JP2005196249A - 環境関連物質保険システム及びコンピュータプログラム - Google Patents
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- G06Q40/00—Finance; Insurance; Tax strategies; Processing of corporate or income taxes
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Abstract
【課題】 環境関連物質含有事故の保証を行う環境関連物質保険を実現するために、保険契約者が保険引受者に支払うべき適切な保険料を算定するためのシステム及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 保険契約者の製品について、環境関連物質が事故により含まれた場合に損害を補償する環境関連物質保険の保険料を算定する環境関連物質保険システムであって、保険契約者に関する契約者情報として、少なくとも、保険対象とする環境関連物質を特定する情報と、当該契約者の製品の分析結果に関する情報とを入力する入出力処理部23と、契約者情報を少なくとも一時的に記憶する契約者情報記憶部21と、契約者情報記憶部21に記憶された契約者情報に基づいて保険料を計算する保険料計算部(CPU22)とを備えたことを特徴とする環境関連物質保険システム。
【選択図】 図3
【解決手段】 保険契約者の製品について、環境関連物質が事故により含まれた場合に損害を補償する環境関連物質保険の保険料を算定する環境関連物質保険システムであって、保険契約者に関する契約者情報として、少なくとも、保険対象とする環境関連物質を特定する情報と、当該契約者の製品の分析結果に関する情報とを入力する入出力処理部23と、契約者情報を少なくとも一時的に記憶する契約者情報記憶部21と、契約者情報記憶部21に記憶された契約者情報に基づいて保険料を計算する保険料計算部(CPU22)とを備えたことを特徴とする環境関連物質保険システム。
【選択図】 図3
Description
本発明は、環境関連物質保険に関し、特に、保険契約者が保険引受者に支払うべき保険料を算定するためのシステムおよびコンピュータプログラムに関する。
2003年2月にRohs指令が発効し、2006年7月以降に販売される電子機器等には、鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル(PBB)、ポリ臭化ビフェニルエーテル(PBDE)が使用できなくなった。また、これ以外にも、全世界で種々の環境関連物質(すなわち人体や環境に影響を与える、法で規制されるべき物質)に関する法令や規制が存在し、あるいは成立しつつある。このため、企業としては、環境関連物質を意図して使用しないだけでなく、意図せずに製品中に環境関連物質が含有されてしまう事に対しても注意を払う必要が出てきた。さらに、企業が、製品の顧客から、さまざまな環境関連物質について、それらが製品に含まれていないことの保証や、事故が起きた場合の損害賠償保証を求められる場合も多くなってきた。
そこで、製造者としては、設計上環境関連物質を使わないようにすると共に、使用する材料や部品に、意図せずにあるいは偶発的に発生する環境関連物質の混入事故に対しても、注意を払う必要がある。これには、材料納入メーカーに協力してもらい、環境関連物質管理を厳しく行うことや、定期的な分析による確認も必要である。しかし、分析はあくまでも抜き取りであり、全数・全部分を分析できない。そのため、環境関連物質含有リスクがゼロとは言いきれない。また、特定の国のある地域で該当物質の厳しい法律をつくったなどについても、企業としてはあらゆる努力をして情報収集に努め法律を遵守する様に対応する必要がある。中小企業にとっては単独でこれらの管理を行うのは困難な場合がある。
一方で、万一事故が発生した場合は莫大な損害が生じる可能性があり、製造者および販売者にとって、リスクの軽減が重要課題になる。事故が発生した場合、中小企業にとってはとても支払いきれない債務を負う可能性があるし、支払いさえできずに顧客に迷惑をかける場合も想定される。このようなリスクに対する保険や保証体制が整っていれば良いが、現時点では環境関連物質に関する保険は存在しない。PL事故の場合はPL保険が適用できるが、環境関連物質の含有事故に対しては十分カバーしきれないという問題がある。
環境関連物質を対象とした保険の従来例は見当たらないが、関連する保険の例としては、気象情報をもとに台風の損害を評価し、支払い保険金を算出する例が記載されている(特許文献1参照)。
特許第3226468号(請求項7等)
上記のとおり、従来は、環境関連物質を対象とした保険システムはなく、製造者が、環境関連物質の意図しない混入事故などについて混入防止の対策をした上でリスクを負うしかなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、環境関連物質含有事故の保証を行う環境関連物質保険を実現するために、保険契約者が保険引受者に支払うべき適切な保険料を算定するためのコンピュータシステム及びコンピュータプログラムを提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明にかかる環境関連物質保険システムは、保険契約者の製品について、環境関連物質が事故により含まれた場合に損害を補償する環境関連物質保険の保険料を算定する環境関連物質保険システムであって、保険契約者に関する契約者情報として、少なくとも、保険対象とする環境関連物質を特定する情報と、当該契約者の製品の分析結果に関する情報とを入力する入力部と、前記契約者情報を少なくとも一時的に記憶する契約者情報記憶部と、前記契約者情報記憶部に記憶された契約者情報に基づいて保険料を計算する保険料計算部とを備えたことを特徴とするコンピュータシステムである。
また、上記の目的を達成するために、本発明にかかるコンピュータプログラムは、保険契約者の製品について、環境関連物質が事故により含まれた場合に損害を補償する環境関連物質保険の保険料を算定するコンピュータプログラムであって、保険契約者に関する契約者情報として、少なくとも、保険対象とする環境関連物質を特定する情報と、当該契約者の製品の分析結果に関する情報とを入力する処理と、前記契約者情報を少なくとも一時的に契約者情報記憶部へ記憶する処理と、前記契約者情報記憶部に記憶された契約者情報に基づいて保険料を計算する処理とをコンピュータに実行させる命令を含むことを特徴とする。
本発明によれば、設計上使用していないにも関わらず、環境関連物質が、事故または偶発的に保険契約者の製品に混入した場合に、保険引受者が損害を補償する、という環境関連物質保険の仕組みにおいて、少なくとも、保険対象とする環境関連物質を特定する情報と、当該契約者の製品の分析結果に関する情報とに基づいて、適切な保険料を算出することが可能となる。これにより、保険者契約者は、万全の注意を払っても環境関連物質が混入するおそれのある製品の製造・販売を、少ないリスクで行うことができ、万が一の事故の場合は、大きな補償を受けることが可能となる。一方で、保険引受者は、保険対象とする環境関連物質を特定し、かつ、保険契約者の製品の分析結果に基づいて保険料を設定することにより、損失補填リスクを抑えることができる。
本発明における「環境関連物質」とは、例えばRohs規制に代表されるような法で規制されるべき、環境に悪影響を与える物質のことである。保険対象とする環境関連物質(指定環境関連物質)としては、通常は、複数の物質が指定される場合が多い。「設計上使用していない」とは、意図して指定環境関連物質を使用していないことを意味する。
本発明にかかる環境関連物質保険システムまたはコンピュータプログラムでは、契約者情報として、例えば、保険対象製品の情報を詳しく入力することが好ましいが、特に、前記入力部が、当該契約者の製品の分析結果に関する情報として、保険対象製品の複数ロットについて行った環境関連物質の分析結果のばらつきに関する情報を入力するものとし、この情報を加味して保険料率を算出する態様が好ましい。
この態様が好ましい理由は次のとおりである。すなわち、世の中のあらゆる製品は、もとは自然物質(原油、鉄鉱石などの鉱石、木材、空気など)から製造されるもの、あるいは、自然物質から産出された材料を用いて製造されるものが大半である。同じ場所で、同じように材料が製造され、これを用いて製品が作られる、あるいはさらに加工されてから製品が作られることになる。この場合の製品中での含有物質のばらつきは、自然界での元素のばらつきにもある程度依存するようになる。自然界にもともと少ない物質は、意図して入れない限り、少ない水準を維持できるはずである。また、ある程度存在確率が高い鉱石や鉱脈から原料を産出する場合においても、一定のばらつきで含有されることになる。本発明者は、このような物質の自然界でのばらつきの法則を用いて、複数ロットでの環境関連物質の分析データから、環境関連物質があらかじめ設定した値以上になる確率を推測できると考えた。この理論に基づけば、上述のように、複数ロットでの環境関連物質の分析データのばらつきに基づいて保険料を算出すれば、損失補填リスクに見合った保険料を設定できる。
この態様は、保険契約者が、指定環境関連物質を製品の製造工程で使用していない場合、自然界での環境関連物質の分布ばらつきが、製品の環境関連物質含有量によりいっそう反映されやすく望ましい。したがって、保険引受者は、保険契約者に対し、指定環境関連物質を製造工程で使用していないことを宣誓してもらうことが望ましく、不使用保証をしてもらうことがより望ましい。
上記の態様によれば、保険引受者は、そのデータの数値レベルとばらつき具合から、損失補填リスクを計算でき、製品の環境関連物質含有事故の発生確率を抑えられると共に、リスクが低くなる分だけ実質的に保険料率を下げることができる。なお分析用の製品は、保険契約者が保険対象製品を保険引受者あるいは分析委託先に提出することになる。分析コストは、保険料とは別に請求したり、オプションで選択できたり、保険料に含めることもできる。これは、コストアップにはなるが、多数の保険契約者の製品について分析を実施するので、自社で管理する場合より分析コストを抑えられる。
また、本発明にかかる環境関連物質保険システムまたはコンピュータプログラムにおいて、前記契約者情報として、当該保険契約者の信用情報、製品売上情報、製造国情報、販売国情報、上限補償額、製品リスク情報、保険対象とする環境関連物質の種類数、保険対象とする環境関連物質の危険度、および、保険対象製品の分析頻度から選ばれる一つまたは二つ以上の情報をさらに入力する態様とすることが好ましい。
これらの要因によって、環境関連物質含有事故が発生する確率が変動するからであり、情報が少ない状態で保険契約を締結すると、保険引受者は高い保険料率を設定せざるを得ず、保険申込者にとって保険料が高くなってしまう。したがって、上記要因の少なくとも2つ以上、より望ましくは4つ以上、最も望ましくは6つ以上を、保険料算定の基準とするのが望ましい。このように、保険契約者自身および保険契約者の製品等に関する情報を詳しく入力することで、損失補填リスクをより的確に見積もることができるので、保険料を安くできる。
また、本発明にかかる環境関連物質保険システムまたはコンピュータプログラムの上記の好ましい態様において、製品リスク情報、製造国情報、販売国情報、保険対象とする環境関連物質の種類数、保険対象とする環境関連物質の危険度のうち、前記契約者情報に含まれる情報が更新された結果、更新前と一定基準以上の差が生じた場合に、前記保険料計算部が、更新後の契約者情報に基づいて保険料を算出し直すことがさらに好ましい。
保険料算出の基礎となる情報を更新し、一定基準以上の変動が生じた場合に保険料率を算出し直すことで、保険契約者の状況や社会情勢の変化に迅速に対応できるからである。
また、保険引受者は、保険対象製品の分析結果に基づいて、保険契約者が指定環境関連物質を設計上使ってないことを確認してから、保険を引き受けるか否かを決定し、引き受ける場合はさらに、前記分析結果に基づいて保険料率を決定することが望ましい。特に、本発明にかかる環境関連物質保険システムまたはコンピュータプログラムにおいては、分析結果についての客観性を確保するために、前記契約者情報として、保険対象製品について環境関連物質に関する分析を保険契約者以外の者が行うか否かに関する情報を前記入力部がさらに入力する態様とすることが好ましい。
保険対象製品について環境関連物質に関する分析を行うのは、保険契約の当事者以外の第三者であることが好ましい。例えば、公的な分析機関でもよいし、分析メーカーでも良い。あるいは、保険引受者が直接分析したり、保険引受者が指定した分析機関に依頼することが好ましい。最も望ましいのは、保険引受者が、保険契約時に直接分析したり、指定した分析機関に分析させるだけでなく、異なるロットの製品を分析し、製品の環境関連物質含有状況を複数回の分析で把握することである。この分析は、保険契約締結後も定期的に行うとより望ましい。また、異なるロットごとにこのような分析を行うことがさらに望ましい。このように、保険引受者による分析あるいは第三者機関による定期的委託分析を採用することにより、環境関連物質含有事故の発生を抑えられ、保険申込者が顧客と取引する際にも信用力が高くなる。
以下、本発明のさらに具体的な実施形態について、図面を参照しながらより詳細に説明する。
本実施形態にかかる環境関連物質保険システムでは、保険契約者と保険引受者との間で、事故により保険契約者の製品に指定環境関連物質が含有されてしまった場合に、それによって生じた損害を保険引受者が補償する旨の保険契約を締結する。そして、保険契約者は、保険証を顧客に提示する。これにより、保険契約者が製造・販売する製品に、指定環境関連物質が事故により含有された場合に、その顧客に生じた損害を、保険引受者が補償することとなる。なお、指定環境関連物質とは、保険の対象となる環境関連物質を意味する。
また、本実施形態にかかる環境関連物質保険システムは、保険契約者の製品(保険対象製品)の分析を、保険契約締結時およびその後の所定の時期に行い、その結果に従って保険料率あるいは保険料を決定する。特に、保険対象製品を複数ロットについて分析し、異なるロット間での指定環境関連物質の分析値のばらつきを利用して、保険料率を決定することが好ましい。
なお、本実施形態の以下の説明で用いる、OO電気株式会社やXX電子部品株式会社、あるいはその他の名称は、あくまで仮称であり、固有の会社や業態を意味するものではない。
この実施形態では、OO電気株式会社が顧客であり、XX電子部品株式会社が製品V(保険該当製品)の製造・販売者かつ保険申込者である。また、AAA損保株式会社が、保険引受者であり、NN分析会社に製品Vの定期分析を委託しているものとする。保険対象物質は、Rohsの6物質、すなわち、鉛、カドミウム、水銀、6価クロム、PBB、PBDEであるものとする。
XX電子部品株式会社は、顧客であるOO電気株式会社に、例えば図1に示すような保証書(A)(B)の両方を提出する。保証書(A)は、XX電子部品株式会社が、OO電気株式会社に対して、製品Vが、設計上、環境関連物質を含有していないことを保証するものである。保証書(B)は、事故による環境関連物質の含有の場合にAAA損保株式会社が補償を行うことを示す。また、保証書(B)は、AAA損保株式会社が、NN分析会社に製品Vを定期的に分析させる検査体制を有することを提示するものでもある。なお、NN分析会社は、XX電子部品株式会社およびAAA損保株式会社の両方から完全に独立した第三者機関である。このように、第三者機関による検査体制をとることにより、信頼性が向上し、顧客の信頼を得ることができる。
保険契約者は、「指定環境関連物質を設計上用いていない」ことの証明のために、指定環境関連物質が当該製品から通常の分析手段により検出されなかったこと、あるいは、製品から検出された指定環境関連物質の量が、自然界存在量または誤差レベルであるなど、害のないレベルであることの分析結果を、保証書(A)と共に顧客へ提出するとなお望ましい。
また、保険証(B)を顧客ごとに変えるのがわずらわしい場合は、一般的な環境関連物質を含む統一フォームで保証しても良い。この場合、保険契約者がその製品に指定環境関連物質を設計上使用していないことを保証する保証書(A)を、合わせて顧客に提出することが望ましい。さらに、顧客の指定する環境関連物質がすべて保証書(B)に含まれることが望ましい。これは、事故によって環境関連物質が含有された場合に、保証できない事態を防止するためである。
また、NN分析会社へ分析委託した製品について、その分析結果を保険契約者の要望に応じて提出するサービスを付加すると望ましい。これは、保険契約者の顧客(この例ではOO電気株式会社)が環境関連物質事故を引き起こした場合に、責任の有無について有力な証拠になる場合があるからである。また、定期的に保険対象製品の環境関連物質分析を行い、この情報を保険証(B)の管理と保険料計算、保険契約者への情報提供サービス、警告、対応勧告の少なくとも1つと連動させるとさらに望ましい。より利便性の高いサービスとなると共に、環境関連物質含有事故を防止したり、被害を抑える役割を果たすからである。
ここで、保証書(B)を発行する際の、保険申込者と保険引受者との間でのやりとりの例を、図2に示す。
まず、保険申込者(XX電子部品株式会社)が、保険引受者(AAA損保株式会社)へ、保険の申込みを行う(図2のトランザクションA)。この際、XX電子部品株式会社は、対象製品(製品V)に関する必要な情報の提供と、対象製品の分析用サンプルの提供も行う。これは、AAA損保株式会社が、第三者分析機関(NN分析会社)へ対象製品の分析を委託する必要があるからである。
AAA損保株式会社は、XX電子部品株式会社から提供された製品VのサンプルをNN分析会社へ送り、環境関連物質についての分析を依頼する(トランザクションB)。NN分析会社は、製品の分析結果報告を、AAA損保株式会社へ送る(トランザクションC)。
AAA損保株式会社は、保険を引き受けるか否かを決定する。引き受ける場合は、分析結果報告の内容に基づき、XX電子部品株式会社に適用する保険料率も決定する。保険を引き受ける場合は、保険引受書および保険詳細説明書等を作成し、XX電子部品株式会社へ送る(トランザクションD)。この際、AAA損保株式会社は、図1の保証書(B)のような保証書を、XX電子部品株式会社に対して発行する。
以上のトランザクションA〜Dにより、XX電子部品株式会社とAAA損保株式会社との間で保険契約が成立する。保険契約が成立すると、XX電子部品株式会社は、顧客(OO電気株式会社)に対して、図1の保証書(A)を発行すると共に、上記の保証書(B)を送付する(トランザクションI)。このように、保証書(B)を添付することにより、XX電子部品株式会社に対する顧客(OO電気株式会社)の信用が高まり、例えば、XX電子部品株式会社が、比較的規模の小さな企業であったとしても、顧客との取引を成立させ易くなる。
保険契約が成立した後は、毎月所定の払込日までに、XX電子部品株式会社がAAA損保株式会社へ、決められた保険料率に応じた保険料を支払う(トランザクションE)。また、XX電子部品株式会社は、毎月、AAA損保株式会社へ、製品Vの分析用サンプルを提出する。ただし、これは一例であって、支払いは年払いであっても構わない。
AAA損保株式会社は、XX電子部品株式会社から提出された分析用サンプルをNN分析会社へ送り、定期分析を依頼する(トランザクションF)。NN分析会社は、製品の定期分析結果報告を、AAA損保株式会社へ送る(トランザクションG)。AAA損保株式会社は、NN分析会社による定期分析結果報告の内容に基づき、保険料率を変更する必要があるか否かを検討する。その結果、保険料率を変更する場合は、新たに適用される保険料率がXX電子部品株式会社へ通知される(トランザクションH)。
なお、この実施形態はあくまでも一例であり、種々の変更が可能である。例えば、当事者間で交わされる保証書の態様は、図1に示した例に限定されず、任意の書式で良い。また、上記の説明では、毎月、定期分析を行って保険料率を見直す例を挙げたが、定期分析および保険料率の見直しを行う周期は一月に限定されない。例えば、定期分析は、製品ロット毎に行っても良いし、一月よりも短い周期あるいは長い周期で行っても良い。また、定期分析の周期と保険料率の見直し周期とは必ずしも一致しなくて良く、例えば、定期分析を毎月行い、それよりも長い周期(例えば半年または一年)で、定期分析の結果に応じた保険料率の見直しを行うようにしても良い。あるいは、後に説明するが、保険契約者の状態や社会情勢に関して所定の条件に変化が生じた場合に、保険料率の見直しを行うようにしても良い。
ここで、上記のトランザクションA〜Iを実現するためのコンピュータシステムの概略構造および各部の動作の一例について、図3および図4を参照しながら説明する。
図3に示すように、XX電子部品株式会社のコンピュータシステムX1と、AAA損保株式会社のコンピュータシステムA2と、NN分析会社のコンピュータシステムN3と、OO電気株式会社のコンピュータシステムO4は、ネットワーク5を介して接続されている。ネットワーク5は、インターネットのようなオープンネットワークであっても良いし、これらの企業間に設立された専用線等で構成されていても良い。
図2のトランザクションA〜Iは、コンピュータシステムX1,A2,N3,O4がそれぞれ有するCPU12,22,32,42が、ネットワーク5および入出力処理部13,23,33,43を介して、必要なデータ類を相互にやりとりすることによって実現される。また、コンピュータシステムX1,A2,N3,O4の間でやりとりされるデータ類は、各システムの入出力処理部により、各システムに設けられた記憶部(製品情報記憶部11、契約者情報記憶部21、分析結果記憶部31、取引先情報記憶部41等)に格納され、必要に応じて抽出される。
ここで、トランザクションGおよびHに関して、保険料率の見直しを行う方法について、具体例を示しつつ詳しく説明する。
AAA損保株式会社は、そのコンピュータシステムA2の契約者情報記憶部21に、XX電子部品株式会社に関する情報(契約者情報)を格納している。契約者情報を格納する契約者情報記憶部21は、コンピュータシステムA2内に設けられたハードディスクドライブや光ディスクドライブの他に、データサーバ等によって実現可能である。
本実施形態では、XX電子部品株式会社のコンピュータシステムX1から、AAA損保株式会社のコンピュータシステムA2へ、契約者情報等の必要なデータが送信されるものとする。この場合、コンピュータシステムX1において、XX電子部品株式会社の製品に関する種々の情報が格納された製品情報記憶部11から、入出力処理部13が必要な情報を抽出し、ネットワーク5を経由して、コンピュータシステムA2へデータを送信するようにすれば良い。
契約者情報としては、主として、保険契約者が保険の対象とする環境関連物質を特定する情報と、保険契約者の製品の分析結果に関する情報が用いられるが、この他に、様々な情報を用いることができる。本実施形態では、図4に示すように、XX電子部品株式会社に関する契約者情報として、XX電子部品株式会社の保険対象製品に関する年間売上高、XX電子部品株式会社の信用ランク、販売国ランク、上限補償額、製品リスク、保険の対象となる物質群数のランク、物質危険レベル、契約者分析頻度、分析オプション、分析ばらつき等の情報が用いられる。また、この他に、製造国ランク等が含まれていても良い。なお、図4は、保険契約を締結した年からその3年後までの契約者情報の変遷例を示したものであり、各年について、上段には、金額または各項目について設定されるランクを示す。また、下段には、各項目のランクに応じた保険料率の係数を示す。すなわち、本実施形態では、契約者情報のそれぞれについて、ランクに応じた保険料の増減が設定されるが、「保険料率の係数」とはその増減の割合を表す値である。例えば、保険料が20%増額される場合は、保険料率の係数は1.2となり、保険料が10%減額される場合は、保険料率の係数は0.9となる。
以下、図4を参照しながら、本実施形態において契約者情報として利用される情報のそれぞれと、その内容に応じた保険料率の増減について説明する。
契約者情報の「年間売上高」としては、保険対象製品の年間売上高がコンピュータシステムA2へ入力され、入出力処理部23を介して契約者情報記憶部21へ記憶される。なお、図4の例では、年間売上高は百万円単位で表記されているが、これに限定されない。
契約者情報の「信用ランク」は、図4の例では、過去の所定期間内で保険金請求をした事故があるか否かによって、“1”,“2”,“−1”,“−2”の4段階のランクのいずれかに決定され、契約者情報記憶部21へ記憶される。例えば、過去3年以内に保険金請求をした事故がある場合は、信用ランクとして“2”が記憶される。本実施形態では、信用ランクが“2”の場合、保険料は20%増額されることになっている。また、過去3年以内に保険金請求がなければ、信用ランクは“−1”に設定され、保険料は10%減額される。さらに、過去6年以内に保険金請求がなければ、信用ランクは“−2”に設定され、保険料は20%減額される。これら以外の場合は、信用ランクは“1”に設定され、保険料の増減はない。なお、図4の例では、信用ランクを“1”,“2”,“−1”,“−2”の4段階としたが、信用ランクの段階数や各々のランクに応じた保険料の増減割合は任意に設定すれば良い。
契約者情報の「販売国ランク」は、保険契約者が製品を販売している国に応じて決定されるランクである。本実施形態では、販売国に関して、“1”,“2”,“3”の3段階のランクが設定され、契約者情報記憶部21へ記憶される。欧州、北米、および日本における売上高が、その保険契約者の総売上高の50%以下である場合に、販売国ランクとして“2”が記憶される。本実施形態では、販売国ランクが“2”の場合、保険料は10%減額されることになっている。また、欧州、北米、および日本における売上高が、その保険契約者の総売上高の20%以下である場合は、販売国ランクは“3”に設定され、保険料は20%減額される。これら以外の場合は、販売国ランクは“1”に設定され、保険料の増減はない。なお、本実施形態では、販売国ランクを“1”,“2”,“3”の3段階としたが、販売国ランクの段階数や各々のランクに応じた保険料の増減割合は任意に設定すれば良い。
契約者情報の「上限補償額」は、保険金の上限額であり、年間売上額の何倍まで補償するかを表している。本実施形態では、上限補償額の初期値を“1”、すなわち、年間売上額の1倍の額まで補償するとしている。なお、上限補償額を年間売上額のn倍とすることを保険契約者が希望し、かつ、保険者がこれを認めた場合は、保険料は、年間売上額と同額を補償する場合の保険料にnを乗じて算出される。本実施形態では、上限補償額と年間売上額との比率に応じて保険料を設定するものとしたが、これに限定されない。例えば、nの値が大きくなるほど、保険料の増額割合が大きくなるようにしても良い。
契約者情報の「製品リスク」は、保険契約者の製品に応じて決定されるランクである。本実施形態では、製品リスクに関して、“1”,“2”の二段階のランクが設定され、契約者情報記憶部21へ記憶される。保険契約者の製品売上げ全体に占める、電子機器製品の売上げが50%以上である場合、製品リスクのランクとしては“2”が記憶され、保険料は20%増額される。これ以外の場合は、製品リスクのランクは“1”に設定され、保険料の増減はない。なお、製品リスクのランク数や、各々のランクに応じた保険料の増減割合は、この例に限定されず、任意に設定すれば良い。
契約者情報の「対象物質群数」は、保険対象とする物質群の数に応じて設定される。本実施形態では、保険対象物質群数に関して、“1”,“2”,“3”,“4”の四段階のランクが設定され、契約者情報記憶部21へ記憶される。例えば、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA:Japan Electronics Information Technology Industries Association)の28物質群の全てを保険適用対象とする場合、保険対象物質群数のランクとして“1”が記憶され、保険料の増減はない。
また、JEITAの28物質群のうちの10〜27群を保険適用対象とする場合、保険対象物質群数のランクは“2”に設定され、保険料は3%減額される。JEITAの28物質群のうちの7〜9群を保険適用対象とする場合、保険対象物質群数のランクは“3”に設定され、保険料は5%減額される。また、Rohsの6物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ビフェニルエーテル)のみを保険適用対象とする場合、保険対象物質群数のランクは“4”に設定され、保険料は7%減額される。なお、保険対象物質(物質群)数に応じたランク数や、各々のランクに応じた保険料の増減割合は、この例に限定されず、任意に設定すれば良い。
契約者情報の「物質危険レベル」は、指定環境関連物質の法規制レベルとその割合に応じて保険引受者が設定するものである。場合によっては、販売される国における法規制レベルと連動させても良い。本実施形態では、物質危険レベルとして、“1”,“2”の二段階のランクが設定され、契約者情報記憶部21へ記憶される。指定環境関連物質にRohsの6物質の全てを含む場合、物質危険レベルとして“1”が記憶され、保険料の減額はない。指定環境関連物質に含まれるのが、Rohsの6物質のうち3物質以下であれば、物質危険レベルは“2”に設定され、保険料は10%減額される。
契約者情報の「契約者分析頻度」は、保険契約者自身が製品の定期分析を行う頻度に応じて設定される。本実施形態では、契約者分析頻度ランクは、“1”,“2”,“3”の三段階に設定され、契約者情報記憶部21へ記憶される。例えば、製品ロット毎に分析を行う場合は、契約者分析頻度ランクとして“1”が記憶され、保険料の増減はない。また、一月に一回、定期的に分析を行う場合は、契約者分析頻度ランクは“2”に設定され、保険料は10%増額される。また、定期的に分析を行うが、その頻度が月一回未満(例えば二月に一回)である場合は、契約者分析頻度ランクは“3”に設定され、保険料は20%増額される。なお、契約者分析頻度のランク数はこの例に限定されない。また、定期分析の周期とランクとの対応や、各々のランクに応じた保険料の増減割合は、この例に限定されず、任意に設定すれば良い。また、この情報は、「契約者環境取組みレベル」として、ISO14001の取得や特定環境資格、例えば、京都環境マネージメントシステムスタンダード(KES)などの簡易資格や、特定メーカーの納入パートナー資格の取得で代用したり、「契約者分析頻度」と「契約者環境取組みレベル」を併用した情報入力としても良い。
契約者情報の「分析オプション」は、保険対象製品の分析を、保険引受者(AAA損保株式会社)指定の分析会社(NN分析会社)へ委託する頻度に応じて設定されるランクである。分析オプションは、本実施形態では“0”,“1”,“2”,“3”の四段階のランクに設定され、契約者情報記憶部21へ記憶される。例えば、保険引受者指定の分析会社への定期分析委託を全く行わない場合は、分析オプションとして“0”が記憶され、保険料の減額はない。製品ロット毎にNN分析会社へ分析を委託する場合は、分析オプションは“1”に設定され、保険料は50%減額される。また、一月に一回、定期的に分析を依頼する場合は、分析オプションは“2”に設定され、保険料は20%減額される。また、定期的に分析を依頼するが、その頻度が月一回未満(例えば二月に一回)である場合は、分析オプションは“3”に設定され、保険料は10%減額される。なお、分析オプションのランクの段階数はこの例に限定されない。また、定期分析の周期とランクとの対応や、各々のランクに応じた保険料の増減割合は、この例に限定されず、任意に設定すれば良い。
契約者情報の「分析ばらつき」リスクは、契約者自身またはNN分析会社による分析結果のばらつきに応じて設定されるランクである。すなわち、契約者自身による分析の場合も、分析オプションによる分析の場合も、本実施形態にかかる保険システムでは、同一製品について、複数ロットに対して分析を行う。そして、複数ロットに対する分析結果におけるデータのばらつきを求め、ばらつきの度合いの大きさに従って、分析ばらつきリスクが設定される。これは、前述したように、分析ばらつきが大きくなり上限濃度に近づくほど、意図しない危険物質が混入している確率が大きくなると考えられるからである。
分析ばらつきリスクは、本実施形態では、“1”,“2”,“3”,“4”の四段階のランクに設定され、契約者情報記憶部21へ記憶される。例えば、分析結果におけるデータのばらつきにより上限濃度を超える確率が1ppb以下である場合は、分析ばらつきリスクのランクとして“1”が記憶され、保険料は80%減額される。分析結果におけるデータのばらつきにより上限濃度を超える確率が100ppb以下である場合は、分析ばらつきリスクのランクは“2”に設定され、保険料は5%減額される。また、分析結果におけるデータのばらつきにより上限濃度を超える確率が1ppm以下である場合は、分析ばらつきリスクのランクは“3”に設定され、保険料の増減はない。一方、分析結果におけるデータのばらつきにより上限濃度を超える確率が1ppmを超える場合は、分析ばらつきリスクのランクは“4”に設定され、保険料は10%増額される。ただし、分析ばらつきリスクのランク数はこの例に限定されない。また、分析結果データのばらつきの程度とランクとの対応や、各々のランクに応じた保険料の増減割合は、この例に限定されず、任意に設定すれば良い。ここでいう上限濃度とは、保険引受者が各国の法規制をもとに設定する各物質の許容濃度などである。代表的な保証先の許容値であっても良い。
次に、上述のような契約者情報を用いた保険料の算定について、具体的に説明する。
まず、保険契約を締結した初年度の保険料について説明する。図4の例では、保険契約者であるXX電子部品株式会社は、保険対象製品についての年間売上額が約30億円である。信用ランクは、初年度は、“1”に設定される。販売国ランクは保険契約者による指定がないので“1”であり、上限補償額は保険対象製品の年間売上額と同額(上限補償額ランク“1”)の30億円に設定されている。また、XX電子部品株式会社の総売上額に対する電子機器の売上額が50%未満であることから、製品リスクのランクは“1”である。さらに、ここでは、JEITAの28物質群を保険の対象としているものとし、保険対象物質群数ランクは“1”である。また、物質危険レベルは“1”である。また、XX電子部品株式会社自身が、製品ロット毎に分析を行うこととしているため、契約者分析頻度ランクは“1”である。また、保険契約初年度は、保険引受者が指定する分析会社による定期分析(分析オプション)を付けないこととしたため、分析オプションのランクは“0”である。さらに、XX電子部品株式会社による分析のばらつきが1ppbより大きく100ppb以下であるため、分析ばらつきリスクのランクは“2”である。また、標準の保険料率は、上限補償額の0.01倍であるものとする。
ここで、図4の例では、分析ばらつきリスクのランクが“2”であるため、保険料率は5%減額される。従って、分析ばらつきリスクに関する保険料率の係数は、図4の「保険契約時」の分析ばらつきリスクの欄の下段に示すように、0.95となる。なお、契約者情報の各々について、各ランクに対応する保険料率の係数は、AAA損保株式会社のコンピュータシステムA2内(例えば契約者情報記憶部21内であっても良い)に予め記憶されている。
AAA損保株式会社のコンピュータシステムA2のCPU22は、標準の保険料率に、契約者情報の各々のランクに応じた係数を乗じることにより、保険契約者が支払うべき年間保険料を算出する。例えば、図4の例では、XX電子部品株式会社の年間保険料は、30億円×0.01×0.95=2850万円となる。
次に、保険契約締結の翌年に、保険契約締結から1年の間に保険金を請求する事故がなかったものとして、図4の「1年後」の欄に示すように、XX電子部品株式会社の信用ランクが、“−1”に設定変更されたものとする。この場合、前述のように、保険料は10%減額されるので、信用ランクに関する保険料率の係数は、その下段に示すように、0.9となる。また、この年に、XX電子部品株式会社は、NN分析会社による製品ロット毎の分析を受けることとしたため、分析オプションのランクが“0”から“1”に変更された。前述のように、分析オプションのランクが“1”の場合は保険料が50%減額されるので、分析オプションに関する保険料率の係数は0.5となる。さらに、分析結果のばらつきが少なくなったため、分析ばらつきリスクのランクが“2”から“1”に変更された。分析ばらつきリスクのランクが“1”の場合、保険料が80%減額されるので、分析ばらつきリスクに関する保険料率の係数は0.2となる。以上の情報より、CPU22は、保険契約締結の翌年の年間保険料を、30億円×0.01×0.9×0.5×0.2=270万円と算出する。
次に、保険契約締結の2年後に、図4の「2年後」の欄に示すように、過去2年に亘って保険金を請求する事故がなかったため、信用ランクが“−2”に変更されたものとする。信用ランクが“−2”の場合、保険料が20%減額されるので、信用ランクに関する保険料率の係数は、図4の信用ランクの欄の下段に示すように、0.8となる。また、この年に、XX電子部品株式会社は、分析オプションを外した(NN分析会社による製品ロット毎の分析を受けることをやめた)ため、分析オプションのランクが“1”から“0”に変更された。これにより、分析オプションに関する保険料率の係数は、1となる。また、分析ばらつきリスクのランクは、前年と同じ“1”である。以上の情報より、CPU22は、保険契約締結の2年後の年間保険料を、30億円×0.01×0.8×0.2=480万円と算出する。
さらに、保険契約締結の3年後に、図4の「3年後」の欄に示すように、保険引受者(AAA損保株式会社)が、例えば、社会全体的な保険金支払い比率が前年の1.5倍となったこと等を理由として、その年の保険料率を0.01から0.015へ引き上げたものとする。また、XX電子部品株式会社については、過去3年に亘って保険金を請求する事故がなく、その他の契約者情報についても前年と同様であったものとする。この場合、CPU22は、XX電子部品株式会社のこの年の年間保険料を、30億円×0.015×0.8×0.2=720万円と算出する。
以上のように、本実施形態にかかる保険システムでは、AAA損保株式会社のコンピュータシステムA2において、CPU22が、契約者情報記憶部21へ記憶された契約者情報に基づいて、年間保険料率を算出する。
なお、契約者情報に変更があった場合、保険契約者から保険引受者へ連絡して、その変更が保険料に反映されることが好ましい。特に、契約者情報のうち、製品リスク情報、製造国情報、販売国情報、保険の対象とする環境関連物質の種類数、保険対象とする環境関連物質の危険度等について情報が更新された結果、更新前と所定の基準以上の差が生じた場合は、保険引受者の損失補填リスクが大きく変動する可能性があるので、更新後の契約者情報に基づいて保険料を算出し直すことが好ましい。
また、契約者情報は、必ずしも保険契約者から提供される情報に限定されず、保険引受者自身が収集した情報(例えば保険契約者の信用情報等)を、契約者情報として用いても良い。さらに、保険契約者に固有の情報の他に、一般的な社会情勢に応じて、保険料率の変更を行うことも可能である。例えば、図4の例では、保険契約締結から3年後に、社会情勢の変動により、標準の保険料率を、0.01から0.015へ変更している。
また、保険引受者が、保険契約者に対して、契約者情報の入力に加えて、指定環境関連物質を製造工程で使用していないことの保証または宣誓を求めるようにしても良い。このような保証または宣誓がない場合は、保険引受者の損失補填リスクが高くなるので、標準よりも高い保険料率(例えば宣誓した場合の2倍)を設定するようにしても良い。
図5に、保険契約締結時の分析結果例を示し、図6に、保険契約締結後ある程度の期間が経過した後の分析結果例を示す。この例では、保険契約者(製造者)は、保険契約後は、製品に従来使用していたはんだを鉛フリーはんだに変更するなどして、環境関連物質の管理を厳重に行っている。図5と図6を比較することから分かるように、保険契約締結後は、分析結果の値がすべて分析限界以下となっている。図5で分析結果が分析下限値以下である場合、統計処理上確率を計算できない場合は、ゼロから分析下限値の間の乱数を設定することで、標準偏差、正規分布とした場合の確率を計算できるので望ましい処理方法である。またクロムの含有量が少ない場合、図5のように六価クロムをクロムの合計量で分析管理し、合計量が多い場合にクロム6価の分析をするようにすれば、管理が容易で望ましい。分析数nが10以下である場合、レンジからの換算(データ最大−データ最小)*(N数による換算係数)をSDとみなして計算することが望ましい。換算係数は、n=2(0.8862),n=3(0.5918),n=4(0.4857),n=5(0.4299),n=6(0.3946),n=7(0.3698),n=8(0.3512),n=9(0.3367),n=10(0.3249)である。
また、図5と図6を比較すると、図6の方が、標準偏差が小さく(すなわちばらつきが小さく)かつ値が小さいことから、最大値(上限値)を超える確率が小さいことが分かる。すなわち、図6の方が、分析ばらつきリスクが小さくなっていることが分かる。
このように、本実施形態にかかる保険システムでは、保険引受者にとって、損失補填リスクが明らかに減少するという利点がある。また、保険対象製品の分析結果に従って保険料が算定されるので、保険契約者にとっては、環境関連物質の代替や混入を防止する企業努力等により次回(例えば翌年)に算出される保険料が減少するという利点がある。
図7は、保険契約締結後ある程度の期間が経過した後の分析結果例に基づく分析結果証明書の一例を示す。この分析結果証明書は、分析会社が保険引受者へ提出するものである。
なお、本実施形態では、XX電子部品株式会社のコンピュータシステムX1とAAA損保株式会社のコンピュータシステムA2との間で、ネットワーク5を介してデータをやりとりする例を示したが、AAA損保株式会社のコンピュータシステムA2へ契約者情報を入力する手段は、このようなオンライン処理に限定されない。例えば、XX電子部品株式会社から書類あるいは電子媒体(磁気ディスクあるいは光ディスク等)によって送付された情報を、AAA損保株式会社のオペレータが、コンピュータシステムA2へ入力するようにしても良い。
また、本実施形態では、主に、コンピュータシステムとして本発明を実施する例を説明したが、本発明は、コンピュータプログラムの形態で実施することも可能である。例えば、本実施形態でCPU22が実行する処理の手順をコンピュータに実行させる命令を含むプログラムとして、本発明を実施することができる。また、本発明のシステムは、保険契約者の環境関連物質への取り組みが高いレベルであれば、それだけ、環境関連物質の含有事故が起こる確率が益々低くなることになり、保険料も安くなる。これにより、各保険契約者の環境関連物質への取り組みレベルも自ずと高くなり、ひいては世の中全体の環境関連物質への取り組みレベルを引き上げられることが期待できる。
本発明は、環境関連物質含有事故の保証を行う環境関連物質保険を実現するために、保険契約者が保険引受者に支払うべき適切な保険料を算定するためのコンピュータシステム及びコンピュータプログラムとして有用である。
X1,A2,N3,O4 コンピュータシステム
11 製品情報記憶部
12 CPU
13 入出力処理部
21 契約者情報記憶部
22 CPU
23 入出力処理部
31 分析結果記憶部
32 CPU
33 入出力処理部
41 取引先情報記憶部
42 CPU
43 入出力処理部
5 ネットワーク
11 製品情報記憶部
12 CPU
13 入出力処理部
21 契約者情報記憶部
22 CPU
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31 分析結果記憶部
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41 取引先情報記憶部
42 CPU
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5 ネットワーク
Claims (10)
- 保険契約者の製品について、環境関連物質が事故により含まれた場合に損害を補償する環境関連物質保険の保険料を算定する環境関連物質保険システムであって、
保険契約者に関する契約者情報として、少なくとも、保険対象とする環境関連物質を特定する情報と、当該契約者の製品の分析結果に関する情報とを入力する入力部と、
前記契約者情報を少なくとも一時的に記憶する契約者情報記憶部と、
前記契約者情報記憶部に記憶された契約者情報に基づいて保険料を計算する保険料計算部とを備えたことを特徴とする環境関連物質保険システム。 - 前記入力部が、当該契約者の製品の分析結果に関する情報として、保険対象製品の複数ロットについて行った環境関連物質の分析結果のばらつきに関する情報を入力する、請求項1に記載の環境関連物質保険システム。
- 前記入力部が、前記契約者情報として、当該保険契約者の信用情報、製品売上情報、製造国情報、販売国情報、上限補償額、製品リスク情報、保険対象とする環境関連物質の種類数、保険対象とする環境関連物質の危険度、および、保険対象製品の分析頻度から選ばれる一つまたは二つ以上の情報をさらに入力する、請求項1に記載の環境関連物質保険システム。
- 製品リスク情報、製造国情報、販売国情報、保険対象とする環境関連物質の種類数、保険対象とする環境関連物質の危険度のうち、前記契約者情報に含まれる情報が更新された結果、更新前と一定基準以上の差が生じた場合に、前記保険料計算部が、更新後の契約者情報に基づいて保険料を算出し直す、請求項3に記載の環境関連物質保険システム。
- 前記入力部が、前記契約者情報として、保険対象製品について環境関連物質に関する分析を保険契約者以外の者が行うか否かに関する情報をさらに入力する、請求項1に記載の環境関連物質保険システム。
- 保険契約者の製品について、環境関連物質が事故により含まれた場合に損害を補償する環境関連物質保険の保険料を算定するコンピュータプログラムであって、
保険契約者に関する契約者情報として、少なくとも、保険対象とする環境関連物質を特定する情報と、当該契約者の製品の分析結果に関する情報とを入力する処理と、
前記契約者情報を少なくとも一時的に契約者情報記憶部へ記憶する処理と、
前記契約者情報記憶部に記憶された契約者情報に基づいて保険料を計算する処理とをコンピュータに実行させる命令を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。 - 前記契約者の製品の分析結果に関する情報として、保険対象製品の複数ロットについて行った環境関連物質の分析結果のばらつきに関する情報をさらに入力する、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
- 前記契約者情報として、当該保険契約者の信用情報、製品売上情報、製造国情報、販売国情報、上限補償額、製品リスク情報、保険対象とする環境関連物質の種類数、保険対象とする環境関連物質の危険度、および、保険対象製品の分析頻度から選ばれる一つまたは二つ以上の情報をさらに入力する、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
- 製品リスク情報、製造国情報、販売国情報、保険対象とする環境関連物質の種類数、保険対象とする環境関連物質の危険度のうち、前記契約者情報に含まれる情報が更新された結果、更新前と一定基準以上の差が生じた場合に、前記保険料計算部が、更新後の契約者情報に基づいて保険料を算出し直す、請求項8に記載のコンピュータプログラム。
- 前記契約者情報として、保険対象製品について環境関連物質に関する分析を保険契約者以外の者が行うか否かに関する情報をさらに入力する、請求項6に記載のコンピュータプログラム。
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