JP2005198633A - 米糠成分の分離・分画方法 - Google Patents

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昭一 菊本
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Abstract

【課題】毎年膨大な量が排出される米糠全体を、廃棄物を伴うことなく、食味、食感に優れ、栄養価が高く、食品衛生上安全な食品素材として使用するために、簡便で、経済的な処理方法を提供する。
【解決手段】米糠に熱水を加えて蒸煮し、リパーゼを失活させると同時に、でんぷん分解酵素(アミラーゼ)、マセレーション酵素、およびプロテアーゼを添加し反応せしめ、米糠細胞壁を軟化・膨潤・分解し、更には高分子成分を低分子化した後、反応液を固液差或いは比重差により、脂溶性画分、水溶性画分および水不溶性画分に分画した後、それぞれの画分を特性に応じて有効に利用する。
【選択図】図1

Description

本発明は米糠を酵素で処理することにより、油脂および脂溶性成分を含む低比重画分、水溶性低分子物質を含む水溶性画分、および繊維成分を含む水不溶性画分に効率よく分画し、それぞれの成分を食品素材として最大限に有効利用することを特徴とする米糠成分の新規分離・分画方法に関するものである。
米糠は玄米を精米する際に副生し、良質の油脂、脂溶性ならびに水溶性低分子成分、食物繊維と呼称される一群の高分子物質など有用な栄養成分を多種、多量に含んでいて、米油の製造や有用成分の抽出原料として一部利用されているが、内在するリパーゼにより脂肪が加水分解されて、急速に酸敗(腐敗)するため、資源として十分に利用されないまま廃棄される量も多く、また利用される場合も必ずしも高度に利用されているとはいえない現状である。従来の利用技術としては、米糠をそのまま或いは加熱してリパーゼを失活せしめた後、漬物加工用の糠床、家畜の飼料、肥料、キノコの菌床などとして利用する方法、有機溶剤を用いて油脂成分を抽出した後、溶剤を揮発させて除去し、米油として利用する方法、米糠を加熱してリパーゼを失活させた後、油脂の一部乃至は全部を脱脂してから乾燥、粉砕して食用とする方法、単独或いは複数の有用成分を抽出・精製してから利用する方法などがある。しかしいずれの場合も米糠に含まれている有用成分を十分活用しているとはいえず、製品と同時に大量の廃棄物を生じる場合が多い。更には大規模な設備と処理費用を要し、製品の利用範囲が限定されるなど、問題点が多く、バイオマス全体を総合的且つ有効に活用しているとはいえない。 特に食品素材として使用する場合には、食味および食感が良く、栄養的に優れ、安全性の高いものが求められる。米糠はオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸などの不飽和脂肪酸を構成成分とするトリグリセライドと、更にはこれを分解するリパーゼを多量に含むので、急速に酸敗が進行し、また自動酸化により、過酸化物を生成するため、異味、異臭の原因となり、食用に適さなくなる。これを回避するには精米直後の新鮮な米糠を直ちに加熱処理し、リパーゼを失活させることが必要である。この目的のために多くの加熱装置が開発されたが、大型で高価なものが多く、経済性の観点からも好ましくない。また、加熱処理後の米糠は、粒子が粗すぎて食感が悪く、そのままでは食品として使用できないため、乾燥、粉砕することが必要だが、米糠中に約20%存在する油脂成分や混在するワックス成分が邪魔をして乾燥、粉砕することが非常に困難である。このため、これを微粉化するには油脂およびワックス成分の一部もしくは全部を除去する脱脂・脱蝋する前処理を必要とする。有機溶剤を用いて脱脂・脱蝋する場合は、使用した溶剤を完全に蒸留・除去する必要があり、また、有機溶剤を使用しない場合は特別に設計された圧搾装置が必要である。例えば文献1に示した有機溶剤を使わない米糠の微粉化処理法も用いられているが、ミラクルチャンバーや超音波粉砕機など特別に開発された高価な装置に頼らざるを得ないので、通常の粉砕に比較してコスト高である。
文献1
食品と開発 VOL.37 NO.6 「米糠の微粉化技術と新食材の開発」P10〜P11
米糠中の成分は油脂ならびに脂溶性低分子成分(ビタミンE群など)、水溶性低分子成分(各種水溶性ビタミン類、ミオイノシトール、フィチン酸(イノシトール6燐酸)、ガンマオリザノール、抗酸化物質など約100種類に及ぶ)、でんぷん、及び水不溶成分(セルローズ、ヘミセルローズなどの繊維)に大別することができる。米糠は自らが含有するリパーゼの作用による油脂(トリグリセライド)の鹸化をきっかけとして急速に酸敗(腐敗)するので、資源として十分に利用されないまま大量に廃棄されている。この未利用のバイオマスを、無駄なく、高度に且つ経済的な条件で利用するための方法の開発を課題とした。
米糠を高度に利用するための要件として、腐敗の原因となるリパーゼを可及的速やかに失活することが第一に求められる。失活には通常加熱法が用いられる。加熱法には水分を加えない乾熱法と水分を加える湿熱法があり、後者は熱エネルギー的観点から効果が高い。高圧蒸気による方法もあり、より確実に失活できるが、高圧蒸気を作るためのボイラー、処理を行う加圧釜(オートクレーブ)などの機器を必要とする。経済的にしかも効率的にリパーゼを失活させ、優れた食味と食感、良好な加工特性を持つ製品に仕上げることが必要である。
米糠を分画せずそのまま全体を食材として利用すれば、無駄はないが、米糠の粒子径は数百乃至数千ミクロンで、小麦粉の数倍と大きいためざらざら感があり、食感が悪く、また喉に引っかかるので所謂喉越しも悪い。また、小麦粉と均一に混合できないなど、食品加工上致命的とも言える欠陥がある。この問題を解決するために、米糠を微粉化することが行われるが、米糠に含まれるワックス成分が粉砕機に付着してせん断刃を覆うため、簡単には微分化できない。また、油脂が多量に存在するため、粘りが出て粉砕するのは至難の業である。このため、微粉化に先立って脱脂または脱蝋処理が必要とされてきた。しかし、脱脂や脱蝋を経済的に実現するのは簡単ではない。このような理由で、米糠の安定化と微粉化を実現するには各種の処理装置が必要となり、これが処理米糠のコスト高を招いていた。本発明では、粉砕を必須とする過去の常識に捕らわれず、経済的で簡単な工程で米糠の食味、食感を改善し、更に加工特性を改善し、加えて処理による回収率を最大化することを課題とした。
米糠に適量の水を加え、常圧で加熱蒸煮し、米糠中に含まれるリパーゼを失活させ、米糠の変敗の第一原因である脂肪の鹸化を抑制すると同時に、殺菌する。また、アミラーゼ、マセラーゼ、プロテアーゼなどの酵素を作用させることにより、米糠の細胞を膨潤、軟化、分解し、米糠中の有効成分を可及的に可溶化する共に、反応液中に含まれる油脂、水溶性成分及び固形分の相互の分離を容易ならしめる。しかる後に、各成分の固液差、比重差を利用して、油脂画分、水溶性画分、および不溶性画分に分画する。各画分はそれぞれの特性に応じてそのまま、或いは精製、濃縮、乾燥、粉砕、篩別等の工程を経て製品化される。
上記手段によれば、以下に示すような効果が得られる。まず、米糠に加水し常圧で蒸煮することにより、リパーゼを完全に失活させることができた。アミラーゼは処理溶液を粘稠にして抽出を妨害するでんぷんをデキストリンおよびそれ以下の分子量になるまで低分子化するので、反応液の粘度が低下し、油脂および親油性成分、および親水性および水溶性成分が固形分から分離しやすくなった。また、マセレーティングエンザイムやプロテアーゼの作用で、米糠の組織・細胞は軟化・膨潤して、脂溶性ならびに水溶性低分子成分が抽出しやすくなると同時に固形分の量が著しく減少した。反応液は常法により、遠心分離、ろ過、沈殿などの手段を用い、脂溶性低分子成分を含む油脂画分、水溶性低分子成分を含む水溶液画分、また食物繊維を含む水不溶性画分に容易に分割することができ、それぞれの特性に応じてそのまま、或いは精製、濃縮、乾燥、粉砕、篩別、殺菌等の工程を経て製品化される。油脂は米糠油として食用に供せられ、水溶性成分は食味、触感ともに良好で、他の食品素材とも自由に混合することができるなど、食品素材として優れた性質を持ち、また、不溶性画分は食物繊維として同じく食材として利用することができる。このように、これまで米糠の高度利用を妨げていた、腐敗しやすい、粉砕しにくい、抽出しにくい、食味、食感が悪いなど懸案の課題を一挙に解決することができた。同時に廃棄される物質が皆無となり、米糠の成分すべてを有効に利用することが可能となった。処理に要する費用も特別な装置を必要としないため、従来の方法に比べて格段に安価である。
以下に本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。図1は本発明を実施するためのフローチャートの一例である。
▲1▼ 新鮮な米糠にアミラーゼを添加し、適量の熱水(または蒸気)と混合し、加熱し、アミラーゼを作用せしめる。この工程により米糠を高濃度に分散、溶解でききる。更に温度を上げて蒸煮し、米糠に含まれているリパーゼを失活させる。反応にはジャケットと攪拌機を有するタンクを使用することが望ましい。
▲2▼ 反応液を適温まで冷却した後、一定のpHおよび温度でマセラーゼ、プロテアーゼを添加し、一定時間反応せしめる。反応は上記▲1▼と同じ容器を用いても良い。
▲3▼ 酵素処理を完了した反応液を固液差、もしくは比重差を利用して分画する。この際、連続遠心分離機を用いると、反応液を低比重の油脂画分、水溶性画分、および不溶性画分に一工程で分画できる。
▲4▼ 分画して得た各画分を、それぞれ適した方法で、精製、濃縮、乾燥、粉砕、篩別、殺菌して食品素材として使用する。
なお、本図はフローチャートの一例であって、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
精米直後の新鮮米糠に米糠の乾物重量に対して0.05から1%の濃度のアミラーゼを添加し、適量の熱水とともに短時間蒸煮する。加水量は通常米糠重量の2倍乃至5倍が好結果を与える。この際、反応液のpHが5.5前後になるようにあらかじめ調整しておく。本操作により米糠中のリパーゼは完全に失活するが、同時に含まれているでんぷんが適度に加水分解されるので、反応液が粘稠にならず、その後の操作が容易になる。アミラーゼとしては耐熱性液化酵素が望ましいが、必ずしもこれに限定するものではなく、でんぷんを低分子化する作用を有する酵素ならすべて使用可能である。なお、原料の生糠に代えて、安定化米糠(あらかじめ加熱処理などの手段でリパーゼを失活させた米糠)を使用することもできる。
上記反応によって得られた反応液を60度Cに冷却し、これに米糠の乾物重量に対して0.05から1%の濃度のマセラーゼを加える。市販されているマセラーゼの多くは固体培養法によって製造される複合酵素であり、セルラーゼのほか、キシラナーゼ、アラバナーゼ、マンナーゼ、ガラクトシダーゼなどのヘミセルラーゼ、ベータグルカナーゼ、プロテアーゼなどを含んでいる。言うまでもなく、こうした活性を有する個々の酵素を添加しても良い。こうした酵素の複合作用により、米糠の組織・細胞を部分的に分解・軟化・膨潤(マセレーション)することにより、組織および細胞内に含まれる脂溶性ならびに水溶性低分子成分を固形分からより効率よく抽出することが可能となった。加えて、米糠中のでんぷんがすでに加水分解され、処理液の粘度が著しく低下しているので、反応液中の低比重画分、水溶性画分、および不溶解性画分を固液差および比重差により容易に分画できるようになった。
反応中の油脂の無用な鹸化を避けるために、使用する酵素はできるだけリパーゼ活性の低いものを選択する。また、必要に応じて、アンチリパーゼを反応液に添加することもできる。例えば、ある種のプロテアーゼはアンチリパーゼとして作用する。
反応液が雑菌により汚染されるのを防ぎ、更には一般に耐熱性に欠けるリパーゼが米糠中の油脂を鹸化するのを防ぎ、油脂の回収率を向上せしめるために、上記反応は温度50度C以上(望ましくは60度C)、pHは弱酸性(多くの酵素の至適pHである5.5付近)に保ち、できるだけ短時間(6〜36時間、望ましくは24時間以内)で完結させる。
反応を終了した後、反応液を溶液と固形分に分離する。更に低比重の脂肪画分と水溶性画分に分離することができる。本工程は通常ろ過法または遠心分離法により行われる。必要に応じて、両者を、また静置沈殿法(デカンテーション)を併用することが出来る。ろ過法により固・液分離を行った場合は、溶液には油脂ならび脂溶性低分子成分ならびに水溶性低分子成分が同時に含まれる。固形分は主として繊維成分からなる。
脂溶性低分子成分ならびに水溶性低分子成分を同時に含む溶液から各成分を分離する必要がある場合は、更に遠心分離法により油脂画分と水溶性画分に分画する。反応液をそのまま連続遠心分離機により分画すると、最も比重の軽い油脂および脂溶性低分子成分は最上層に、水溶性低分子成分を含む水溶液は中層に、また食物繊維を含む水不溶性成分は最下層の三層に分離するので、各画分をこの一工程で完全に分別採取することが可能である。
最上層の低比重画分は油脂と脂溶性成分を含んでいる。有機溶剤を使用しないので、食品衛生上も安心して食用として使用できる。また所望により、当該画分から脂溶性物質を単離・精製することも可能である。
米糠中にある水溶性低分子成分のほとんど全量が中層の水溶性低分子画分に集まるので、これを濃縮し、或いは乾燥して製品化する。一部に懸濁物質を含むが、基本的には水溶性なので、食味・食感に優れ、また他の素材との親和性も高く、そのまま食品加工或いは健康食品として使用できる。また所望により、この画分から有用成分を単離・精製することも可能である。
乾燥法としては凍結乾燥法、スプレイドライ法、フィルム乾燥法、流動層乾燥法などから適宜選択する。適度に低分子化されたでんぷん、セルロース、ヘミセルロースは乾燥工程でキャリアとして働き、乾燥を容易にする。また、乾燥に際して新たにキャリアを添加することもできる。
油脂ならびに脂溶性低分子成分、および水溶性低分子成分が共存してよい場合は、固形物を除いた液体部分をそのまま濃縮し、或いは乾燥して製品化する。この場合も油脂と一部に懸濁物質を含むが、基本的には親和性も良く、他の食品素材との混合も容易である。また、食味・食感に優れ、そのまま食品素材、或いは健康食品として使用できる。但し、油脂ならびに脂溶性低分子成分を含む画分を水溶性低分子成分と共に濃縮或いは乾燥して使用する場合には、米糠油を構成する不飽和脂肪酸が空気中の酸素により容易に自動酸化を受けて、過酸化物を生じ、異味・異臭を生じ、また健康に悪影響を与える恐れがあるので留意する。具体的には空気を遮断或いは不活性ガスとの置換、脱酸素剤の封入など包装により酸化を防ぐほか、抗酸化剤の使用(一般の抗酸化剤のほか、サイクロデキストリンや環状ペプタイドによる包接による安定化、トレハロースの添加など)が推奨される。
新鮮な生糠及び安定化米糠(一軸エクストゥルーダーを用いて135℃で10秒間加熱してリパーゼを失活した米糠)を、それぞれとして100g宛を秤取し、固形分濃度が20%及び40%になるように水を加え、還元冷却管を着けて、100℃で20分間加熱した。生糠及び安定化米糠共に加熱後の粘度は著しく上昇し、溶液は流動性を失った。この溶液を60℃まで冷却し、pHを5.5に調整した後、アミラーゼ、マセレーション酵素としてセルラーゼ、およびプロテアーゼを添加して、酵素反応を行い、12時間後および24時間後の分解率を測定し、得られた結果を表1に示した。反応液は良好な流動性を示し、18,000Gの遠心分離により油脂層、水層および固形分に明確に分離した。なお分解率は、固形分の重量を米糠の重量から差し引いて求めたので、油脂層および水溶液層を合算した値を示している。なお、酵素反応を施さない加熱直後の処理液から18,000Gの遠心分離により得られる液体成分(油脂および水溶性画分の合算)は20%に留まった。
Figure 2005198633
新鮮な生糠を乾体として100g秤取し、これに耐熱性アルファアミラーゼを加え、さらに固形分濃度が40%になるように沸騰水を加えた後、直ちに還元冷却管を着けて、激しく振盪しながら100℃で20分間加熱した。加熱終了後の反応液は流動性を保っていた。この溶液を60℃まで冷却し、pHを5.5に調整した後、マセレーション酵素としてセルラーゼ、およびプロテアーゼを添化して酵素反応を行い、12時間後および24時間後の分解率を測定し、得られた結果を表2に示した。反応液は良好な流動性を示し、18,000Gの遠心分離により油脂層、水溶液層および固形分に明確に分離した。
Figure 2005198633
本発明による米糠から有効成分を分離する工程のフローチャートの一例である。
符号の説明
説明を要する符号は使用していない。

Claims (9)

  1. 米糠に熱水を加えて蒸煮し米糠に含まれているリパーゼを失活させる手段と、でんぷん分解酵素、細胞壁を軟化・膨潤・分解させるマセレーション酵素およびたんぱく質分解酵素を添加し一定時間反応せしめる手段と、反応終了液を固液差或いは比重差により、油脂および脂溶性成分を含む低比重画分、水溶性低分子物質を含む水溶性画分および繊維成分を含む水不溶性画分の3種類に分画する手段から構成されたことを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
  2. 請求項1に記載の反応工程において、あらかじめアミラーゼを添加した米糠に対して重量比で2倍から5倍の水乃至は熱水を加えることを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
  3. 請求項2に記載のアミラーゼとしてアルファアミラーゼまたはグルコアミラーゼ、またはその両者を用いることを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
  4. 請求項2に記載の反応工程において、80度C以上の高温でアミラーゼを作用させることを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
  5. 請求項1に記載の植物の組織や細胞を軟化・膨潤する働きを有する酵素として、一般にマセレーション酵素と呼ばれる複合酵素、繊維素分解酵素(セルラーゼ)、キシラナーゼやマンナーゼを含むヘミセルラーゼ、たんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)から選ばれる酵素を用いることを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
  6. 請求項5に記載の反応工程において、反応液の温度を50度C以上、またpHを中性ないしはpH5程度の弱酸性に保ち、酵素を作用させることを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
  7. 請求項1に記載の反応工程において使用する酵素として、脂肪分解酵素(リパーゼ)活性を示さないか、微弱であるものを選択して使用することを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
  8. 請求項1に記載の酵素反応後の反応液の分離工程において、遠心分離機、ろ過器、または沈殿槽を用いて油脂および脂溶性成分を含む低比重画分、水溶性低分子成分を含む水溶性画分および繊維成分を含む不溶性画分に分離することを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
  9. 請求項8に記載の分離方法により得られた米糠の各画分を必要に応じて、精製、濃縮、乾燥、殺菌した後、単独に、または再混合して、食品素材として使用することを特徴とする米糠成分の分離・分画方法。
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