JP2005209982A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な方法で、発光強度の強い所望の色合いの発光、特に赤色を含む発光や白色の発光を実現する半導体発光素子を提供する。
【解決手段】本発明の半導体発光素子30は、サファイア基板31と、GaNからなる下地層32と、GaNからなるn型コンタクト層33と、n型のAl0.15Ga0.85Nからなるn型クラッド層34と、In0.15Ga0.85N井戸層とGaN障壁層とが交互に3周期積層された量子井戸構造からなる発光層35と、p型Al0.15Ga0.85Nからなるp型クラッド層36と、Al0.15Ga0.85N層とIn0.2Ga0.8N層とがそれぞれ3nmの厚さで複数周期積層され、希土類元素のEuがドープされたp型コンタクト層37とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子およびその製造方法に関するものであり、特に、白色発光ダイオードなどとして好適に用いることのできる半導体発光素子およびその製造方法に関するものである。
一般に、白色光照明装置は蛍光体およびこれを励起する発光素子から構成され、図8に示すような構造を有している。図8は、従来の白色光照明装置の構成を模式的に示す断面図である。具体的には、一般式AlxGa1-xN(但しxは0≦x≦1である)で表される窒化物半導体からなり、1mm角以下に切断された発光素子101と、その発光素子101から放出された青色光によって励起されて570nm付近に発光ピークを有する波長を発光する蛍光体102と、発光素子101を保持するメタルステム103と、発光素子101を包囲し、蛍光体102が充填された樹脂モールド104とを備えている。
発光素子101は、メタルステム103に接し、サファイアからなる絶縁物基板(図示せず)と、絶縁物基板の上に設けられたn型層101aと、n型層101aの上に活性層(図示せず)を挟んで設けられたp型層101bとを有している。発光素子101の裏面はサファイアの絶縁物基板(図示せず)であるため、発光素子101の裏面から電極を取り出すことはできない。したがって、AlxGa1-xN層からなるn型層101aをメタルステム103と電気的に接続するために、発光素子101のうちの一部のp型層101bを除去してn型層101aを露出させ、その部分の上にn側電極106を設け、n側電極106とメタルステム103を配線105によって接続する方法がとられている。
ところで、樹脂モールド104としては、発光素子101からの光を空気中に効率よく放出する目的で、屈折率が高く、かつ透明度の高い樹脂が選択される。一般に、蛍光体102は短波長の光によって励起され、励起波長よりも長波長の光を発光する。逆に、長波長の光によって励起されて短波長の光を発光する蛍光体もあるが、それはエネルギー効率が非常に悪く微弱にしか発光しない。
照明装置からの光は、発光素子101から放出される青色光と蛍光体102から放出される黄色光とが混合されたものであるため、観察者は白色光として感知する。
特開平5−152606号公報 特開2000−91703号公報 特開2002−231995号公報
しかしながら、上記従来の構造では、赤色光成分が弱く演色性が悪いという不具合があった。すなわち、赤色の物質に白色光が当たったときに少しオレンジ色に見えてしまうため、このような白色光をバックライトで使用するには、カラーフィルタに工夫をして対処するしかなかった。
さらに、蛍光体の厚さによって、白色光の色合いが非常に敏感に変化してしまうという不具合があった。例えば、蛍光体の厚さが薄すぎる場合には、発光ダイオード(以下LEDという)から放出された青色光が所望量以上の量で蛍光体を透過してしまう。その結果、蛍光体の黄色光よりもLEDの青色光が優勢となるために、LEDと蛍光体の合成光出力は青味がかって見える。一方、蛍光体が厚すぎる場合には、LEDから発光された青色光が蛍光体層を透過する量は所望量より少なくなる。その結果、LEDの青色光よりも蛍光体の黄色光が優勢となるために、LEDと蛍光体の合成光出力は黄味がかって見える。このように、蛍光体の厚さはLEDと蛍光体との合成光出力に影響を及ぼす重要な変数であり、蛍光体厚さの変動は白色光照明用途に適さない白色光(青味がかった色や黄色味がかった色)をもたらしてしまう。しかしながら、白色光照明装置を大規模生産する際に蛍光体の厚さを精密に制御するのは困難であるため、製造歩留りは許容し得ないほどに低くなることがあった。
本発明の目的は、上記従来の課題を解決するものであり、簡便な方法で、発光強度の強い任意の色合いの発光、特に白色光の発光を実現する半導体発光素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明の半導体発光素子は、発光層と、前記発光層の上方に設けられ、複数の層を有し、少なくとも一部に希土類元素を含む半導体層とを備えている。
このような半導体発光素子において、発光層からの光によって半導体層に含まれる希土類元素が励起されると、その元素に固有の波長の蛍光が発せられる。このとき、半導体層が複数の層を有しているため、発光強度が強くなる。つまり、希土類元素を適宜選択して複数の層に導入することにより、所望の色合いの発光を強い発光強度で実現することができる。従来の白色発光素子では赤色光成分が弱いという不具合があったが、本発明では、赤色を発光する希土類元素を選択することにより、赤色成分を補うことができる。また、従来の白色発光素子では蛍光体の厚さに依存して白色光の色合いが変化しやすいという不具合もあったが、本発明では、蛍光体を用いなくてもよいため、安定した白色光を得ることができる。
なお、半導体層は発光層の上方に設けられていると上述しているが、この構造には、半導体発光素子が基板を有している場合に、基板の上に設けられた発光層の上に半導体層が設けられている構造だけではなく、基板と発光層との間に半導体層が設けられている構造も含まれるとする。
前記複数の層のうち前記希土類元素が含まれる層の厚さは10nm以下であることが好ましい。この場合には、結晶性が低下しにくいことに加えて、量子効果が起こりやすくキャリアが空間的に閉じこめられやすいという利点があるため、発光強度をさらに強くすることができる。
前記複数の層における各層のうち互いに接する層同士の組成は異なっていてもよい。
前記発光層におけるバンドギャップエネルギーは、前記半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きくてもよい。この場合には、半導体層の方が発光層よりも大きなバンドギャップエネルギーを有する場合と比較して、発光層からの光が半導体層に吸収されやすくなる。したがって、希土類元素の励起効率を高くすることができる。
前記希土類元素は、具体的には、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Er、TmおよびYbのうち少なくともいずれか1つであることが好ましい。本発明の半導体発光素子では、これらの希土類元素のうちから、所望の光の発振波長に対応する元素が選択されて用いられる。例えば、赤色発光を得るためにはEuやSmを、緑色発光を得るためにはTbやErを、青色発光を得るためにはCe、PrまたはTmを用いることができる。これらの希土類元素を複数ドープして発光を重畳させることにより、所望の色合いの光、特に白色光を容易に実現することができる。
前記希土類元素の濃度が、1×1018cm-3以上5×1022cm-3以下である場合には希土類元素を含まない場合と比較して発光強度を高くすることができ、さらに、濃度が5×1020〜3×1022cm-3の場合には、単層の半導体層にEuを注入した場合と比較して発光強度を強くすることができる。
半導体発光素子は、BxGa1-x-y-zAlyInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)からなる層を有していてもよい。
また、AlxGa1-x-yInyP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる層を有していてもよい。
また、AlxGa1-xAs(0≦x≦1)からなる層を有していてもよい。
また、ZnxCd1-xySe1-y(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる層を有していてもよい。
本発明の第1の半導体発光素子の製造方法は、発光層と、前記発光層の上方に設けられた半導体層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、前記発光層の上方に、複数の層を有する前記半導体層を形成する工程(a)と、前記複数の層のうちの少なくとも1層に選択的に希土類元素を添加する工程(b)とを備えている。
この方法によると、半導体発光素子を大規模生産することができる。そして、この方法により作成した半導体発光素子では、発光層からの光によって半導体層に含まれる希土類元素が励起されると、元素に固有の波長を有する蛍光が発せられる。このとき、半導体層が複数の層を有しているため、発光強度が強くなる。つまり、希土類元素を適宜選択することにより、所望の色合いの発光を強い発光強度で実現することができる。
前記工程(b)では、イオン注入法によって前記希土類元素を添加することが好ましい。この場合には、複数の膜中の所望の位置に所望量の希土類元素を導入することができるため、歩留まりを向上させることができる。
前記工程(b)では、前記希土類元素を1×1013cm-2以上1×1017cm-2以下の注入量で注入することが好ましい。この場合には、希土類元素を注入しない場合と比較して発光強度の強い半導体発光素子を得ることができる。さらに、注入量が1×1015〜5×1016cm-2とした場合には、単層の半導体層に希土類元素を注入した場合と比較して発光強度の強い半導体発光素子を得ることができる。
前記希土類元素としては、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Er、TmおよびYbのうちのいずれかを用いることが好ましい。
本発明の第2の半導体発光素子の製造方法は、発光層と、前記発光層の上方に設けられた半導体層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、前記発光層を形成する工程(a)と、前記発光層の上方に、希土類元素を供給しながら、複数の層を有する前記半導体層を形成する工程(b)とを備える。
この方法によっても、半導体発光素子を大規模生産することができる。そして、この方法により作成した半導体発光素子でも、発光層からの光によって半導体層に含まれる希土類元素が励起されると、元素に固有の波長を有する蛍光が発せられる。このとき、半導体層が複数の層を有しているため、発光強度が強くなる。つまり、希土類元素を適宜選択することにより、所望の色合いの発光を強い発光強度で実現することができる。
本発明の半導体発光素子では、小型、軽量、低消費電力、長寿命といった従来の半導体発光素子の長所をそのままに、種々の色、特に白色の光を、強い発光強度で発することができる。
まず、発明者が行った評価について説明する。発明者は、Al0.15Ga0.85NとIn0.2Ga0.8Nとが交互に積層された多層膜(Al0.15Ga0.85N/In0.2Ga0.8N多層膜)に希土類元素としてEuをドープした試料と、GaNの単層にEuをドープした試料との発光特性をフォトルミネッセンス(PL)によって評価した。
評価に用いた試料の作製は次のようにして行った。Al0.15Ga0.85N/In0.2Ga0.8N多層膜は、まずサファイア基板上に有機金属気相成長法により膜厚1μmのGaNを成長させ、その上に各層の厚さが3nmのAl0.15Ga0.85N/In0.2Ga0.8N多層膜を成長させることにより得た。一方、GaNも、サファイア基板上に有機金属気相成長法により膜厚1μmのGaNを成長させることにより得た。その後、これら2つの試料中に、注入量1×1015cm-2のEuをイオン注入法により導入した。そして、Euを活性化させるために、1000度の温度の熱アニールを1分間行った。
図1は、EuをドープしたAl0.15Ga0.85N/In0.2Ga0.8N多層膜およびGaNの単層におけるPL測定の結果を示すグラフ図である。この測定は室温下で行った。図1からわかるように、波長622nmにEuにおける内殻遷移の鋭いピークが観察されている。このピークの発光強度は、Al0.15Ga0.85N/In0.2Ga0.8N多層膜の方がGaNよりも2倍以上も大きい。この結果から、希土類元素をドープする半導体層として多層膜を用いた場合には、単層を用いた場合よりも発光強度が増加することがわかる。
ここで、測定に用いた多層膜における各層の膜厚が3nmと薄いことが発光強度の増加の原因の1つと考えられる。つまり、多層膜における各層の膜厚が10nm以下である場合には、各層に働く応力が少ないため結晶性が低下せず、また、量子効果が起こってキャリアが空間的に閉じ込められやすいため、発光効率がさらに向上すると考えられる。
図2(a), (b)は、Al0.15Ga0.85N/In0.2Ga0.8N多層膜に注入するEuの量を変化させた場合のPL測定結果を示すグラフ図であり、(a)はEuの量を注入量(cm-2)で規定した場合を、(b)はEuの量を濃度(cm-3)で規定した場合を示している。図2からわかるように、注入量または濃度の増加に伴って発光強度は増加するが、これらの量がある一定量(注入量の場合は1×1016cm-2、濃度の場合は1×1022cm-3)を超えた場合には、発光強度は急激に減衰する。これは、多層膜中のEuの量が過剰になったため、結晶性が低下してオーミック特性が劣化したことによると考えられる。これらの結果から、注入量が1×1013〜1×1017cm-2の場合または濃度が1×1018〜5×1022cm-3の場合には、Euを注入しない場合と比較して発光強度を強くすることができるといえる。
また、図1に示すように、単層膜を用いた場合には、多層膜を用いた場合の半分以下の強度でしか発光させることができない。図2(a)に示すグラフにおいて、強度が最大値の半分以上となるのは注入量が1×1015〜5×1016cm-2の場合であるので、Euの濃度がこの範囲内にあるときには単層の場合と比較して発光強度を強くすることができる。図2(b)に示すグラフにおいても同様に、濃度が5×1020〜3×1022cm-3の場合には、単層の場合と比較して発光強度を強くすることができる。
(第1の実施形態)
次に、上述の評価結果を利用した発光素子の具体的な構造について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態における半導体発光素子の構造を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態の半導体発光素子30は、(0001)面方位のサファイア基板31と、サファイア基板31の上に設けられたGaNからなる厚さ200nmの下地層32と、GaN下地層の上に設けられたn型のGaNからなる厚さ300nmのn型コンタクト層33と、n型コンタクト層33の上に設けられたn型のAl0.15Ga0.85Nからなる厚さ500nmのn型クラッド層34と、n型クラッド層34の上に設けられ、厚さ2nmのIn0.15Ga0.85N井戸層と厚さ6nmのGaN障壁層とが交互に3周期積層された量子井戸構造からなる発光層35と、発光層35の上に設けられたp型Al0.15Ga0.85Nからなる厚さ500nmのp型クラッド層36と、p型クラッド層36の上に設けられ、Al0.15Ga0.85N層とIn0.2Ga0.8N層とがそれぞれ3nmの厚さで20周期積層され、Euがドープされたp型コンタクト層37とを有するダブルへテロ接合を有している。p型コンタクト層37、p型クラッド層36、発光層35、n型クラッド層34およびn型コンタクト層33の上層部はエッチングにより除去されて、エッチング部となっている。n型コンタクト層33のうち露出する部分の上にはn側電極38が設けられている。また、p型コンタクト層37の上にはp側電極39が設けられている。また、p型コンタクト層37に注入されているEuの濃度は1×1018cm-3以上5×1022cm-3の範囲であり、さらに好ましくは5×1020〜3×1022cm-3である。
次に、本実施形態の半導体発光素子の製造工程について、図4(a)〜(d)を参照しながら説明する。図4(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態における半導体発光素子の製造工程を模式的に示す断面図である。
まず、図4(a)に示す工程で、サファイア基板31の(0001)面上に、有機金属気相成長法を用いて、GaNからなる厚さ200nmの下地層32を堆積する。その上に、n型不純物(ドナー)としてSiをドープしながら厚さ300nmのGaNを成長させることによりn型コンタクト層33を形成し、その上に、同じくSiをドープしながら厚さ500nmのAl0.15Ga0.85Nを成長させることによりn型クラッド層34を形成する。その後、n型クラッド層34の上に、厚さ2nmのIn0.15Ga0.85Nからなる井戸層と厚さ6nmのGaNからなる障壁層とを交互に3回成長させることにより、合計膜厚24nmの発光層35を形成し、その上に、p型不純物(アクセプタ)としてMgをドープしながら厚さ500nmのAl0.15Ga0.85Nを成長させることによりp型クラッド層36を形成し、さらに、同じくMgをドープしながらAl0.15Ga0.85N層とIn0.2Ga0.8N層とをそれぞれ3nmの厚さで20回成長させることにより、p型コンタクト層37を形成する。
なお、本実施形態では発光層35が量子井戸構造である場合について説明しているが、本発明では発光層35としてバルクを用いてもよい。また、発光層35の導電型は特に指定していないが、p型、n型およびアンドープのいずれであってもよい。
次に、図4(b)に示す工程で、イオン注入法を用いて、p型コンタクト層37の中にEu40を注入する。図2を用いて説明したように、Euの注入される量がある一定量に達するまではその量が多くなるにしたがって発光強度は増加するが、Euの注入される量がその一定量を超えると発光強度が減少するため、Euの注入量は1×1013〜1×1017cm-2の範囲とし、さらに好ましくは1×1015〜5×1016cm-2とする。
次に、図4(c)に示す工程で、p型コンタクト層37の上に開口を有するエッチングマスク(図示せず)を形成してウェットエッチングあるいはドライエッチングを行うことにより、p型コンタクト層37、p型クラッド層36、発光層35およびn型クラッド層34と、n型コンタクト層33の上層部とを除去する。その後、エッチングマスクを除去する。
次に、図4(d)に示す工程で、n型コンタクト層33の上にTi/Al等からなるn側電極38を形成し、p型コンタクト層37の上にNi/AuやNi/Pt/Au等からなるp側電極39を形成することにより、ダブルへテロ構造を有する窒化物半導体発光素子30が完成する。
本実施形態の窒化物半導体発光素子30のp側電極39とn側電極38との間に3.5Vの電圧を印加して20mAの電流を流したところ、高効率の赤色発光を確認することができた。
本実施形態では、発光層35から発生した光によってp型コンタクト層37に含まれるEuが励起されて、赤色光が発光される。
このとき、p型コンタクト層37は厚さが10nm以下の層が複数積層された構造を有するため、結晶性を低下しにくくすることができると共に、量子効果を起こりやすくすることができる。また、p型コンタクト層37に含まれるEuの濃度が1×1018cm-3以上5×1022cm-3の範囲であり、さらに好ましくは5×1020〜3×1022cm-3(注入量では1×1013〜1×1017cm-2、さらに好ましくは1×1015〜5×1016cm-2)であることにより、結晶性を低下しにくくすることができる。
なお、従来の白色発光素子では赤色光成分が弱いという不具合が生じていたが、本実施形態の手段を用いることにより赤色光を含む光を得ることができる。また、従来の白色発光素子では光の色合いが変化しやすかったが、本実施形態で用いたEuに加えて緑や青の光を発生させる希土類元素を用いると、色合いの安定した白色光を得ることができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態における半導体発光素子の構造を示す断面図である。図5に示すように、本実施形態の半導体発光素子50は、(0001)面方位のサファイア基板51と、サファイア基板51の上に設けられたAlNからなる厚さ500nmの下地層52と、下地層52の上に設けられた厚さ500nmのアンドープAl0.44Ga0.56N層53と、アンドープAl0.44Ga0.56N層53の上に設けられ、厚さ3nmのAl0.20Ga0.80Nと厚さ3nmのAl0.30Ga0.70Nとが交互に20周期積層され、Tm、Er、Euがドープされた積層54と、積層54の上に設けられたn型のAl0.44Ga0.56Nからなるn型クラッド層55と、n型クラッド層55の上に設けられ、厚さ2nmのAl0.30Ga0.70N井戸層と厚さ6nmのAl0.40Ga0.60N障壁層とが交互に3周期積層された量子井戸構造からなる発光層56と、発光層56の上に設けられ、p型のAl0.44Ga0.56Nからなる厚さ300nmのp型クラッド層57と、p型クラッド層57の上に設けられ、p型のGaNからなる厚さ100nmのp型コンタクト層58とを備えている。積層54にドープされているTm、ErおよびEuの合計の濃度は1×1018〜5×1022cm-3の範囲であり、さらに好ましくは5×1020〜3×1022cm-3である。p型コンタクト層58、p型クラッド層57、発光層56およびn型クラッド層55の上層部はエッチングにより除去されて、エッチング部となっている。また、p型コンタクト層58の上にはp側電極60が、n型クラッド層55の上にはn側電極59が設けられている。
本実施形態の半導体発光素子50においては、Tm、ErおよびEuをドーピングしながら積層54を成長させてもよいし、結晶を成長させた後にTm、ErおよびEuをイオン注入してもよい。
本実施形態では、Tm、ErおよびEuが含まれる積層54のバンドギャップエネルギー(Egm)より、発光層56のバンドギャップエネルギー(Ega)の方が大きい。この場合には、積層54の方が発光層56よりも大きなバンドギャップエネルギーを有する場合と比較して、発光層56の発光(発光エネルギー)のうち積層54で吸収されるものの割合が高くなる。そのため、希土類元素の励起効率を高くすることができる。ここで、発光層56から発光される光は紫外線であり、この紫外線が積層54に吸収されると、Tmが青色光を発光し、Erが緑色光を発光し、Euが赤色光を発光する。この三色が混合される結果、白色発光が可能となる。
(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態における半導体発光素子の構造を示す断面図である。
図6に示すように、本実施形態の半導体発光素子は、(001)面方位を有するn型GaAs基板61と、n型GaAs基板61の上に設けられたn型GaAsからなる厚さ300nmの下地層62と、下地層62の上に設けられたn型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなる厚さ500nmのn型クラッド層63と、n型クラッド層63の上に設けられた(Al0.15Ga0.85)0.5In0.5Pからなる厚さ10nmの発光層64と、p型(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pからなる厚さ300nmのp型クラッド層65と、p型クラッド層65の上に設けられ、厚さ3nmのp型AlP層と厚さ3nmのGaP層とが交互に10周期積層されてEuがドープされた電流拡散層66と、n型GaAs基板61の下面上に設けられたn側電極67と、電流拡散層66の上に設けられたp側電極68とを備えている。
本実施形態では、発光層64からの光によって電流拡散層66に含まれるEuが励起されて、赤色光が発光される。
このとき、電流拡散層66は厚さが10nm以下の層が複数積層された構造を有するため、結晶性を低下しにくくすることができると共に、量子効果を起こりやすくすることができる。また、電流拡散層66に含まれるEuの濃度が1×1018cm-3以上5×1022cm-3の範囲であり、さらに好ましくは5×1020〜3×1022cm-3(注入量では1×1013〜1×1017cm-2、さらに好ましくは1×1015〜5×1016cm-2)であることにより、結晶性を低下しにくくすることができる。
なお、従来の白色発光素子では赤色光成分が弱いという不具合が生じていたが、本実施形態の手段を用いることにより赤色光を含む光を得ることができる。また、従来の白色発光素子では光の色合いが変化しやすかったが、本実施形態で用いたEuに加えて緑や青の光を発生させる希土類元素を用いると、色合いの安定した白色光を得ることができる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態における半導体発光素子の構造を示す断面図である。図7に示すように、本実施形態の半導体発光素子は、(001)面方位を有する型GaAs基板71と、n型GaAs基板71の上に設けられたn型ZnSeからなる厚さ300nmの下地層72と、下地層72の上に設けられたn型ZnSSeからなる厚さ500nmのn型クラッド層73と、n型クラッド層73の上に設けられたZnCdSeからなる厚さ10nmの発光層74と、発光層74の上に設けられ、厚さ3nmのp型ZnSSeと厚さ3nmのZnSeとが交互に50周期積層されてEuがドープされたp型クラッド層75と、p型クラッド層75の上に設けられたp型ZnSeからなる厚さ50nmのp型コンタクト層76と、n型GaAs基板71の下面上に設けられたn側電極77と、p型コンタクト層76の上に設けられたp側電極78とを備えている。
本実施形態では、発光層74からの光によってp型クラッド層75に含まれるEuが励起されて、赤色光が発光される。
このとき、p型クラッド層75は厚さが10nm以下の層が複数積層された構造を有するため、結晶性を低下しにくくすることができると共に、量子効果を起こりやすくすることができる。また、p型クラッド層75に含まれるEuの濃度が1×1018cm-3以上5×1022cm-3の範囲であり、さらに好ましくは5×1020〜3×1022cm-3(注入量では1×1013〜1×1017cm-2、さらに好ましくは1×1015〜5×1016cm-2)であることにより、結晶性を低下しにくくすることができる。
なお、従来の白色発光素子では赤色光成分が弱いという不具合が生じていたが、本実施形態の手段を用いることにより赤色光を得ることができる。また、従来の白色発光素子では光の色合いが変化しやすかったが、本実施形態で用いたEuに加えて緑や青の光を発生させる希土類元素を用いると、色合いの安定した白色光を得ることができる。
なお、上記実施形態において、サファイア基板の代わりにSiC基板を使用し、AlN下地層の代わりにB0.10Al0.90N下地層を用いてもよい。
以上、第1〜第4の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた数値、素子構造、基板、プロセス、成長方法などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、素子構造、プロセス、成長方法などを用いてもよい。具体的には、上述の実施形態においては、有機金属気相成長法を用いているが、例えば分子線エピタキシー法などの他のエピタキシャル成長法を用いてもよい。また、上述の実施形態においては、発明を白色発光素子や赤色発光素子に適用する場合についてのみ説明したが、2色以上を混色する多色発光素子にも適用することができる。
本発明の半導体発光素子およびその製造方法では、小型、軽量、低消費電力、長寿命といった従来の長所をそのままに、種々の色、特に白色の発光を強い発光強度で実現することができる点で、産業上の利用可能性は高い。
EuをドープしたAl0.15Ga0.85N/In0.2Ga0.8N多層膜およびGaNの単層におけるPL測定の結果を示すグラフ図である。 (a), (b)は、Al0.15Ga0.85N/In0.2Ga0.8N多層膜に注入するEuの量を変化させた場合のPL測定結果を示すグラフ図であり、(a)はEuの量を注入量(cm-2)で規定した場合を、(b)はEuの量を濃度(cm-3)で規定した場合を示している。 本発明の第1の実施形態における半導体発光素子の構造を示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態における半導体発光素子の製造工程を模式的に示す断面図である。 本発明の第2の実施形態における半導体発光素子の構造を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態における半導体発光素子の構造を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態における半導体発光素子の構造を示す断面図である。 従来の白色光照明装置の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
30 半導体発光素子
31 サファイア基板
32 下地層
33 n型コンタクト層
34 n型クラッド層
35 発光層
36 p型クラッド層
37 p型コンタクト層
38 n側電極
39 p側電極
40 Eu
50 半導体発光素子
51 サファイア基板
52 下地層
53 Al0.44Ga0.56N層
54 積層
55 n型クラッド層
56 発光層
57 p型クラッド層
58 p型コンタクト層
59 n側電極
60 p側電極
61 n型GaAs基板
62 下地層
63 n型クラッド層
64 発光層
65 p型クラッド層
66 電流拡散層
67 n側電極
68 p側電極
71 n型GaAs基板
72 下地層
73 n型クラッド層
74 発光層
75 p型クラッド層
76 p型コンタクト層
77 n側電極
78 p側電極
101 発光素子
101a n型層
101b p型層
102 蛍光体
103 メタルステム
104 樹脂モールド
105 配線
106 n側電極

Claims (15)

  1. 発光層と、
    前記発光層の上方に設けられ、複数の層を有し、少なくとも一部に希土類元素を含む半導体層と
    を備える、半導体発光素子。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子であって、
    前記複数の層のうち前記希土類元素が含まれる層の厚さは10nm以下である、半導体発光素子。
  3. 請求項1または2に記載の半導体発光素子であって、
    前記複数の層における各層のうち互いに接する層同士の組成は異なる、半導体発光素子。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、
    前記発光層におけるバンドギャップエネルギーは、前記半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きい、半導体発光素子。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、
    前記希土類元素は、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Er、TmおよびYbのうち少なくともいずれか1つである、半導体発光素子。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、
    前記希土類元素の濃度は、1×1018cm-3以上5×1022cm-3以下である、半導体発光素子。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、
    xGa1-x-y-zAlyInzN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)からなる層を有する、半導体発光素子。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、
    AlxGa1-x-yInyP(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる層を有する、半導体発光素子。
  9. 請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、
    AlxGa1-xAs(0≦x≦1)からなる層を有する、半導体発光素子。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の半導体発光素子であって、
    ZnxCd1-xySe1-y(0≦x≦1、0≦y≦1)からなる層を有する、半導体発光素子。
  11. 発光層と、前記発光層の上方に設けられた半導体層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
    前記発光層の上方に、複数の層を有する前記半導体層を形成する工程(a)と、
    前記複数の層のうちの少なくとも1層に選択的に希土類元素を添加する工程(b)と
    を備える、半導体発光素子の製造方法。
  12. 請求項11に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記工程(b)では、イオン注入法によって前記希土類元素を添加する、半導体発光素子の製造方法。
  13. 請求項12に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記工程(b)では、前記希土類元素を1×1013cm-2以上1×1017cm-2以下の注入量で注入する、半導体発光素子の製造方法。
  14. 請求項11〜13のうちいずれか1項に記載の半導体発光素子の製造方法であって、
    前記希土類元素としてCe、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Er、TmおよびYbのうちのいずれかを用いる、半導体発光素子の製造方法。
  15. 発光層と、前記発光層の上方に設けられた半導体層とを有する半導体発光素子の製造方法であって、
    前記発光層を形成する工程(a)と、
    前記発光層の上方に、希土類元素を供給しながら、複数の層を有する前記半導体層を形成する工程(b)と
    を備える、半導体発光素子の製造方法。
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