JP2005199458A - 液滴吐出装置、キャッピング装置の処理方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 液滴吐出ヘッドを封止する封止部内における固形物の堆積・成長を制御することで、液滴吐出ヘッドのノズル開口等の目詰まり等を防止し、且つ液体の無駄な消費を抑えることができる液滴吐出装置及びキャッピング装置の処理方法等を提供する。
【解決手段】 液滴吐出装置に設けられる吐出ヘッド20は、液滴を吐出する複数のヘッド20a〜20dを備える。これらのヘッドの内、ヘッド20b〜20dは所定の液体を液滴として吐出するヘッドであり、ヘッド20aはヘッド20b〜20dから吐出される液滴に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤を液滴として吐出するヘッドである。ヘッド20aを用いてヘッド20a〜20dの各々をキャッピングするキャッピング部内に浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を供給する。
【選択図】 図2
【解決手段】 液滴吐出装置に設けられる吐出ヘッド20は、液滴を吐出する複数のヘッド20a〜20dを備える。これらのヘッドの内、ヘッド20b〜20dは所定の液体を液滴として吐出するヘッドであり、ヘッド20aはヘッド20b〜20dから吐出される液滴に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤を液滴として吐出するヘッドである。ヘッド20aを用いてヘッド20a〜20dの各々をキャッピングするキャッピング部内に浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を供給する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、所定の液体をノズル開口から液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置、当該液滴吐出ヘッドのノズル開口を封止(キャッピング)して液体の乾燥又はノズル開口の目詰まりを防止するキャッピング装置の処理方法、及びデバイス製造方法に関する。
液滴吐出ヘッドは、所定の液体を収容する圧力発生室と、圧力発生室を加圧するピエゾ素子と、圧力発生室に連通するノズル開口とを含んで構成されており、圧力発生室の液体をピエゾ素子で加圧することで、微少量の液体をノズル開口から液滴として吐出するものである。かかる構成の液滴吐出ヘッドは、ノズル開口近傍の液体が蒸発し、又は液滴吐出ヘッド内に気泡が停滞すると、液滴の吐出不良が生ずる。このため、この種の液滴吐出ヘッドは、ノズル開口を封止(キャッピング)して液体の乾燥又はノズル開口の目詰まりを防止するキャッピング装置が必須となる。
キャッピング装置は、ノズル開口を封止する封止部と封止部内に負圧を供給する吸引ポンプを備えて構成される。このキャッピング装置は、単に液滴吐出ヘッドのノズル開口を封止部で封止するだけではなく、吸引ポンプによって封止部内に負圧を作用させてノズル開口から強制的に液体を排出させることにより、ノズル開口の近傍で増粘している液体又は圧力発生室に停滞している気泡を排出させる。従来のキャッピング装置の詳細については、例えば以下の特許文献1,2を参照されたい。
特開2001−26112号公報
特開平10−264402号公報
ところで、キャッピング装置の封止部内には吸収材が設けられており、液滴吐出ヘッドから排出された液体をある程度の量まで吸収する構成になっている。キャッピング装置の封止部は、液滴吐出ヘッドを封止している状態にないと気密性が保たれないため、液滴吐出ヘッドから排出されて吸収材に吸収された液体は乾燥してしまい、液体に溶解している顔料等が固形物となって吸収材上に堆積・成長してしまう。
このような堆積・成長が生ずると、封止部内に負圧を供給するために封止部に形成されたポンプの吸引口が目詰まりを起こしてしまう虞がある。吸引口の目詰まりによって液滴吐出ヘッドのノズル開口からの強制的な液体の排出を正常に行うことができず、ノズル開口の目詰まりが起きやすくなるという問題が生ずる。吸引口の目詰まりが原因でノズル開口の目詰まりが生ずると、液滴吐出ヘッドのノズル形成面(ノズル開口部が形成されている面)をワイパで拭き取るクリーニング法、及びピエゾ素子によって圧力発生室に加える圧力を大きくして、通常の液滴吐出量よりも多くの液滴を強制的に吐出するフラッシング法を繰り返し行ってノズル開口の目詰まりを解消する必要がある。
このため、液体が無駄に消費されてしまうとともにワイパの寿命を短縮し、更には正常状態(全てのノズル開口からの液滴吐出が可能な状態)に回復するのに時間を要するという問題も生ずる。近年においては、液滴吐出装置は、液晶表示装置で用いられるカラーフィルタ、マイクロレンズアレイ、その他の微細なパターンを有する各種デバイスの製造に用いられてきており、しかも複数の液滴吐出ヘッドを設けることでスループット(単位時間に製造することができるデバイスの数)を極力向上させようとしている。従って、ノズル開口の目詰まりによるスループットの低下は避けなければならない。
また、液滴吐出ヘッドからはかなりの勢いで液滴が吐出されるため、液滴が吸収材上に堆積・成長した固形物に着弾すると跳ね返りが生じて液滴吐出ヘッドのノズル面(ノズル開口が形成されている面)を汚染する虞がある。ノズル面に付着した液滴は場合によってはノズル開口おける液体の液面(メニスカス)を崩す可能性があるため、正常に液滴を吐出することができなくなるという問題が生ずる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液滴吐出ヘッドを封止する封止部内における固形物の堆積・成長を制御することで、液滴吐出ヘッドのノズル開口等の目詰まり等を防止し、且つ液体の無駄な消費を抑えることができる液滴吐出装置及びキャッピング装置の処理方法、並びにスループットの低下を招かずにデバイスを製造することができるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の液滴吐出装置は、所定の液体を液滴として吐出するノズル開口を有する液滴吐出ヘッドを複数備える液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドの少なくとも1つは、前記液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドであることを特徴としている。
この発明によれば、所定の液体を吐出する複数の液滴吐出ヘッドのうちの少なくとも1つの液滴吐出ヘッドから、所定の液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤が液滴として吐出されるため、液滴吐出ヘッドを封止する封止部内に溶剤を吐出することで、封止部内おける固形物(例えば、所定の液体に含まれる顔料等)の堆積・成長を制御することができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記液滴吐出ヘッドの各々に対応して設けられ、前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する複数の封止部を有するキャッピング装置を備えることを特徴としている。
この発明によれば、キャッピング装置が備える複数の封止部によって複数設けられた液滴吐出ヘッドのノズル開口の各々が封止されるため、各液滴吐出ヘッドでのノズル開口の目詰まりが防止される。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記複数の液滴吐出ヘッドを保持する保持部材と、前記保持部材を駆動して前記複数の液滴吐出ヘッドを一体として移動させる駆動機構とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、複数の液滴吐出ヘッドはキャリッジに取り付けられて一体的に移動可能に構成されているため、複雑な駆動機構を用いることなく複数の液滴吐出ヘッドを移動させることができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記駆動機構が、前記溶剤を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを前記キャッピング装置に設けられる前記封止部の各々の位置に移動可能に構成されることを特徴としている。
この発明によれば、溶剤を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドがキャッピング装置に設けられた封止部の各々の位置に移動可能であるため、封止部の各々に対する溶剤の吐出をおこなうことができ、各封止部内における固形物の堆積・成長を制御することができる。その結果として、液滴吐出ヘッドのノズル開口等の目詰まり及び液滴の跳ね返りによる液滴吐出不良を防止することができる。また、ノズル開口の目詰りが防止されるため、目詰まり解消のための液体の無駄な消費を抑えることができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間を計時する計時手段と、前記計時手段の計時結果に応じて前記溶剤の吐出量を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドのノズル開口が封止されていない時間を計時し、この計時結果に応じて溶剤の吐出量を変えているため、封止部内に吐出された所定の液体の乾燥の程度に応じて溶剤の吐出量を制御することができ、溶剤の無駄な消費を極力抑えた上で、ノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記溶剤を吐出する液滴吐出ヘッドが、前記ノズル開口を配列してなる2つのノズル列を有し、一方のノズル列から前記浸透剤を吐出し、他方のノズル列から前記保湿剤を吐出することを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドに設けられた一方のノズル列から浸透剤が吐出され、他方のノズル列から保湿剤が吐出されるため、封止部内において固形物が堆積されたとしても溶融させることができるとともに封止部内を高湿度に保つことができる。尚、浸透剤とは、濡れ広がらない液体を濡れ広がらせたり、固まる液体を溶解させるための溶剤である。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記浸透剤が、界面活性剤を含むことを特徴としている。ここで、界面活性剤は、例えば1,2−アルカンジオール、変性ポリシロキサン系化合物、及びTEGmBE(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)のうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記保湿剤が、1価のアルコールを含むことを特徴としている。ここで、1価のアルコールは、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール等が好ましい。
上記課題を解決するために、本発明のキャッピング装置の処理方法は、所定の液体を液滴として吐出するノズル開口を備える複数の液滴吐出ヘッドの各々に対応して設けられ、前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する複数の封止部を有するキャッピング装置の処理方法において、前記複数の液滴吐出ヘッドのうち、前記液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤を液滴として吐出するために設けられた少なくとも1つの液滴吐出ヘッドを、前記封止部の各々の位置に移動させて前記溶剤を前記封止部内に順に吐出するステップを含むことを特徴としている。
この発明によれば、所定の液体を吐出する複数の液滴吐出ヘッドのうちの少なくとも1つの液滴吐出ヘッドから、所定の液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤が、液滴吐出ヘッドの各々のノズル開口を封止する封止部内に吐出されるため、各封止部内おける固形物(例えば、所定の液体に含まれる顔料等)の堆積・成長を制御することができる。その結果として、液滴吐出ヘッドのノズル開口等の目詰まり及び液滴の跳ね返りによる液滴吐出不良を防止することができる。また、ノズル開口の目詰りが防止されるため、目詰まり解消のための液体の無駄な消費を抑えることができる。
また、本発明のキャッピング装置の処理方法は、前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間を計時する計時ステップと、前記計時ステップの計時結果に応じて前記封止部内への前記溶剤の吐出量を制御する制御ステップとを含むことを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドのノズル開口が封止されていない時間を計時し、この計時結果に応じて溶剤の吐出量を変えているため、封止部内に吐出された所定の液体の乾燥の程度に応じて溶剤の吐出量を制御することができ、溶剤の無駄な消費を極力抑えた上で、ノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。
また、本発明のキャッピング装置の処理方法は、前記制御ステップが、前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間が長い程、前記吐出量が多くなるように制御することを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドの各々がキャッピング装置の封止部に封止されていない時間が長いほど溶剤の吐出量を多くしているため、封止部内における固形物が堆積・成長した場合であっても、ほぼ確実に固形物を溶融させることができる。
更に、本発明のキャッピング装置の処理方法は、前記溶剤を前記封止部内に吐出した後で、前記封止部の各々で前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する封止ステップを含むことを特徴としている。
この発明によれば、各封止部に溶剤が吐出された後で液滴吐出ヘッドの各々が封止部に封止されるため、封止部内を高湿度に保つことができ、液滴吐出ヘッドのノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。
また、本発明のデバイス製造方法は、所定箇所に機能性を有するパターンが形成されたワークを備えたデバイスの製造方法であって、上記の何れかに記載の液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッド又は上記の何れかに記載のキャッピング装置の処理方法で使用される液滴吐出ヘッドを用いて前記ワーク上に前記所定の液体を液滴として吐出して前記パターンを形成する工程と、前記液滴吐出ヘッドのうち、前記溶剤を吐出する液滴吐出ヘッドを用いて前記液滴吐出ヘッドのノズル開口を封止する各々の封止部内に前記溶剤を吐出する工程と、前記封止部の各々で前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する工程とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、上記の何れかに記載の液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッド又は上記の何れかに記載のキャッピング装置の処理方法で使用される液滴吐出ヘッドを用いてワーク上に所定の液体を液滴として吐出してパターンを形成し、溶剤を吐出する液滴吐出ヘッドを用いて各封止部内に溶剤を吐出し、封止部の各々で液滴吐出ヘッド各々のノズル開口を封止しているため、所定の液体の無駄な消費を抑えることができるとともに、ノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。この結果として、スループットの低下を招かずにデバイスを効率よく製造することができ、デバイスの製造コストを低減することができる。
この発明によれば、所定の液体を吐出する複数の液滴吐出ヘッドのうちの少なくとも1つの液滴吐出ヘッドから、所定の液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤が液滴として吐出されるため、液滴吐出ヘッドを封止する封止部内に溶剤を吐出することで、封止部内おける固形物(例えば、所定の液体に含まれる顔料等)の堆積・成長を制御することができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記液滴吐出ヘッドの各々に対応して設けられ、前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する複数の封止部を有するキャッピング装置を備えることを特徴としている。
この発明によれば、キャッピング装置が備える複数の封止部によって複数設けられた液滴吐出ヘッドのノズル開口の各々が封止されるため、各液滴吐出ヘッドでのノズル開口の目詰まりが防止される。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記複数の液滴吐出ヘッドを保持する保持部材と、前記保持部材を駆動して前記複数の液滴吐出ヘッドを一体として移動させる駆動機構とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、複数の液滴吐出ヘッドはキャリッジに取り付けられて一体的に移動可能に構成されているため、複雑な駆動機構を用いることなく複数の液滴吐出ヘッドを移動させることができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記駆動機構が、前記溶剤を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを前記キャッピング装置に設けられる前記封止部の各々の位置に移動可能に構成されることを特徴としている。
この発明によれば、溶剤を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドがキャッピング装置に設けられた封止部の各々の位置に移動可能であるため、封止部の各々に対する溶剤の吐出をおこなうことができ、各封止部内における固形物の堆積・成長を制御することができる。その結果として、液滴吐出ヘッドのノズル開口等の目詰まり及び液滴の跳ね返りによる液滴吐出不良を防止することができる。また、ノズル開口の目詰りが防止されるため、目詰まり解消のための液体の無駄な消費を抑えることができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間を計時する計時手段と、前記計時手段の計時結果に応じて前記溶剤の吐出量を制御する制御手段とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドのノズル開口が封止されていない時間を計時し、この計時結果に応じて溶剤の吐出量を変えているため、封止部内に吐出された所定の液体の乾燥の程度に応じて溶剤の吐出量を制御することができ、溶剤の無駄な消費を極力抑えた上で、ノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記溶剤を吐出する液滴吐出ヘッドが、前記ノズル開口を配列してなる2つのノズル列を有し、一方のノズル列から前記浸透剤を吐出し、他方のノズル列から前記保湿剤を吐出することを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドに設けられた一方のノズル列から浸透剤が吐出され、他方のノズル列から保湿剤が吐出されるため、封止部内において固形物が堆積されたとしても溶融させることができるとともに封止部内を高湿度に保つことができる。尚、浸透剤とは、濡れ広がらない液体を濡れ広がらせたり、固まる液体を溶解させるための溶剤である。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記浸透剤が、界面活性剤を含むことを特徴としている。ここで、界面活性剤は、例えば1,2−アルカンジオール、変性ポリシロキサン系化合物、及びTEGmBE(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)のうちの少なくとも一つを含むことが好ましい。
また、本発明の液滴吐出装置は、前記保湿剤が、1価のアルコールを含むことを特徴としている。ここで、1価のアルコールは、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール等が好ましい。
上記課題を解決するために、本発明のキャッピング装置の処理方法は、所定の液体を液滴として吐出するノズル開口を備える複数の液滴吐出ヘッドの各々に対応して設けられ、前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する複数の封止部を有するキャッピング装置の処理方法において、前記複数の液滴吐出ヘッドのうち、前記液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤を液滴として吐出するために設けられた少なくとも1つの液滴吐出ヘッドを、前記封止部の各々の位置に移動させて前記溶剤を前記封止部内に順に吐出するステップを含むことを特徴としている。
この発明によれば、所定の液体を吐出する複数の液滴吐出ヘッドのうちの少なくとも1つの液滴吐出ヘッドから、所定の液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤が、液滴吐出ヘッドの各々のノズル開口を封止する封止部内に吐出されるため、各封止部内おける固形物(例えば、所定の液体に含まれる顔料等)の堆積・成長を制御することができる。その結果として、液滴吐出ヘッドのノズル開口等の目詰まり及び液滴の跳ね返りによる液滴吐出不良を防止することができる。また、ノズル開口の目詰りが防止されるため、目詰まり解消のための液体の無駄な消費を抑えることができる。
また、本発明のキャッピング装置の処理方法は、前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間を計時する計時ステップと、前記計時ステップの計時結果に応じて前記封止部内への前記溶剤の吐出量を制御する制御ステップとを含むことを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドのノズル開口が封止されていない時間を計時し、この計時結果に応じて溶剤の吐出量を変えているため、封止部内に吐出された所定の液体の乾燥の程度に応じて溶剤の吐出量を制御することができ、溶剤の無駄な消費を極力抑えた上で、ノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。
また、本発明のキャッピング装置の処理方法は、前記制御ステップが、前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間が長い程、前記吐出量が多くなるように制御することを特徴としている。
この発明によれば、液滴吐出ヘッドの各々がキャッピング装置の封止部に封止されていない時間が長いほど溶剤の吐出量を多くしているため、封止部内における固形物が堆積・成長した場合であっても、ほぼ確実に固形物を溶融させることができる。
更に、本発明のキャッピング装置の処理方法は、前記溶剤を前記封止部内に吐出した後で、前記封止部の各々で前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する封止ステップを含むことを特徴としている。
この発明によれば、各封止部に溶剤が吐出された後で液滴吐出ヘッドの各々が封止部に封止されるため、封止部内を高湿度に保つことができ、液滴吐出ヘッドのノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。
また、本発明のデバイス製造方法は、所定箇所に機能性を有するパターンが形成されたワークを備えたデバイスの製造方法であって、上記の何れかに記載の液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッド又は上記の何れかに記載のキャッピング装置の処理方法で使用される液滴吐出ヘッドを用いて前記ワーク上に前記所定の液体を液滴として吐出して前記パターンを形成する工程と、前記液滴吐出ヘッドのうち、前記溶剤を吐出する液滴吐出ヘッドを用いて前記液滴吐出ヘッドのノズル開口を封止する各々の封止部内に前記溶剤を吐出する工程と、前記封止部の各々で前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する工程とを含むことを特徴としている。
この発明によれば、上記の何れかに記載の液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッド又は上記の何れかに記載のキャッピング装置の処理方法で使用される液滴吐出ヘッドを用いてワーク上に所定の液体を液滴として吐出してパターンを形成し、溶剤を吐出する液滴吐出ヘッドを用いて各封止部内に溶剤を吐出し、封止部の各々で液滴吐出ヘッド各々のノズル開口を封止しているため、所定の液体の無駄な消費を抑えることができるとともに、ノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。この結果として、スループットの低下を招かずにデバイスを効率よく製造することができ、デバイスの製造コストを低減することができる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による液滴吐出装置、キャッピング装置の処理方法、及びデバイス製造方法について詳細に説明する。
〔液滴吐出装置〕
図1は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。尚、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、XY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態では吐出ヘッド20の移動方向(主走査方向)がX方向に設定され、ステージSTの移動方向(副走査方向)がY方向に設定されている。
図1は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置の概略構成を示す斜視図である。尚、以下の説明においては、必要であれば図中にXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、XY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態では吐出ヘッド20の移動方向(主走査方向)がX方向に設定され、ステージSTの移動方向(副走査方向)がY方向に設定されている。
図1に示す通り、本実施形態の液滴吐出装置IJは、ベース10と、ベース10上でガラス基板等の基板Pを支持するステージSTと、ステージSTの上方(+Z方向)において支持され、基板Pに対して所定の液滴を吐出可能な吐出ヘッド20とを含んで構成されている。尚、詳細は後述するが、吐出ヘッド20は複数のヘッド(液滴吐出ヘッド)を含んで構成されている。ベース10とステージSTとの間には、ステージSTをY方向に移動可能に支持する第1移動装置12が設けられている。また、ステージSTの上方には、吐出ヘッド20をX方向に移動可能に支持する第2移動装置14が設けられている。
吐出ヘッド20には、流路18を介して吐出ヘッド20から吐出される液体(所定の液体)並びに吐出ヘッド20に設けられた複数のヘッドのうちの1つのヘッドから吐出される浸透剤及び保湿剤を貯蔵するタンク16が接続されている。また、ベース10上には、キャッピングユニット(キャッピング装置)22とクリーニングユニット24とが配置されている。制御装置26は、液滴吐出装置IJの各部(例えば、第1移動装置12及び第2移動装置14等)を制御して液滴吐出装置IJの全体の動作を制御する。
上記の第1移動装置12はベース10の上に設置されており、Y軸方向に沿って位置決めされている。この第1移動装置12は、例えばリニアモータによって構成され、ガイドレール12a,12aと、このガイドレール12aに沿って移動可能に設けられているスライダー12bとを備えている。このリニアモータ形式の第1移動装置12のスライダー12bは、ガイドレール12aに沿ってY軸方向に移動して位置決め可能である。
また、スライダー12bはZ軸回り(θZ)用のモータ12cを備えている。このモータ12cは、例えばダイレクトドライブモータであり、モータ12cのロータはステージSTに固定されている。これにより、モータ12cに通電することでロータとステージSTとは、θZ方向に沿って回転してステージSTをインデックス(回転割り出し)することができる。即ち、第1移動装置12は、ステージSTをY軸方向及びθZ方向に移動可能である。ステージSTは基板Pを保持し、所定の位置に位置決めするものである。また、ステージSTは不図示の吸着保持装置を有しており、この吸着保持装置が作動することによってステージSTに設けられた不図示の吸着穴を通して基板PをステージSTの上に吸着して保持する。
上記の第2移動装置14は、支柱28a,28aを用いてベース10に対して立てて取り付けられており、ベース10の後部10aにおいて取り付けられている。この第2移動装置14はリニアモータによって構成され、支柱28a,28aに固定されたコラム28bに支持されている。第2移動装置14は、コラム28bに支持されているガイドレール14aと、ガイドレール14aに沿ってX軸方向に移動可能に支持されているスライダー14bとを備えている。スライダー14bはガイドレール14aに沿ってX軸方向に移動して位置決め可能である。上記の吐出ヘッド20はスライダー14bに取り付けられている。
吐出ヘッド20は、Z方向の位置決め装置としてのモータ30、揺動位置決め装置としてのモータ32,34,36、及びY方向の位置決め装置としてのモータ38を有している。モータ30を駆動すれば吐出ヘッド20をZ方向に沿って上下動させることができ、任意のZ方向の位置で吐出ヘッド20を位置決めすることができる。モータ32を駆動すれば、吐出ヘッド20をY軸回りのβ方向に沿って揺動させることができ、吐出ヘッド20の角度を調整することができる。モータ34を駆動すれば、吐出ヘッド20をX軸回りのγ方向に沿って揺動させることができ、吐出ヘッド20の角度を調整することができる。モータ36を駆動すれば、吐出ヘッド20をZ軸回りのα方向に沿って揺動させることができ、吐出ヘッド20の角度を調整することができる。
また、モータ38を駆動すれば吐出ヘッド20をY方向に移動させることができ、吐出ヘッド20のY方向の位置を微調整することができる。ここで、吐出ヘッド20をY方向に移動可能に構成するのは、詳細は後述するが、吐出ヘッド20に設けられた複数のヘッドのうちの浸透剤及び保湿剤を吐出する1つのヘッドが、複数のヘッドに対応して設けられたキャッピング部の各々に対して浸透剤及び保湿剤を吐出可能にするためである。
このように、図1に示す吐出ヘッド20は、Z方向に直線移動可能であって、α方向、β方向、及びγ方向に沿って揺動して角度を調整することができ、更にY方向の位置を微調整できるようにスライダ14bに支持されている。吐出ヘッド20の位置及び姿勢は、ステージST側の基板Pに対する液滴吐出面21の位置又は姿勢が所定の位置又は所定の姿勢となるように、制御装置26によって精確に制御される。尚、吐出ヘッド20の液滴吐出面21には液滴を吐出する複数のノズル開口が設けられている。
上述の吐出ヘッド20から吐出される液滴としては、着色材料を含有するインク、金属微粒子等の材料を含有する分散液、PEDOT:PSS等の正孔注入材料や発光材料等の有機EL物質を含有する溶液、液晶材料等の高粘度の機能性液体、マイクロレンズの材料を含有する機能性液体、たんぱく質や核酸等を含有する生体高分子溶液等の種々の材料を含有する液滴が採用される。
ここで、吐出ヘッド20の構成について説明する。図2は、吐出ヘッド20の液滴吐出面21を模式的に示す図である。図2に示す通り、吐出ヘッド20は保持部材としてのキャリッジCに取り付けられた4つのヘッド20a〜20dを備えている。尚、ここでは、吐出ヘッド4が4つのヘッド20a〜20dを備える場合を例に挙げて説明するが、ヘッドの数は2つ以上有ればよく、ヘッドの配列は任意であってよい。ヘッド20a〜20dのうち、ヘッド20aは浸透剤及び保湿剤を吐出するヘッドであって、他のヘッド20b〜20dは、上記の着色材料を含有するインク等(所定の液体)を吐出するヘッドである。
ヘッド20a〜20dは同一構成であり、ヘッド20a〜20d各々の液滴吐出面21に含まれるノズル面には複数のノズル開口111を配列した第1ノズル列R1及び第2ノズル列R2が形成されている。ヘッド20bはヘッド20aの+Y方向側に配置され、ヘッド20dはヘッド20cの+Y方向側に配置されており、ヘッド20c,20dはヘッド20a,20bに対して+Y方向に所定量だけずらして配置されている。ヘッド20aは、第1ノズル列R1から浸透剤が吐出され、第2ノズル列R2から保湿剤が吐出されるよう構成されている。また、ヘッド20b〜20dは、第1ノズル列R1及び第2ノズル列R2の両方から上記の着色材料を含有するインク等(所定の液体)を吐出するよう構成されている。
ヘッド20aの第1ノズル列R1から吐出される浸透剤は、界面活性剤を含む溶剤であり、例えば1,2−アルカンジオールとしての1,2−ヘキサンジオールを2重量%含み、変性ポリシロキサンとしてのBYK348を0.3重量%含み、グリセリンを5重量%含み、残量が純水である溶剤が挙げられる。また、上記の溶剤以外に、以下の第1〜第6溶剤が挙げられる。つまり、1,2−アルカンジオールとしての1,2−ヘキサンジオールを5重量%含み、残量が純水である第1溶剤、変性ポリシロキサンとしてのBYK348を0.5重量%含み、残量が純水である第2溶剤、BYK348を0.5重量%含むと共にグリセリンを10重量%含み、残量が純水である第3溶剤、1,2−ヘキサンジオールを2重量%含むと共にBYK348を0.3重量%含み、残量が純水である第4溶剤、1,2−ヘキサンジオールを5重量%含むと共にグリセリンを5重量%含み、残量が純水である第5溶剤や、グリセリンを15重量%、TEGmBE(トリエチレングリコールモノブチルエーテル)を5重量%、オルフィンE1010(アセチレングリコール系界面活性剤:日信化学株式会社製)を1重量%、トリエタノールアミンを1重量%含み、残量が純粋である第6溶剤等である。
また、ヘッド20aの第2ノズル列R2から吐出される保湿剤は、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール等のアルコールが挙げられる。或いは、高沸点有機溶剤である、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、尿素、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、これら一種又は二種以上の混合物として用いることができる。これらのアルコール等の内、1価のアルコールを用いることが好ましい。
図3は、吐出ヘッド20が備えるヘッド20a〜20dの主要部の一部を示す透視図である。図3に示す通り、ヘッド20a〜20dは、ノズル板110、圧力室基板120、及び振動板130を含んで構成されている。圧力室基板120は、圧力発生室としてのキャビティ121、側壁122、リザーバ123、及び供給口124を備えている。キャビティ121は、圧力室であってシリコン等の基板をエッチングすることにより形成されるものである。側壁122は、キャビティ121間を仕切るよう構成され、リザーバ123は、各キャビティ121に所定の液体を充填する時に、液体を供給可能な共通の流路として構成されている。供給口124は、各キャビティ121に液体を導入可能に構成されている。尚、ヘッド20aについては、所定の液体に替えて浸透剤及び保湿剤が導入される。
また、振動板130は、圧力室基板120の一方の面に貼り合わせ可能に構成されている。振動板130には前述した圧電体デバイスの一部である圧電体素子150が設けられている。圧電体素子150は、ペロブスカイト構造を持つ強誘電体の結晶であり、振動板130上に所定の形状で形成されて構成されている。この圧電体素子150は、制御装置26から供給される駆動信号に対応して体積変化を生ずることが可能に構成されている。ノズル板110は、圧力室基板120に複数設けられたキャビティ(圧力室)121の各々に対応する位置にそのノズル開口111が配置されるよう、圧力室基板120に貼り合わせられている。ノズル板110を貼り合わせた圧力室基板120は不図示の筐体に嵌められている。以上により吐出ヘッド20が構成されている。
吐出ヘッド20が備えるヘッド20b〜20dから所定の液体を液滴として吐出するには、まず、制御装置26が液滴を吐出させるための駆動信号をヘッド20b〜20dに供給する。液体はヘッド20b〜20d各々のキャビティ121に流入しており、駆動信号がヘッド20b〜20dに供給されるとヘッド20b〜20dの各々に設けられた圧電体素子150がその駆動信号に応じた体積変化を生ずる。この体積変化は振動板130を変形させ、キャビティ121の体積を変化させる。この結果、そのキャビティ121のノズル開口111から液体が液滴として吐出される。液滴が吐出されたキャビティ121には吐出によって減った液体が新たにタンク16から供給される。吐出ヘッド20が備えるヘッド20aから浸透剤及び保湿剤を吐出するときも同様の動作が行われる。尚、ヘッド20aは浸透剤のみ又は保湿剤のみを吐出させることも、浸透剤及び保湿剤を同時に吐出させることもできる。
尚、図3を参照して説明した吐出ヘッド20が備えるヘッド20a〜20dは圧電体素子に体積変化を生じさせて液滴を吐出させる構成であったが、発熱体により液体又は浸透剤若しくは保湿剤に熱を加えその膨張によって液滴を吐出させるようなヘッド構成であってもよい。また、静電気によって振動板を変形させることにより体積変化を生じさせて液滴を吐出させるような吐出ヘッドであってもよい。
図1に戻り、第2移動装置14は、吐出ヘッド20をX軸方向に移動させることで、吐出ヘッド20をクリーニングユニット24又はキャッピングユニット22の上部に選択的に位置決めさせることができる。つまり、デバイス製造作業の途中であっても、例えば吐出ヘッド20をクリーニングユニット24上に移動すれば、吐出ヘッド20のクリーニングを行うことができる。また、吐出ヘッド20をキャッピングユニット22の上に移動すれば、吐出ヘッド20の液滴吐出面21にキャッピングを施したり、液滴をキャビティ121に充填したり、ノズル開口111の目詰まり等による吐出不良を回復させたりすることが可能となる。
つまり、クリーニングユニット24及びキャッピングユニット22は、ベース10上の後部10a側で、吐出ヘッド20の移動経路直下に、ステージSTと離間して配置されている。ステージSTに対する基板Pの搬入作業及び搬出作業はベース10の前部10b側で行われるため、これらクリーニングユニット24又はキャッピングユニット22により作業に支障を来すことはない。
クリーニングユニット24は、ノズル開口111が形成された面を拭き取るワイパを備えており、吐出ヘッド20のノズル開口111等のクリーニングをデバイス製造工程中や待機時に定期的に又は随時に行うことができる。キャッピングユニット22は、吐出ヘッド20の液滴吐出面21が乾燥しないように、デバイスを製造しない待機時にこの液滴吐出面21にキャッピングを施したり、液滴をキャビティ121に充填する際に用いたり、また、吐出不良が生じた吐出ヘッド20を回復させるものである。
〔キャッピングユニット〕
次に、キャッピングユニット22について詳細に説明する。図4は、キャッピングユニット22の構成を示す図であって、図4(a)は吐出ヘッド20側から見たキャッピングユニット22の平面図であり、図4(b)は図4(a)中のA−Aに沿う断面矢視図である。図4(a),(b)に示す通り、キャッピングユニット22は、本体40、キャッピング部42a〜42d(封止部)、連通管47、及びポンプ(負圧供給装置)46を含んで構成されている。
次に、キャッピングユニット22について詳細に説明する。図4は、キャッピングユニット22の構成を示す図であって、図4(a)は吐出ヘッド20側から見たキャッピングユニット22の平面図であり、図4(b)は図4(a)中のA−Aに沿う断面矢視図である。図4(a),(b)に示す通り、キャッピングユニット22は、本体40、キャッピング部42a〜42d(封止部)、連通管47、及びポンプ(負圧供給装置)46を含んで構成されている。
キャッピング部42a〜42dは、図4(a)に示す通り、吐出ヘッド20のヘッド20a〜20dに対応して設けられている。つまり、キャッピング部42bはキャッピング部42aの+Y方向側に配置され、キャッピング部42dはキャッピング部42cの+Y方向側に配置されており、キャッピング部42c,42dはキャッピング部42a,42bに対して+Y方向に所定量だけずらして配置されている。キャッピング部42a〜42dの各々は、本体40に形成された凹部43の内部に嵌入された吸収材としての湿潤部材44と本体40の上面40aに突出した突出部45とを備えている。
また、凹部43の底面には、本体40の下面40を貫通する連通管47が接続されている。ここで、湿潤部材44とは、吐出ヘッド20から吐出される液滴に対する吸収性に優れ、液滴が吸収された際には湿潤状態を保つものであり、例えばスポンジ等の材料からなる。ポンプ46は、連通管47を介してキャッピング部42a〜42dを吸引、減圧する(負圧を供給する)ものである。このポンプ46は、制御装置26と電気的に接続されており、制御装置26の制御の下で、その駆動が制御される。
次に、本実施形態の液滴吐出装置IJの電気的な機能構成について説明する。図5は、本発明の一実施形態による液滴吐出装置の電気的な機能構成を示すブロック図である。尚、図5においては、図1〜図4に示した部材に相当するブロックには同一の符号を付してある。図5に示す通り、液滴吐出装置IJを制御する電気的な構成は、制御コンピュータ50、制御装置26、及び駆動用集積回路60を含んで構成される。
制御コンピュータ50は、例えばCPU(中央処理装置)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等の内部記憶装置、ハードディスク、CD−ROM等の外部記憶装置、並びに液晶表示装置又はCRT(Cathod Ray Tube)等の表示装置を含んで構成され、ROM又はハードディスクに記憶されたプログラムに従って、液滴吐出装置IJの動作を制御する制御信号を出力する。この制御コンピュータ50は、例えばケーブル等を用いて図1に示す液滴吐出装置IJに設けられる制御装置26と接続されている。
制御装置26は、演算制御部52、駆動信号生成部54、及びタイマ部56を含んで構成される。演算制御部52は、制御コンピュータ50から入力された制御信号及び内部に予め記憶された制御プログラムに基づいて、第1移動装置12、第2移動装置14、及びモータ30〜38を駆動するとともに、キャッピングユニット22に設けられたポンプ46の動作を制御する。
また、演算制御部52は、吐出ヘッド20の複数のヘッド20a〜20dの各々に設けられる複数の圧電体素子150を駆動する各種駆動信号を生成するための各種データ(駆動信号生成用データ)を駆動信号生成部54に出力する。更に、演算制御部52は、上記制御プログラムに基づいて選択データを生成して駆動用集積回路60に設けられた切替信号生成部62に出力する。この選択データは、駆動信号の印加対象となる圧電体素子150を指定するためのノズル選択データと圧電体素子150に印加する駆動信号を指定するための波形選択データとからなる。
加えて、演算制御部52は、ヘッド20a〜20dがキャッピングユニット22のキャッピング部42a〜42dの各々にキャッピング(封止)されていない時間をタイマ部56を用いて計時するとともに、この計時結果に応じてヘッド20aからキャッピング部42a〜42dの各々に対する浸透剤又は保湿剤の吐出量を制御する。尚、浸透剤又は保湿剤は、キャッピング部42a〜42d内に吐出されるのみならず、基板P上にも吐出されることがある。このため、浸透剤又は保湿剤を基板P上に吐出する場合には、演算制御部52は第1移動装置12及び第2移動装置14を制御してヘッド20aを基板Pの上方に移動させつつヘッド20aに対して駆動信号を供給する。
駆動信号生成部54は、上記の駆動信号生成用データに基づいて所定形状の各種駆動信号、例えば液滴を吐出させるための通常駆動信号、ノズル開口111においてメニスカスを微振動させるための微振動信号等の駆動信号を生成してスイッチ回路64に出力する。タイマ部56は、例えば演算制御部52から出力される計時開始信号及び計時時間が入力され、計時を開始してから計時時間が経過したときに、計時完了信号を出力する。
駆動用集積回路60は、ヘッド20a〜20dの各々の内部に設けられており、切替信号生成部62及びスイッチ回路64を含んで構成されている。切替信号生成部62は、演算制御部52から出力される選択データに基づいて各圧電体素子150への駆動信号の導通/非導通を指示する切替信号を生成し、スイッチ回路64に出力する。スイッチ回路64は、各圧電体素子150毎に設けられており、切替信号によって指定された駆動信号を圧電体素子150に出力する。
ここで、駆動信号生成部54が生成する駆動信号の一例、及びヘッドの動作について簡単に説明する。図6は、駆動信号生成部54で生成される通常駆動信号の1周期分の波形及びヘッドの動作を模式的に示す図である。図6(a)に示す通り、通常駆動信号は、基本的には、その電圧値が中間電位Vmからスタートした後(ホールドパルスL1)、時刻T1から時刻T2までの間、最大電位VPSまで一定の傾きで上昇し(充電パルスL2)、時刻T2から時刻T3までの間、最大電位VPSを所定時間だけ維持する(ホールドパルスL3)。次に、時刻T3から時刻T4までの間に最低電位VLSまで一定の傾きで下降した後(放電パルスL4)、時刻T4から時刻T5までの間、最低電位VLSを所定時間だけ維持する(ホールドパルスL5)。そして、時刻T5から時刻T6までの間、電圧値は中間電位Vmまで一定の傾きで上昇する(充電パルスL6)。
以上説明した通常駆動信号が圧電体素子150に印加されると、圧電体素子150は図6(b)〜(d)に示す動作を行い、これによりノズル開口111から所定の液体又は浸透剤若しくは保湿剤が吐出される。まず、図6(a)中の時刻T1から時刻T2までの間において、通常駆動信号の電圧値が緩やかに上昇する充電パルスL2が圧電体素子150に印加されると、図6(b)に示すように圧電体素子150がキャビティ121の容積を緩やかに膨張させる方に撓みキャビティ121に負圧が発生する。これによって、所定の液体又は浸透剤若しくは保湿剤がリザーバ123からキャビティ121に供給される。また、図示のようにノズル開口111の開口近傍に位置する液状粘性物も僅かにキャビティ121内部方向へ引き込まれることで、メニスカスがノズル開口111内に引き込まれる。
次に、時刻T2から時刻T3の間において通常駆動信号の電圧値を最大電位VPSに保持するホールドパルスL3が圧電体素子150に印加された後、時刻T3から時刻T4の間において放電パルスL4が印加されると、圧電体素子150が急速にキャビティ121の容積を収縮させる方向に撓み、キャビティ121に正圧が発生する。これにより、図6(c)に示す通り、ノズル開口111から所定の液体又は浸透剤若しくは保湿剤が液滴D1として吐出される。
液滴D1が吐出されると、時刻T4から時刻T5までの間、圧電体素子150には最低電位VLSを維持するホールドパルスL5が印加され、その後時刻T5から時刻T6までの間に中間電位Vmまで一定の傾きで上昇する充電パルスL6が圧電体素子150に印加される。充電パルスL6が圧電体素子150に印加されると、圧電体素子150は図6(d)に示すように変形してキャビティ121内に負圧が発生する。これにより、所定の液体又は浸透剤若しくは保湿剤がリザーバ123からキャビティ121に供給されるとともに、ノズル開口111の開口近傍に位置する所定の液体又は浸透剤若しくは保湿剤も僅かにキャビティ121内部方向へ引き込まれ、図6(d)に示す通り、メニスカスが一定の状態に維持される。このように、例えば最大電位VPSが高いほど、又は放電パルスL4の傾きが急峻なほど、ノズル開口111から吐出される液状粘性物の1ドット当たりの重量が大きい。
〔キャッピング装置の処理方法〕
次に、上記構成における液滴吐出装置IJを用いて基板P上にマイクロアレイを形成する方法について説明するとともに、マイクロアレイを形成した後に行われるキャッピング装置の処理方法について詳細に説明する。図7は、マイクロアレイの形成工程の概略を示すフローチャートである。
次に、上記構成における液滴吐出装置IJを用いて基板P上にマイクロアレイを形成する方法について説明するとともに、マイクロアレイを形成した後に行われるキャッピング装置の処理方法について詳細に説明する。図7は、マイクロアレイの形成工程の概略を示すフローチャートである。
図7に示す処理は、操作者によって液滴吐出装置IJの電源が投入されると開始される。処理が開始されると、まず制御装置26の演算制御部52が制御コンピュータ50からの液滴吐出装置IJの動作を制御する制御信号を受信したか否かを判断する(ステップS11)。制御信号を受信していない場合(判断結果が「NO」の場合)にはステップS11の処理を繰り返す。一方、制御コンピュータ50からの制御信号を受信したと判断した場合(判断結果が「YES」の場合)には、演算制御部52は受信した制御信号に基づいて第2移動装置14を制御して吐出ヘッド20をホームポジションから移動させる(ステップS12)。ここで、ホームポジションとは、吐出ヘッド20の退避位置であって、液滴の吐出動作を行っていないときに吐出ヘッド20がキャッピングユニット22によりキャッピングされる位置である。
吐出ヘッド20をホームポジションから移動させると、演算制御部52はタイマ部56を用いて吐出ヘッド20がキャッピングユニット22にキャッピングされていない時間の計時を開始する(ステップS13)。キャッピングされていない時間は、演算制御部52のカウンタTrに格納される。以上の処理が終了すると、演算制御部52は、基板P上に液滴の通常吐出をさせる制御を行う(ステップS14)。つまり、演算制御部52は第1移動装置12を制御して物体Pを移動開始位置に移動させるとともに、第2移動装置14等を制御して吐出ヘッド20を吐出開始位置に移動させる。そして、駆動信号生成用データ及び選択データを駆動信号生成部54及び切替信号生成部62にそれぞれ出力して、圧電体素子150に対して通常駆動信号を印加して基板P上への液滴の吐出を開始する。
液滴の吐出を開始すると、演算制御部52は、吐出ヘッド20と基板PとをX軸方向に相対移動(走査)しつつ、基板P上に対して吐出ヘッド20(ヘッド20b〜20d)の所定のノズルから所定幅で液滴を吐出し、基板P上にマイクロアレイを形成する。本実施形態では、吐出ヘッド20が基板Pに対して+X方向に移動しつつ吐出動作する。吐出ヘッド20と基板Pとの1回目の相対移動(走査)が終了すると、基板Pを支持するステージSTが吐出ヘッド20に対してY軸方向に所定量ステップ移動する。演算制御部52は、吐出ヘッド20を基板Pに対して、例えば−X方向に2回目の相対移動(走査)させつつ吐出動作を行う。この動作を複数回繰り返すことにより、吐出ヘッド20は演算制御部52の制御に基づいて液滴を吐出し、基板P上にマイクロアレイを形成する。
以上の動作を行って基板P上にマイクロアレイが形成されると、演算制御部52が第1移動装置12を制御して液滴が吐出された基板Pを搬出位置に移動させる。そして、ステージSTによる吸着保持が解除されて不図示の搬送装置によって基板PがステージSTから搬出される。次に、演算制御部52は液滴吐出動作が終了したか否か、即ち次に液滴を吐出すべき基板Pが有るか否かを判断する(ステップS15)。液滴を吐出すべき基板Pが有る場合(判断結果が「NO」である場合)には、処理はステップS14に戻り、新たな基板PをステージST上に搬入して吸着保持し、再度液滴の吐出動作を行う。尚、基板Pの搬出及び搬入を行っている間に、吐出ヘッドを所定の退避位置に移動させてフラッシングを行っても良い。
一方、ステップS15において液滴吐出動作が終了したと判断した場合(判断結果が「YES」の場合)には、演算制御部52は第2移動装置14を制御して、吐出ヘッド20をホームポジションに移動させる(ステップS16)。ホームポジションへの移動が完了すると、演算制御部52はタイマ部56に対して吐出ヘッド20がキャッピングユニット22にキャッピングされていない時間の計時を停止させる。これにより、ステップS13で計時を開始してからステップS17で計時を停止させるまでの時間がカウンタTrに格納される。以上の処理が終了すると、演算制御部52は吐出ヘッド20及びキャッピングユニット22を制御して、吐出ヘッド20のキャッピング処理を行う(ステップS18)。キャッピング処理が終了すると一連の吐出動作が終了し、その後は液滴吐出装置IJの電源が操作者の操作により遮断される。
次に、図7中のキャッピング処理(ステップS18)の詳細について説明する。図8は、キャッピング処理の詳細を示すフローチャートである。キャッピング処理が開始すると、演算制御部52は、まず吐出ヘッド20がキャッピングユニット22にキャッピングされていない時間を示すカウンタTrの値が2時間以内を示す値であるか否かを判断する(ステップS21)。カウンタTrの値が2時間以内を示す値である場合(判断結果が「YES」の場合)には、キャップ前フラッシング数FLkを「1000」セグメントに設定する(ステップS22)。
ここで、キャップ前フラッシング数とは、ヘッド20a〜20dをキャッピングユニット22のキャッピング部42a〜42dの各々でキャッピングする前に、各キャッピング部42a〜42d内に吐出する浸透剤及び保湿剤の吐出数をいう。また、セグメントとは、基板P上の1点(1ドット)に対する液滴の吐出数をいう。例えば、基板P上の1点に対して3回液滴を吐出するように設定されている場合(1セグメント=3滴に設定されている場合)に、キャップ前フラッシング数FLkを「1000」セグメントに設定すると、1つのノズルからは3000滴の液滴が吐出される。
キャップ前フラッシング数FLkの値を設定すると、演算制御部52は第2移動装置14及びモータ38を制御してヘッド20aを用いて各キャッピング部42a〜42d内に順に浸透剤及び保湿剤を吐出する(ステップS23)。具体的には、まず演算制御部52が第2移動装置14を制御してヘッド20aをキャッピング部42aの上方に位置決めした後で、駆動信号生成用データを駆動信号生成部54に出力するとともに、ヘッド20aに設けられた切替信号生成部62に対して選択データを出力する。そして、ヘッド20aに設けられた第1ノズル列R1の各々のノズル開口111から浸透剤を「1000」セグメント分吐出させ、第2ノズル列R2の各々のノズル開口111から保湿剤を「1000」セグメント分吐出させる。これにより、キャッピング部42a内に浸透剤及び保湿剤が吐出される。
次に、演算制御部52はモータ38を制御してヘッド20aをキャッピング部42bの上方に位置決めした後で、同様にヘッド20aに設けられた第1ノズル列R1の各々のノズル開口111から浸透剤を「1000」セグメント分吐出させ、第2ノズル列R2の各々のノズル開口111から保湿剤を「1000」セグメント分吐出させる。これにより、キャッピング部42b内に浸透剤及び保湿剤が吐出される。このように、本実施形態ではモータ38によって吐出ヘッド20のY方向の位置を微調整することができるため、ヘッド20aをキャッピング部42bの上方に位置決めすることができる。
以上の処理が終了すると、演算制御部52は、第2移動装置14及びモータ38を制御してヘッド20aをキャッピング部42dの上方に位置決めし、同様の吐出動作を行う。図9は、ヘッド20aを用いてキャッピング部42dに浸透剤及び保湿剤を吐出している様子を示す透視図である。図9に示す通り、ヘッド20aに設けられたノズル開口111の各々がキャッピング部42dの上方(凹部43の上方)に位置する状態にヘッド20aが位置決めされて浸透剤及び保湿剤の吐出が行われる。
キャッピング部42dに対する浸透剤及び保湿剤の吐出が終了すると、演算制御部52は、第2移動装置14及びモータ38を制御してヘッド20aをキャッピング部42cの上方に位置決めして同様の吐出動作を行う。以上の動作が終了すると、演算制御部52は、第2移動装置14及びモータ38を制御してキャッピング部42a〜42dの上方にヘッド20a〜20dをそれぞれ配置させ、図10に示す通りヘッドの各々を対応するキャッピング部に接触配置してヘッドをキャッピングさせる(ステップS24)。図10は、ヘッド20a〜20dが対応するキャッピング部42a〜42dでキャッピングされた状態を示す透視図である。以上の処理が完了すると、図7中のステップS18に戻る。
一方、ステップS21において、カウンタTrの値が2時間よりも長い時間を示す値であると演算制御部52が判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、カウンタTrの値が2時間より長い時間であって5時間以内を示す値であるか否かが判断される(ステップS25)。カウンタTrの値が2時間より長い時間であって5時間以内を示す値である場合(判断結果が「YES」の場合)には、キャップ前フラッシング数FLkを「5000」セグメントに設定する(ステップS26)。
キャップ前フラッシング数FLkの値を設定すると、演算制御部52は第2移動装置14及びモータ38を制御してヘッド20aを各キャッピング部42a〜42dの上方に順に移動させ、キャッピング部42a〜42dの各々に対してヘッド20aに設けられた第1ノズル列R1の各々のノズル開口111から浸透剤を「5000」セグメント分吐出させ、第2ノズル列R2の各々のノズル開口111から保湿剤を「5000」セグメント分吐出させる(ステップS23)。浸透剤及び保湿剤の吐出を終えると、ヘッド20a〜20dの各々を対応するキャッピング部42a〜42dに接触配置して図10に示す通りヘッドをキャッピングさせる(ステップS24)。以上の処理が完了すると、図7中のステップS18に戻る。
一方、ステップS25において、カウンタTrの値が5時間よりも長い時間を示す値であると演算制御部52が判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、カウンタTrの値が5時間より長い時間であって12時間以内を示す値であるか否かが判断される(ステップS27)。カウンタTrの値が5時間より長い時間であって12時間以内を示す値である場合(判断結果が「YES」の場合)には、キャップ前フラッシング数FLkを「20000」セグメントに設定する(ステップS28)。
キャップ前フラッシング数FLkの値を設定すると、演算制御部52は第2移動装置14及びモータ38を制御してヘッド20aを各キャッピング部42a〜42dの上方に順に移動させ、キャッピング部42a〜42dの各々に対してヘッド20aに設けられた第1ノズル列R1の各々のノズル開口111から浸透剤を「20000」セグメント分吐出させ、第2ノズル列R2の各々のノズル開口111から保湿剤を「20000」セグメント分吐出させる(ステップS23)。浸透剤及び保湿剤の吐出を終えると、ヘッド20a〜20dの各々を対応するキャッピング部42a〜42dに接触配置して図10に示す通りヘッドをキャッピングさせる(ステップS24)。以上の処理が完了すると、図7中のステップS18に戻る。
一方、ステップS27において、カウンタTrの値が12時間よりも長い時間を示す値であると演算制御部52が判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、キャップ前フラッシング数FLkを「40000」セグメントに設定する(ステップS29)。キャップ前フラッシング数FLkの値を設定が完了すると、演算制御部52は第2移動装置14及びモータ38を制御してヘッド20aを各キャッピング部42a〜42dの上方に順に移動させ、キャッピング部42a〜42dの各々に対してヘッド20aに設けられた第1ノズル列R1の各々のノズル開口111から浸透剤を「40000」セグメント分吐出させ、第2ノズル列R2の各々のノズル開口111から保湿剤を「40000」セグメント分吐出させる(ステップS23)。浸透剤及び保湿剤の吐出を終えると、ヘッド20a〜20dの各々を対応するキャッピング部42a〜42dに接触配置して図10に示す通りヘッドをキャッピングさせる(ステップS24)。以上の処理が完了すると、図7中のステップS18に戻る。
このように、本実施形態においては、吐出ヘッド20に設けられた4つのヘッド20a〜20dのうちヘッド20aを浸透剤及び保湿剤を吐出するヘッドにし、キャッピング部42a〜42d内に浸透剤及び保湿剤を吐出した上でヘッド20a〜20dのキャッピングを行っている。このため、キャッピング部42a〜42dの保湿性が高められるとともに、仮にキャッピング部42a〜42d内の湿潤部材44上に固体物が堆積・成長していたとしてもその固形物を溶解することができる。
この結果、キャッピング部42a〜42dに接続された連通管47の目詰まりを効果的に防止することができる。また、ヘッド20a〜20dのノズル開口111の目詰まりを防止することができるとともに、湿潤部材44上に堆積・成長した固形物上に液滴を吐出したときに、その跳ね返りがノズル面に付着して生ずる液滴の吐出不良を防止することができる。更に、ヘッド20a〜20dのノズル開口の目詰まりを防止することができることから、クリーニングの回数を低減することもでき、クリーニングユニット24が備えるワイパの寿命を延ばすこともできる。
また、本実施形態においては、吐出ヘッド20がキャッピングユニット22にキャッピングされていない時間が長い程、キャップ前フラッシング数FLkを大きくして浸透剤及び保湿剤の吐出量を増やしている。このため、キャッピング部42b〜42c内に吐出された所定の液滴の乾燥の程度に応じて浸透剤及び保湿剤の吐出量を制御することができ、浸透剤及び保湿剤の無駄な消費を極力抑えた上で、連痛管47及びノズル開口111の目詰まり等を効果的に防止することができる。
尚、以上説明した実施形態では、ヘッド20aから浸透剤及び保湿剤を吐出させる場合を例に挙げて説明したが、何れか一方のみを吐出するようにしても良い。また、図8中のステップS22,S26,S28,S29では浸透剤及び保湿剤のキャップ前フラッシング数FLkを等しく設定していたが、浸透剤と保湿剤とで別個に設定するようにしても良い。
また、上記の実施形態ではヘッド20aを浸透剤及び保湿剤を吐出するヘッドとしていたが、浸透剤及び保湿剤を吐出するヘッドはヘッド20a〜20dの何れであっても良い。また、浸透剤及び保湿剤を吐出するヘッドは1つのみではなく複数にしても良い。更に、上記実施形態ではヘッド20a〜20dを1つのキャリッジCに保持してこれらを一体として駆動していたが、各々のヘッドを保持する複数のキャリッジを設けて各ヘッドが個別に駆動される構成が望ましい。かかる構成とすることで、例えばヘッド20b〜20dをキャッピングユニット22の上方から退避させ、これらのヘッド20b〜20dを駆動せずにヘッド20aのみを駆動すればキャップ前フラッシングを行うことができる。
〔デバイス製造方法、及び電子機器〕
以上、本発明の実施形態による液滴吐出装置及びキャッピング装置の処理方法について説明したが、この液滴吐出装置は膜を形成する成膜装置、金属配線等の配線を形成する配線装置、又はマイクロレンズアレイ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマ型表示装置、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)等のデバイスを製造するデバイス製造装置として用いることができる。
以上、本発明の実施形態による液滴吐出装置及びキャッピング装置の処理方法について説明したが、この液滴吐出装置は膜を形成する成膜装置、金属配線等の配線を形成する配線装置、又はマイクロレンズアレイ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマ型表示装置、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)等のデバイスを製造するデバイス製造装置として用いることができる。
上記の液滴吐出装置を用いてワークとしての基板P上に液滴を吐出してパターンを形成した後、浸透剤及び保湿剤をキャッピング部42a〜42d内に吐出した上でヘッド20a〜20dのキャッピングを行っているため、所定の液体の無駄な消費を抑えることができるとともに、ノズル開口の目詰まりを効果的に防止することができる。この結果として、スループットの低下を招かずにデバイスを効率よく製造することができ、デバイスの製造コストを低減することができる。
上記の液晶装置、有機EL装置、プラズマ型表示装置、FED等のデバイスは、ノート型コンピュータ及び携帯電話等の電子機器に設けられる。だだし、電子機器は、上記のノート型コンピュータ及び携帯電話に限られる訳ではなく、種々の電子機器に適用することができる。例えば、液晶プロジェクタ、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)及びエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置等の電子機器に適用することが可能である。
14……第2移動装置(駆動機構)
20……吐出ヘッド
20a〜20d……ヘッド(液滴吐出ヘッド)
22……キャッピングユニット(キャッピング装置)
38……モータ(駆動機構)
42a〜42d……キャッピング部(封止部)
52……演算制御部(制御手段)
56……タイマ(計時手段)
111……ノズル開口
C……キャリッジ(保持部材)
P……基板(ワーク)
R1,R2……ノズル列
20……吐出ヘッド
20a〜20d……ヘッド(液滴吐出ヘッド)
22……キャッピングユニット(キャッピング装置)
38……モータ(駆動機構)
42a〜42d……キャッピング部(封止部)
52……演算制御部(制御手段)
56……タイマ(計時手段)
111……ノズル開口
C……キャリッジ(保持部材)
P……基板(ワーク)
R1,R2……ノズル列
Claims (13)
- 所定の液体を液滴として吐出するノズル開口を有する液滴吐出ヘッドを複数備える液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドの少なくとも1つは、前記液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドであることを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記液滴吐出ヘッドの各々に対応して設けられ、前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する複数の封止部を有するキャッピング装置を備えることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出装置。
- 前記複数の液滴吐出ヘッドを保持する保持部材と、
前記保持部材を駆動して前記複数の液滴吐出ヘッドを一体として移動させる駆動機構と
を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液滴吐出装置。 - 前記駆動機構は、前記溶剤を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを前記キャッピング装置に設けられる前記封止部の各々の位置に移動可能に構成されることを特徴とする請求項3記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間を計時する計時手段と、
前記計時手段の計時結果に応じて前記溶剤の吐出量を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の液滴吐出装置。 - 前記溶剤を吐出する液滴吐出ヘッドは、前記ノズル開口を配列してなる2つのノズル列を有し、一方のノズル列から前記浸透剤を吐出し、他方のノズル列から前記保湿剤を吐出することを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の液滴吐出装置。
- 前記浸透剤は、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の液滴吐出装置。
- 前記保湿剤は、1価のアルコールを含むことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の液滴吐出装置。
- 所定の液体を液滴として吐出するノズル開口を備える複数の液滴吐出ヘッドの各々に対応して設けられ、前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する複数の封止部を有するキャッピング装置の処理方法において、
前記複数の液滴吐出ヘッドのうち、前記液体に対する浸透剤及び保湿剤の少なくとも一方を含む溶剤を液滴として吐出するために設けられた少なくとも1つの液滴吐出ヘッドを、前記封止部の各々の位置に移動させて前記溶剤を前記封止部内に順に吐出するステップを含むことを特徴とするキャッピング装置の処理方法。 - 前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間を計時する計時ステップと、
前記計時ステップの計時結果に応じて前記封止部内への前記溶剤の吐出量を制御する制御ステップと
を含むことを特徴とする請求項9記載のキャッピング装置の処理方法。 - 前記制御ステップは、前記液滴吐出ヘッドの各々が前記キャッピング装置の封止部に封止されていない時間が長い程、前記吐出量が多くなるように制御することを特徴とする請求項10記載のキャッピング装置の処理方法。
- 前記溶剤を前記封止部内に吐出した後で、前記封止部の各々で前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する封止ステップを含むことを特徴とする請求項9から請求項11の何れか一項に記載のキャッピング装置の処理方法。
- 所定箇所に機能性を有するパターンが形成されたワークを備えたデバイスの製造方法であって、
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の液滴吐出装置が備える液滴吐出ヘッド又は請求項9から請求項12の何れか一項に記載のキャッピング装置の処理方法で使用される液滴吐出ヘッドを用いて前記ワーク上に前記所定の液体を液滴として吐出して前記パターンを形成する工程と、
前記液滴吐出ヘッドのうち、前記溶剤を吐出する液滴吐出ヘッドを用いて前記液滴吐出ヘッドのノズル開口を封止する各々の封止部内に前記溶剤を吐出する工程と、
前記封止部の各々で前記液滴吐出ヘッド各々の前記ノズル開口を封止する工程と
を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004005413A JP2005199458A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | 液滴吐出装置、キャッピング装置の処理方法、及びデバイス製造方法 |
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JP2004005413A JP2005199458A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | 液滴吐出装置、キャッピング装置の処理方法、及びデバイス製造方法 |
Publications (1)
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JP2005199458A true JP2005199458A (ja) | 2005-07-28 |
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ID=34819749
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JP2004005413A Withdrawn JP2005199458A (ja) | 2004-01-13 | 2004-01-13 | 液滴吐出装置、キャッピング装置の処理方法、及びデバイス製造方法 |
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JP (1) | JP2005199458A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103623968A (zh) * | 2012-08-22 | 2014-03-12 | 鸿富锦精密工业(深圳)有限公司 | 点胶装置及点胶方法 |
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2004
- 2004-01-13 JP JP2004005413A patent/JP2005199458A/ja not_active Withdrawn
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