JP2005210687A - 符号化装置及び検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マテリアルアイテムのコピーにコードワードを導入することによって、マテリアルアイテムのウォータマークが付されたコピーを生成するデータ符号化処理装置を提供する。
【解決手段】 データ符号化処理装置は、複数のコードワード係数を有し、それぞれが異なるコードワードシードから個別に生成される少なくとも2つのコードワードを生成するコードワード生成器と、上記コードワード係数をマテリアルアイテムに結合する符号化プロセッサとを備える。コードワードの1つは、データフィールドの第1の値に基づいて第1の組から選択され、コードワードの他の1つは、データフィールドの第2の値に基づいて第2の組から選択される。第1のデータフィールドの値は、第1のコードワードの組に関連付けられ、第2のデータフィールドの値は、第2のコードワードの組に関連付けられ、第2のコードワードの組は、第1のデータフィールドの値に基づいて選択される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、マテリアルアイテムのコピーにコードワードを導入することにより、マテリアルのアイテムのウォータマークが付されたコピーを生成するデータ符号化処理装置及び方法に関する。また、これに対応して、本発明は、マテリアルアイテムに存在するコードワードを検出するデータ検出処理装置及び方法に関する。
マテリアルを識別するために、マテリアルに情報を埋め込む処理は、ウォータマーキング処理と呼ばれる。
マテリアルアイテムのバージョンにコードワードを適用することにより、マテリアルアイテムのバージョンを特定し、又はコードワードによって表現されたデータを伝送することができる。したがって、ウォータマーキング処理により、マテリアルの特定のバージョンの受信者を識別することができる。ここで、マテリアルの配信者の意向にそぐわない形でマテリアルがコピー又は使用された場合、配信者は、識別コードワードからマテリアルのバージョンを特定し、適切な対策を講ずることができる。
出願中の欧州特許出願第1324263A号には、元のマテリアルアイテムのコピーに所定のコードワードの組のうちの1つを導入することによって、マテリアルの元のアイテムの少なくとも1つのマークが付されたバージョンを生成するデータ符号化処理装置を備えるウォータマーク付与システムが開示されている。このデータ符号化処理装置は、複数のコードワード係数を有するコードワードを生成するコードワード生成器と、コードワード係数をマテリアルアイテムに結合する符号化プロセッサとを備える。複数のコードワードからなる組内の各コードワードは、第1のフィールド及び第2のフィールドを有するデータワードに固有に関連付けられている。第1のフィールドの値の組内の各値は、第1の複数の係数を有するコードワードの第1の部分として表され、第2のフィールドの値の組内の各値は、第2の複数の係数を有するコードワードの第2の部分として表される。
第1及び第2のフィールドは、例えばアドレスパラメータ等である異なる関連パラメータに割り当てることができる。例えば、第1のフィールドによってマテリアルの配信国を特定し、第2のフィールドによって配信国内の特定の配信先を特定してもよい。ウォータマーク付与システムは、ビデオマテリアルの海賊コピーの出所を特定するために用いることもできる。
本発明は、マテリアルアイテムのコピーにコードワードを導入することによって、マテリアルアイテムのウォータマークが付されたコピーを生成するデータ符号化処理装置を提供する。コードワードは、少なくとも2つのフィールドを有するデータワードの組から1つのデータワードを特定するよう構成されている。データ符号化処理装置は、複数のコードワード係数を有し、それぞれが異なるコードワードシードから個別に生成される少なくとも2つのコードワードを生成するコードワード生成器と、上記コードワード係数をマテリアルアイテムに結合する符号化プロセッサとを備える。コードワードの1つは、データフィールドの第1の値に基づいて第1の組から選択され、コードワードの他の1つは、データフィールドの第2の値に基づいて第2の組から選択される。第1のデータフィールドの値は、第1のコードワードの組に関連付けられ、第2のデータフィールドの値は、第2のコードワードの組に関連付けられ、第2のコードワードの組は、第1のデータフィールドの値に基づいて選択される。
欧州特許出願第1324263A号に開示されている既知のデータ符号化及びデータ検出処理装置は、データワードの少なくとも2つのフィールドを表す少なくとも2つの部分を有するコードワードをマテリアルアイテムに付与するよう構成されている。しかしながら、この技術では、2つの部分の値は、それらの間の所定の関係から決定される。これは、第1のデータフィールドを表す第1のコードワードをシフトさせて、第2のコードワードを形成するためのシードが決定されているためである。第2のデータフィールドの値を表すために、第2のコードワードは、第2のデータフィールドの値に応じてシフトされる。したがって、第1のウォータマークコードワードのシフトにより、第2のコードワードを生成するためのシードが定まる。第1のコードワードをシフトさせる手法により、フーリエ変換を用いた復号の効率が高められる。
本発明は、ウォータマークコードワードを除去し、又はウォータマークコードワードの検出を妨害するアタックの成功(見逃し検出)の可能性を低減するための更なる改善を提供する。これは、互いに独立して生成されたデータワードを用いて各コードワードを表現することによって実現される。但し、このような処理により、検出の複雑性が高まる。しかしながら、後述するように、本発明の実施例では、前のデータフィールド値に基づいてコードワードの選択された組を関連付ける階層構造を利用することにより、この複雑性を低減している。
本発明の実施例では、所定の組のデータワードのそれぞれをコードワードに一義的に関連付け、このコードワードによってマテリアルアイテムにウォータマークを付すことにより、データワードの形式で情報を伝達することができる。コードワードは、マテリアルアイテムに結合でき、マテリアルアイテム内の全ての可能なコードワード相関を調べ、この相関の結果からマテリアルアイテム内にコードワードが存在しているか否かを判定することによって検出される。したがって、検出されたコードワードから、マテリアルアイテムによって伝送されるデータワードを特定することができる。本発明の実施例は、コードワード又はコードワードの部分によって表されたデータワードを一義的に特定する手法を提供する。
以下の説明から明らかであるが、本発明の実施例では、2つ以上のコードワード、又は、コードワードの部分が区別でき、互いに独立して生成される場合、同じコードワードの2以上の部分を利用する。
例示的に示す本発明の実施例から明らかなように、データワードの第1のフィールドの各値をコードワードに関連付け、第2の又は後続するデータフィールドの各値を第1のデータフィールドの値に基づいて選択されたコードワードに関連付けることは有益である。これにより、検出されたコードワードを用いて、データワードが分割されている複数のサブセットのうち、各データワードが第1のフィールドに同じ値を有するサブセットを特定することができる。そして、マテリアルアイテムから第2のコードワードを検出することによって、このサブセットから、データワードの第2の又は後続するフィールドが特定される。第2のコードワードは、第1のデータフィールドの値と同様に第2のデータフィールドの値を特定する。これにより、一組のデータワードから、特定のデータワードを特定するために必要となる相関処理の数を実質的に低減することができる。このデータフィールドの構成は、ウォータマークコードワードと関連して、異なる種類の情報を表すために用いることができるデータフィールド値の階層構造を一義的に特定する。
相関処理の数の低減の効果は、n桁のデータワードを表しているコードワードを検出するために必要である相関処理の数を検討することによって更に明らかになる。2個の可能な値を有するn桁のデータワードを一義的に表現するためには、2個のコードワードが必要である。したがって、検出の複雑さ(相関処理の数)は、伝えるべきデータワード内のnビットの数に応じて指数関数的に増加する。本発明の実施例では、マテリアルアイテムに埋め込まれているコードワードから2個以上のフィールドを有するデータワードを一義的に検出するために必要となる相関処理の数を低減できる構成を提供する。相関の数の減少は、データワードを複数のフィールドに分割し、第1のデータフィールドの各値にコードワードを関連付けることによって実現される。これにより、第1のデータフィールドを用いて、データフィールドが分割されているサブセットを特定することができる。ここで、第2のコードワードを用いて、第1のデータフィールドの値と、第2のデータフィールドの値の両方を特定することにより、より少ない数の相関処理によって、第1及び第2のフィールドの順序を特定できる。すなわち、nビットのデータワードにm個のdビットのフィールドがある場合データワードを一義的に検出するために必要な相関処理の数は、m2回となる。
本発明の更なる様々な側面及び特徴は、添付の請求の範囲において定義されている。この請求の範囲から逸脱することなく、上述した実施の形態を様々に変更することができる。
ウォータマークキング方式の概観
以下、本発明の実施の形態を例示的にビデオ画像の保護に関連させて説明する。ここでは、後述するように、ウォータマークを形成するために、ビデオマテリアルの各コピーに少なくとも2つのコードワードを導入する。変形例においては、コードワードが明確に分解できる部分を有している場合、その単一のコードワードを用いてもよい。本発明の実施例は、データワードを特定するウォータマークコードワードを検出することによってデータワードを再生できるように、マテリアルアイテムを用いてデータワードを伝送する技術を提供する。ビデオ画像にウォータマークコードワードを導入してデータワードを伝送する画像符号化処理装置の実施例を図1に示す。
ビデオ画像は、デジタルコードワードを埋め込むことにより保護されるマテリアルの一具体例である。コードワードを埋め込むことにより保護されるマテリアルは、ビデオ画像の他に、ソフトウェアプログラム、デジタル文書、音楽、オーディオ信号、及び他の情報に関連した如何なる種類の信号を含むマテリアルであってもよい。
図1に示すように、オリジナル画像Iは、ソースから供給され、フレームメモリ1に記憶される。このオリジナル画像は、ウォータマークが埋め込まれる複数のコピーとして複写される(reproduce)ものであり、各コピーには、固有の識別コードワードが付される。オリジナル画像は、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform:以下、DCTという。)プロセッサ2に供給され、DCTプロセッサ2は、オリジナル画像を8×8の画素ブロックに分割し、8×8の各画素ブロックにDCT処理を施す。これにより、DCTプロセッサ2は、DCT変換画像Vを生成する。
以下の説明において、「サンプル」という用語は、画像(又は、実際には他の種類のマテリアルであってもよい。)を構成する離散サンプルを指すものとする。サンプルは、画像の画素から導出することができる画像の輝度サンプルであってもよい。したがって、サンプルという用語と画素という用語は、状況によっては交換可能である場合もある。
DCT変換画像Vは、符号化プロセッサ(以下、エンコーダともいう。)4に供給される。符号化プロセッサ4には、識別コードワード生成器8から識別コードワードも供給されている。
識別コードワード生成器8には、複数のシード値(seed)が供給されている。各シード値は、それぞれ対応する識別コードワードの1つを生成するために使用される。後述するように、シードは、データワードの特定のフィールドを表すコードワードを生成するために選択される。生成された各識別コードワードは、オリジナル画像のコピーに埋め込まれ、これによりウォータマークが埋め込まれた画像が生成される。識別コードワード生成器8は、擬似乱数発生器を備える。擬似乱数発生器は、特定の識別コードワードを形成するためのコードワード係数を生成する。好ましい具体例においては、コードワード係数は、正規分布に基づいて生成される。なお、これに代えて、コードワード係数は、擬似乱数発生器を初期化するために用いるシード値に基づいて、予め定めてもよい。したがって、各識別コードワードには、対応するシード値が存在し、各シード値は、メモリ12に記憶されている。すなわち、識別コードワードXを生成するために、シード値seedをメモリ12から読み出し、このシード値seedを用いて、識別コードワード生成器8内の擬似乱数発生器を初期化する。
以下の説明では、オリジナル画像のDCTバージョンをVと表す。ここで、
V={v}={v,v,v,v,・・・,v
であり、vは、画像のDCT係数である。他の具体例においては、vは、画像のサンプル値であり、空間領域における画像のサンプル値又は他の領域における画像のサンプル値を表すものであってもよい。
各識別コードワードXは、以下のように、n個のコードワード係数から構成されている。
={x }={x ,x ,x ,x ,・・・,x
コードワード係数の数nは、オリジナル画像Iのサンプル数に対応する。なお、係数の数は異なるものであってもよく、この数は、特定のアプリケーションに応じて決定してもよい。
そして、i番目の識別コードワードXを構成するコードワード係数のベクトルは、チャンネル14を介してエンコーダ4に供給される。エンコーダ4は、DCT変換画像Vに識別コードワードXを付加することにより、ウォータマークが埋め込まれた画像Wを生成する。実際には、以下の式に示すように、画像の各係数に各コードワード係数を加えることにより、ウォータマークが埋め込まれた画像Wが生成される。
=V+X
=v+x ,v+x ,v+x ,v+x ,・・・,v+x
図1に示すように、エンコーダ4により生成された画像を逆DCTプロセッサ18によって逆DCT変換することにより、ウォータマークが埋め込まれた画像Wが形成され、この画像符号化処理装置から出力される。したがって、図1に示すように、エンコーダ4からは、ウォータマークが埋め込まれた画像の組が出力される。
データワードとウォータマークコードワードの関連付け
後述するように、本発明の実施例は、マテリアルアイテム(例えば、この実施例ではビデオマテリアル)内にデータを含ませて伝送する技術を提供する。マテリアルにおけるウォータマークの存在は、実質的に知覚できないものであり、したがってデータは、ウォータマークとして用いることができる。上述のように、マテリアルアイテムにおいてウォータマークが検出される可能性を低めるために、ウォータマークは、擬似ランダム的に発生されたベクトルによって生成され、各マテリアルアイテムのサンプル(例えば、ビデオマテリアルの画素値)に加えられる。ウォータマーク係数の擬似ランダム的性質により、ウォータマーク自体は、背景雑音と同様に出現し、又は背景雑音と同様の特性を有する。したがって、ウォータマーク自体は、殆ど知覚されない。しかしながら、マテリアルとともに、データの特定のアイテムを伝送する必要がある場合、例えば、そのマテリアルを固有に識別し、及び例えばマテリアルが再生された場所等の他の特性を特定する目的でマテリアルにウォータマークを付加するような場合、ウォータマーク自体は、データを伝送するために用いることができない。所有者は、データアイテムをウォータマークコードワード又はコードワードを生成するために用いられたシードと関連付けることができるので、例えば、ウォータマークは、所有者にとっては単にデータを表している。
本発明の実施例は、ウォータマークをデータワードに関連付ける技術を提供する。このデータワードは、受信したウォータマークマテリアルから一義的に再生され、これにより、ウォータマークが付されたマテリアルによって伝送されてきたデータワードが検出及び判定される。後述するように、データワードは、複数のデータフィールドに分割され、各データフィールドは、ウォータマークベクトル又はコードワードに関連付けられている。大きなデータワード、例えば、最大64ビットのデータワードを表現するためには、最大264個のコードワードが用いられ、したがって、64ビットの値を表すデータワードを一義的に再生するためには、検出器側において、実行困難な程に多数の相関処理が必要となる虞がある。しかしながら、本発明の実施例では、階層的又は層構造的にウォータマークコードワードをデータワードのフィールドに関連付け、これにより、比較的少ない数の相関処理によって、ウォータマークマテリアルアイテムに埋め込まれているコードワードから最大64ビットのデータワードを固有に識別できる。
図1に示す制御プロセッサ11は、コードワードを画像マテリアルVに埋め込むために使用され、これにより、ウォータマークが付されたマテリアルによって最大64ビットのデータワードを表すことができる。制御プロセッサ11は、表されるデータワードに応じて、コードワードの選択を制御する。データワードは、データワード生成器13によって生成される。データワード生成器13は、例えば、マテリアルが再生された時刻及びエンコーダ4によってウォータマークが付加された時刻を示すために用いられるクロック15等のデータワードのフィールドを指定する他の装置に含まれていてもよい。
図1に示すように、制御プロセッサ11は、ビデオマテリアル内に表されるデータワードが供給され、選択チャンネル15を用いて、シードメモリ12からシードを選択する。そして、制御プロセッサ11による制御の下、このシードを用いて、データワード生成器13から供給されるデータワードを表すために適切なウォータマークコードワードが生成される。各コードワードは、異なるコードワードシードから個別に生成される。
図2に示すように各データワードは、複数のデータフィールドを有することができる。
図2に示すデータワードDWは、フィールドF、F、FN−1、Fを含むように示されている。各フィールドは、値を有し、この値は、データワードを含むフィールドに関して意味(significance)を有することができる。第1のフィールドは、シードワードKによって生成される第1のウォータマークコードワードXによって表現することができる。したがって、シードKは、第1のフィールドの値Fに応じて関連付けられ、選択される。第2のフィールドFの値は、第1のフィールドの値Fと組み合わせて、第2のフィールドの値FからコードワードKを選択することによって表される。すなわち、ビデオマテリアル画像フレームに加えられる第2のウォータマークコードワードXは、第2のフィールドFの値のみではなく、第1のフィールドの値Fにも基づいて選択される。このように、ウォータマークコードワードの階層が生成され、これらのコードワードを検出することにより、コードワードが示すデータワード内の連続して増加する桁数が識別される。これに対応して、次のフィールドFN−1は、シードKN−1によって表される。シードKN−1は、ウォータマークXN−1を固有に生成するために使用にされ、シードKN−1の値は、フィールドF及びFの値と組み合わせて、フィールドFN−1の値に基づいて選択される。これに対応して、最終的に、フィールドFは、フィールドFN−1、F及びFの値と組み合わせて、フィールドFの値に基づいてシードワードKを選択するために使用される。図3に示すように、各フィールドは、異なる種類の情報を表していてもよく、又は、異なる意味を提供してもよい。
例えば、図3に示すように、第1のフィールドFを用いて、マテリアルアイテム、例えばビデオマテリアルが再生された国を示す国コードを表すことができる。また、第2のフィールドFを用いて、ウォータマークマテリアルが再生された都市を表し、第3のフィールドFN−1を用いて、マテリアルが再生されたこの都市内の映画館を特定することができる。また、最後フィールドFによって、マテリアルが再生された日時を特定してもよい。
なお、この具体例では、第1のフィールドをFと呼び、第1のフィールドは、それぞれの値に関連付けられた単一のウォータマークコードワードを有しているが、データワードDW内におけるフィールドの相対的位置を変更してもよく、実際、フィールドFは、データワードDW内の中央に位置してもよく、他の如何なる位置に位置してもよい。
階層化されたウォータマークコードワード
上述のように,コードワードは、擬似乱数から生成されるので、ウォータマークコードワード自体によってはデータを伝送することができない。したがって、データワード等の情報の特定のアイテムを固有に表現するためには、データワードを特定のコードワード又は複数のコードワードに関連付ける構造が必要である。データワードを表すために必要なビット数が64ビットである場合、表現する必要があるコードワードの数は、最大で264個にもなる。したがって、受信され、再生されたウォータマークコードワードと、全ての可能なコードワードとの相関を調べることによってこれらのコードワードを検出する場合、特定のコードワードの検出のために必要な時間が長くなってしまう。相関の数を減少させ、したがって、コードワードを検出するための時間を短縮するために、データワードを個別のフィールドに分割し、コードワードによって各フィールドを個別に特定してもよい。しかしながら、このような識別では、データワードを一義的に識別することはできない。この点については、単純な具体例を用いて以下の段落で説明する。
ウォータマークコードワードとして、4ビットのデータワードを表現し、マテリアルアイテムによって伝送する必要があると仮定する。図4に示すように、4ビットのデータワードDW4は、それぞれ0、1、2、3の番号が付された4つのビットを有する。図4に示す具体例では、データワードは、値0110を有する。4ビットのデータワードDW4は、16個の可能な値を有する。したがって、このデータワードを伝送するためには、4ビットのデータワードについて全ての可能な値を運ぶことができる1組のウォータマークから、16個の可能なウォータマークが必要となる。検出器側では、4ビットのデータワード内の値を固有に識別するまでに最大16回の相関処理が必要となる。ここで、図4に示すように、データワードは、2つの2ビットのフィールドに分割できる。第1のフィールドは、2=4個の可能な値を有する。したがって、第1のフィールドを表現するために必要なコードワードの数は、4個である。これに対応して、第2のフィールドを表現するために必要なコードワードの数も4個である。したがって、図4に示すように、第1のウォータマークWM1は、第1の列80に示すように、4つの可能な値を表し、2ビットのフィールドの各値は、列90に示すように、シード番号に関連付けられている。第3の列100に示すように、シードを用いて、固有のウォータマークコードワードが生成される。したがって、検出器において、4回の相関処理を実行することによって、第1のフィールドの値を固有に識別できる。同様に、第2のウォータマークWM2については、対応する列80、90、100に示すように、第2のフィールドFの値を表すために対応するシードとコードワードが生成される。
図5は、1〜8の番号が付された8回の相関処理の結果をグラフとして示している。これらの相関結果は、シード2及びシード7に関連付けられたコードワードがウォータマークアイテムから再生され、したがって、これに対応して、フィールド01及びフィールド10が正しく再生されたことを示している。このように、この具体例では、4ビットのデータワードを固有に再生するために必要な相関処理は、16回ではなく、8回だけ行えばよい。ここで、2以上のユーザが共謀してウォータマークコードワードを除去しようとした場合の問題について検討する。
図6は、マテリアルの2つの個々のアイテムにおける対応するウォータマークコードワードによってデータワード0110及びデータワード0001が表現されている場合における図4及び図5に示す具体例と同様の相関の結果を例示的に示している。これらのマテリアルアイテムが(例えば、結託攻撃(collusion attack)の一部として)結合されている場合、ウォータマークコードワードの検出の結果、上述の具体例と同様、データワード0110については、シード2とシード7が特定される。一方、データワード0001については、シード1とシード6が特定される。このため、8つの可能な各ウォータマークコードワードと、ウォータマークコードワードの再生されたバージョンとの相関の結果は、図6に示す通りとなる。図6に示すように、この具体例では、シード1、2、7、6に対応するウォータマークがマテリアルアイテムに存在しているとして検出される。しかしながら、この検出結果からは、2つのデータワード0110及び0001が一義的に特定できない。これは、第1のデータフィールド及び第2のデータフィールドの相対的な関係が明確ではないからである。したがって、検出されたコードワードに対応する可能性があるデータワードは、図6に示すように、0110、0001、0010、0101の4つである。これは、コードワードを生成するシードと、第1及び第2のフィールドの値との間の相対的な関係が対応するコードワードの検出からは判定できないためである。
以下、結託攻撃があっても、データワードを一義的に特定できるとともに、データワードの表現を検出するために必要な相関処理の回数を低減できる本発明の実施例を説明する。
図7に示すように、この実施例においても、4ビットのデータワードDW4は、2つのフィールドF、Fに分割される。また、ここでも、第1のフィールドFは、2ビットのフィールドの4つの可能な値を反映するように4つの可能なコードワードによって表現される。但し、ここでは、第2のフィールドの値は、シードと、第1及び第2のデータフィールドの両方の値に関連付けられている対応するコードワードとを識別するために第1のフィールドの値に関連付けられている。したがって、図7に示すように、第2のウォータマークWM2について、第2のフィールドFの4つの可能な値は、対応するコードワードに関連付けられている第1のフィールドの値に関連して特定される。したがって、第1のフィールドの値00については、第2のフィールドFの列130に示すように、関連する4つの可能な値がある。これらの値のそれぞれには、固有のコードワードを生成するためのシードが関連付けられ、これらのシードは、第1のフィールド及び第2のフィールドの値の組合せに関連付けられている。これに対応して、図7に示す2つのフィールドの特定の値について、第1のフィールドの値01は、シード2によって生成されたコードワードを特定する。なお、それらの値から、第2のフィールドの値には、固有のシード、したがって、対応する固有なコードワードが関連付けられている全ての可能な値が関連付けられている。この結果、シード及び対応する可能なコードワードの数は20に増加しているが、第1及び第2のフィールドについて、固有の値を特定するために必要な相関処理の回数は、最大でも8回のままである。ここで、不正を行おうとする2人のユーザが、結託攻撃を企て、ウォータマークを取り除くためにウォータマークが付されたマテリアルアイテムを結合しようとした場合、コードワードの階層構造によって、これらの2人のユーザを一義的に特定できる点について説明する。
図6に示す具体例と同様の結託攻撃を受けた、ウォータマークが付されたマテリアルアイテムの相関結果を図8に示す。
図8aは、第1のフィールドFに関連付けられた4つの可能なコードワードのそれぞれに関する相関結果を示している。この場合、ウォータマークが付されたマテリアル内には、データワード0110、0001が存在するので、第1のフィールド内のデータワードには、01と00が存在し、したがって、対応するコードワードが検出されるため、シード1とシード2に関連付けられたコードワードが検出される。一旦、コードワード、したがって、第1のフィールドのためのフィールド値が特定されると、コードワードの数は制限され(この実施例では4個に制限される。)、これらのコードワードにより、第2のフィールドの値が特定される。したがって、図8bに示すように、データワード0001については、第2のフィールドの値を特定するためには、シード5〜8との相関処理のみを行えばよい。これにより、シード6に対応するコードワードが検出され、この検出は、結託攻撃を行った者の一方に関連付けられるデータワードの第2のデータフィールドの値が01であることを示している。このようにして、結託攻撃を行った者の一方について、データワード0001が固有に特定される。列120の第1のフィールドの値01を表すシード2に対応するウォータマークコードワードが検出された場合、列130に示される第2のデータフィールドについては、4つの可能なコードワードに関連する4つの可能な値のみが存在する。したがって、列140に示すように、シードから、9〜12について生成されたコードワードに関して相関処理が実行され、これにより、図8cに示すように、シード11から生成されたコードワードについて高い相関値を示すシード11が検出される。値10は、一義的に検出され、したがって、結託攻撃を行うユーザについて、データワード0110が再生される。
なお、3個以上のフィールドに分割できる64ビットのデータワードについても、対応する構成を提供することができる。上述のように、データフィールドは、特定の意味を有することができ、例えば、第1のデータフィールドによって、国コードを示してもよい。これにより、悪意があるユーザがデジタル映画作品(digital cinema production)等のウォータマークが付された2つのマテリアルアイテムを同じ国内で複製し、2つの映画データを加算することによってウォータマークを取り除こうとした場合、第1のデータフィールドFの値は、両方の複製において同じになり、したがってこのフィールド値は、強められる(reinforced)。これは、映画作品の2つの不正コピーが同じ国から取得されたためである。したがって、2つのビデオ作品を加算することによってウォータマークを取り除こうとすると、国コードが強められる(reinforced)。また、都市コードについても同様のことが言える。しかしながら、映画作品の2つのコピーが異なる映画館から取得された場合、各映画館コードついて、シードと、これに対応するウォータマークコードワードが異なるため、そして、映画館コードは取り除かれる可能性がある。各ウォータマークコードワードは、事実上擬似ランダム雑音を生成するので、2つのビデオ作品を加算することにより、雑音が増加し、したがって、ウォータマークが除去される。
この具体例では、第1のフィールド及び第2のフィールドは同じサイズを有しているが、第1のフィールドによって特定される各サブセットの可能な値は、不均一に分布していてもよく、すなわち、1つのサブセット内の値が、他のサブセット内の値より多くてもよい。したがって、例えば、第2のフィールドは、2ビットではなく、3ビット又は4ビットであってもよく、ビット数は、それぞれのサブセットの間で異なっていてもよい。
検出プロセッサ
コードワードを検出し、マテリアルアイテム内にデータワードが存在している場合、1又は複数のデータワードを再生する検出装置の構成を図9に示す。図9に示すように、ウォータマークが埋め込まれた画像のオフェンディングバージョンW’は、データソースから供給され、フレームメモリ220に記憶される。この画像処理装置における検出処理は、画像のオリジナルバージョンを必要とするために、フレームメモリ224に、画像Iのオリジナルバージョンが記憶されている。ウォータマークが埋め込まれた画像のオフェンディングバージョンW’及び画像のオリジナルバージョンは、それぞれ個別の接続チャンネル226、228を介して、登録プロセッサ(registration processor)230に供給される。
上述のように、画像のオフェンディングバージョンW’は、ウォータマークが埋め込まれた画像Wの一部を撮影又は複写することにより生成された可能性がある。そこで、識別コードワードの検出率を高めるために、登録プロセッサ230は、それぞれフレームメモリ220、224に記憶されているオフェンディング画像と画像のオリジナルバージョンとを実質的に揃える(align)。受信した画像を画像のオリジナルバージョンとともに登録するための処理に関するその他の詳細は、欧州特許出願第1324263A号に開示されている。この目的は、オリジナル画像のサンプルIと、コードワード係数が付加されてウォータマークが埋め込まれた対応する画像Wのサンプルとの対応関係を調べることである。
この登録処理を図10を用いて説明する。図10は、オリジナル画像Iの具体例(図10A)と、ウォータマークが埋め込まれた画像のオフェンディングバージョンW’(図10B)を示している。図10Cに示すように、ウォータマークが埋め込まれた画像のオフェンディングバージョンW’は、登録の結果、オリジナル画像に対してオフセットを有しており、コードワード係数の表現を再生するために、ウォータマークが埋め込まれた画像のオフェンディングバージョンW’からオリジナル画像の正しいサンプルを減算する必要がある。この処理のために、2つの画像が揃えられる。図3Cに示すように、登録された画像W”は、オリジナル画像には存在しない部分を含む周辺領域(peripheral area)PAを有している。
他の具体例では、例えばインターネットからオフェンディングバージョンがダウンロードされた場合等、オフェンディング画像W’と既にオリジナル画像のバージョンIとの対応関係が明らかであることがあり、このような場合、登録プロセッサ230を使用する必要はない。そこで、この画像検出処理装置は、ウォータマークが埋め込まれた画像を再生プロセッサ240に直接供給するための代替的な接続チャンネル232を備えている。
登録された画像W”は、再生プロセッサ240に供給される。再生プロセッサ240には、第2の接続チャンネル244を介して、オリジナル画像Iのコピーも供給されている。登録された画像W”及びオリジナル画像Iは、DCTプロセッサ246によって、DCT領域に変換される。次に、以下の式に示すように、オリジナル画像のDCT領域のサンプルVからウォータマークが埋め込まれた画像のDCT領域のサンプルV’を減算することにより、推定コードワードX’が算出される。
X’=V’−V
=v’−v,v’−v,v’−v,v’−v,・・・,v’−v
=x’,x’,x’,x’,・・・,x’
したがって、再生プロセッサ240は、接続チャンネル250を介して、識別すべきコードワードの係数の推定値を出力する。再生されたコードワードX’は、相関器252の第1の入力端子に供給される。相関器252の第2の入力端子には、コードワード再生成器254によって生成されたコードワードXが供給されている。コードワード再生成器254は、制御プロセッサ270の制御の下、コードワードを生成する。制御プロセッサ270は、コードワード再生成器254と、ウォータマークコードワードを生成するためのシードを記憶するデータメモリ258とを制御する。制御プロセッサ270は、生成すべきコードワードを選択し、以前に検出されたコードワードの結果と、関連するデータフィールド値とに基づいて、相関器252を制御する。コードワードの生成は、より高い層のコードワードが検出された場合、次のフィールド値に関連付けられたコードワードの制限された組のみについて、コードワードと対応する相関処理を実行するように選択されて、制御される。上述のように、より高いフィールドに関連付けられたコードワードは、データワードの可能な値を複数の組に分割する。したがって、ある組について、1つの値が特定された場合、サブセット内の対応するフィールド値についてのみ、コードワードが生成され、相関処理が実行される。制御プロセッサ270の動作を図11に示すフローチャートを用いて説明する。図11のフローチャートの各ステップは、以下の通りである。
S2:制御プロセッサ270は、データワードにおける最高レベルのデータフィールドから処理を開始し、コードワード再生成器254を制御して、第1のデータフィールドの各値に関連するコードワードを生成させる。
S4:そして、制御プロセッサ270は、相関器252を制御し、再生成された各コードワードと、マテリアルアイテム(この実施例では、ビデオ画像)から再生されたコードワードの推定値との相関を調べさせる。
S6:相関器252は、後により詳細に説明する相関及び検出処理に基づき、再生されたコードワードと、再生成されたコードワードとの各相関関係について、相関値を生成する。相関値が検出閾値を超えている場合、検出器260は、再生されたコードワード内にコードワードが存在していると判定する。1又は複数のコードワードが存在しているとの判定を行うことができる。
S8:相関値が検出閾値を超えている場合、特定のフィールドに関するデータ値は、検出されたコードワードとの関係によって特定される。例えば図7に示す実施例では、第1のデータフィールドは、第1の2ビットのフィールドの値、すなわち01であるとして検出される。
S10:如何なる相関値も検出閾値を超えない場合、そのフィールドについては、如何なるデータフィールド値も検出できないと判断される。なお、より低い階層に関連付けられているコードワードは、検出可能である場合がある。
S12:制御プロセッサは、データメモリ258によって供給されるデータワードの構造に関する知識から、評価すべき更なるフィールドがあるか否かを判定する。データワードの構造は、データフィールドの数とサイズを定義する。構造の形式は、データメモリ258に予め記憶されている。
S14:最後のフィールドが評価されると、処理は終了する。
S16:前のデータフィールドについて検出されたデータフィールド値によって制約される次のフィールドの可能な値に関連付けられている各コードワードが特定される。図7に示す実施例では、コードワードは、コードワード9〜12によって生成されたコードワードに制限される。これらのコードワードは、特定されたシードから、コードワード再生成器254によって再生成される。続いて、ステップS4からの処理が繰り返される。
幾つかの具体例では、例えば、ウォータマークを取り除くためにウォータマークが付されたメディアアイテムの2以上のコピーが加算された結果として、ウォータマークが付されたマテリアルアイテム内に2つ以上のデータワードが存在している場合もある。したがって、データ検出処理装置は、各データワードを検出するよう構成してもよい。このために、制御プロセッサ270は、コードワード再生成器254を制御し、各データワードの第1のデータフィールドの可能な値に関連付けられる各コードワードを選択的に再生成させてもよい。そして、再生成されたコードワードと、再生されたコードワードとの相関を調べ、この相関の結果から、複数のデータワードのそれぞれの第1のフィールドの値を特定する。そして、複数のデータワードのそれぞれについて、第2のデータフィールドの可能な値に関連付けられる各コードワードが再生成され、各データワードの第1のデータフィールドの値に基づいて、コードワードが選択される。そして、再生成されたコードワードと、再生されたコードワードとの相関を調べ、この相関の結果から各データワードの第2のフィールドの値が特定される。
コードワードの検出
相関器252は、n個の類似値sim(i)を生成する。一具体例においては、類似値sim(i)は、以下の式に基づく相関を求めることにより算出される。
Figure 2005210687
n個の類似値sim(i)のそれぞれは、検出器260に供給される。そして、検出器260は、n個の可能なコードワードのそれぞれに対する類似値sim(i)を分析する。相関器252によって生成される類似値sim(i)の具体例と、可能な各コードワードの閾値THとの関係を図12に示す。図12に示すように、2つのコードワード2001、12345が閾値THを超えている。このため、検出器260は、コードワード2001及びコードワード12345に対応するウォータマークが埋め込まれた画像のバージョンからオフェンディング画像が作成されたと判定する。したがって、この具体例においては、母集団の大きさにより決定される誤検出確率(false positive probability)と、ウォータマーク強度(watermarking strength)αとに基づいて、誤検出確率を十分低くできる閾値THの高さを設定することができる。図9に示す具体例では、相関器252によって生成された類似値が閾値THを超えている場合、この誤検出確率をもって、このウォータマークが埋め込まれた画像の受信者が不正行為を行い、ウォータマークが埋め込まれた画像のオフェンディングバージョンWの作成に関与したと判断される。
他の適用例
図1に示す、ウォータマークが埋め込まれた画像を生成する画像符号化処理装置は、本発明が適用される様々な異なるシナリオにおいて、様々な製品に組み込まれる。例えば、画像符号化処理装置は、ウェブサイト又はウェブサーバに接続してもよく、これらのウェブサイト又はウェブサーバからは、ウォータマークが付された画像がダウンロードされる。画像のコピーがダウンロードされる前に、このダウンロードされる画像に固有のコードワードを埋め込むことにより、後の時刻において、ダウンロードされた画像の受信者を検出することができる。
他の具体例においては、画像符号化処理装置は、デジタル映写機の一部を構成し、例えば映画館等で映画の映像を映写している間、識別コードワードを映像に埋め込む。識別コードワードは、映像が再生される映画館及び映写機を特定する。したがって、映写機から映写された映像から作成された海賊版コピー内の識別コードワードを検出することにより、海賊版コピーが作成された映画館及び映写機を特定することができる。また、ウォータマークが付された画像は、写真又は印刷物として再生することもでき、これらの再生物又はコピーを作成及び配布することもできる。したがって、図1では、画像符号化処理装置によって生成されたウォータマークが付された画像の配信先を雲形の枠で表現された配信19として包括的に示している。
ウォータマークシステムのデータ符号化処理装置は、上述した映写機及びウェブサーバに加えて、他の機器にも適用できる。例えば、本発明は、通信装置から信号を受信し、この受信した信号にコードワードを導入することにより情報にウォータマークを付す受信機/デコーダにも適用できる。例えば、セットトップボックスは、「ヘッドエンド」の放送又はマルチキャスト装置からテレビジョン及びビデオ信号を受信する。このような適用例では、データ符号化処理装置は、セットトップボックスの一部を構成し、信号を受信及びデコードする際にビデオ信号にウォータマークコードワードを導入する。一具体例においては、このウォータマークコードワードは、ビデオ信号を受信及びデコードしたセットトップボックスを固有に特定する。
更に、本発明は、衛星からデジタル映画データ(digital cinema film)を受信するデジタル映画受信機にも適用できる。この受信機は、デジタル映画を表す信号を受信し、この信号をデコードしてデジタル映画を再生する。この受信機は、デコードされた映画信号にウォータマークコードワードを導入するデータ符号化処理装置を備える。ウォータマークコードワードは、例えば、デジタル映画データを受信した受信機を固有に特定する。
更に、本発明は、メモリ及びメモリコントローラを備えるデジタルカメラ又はカムコーダ等にも適用できる。この適用例では、本発明に係るデータ符号化処理装置は、メモリに記憶されているウォータマークコードワードをデジタルカメラ等によって撮影されたビデオ信号に導入する。この適用例においては、コードワードは予めメモリに記憶されており、したがってデータ符号化処理装置は、コードワード生成器を備えていない。メモリに記憶されているコードワードは、メモリコントローラの制御の下、ビデオ信号に埋め込まれ、これによりビデオ信号を固有に又は擬似固有的(quasi-uniquely)に特定する。
更なる具体例においては、本発明に基づくデータ符号化処理装置は、連続的な画像又は動画を構成する複数の異なるデジタル画像のフレームのそれぞれに一連のウォータマークコードワードを個別に埋め込む。これらのコードワードは、互いに関連性を有していてもよく、これらのコードワードにより、各フレームに対応する画像を個別に識別することができるようになる。
本発明の更なる様々な側面及び特徴は、添付の請求の範囲において定義されている。この請求の範囲から逸脱することなく、上述した実施の形態を様々に変更することができる。
画像符号化処理装置の構成を示すブロック図である。 複数のフィールドを有するデータワードと、複数のウォータマークコードワードとの間の関係を示す図である。 各フィールドが異なる種類の情報表す複数のフィールドを有するデータワードを示す図である。 コードワードとデータフィールド値の間の関係の具体例を示す図である。 図4に示すコードワードにおけるデータワードの検出を説明する図である。 図4に示すコードワードに対する結託攻撃が行われたマテリアルアイテムからのコードワードの検出の結果を示すグラフ図である。 本発明に基づき、コードワードと、データフィールド値とを関連付ける処理を説明する図である。 図7に示す具体例において、第1のデータフィールドに関連付けられているコードワードを検出した結果を示すグラフ図である。 図7に示す具体例において、第1のデータフィールドに関連付けられた第1のデータワード(0001)について検出された値に関連付けられているコードワードによって制約される第2のデータフィールドに関連付けられているコードワードを検出した結果を示すグラフ図である。 図7に示す具体例において、第1のデータフィールドに関連付けられた第2のデータワード(0110)について検出された値に関連付けられているコードワードによって制約される第2のデータフィールドに関連付けられているコードワードを検出した結果を示すグラフ図である。 コードワードを検出し及び1又は複数のデータワードを再生する検出装置の構成を示す図である。 Aは、オリジナル画像を示す図であり、Bは、ウォータマークが付された画像を示す図であり、Cは、登録された画像を示す図である。 本発明に基づいてデータワードを検出するための処理のフローチャートである。 一組のコードワードN内の各コードワードに関する相関結果を示すグラフ図である。

Claims (22)

  1. マテリアルアイテムのコピーに、少なくとも2つのフィールドを有するデータワードの組から1つのデータワードを特定するよう構成されたコードワードを導入することによって、該マテリアルアイテムのウォータマークが付されたコピーを生成するデータ符号化処理装置であって、
    複数のコードワード係数を有し、それぞれが異なるコードワードシードから個別に生成され、1つがデータフィールドの第1の値に基づいて第1の組から選択され、1つがデータフィールドの第2の値に基づいて第2の組から選択される、少なくとも2つのコードワードを生成するコードワード生成器と、
    上記コードワード係数をマテリアルアイテムに結合する符号化プロセッサとを備え、
    上記第1のデータフィールドの値は、第1のコードワードの組に関連付けられ、上記第2のデータフィールドの値は、第2のコードワードの組に関連付けられ、該第2のコードワードの組は、該第1のデータフィールドの値に基づいて選択されるデータ符号化処理装置。
  2. 上記データワードは、サブセットに分割され、各データワードの第1のデータフィールドの値サブセットの1つを特定し、上記第2のコードワードの組は、該サブセット内のデータワードの第2のデータフィールドの値に関連付けられることを特徴とする請求項1記載のデータ符号化処理装置。
  3. 上記サブセットは、上記組からの異なる数のデータワードを含んでいることを特徴とする請求項1又は2記載のデータ符号化処理装置。
  4. 上記第2のフィールドの長さは、2つのサブセットの間で等しくないことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載のデータ符号化処理装置。
  5. 上記第1のデータフィールドの値は、上記第1のコードワードの組を生成するためのシードに一義的に関連付けられ、該第1のフィールドの値と、上記第2のフィールドの値の組合せは、上記第2のコードワードの組を生成するためのシードに一義的に関連付けられることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載のデータ符号化処理装置。
  6. 上記コードワードは、擬似乱数から生成され、上記データワードは、数字から構成されることを特徴とする請求項5記載のデータ符号化処理装置。
  7. 上記各フィールドは、それぞれ異なる種類の情報を表すことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載のデータ符号化処理装置。
  8. 上記データフィールドの1つは、地理的位置を表すことを特徴とする請求項7記載のデータ符号化処理装置。
  9. 上記データフィールドの1つは、マテリアルアイテムを符号化した日時を表すことを特徴とする請求項7記載のデータ符号化処理装置。
  10. 請求項1乃至請求項9いずれか1項記載のデータ符号化処理装置を備える映写装置であって、上記データ処理装置は、再生を行う前に、音声信号及び画像信号の少なくとも一方が供給され、該音声信号及び画像信号の少なくとも一方にコードワードを導入することを特徴とする映写装置。
  11. 請求項1乃至請求項9いずれか1項記載のデータ符号化処理装置を備え、インターネットを介してダウンロード可能なマテリアルアイテムを提供するウェブサーバであって、上記データ処理装置は、上記マテリアルアイテムがダウンロードされる前に、該マテリアルアイテムが供給され、該マテリアルアイテムにコードワードを導入することを特徴とするウェブサーバ。
  12. ウォータマークが付されたマテリアルアイテムから再生されたコードワードから、第1の値が第1のコードワードの組に関連付けられ、第2の値が、該第1のデータフィールドの値に基づいて選択される第2のコードワードの組に関連付けられている少なくとも2つのフィールドを含む少なくとも1つのデータワードを判定するデータ検出処理装置であって、
    それぞれが異なるコードワードシードから個別に生成される複数のコードワード係数をそれぞれ有するコードワードを再生成するコードワード再生成器と、
    上記再生成されたコードワードと、上記再生されたコードワードとの相関を調べる相関器と、
    上記コードワード再生成器を制御し、上記第1のデータフィールドの可能な値に関連する各コードワードを選択的に再生成させ、
    上記再生成されたコードワードと、上記再生されたコードワードとの相関を調べ、
    上記相関の結果から、上記第1のフィールドの値を特定し、
    上記第1のデータフィールドの値に基づいて選択された、第2のデータフィールドの可能な値に関連する各コードワードを選択的に再生成し、
    上記再生成されたコードワードと、上記再生されたコードワードとの相関を調べ、
    上記相関の結果から、上記第2のフィールドの値を特定する制御プロセッサとを備えるデータ検出処理装置。
  13. 制御プロセッサは、上記データワード内の後続する各フィールドについて、
    既に特定されているデータフィールドの値に基づいて選択された、後続するデータフィールドの可能な値に関連する各コードワードを選択的に再生成し、
    上記再生成されたコードワードと、上記再生されたコードワードとの相関を調べ、
    上記相関の結果から、上記後続するフィールドの値を特定することを特徴とする請求項12記載のデータ検出処理装置。
  14. 上記各コードワードは、シードから生成され、各可能なコードワードのためのシードは、データメモリに記憶され、上記コードワード再生成器は、キーに基づいてコードワードを生成し、上記複数のコードワード係数は、擬似乱数であることを特徴とする請求項12又は13記載のデータ検出処理装置。
  15. データワード内のフィールドの数と、各フィールドの桁数とを提供するデータワードの構造を表す情報が、制御プロセッサによるアクセスのためにデータメモリに記憶されていることを特徴とする請求項14記載のデータ検出処理装置。
  16. 当該データ検出処理装置は、ウォータマークが付されたマテリアルアイテムから再生されたコードワードから2以上のデータワードを検出し、上記制御プロセッサは、
    上記コードワード再生成器を制御し、上記各データワードの上記第1のデータフィールドの可能な値に関連する各コードワードを選択的に再生成させ、
    上記再生成されたコードワードと、上記再生されたコードワードとの相関を調べ、
    上記相関の結果から、上記第1のフィールドの値を特定し、
    上記各データワードについて、該各データワードの上記第1のデータフィールドの値に基づいて選択された、第2のデータフィールドの可能な値に関連する各コードワードを選択的に再生成し、
    上記再生成されたコードワードと、上記再生されたコードワードとの相関を調べ、
    上記相関の結果から、上記各データワードの上記第2のフィールドの値を特定することを特徴とする請求項12乃至15いずれか1項記載のデータ検出処理装置。
  17. マテリアルアイテムのコピーに、少なくとも2つのフィールドを有するデータワードの所定の組からデータワードを一義的に特定するコードワードを導入することによってマテリアルのアイテムのウォータマークが付されたコピーを生成するデータ生成方法であって、
    複数のコードワード係数を有し、それぞれが異なるコードワードシードから個別に生成され、1つがデータフィールドの第1の値に基づいて第1の組から選択され、1つがデータフィールドの第2の値に基づいて、該第1のデータフィールドの値に基づいて選択される第2の組から選択される、少なくとも2つのコードワードを生成するステップと、
    上記コートワード係数を上記マテリアルに結合するステップとを有するデータ生成方法。
  18. ウォータマークが付されたマテリアルアイテムから再生される、第1のコードワードが第1のデータフィールドの値に関連付けられ、第2のコードワードが、該第1のデータフィールドの値に基づいて、第2のデータフィールドの値に関連付けられている複数のコードワードによって表されるデータワードを判定するデータワード判定方法であって、
    上記第1のデータフィールドの可能な値に関連付けられられている各コードワードを選択的に再生成するステップと、
    上記再生成されたコードワードと、それぞれが異なるコードワードシードから個別に生成された、上記再生されたコードワードとの相関を調べるステップと、
    上記相関の結果から、上記第1のフィールドの値を特定するステップと、
    上記第1のデータフィールドの値に基づいて選択された、第2のデータフィールドの可能な値に関連する各コードワードを選択的に再生成するステップと、
    上記再生成されたコードワードと、上記再生されたコードワードとの相関を調べるステップと、
    上記相関の結果から、上記第2のフィールドの値を特定するステップとを有するデータワード判定方法。
  19. 請求項17又は18記載の方法を実行するプログラムコードを有するコンピュータソフトウェア。
  20. 請求項19記載のプログラムコードを提供する提供媒体
  21. 当該提供媒体は、記録媒体であることを特徴とする請求項20記載の提供媒体。
  22. 請求項1乃至9いずれか1項記載のデータ符号化処理装置によってコードワードが導入されたマテリアルアイテムを表す信号。
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