JP2005202351A - 画像形成装置 - Google Patents

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格 松田
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Noboru Onodera
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Abstract

【課題】 潜像担持体から転写後に実行される転写材の分離性を向上させることができる構成を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 転写材に可視像が転写される構成を備えた画像形成装置において、転写材への転写前に潜像担持体2における転写材の先端部に相当する位置のみを露光可能な転写前露光手段20と、転写材への可視像転写に用いられる転写用バイアス手段6Dとを備え、転写前露光手段20を用いることと転写用バイアス手段6Dにおけるバイアス印加タイミングとを組み合わせ、転写用バイアス手段6Dは、転写材の先端が潜像担持体2に接触を開始した時点から所定時間後に少なくとも段階的なバイアス値を設定してバイアス印加が開始されることを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

本発明は画像形成装置に関し、さらに詳しくは、転写材の分離を行うための構成に関する。
複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置や印刷機などの画像形成装置における画像形成方式の一つに、潜像担持体として用いられる感光体上に形成された静電潜像を現像剤により可視像処理し、可視像を転写材に静電転写する行程を備えた方式がある。
可視像処理には感光体上の静電潜像に対してトナーの静電的に付着させる方法が知られており、この方法により得られた感光体上でのトナー像は記録紙などの転写材に対して静電転写方式により転写される。静電転写されたトナー像は定着されることにより複写物とされる。
感光体上のトナー像が転写材に転写される行程では、転写材を搬送しながら感光体上のトナー像に転写材を対峙させて転写バイアスを印加することができる転写装置が用いられる。
転写装置には、転写材を搬送可能な展張面を備えたベルトを用い、ベルトに対してトナーと逆極性の転写バイアスを印加するローラを用いた構成が知られている。
転写を終えた転写材は、感光体から分離されて定着装置に向け搬送されるが、そのときの転写材の分離は、転写材に有する曲げ剛性、いわゆる腰の強さに依存する。つまり、感光体に付着して連れ動く場合の転写材は、転写位置で移動する方向と感光体に付着した状態で移動する方向とで後者の移動方向が感光体の曲率に対応した方向となることと自らの腰の強さによる形状復元力とを利用した曲率分離によって感光体から剥離されるが、感光体との静電付着力が腰の強さ以上であると感光体から分離されないまま移動することがある。
従来、感光体からの転写材の分離に用いられる構成として、転写行程を通過した感光体の周面に当接する先端を備えた分離爪を用いたり、あるいは転写前に感光体の背景電位を下げるために一様露光を行うと共に転写装置において転写材の除電を行う構成がある(例えば、特許文献1)。
特開2002−268498号公報(段落「「0036」欄」)
転写前露光による感光体の電位降下を利用して感光体への転写材の付着力を低下させる作用が得られるものの、転写装置の構成における転写バイアスの設定によっては転写材の分離機能が悪化する虞がある。
転写バイアスは感光体上に付着しているトナーと逆極性の帯電特性を有し、例えば、転写材を搬送するベルトの裏面側から印加されるが、ベルトに注入される電荷が多くなるとベルト表面に載る転写材への充電作用が起こり、転写材とベルトとが同極性となって反撥する関係となる。このため、ベルトへの静電吸着は行われずに転写材が感光体側に反撥する現象が発生する。
特に、転写バイアスは転写効率の向上を目的として転写材側への十分な帯電量を確保するために常時バイアス印加が行われていることが多い。このため、ベルト側に注入される電荷も多くなりやすく、結果として転写材への充電作用が発生しやすくなる。
感光体側に反撥された転写材は、感光体の地肌部での残留電荷によって吸着されることがあり、この状態で感光体と共に連れ動くと分離爪による汚損が発生する虞がある。
分離爪による汚損とは、感光体上に付着しているトナーの一部が感光体に当接している分離爪に転移することが原因となって、分離爪から転写材の先端にトナーが逆転移することにより汚染されることを意味する。
分離爪による汚損は、単に転写材の先端のみに限らず、転写材の全面が感光体に付着したような場合には、分離爪に接触しながら移動すると、分離爪に摺擦される部分にスジ状の無駄な画像が生じるばかりでなく、未定着状態にある画像が擦られてしまうこともある。
感光体の地肌部における残留電荷の作用について説明すると、感光体は、クリーニング行程において実行される除電行程が終了するまでの間、転写バイアスの影響により低下するもののある程度の残留電荷を有しており、その残留電荷によるトナーの付着が原因する地汚れ(地肌汚れ)を生じる。
地汚れは、クリーニング行程におけるトナーの掻き取りおよび除電により次回の画像形成処理に悪影響を及ぼさないようにされるが、地汚れ量がある程度以上の場合、つまり、地汚れ濃度に影響するトナーの付着によってトナーと地肌部の残留電荷との間の電荷量が均衡している場合には残留電荷が転写材に作用して分離性を悪化させることは少ない。
しかし、電荷のみが残る場合となる地汚れ量が少ない場合には、残留電荷による転写材の吸着率が高くなり、上述したようにベルトからの反撥も相俟って分離爪に達した場合の問題を生じる。
転写材の分離性に影響するのは、上述した反撥現象や残留電荷だけでなく、転写バイアスの効果がある。つまり、転写バイアスはベルトに対して効率よく電荷を与えることが必要となるが、環境条件によってそのバイアス効果が変化する。つまり、低温低湿環境下と高温高湿環境下とではバイアス時での帯電作用が異なる。このため、一様な転写バイアスが設定されているだけでは転写前露光による感光体の一様除電を行っても転写材の分離を確実にすることができない場合がある。
環境条件による帯電特性の変化と同じ現象が発生する場合として、転写材として吸湿性がある紙などの材質を用いた場合の画像形成モードの違いが挙げられる。
画像形成モードの選択において両面への画像形成が行われる場合には、最初に画像が形成される表面に対して裏面への画像形成時には表面への画像形成時と異なる含有水分量となる、これは、表面への画像形成時に実施される定着によって初期の含有水分量が低下することが原因する。このため、含有水分量の異なる材質が用いられたり両面あるいは片面への画像形成時、さらには同一面での合成画像形成時において転写材の帯電特性が異なることにより分離性が一定しなくなる虞がある。
転写材の分離性に関しては、上述した含有水分量などを含む転写材固有の帯電特性、特に抵抗が低い材質の場合に分離性が悪化しやすく、さらには、転写材の端縁に生じているバリなどの摺擦部が感光体と干渉しやすくなるような搬送形態、つまり、ベルトに密着せずに、ベルトと転写材との間に隙間が生じて搬送されるような形態が用いられた場合に悪化しやすくなる。
感光体の一様除電を行うことにより感光体への転写材の付着性を低下されること以外に分離性が悪化する要因としては分離爪の経時劣化がある。
分離爪は経時的に変形したり摩耗したりする。このため、感光体に転写材が静電的に吸着されていると、分離爪の位置でジャムを発生したり分離爪をすり抜けてクリーニング装置に達することがある。
本発明の目的は、第1に、潜像担持体から転写後に実行される転写材の分離性を向上させることができる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、画像形成モードや材質等の違いに関係なく安定した分離性を得ることが可能な構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、露光前転写手段を用いた場合の分離性を向上させることができる構成を備えた画像形成装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、潜像担持体に形成された静電潜像を可視像処理した後、搬送部材に担持されている転写材に可視像が転写される構成を備えた画像形成装置において、上記転写材への転写前に上記潜像担持体における転写材の先端部に相当する位置のみを露光可能な転写前露光手段と、上記転写材への可視像転写に用いられる転写用バイアス手段とを備え、上記転写前露光手段を用いることと上記転写用バイアス手段におけるバイアス印加タイミングとを組み合わせ、上記転写用バイアス手段は、上記転写材の先端が上記潜像担持体に接触を開始した時点から所定時間後に少なくとも段階的な値を設定してバイアス印加が開始されることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記転写用バイアス手段によるバイアスの印加開始時期として、上記転写材が少なくとも上記潜像担持体に接触して移動するニップ先端に到達した以降の時期に相当させてあることを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、上記転写用バイアス手段は、上記転写材が上記潜像担持体に向けて繰り出される位置から該潜像担持体に先端が接触した後、所定の距離を移動した時点でバイアス印加を少なくとも段階的な値を設定して開始することを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の画像形成装置において、上記転写用バイアス手段は、上記転写材が上記潜像担持体に向けて繰り出される位置を通過する時点から潜像担持体に先端が接触し始めた時点を基準として、転写材が所定量移動した時間分を遅延してバイアス印加を開始することを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写用バイアス手段は、上記転写材の移動方向先端側を対象として正規の転写バイアス印加時よりも低いバイアス値によりバイアス印加をした後、正規の転写バイアス時でのバイアス値を用いてバイアス印加を行うことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写用バイアス手段は、上記転写材の移動方向先端側における非画像部を対象として正規の転写バイアス印加時よりも低いバイアス値によりバイアス印加をした後、画像部の先端が上記潜像担持体に対向する時点を基準として正規の転写バイアス時でのバイアス値を用いてバイアス印加を行うことを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記搬送部材に担持される転写材における移動方向先端側の非画像部に対応する位置での電荷密度が正規の転写バイアス印加時よりも低い、2.0×10−8C/cm以下に設定されることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段は、上記転写バイアス手段によるバイアス印加開始タイミングの遅延に基づき上記転写材の先端が上記潜像担持体に付着しない表面電位を上記潜像担持体の非画像部に対して設定することを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段は、上記転写バイアス手段によるバイアス印加開始タイミングの遅延に基づき上記転写材の先端から画像部に至るまでの間の領域が上記潜像担持体に付着しない表面電位に上記潜像担持体の非画像部に対して設定することを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項8または9記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段は、上記転写材の移動方向先端側の非画像部に対応する領域の表面電位を250V以下に設定することを特徴としている。
請求項11記載の発明は、請求項1乃至10のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段およびまたは転写用バイアス手段は、上記転写材の種類およびまたは画像形成モードに応じて動作タイミングを制御される構成であることを特徴としている。
請求項12記載の発明は、請求項1乃至11のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段およびまたは転写用バイアス手段は、温度、湿度を含む環境条件に対応して動作タイミング制御が可能であることを特徴としている。
請求項13記載の発明は、請求項11または12記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段および転写用バイアス手段は、オンオフ制御を実行する制御部の出力側に接続され、該制御部は入力側に上記転写材の選択手段若しくは類別のための検知手段および環境条件検知手段が接続され、選択手段若しくは検知手段からの信号に基づき転写前露光およびまたは転写用バイアスの動作タイミング制御を行うことを特徴としている。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の画像形成装置において、上記制御部に入力される画像形成モードは、転写材の片面、両面のいずれかを対象とした画像形成モード、同一面で異なる色画像を用いた合成画像の形成モードが選択可能であることを特徴としている。
請求項15記載の発明は、請求項14記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段は、上記潜像担持体に対する潜像形成時の画像データに応じた光ビーム走査により得られる該画像データに応じた画素カウント値に基づき動作開始および停止を含む動作タイミングが制御されることを特徴としている。
請求項16記載の発明は、請求項13乃至15のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段は、露光出力に関する効率を制御する手段を備え、画像出力数に応じて露光出力効率を制御されることを特徴としている。
請求項17記載の発明は、請求項1乃至16のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写前露光写手段は、上記転写材を上記潜像担持体との接触位置で構成される転写ニップ部に向けガイドする転写材入り口ガイド部材と一体化されていることを特徴としている。
請求項18記載の発明は、請求項17記載の画像形成装置において、上記転写材入り口ガイド部材における転写材ガイド面は高反射面で構成されていることを特徴としている。
請求項19記載の発明は、請求項17または18記載の画像形成装置において、上記入り口ガイド部材として成形部材が用いられることを特徴としている。
請求項20記載の発明は、請求項17乃至19のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記入り口ガイド部材における上記転写前露光手段の設置部には、該転写前露光手段からの光出射側に防塵部材が設けられていることを特徴としている。
請求項21記載の発明は、請求項20記載の画像形成装置において、上記防塵部材は、透明体のフィルムが用いられることを特徴としている。
請求項21記載の発明は、請求項20または21記載の画像形成装置において、上記防塵部材は、透明な樹脂若しくはガラスが用いられることを特徴としている。
請求項22記載の発明は、請求項17乃至20のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段を備えた転写材入り口ガイド部材には、これに近接する位置に配置されている現像装置からの飛散トナーの回収部が設けられ、該回収部は上記転写材入り口ガイド部材における現像装置に対向する側に設けられたトナー受け面が用いられることを特徴としている。
請求項23記載の発明は、請求項17乃至20のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写材入り口ガイド部材における光出射部には、これに近接する位置に配置されている現像装置側に庇で構成したトナー受け部が設けられていることを特徴としている。
請求項24記載の発明は、請求項17乃至23のうちの一つに記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段と上記潜像担持体とが対向する空間部には、上記転写前露光手段に形成されている光出射部を横断する方向の気流が生起される構成を備えていることを特徴としている。
請求項25記載の発明は、請求項24記載の画像形成装置において、上記気流は、上記潜像担持体の冷却を行うファンが兼用されることを特徴としている。
請求項26記載の発明は、請求項1乃至25のうちの一つに記載の画像形成装置において、転写前露光手段に装備されている発光部と上記潜像担持体の除電手段における発光部とは、上記潜像担持体の表面に対する光照射位置の位相が異ならせてあることを特徴としている。
請求項27記載の発明は、請求項26記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段および除電手段における発光部の数が同一に設定されていることを特徴としている。
請求項28記載の発明は、請求項27記載の画像形成装置において、上記転写前露光手段および除電手段における発光部の数が同一に設定されていることを特徴としている。
請求項1乃至4記載の発明によれば、転写前露光と転写バイアス手段による所定時期のバイアス印加開始、特に少なくとも段階的なバイアス印加状態を用いたバイアス印加タイミングを設定することにより、転写材の搬送手段に対する電荷量の異常な増加を抑えて転写材への充電を防止することができ、特に潜像担持体に付着しやすい先端部での充電を抑えて搬送部材と転写材とが電気的に反撥関係を持つこと無く、誘電分極により搬送部材側への転写材の吸着を促進することが可能となる。この結果、転写材が潜像担持体側に反撥した場合に発生する分離爪による汚損を防止することができる。
特に、請求項3および4記載の発明においては、転写材が繰り出される位置から潜像担持体に先端を接触させるまでに移動する時間を遅延させることにより搬送部材へのバイアス印加による過剰な帯電状態を阻止することができる。
請求項5乃至7記載の発明によれば、転写バイアス手段が転写材の移動方向先端部、特にその部分が相当する非画像部を対象として画像部を対象とする転写バイアス値よりも低い値を設定してバイアスを開始し、転写材側での先端部の電荷密度を低くしているので、非画像部が位置する先端部での充電を抑えて搬送部材との間での反撥状態を回避することが可能となり、先端部が潜像担持体側に付着するのを阻止することが可能となる。
請求項8乃至10記載の発明によれば、転写前露光手段が転写バイアス手段によるオンタイミングの遅延に基づき転写材の先端が潜像担持体に付着しない表面電位を非画像部に設定するので、仮に転写材の先端が潜像担持体に接触した場合でも静電吸着力が弱められていることにより潜像担持体への吸着を抑制して分離爪による汚損を防止することが可能となる。
請求項11記載の発明によれば、帯電特性の異なる転写材の種類や帯電特性に影響する画像形成モードに応じて転写前露光手段およびまたは転写バイアス手段の動作タイミングを設定することができるので、帯電特性の異なる条件下においても転写材が潜像担持体に付着するのを防止することが可能となる。
請求項12乃至14記載の発明によれば、転写前露光手段およびまたは転写バイアス手段が、転写材あるいはこれの搬送部材さらには潜像担持体での帯電特性に影響する環境条件の変化また、転写材の種類および画像形成モードの入力内容に対応して制御されるので、上記各部材での帯電特性の変化に関係なく転写材が潜像担持体に付着することなく搬送部材に吸着されやすい条件を満足させることができる。これにより、転写材が潜像担持体に付着した場合に発生する分離爪による汚損を確実に防止することが可能となる。
請求項15および16記載の発明によれば、転写前露光手段が、潜像形成に用いられる画素データに応じた画素カウント値に基づいて動作タイミングを設定することで転写材先端に位置する非画像部のみを対象とした転写前露光が可能となり、さらには露光時での出力効率を制御することで潜像担持体での光疲労を軽減させることができ、潜像担持体への転写材の先端巻き付きの防止と潜像担持体の長寿命化とを同時に達成することが可能となる。
請求項17乃至19記載の発明によれば、転写前露光手段が転写材入り口ガイド部材と一体化され、しかも光反射率の高い材質を用いた成形部材からなる転写材入り口ガイド部材に一体化されていることにより、潜像担持体との対向位置関係を正確に維持できると共に反射した光も潜像担持体側に指向させることができるので、潜像担持体に対する露光量の不足をなくして表面電位を所定の値に設定することができる。これにより、潜像担持体側での表面電位を低下させて転写材の先端が付着しようとするのを確実に防止することが可能となる。
請求項20記載の発明によれば、転写前露光手段の設置部には、防塵部材が設けられているので、転写前露光手段の汚染を防止して潜像担持体の表面電位を低下させるに必要な光量を維持することが可能となる。
請求項21および22記載の発明によれば、防塵部材として透明体の樹脂若しくはガラスが用いられるので、光透過率を確保して潜像担持体の表面電位を低下させるに必要な露光量を確保することが可能となる。
請求項23記載の発明によれば、転写材入り口ガイド部材における現像装置と対向する側にはトナーの受け面が設けられているので、現像装置側から飛散浮遊したトナーが防塵部材に付着するのを防止することができる。これにより、防塵部材の汚染を防止することにある。
請求項24記載の発明によれば、転写材入り口ガイド部材における光出射部には庇で構成したトナー受け部が設けられているので、トナーが防塵部材に付着するのを防止できると共に光が現像装置に漏れないようにして、現像された潜像担持体側の帯電状態を変化させないようにして飛散トナーの発生を防止することが可能となる。これにより、飛散トナーが防塵部材に付着するのを防止することにになる。
請求項25および26記載の発明によれば、防塵部材の表面に気流を発生されることにより防塵部材へのトナーの付着を防止して防塵部材の汚染を防止することができる。特に気流発生手段として潜像担持体の冷却ファンという既存構造部材を用いることにより特別な構成を付加することなく防塵部材の汚染を防止して転写前露光機能の低下を防止することが可能となる。
請求項27および28記載の発明によれば、潜像担持体への光照射を行う部材である転写前露光手段および除電手段で用いられる発光部の位相を異ならせることにより、光の大量照射により潜像担持体が静電疲労しやすくなるのを防止して寿命が短くなるのを防止することができる。特に、請求項24記載の発明においては、位相をずらした発光部の数を同じにすることにより照射ムラの発生を防止することが可能となる。
以下図面に示す実施例により本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明実施例による画像形成装置の一例を示す模式的な配置図であり、同図に示されている画像形成装置は、画像情報に対応した光書き込みが可能なプリンタである。
本発明は、画像形成装置として、上述したプリンタのみでなく複写機やファクシミリ装置あるいは印刷機を対象とすることも可能である。
図1においてプリンタ1は、ドラムが用いられる潜像担持体としての感光体(以下、感光体ドラムという)2を備えており、感光体ドラム2の周囲には、時計方向の回転過程において画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置(図1では光路のみが示されている)4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7がそれぞれ配置されている。
プリンタ1では、感光体ドラム2の回転過程において、帯電装置3による一様帯電処理後、画像情報に応じた光書き込みによって感光体ドラム2に静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5から供給されるトナーにより可視像処理されてトナー像が形成される。
トナー像は、転写装置6を介して図示しない給紙装置から繰り出された転写紙に対して静電転写され、図示しない定着装置に搬送されて定着されることにより画像出力物とされる。
図1に示すプリンタ1では、感光体ドラム2が次の構成とされている。
感光体ドラム2としては、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有するアモルファスシリコン感光体(a−Si系感光体)を用いることができる。
なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして用いられている。
本実施例に用いられる転写装置6は、記録シートなどの転写材を担持しながら搬送が可能なベルト6Aを備えており、ベルト6Aの展張面の一方が感光体ドラム2に対向当接している。
ベルト6Cは、その表面にフッ素系の材質が用いられ、表面摩擦係数が低く、表面固有抵抗(JISK6911)が1×1010Ω〜1×1012Ωのものが用いられている。また、表面層を支持する基層にはクロロプレンゴム、EPDMゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴム材料あるいはそれらのブレンド材が用いられ、必要に応じてカーボンや金属酸化物などの導電材などをブレンドして抵抗値を制御されたものであり、ゴム面の表面抵抗(JISK6911)が1×10Ω〜1×10Ω程度の中抵抗値に設定されている。なお、本発明では、中抵抗に限らず、1013以上あるいは10以下の抵抗領域を選択することも可能である。
ベルト6Cが感光体ドラム2と当接している領域は転写材を挟持しながら移動させる転写ニップ部であり、転写ニップ部では、感光体ドラム2に担持されているトナー像が転写材に静電転写される。
感光体ドラム2に担持されているトナー像を転写材に転写させるための構成として、本実施例では、ベルト6Cが転写ニップ部を通過した位置に配置された転写用バイアス手段であるバイアスローラ6Dが用いられる。
バイアスローラ6Cは、転写ニップ部よりもベルト6Cの移動方向において前方に位置することにより、転写ニップ部に転写材が達するまでの間にトナーを静電吸着できるに足る電荷をベルト6Cに誘起させるようになっている。このため、転写ニップ部に達した転写材は、ベルト6Cとの間で生起される誘電分極によってトナーと逆極性に帯電され、感光体ドラム2側のトナーが静電的に転写される。
転写ニップを通過したベルト6Cは、クリーニング装置6Eにより表面に付着しているトナーをクリーニングされて転写材への裏汚れを防止される。
感光体ドラム2に対するクリーニング装置7は、感光体ドラム2に対峙する開口部を備えたユニット7A内で感光体ドラム2の回転方向上流側にクリーニングブラシ8がそして下流側にはウレタン製のクリーニングブレード9が感光体ドラム2と接触可能にそれぞれ配置されている。さらにクリーニング装置7におけるユニット7Aには、感光体ドラム2から回収されたトナーをリサイクルトナーとして再使用するための搬送パイプ10に向けて送り込むための回収コイル11,ユニット7Aにおける感光体ドラム2の回転方向上流側入り口を封止するシール12およびユニット7A内の圧力抜き部7Bがそれぞれ設けられている。なお、図1において符号13は現像剤濃度を検知する際に用いられる濃度センサを示している。
一方、感光体ドラム2からトナー像の転写を受けた転写材は、感光体ドラム2の周面が転写ニップ部を通過した位置に配置されている分離爪15により、感光体ドラム2の周面に先端が付着している場合には剥離されてベルト6A側に移動の向きを変えられて図示しない定着装置に向けて搬送される。
本実施例では、感光体ドラム2の回転方向において、転写ニップ部に至る前の位置に転写前露光装置(PTL)20が設けられている。
転写前露光装置(PTL)20は、転写前の感光体ドラム2の表面電位、特に非画像部での表面電位を一様に下げる機能を有し、画像部でのトナーが非画像部に飛散して付着するのを防止するようになっている。
次に本実施例における特徴部の構成について説明する。
本実施例では、転写前に感光体の帯電電位を低下させるための転写前露光と転写バイアスの印加タイミングとを制御することにより、感光体ドラム2への転写材の付着を抑制する一方、ベルト6Aへの転写材の付着を促進することを特徴としている。以下、この特徴となる構成について説明する。
本実施例では、転写前露光のオンオフタイミングと転写バイアスの印加タイミングとの両方を制御して、転写材の先端が感光体ドラム2に付着しにくくする一方、ベルト6C側には転写材との間に誘電分極を発生させて転写材を静電吸着することを達成しようとしている。
図1において、符号100は、画像形成シーケンスプログラムを実行するために設けてある制御部である。
制御部100は、本実施例に関連する構成として、図示しないI/Oインターフェースを介して、転写材を転写ニップ部に向けて繰り出すことができる位置に配置されているレジストモータMの始動状態を検知するスタートセンサ101,画像形成モードや転写材のサイズ選択を行うための操作パネル102,プリンタ内の温度および湿度を検知する環境条件検知センサ103,図示しない給紙装置の給紙カセット出口側に設けてある繰り出しローラのオン信号を検知して繰り出される転写材の種類を検知する類別センサ104が接続されている。
さらに、制御部100では、感光体ドラムへの潜像形成に際して画像データに応じた書き込み光、この場合には、光ビーム走査による画像データと対応した画素カウント値が入力されるようになっており、画素カウント値を転写材先端からの非画像領域サイズを割り出して転写前露光タイミング(オン・オフタイミング)を設定するために用いるようになっている。
類別センサ104に関しては、給紙カセットの選択スイッチなどを代用することも可能である。但し、選択スイッチの場合には、給紙カセット内に収容されている転写材の種類、例えば、普通紙やOAペーパ、あるいはフィルムやOHP等の種類が予め給紙カセット情報として関係付けられていることが必要である。
制御部100の出力側には、転写バイアス駆動回路105,レジストモータMおよび転写前露光装置20の駆動部(図1では、便宜上、転写前露光装置20に接続した状態が示されている)がそれぞれ接続されている。
制御部100では、転写前露光装置20のオンオフタイミングおよび転写バイアスタイミングをそれぞれ対象として次の内容の制御が実行される。
転写前露光装置20に対しては、図2に示すタイミングチャートに基づき、感光体ドラム2の非画像部内でオンおよびオフの状態切り換えを行うことで、画像部に付着しているトナーの一部が非画像部へ飛散するのを防止することが前提となる制御が実行される。このため、制御部100では、オンオフタイミングをレジストモータMの始動をトリガ信号として用い、さらに、操作パネル102において選択された転写材サイズおよび移動速度から感光体ドラム2上での非画像部終端位置を割り出して転写前露光装置20の点灯を終了させる。この場合の非画像部終端位置の割り出しには、潜像形成時の画素データも用いられる。
本実施例では、転写材の移動速度が362mm/secである場合、レジストモータMの始動と同時に転写前露光装置20をオンして感光体ドラム2を一様に露光する。そして、オンした後、108.4ms経過した時点で転写前露光装置20をオフするようになっている。
この移動速度とは別に、転写材の移動速度が270mm/secである場合には、レジストモータMの始動と同時に転写前露光装置20をオンし、その後、139.9mmsec経過した時点でオフに切り換えるようになっている。なお、トリガ信号として用いる信号はレジストモータに限るものでなく、例えば書き込み装置における書き込み光源での書き込み信号を基準とすることも可能である。さらに転写前露光装置20での露光量に関しても、常に一定したものとすることに限らず、表裏各面あるいは両面への画像形成などの画像形成モードや温度湿度などの環境条件に対応して変更できるようにすることも可能である。
本実施例における転写前露光装置20は、図2のタイミングチャートに示すように、レジストモータMの始動時期をトリガ信号として取り込み、露光時間を設定されるようになっているが、その露光条件としては、感光体ドラム2の表面電位を250V以下の値に設定できる条件とされている。この条件は、画像部から非画像部へのトナーの飛散防止とともに、非画像部に連続した画像部の転写を受ける転写材の先端部が感光体ドラム2に吸着されないようにする条件ともなりうる。
転写材は移動方向先端側が感光体ドラム2に吸着されると分離爪に干渉することで不具合を発生することになる。このため、本実施例では、ベルト6Cにより担持される転写材の移動方向先端側の非画像部に対応するバイアス印加側での電荷密度、つまり先端に対応する転写出力電荷密度が、図2のタイミングチャートにおいて先端転写バイアスと表記されている期間において、転写時に用いられる正規の転写バイアスによる電荷密度よりも低い、2.0×10−8C/cm以下に設定されるようになっている。つまり、図2に示すタイミングチャートにおいて、転写材の先端が転写ニップ部に達すると、上述した先端側の非画像部に対する転写バイアスと画像領域での転写バイアスとが段階的に設定され、非画像部に対する転写バイアス値(Ta)は画像部を対象として行われる正規の転写バイアス値(Tb)よりも低くされている。なお、段階的な転写バイアスの設定は、本出願人による先願である特開2002−323817号公報に開示されている転写バイアスの印加方式を踏襲するものである。また、段階的なバイアス印加には、上述したように転写材の先端部の非画像部を対象とする正規バイアス値よりも低い値がバイアス印加オフの状態から設定され、次いで正規の転写バイアス値を設定する形式だけでなく、転写材間、つまり紙間でのバイアス印加オフの状態から正規の転写バイアス値を設定する場合も含む。
このような先端部への転写出力電荷密度の設定により、画像部を対象とした正規の転写バイアスを印加される前の転写材先端部での非画像部は、充電状態とならない帯電状態が得られるので、ベルト6Cとの間での同極反撥が防止され、ベルト6Cとの間での誘電分極によるベルト6C側への静電吸着が促進されることになる。
本実施例に用いられる転写前露光装置20の構成としては、LEDアレイを用いた露光手段や、書き込み装置に用いられるレーザビーム書き込み光を特定箇所に照射して露光する手段などが用いられる。
レーザビームを用いた書き込み光の場合には、書き込み光が書き込み光学系に装備されている回転多面鏡(ポリゴンミラー)を用いた書き込み走査と同じ手法が用いられるので、異なる色画像を形成するような場合に、書き込み順序の一つの行程内で画像の書き込みとは別の書き込みにより感光体の表面電位を低下させる処理が行える利点がある。
本実施例においては、転写前露光装置20による転写前露光を実行されるにあたり、画像出力回数に基づき、転写前露光装置20の出力制御が行えるようになっている。この理由は、感光体ドラムにおける光疲労の軽減にある。
つまり、感光体ドラムは光導電性層に光が繰り返し、特に長時間の間照射されることにより光導電性層での帯電特性等をはじめとした光電特性が悪化する光疲労を生じ、寿命が短くなりやすい。このため、本実施例では、画像出力枚数に応じて転写前露光装置20での露光出力効率を制御して感光体ドラムの長寿命化を図るようになっている。具体的には、制御部100において画像出力回数と転写前露光装置20での露光出力と出力時間とをマップ化したデータを登録しておき、画像出力回数が増加するに従い、露光時間を短くし、この露光時間内で転写材先端に対応する非画像部での電荷密度が所定レベルに下がるような露光出力を設定する。また、感光体ドラムに対する転写前露光装置20による非画像部を対象として露光によっても電荷密度が所定レベルに下がらないことを検知できるようにしておき、この場合には感光体ドラムの交換時期であることを警報できるようにすることも可能である。
一方、転写バイアスタイミングに関しては、転写材の先端が感光体ドラム2に接触、つまり転写ニップ部に達した時点でバイアス印加を開始するようになっており、このための制御として、図2に示すタイミングチャートにおいて、符号P1で示すように、レジストモータMの始動時から遅延した時期に非画像部を対象とした先端転写バイアスが印可され、次いで、符号P2で示す遅延した時期、つまり非画像部に連続する画像部が転写ニップ部に達すると見なせる時期に画像部を対象とする正規の転写バイアスが開始されるまでの時間を設定する。
つまり、レジストローラの始動により転写材が繰り出された時点から転写材の先端が転写ニップ部に達するまでの間に移動する時間相当分を、通常実施されるバイアス印加の開始時期、つまり、レジストローラから繰り出された時点で開始するタイミングよりも遅延するようになっている。
従って、通常実施されるバイアス印加の開始時期に対して転写材が遅延時間分だけ進行し、換言すれば、移動量が増加した時点でバイアス印加が開始されることになる。
この結果、転写材の先端が転写ニップ部に達した時点でバイアス印加、本実施例では、先端部の非画像部とこれに連続する画像部とを対象とした段階的なバイアス印加が開始されることになり、転写ニップ部に先端が達する以前にバイアス印加が開始されている通常のバイアス印加タイミングと比較してベルト6Cへの帯電時間が短くなる。この結果、通常のバイアス印加の場合と違って、ベルト6Cでの帯電量が少ない状態が得られる。
転写材の移動量が増加するようにバイアス印加タイミングを遅延させた場合とは、次の作用を指す。
転写材の線速が362mm/secである場合に、通常のバイアス印加開始タイミングとして、レジストモータMの始動、つまりオン時から127ms後にバイアス印加が開始される条件が設定されているとき(以下このタイミングを基準と表現する)、本実施例では、バイアス印加開始タイミングが基準+20(mm)というように、基準のタイミングよりも転写材の移動量に換算して移動量が増加した時点とされており、実際には、レジストモータMの始動、つまりオン時から183msec後にバイアス印加が開始されるようになっている。
本実施例における転写バイアスの印加タイミングは、一様に限るものではなく、制御部100に接続されている環境条件検知センサ103による検知結果に対応して変更できるものであり、特に、転写前露光装置20も併せて、帯電特性に影響する条件変化に対応させて所期の目的である感光体ドラム2側への転写材の吸着を抑制してベルト6C側への吸着が促進されるという作用を満足させるようになっている。
本実施例は以上のような構成であるから、本発明者が、転写前露光装置20による露光タイミングとバイアスローラ6Cによるバイアス印加の開始タイミングとを併せて制御した場合と転写前露光装置20の露光タイミングのみを制御した場合とを比較実験したところ、表1に示す結果を得た。なお、表1では、転写前露光装置20による露光終了後の感光体表面電位に対して転写バイアスタイミングの違いによる分離爪跡の発生率を表している。
Figure 2005202351
表1において、「バイアス印加タイミング:基準」と示されている結果は、通常実施されるバイアス印加タイミングであり、「バイアス印加タイミング:基準+20」と示されている結果が本実施例によるものである。
表1の結果において、転写前露光装置20による露光後の表面電位が400V以下の場合で、バイアス印加の開始時期を遅延した場合には、分離爪跡発生率が10%以下という結果が得られ、通常実施される基準でのバイアス印加の開始タイミングでの80%に比べて分離爪跡発生率が大幅に低減されている。
この結果からいえることは、単に転写前露光による感光体の表面電位を下げただけでは、ベルト6Cに対する帯電量の低下を促進していない以上、ベルト6Cでの転写材に対する充電作用が完全に抑えられているとはいえず、これにより転写ニップ部に達した転写材がベルト6Cからの充電により反撥現象を生起して感光体ドラム2側と連れ動きやすくなるということである。
特に、転写前露光により転写材の先端近傍での表面電位を低下させることは感光体ドラム2に対する転写材の先端が吸着しにくくなることが期待できる。さらに、先端転写電流を下げることで、ベルト6C側では転写材との間に誘電分極を生起できる帯電量に止めることで無用な反撥現象とは逆の関係を成立させて転写材を感光体ドラム2の表面からベルト6Cの表面に吸着させる形態とすることができる。
本発明者は、上述した転写バイアスのタイミング制御に関し、転写前露光を併用する場合と併用しないで転写バイアスのタイミングのみを実施した場合とを、分離爪との干渉が起きやすい種類の転写材を用いて分離爪跡発生率を実験したところ、表2,3に示す結果を得た。
表2の場合には転写材の線速が270m/secの場合であり、表3の場合には転写材の線速が362m/secの場合である。なお、表2,3において「PTL:ON」という表記は、転写バイアスのタイミング制御とともに転写前露光を行う場合を意味し、「PTL:OFF」という表記は、転写バイアスのタイミング制御のみであることを意味している。
Figure 2005202351
Figure 2005202351
表2,3に示した結果は、転写材の湿度は未調整であるものの、環境条件として高温高湿環境下、低温低湿環境下を含めた結果である。
本実施例では、制御部100において環境条件検知センサ103による検知信号に応じてバイアス印加のタイミングを変更することも可能であるので、この場合の実験例による結果を表4に示す。
表4に示す結果は、タイミングの変更を行った場合ではなく、高湿環境下(27℃、90%RH環境)において転写材を8時間以上放置し、十分に水分を含んだ状態を対象として、バイアス印加のタイミングを同じ条件として、転写前露光を行う場合(表4中、PTL:ON)と行わない場合(表4中、PTL:OFF)とを比較した結果である。
Figure 2005202351
表4からも明らかなように、転写前露光と転写バイアスのタイミング制御とを併せることにより、爪による分離が行われる状態、つまり感光体ドラム2に付着して連れ動くことにより分離爪の位置に転写材が達する状態がなくされることが判る。
転写材に対しては、前述したように、移動方向先端側での先端部に対するバイアス印加側からの転写出力電荷密度(先端転写出力電荷密度)が2.0×10−8C/cm以下に規定されることにより、ベルト6C側からの充電状態が回避され、ベルト6Cとの間での分極による吸着作用が得られる条件を持ち合わせているので、感光体ドラム2と連れ動いて分離爪と干渉する機会が少なくされる。この点について発明者が実験した結果を図3に示す。
図3は、転写前露光を行うとともに、転写バイアスのタイミング制御(基準+20mm)を併せて行い、かつ、タイミング制御において転写材の先端転写電荷密度を種々選択してそれに応じた爪分離(分離爪との干渉機会の多少)の結果を示している。
図3において、「○」は、爪分離が発生しない(0%)場合を、「△」は、50〜70%の爪分離が発生した場合を、「×」は、70%以上の爪分離が発生した場合をそれぞれ示している。この場合の転写材は、いずれもOAペーパを対象としている。
先端転写出力電荷密度は、転写材の搬送形態、例えば、転写材が記録紙などである場合には、一枚のみあるいは連続通紙をそれぞれ対象とすることができ、いわゆる、給送される転写材間、つまり紙の場合には紙間でのバイアスによる帯電量に相当している。
転写材間でのバイアスは、ベルト6Cに逆帯電トナーが付着するのを回避するために付与されている。これに対して、転写のために付与される正規の転写バイアスは、転写材の搬送速度に影響される要素であり、特に、転写材の静電吸着とトナー像の転写に必要な帯電量を得るために搬送部材の移動速度に比例して高く設定される。
本実施例では、転写材の移動速度が362mm/secの場合に転写材間(紙間)でのバイアスが15μAに設定され、これに対して転写バイアスは65μAに設定されている。また、転写材の移動速度が270mm/secの場合には、転写材間(紙間)でのバイアスが15μA、転写バイアスが50μAに設定されている。
上述したような転写材間でのバイアスが印加される場合を対象として、転写前露光と転写バイアスタイミング制御(基準+20mm)を行った場合の爪分離の発生率をOAペーパと表2,3に挙げたα−エコペーパとで示すと、図4,5の通りである。
転写材間でのバイアスは転写材の材質によって異なり、図4,5に示すOAペーパの場合には転写材間(紙間)でのバイアスが15μAに設定され、α−エコペーパでは35μAに設定され、いずれの材質においても搬送速度が362mm/secとされている。
OAペーパの場合には、転写材間のバイアスが15μA以下である場合に爪分離がなく、また、α−エコペーパの場合には、転写材間のバイアスが35μAであっても爪分離を生じないようにすることができる。
なお、図3に示した結果は、感光体ドラム2に流入する電流(便宜上、Ioutと称する)を制御することによっても得られる結果であり、本実施例では、転写材の移動速度を上記した場合と同様に、362mm/sec、有効バイアスローラ長310mmとした場合に、電流(Iout)を15μAに設定することにより、爪分離率を0%にすることができる。
この場合の先端転写出力電荷密度と感光体ドラム2への流入電流との関係は、次の式(1)で求められる。
先端転写出力電荷密度=Iout/(v・L)・・・(1)
但し、v:ベルト6Cの移動速度、L:バイアスローラ6Dの長さとする。
上記(1)式に基づき、バイアスローラの長さを310mmとした場合の結果が図3に示す結果となる。
本実施例によれば、転写材の移動方向先端部での電荷密度を転写バイアスタイミングおよびバイアス値の設定により所定条件に設定することができるので、特別な構成を用いることなく既存の転写バイアス制御機構を用いるだけで転写材が潜像担持体に付着してしまうのを防止することが可能となる。
次に、制御部100において実行される制御の別の内容について説明する。
制御部100では、上述した転写前露光に加えて、画像形成処理において実行される感光体ドラム2への光照射の時間によって感光層での静電疲労などの劣化を招くのを防止するための制御が実行されるようになっている。つまり、感光体ドラム2への光照射は極力短くすることが、上述した感光層の劣化を防止する上で望ましい。このため、制御部100では、転写材の先端が感光体ドラム2に付着しないための条件を変更する要因として、画像形成モード、転写材の種類および環境条件を対象としている。
画像形成モードは、転写材の含有水分率に影響する場合があり、この場合としては、両面複写や同一面での合成画像形成がある。つまり、両面複写の場合には、最初に画像形成処理が実施される転写材の表面に対して裏面での含有水分率が低下する。これは表面に対する定着行程において発生する水分の減少が原因となる。従って、帯電特性に影響する含有水分率の変化に応じて転写材の先端が感光体ドラム2に付着する確率も変化することになるので、画像形成モードに応じて感光体ドラム2側での転写前露光のオンオフ制御が必要となる。
本発明者は、両面画像形成モードにおいて、表面に対しては表2,3において説明したように、転写前露光と転写バイアスタイミング制御とを組み合わせた場合(PTL:ON)と、転写バイアスタイミング制御のみで転写前露光を行わない場合(PTL:OFF)と、裏面に対しては転写前露光を行わない場合(PTL:OFF)とで爪分離の発生率を転写材の移動速度が270mm/secの場合を対照として実験したところ、表5に示す結果を得た。
Figure 2005202351
表5の結果において、両面画像形成モードでは裏面での含有水分率の低下が原因して転写材の抵抗値が高くなることによりベルト6Cとの間での誘電分極が生じやすいので感光体ドラム2からの転写材の分離性が高まる。この結果、通常は、両面画像形成モードが選択されると、裏面を対象とする画像形成時に転写前露光は行わなくてもすむはずである。しかし、例外として、裏面を対象とした画像形成時に転写前露光を行わないと、きわめて低い確率(0.000003%)ではあるが、爪分離が発生することがある。従って、両面画像形成モード時において、通常は裏面への画像形成時に転写前露光を行わないようにして感光体ドラム2への光照射機会を少なくすることが感光層の静電疲労などの現象が発生するのを防止する上で望ましいが、裏面での含有水分率が転写前露光を行わないですむ場合と異なる条件下においては、転写前露光を行うように制御する。
この制御のためのパラメータとしては、環境条件、つまり湿度が用いられる。つまり、制御部100には、環境条件検知センサ103が接続されており、所定の湿度を閾値としてその湿度以上の場合には転写前露光が行われ、その湿度以下の場合には転写前露光が行われないようになっている。
さらに加えて、上記湿度以外のパラメータとして転写材の厚さの違いを含めた種類の違いが用いられる。
転写材は、自らの曲げ剛性、つまり腰の強さによる形状復元性の強さが感光体ドラム2からの分離性に影響する。
本発明者が、転写材の厚さと分離性との関係を実験したところ、表6に示す結果を得た。
Figure 2005202351
表6からも明らかなように、厚さが厚くなるほど分離性が良好となることから、この条件に基づき、制御部100では、選択された転写材の厚さに対応して転写前露光のオンオフ制御を実行するようになっている。特に、厚さが厚くなるに従い、転写前露光のオン時間を短くし、選択される種類において最も厚い場合には転写前露光を停止する。
転写材の厚さの検知に関しては、給紙装置に装備されている給紙カセット内の転写材の厚さ情報を予め制御部100に取り込んでおくことで、選択された給紙カセットの類別判断により転写前露光のオン時間を制御することが可能となる。なお、給紙カセットに収容されている転写材の類別項目としては、厚さに限らず、材質、つまり吸湿性に影響する要因を項目とすることも可能である。例えば、複数種類で装備された給紙カセットにおいて、吸湿性に影響する材質が異なる転写材が収容されている場合には、それら材質毎の吸湿性を予め制御部100に取り込んでおくことにより、選択された給紙カセット内の転写材の材質による吸湿性に対応させた転写前露光のオン時間を制御するようにする。
このような制御を行うことにより、転写材の分離性に影響する腰の強さや吸湿性に対応させた転写前露光のオン時間が設定されることになり、不必要な露光、つまり感光体ドラム2への光照射をなくして感光層の劣化を抑制することができる。なお、画像形成モードにおいて、同一面での合成画像形成に際しても、先行での画像形成時に対して後続の画像形成時には上記両面への画像形成モードと同じ条件となる場合があるので、上述した両面画像形成モードの場合と同様に、先行および後続の各時期での画像形成時での転写前露光およびまたは転写バイアス印加タイミングの制御が行われることもちろん可能である。
感光体における静電疲労に関係する光照射は、転写前露光だけでなく、感光体の残留電荷を除去するために用いられる除電ランプによっても行われる。このため、本実施例では、転写前露光工程と除電工程とで感光体の静電疲労度がどの程度の強さになるかを実験したところ、図6に示す結果を得た。
図6は、転写前露光装置20と除電ランプの構成であるLEDアレイの各発光部同士の位相を一致させた場合を示しており、感光体上では転写前露光装置側の発光部と除電ランプ側の発光部との位相が一致している箇所において光の照射量が最も多くなることにより最も静電疲労が強く、その周辺部において徐々に弱まる傾向を示した。
本実施例では、図7および図8に示すように、転写前露光装置20側のLEDアレイにおける発光部と除電ランプ側のLEDアレイにおける発光部との位相を一致させないようにしている。このような配置構成により、著しく静電疲労が強い箇所をなくしてほぼ一様な静電疲労度の分布を得ることができる。特に、転写前露光装置20側と除電ランプ側とでLEDアレイにおける発光部の数を同じに設定し、両方の発光部同士を一方の発光部の間に他方の発光部を配置するというように中間位置において交互に配置することにより、照射ムラをなくすことができることにより効率的に表面電位を低下させることができるので、感光体の寿命を延ばすことが可能となる。
本発明者は、図7あるいは図8に示した発光部の構成に基づき感光体の寿命に関して地肌汚れを検知して実験したところ、図9に示す結果を得た。
図9に示す結果は、
(1)転写前露光無し
(2)転写前露光と除電ランプとの発光部の位相が一致
(3)転写前露光と除電ランプとの発光部の位相を5mmずらして配置する (4)転写前露光と除電ランプとの発光部の位相を10mmずらし、露光前転写装置側の発光部が除電ランプ側の発光部間の中央に位置する
という条件を用いて行った結果である。また、地肌汚れのランク3が感光体の寿命時期とする。
図9に示す結果から明らかなように、各発光部の位相が一致している場合には静電疲労が著しく、転写前露光を実施する場合と比較して寿命が短い。
発光部の位相を5mmずらした場合と10mmずらした場合とでは、いずれも(1)に挙げた条件の場合よりも寿命が延び、特に、10mmずらした場合に最も長寿命となる結果が得られた。
表7は、転写前露光装置20の有無と発光部との関係による感光体寿命の実験結果を示している。
Figure 2005202351
表7からも図9に示す結果を裏付けている。
次に、転写前露光装置20の構造について説明する。
本実施例における転写前露光装置20は、図1において現像装置5に装備されている現像ローラの軸心と感光体ドラム2の軸心とを結んだ直線を基準として転写装置6側に向けて57.4°の位置に配置され、感光体ドラム2との間の空間間隔が1mmに設定されている。転写前露光装置20の配置位置は、上記の配置角度に限定されるものではなく、要は、転写前の位置で現像装置への漏光などの悪影響を及ぼすことがない位置であればよい。
転写前露光装置20は、図10に示されているように、転写ニップ部に向けて繰り出された転写材をガイドするアルミニウムなどの光反射率の高い材料を用いた成形部材で構成された転写材入り口ガイド部材20Aと、転写材入り口ガイド部材20A内に装填された耐熱性材料の成形部材で構成されたカバー部材20Bと、カバー部材20B内に配置されているLEDアレイにより構成された転写前露光部材20Cとを備えている。
カバー部材20Bには、感光体ドラム2に対向する位置に開口部20B1が形成されており、内部に収容されている転写前露光部材20Cからの光を感光体ドラム2に向けて出射できるようになっている。
カバー部材20Bにおける転写前露光部材20Cからの光出射側、つまり、開口部20B1の内側には、防塵部材21が設けられている。なお、開口部20B1には、現像装置側の周縁部に現像装置側への漏光を防止するための庇部材が設けられている。
防塵部材21は、透明な樹脂若しくはガラス等を用いた光透過率が50%以上のフィルム片で構成され、感光体ドラム2側からのトナーや紙粉などの異物がカバー部材20B内に進入するのを防止している。
以上のような構成においては、光反射率の高い材質を用いた転写材入り口ガイド部材20Aに転写前露光部材20Cが装備されていることにより、転写材の搬送を阻害することなく感光体ドラム2に対する最接近位置に規定された状態で転写前露光を行うことができる。特に、転写材入り口ガイド部材20Aとして成形部材が用いられているので、感光体ドラム2との接近位置を正確に維持することができ、感光体ドラム2の表面電位を250V以下に設定するに必要な露光量を確保して転写材の先端が感光体ドラム2の表面に付着するのを防止することができる。
露光量の低下は感光体ドラム2の表面電位を250V以下に設定する際の障害となる。そこで、上記構成においては、カバー部材20Bの開口部20B1から感光体ドラム2に向けて直接出射される光量だけでなく、転写材入り口ガイド部材20Aにより反射された光量も露光量に寄与することになるので、仮に、開口部20B1の内側に設けてある防塵部材21が汚染された場合でも、転写材入り口ガイド部材20Aに向けて出射した光が反射することにより光量不足を補うことになるので、感光体ドラム2の表面電位の低下を保証することができる。
一方、本発明者は、感光体ドラム2と転写前露光装置20との構成において、両者の空間間隔を1mmに設定した場合に、防塵部材21の汚染の影響が感光体ドラム2の表面電位に対してどのような結果となるかを実験したところ、表8に示す結果を得た。なお、表中、「440Kラン」とは、440千回の転写回数(画像出力)を意味している。
Figure 2005202351
表8から明らかなように、防塵部材21の非汚染時に比べて防塵部材21が汚染された場合の表面電位は最高値で105Vという値が得られた。この値は感光体ドラム2の表面電位を転写前露光で低下させる値である250V以下という条件を満足しており、感光体ドラム2と転写前露光装置20との間の空間間隔の設定が、防塵部材21の汚損に拘わらず、必要な露光量を確保する要因であることが判る。
上述した両者間での空間間隔は、転写前露光部材20Cが装備されている転写材入り口ガイド部材20Aがアルミニウムなどを用いた成形部材で構成されていることにより初期設定時の状態で維持されることになる。
転写材入り口ガイド部材20Aが成形部材であることは、転写前露光部材20Cから出射された光の一部が反射する面が常に一様な反射面を維持していることになるので、均一な光分布を維持することにより感光体ドラム2の表面電位を低下させるに必要な光量が変化するようなことを防止できる。
一方、防塵部材21においては、光の透過率が50%以上に規定されたフィルム状部材が用いられているので、感光体ドラム2の表面電位を低下させるに必要な光量を確保しやすくすることができる。これにより、感光体ドラム2の表面電位の低下を確保して転写材の先端が吸着されてしまうのを防ぐことができ、結果として、爪分離の発生率を低下させることが可能となる。
なお、本発明者の実験により、光透過率を闇雲に高くすると、その透過率によっては光照射部と非照射部とで電位差が大きくなり、このことが感光体ドラム2とベルト6Cとの間での転写電界を不安定にさせて画像部上でのトナーチリ(トナーが散る現象)を助長する場合があることが判った。このため、50%以上ではあるが、転写電界を不安定にしない値を上限とすることが望ましい。
本発明者は、防塵部材21の光透過率と転写材の分離性およびトナーチリ発生具合との関係を実験したところ、表9に示す結果を得た。なお、表9において、分離性についての「○」は、爪分離が発生しない良好な状態を意味し、「×」は、爪分離が発生した悪い状態を意味しており、チリについての「○」は、画像にチリの発生が見受けられない良好な状態を意味し、「△」は、多少のチリ発生はあるものの実用上問題がないというやや良好な状態を意味し、「×」は画像状でチリの発生が顕著な悪い状態を意味している。
Figure 2005202351
表9の結果から明らかなように、光透過率は50%以上とすると共に85%以下、好ましくは表9の結果からいうと、50〜80%の場合に、転写材の分離性を高めるための感光体ドラム2側での表面電位の低下とトナーが散る現象であるトナーチリ現象がないという結果が得られる。これにより、トナーチリ現象を抑えて転写材の先端が感光体ドラム2に付着するのを防止することができる。
図10において転写前露光装置20の転写材入り口ガイド部材20Aには、転写前露光部材20Cからの光出射部における現像装置側には感光体ドラム2に向けて張り出した庇20Dが設けられており、現像装置側への漏光を防止してある。これにより、現像装置側で静電吸着されているトナーの帯電状態を低下させないようにしている。
一方、飛散トナーによる防塵部材21への汚染を防止する構成としては、図11および図12に示す構成が用いられる。
図11に示す構成においては、転写前露光装置20のケーシングにおいて現像装置5に対向する側の面にトナー受け面20Eが設けられている。トナー受け面20Eは、現像装置5側から飛散落下するトナーを受け止めて零れたりするのを防止する構造である。
また、防塵部材21に対するトナーの汚染を防止する構成としては、上述したケーシングとは別に、転写前露光装置20における光出射面側にこの面を横断する気流を生起させる構成が用いられる。
図12はこのための構成を示す図であり、同図において感光体ドラム2の冷却ファン105による気流の一部が感光体ドラム2と対峙する転写前露光装置20との間の空間に流されるようになっており、冷却ファン105からの気流は上記空間において感光体ドラム2の軸方向に沿って流れる方向とされている。
冷却ファン105からの気流は、感光体ドラム2の内部を通過した後、排気通路106を介して排気ファン107に吸引され、帯電装置3を通過することによりオゾンなどの放電生成物を除去した後、フィルタ108を通過して排出ファン109に吸引されることにより外部に排出される。
本発明の実施形態による画像形成装置の一例を示す図である。 図1に示した画像形成装置に用いられる制御部で実行される作用を説明するためのタイミングチャートである。 図1に示した画像形成装置を用いて実験した先端転写出力電荷密度と転写材の分離性との関係を説明するための線図である。 図1に示した画像形成装置を用いて実験した転写材先端部に対応するバイアス電流と転写材の分離性との関係を説明するための線図である。 図4に示したバイアス電流値と異なる条件下でのバイアス電流と転写材の分離性との関係を説明するための線図である。 転写前露光装置に用いられる発光部と感光体の静電疲労との関係についての従来構造を説明するための模式図である。 本実施例における転写前露光装置に用いられる発光部と感光体の静電疲労との関係についての構成の一例を示す模式図である。 本実施例における転写前露光装置に用いられる発光部と感光体の静電疲労との関係についての他の構成例を示す模式図である。 図6乃至図8に示した構成での感光体寿命の実験結果を示す線図である。 図1に示した画像形成装置に用いられる転写前露光装置の構成を説明するための図である。 転写前露光装置における防塵部材の汚染防止に係る構成を説明するための図である。 転写前露光装置における防塵部材の汚染防止に係る他の構成を説明するための図である。
符号の説明
1 プリンタ
2 感光体ドラム
6 転写装置
6C ベルト
20 転写前露光装置
20A 転写材入り口ガイド部材
20B カバー部材
20C 転写前露光部材
20D 庇
20E トナー受け面
21 防塵部材
100 制御部
101 レジストモータスタートセンサ
102 操作パネル
103 環境条件検知センサ
104 転写材類別センサ
105 冷却ファン

Claims (28)

  1. 潜像担持体に形成された静電潜像を可視像処理した後、搬送部材に担持されている転写材に可視像が転写される構成を備えた画像形成装置において、
    上記転写材への転写前に上記潜像担持体における転写材の先端部に相当する位置のみを露光可能な転写前露光手段と、
    上記転写材への可視像転写に用いられる転写用バイアス手段とを備え、
    上記転写前露光手段を用いることと上記転写用バイアス手段におけるバイアス印加タイミングとを組み合わせ、上記転写用バイアス手段は、上記転写材の先端が上記潜像担持体に接触を開始した時点から所定時間後に少なくとも段階的な値を設定してバイアス印加が開始されることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記転写用バイアス手段によるバイアスの印加開始時期として、上記転写材が少なくとも上記潜像担持体に接触して移動するニップ先端に到達した以降の時期に相当させてあることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置において、
    上記転写用バイアス手段は、上記転写材が上記潜像担持体に向けて繰り出される位置から該潜像担持体に先端が接触した後、所定の距離を移動した時点でバイアス印加を少なくとも段階的な値を設定して開始することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写用バイアス手段は、上記転写材が上記潜像担持体に向けて繰り出される位置を通過する時点から潜像担持体に先端が接触し始めた時点を基準として、転写材が所定量移動した時間分を遅延してバイアス印加を開始することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写用バイアス手段は、上記転写材の移動方向先端側を対象として正規の転写バイアス印加時よりも低いバイアス値によりバイアス印加をした後、正規の転写バイアス時でのバイアス値を用いてバイアス印加を行うことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写用バイアス手段は、上記転写材の移動方向先端側における非画像部を対象として正規の転写バイアス印加時よりも低いバイアス値によりバイアス印加をした後、画像部の先端が上記潜像担持体に対向する時点を基準として正規の転写バイアス時でのバイアス値を用いてバイアス印加を行うことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記搬送部材に担持される転写材における移動方向先端側の非画像部に対応する位置での電荷密度が正規の転写バイアス印加時よりも低い、2.0×10−8C/cm以下に設定されることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段は、上記転写バイアス手段によるバイアス印加開始タイミングの遅延に基づき上記転写材の先端が上記潜像担持体に付着しない表面電位を上記潜像担持体の非画像部に対して設定することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至6のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段は、上記転写バイアス手段によるバイアス印加開始タイミングの遅延に基づき上記転写材の先端から画像部に至るまでの間の領域が上記潜像担持体に付着しない表面電位に上記潜像担持体の非画像部に対して設定することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8または9記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段は、上記転写材の移動方向先端側の非画像部に対応する領域の表面電位を250V以下に設定することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項1乃至10のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段およびまたは転写用バイアス手段は、上記転写材の種類およびまたは画像形成モードに応じて動作タイミングを制御される構成であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1乃至11のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段およびまたは転写用バイアス手段は、温度、湿度を含む環境条件に対応して動作タイミング制御が可能であることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項11または12記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段および転写用バイアス手段は、オンオフ制御を実行する制御部の出力側に接続され、該制御部は入力側に上記転写材の選択手段若しくは類別のための検知手段および環境条件検知手段が接続され、選択手段若しくは検知手段からの信号に基づき転写前露光およびまたは転写用バイアスの動作タイミング制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13記載の画像形成装置において、
    上記制御部に入力される画像形成モードは、転写材の片面、両面のいずれかを対象とした画像形成モード、同一面で異なる色画像を用いた合成画像の形成モードが選択可能であることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項14記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段は、上記潜像担持体に対する潜像形成時の画像データに応じた光ビーム走査により得られる該画像データに応じた画素カウント値に基づき動作開始および停止を含む動作タイミングが制御されることを特徴とする画像形成装置。
  16. 請求項13乃至15のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段は、露光出力に関する効率を制御する手段を備え、画像出力数に応じて露光出力効率を制御されることを特徴とする画像形成装置。
  17. 請求項1乃至16のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光写手段は、上記転写材を上記潜像担持体との接触位置で構成される転写ニップ部に向けガイドする転写材入り口ガイド部材と一体化されていることを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項17記載の画像形成装置において、
    上記転写材入り口ガイド部材における転写材ガイド面は高反射面で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項17または18記載の画像形成装置において、
    上記入り口ガイド部材として成形部材が用いられることを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項17乃至19のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記入り口ガイド部材における上記転写前露光手段の設置部には、該転写前露光手段からの光出射側に防塵部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項20記載の画像形成装置において、
    上記防塵部材は、透明体のフィルムが用いられることを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項20または21記載の画像形成装置において、
    上記防塵部材は、透明な樹脂若しくはガラスが用いられることを特徴とする画像形成装置。
  23. 請求項17乃至21のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段を備えた転写材入り口ガイド部材には、これに近接する位置に配置されている現像装置からの飛散トナーの回収部が設けられ、該回収部は上記転写材入り口ガイド部材における現像装置に対向する側に設けられたトナー受け面が用いられることを特徴とする画像形成装置。
  24. 請求項17乃至21のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写材入り口ガイド部材における光出射部には、これに近接する位置に配置されている現像装置側に庇で構成したトナー受け部が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  25. 請求項17乃至24のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段と上記潜像担持体とが対向する空間部には、上記転写前露光手段に形成されている光出射部を横断する方向の気流が生起される構成を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  26. 請求項25記載の画像形成装置において、
    上記気流は、上記潜像担持体の冷却を行うファンが兼用されることを特徴とする画像形成装置。
  27. 請求項1乃至26のうちの一つに記載の画像形成装置において、
    転写前露光手段に装備されている発光部と上記潜像担持体の除電手段における発光部とは、上記潜像担持体の表面に対する光照射位置の位相が異ならせてあることを特徴とする画像形成装置。
  28. 請求項27記載の画像形成装置において、
    上記転写前露光手段および除電手段における発光部の数が同一に設定されていることを特徴とする画像形成装置。
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