JP2005195158A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 運転者の変速操作と入力回転数の制御との対応関係に基づく違和感を、可及的に抑制することの可能な無段変速機の変速制御装置を提供する。
【解決手段】 予め設定されている変速条件に基づいて、入力回転数を選択する第1の変速モードと、運転者の変速操作に基づいて、入力回転数を選択する第2の変速モードとを有する無段変速機の変速制御装置において、第2の変速モードが選択されている場合に、最終的に選択可能な入力回転数の最低値を、車両の走行抵抗に基づいて定める第1の回転数制御手段(ステップS16,S17)と、最低値未満の入力回転数を選択する運転者の変速操作が継続された場合は、最低値未満の入力回転数を、最終的な入力回転数として選択可能にする第2の入力回転数制御手段(ステップS16,S5,S7,S9,S10)とを備えている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、変速比を無段階に制御することの可能な無段変速機の変速制御装置に関するものである。
従来、エンジンの出力側に無段変速機を設けるとともに、無段変速機の変速比を無段階に制御することにより、エンジンの運転状態を最適な状態に近づける制御が知られている。このような無段変速機としては、ベルト式無段変速機、トロイダル式無段変速機、電動機および遊星歯車機構を有する無段変速機が知られている。このうち、ベルト式無段変速機の制御装置の一例が、下記の特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたベルト式の無段変速機は、プライマリプーリおよびセカンダリプーリにベルトが巻き掛けられて構成されている。また、プライマリシリンダおよびセカンダリシリンダが設けられており、プライマリプーリおよびセカンダリプーリにおけるベルトの巻き掛け径の比率を連続的に変えて無段変速するようになっている。
また、特許文献1に記載された無段変速機は、変速比を制御する変速レンジとして、手動変速モードと自動変速モードとを有している。そして、手動変速モードでは、アップスイッチおよびダウンスイッチの操作により、目標変速比および目標プライマリプーリ回転数が算出される。一方、手動変速モードで選択される各変速比に対応して、車速とプライマリプーリ回転数との関連を示すマップが設けられている。このマップには、エンジン回転数をパラメータとして、プライマリプーリの許容回転数範囲を設定する過大回転判定ラインと、過小回転判定ラインとが設けられている。
そして、手動変速モードにおいて、アップスイッチまたはダウンスイッチの操作に応じて目標プライマリプーリ回転数が算出され、そのプライマリプーリ回転数に対応する目標エンジン回転数が、過大回転数あるいは過小回転数であると判断された場合は、目標変速比補正手段において、目標変速比がキャンセルされる。一方、目標エンジン回転数が許容回転数範囲である場合は、目標変速比補正手段において、目標変速比が出力される。なお、無段変速機における変速制御装置は、特許文献2および特許文献3にも記載されている。
特開平10−175461号公報 特開平7−301321号公報 特開平7−71556号公報
しかしながら、特許文献1に記載された無段変速機の変速制御装置においては、アップスイッチまたはダウンスイッチが操作された場合でも、そのスイッチの操作に基づいて算出される目標変速比がキャンセルされる場合があり、運転者が違和感を持つ可能性があった。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであり、運転者の変速操作と入力回転数の制御との対応関係に基づく違和感を、可及的に抑制することの可能な無段変速機の変速制御装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、予め設定されている変速条件に基づいて、入力回転数を選択する第1の変速モードと、運転者の変速操作に基づいて、入力回転数を選択する第2の変速モードとを有する無段変速機の変速制御装置において、前記第2の変速モードが選択されている場合に、最終的に選択可能な入力回転数の最低値を、車両の走行抵抗に基づいて定める第1の回転数制御手段と、前記最低値未満の入力回転数を選択する運転者の変速操作が継続された場合は、前記最低値未満の入力回転数を、最終的な入力回転数として選択可能にする第2の入力回転数制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、第1の変速モードと第2の変速モードとを切換可能であり、第2の変速モードが選択されている場合に、最低値未満の入力回転数を選択する運転者の変速操作が継続された場合は、最低値未満の入力回転数を、最終的な入力回転数として選択可能にすることができる。したがって、運転者の意図する入力回転数を選択可能であり、違和感を解消できるとともに、ドライバビリティが向上する。
つぎに、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。まず、この発明を適用できる車両のパワートレーン、およびその車両の制御系統の一例を、図2に示す。図2に示す車両Veにおいては、エンジン1と車輪2との間の動力伝達経路に、流体伝動装置3、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6などが設けられている。
また、流体伝動装置3およびロックアップクラッチ4は、エンジン1と前後進切り換え機構5との間の動力伝達経路に設けられており、流体伝動装置3とロックアップクラッチ4とは相互に並列に配置されている。流体伝動装置3は、流体の運動エネルギにより動力を伝達する装置であり、ロックアップクラッチ4は、摩擦力により動力を伝達する装置である。前後進切り換え機構5は、入力部材に対する出力部材の回転方向を、選択的に切り換える装置である。
ベルト式無段変速機6は、前後進切り換え機構5と車輪2との間の動力伝達経路に設けられている。ベルト式無段変速機6は、相互に平行に配置されたプライマリシャフト7およびセカンダリシャフト8を有している。このプライマリシャフト7にはプライマリプーリ9が設けられており、セカンダリシャフト8にはセカンダリプーリ10が設けられている。プライマリプーリ9は、プライマリシャフト7に固定された固定シーブ11と、プライマリシャフト7の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ12とを有している。そして、固定シーブ11と可動シーブ12との間に溝M1が形成されている。
また、この可動シーブ12をプライマリシャフト7の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ12と固定シーブ11とを接近・離隔させる油圧サーボ機構13が設けられている。この油圧サーボ機構13は、油圧室19と、油圧室19の油圧に応じてプライマリシャフト7の軸線方向に動作し、かつ、可動シーブ12に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。
一方、セカンダリプーリ10は、セカンダリシャフト8に固定された固定シーブ14と、セカンダリシャフト8の軸線方向に移動できるように構成された可動シーブ15とを有している。そして、固定シーブ14と可動シーブ15との間にはV字形状の溝M2が形成されている。
また、この可動シーブ15をセカンダリシャフト8の軸線方向に動作させることにより、可動シーブ15と固定シーブ14とを接近・離隔させる油圧サーボ機構16が設けられている。この油圧サーボ機構16は、油圧室100と、油圧室100の油圧によりセカンダリシャフト8の軸線方向に動作し、かつ、可動シーブ15に接続されたピストン(図示せず)とを備えている。上記構成のプライマリプーリ9およびセカンダリプーリ10に、無端状のベルト17が巻き掛けられている。
一方、ベルト式無段変速機6の油圧サーボ機構13,16およびロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を制御する機能を有する油圧制御装置18が設けられている。さらに、エンジン1、ロックアップクラッチ4、前後進切り換え機構5、ベルト式無段変速機6、油圧制御装置18を制御するコントローラとしての電子制御装置52が設けられており、この電子制御装置52は、演算処理装置(CPUまたはMPU)および記憶装置(RAMおよびROM)ならびに入出力インターフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
この電子制御装置52には、シフトポジション選択装置50の操作状態、変速比選択装置53の操作状態、エンジン回転数、加速要求(例えばアクセルペダルの操作状態)、制動要求(例えば、ブレーキペダルの操作状態)、スロットルバルブの開度、プライマリシャフト7の回転数、セカンダリシャフト8の回転数などの検知信号が入力される。シフトポジション選択装置50としては、レバー式、押しボタン式、タッチパネル式、回転ノブ式などの各種の構成を用いることが可能である。また、シフトポジション選択装置50は、足で操作する構造、または手で操作する構造のいずれでもよい。このシフトポジション選択装置50を、車両の乗員が操作することにより、パーキング(P)ポジション、リバース(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション、ドライブ(D)ポジション、マニュアル(M)ポジションなどを選択的に切換可能である。
ここで、リバースポジションが選択された場合は、ベルト式無段変速機6の変速比が固定され、ドライブポジションまたはマニュアルポジションが選択された場合は、ベルト式無段変速機6の変速比を固定または変更可能である。このベルト式無段変速機6の変速比を制御する場合に、自動変速モードまたは手動変速モードが起動する。この実施例においては、ドライブポジジョンが選択された場合は、自動変速モードが起動し、マニュアルポジションが選択された場合は、手動変速モードが起動する。自動変速モードとは、電子制御装置52に入力される信号、例えば、車速、加速要求などの信号と、電子制御装置52に記憶されているデータとに基づいて、ベルト式無段変速機6を制御するモードである。手動変速モードとは、変速比選択装置53の操作状態、および電子制御装置52に記憶されているデータに基づいて、ベルト式無段変速機6を制御することの可能なモードである。
前記変速比選択装置53は、レバー式、押しボタン式、タッチパネル式、回転ノブ式などの各種の構成を用いることが可能である。ここでは、変速比選択装置53が、ダウンシフトレバー53Aおよびアップシフトレバー53Bを有しているものとして説明する。一方、電子制御装置52から、エンジン1を制御する信号、ベルト式無段変速機6を制御する信号、前後進切り換え機構5を制御する信号、ロックアップクラッチ4を制御する信号、油圧制御装置18を制御する信号などが出力される。
つぎに、図2に示す車両Veにおける動力伝達作用を説明する。エンジン1の動力は、流体伝動装置3またはロックアップクラッチ4、および前後進切り換え機構5を経由して、ベルト式無段変速機6のプライマリシャフト7に伝達される。プライマリシャフト7のトルクは、プライマリプーリ9、ベルト17、セカンダリプーリ10を介してセカンダリシャフト8に伝達される。そして、セカンダリシャフト8のトルクが車輪2に伝達されて駆動力が発生する。
図2に示す車両Veの制御系統の機能を説明する。電子制御装置52には各種のデータが記憶されており、電子制御装置52に入力される信号、および記憶されているデータに基づいて、エンジン1、ベルト式無段変速機6、前後進切り換え機構5、ロックアップクラッチ4、油圧制御装置18などが制御される。ベルト式無段変速機6の変速制御について説明すると、油圧室19の油圧に基づいて、プライマリプーリ9の可動シーブ12を軸線方向に動作させる推力が調整される。また、油圧室100の油圧により、セカンダリプーリ10の可動シーブ15を軸線方向に動作させる推力が調整される。
そして、ベルト式無段変速機6においては、可動シーブ12に加えられる推力と、可動シーブ15に加えられる推力との対応関係により、プライマリプーリ9の溝M1の幅、およびセカンダリプーリ10の溝M2の幅が変化して、プライマリプーリ9におけるベルト17の巻き掛け半径と、セカンダリプーリ10におけるベルト17の巻き掛け半径との比が変化する。このようにして、プライマリシャフト7およびプライマリプーリ9の回転数(入力回転数)と、セカンダリシャフト8およびセカンダリプーリ10の回転数(出力回転数)との比である変速比が制御され、かつ、ベルト式無段変速機6のトルク容量が制御される。
つぎに、ベルト式無段変速機6を制御するモードについて説明する。まず、ドライブポジションが選択されて、自動変速モードが起動した場合は、車速、加速要求を示す信号、および電子制御装置52に記憶されている変速マップに基づいて、ベルト式無段変速機6の目標入力回転数が算出され、ベルト式無段変速機6の実入力回転数を、目標入力回転数に近づけるように、ベルト式無段変速機6の変速比が制御される。なお、車速は、セカンダリシャフト8の回転数に基づいて算出される。この自動変速モードが起動された場合は、エンジン1の運転状態が最適燃費線に沿ったものとなるように、ベルト式無段変速機6の変速比が制御される。この最適燃費線は、エンジン出力、すなわちトルクおよび回転数をパラメータとして設定されている。
つぎに、手動変速モードが起動された場合について説明する。この手動変速モードが起動された場合は、自動変速モードで用いられる条件に関わりなく、ベルト式無段変速機6の入力回転数および変速比を、運転者が任意に制御することが可能である。例えば、ダウンシフトレバー53Aが操作された場合は、ダウンシフト制御、つまり、ベルト式無段変速機6の変速比を大きくする変速が実行される。これに対して、アップシフトレバー53Bが操作された場合は、アップシフト制御、つまり、ベルト式無段変速機6の変速比を小さくする変速が実行される。なお、手動変速モードが選択されている場合に、ダウンシフトレバー53Aおよびアップシフトレバー53Bが、共に操作されていない場合は、ベルト式無段変速機6の変速比は略一定に制御される。
つぎに、図2に示された車両Veにおいて実行可能な制御例を、図1のフローチャートに基づいて説明する。まず、手動変速モードが起動しているか否かが判断される(ステップS1)。このステップS1で肯定的に判断された場合は、アップシフトレバー53Bが操作されているか否かが判断される(ステップS2)。このステップS2で肯定的に判断された場合は、図1の制御ルーチンを前回実行した際に、アップシフトレバー53Bが操作されていたか否かが判断される(ステップS3)。このステップS3で否定的に判断された場合は、アップシフトレバー53Bの操作に基づいて算出される入力回転数KNINSTEPを、ベルト式無段変速機6の目標入力回転数に代入する処理が実行される(ステップS4)。
このステップS4においては、電子制御装置52に記憶されている手動変速モード用のマップ(図示せず)が用いられる。この手動変速用のマップは、アップシフトレバー53Bの操作時間に基づいて、目標入力回転数の低下程度などを定めたマップである。前記の入力回転数KNINSTEPは、アップシフト操作に応じて、ステップ的に低下させるべき入力回転数である。また、アップシフトレバー53Bの操作時間に基づく目標入力回転数の低下程度は、エンジン1の運転状態との適合性を考慮して設定されており、加速要求および車速とは関係なく目標入力回転数が設定される。
上記のステップS4についで、ステップS4で算出された目標入力回転数NINTが、入力回転数の最高値NINMAXを越えているか否かが判断される(ステップS5)。このステップS5、および後述するステップS7,S9,S17の処理を実行する場合に用いられるマップの一例を、図3に示す。図3に示すマップにおいては、横軸に車速が示され、縦軸にベルト式無段変速機6の入力回転数が示されている。また、図3のマップにおいて、γmax ガードは、ベルト式無段変速機6の変速比の最大値γmax に対応する目標入力回転数のガード値であり、γmin ガードは、ベルト式無段変速機6の変速比の最小値γmin に対応する目標入力回転数のガード値である。
ここで、ベルト式無段変速機6の変速比の最大値および最小値は、プライマリプーリ9およびセカンダリプーリ10の有効内径および有効外径などに基づいて決定される。また、NINMAXは、ベルト式無段変速機6の入力回転数の最高値(ガード値)であり、NINMINは、ベルト式無段変速機6の入力回転数の最低値(ガード値)である。ベルト式無段変速機6の入力回転数の最高値および入力回転数の最低値は、エンジン1の特性および機能、あるいは車両Veの走行状態に基づいた要求出力などに基づいて決定される。
そして、ステップS5で肯定的に判断された場合は、図3のマップに示された入力回転数の最大値NINMAXを、目標入力回転数NINTとして代入する処理と、入力回転数の最大値NINMAXを、実出力回転数NOUTで除して算出される変速比を、目標変速比γTに代入する処理とを実行し(ステップS6)、図1の制御ルーチンを終了する。
一方、ステップS5で否定的に判断された場合は、変速比の最大値γmax と実出力回転数NOUTとを乗算して求められる値が、目標入力回転数NINT未満であるか否かが判断される(ステップS7)。このステップS7で肯定的に判断された場合は、変速比の最大値γmax と実出力回転数NOUTとを乗算して求められる値を、目標入力回転数NINTに代入し、かつ、変速比の最大値γmax を、目標変速比γTに代入し(ステップS8)、図1の制御ルーチンを終了する。
さらに、ステップS7で否定的に判断された場合は、変速比の最小値γmin と実出力回転数NOUTとを乗算して求められる値が、目標入力回転数NINTを越えているか否かが判断される(ステップS9)。このステップS9で肯定的に判断された場合は、変速比の最小値γmin と実出力回転数NOUTとを乗算して求められる値を、目標入力回転数NINTに代入し、かつ、変速比の最大値γmin を、目標変速比γTに代入し(ステップS10)、図1の制御ルーチンを終了する。さらに、ステップS9で否定的に判断された場合は、図1の制御ルーチンを終了する。
ところで、ステップS3で肯定的に判断されるということは、アップシフトレバー53Bが、継続的に操作されていることを意味する。このように、ステップS3で肯定的に判断された場合は、前回のルーチン実行時に算出された目標入力回転数NINTに、アップシフトレバー53Bの継続的な操作に応じた回転数KCONTINUEを加算して、新たな目標入力回転数NINTを算出する制御が実行されるとともに、新たな目標入力回転数NINTを、実出力回転数NOUTで除した値を、目標変速比γTとして代入する処理が実行される(ステップS11)。なお、上記回転数KCONTINUEは、アップシフトレバー53Bの継続的な操作に対応する回転数の低下量を意味する。
上記のステップS11についで、目標入力回転数NINTが、車両Veの走行抵抗に基づく最低回転数NINGDL未満であるか否かが判断される(ステップS12)。このステップS12の判断においては、図3に示すマップを用いることが可能である。最低回転数NINGDLは、車速および道路勾配をパラメータとして設定されている。ここで、車速が同じであれば、最低回転数NINGDLは、変速比の最小値γmin に対応する目標入力回転数のガードよりも高く設定されている。この最低回転数NINGDLは、エンジン1の出力特性と、道路勾配に応じた走行抵抗とに基づいて、駆動力不足を抑制できるような値に設定されている。なお、この最低回転数NINGDLは、道路勾配に応じて変更が可能である。具体的には、車速が同じであっても、異なる最低回転数NINGDLを設定可能である。このステップS12で否定的に判断された場合は、フラグ1をオフし(ステップS13)、ステップS5に進む。このフラグ1は、目標入力回転数NINTが、最低回転数NINGDL未満であることを意味するフラグである。
一方、ステップS12で肯定的に判断された場合は、この制御ルーチンが前回実行された時点で、フラグ1が既にオンされているか否かが判断される(ステップS14)。このステップS14で否定的に判断された場合は、フラグ1をオンし、かつ、タイマをスタートする制御が実行され(ステップS15)、ステップS16に進む。これに対して、ステップS14で肯定的に判断された場合は、ステップS15を実行することなく、ステップS16に進む。ステップS16においては、前記タイマのスタート時点からの経過時間が所定値を越えたか否かが判断され、このステップS16で否定的に判断された場合は、図3に示された最低回転数NINGDLを、目標入力回転数NINTに代入する制御を実行し、かつ、リジェクト警報を出力し(ステップS17)、ステップS5に進む。このリジェクト警報とは、「アップシフトレバー53Bの操作に対応して、目標入力回転数を設定する制御」が拒否されたということを、運転者に認識させるための警報である。この警報は、音声、文字、ランプなどにより発生する。なお、ステップS16で肯定的に判断された場合は、ステップS17の処理を実行することなく、ステップS5に進む。
前記ステップS2で否定的に判断された場合は、アップシフトレバー53Bの操作終了時点に選択されていた目標変速比γTと、実出力回転数NOUTとを乗算して、目標入力回転数NINTを算出する制御が実行され(ステップS18)、ステップS5に進む。このステップS18の処理により、アップシフトレバー53Bの操作終了時点に選択されていた目標変速比γTを、アップシフトレバー53Bの操作の終了後に維持するように、目標入力回転数NINTが制御される。なお、ステップS1で否定的に判断された場合は、図1に制御ルーチンを終了する。すなわち、車速、加速要求(アクセル開度)をパラメータとして、ベルト式無段変速機6の目標入力回転数を定めた「自動変速モード用のマップ」に基づいて、ベルト式無段変速機6の変速比が制御される。
つぎに、図1の制御例に対応するタイムチャートの一例を、図4に基づいて説明する。この図4は、図1のステップ3で肯定的に判断されてステップS16に進み、このステップS16で肯定的に判断され、その後、ステップS2で否定的に判断され、ステップS18に進んだ場合に相当するタイムチャートである。図4のタイムチャートでは、車速が緩やかに上昇する場合を想定している。まず、時刻t1以前においては、アップシフトレバー53Bが操作されていないため、アップシフト操作信号が「零」となっている。なお、ダウンシフトレバー53Aも操作されていない。また、車速および目標入力回転数は徐々に上昇し、目標変速比は略一定となっている。さらに、タイマは停止(「零」)しており、リジェクト信号もオフ(「零」)となっている。さらに、目標入力回転数は、「走行抵抗から求められる最低回転数」を越えている。
時刻t1でアップシフトレバー53Bが操作されると、アップシフト操作信号がオン(「1」)に切り替わり、目標入力回転数が低下し、かつ、目標変速比が小さくなる。そして、アップシフトレバー53Bの操作が継続されて、時刻t2で、アップシフトレバー53Bの操作に基づいて算出される目標入力回転数が、走行抵抗に応じた最低回転数未満になった場合は、目標入力回転数が「走行抵抗に応じた最低回転数」に固定される。さらに、時刻t2でリジェクト信号がオン(「1」)に切り替わり、かつ、タイマがスタートされる。
そして、アップシフトレバー53Bの操作が継続されて、時刻t4でタイマが所定値を越えると、目標入力回転数が、走行抵抗に応じた最低回転数未満に設定され、かつ、目標変速比も小さくなっている。ついで、時刻t5でアップシフトレバー53Bの操作が終了している。ここで、時刻t5以降も、ダウンシフトレバー53Aは操作されていないものとする。このため、時刻t5以降においては、時刻t5で選択されていた目標変速比が維持されるように、目標入力回転数が制御される。
つぎに、第1の制御例に対応するタイムチャートの他の例を、図5に基づいて説明する。この図5のタイムチャートは、図1のステップ3で肯定的に判断されてステップS16に進み、このステップS16で否定的に判断されて図1の制御ルーチンを一旦終了し、つぎのルーチン実行時に、ステップS2で否定的に判断され、ステップS18に進んだ場合に相当するタイムチャートである。この図5のタイムチャートも、車速が緩やかに上昇する場合を想定している。この図5において、時刻t2以前における各パラメータの状態は、図4のタイムチャートと同じである。図5のタイムチャートにおいては、タイマの継続時間が所定値を越える以前の時刻t3で、アップシフト操作信号が「零」となり、かつ、リジェクト信号が「零」に制御されている。このため、時刻t3以降は、時刻t3で選択されていた目標変速比を維持するように、目標入力回転数が制御される。
以上のように、図1の制御例によれば、ステップS16で否定的に判断された場合は、目標入力回転数が、走行抵抗に基づく最低値に保持される。したがって、「アップシフトレバー53Bの操作により、ベルト式無段変速機6の変速比が大きくなりすぎて、駆動力不足に陥ること」を回避することが可能である。また、目標入力回転数が、走行抵抗に基づく最低値に保持されている場合に、更に、運転者がアップシフトレバー53Bを操作している場合は、「走行抵抗に基づく最低値に目標入力回転数を保持する制御」よりも、運転者の意図を優先し、目標入力回転数として、走行抵抗に基づく最低値未満の入力回転数を選択することが可能である。したがって、ドライバビリティが向上する。
ここで、図1に示された機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS1、ステップS2、ステップS3、ステップS11、ステップS12、ステップS14を経由してステップS16に進み、ステップS16で否定的に判断されて、ステップS17に進む処理が、この発明の第1の回転数制御手段に相当する。また、ステップS1、ステップS2、ステップS3、ステップS11、ステップS12、ステップS14、を経由してステップS16に進み、ステップS16で否定的に判断されて、ステップS5、ステップS7、ステップS9、ステップS10に進むルーチンが、この発明の第2の入力回転数制御手段に相当する。
また、自動変速モードが、この発明の第1の変速モードに相当し、自動変速モード用のマップが、この発明の「予め設定されている変速条件」に相当する。また、手動変速モードが、この発明の第2の変速モードに相当し、「変速比選択装置53を操作すること」が、この発明の「運転者の変速操作」に相当し、最低回転数NINGDRLが、この発明の「車両の走行抵抗に基づいて定められ、かつ、最終的に選択可能な入力回転数の最低値」に相当する。
なお、この実施例において、入力回転数と等価のパラメータである入力回転速度を用い、出力回転数と等価のパラメータである出力回転速度を用いることも可能である。さらに、車両Veのパワートレーンを示す図2においては、無段変速機としてベルト式無段変速機6が挙げられているが、他の無段変速機、例えば、トロイダル式無段変速機を有する車両に、この発明を適用することも可能である。このトロイダル式無段変速機は、トロイダル面を有する入力ディスクおよび出力ディスクと、各ディスクに対して接触するパワーローラとを有する変速機である。入力ディスクは入力回転部材に連結され、出力ディスクは出力回転部材に連結される。各ディスクとパワーローラとの接触面には潤滑油が存在する。そして、パワーローラと各ディスクとの接触半径を調整することにより、入力回転部材と出力回転部材との間の変速比が制御される。また、各ディスクとパワーローラとの接触面圧を調整することにより、入力回転部材と出力回転部材との間で伝達されるトルクの容量が制御される。
さらに、この発明における無段変速機には、電動機と、差動回転可能な3つの回転要素を有する遊星歯車機構とを備えた無段変速機も含まれる。この場合、第1の回転要素が入力要素となり、第2の回転要素が出力要素となり、第3の回転要素が反力要素となる。そして、この第3の回転要素に電動機が連結され、電動機の回転数を制御することにより、第1の回転要素と第2の回転要素との間における変速比を、無段階に(連続的に)制御することが可能である。このような電動機および遊星歯車機構を有する無段変速機を、例えば、複数の駆動力源を有するハイブリッド車に用いることが可能である。
このようなハイブリッド車のパワートレーンの構成例としては、第1の駆動力源であるエンジンが第1の回転要素に連結され、第2の回転要素に第2の駆動力源であるモータ・ジェネレータが連結されたパワートレーンが挙げられる。そして、この電動機および遊星歯車機構を有する無段変速機において、自動変速モードと手動変速モードを切り換えられるように構成するとともに、その手動変速モードにおいて、運転者が意図するように、変速比を無段変速機の入力回転数および変速比制御できるように構成することが可能である。また、無段変速機を制御するアクチュエータとしては、油圧制御式のアクチュエータの他に電動式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータなどを用いることも可能である。
この発明の無段変速機の変速制御装置で実行可能な制御例を示すフローチャートである。 図1の制御例を実行可能な車両のパワートレーンおよび制御系統を示す概念図である。 図1の制御例で用いられるマップの一例を示す図である。 図1の制御例に対応するタイムチャートの一例を示す図である。 図1の制御例に対応するタイムチャートの他の例を示す図である。
符号の説明
1…エンジン、 6…ベルト式無段変速機、 7…プライマリシャフト、 8…セカンダリシャフト、 9…プライマリプーリ、 10…セカンダリプーリ、 52…電子制御装置、 53…変速比選択装置。

Claims (1)

  1. 予め設定されている変速条件に基づいて、入力回転数を選択する第1の変速モードと、運転者の変速操作に基づいて、入力回転数を選択する第2の変速モードとを有する無段変速機の変速制御装置において、
    前記第2の変速モードが選択されている場合に、最終的に選択可能な入力回転数の最低値を、車両の走行抵抗に基づいて定める第1の回転数制御手段と、
    前記最低値未満の入力回転数を選択する運転者の変速操作が継続された場合は、前記最低値未満の入力回転数を、最終的な入力回転数として選択可能にする第2の入力回転数制御手段と
    を備えていることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
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