JP2005195550A - 断熱材の特性評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 断熱材から作製した板状の測定試料の表面を一定強度の熱流束に所定時間曝して加熱する際に測定試料の表裏面から放射による熱損失が発生しても容易に特性を評価することが可能な断熱材の特性評価方法を提供する。
【解決手段】 断熱材から作製した板状の測定試料11の表面の全面を、一定強度の熱流束に一定時間曝して均一に加熱したときの測定試料11の裏面温度を測定裏面温度として記録し、測定試料11の表面の全面を、一定強度の熱流束に一定時間曝して均一に加熱したときの測定試料11の裏面の理論裏面温度を、初期条件及び境界条件を考慮した非定常熱伝導方程式の解に基づいて算出して、測定裏面温度と理論裏面温度とを比較して断熱材の特性を求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、断熱材の特性評価方法に係り、更に詳細には断熱材から作製した板状の測定試料の表面を加熱したときの測定裏面温度と理論裏面温度とを比較して断熱材の熱拡散率及び比熱を求める方法に関する。
断熱材は、鉄鋼や非鉄金属等の素材製造産業、航空宇宙産業等の高温を扱う産業をはじめ、建設業等多くの産業において必要不可欠な材料となっている。そして、断熱材の特性は、それを使用する産業にとっては死命を制する程重要な因子になる場合がある。このため、断熱材の特性を評価する方法が種々開発されている。例えば、断熱材の特性の一例である熱伝導率を評価するためには、非特許文献1に記載されている定常法による測定が主に行われている。
定常法による熱伝導率の測定は絶対法と比較法に大別されるが、ここでは比較法の一例である平板比較法について説明する。平板比較法は、図11に示すように、熱伝導率を評価しようとする断熱材から作製した測定試料と熱伝導率が既知の標準試料とを重ね合わせ、両試料内に時間と共に変化しない、すなわち定常の温度勾配を実現させた後に(図11では、標準試料の上面を高温側、測定試料の下面を低温側になるように配置して温度勾配を形成している)、測定試料と標準試料の各上下面のそれぞれの温度T1 〜T3 を熱電対で測定し、(42)式及び(43)式により測定試料の熱伝導率を計算するものである。ここで、λは熱伝導率、lは試料の厚み、Tは温度を指し、添え字x 及びs はそれぞれ測定試料、標準試料を示す。なお、測定試料の上面と標準試料の下面は接触しているため同一温度としている。
Figure 2005195550
平板比較法では、測定装置の構成が簡単であり、しかも、室温付近においてはある程度の精度をもって熱伝導率を求めることが可能である。このため、多孔質材料のような不均質材料、断熱材のような低熱伝導率材料への適用例が多い。
しかし、この方法では、測定試料内と標準試料内にそれぞれ厚み方向に変化する温度勾配、すなわち一次元の温度勾配をつける必要があると共に、両試料において定常状態を実現させねばならない。このため、熱伝導率の測定に非常に長い時間を要すると同時に、測定に熟練も要するという問題点がある。この問題点は、特に高温領域において測定を行う際に顕著となる。
このため、平板比較法が適用できる現実的な温度の上限は、1000K程度となる。そこで、このような問題点を解決する測定方法として、非特許文献1に記載されているように、例えば、非定常細線法が提案されている。
非定常細線法は、図12に示すように、熱伝導率を評価しようとする断熱材から作製した測定試料と熱伝導率が既知の標準試料の間に熱線を挟んで、その熱線に直流電源から電流を流して発熱させながら熱線の温度Tの上昇を、例えば、熱線に取付けた熱電対で測定して温度上昇曲線を求め、この温度上昇曲線の傾き(dT/dln(t))を(44)式に代入して測定試料の熱伝導率λx を求める方法である。ここに、qは熱流束、tは時間、λs は標準試料の熱伝導率を示す。
Figure 2005195550
非定常細線法は、簡便かつ安価な測定法であるが、固体試料の場合には熱線の太さのために測定試料と標準試料とを密着させることが難しい。このため、熱線の線径をなるべく細くして熱線との間に隙間が発生しないようにするが、実際問題として熱抵抗が発生し誤差の要因となっている。また、測定試料が導電性材料の場合には熱線と測定試料の間に絶縁材料をはさむ必要が生じ、熱抵抗が発生する要因になると共に、絶縁材料の耐熱性から、測定温度に上限が生じてしまう。
熱線の温度上昇を測定する方法としては、図12に示すように、熱線に熱電対を固定して直接温度変化を測定する方法と、熱線の電気抵抗の変化から温度変化を求める方法がある。前者は局所的な温度を得るものであり、熱電対を伝わって逃げる熱をできるだけ少なくするために、熱電対の線径は熱線より細いものを選択する必要がある。一方、後者は熱線の平均的な温度を測定する方法であり、熱線には、例えば、白金のような電気抵抗の温度係数が大きい材料を使用する必要がある。
しかし、測定試料が固体材料のように温度上昇を大きく取らねばならない測定では、電気抵抗の温度係数が大きいと熱線の温度が変化するのに応じて発熱量が変化し、発熱の一様性が得られず測定誤差が発生する要因となる。
そこで、非定常細線法における問題点を解消するために、非特許文献1に記載されているように、非定常測定法の一例であるステップ加熱法が提案されている。
ステップ加熱法は、図13に示すように、高温材料から作製した測定試料の温度を測定温度で安定させた後、測定試料の表面を一定強さの熱流束に曝して測定試料の表面を一様に連続加熱し、そのときの測定試料の裏面の温度上昇を、例えば、熱電対で測定して、測定試料の裏面の温度変化より試料の熱拡散率を解析的に求める方法である。
図14に、測定試料の裏面の温度変化を無次元化して示した裏面温度上昇曲線の一例を示す。図14で、横軸は無次元化した時間を示すフーリエ数F0 である。ここで、フーリエ数F0 は、aを熱拡散率、lを測定試料の厚さ、tを時間としてat/l2 で表される。また、縦軸は無次元化した温度であり、qを熱流束、測定された測定試料の裏面温度をθ(0,t)として、θ(0,t)/(lq/λ)で表される。なお、図14に示すhは試料の表裏面から失われる熱量の大きさを規定する無次元のパラメータ(ビオ数)である。
ステップ加熱法では、測定試料の表面を一定強さの熱流束に曝す時間(加熱時間)を長く取れるので、低密度加熱源を使用することができ、加熱源のコストが安価になって装置コストを抑えることができる。測定試料の広い面積を均一に加熱できると共に、測定試料の表面の極端な温度上昇を抑えることが可能であり、測定試料の厚み方向に大きな温度分布を作らないで測定を行うことができ、温度依存性の大きい熱拡散率を持つ材料の測定に適する。
また、多孔質材料から作製した測定試料で測定を行う場合には、測定試料内での温度差を小さくすることができるため測定試料の孔内に存在しているガスの流動を抑えて、測定誤差を小さくすることができる。更に、測定試料の厚さを大きく取れるので、断熱材の測定に有利となる。
長島昭、外24名日本機械学会編「熱物性値測定法」養賢堂、1991年9月20日、p.3−4、14−20、20−29
しかしながら、ステップ加熱法は、測定試料の表面を一定強さの熱流束に曝す時間が長いため、図14に示すように、ビオ数hが大きくなる程、測定試料の表裏面から失われる熱量が大きくなって、測定試料の表裏面からの放射による熱損失の影響を受け易いという問題がある。具体的には、ステップ加熱法では、測定試料の裏面温度は求めようとする熱拡散率と放射損失を表すビオ数hに加えて、測定試料の表面で入熱と放熱が同時進行するために熱流束qも変数となって、解析が困難になるという問題が生じる。このため、ステップ加熱法は放射による熱損失の影響が大きくなる高温測定には適さないという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、断熱材から作製した板状の測定試料の表面を一定強度の熱流束に所定時間曝して加熱する際に測定試料の表裏面から放射による熱損失が発生しても容易に特性を評価することが可能な断熱材の特性評価方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の断熱材の特性評価方法は、断熱材から作製した板状の測定試料の表面の全面を、一定強度の熱流束に一定時間曝して均一に加熱したときの該測定試料の裏面温度を測定裏面温度として記録し、
前記測定試料の表面の全面を、一定強度の熱流束に一定時間曝して均一に加熱したときの該測定試料の裏面の理論裏面温度を、初期条件及び境界条件を考慮した非定常熱伝導方程式の解に基づいて算出して、
前記測定裏面温度と前記理論裏面温度とを比較して前記断熱材の特性を求める。
なお、測定裏面温度の記録は、加熱開始前から加熱終了後一定時間が経過するまで記録する。ここで、加熱開始前の記録は加熱開始前の測定試料の裏面温度を特定するために行うもので、例えば、5〜60秒間記録すればよい。また、加熱終了後に行う裏面温度の記録は、入熱がなくなり、測定試料の特性(例えば、熱拡散率等)とビオ数だけに依存した温度応答現象を記録するもので、測定試料の特性解析の容易化かつ高精度化を図るために行われる。そして、測定試料の裏面温度の減衰領域における時定数に関する付加条件の下に解析を行う場合には、測定試料の裏面温度が最高温度を示してから十分な温度の減衰が現れるまで記録すればよい。
請求項2記載の断熱材の特性評価方法は、請求項1記載の断熱材の特性評価方法において、前記断熱材の特性が該断熱材の熱拡散率であり、該熱拡散率を前記測定裏面温度と前記理論裏面温度との偏差を最小とする条件から求める。
請求項3記載の断熱材の特性評価方法は、請求項2記載の断熱材の特性評価方法において、前記偏差が2乗偏差である。
請求項4記載の断熱材の特性評価方法は、請求項3記載の断熱材の特性評価方法において、前記2乗偏差を最小とする条件を、前記測定裏面温度の変化から求めた測定時定数と前記理論裏面温度の変化から求めた理論時定数とを同値とする付加条件のもとで求める。
請求項5記載の断熱材の特性評価方法は、請求項1記載の断熱材の特性評価方法において、前記断熱材の特性が該断熱材の比熱であり、該比熱を前記測定試料の裏面温度が十分減衰を示す時間領域での前記測定裏面温度の変化挙動から加熱開始時刻に外挿した外挿裏面温度と、前記理論裏面温度より導かれる前記加熱開始時刻における理論外挿裏面温度とを同値とする条件のもとで求める。
請求項6記載の断熱材の特性評価方法は、請求項1記載の断熱材の特性評価方法において、前記断熱材の特性が該断熱材の比熱であり、該比熱を、前記測定裏面温度と前記理論裏面温度との2乗偏差を最小とする条件より求めた前記測定試料の熱拡散率及びビオ数を用いて放射損失がない場合の前記測定試料の裏面温度上昇値を算出し、該裏面温度上昇値を前記測定試料の放射損失がない場合の理論裏面温度上昇値と同値とする条件のもとで求める。
請求項1〜6記載の断熱材の特性評価方法は、測定試料を用いて測定した測定裏面温度と理論裏面温度とを比較して断熱材の特性を求めるので、測定試料を加熱した際に測定試料の表裏面から放射による熱損失が発生しても、容易に断熱材の特性を評価することが可能になる。また、測定に熟練を要することなく高精度に断熱材の特性を求めることが可能になる。
特に、請求項2記載の断熱材の特性評価方法においては、測定裏面温度と理論裏面温度との偏差を最小とする条件から断熱材の熱拡散率を求めるので、厳密な解析解が得られることから理論裏面温度を容易に、かつ、正確に求めることが可能となる。
請求項3記載の断熱材の特性評価方法においては、偏差が2乗偏差であるので、計算の効率を向上させることができると共に計算誤差を適正範囲内に限定させることができ、裏面温度の測定から断熱材の熱拡散率の算出までを容易に自動化して、断熱材の熱拡散率を短時間に高精度で決定することが可能になる。
請求項4記載の断熱材の特性評価方法においては、2乗偏差を最小とする条件を、測定裏面温度の変化から求めた測定時定数と理論裏面温度の変化から求めた理論時定数とを同値とする付加条件のもとで求めるので、2つの独立変数を1つの独立変数にすることで計算量を大幅に減少させることができ、断熱材の熱拡散率を更に短時間に高精度で決定することが可能になる。
請求項5記載の断熱材の特性評価方法においては、測定試料の裏面温度が十分減衰を示す時間領域での測定裏面温度の変化挙動から加熱開始時刻に外挿した外挿裏面温度と、理論裏面温度より導かれる加熱開始時刻における理論外挿裏面温度とを同値とする条件のもとで断熱材の比熱を求めるので、測定試料の表面で入熱と放熱の同時進行を考慮せずに断熱材の比熱を容易に決定することが可能になる。
請求項6記載の断熱材の特性評価方法においては、比熱を、測定裏面温度と理論裏面温度との2乗偏差を最小とする条件より求めた測定試料の熱拡散率及びビオ数を用いて放射損失がない場合の測定試料の裏面温度上昇値を算出し、裏面温度上昇値を測定試料の放射損失がない場合の理論裏面温度上昇値と同値とする条件のもとで求めるので、測定試料の表面で入熱と放熱の同時進行を考慮せずに断熱材の熱拡散率とビオ数から断熱材の比熱求めることができ、断熱材の比熱を容易に、かつ高精度で決定することができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る断熱材の特性評価方法を適用した断熱材の特性評価装置の説明図、図2は同断熱材の特性評価方法における矩形加熱による測定方法を示す説明図、図3は矩形加熱を行った際の測定試料の表面における熱流束強度の変化挙動を示す説明図、図4は矩形加熱を行った際の加熱モデルの説明図、図5は矩形加熱に使用する熱流束波形の説明図、図6は矩形加熱を行った際の測定試料の理論裏面温度の変化を示すグラフ、図7は測定試料の裏面温度の変化の解析から決定した熱拡散率の解析精度と加熱時間の関係を示すグラフ、図8は理論裏面温度から求めた理論外挿裏面温度とビオ数依存性の関係を示すグラフ、図9は理論裏面温度から求めた理論外挿裏面温度と矩形加熱時間の関係を示すグラフ、図10は理論裏面温度から求めた理論外挿裏面温度と矩形加熱時間の影響が0.5%となるときの無次元化した矩形加熱時間とビオ数依存性の関係を示すグラフである。
なお、矩形加熱とは、一定強度の熱流束で一定時間、測定試料の表面を加熱することをいう。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る断熱材の特性評価方法を適用した断熱材の特性評価装置10は、測定試料11を載置してその裏面側の縁部を支持する試料ホルダー12及び試料ホルダー12に載置された測定試料11を加熱する加熱ヒータ13を備えた加熱容器14と、加熱ヒータ13に供給する電力を調整する加熱電源15を有している。なお、加熱容器14の上部には、試料ホルダー12に載置された測定試料11の表面全面を覆う大きさの耐熱性の窓16が設けられている。
また、断熱材の特性評価装置10は、窓16を介して測定試料11の表面全面に熱流束を与えて表面全面を均一加熱する加熱源の一例であるハロゲンランプ17と、ハロゲンランプ17からの熱流束をオン、オフして測定試料11の表面が熱流束に曝される時間を設定するシャッター18と、測定試料11の裏面温度を熱電対19を介して測定する温度測定器20を有している。更に断熱材の特性評価装置10は、温度測定器20で得られた測定試料11の裏面温度から測定試料11の特性を演算して求める機能、及び加熱電源15及びシャッター18の駆動を制御する機能を備えた測定制御器21を有している。
ここで、シャッター18のシャッター本体22は、例えば、水冷したステンレス板を使用して構成することができ、測定制御器21は、上記の各機能を発現するプログラムを、例えば、パーソナルコンピュータに搭載することにより構成することができる。
このような構成とすることにより、図2に示すように、測定試料11を加熱容器14内の試料ホルダー12に載置して加熱電源15より加熱ヒータ13に通電し、測定試料11の温度を測定しようとする温度まで上げることができる。そして、ハロゲンランプ17に電源投入後、シャッター18を開けることにより、測定試料11の表面全面を一定強度の熱流束に一気に曝すことができ、測定試料11の表面の急加熱が開始される。また、シャッター18を閉じることにより熱流束を一気に遮って、測定試料11の表面の加熱を急停止することができる。このように、シャッター18を所定時間だけ開けて閉じることにより、測定試料11の表面の加熱を所定時間の幅内に限定することができる。すなわち、測定試料11への熱流束強度の変化状況を考えると、図3に示すように、熱流束強度はシャッター18を開けると(加熱開始時刻で)一定強度レベルまで一気に上昇して維持され、シャッター18を閉じると(加熱停止時刻で)0レベルまで一気に減少する挙動を示す。この挙動は、時間に対して熱流束強度が矩形状に変化(階段状に上昇し、階段状に減少する)するとも表現できるので、以下、このような測定試料11の表面の加熱方法を矩形加熱という。
そして、測定試料11の裏面温度の変化を熱電対19を介して温度測定器20で測定し、得られた温度データを測定制御器21に送信することにより、測定制御器21では送信された温度データから測定試料11の熱特性を演算により求めることができる。
次に、本発明の一実施の形態に係る断熱材の特性評価方法について説明する。
ここで、断熱材から作製した板状の測定試料11の熱拡散率をα、密度をρ、比熱をc、熱伝導率をk、測定試料11の厚さをLとする。
また、図4に示すように、加熱が行われる測定試料11の表面を座標原点として、測定試料11の厚さ方向にx軸を取る。更に、ハロゲンランプ17から照射される熱流束の強度をQf(t)、測定試料11の表裏面からの熱損失の程度を表すビオ数(無次元の数値)をそれぞれh0 、h1 とする。このように設定することにより、Qは測定試料11の表面の単位面積当たりの入熱量になり、測定試料11内の温度Tは、測定試料11の表面からの距離xと時間tの関数となる。
従って、加熱を行った際の測定試料11の温度を表記する微分方程式(非定常熱伝導方程式)は(1)式で表され、このときの、初期条件は(2)式、測定試料11の表面及び裏面における各境界条件はそれぞれ(3)式、(4)式で表される。
Figure 2005195550
(1)式の微分方程式を(2)式の初期条件、(3)及び(4)式の各境界条件のもとでラプラス変換して解いて、測定試料11内の理論温度Tを求める。ここで、ラプラス変数をp、熱流束の強度において時間変化項を示すf(t)をラプラス変換したものをf(p)として、更に、(5)式で定義されるrを用いて測定試料11の裏面の理論温度(以下、理論裏面温度という)T(L,p)を求めると、(6)式に示すようになる。
ここで、測定試料11の表裏面のビオ数h0 、h1 が等しい場合(hで示す)には、理論裏面温度は(7)式となる。
Figure 2005195550
また(1)式の微分方程式を(2)式の初期条件、(3)及び(4)式の境界条件のもとに解いた時間空間における理論裏面温度T(L,t)は(8)式となる。ここで、βn 及びan はそれぞれ(9)式、(10)式の関係を満足するパラメータである。
また、表裏面のビオ数h0 、h1 が等しい場合の時間空間における測定試料11の理論裏面温度は、(11)式で表される。
Figure 2005195550
ここで、ハロゲンランプ17から照射される熱流束を用いて、測定試料11の表面を矩形加熱した場合を考える。
矩形加熱を行う場合、熱流束の強度において時間変化項を示すf(t)は(12)式に示すように規格化した加熱波形として表記できる。図5に規格化した波形を示す。
Figure 2005195550
次に、矩形加熱を行った際の測定試料11の理論裏面温度を求める。
先ず、測定試料11の内の理論温度を記述する(6)式あるいは(7)式中の加熱波形f(p)のラプラス変換式を導くと、(13)式に示すようになる。
Figure 2005195550
これより、矩形加熱を行った場合の測定試料11の理論裏面温度は、測定試料11の表裏面のビオ数h0 、h1 が異なる場合は、(14)式のように求まる。また、測定試料11の表裏面のビオ数h0 、h1 が等しい場合は、(15)式のように求まる。
Figure 2005195550
また、測定試料11の理論裏面温度を表す式(8)式あるいは(11)式の中の加熱波形に関わる部分は(16)式に示すようになるので、時間空間における理論裏面温度T(L,t)は測定試料11の表裏面のビオ数h0 、h1 が異なる場合は(17)式、表裏面のビオ数h0 、h1 が等しい場合は(18)式となる。
Figure 2005195550
次に、断熱材の特性として測定試料11の熱拡散率を求める方法について説明する。
測定試料11の熱拡散率αは、矩形加熱を行った際の測定試料11内の理論温度を表記する(1)式の微分方程式を(2)式の初期条件、(3)式及び(4)式の各境界条件の下で解いて得られる時間空間あるいはラプラス空間における測定試料11の理論裏面温度と、測定試料11の裏面温度を実際に測定して得られる測定裏面温度との2乗偏差を最小にする条件から求める。
いま、ハロゲンランプ17から照射される熱流束Qf(t)で矩形加熱を行ったときに、測定試料11の理論裏面温度を表記している諸式中で、放射損失がない場合の理論裏面温度上昇値をTM とすると、TM は(19)式のように表される。このTM を用いて時間空間における測定試料11の理論裏面温度を表す(11)式又は(18)式、ラプラス空間における測定試料11の理論裏面温度を表す(7)式又は(15)式を、それぞれ(20)式及び(21)式と表す。
Figure 2005195550
また、測定試料11の裏面温度を実際に測定して得られる測定裏面温度をE(t)として、そのラプラス変換したものをE(p)とする。そして、時間tあるいはラプラス変数pをXと総称すると、このXをパラメータとした測定試料11の理論裏面温度と測定裏面温度との2乗偏差は(22)式のようになる。
Figure 2005195550
そして、この2乗偏差を最小にするTM は、δS/δTM =0として求まり、(23)式のように表せる。
Figure 2005195550
このTM を(22)式に代入して得られる2乗偏差式は、熱拡散率αとビオ数h0 、h1 のみを未知数としており、この2乗偏差式を最小とする熱拡散率α及びビオ数h0 、h1 を、例えば、ニュートン法により求めると、それらの値が測定試料11の熱拡散率α、及びビオ数h0 、h1 となる。
ここで、矩形加熱が終了した後、測定試料11の裏面温度を、時間空間における測定試料11の理論裏面温度を示す(18)式の第1項のみを用いて測定試料11の裏面温度が近似できるような時間領域まで測定し、測定裏面温度として記録する。そして、(24)式で与えられる付加条件式を付加して、この2乗偏差式の最小を与える熱拡散率α、及びビオ数h0 、h1 を求める。付加条件をつけることにより、より容易に2乗偏差の最小値に到達することが可能となる。
なお、(24)式で与えられる付加条件式は、測定裏面温度が、exp( −t/τ) に依存して減衰するとして、測定時定数τexを求め、この測定時定数τexと、(25)式及び(26)式を用いて与えられる理論時定数τth(測定試料11の理論裏面温度を示す式の第1項より導かれる)を等しいとすることにより求める。
Figure 2005195550
続いて、本方法で得られる熱拡散率の有効性を検討するため、表1に示す理論データを作成して熱拡散率を解析した。
理論データの作成は、測定試料11の材質を断熱材の一例であるアルミナ質断熱材(alc板)とし、厚みLを10mmとした。また、熱拡散率αは2.8×10-72 /s、ビオ数h0 、h1 をいずれも0.01、測定試料11の裏面の温度測定時のサンプリング周期を50ms、L2 /π2 /αから計算される特性時間t0 を36.19sとした。
Figure 2005195550
この測定試料11の表面に対し矩形加熱を行った。加熱時間t1 は10〜360秒の範囲で設定した。ここで、熱拡散率αの決定は、ラプラス空間における理論裏面温度を示す(15)式を用いて行った。なお、2乗偏差を最小にする熱拡散率α、及びビオ数h0 、h1 を求める際に、付加条件を付けずに、熱拡散率α、ビオ数h0 、h1 共に独立変数とした。
図6に、一例として、加熱時間180秒の場合の測定試料11の理論裏面温度の時間変化挙動と、矩形加熱の加熱波形の時間変化を示した。なお、図6では、理論裏面温度及び矩形加熱の加熱波形は、いずれも規格化して表示している。
また、表1のデータを用いてそれぞれ熱拡散率αを解析し、予め判明している熱拡散率の値2.8×10-72 /sとの比較から求まる解析精度を算出した、その結果を図7に示す。なお、図7では、加熱時間t1 は、特性時間t0 との比の形で表記している。図7に示すように、熱拡散率の解析精度は0.5%未満となり、本発明の熱測定評価方法の有効性が確認された。
続いて、断熱材の特性として測定試料11の比熱を求める方法について説明する。
先ず、測定試料11の裏面温度を測定して得られる測定裏面温度の減衰領域データを矩形加熱の開始時刻(以下、時刻原点という)まで外挿して求めた外挿裏面温度と、この減衰領域データに相当する理論裏面温度より導かれる時刻原点における理論外挿裏面温度より比熱を求める方法について説明する。
始めに、矩形加熱を行った場合、測定試料11の理論裏面温度を示す(18)式を用いて、減衰領域データより時刻原点まで外挿して求まる理論外挿裏面温度を導く。矩形加熱の終了後、測定試料11の特性時間t0 に対し十分大きい時刻においては、(18)式は第1項で近似でき(27)式となる。これより、理論外挿裏面温度は(28)式で与えられる。
Figure 2005195550
ここで、右辺の第1項Q/ρcLは断熱時の温度上昇値を示し、第2項は理論外挿裏面温度のビオ数依存性を示し、第3項は矩形加熱を行った際の理論外挿裏面温度の矩形加熱時間依存性を示している。第2項の理論外挿裏面温度のビオ数依存性を図8に示す。図8より、ビオ数が0.01程度より小さい場合には、理論外挿裏面温度と断熱時温度上昇値は0.5%よりよい精度で一致することが判る。
また、第3項の矩形加熱時間の理論外挿裏面温度への影響を図9に示す。図9より、a01 が(29)式の関係を満たす場合、理論外挿裏面温度の断熱時の温度上昇値に対する差は0.5%以下となることが判る。
Figure 2005195550
これより特性時間t0 を(30)式で定義すると、(29)式より特性時間t0 に対する矩形加熱時間t1 の比の条件として(31)式が導かれる。
Figure 2005195550
矩形加熱時間の理論外挿裏面温度への影響が0.5%となる条件を示す(31)式を図10に示す。これより、図10に示す直線上の値より小さいt1 /t0 となるように矩形加熱時間t1 を設定すると、矩形加熱時の理論外挿裏面温度は断熱時の温度上昇値に対して0.5%よりよい精度で一致する。例えば、測定試料11の表裏面のビオ数hが0.01の場合、t1 /t0 ≦4.9となり、矩形加熱時間t1 を試料特性時間t0 の約5倍以下とすることにより、時刻原点における理論外挿裏面温度と断熱時の温度上昇値の偏差が0.5%以下となる。
従って、矩形加熱において、時刻原点への外挿値を用いて比熱計算を行う場合、時刻原点への外挿値として次のどちらかを採用できる。
(I)時刻原点への外挿温度として(28)式を用いる。
(II)ビオ数hが0.01程度以下で、a01 が0.01程度以下の場合、時刻原点への外挿温度として(32)式を用いてもよい。
Figure 2005195550
これより比熱測定手順は次の通りとなる。
1)矩形加熱の終了後、測定試料11の裏面温度が十分減衰を示す時間領域まで測定し測定裏面温度として記録する。
2)得られた測定裏面温度より測定時定数τex、時刻原点まで外挿して求めた外挿裏面温度T0expを求める。
3)熱拡散率α、ビオ数hを,測定試料11の裏面温度を実際に測定して得られる測定裏面温度と測定試料11の理論裏面温度との2乗偏差を最小にする条件から求める。
4)(24)〜(26)式よりβ0 、hを求め、時刻原点への外挿裏面温度のビオ数依存項を(33)式により計算する。なお、hが0.01程度以下となる場合には、Kh-corr=1としてもよい。
Figure 2005195550
5)矩形加熱時間の外挿裏面温度への影響を(34)式で計算する。なお、a01 が0.01程度以下となる場合には、Kt1-corr =1としてもよい。
Figure 2005195550
6)理論裏面温度の時刻原点への外挿値である理論外挿裏面温度として(35)式を用いる。
Figure 2005195550
7)測定試料11の測定裏面温度を時刻原点まで外挿して求めた外挿裏面温度T0expと(35)式の理論外挿裏面温度とを同値とする条件より、測定試料11の比熱cを(36)式により求める。
Figure 2005195550
続いて、比熱を、測定裏面温度と理論裏面温度との2乗偏差を最小とする条件より求めた測定試料の熱拡散率及びビオ数を用いて放射損失がない場合(すなわち、断熱状態)の測定試料の裏面温度上昇値を算出し、裏面温度上昇値を測定試料の放射損失がない場合の理論裏面温度上昇値と同値とする条件のもとで求める方法につて説明する。
比熱測定手順は次の通りとなる。
1)(22)式より(19)式で与えられる理論裏面温度上昇値TM を削除した2乗偏差を求め、これを最小にする条件から測定試料11の熱拡散率α、ビオ数hを求める。
2)(23)式を用いて、TM を求める。
3)このTM と(19)式で与えられる理論裏面温度上昇値TM が同値とすることから得られる(37)式を用いて比熱cを計算する。
Figure 2005195550
ここで、上記した2つの比熱測定方法、すなわち、(36)式又は(37)式から比熱cを求める際に、いずれも測定試料11の表面の単位面積当たりの入熱量Qが必要となる。以下に入熱量Qの決定方法について説明する。
先ず、予め比熱が判明しているガラス状黒鉛の単位面積、単位時間当たりにの入熱量qa を求める。
1)標準試料(例えば、サファイア)の表面にガラス状黒鉛をシリコングリースで貼り付ける。ガラス状黒鉛、シリコングリース、及び標準試料は比熱既知とする。
2)室温にて標準試料の裏面に熱電対を付け、ガラス状黒鉛の表面を時間ta の矩形加熱を行う。
3)標準試料の裏面温度の減衰領域のデータを用いて時刻原点に外挿し、時刻原点における外挿裏面温度Ta を測定する。
4)ガラス状黒鉛の単位面積、単位時間当たりの入熱量qa を求める。ここで、ビオ数hが0.01程度以下、a01 が0.01程度以下となる場合は、近似式(32)式を用いた(38−1)式を用いてもよい。それ以外の場合は、(28)式を用いた(38−2)式より求める。なお、添え字i は各材料(サファイア、ガラス状黒鉛、シリコングリース)を示す。
Figure 2005195550
次いで、測定試料11の室温比熱を求める。
5)室温において熱電対を付けた測定試料11にガラス状黒鉛を同様にとりつけ、ガラス状黒鉛側から時間tb の矩形加熱を行う。
6)測定試料11の裏面温度の減衰領域のデータを用いて時刻原点に外挿し、時刻原点における外挿裏面温度Tb を測定する。
7)そして、不明なものは測定試料11の比熱のみであるので、ビオ数hが0.01程度以下、a01 が0.01程度以下となる場合は(39−1)式を用いてもよい。それ以外の場合は、(39−2)式より測定試料11の室温比熱cを求める。ここで、同じガラス状黒鉛を矩形加熱するので、(38−1)式、(38−2)式、(39−1)式、及び(39−2)式の入熱量qa は同一になる。
Figure 2005195550
続いて、測定試料11の入熱量qc を求める。
8)室温において熱電対を付けた測定試料11に時間tc の矩形加熱を行う。
9)測定試料11の裏面温度の減衰領域のデータを用いて時刻原点に外挿し、時刻原点における外挿裏面温度Tc を測定する。
10)測定試料11の単位面積、単位時間当たりの入熱量qc を求める。ここで、ビオ数hが0.01程度以下、a01 が0.01程度以下となる場合は、近似式(32)式を用いた(40−1)式を用いてもよい。それ以外の場合は、(28)式を用いた(40−2)式より求める。
Figure 2005195550
以上から、測定試料11の単位面積当たりの入熱量Qは、測定試料11の単位面積、単位時間当たりの入熱量qc を用いて、(41)式で求めることができる。ここで、td は測定試料11を矩形加熱する際の加熱時間を指す。
従って、入熱量Qを(41)式(Qd で示す)で求め、(36)式又は(37)式に代入することにより比熱cを求めることができる。
Figure 2005195550
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の断熱材の特性評価方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、測定試料の裏面温度を測定するのに熱電対を使用したが、赤外検出器、放射温度計を用いて測定試料の裏面温度を測定してもよい。また、測定試料の表面を加熱する時間をシャッターの開閉により調整したが、ハロゲンランプに供給する電源をオン、オフすることにより行ってもよい。
更に、測定試料の表面の加熱中にハロゲンランクの出力が変動する場合では、例えば、ハーフミラーを用いてハロゲンランプの光線の一部を照射強度測定器に導いてハロゲンランクの出力変動を測定し、その結果を測定制御器に入力して測定試料の熱特性を求める際の演算に反映させるようにしてもよい。
本発明の一実施の形態に係る断熱材の特性評価方法を適用した断熱材の特性評価装置の説明図である。 同断熱材の特性評価方法における矩形加熱による測定方法を示す説明図である。 矩形加熱を行った際の測定試料の表面における熱流束強度の変化挙動を示す説明図である。 矩形加熱を行った際の加熱モデルの説明図である。 矩形加熱に使用する熱流束波形の説明図である。 矩形加熱を行った際の測定試料の理論裏面温度の変化を示すグラフである。 測定試料の裏面温度の変化の解析から決定した熱拡散率の解析精度と加熱時間の関係を示すグラフである。 理論裏面温度から求めた理論外挿裏面温度とビオ数依存性の関係を示すグラフである。 理論裏面温度から求めた理論外挿裏面温度と矩形加熱時間の関係を示すグラフである。 理論裏面温度から求めた理論外挿裏面温度と矩形加熱時間の影響が0.5%となるときの無次元化した矩形加熱時間とビオ数依存性の関係を示すグラフである。 従来例に係る断熱材の特性評価方法の一例である平板比較法の測定方法を示す説明図である。 従来例に係る断熱材の特性評価方法である非定常細線法の測定方法を示す説明図である。 従来例に係る断熱材の特性評価方法であるステップ加熱法の測定方法を示す説明図である。 ステップ加熱法で求めた測定試料の裏面の温度変化を無次元化して示した裏面温度上昇曲線である。
符号の説明
10:断熱材の特性評価装置、11:測定試料、12:試料ホルダー、13:加熱ヒータ、14:加熱容器、15:加熱電源、16:窓、17:ハロゲンランプ、18:シャッター、19:熱電対、20:温度測定器、21:測定制御器、22:シャッター本体

Claims (6)

  1. 断熱材から作製した板状の測定試料の表面の全面を、一定強度の熱流束に一定時間曝して均一に加熱したときの該測定試料の裏面温度を測定裏面温度として記録し、
    前記測定試料の表面の全面を、一定強度の熱流束に一定時間曝して均一に加熱したときの該測定試料の裏面の理論裏面温度を、初期条件及び境界条件を考慮した非定常熱伝導方程式の解に基づいて算出して、
    前記測定裏面温度と前記理論裏面温度とを比較して前記断熱材の特性を求めることを特徴とする断熱材の特性評価方法。
  2. 請求項1記載の断熱材の特性評価方法において、前記断熱材の特性が該断熱材の熱拡散率であり、該熱拡散率を前記測定裏面温度と前記理論裏面温度との偏差を最小とする条件から求めることを特徴とする断熱材の特性評価方法。
  3. 請求項2記載の断熱材の特性評価方法において、前記偏差が2乗偏差であることを特徴とする断熱材の特性評価方法。
  4. 請求項3記載の断熱材の特性評価方法において、前記2乗偏差を最小とする条件を、前記測定裏面温度の変化から求めた測定時定数と前記理論裏面温度の変化から求めた理論時定数とを同値とする付加条件のもとで求めることを特徴とする断熱材の特性評価方法。
  5. 請求項1記載の断熱材の特性評価方法において、前記断熱材の特性が該断熱材の比熱であり、該比熱を前記測定試料の裏面温度が十分減衰を示す時間領域での前記測定裏面温度の変化挙動から加熱開始時刻に外挿した外挿裏面温度と、前記理論裏面温度より導かれる前記加熱開始時刻における理論外挿裏面温度とを同値とする条件のもとで求めることを特徴とする断熱材の特性評価方法。
  6. 請求項1記載の断熱材の特性評価方法において、前記断熱材の特性が該断熱材の比熱であり、該比熱を、前記測定裏面温度と前記理論裏面温度との2乗偏差を最小とする条件より求めた前記測定試料の熱拡散率及びビオ数を用いて放射損失がない場合の前記測定試料の裏面温度上昇値を算出し、該裏面温度上昇値を前記測定試料の放射損失がない場合の理論裏面温度上昇値と同値とする条件のもとで求めることを特徴とする断熱材の特性評価方法。
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