体の一番上流側に位置する分離フィルターがアレルゲン不活化材を有した集塵体としている。この構成により、吸引した空気から多くの塵埃を分離できる最初の分離フィルターである、集塵体の一番上流側に位置する分離フィルターが、アレルゲン不活化材を有しているので、アレルゲン不活化材は、多くの塵埃中に含まれる多量のアレルゲンと接触可能となり、アレルゲンの不活化性能が向上するものである。
第5の発明は、アレルゲン不活化材を有する分離フィルターは、その下流側の表面(外表面)にアレルゲン不活化材を有する構成としている。この構成により、分離フィルターから漏れ出てきたアレルゲンだけを処理することが可能となるので、添着するアレルゲン不活化材の量をへらすことができる。よって、添着量が少なくて済み、分離フィルターの圧損を減らすことができる。従って、電気掃除機等に搭載された場合でも吸込み力を低下させることなく空気中に漏れ出るアレルゲンの不活化を行うことができる。また、外側の分離フィルターの外表面に漏れでたアレルゲンも不活化されるので、使用者が触ってもかゆみなどの不快感を起こしにくくなる。
第6の発明は、アレルゲン不活化材を有する分離フィルターは、その内部にアレルゲン不活化材を有している。この構成により、アレルゲンが分離フィルターを通過するときに、アレルゲンが摩擦により静電気を帯びアレルゲン同士が凝集し、分離フィルター内で大きい塊になり、大きい塊の近傍に位置する、分離フィルター内部に設けられたアレルゲン不活化材と、接触し易くなる。よって、アレルゲンの不活化性能を向上させることができる。
第7の発明はフェノール性OHを有する物質を用いる。この構成により、不織布に付着したアレルゲンの抗原決定基がフェノール性OHを有する物質に覆われるることで不活化するので、付着した物質が仮に不織布から空気中にもれ出たとしてもアレルギー反応をおこすことがない。よって、安定的にアレルゲンの不活化を行うことができる。
第8の発明は、不活化材としてタンパク分解酵素を用いている。この構成により、タンパク分解酵素は、分解対象となるアレルゲンを酵素反応で分解するので、処理するアレルゲン量に対してきわめて少量(1/100程度)の添着量ですむので、フィルター部分の圧力損失を減少させることがきる。
第9の発明は不活化材としてフタロシアニン化合物を用いている。この構成により、集塵した塵埃と直接接触しない方向にアレルゲン性物質を不活性化するフタロシアニン化合物を配置することで圧損を抑えながら簡単かつ効率的にアレルゲンの不活化ができる。また、同時に、抗菌、脱臭も可能となるので、衛生的な電気掃除機を提供することができる。
第10の発明はタンパク変性材を補助材として用いる。この構成により、アレルゲンはタンパク変性材によりその立体構造が壊され分解が反応おきやすくなる。よって、タンパク分解酵素のアレルゲンの分解能力を向上することができ、アレルゲン不活化性能を向上することができる。
第11の発明は、少なくとも分離フィルターの1つが、微生物の増殖を抑制する抗菌材を有している。この構成により、分離フィルター上でアレルゲンとなるカビ等の微生物が増えることが無いので、分離フィルター上でのアレルゲンの増加を抑制することができる。
第12の発明は、抗菌剤は抗菌材層に、アレルゲン性物質を不活性化するアレルゲン不活化材は不活化層にそれぞれ含有された構成としている。この構成により、抗菌材と不活化材とがフィルター上で反応し、抗菌性およびアレルゲン不活化性能の低下をおさえることができる。
第13の発明は、少なくとも分離フィルターの1つが脱臭材を有している。この構成により、集塵体から排出されるアレルゲンの低減だけでなく、臭気成分の低減も可能なので、衛生性を向上させることができる。
第14の発明は、脱臭材は脱臭層に、アレルゲン不活化材は不活化層にそれぞれ含有される構成としている。この構成により、脱臭材と不活化材とがフィルター上で反応し、抗菌性およびアレルゲン不活化性能の低下をおさえることができる。
第15の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、真菌や細菌などの微生物の増殖を抑制する抗菌材を備えた構成とした。この構成により、アレルゲンとなるカビ等の微生物が増えることが無いので、アレルゲンの増加を抑制することができる。
第16の発明は、請求項1に記載の発明に加えて、脱臭材を有する構成とした。この構成により、集塵体から排出されるアレルゲンの低減だけでなく、臭気成分の低減も可能なので、衛生性を向上させることができる。
第17の発明は、集塵体がセルロースからなる構成とした。この構成により、例えば集塵体のセルロースに、アレルゲン不活化材としてのフェノール性OH基を有する物質が結合し易くなり、結合のためのバインダーを不要にし、集塵体の圧力損失低下にも役立つ。また集塵体の構成が簡単になるものである。
第18の発明は、電気掃除機に、第1〜第17のいずれか1つの発明の集塵体を搭載する構成とした。これにより、電気掃除機の排気中のアレルゲン性物質が少なくし、衛生的な電気掃除機を提供できるようになる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1(a)、(b)は本発明の第1の実施の形態における集塵体の構成を示すものである。本実施の形態においては、2種類の分離フィルターを有する構成の(電気掃除機用)集塵袋(集塵体)について説明する。
図1(a)において、集塵袋(集塵体)6は、固定部7と、固定部7に接続した袋部8で構成される。袋部8は、粒子径が比較的大きい集塵を除去する分離フィルター9と、分離フィルター9を通過した粒子径の小さい集塵を除去する分離フィルター10で構成されており、分離フィルター10が外側になるように構成されている。この分離フィルター10には、アレルゲンの不活化材としてフェノール性OHを有する化合物であるポリビニルフェノールが添着されている。図1(b)は袋部8の断面図であり、分離フィルター9が内側(上流側)に、分離フィルター10が外側(下流側)に配置されており、分離フィルター10にはポリビニルフェノール11が添着されている。分離フィルター10においては、ポリビニルフェノール11は分離フィルター10の内部及び表面に存在している。図2に電気掃除機に集塵袋6を装着したときの構成図を示した。集塵袋6は、電気掃除機12と固定部7で結合されており、電気掃除機12の集塵の吸込み部13と密着している。電気掃除機12の電動送風機14が駆動することにより集塵袋6内に掃除で集まった塵埃がたまる構造になっている。
次に、集塵袋6に集まったアレルゲン(例えば、ダニの虫体、糞、花粉、カビなどののアレルゲン)の不活化のメカニズムの一例について図3で説明する。本実施の形態ではダニ由来のアレルゲンの不活化について説明する。
掃除によりダニアレルゲン15(以下、単にアレルゲンと称す)はゴミなどと一緒に集塵袋6内にたまる。アレルゲン15の大きさは、例えばダニの虫体であれば数百μmの粒子径であり、ダニの糞であれば数十μm程度の粒子径である。虫体および比較的大きな糞であれば、分離フィルター9で捕捉されるものの、粒子径の小さい糞は分離フィルター9を通過し、分離フィルター10に到達する。このとき、分離フィルター10上では、ポリビニルフェノール11とアレルゲン15が反応する。この反応仮定を図3に示した。分離フィルター10では、添着したポリビニルフェノール11はアレルゲン15の表面にある抗原決定基(図示せず)と反応する。具体的には、ポリビニルフェノールの水酸基が抗原決定基と反応し、アレルゲン15の抗原決定基を包み込み不活化する。このようにして互いに反応した物質は、抗体と混ざり合っても抗原決定基がポリビニルフェノール11でおおわれているので抗原抗体反応を起こすことがない(この状態を不活化状態と呼んでいる)。したがって、集塵袋6を通過した空気中のアレルゲン量を減少させることができる。
このようにして、集塵袋6にアレルゲンの不活化材であるアレルゲン不活化材を備えることで、集塵袋6を通過した空気の衛生性を向上させることができる。また、アレルゲン15は分離フィルター9、10を通過するときに摩擦による静電気を帯びる。静電気を帯びると、アレルゲン15は周囲の集塵と静電気的に凝集し、粒子が大きくなる。よって、下流側に位置する分離フィルター10で捕捉しやすくなる。これと同時に、分離フィルター10のポリビニルフェノール11と反応しやすくなるので、アレルゲン15を不活化する能力を向上させることができる。
また、掃除で集めた塵埃中には多くのアレルゲンが存在する。アレルゲン量が少ない場合には分離フィルター9に添着しても有効であるが、アレルゲン全量に対応するポリビニルフェノールを分離フィルター10に処理すると、分離フィルター10の圧力損失(以下、圧損と呼ぶ)が大きくなり、掃除機のゴミを吸込む吸込み力が低下し、ゴミを吸込み難くなる。そこで、本実施の形態のように、分離フィルター10に到達するアレルゲン15だけの不活化に必要なポリビニルフェノール11を添着することで、圧力損失の上昇を最小限に抑えることができる。これと同時に、同一量の不活化材を添着した場合でも不活化性能を長期間維持することができる。さらに、図1(b)に示したように、ポリビニルフェノール11を分離フィルター10の内部に添着しておくことで、アレルゲン15との接触確率が向上し、アレルゲン15の不活化性能が高くなる。さらに、分離フィルター10の外表面16にポリビニルフェノール11が存在していることで、万が一分離フィルター10を漏れ出たアレルゲン15も不活化されるので、使用者が触ってもかゆみなどの不快感を感じ難くなる。
なお、ポリビニルフェノールなどのフェノール性OHを有する化合物を不活化材としと用いる特有の効果として、仮に、分離フィルター10からポリビニルフェノール11と反応したアレルゲン15が漏れ出た場合でも使用者がアレルギー反応を起こすことがないことが挙げられる。さらに、このポリビニルフェノール11は透明な材料であり、意匠性が優れているだけでなく、特有のフェノール臭がするので、使用者がアレルゲン不活化材を添着したものかどうかの判別が可能である。さらに、天然抽出分と異なり、化学合成であるので、安定した不活化性能を有している。また、本実施の形態ではアレルゲンを不活化する不活化材としてフェノール性のOH基を有する化合物としてポリビニルフェノール11を用いたが、この物質以外の物質例えば、タンニン酸などのヒドロキシ安息香酸などのポリフェノール類でもよい。これらの化合物のなかでポリビニルフェノールは工業的に生産が可能であるので、ロット間の性能のばらつきが少なくなる。よって、安定してアレルゲンの不活化を行うことができる。
なお、本実施の形態では、分離フィルターに不活化材を添着する構成としたが、揮発性抗菌物質を有する不活化材(例えば植物抽出物、精油など)であれば、集塵袋6内に設置する構成でもよい。このとき、選択透過膜の使用や多孔体への含浸で徐放させることで、アレルゲン不活化性能を維持することができる。
(実施の形態2)
図4は本発明の第2の実施の形態の袋部8の断面図である。本実施の形態においては、不活化材としてタンパク分解酵素を用いた場合について説明する。なお、本実施の形態においてタンパク変性材を併用した場合についての説明も行う。
袋部8の断面図を図4に示した。袋部8は粒子径の比較的大きい塵埃を分離する分離フィルター17と、小さい粒子を除去する分離フィルター18を備えている。この分離フィルター18はアレルゲンを分解するタンパク分解酵素19とアレルゲン15の立体構造を壊す(タンパク質を変性する)タンパク変性材20を有している。
掃除により集められた塵埃のうち粒子径の比較的大きいものは分離フィルター17でトラップされる。このフィルター17を通過する粒子径の小さい集塵は分離フィルター18に到達する。この塵埃の中にアレルゲン15が存在すると、分離フィルター18に含有したタンパク分解酵素19と反応する。アレルゲン15はたんぱく質であり、このタンパク分解酵素15により分解され、タンパク質の構造が変わる。この作用により、ダニ等のアレルゲンは抗原性を失い、仮に人体等に接触した場合でもアレルギー反応を起こさなくなる。このとき、分離フィルター17は空気から分離した比較的粒子径の大きな塵埃が溜まっていく構成となっている。この塵埃中には例えばダニの虫体、糞などのようなアレルゲン15が多量に含まれており、不活化材であるタンパク分解酵素19と直接接触させる場合、タンパク分解酵素とアレルゲンが接触しない部分が発生する。
また、集塵した塵埃中のアレルゲンの処理に必要なタンパク質分解酵素19の量が多くなり、必要量を分離フィルター18に処理しようとすると、圧力損失が上昇し、掃除機の吸い込み能力(吸い込み仕事率)が低下する。そこで、本実施の形態では分離フィルター18、つまり、集めた比較的粒子径の大きな塵埃と直接接触しない位置に不活化材であるタンパク分解酵素19を有する構成としている。よって、分離フィルター17を通過した少量のアレルゲン15にのみ接触、反応する構成となっているので、添着するタンパク分解酵素19の量を削減することができる。
さらに、酵素を用いる基本的な利点として、基質(本実施の形態ではアレルゲン)に対する酵素(本実施の形態ではタンパク分解酵素)が少なくてよいので、添着量が少なくてすむ。よって、タンパク分解酵素15を不織布16に添着したときでも不織布部分の圧損が上がらない。よって、塵埃の吸い込み性能の低下がない。また、分離フィルター18にタンパク変性材20(尿素など)を含有させている。このタンパク変性材20はタンパク分解酵素19と同じ不織布16に含有させており、分離フィルター18でアレルゲン15は変性し、立体構造が壊れる。立体構造が壊れることにより、タンパク分解酵素15はアレルゲン15を分解しやすくなるので、アレルゲン15の分解性能を向上することができる。なお、タンパク変性材としては、尿素以外の酸、アルカリでもよい。さらに、温度が高くなる電動送風機14付近での使用に適している。掃除機の排気は温度が高くなるので、通常のタンパク分解酵素よりも耐熱性が高いものが好ましい。具体的には耐熱性(または好熱性)の細菌由来のタンパク分解酵素がよく、例えば耐熱性菌由来の酵素が良い。具体的には、Pyrococcus furiosus等の古細菌由来のタンパク分解酵素などがある。
(実施の形態3)
図5は本発明の第3の実施の形態の袋部8の断面図である。本実施の形態においては、アレルゲン不活化材としてフタロシアニン化合物を用いた場合について説明する。
袋部8の断面図を図5に示した。袋部8の内側(上流側)には塵埃を分離する分離フィルター21と、外側(下流側)には分離フィルター21から漏れ出た粒子径の小さい集塵を除去する分離フィルター22がある。分離フィルター22はアレルゲンと反応し不活性化する不活化材であるフタロシアニン化合物23を備えている。アレルゲンはたんぱく質であり、このフタロシアニン化合物15により分解され、タンパク質の構造が変わる。この作用により、アレルゲンは抗原性を失い、仮に人体等に接触した場合でもアレルギー反応を起こさなくなる。この状態を不活化状態と呼んでいる。
分離フィルター21には空気から分離した塵埃が溜まっていく構成となっている。この塵埃中にはアレルゲン15が多量に含まれており、不活化材であるフタロシアニン化合物23と直接接触させる場合、フタロシアニン化合物23とアレルゲン15が接触しない部分が発生する。また、集塵中のアレルゲンの処理に必要なフタロシアニン化合物23の量が多くなり、必要量を分離フィルター22に処理しようとすると、圧力損失が上昇し、掃除機の吸い込み能力(吸い込み仕事率)が低下する。そこで、本実施の形態では分離フィルター21の下流側の分離フィルター22、つまり、集めた比較的粒子径の大きな塵埃と直接接触しない位置にフタロシアニン化合物23を設けることで分離フィルター21を通過した少量のアレルゲン15にのみ接触、反応する構成となっている。この構成により、添着するフタロシアニン化合物量を削減することができる。さらに、酵素を用いる基本的な利点として、基質(本実施の形態ではアレルゲン)に対する触媒(本実施の形態ではフタロシアニン化合物)が少なくてよいので、添着量が少なくてすむ。よって、フタロシアニン化合物15を不織布16に添着したときでも不織布部分の圧力損失が大きくならない。よって、塵埃の吸い込み性能の低下がない。
なお、フタロシアニン化合物23は耐熱性が高く、電動送風機14付近への装着に適している。また、このフタロシアニン化合物23は、抗菌性を有しているので、分離フィルターへのカビなどのアレルゲンとなる微生物の繁殖を抑制することができる。さらに、脱臭性能を有しているので、排気の衛生性を向上することができる。また、タンパク変性材による劣化も少ないので、タンパク変性材24の使用によりアレルゲン分解性能を向上させることができる。
(実施の形態4)
図6、7は本発明の第4の実施の形態の袋部8の断面図である。本実施の形態においては、アレルゲン不活化材と抗菌材、脱臭材とを併用した場合について説明する。
先ず、図6を用いて分離フィルターにアレルゲン15の不活化材と抗菌材を含有させた場合について説明する。
図6において、内側(上流側)の分離フィルター25には抗菌材であるリゾチーム26が添着してある。このリゾチーム26は、微生物特に真菌の細胞膜を分解する分解酵素である。また、その下流側(外側)には分離フィルター27があり、この分離フィルター27にはアレルゲン15を不活性化する不活化材のポリビニルフェノール11を含有している。
分離フィルター25、27には集塵中、または組み立て工程で混ざった細菌やカビ、特にカビの胞子(以下胞子とする)などが付着している場合がある。
集塵中に存在する胞子は塵埃に含まれる有機物および空気中の水分を利用して増殖する。カビの増殖は高湿度環境下で特に顕著で、フィルターが変色するまでにいたるケースがある。近年、カビもアレルゲンとなりうることが示唆されており、フィルター上でカビが繁殖した場合には、ここを通過する空気にカビの胞子などが混入し、アレルゲンが飛散するという場合がある。カビの胞子もポリビニルフェノール15で不活性化可能であるが、カビが増殖するにつれアレルゲン量は増加するので、分離フィルター27上でのアレルゲン不活化の寿命を低下させる原因となる。
そこで、集塵を分離除去する分離フィルター25に抗菌材である分解酵素のリゾチームを含有させることで、微生物の繁殖を抑えることが可能となり、ひいてはアレルゲンの不活化性能を長期間維持することができる。
一方、このリゾチーム26などの分解酵素自体もたんぱく質であり、ポリビニルフェノール15と反応し、カビに対して除菌性能を阻害されてしまう場合がある。このようなことを想定し、リゾチーム26とポリビニルフェノール15を含有させる部位を分けている。この構成により、リゾチーム26とポリビニルフェノール15との接触を無くすことができるので、アレルゲンの不活化性能を維持することができる。
なお、本実施の形態では抗菌材として細胞膜の分解酵素であるリゾチームを用いたが、微生物、特に真菌の細胞膜を分解する活性がある溶菌酵素であればよい。さらに、ヒノキチオール、ティーツリーなどの精油、有機系防カビ材、銀化合物、亜鉛化合物など無機系の抗菌材でも良い。とくに、無機系の抗菌剤は分離フィルターが湿った場合に有効である。分離フィルターが湿ると、この分離フィルター内の水中に金属イオンが溶出するのでフィルター全体に微生物の増殖抑制可能な物質を分布させることができる。さらに採用する不活化材との相性により不活化材と抗菌材を分離フィルターに一緒に混ぜても良い。
また、抗菌材は微生物の細胞膜を分解する分解酵素であるリゾチーム26とした。抗菌材として酵素を用いているので、酵素−基質反応により細胞膜の構成成分は分解されたあとでも、酵素は分解活性を維持することができる。よって、微生物の増殖を持続的に抑制できる。また、アレルゲンとなりうることが示唆されている真菌の増殖も抑制可能なので、分離フィルター表面での真菌の増殖が抑制される。従って、分離フィルター上での真菌性アレルゲンの増加がなくなるので、不活化材の浪費および性能低下をなくすことができる。
また、抗菌材に銀化合物を有する構成とすると、安全性を維持しつつ分離フィルターの微生物汚染を抑制できるので、不活化材の性能低下をなくすことができる。
なお、抗菌材と不活化材の組み合わせによっては、同一の分離フィルターに処理しても充分なアレルゲン不活化性能を維持することができる。銀系抗菌材とポリビニルフェノールの組み合わせであれば、同一の分離フィルターに処理可能であるし、フタロシアニン化合物、耐熱性タンパク分解酵素などの他の物質に影響を受けにくいものであれば同一分離フィルター上に処理可能である。
次に、脱臭材を用いた場合について図7で説明する。
袋部8は、分離フィルター27、28からなり、分離フィルター27で粒子径の大きな集塵を除去する構成としている。内側(上流側)の分離フィルター27には脱臭材としての亜鉛化合物29が添着してある。下流側(外側)に位置する分離フィルター28には、アレルゲン不活化材のポリビニルフェノール11を添着している。この構成により安全性を維持しつつフィルターに吸着した臭気成分の中和も可能であり、快適性を向上させることができる。同時に、亜鉛化合物を用いているので分離フィルター28上での微生物汚染を抑制できる。
なお、脱臭材においてもフタロシアニン化合物、耐熱性タンパク分解酵素などの他の物質に影響を受けにくいものであれば同一分離フィルター上に処理可能である。また、フタロシアニン化合物はこれ自体脱臭材となり得るので、余分な物質の添着が不要になるので、圧力損失の上昇も無く、掃除性能(吸込み仕事率)に影響を与えることなく脱臭、抗菌、アレルゲン不活化が行えるので、効率的に衛生性を向上させることができる。
なお、本実施の形態1〜4においてフェノール性OHを有する物質、タンパク分解酵素、フタロシアニン化合物、タンパク変性材を組み合わせてアレルゲンの不活化をおこなってもよく、例えば、フェノール性OHを有する物質とタンパク分解酵素(またはフタロシアニン化合物)を組み合わせることで、圧損を抑えつつ分離フィルターから漏れ出るアレルゲンも不活化できるなど、性能の一層の向上が可能となる。
以上のように、本発明にかかる集塵袋(集塵体)は排気中からアレルゲンが除去可能なので、業務用の掃除機の他、エアコン、空気清浄機の用途にも応用可能である。
(a)本発明の実施の形態1における集塵袋(集塵体)の外観図(b)本発明の実施の形態1における袋部の断面図 本発明の実施の形態1における集塵袋(集塵体)の装着図 本発明の実施の形態1におけるポリビニルフェノールとアレルゲンの反応図 本発明の実施の形態2における袋部の断面図 本発明の実施の形態3における袋部の断面図 本発明の実施の形態4における袋部の断面図 本発明の実施の形態4における袋部の断面図 従来の電気掃除機の構成図
符号の説明
6 集塵袋(集塵体)
8 袋部
9、10、17、18、21、22、25、27、28、29 分離フィルター
11 ポリビニルフェノール
15 アレルゲン
19 タンパク分解酵素
20 タンパク変性材
23 フタロシアニン化合物
26 リゾチーム
30 亜鉛化合物

Claims (18)

  1. アレルゲン性物質を不活性化するアレルゲン不活化材を配設した集塵体。
  2. その表面の一部または全部に、吸引した空気から塵埃の一部または全部を分離する、少なくとも1層以上の分離フィルターを備え、前記分離フィルターがアレルゲン不活化材を有する請求項1記載の集塵体。
  3. メッシュの異なる複数の分離フィルターを備え、少なくとも前記分離フィルターの内、集塵袋の一番下流側に位置する分離フィルターがアレルゲン不活化材を有する請求項2記載の集塵体。
  4. メッシュの異なる複数の分離フィルターを備え、少なくとも前記分離フィルターの内、集塵袋の一番上流側に位置する分離フィルターがアレルゲン不活化材を有する請求項2記載の集塵体。
  5. アレルゲン不活化材を有する分離フィルターは、その下流側の表面にアレルゲン不活化材を有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の集塵体。
  6. アレルゲン不活化材を有する分離フィルターは、その内部にアレルゲン不活化材を有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の集塵体。
  7. アレルゲン不活化材として、フェノール性OH基を有する物質である、ポリフェノールまたはポリビニルフェノール等を用いた請求項1〜6のいずれか1項記載の集塵体。
  8. アレルゲン不活化材として、タンパク分解酵素用いた請求項1〜6のいずれか1項記載の集塵体。
  9. アレルゲン不活化材として、フタロシアニン化合物を用いた請求項1〜6のいずれか1項記載の集塵体。
  10. 第2のアレルゲン不活化材として、タンパク変性材を用いた請求項8または9に記載の集塵体。
  11. 少なくとも分離フィルターの1つは、真菌や細菌などの微生物の増殖を抑制する抗菌材を備えた請求項2〜10のいずれか1項記載の集塵体。
  12. 抗菌剤は抗菌材層に、アレルゲン不活化材は不活化層にそれぞれ含有された請求項11記載の集塵体。
  13. 少なくとも分離フィルターの1つは、臭気成分を除去する脱臭材を備えた請求項2〜12のいずれか1項記載の集塵体。
  14. 脱臭材は脱臭層に、アレルゲン不活化材は不活化層にそれぞれ含有された請求項13記載の集塵体。
  15. 真菌や細菌などの微生物の増殖を抑制する抗菌材を備えた請求項1記載の集塵体。
  16. 臭気成分を除去する脱臭材を備えた請求項1記載の集塵体。
  17. 集塵袋はセルロースからなる請求項1〜16のいずれか1項に記載の集塵体。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の集塵体を搭載した電気掃除機。
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