JP2005194803A - 河川感潮部におけるヘドロ除去方法 - Google Patents

河川感潮部におけるヘドロ除去方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 河川感潮部におけるヘドロを、小規模な装置により、効率的に除去できる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 水域底部にヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所によって形成したヘドロトラップを設け、ヘドロトラップ内に沈降堆積したヘドロを適宜除去する河川感潮部におけるヘドロ除去方法において、ヘドロトラップを、河川感潮部水域内で、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い水域、例えば、相対的に高い河床面を有する水域や、河川感潮部水域の両岸沿いの水域などに形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、水域におけるヘドロを効率的に除去するための技術に係り、特には、河川感潮部におけるヘドロ除去方法に関する。
従来、河川、湖沼、海洋等の水質汚濁は、重要な環境問題の一つとして、その対策法が種々開発され、又、実際にその対策がなされてきたが、余り効果が上がっていない状況にある。即ち、河川、湖沼、海洋等の水域の浄化は、主として、地上から又は水面に浮かべた船から、水底に堆積した土砂等をサクションポンプ等により浚渫し、浚渫物を凝集、脱水、不溶化、固化を行い、処理された泥を埋め立て又は元の水底に戻す、いわゆる浚渫により行われているが、浚渫物の広い水域への拡散や、還流水の拡散などの問題があり、多額の費用と期間を要しながら余り効果が上がっていない状況にある。
特に、微細な土砂等が泥状に堆積したヘドロは、風波や潮汐の干満等による水流の乱れでも容易に水底から再懸濁し、又、浮遊しながら水流と共に移動し易いため、一般的な浚渫によって効率良く水域から除去するのは極めて難しい。中でも都市の河川感潮部は、流域からの雨水や生活排水等が集中するエリアであり、水質悪化の要因物質の流入負荷が大きく、しかも潮汐の干満による水流の乱れが定常的に繰り返し生じる水域でもあり、河川感潮部のヘドロは、その効率的な除去は極めて困難であって、水質悪化と悪臭をもたらし、都市環境や海域環境の阻害要因の1つとなっている。
河川、湖沼、海洋等の水域の浄化に係る一般的な従来技術としては、例えば、特許文献1が挙げられ、特許文献1には、浚渫効率を向上させると共に、浚渫海域の汚濁を可能な限り少なくすることを目的として、分離された水を海に還流するに際し、それを吸引口近傍で逆噴出させる技術が開示されている。この文献には又、サクションポンプにより吸引した土砂と水とを分離する技術に関し、3つの従来技術、即ち、(1)フィルタープレスの如きものを用いて土砂をケーキ状に固める方法、(2)沈殿池に導入し沈降促進剤を投入して沈降分離させる方法、(3)サイクロン方式により土砂と水に分離する方法、が引用されている。
又、特許文献2には、大きな河川、湖沼、海洋等において、水域を分画し、コンパクトな施設で効果的、経済的な浚渫、浄化をできるようにすること等を目的として、水域の仕切壁と、その仕切壁で仕切られた水域毎に浄化する方法が開示されているが、この従来技術は、当然ながら、分画した全水域を順次浄化する必要があり、多額の費用と期間を要することにおいて大差はない。特に、容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロを除去しようとする際には、未浄化水域から浄化済み水域へのヘドロの移動により浄化水域の再汚濁が生じ易く、この従来技術は、本発明の意図するところのヘドロ除去に効果的に適用できる技術ではない。
かかる一般的な従来技術は、容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロへの配慮がなされていないという問題の他、堆積物を直接吸引する技術であって、ヘドロの堆積層が厚い場合にはある程度有効であるが、それが薄い場合、必要なヘドロを吸引するためには多量の水と共に吸引せざるを得ず、大規模な装置が必要となり、ヘドロを効率的に除去できず経済的でないという問題があった。
この問題を解決する技術として、水域のヘドロを水域内の特定の場所に集め回収しようとする方法が開示されている。例えば、特許文献3には、ヘドロ吸引容積を減少させ、処理設備を大幅に簡略化することを目的として、水底に人為的に形成した凹所或いは天然の凹所に、水底に堆積したヘドロを集め、集めたヘドロをその凹所に沈降濃縮させた後、その沈降濃縮させたヘドロを吸引するヘドロ処理方法が開示されている。然しながら、かかる技術では、具体的には、凹所にヘドロを集める手段と、それを凹所に沈降させる手段が問題になるが、この文献には、その凹所にヘドロを集める手段として、ヘドロ集積船に設置された掻き寄せ機と、それに連結し水底に配された掻き寄せ体が示され、ヘドロ集積船を移動させつつその掻き寄せ体によりヘドロを掻き寄せる方法が示されているのみである。
このヘドロを掻き寄せ体により凹所に集める方法では、ヘドロを掻き寄せる際に多量のヘドロの再懸濁が生じるのは避けられず、又、その浮遊したヘドロを凹所に沈降させる機能を有さず、再懸濁したヘドロを凹所に効果的に沈降集積させることはできない。又、水流等の状態によっては、再懸濁したヘドロの多くが浮遊しながら広範囲に移動し、ヘドロによる汚濁を周辺水域に拡散させることにもなりかねないという問題がある。即ち、この従来技術も又、容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロを、小規模な装置により、効率的に除去できる技術ではない。
又、特許文献4には、湖沼におけるヘドロの除去方法として、湖沼の水域底部に、ヘドロを堆積させるための人工的な凹所によって形成したヘドロトラップを設け、このヘドロトラップ上の水域に配置した水流減衰手段、例えば、草木等の自然物、金網や合成樹脂製ネット等からなるパネル状又はパイプ状の多孔部材、無孔の棒材や板材、又はそれらを適宜組み合わせた物等により、ヘドロトラップ上の水流を減衰させて、減衰した水流から浮遊状態にあるヘドロをヘドロトラップ内に沈降堆積させ、堆積したヘドロを適宜除去する技術が開示されている。この従来技術は、特許文献3に開示されたヘドロ除去方法において、水域のヘドロをヘドロトラップ上に集める手段として、ヘドロを再懸濁させそれを移動させる自然の波浪を利用し、浮遊状態にあるヘドロをヘドロトラップ内に沈降させる手段として、水流減衰手段を設けた技術である。
然しながら、この従来技術は、その利用する湖沼における自然の波浪は、風に基づき生じた波であって、これにより生じるヘドロの再懸濁は浅い水域以外では生じ難く、再懸濁しても水流が弱いためヘドロの移動は非常に少なく、従って、実効的にヘドロをヘドロトラップ上に集めるのは難しいという問題がある。又、この水流減衰手段は、水流を減衰させ実効的にヘドロを沈降させるためは、ヘドロトラップの全幅にわたりその上部水深の大半を占める構成とする必要があり、又、ヘドロが浮遊し移動してくる方向、即ち、風波の方向は不特定であるため、全方向からの水流に対して水流減衰が生じるような構成とせざるを得ない。このような構成の水流減衰手段は、浮遊状態のヘドロを沈降させその再懸濁を防止する効果があるものの、ヘドロを浮遊させた水流には抵抗体となり、ヘドロを浮遊させた水流はこの水流減衰手段を迂回するように流れ、水流減衰手段の下方の凹所へは有効に堆積が起こり難くなるという問題がある。即ち、この従来技術も又、容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロを、効率的に除去できる技術ではない。
又、特許文献5には、(イ)浄化すべき河川、湖沼、海洋の底面に、上下に面を有さないピット壁用函体を、その上端が水没しない程度に埋め込む工程と、(ロ)ピット壁用函体内部の河川等底面を掘削し、発生する泥水を外部に排出する工程と、(ハ)ピット壁用函体の上端を河川等の底面以下まで埋め込み、埋め込まれた函体により囲まれたピットを形成する工程と、(ニ)函体ピットより吸引した水を函体ピット外で放流し、その水流で河川等の底面に滞留したヘドロ等を函体ピット内に回収する工程と、(ホ)函体ピット内に回収したヘドロ等を函体ピット外へ搬出する工程と、からなる河川等の浄化方法が開示されている。
この(イ)〜(ハ)は、特許文献3などでいう凹所を形成する具体的な1形態であって、特許文献5は、(ニ)に示された、函体ピットから吸引した水の放流による水流で、河川等の底面に滞留したヘドロ等を函体ピット内に回収することを最大の特徴とした技術であるが、吸引・放流する水流により周辺広範囲の底面に滞留したヘドロを有効に函体ピット内に回収するためには、極めて大量の水流を必要とし、且つ、回収したヘドロを有効に函体ピット内に沈降集積させるためには、その大量の水流からヘドロを沈降させる手段が必要であるが、これらは極めて困難であり、ヘドロを有効に函体ピット内に回収するのは難しく、回収したヘドロの多くが函体ピット外に放流されてしまうという問題がある。
又、放流による函体ピット外底面に滞留していたヘドロの再懸濁や、函体ピット内で沈降せず水と共に吸引されたヘドロを同伴した放流水により、ヘドロ汚濁を周辺水域に拡散させることにもなりかねないという問題がある。更に又、大量の水の吸引、放流のために大規模な装置が必要になり、経済的ではないという問題がある。即ち、この従来技術も又、容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロを、小規模な装置により、効率的に除去できる技術ではない。
なお、特許文献6には、潮汐による干満差を利用した海水、又は、ダム湖等の上流より導水した水を、堰堤による貯水池又は貯水塔に貯水し、これを水位差ができた時点で放水して、その水流を駆動源としたエジェクターを用い沈澱堆積した土砂を連続的に吸引浚渫し、処分可能な所まで導き排出する、潮汐、落差等自然エネルギー利用の自動浚渫システムが開示されている。この従来技術は、潮汐をその干満差に基づく水流として利用しようとする技術であるが、エジェクターで吸引浚渫できる範囲は狭く、広い水域を効果的に浚渫するためには大規模なシステムを必要とし、又、吸引した土砂と水とを分離する場合、多量の水と共に連続的に吸引される土砂を処理できる大規模な分離システムを必要とするなどの問題があり、実用上、効果的に浚渫できる技術ではない。従って又、本発明の意図するところの、容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロを、小規模な装置により、効率的に除去できる技術ではない。
又、非特許文献1には、潮汐の干満等による水流の乱れで水底からヘドロが再懸濁する河川感潮部の水域底部に、ヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所によって形成したヘドロトラップ(非特許文献1中、「ヘドロ捕捉構造物」)を設け、ヘドロトラップ内に沈降堆積したヘドロを適宜除去する、河川感潮部におけるヘドロ除去方法が提案されている。この従来技術は、河川感潮部の浄化技術の確立を最終目的として、そのために先ず、現地調査により1潮汐間の流動、混合状態を把握することを主目的として行われた研究であるが、その中で河川感潮部用のヘドロトラップも提案されている
その提案されたヘドロトラップは、具体的には、その断面は、図1に示すように、ヘドロの沈降堆積部が凹所によって形成され、その両外側に所定の傾斜角を有する斜面が形成されており、この断面方向を流れ方向として、これが川幅全体にわたり設置されたものである。又、これを川幅全体にわたり設置するに際し、1個で川幅全体にわたり設置する形態の他、例えば、3m程度のものを並べて川幅全体にわたり設置する形態が示され、更に、流れ方向に何列か設置する形態も提案されている。なお、この両外側に設けられた所定の傾斜角を有する斜面は、その傾斜角によってトラップするヘドロの大きさを変えようとするものである。
この従来技術は、比較的大きく高濃度の懸濁体として底面を這うようにして流れるヘドロの除去には有効と思われるが、中層部や上層部まで浮上して流れるヘドロを有効に除去するのは困難であり、本発明の意図するところの、容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロを、小規模な装置により、効率的に除去できる技術としては未だ満足できるものではない。即ち、この従来技術は、ヘドロを堆積せしめる凹所を直線状に川幅全体にわたり設置しているが、周知の如く、川幅全体にわたっては大きな流速偏差が存在し、かかるヘドロトラップの構成では、流速が比較的遅い水域でヘドロが凹所に沈降したとしても、流速が早い水域では浮遊し易いヘドロが凹所から再懸濁し、効率よくヘドロを凹所に集積できないという問題がある。
又、両外側に設ける斜面は、ヘドロトラップを大規模化させる要因であり、この斜面の傾斜角は、トラップしようとするヘドロの大きさと共に流速によって決められるものであるが、大きな流速偏差が存在する川幅全体にわたってその適正な傾斜角の斜面とすることは、極めて困難でもあり、かかる斜面を要する構成は、ヘドロトラップを高価なものにしてしまうという問題がある。更に、川幅全体にわたり直線状に設置したヘドロトラップは、船舶などの交通の邪魔になる可能性があり、又、出水時に上流から運ばれてきた土砂の海域への流出を妨害してこれをヘドロトラップの上流側に堆積せしめ、更にはその土砂によって埋められる、或いは破壊される可能性が大きいという問題がある。
又、このヘドロトラップは、ヘドロトラップ内に沈降したヘドロの再懸濁を積極的に防止する手段を有さず、特に流速の速い水域、例えば、河川中央部においてヘドロの再懸濁が生じ易く、効率よくヘドロを除去することができないという問題がある。
即ち、非特許文献1に開示された従来技術は、大規模、高価な設備を必要とし、特には、中層部や上層部まで浮上して流れるヘドロを有効に除去するのは困難であり、更には、設備の設置自体についても種々の難点を有するものであって、本発明の意図するところの、容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロを、小規模な装置により、効率的に除去できる技術としては未だ満足できるものではない。なお、かかる河川感潮部において容易に再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いヘドロは、その除去が極めて困難なものであるが、河川感潮部の水質悪化の主要な要因物質となっているものである。
特開2002−266369号公報 特開平11−342383号公報 特開昭51−007738号公報 特開平02−258100号公報 特開平11−309488号公報 特開2003−232051号公報 渡邊健司:真締川感潮域の流動と水質について、山口大学大学院理工学研究科修士論文、2003.02.26
本発明は、河川感潮部の水域におけるヘドロを除去する技術に係る上述した状況に鑑みなされたもので、河川感潮部におけるヘドロを、小規模な装置により、効率的に除去できる方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、次のような構成の河川感潮部におけるヘドロ除去方法を採用する。即ち、請求項1の発明は、潮汐の干満等による水流の乱れで水底からヘドロが再懸濁する河川感潮部において、該河川感潮部の水域底部にヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所によって形成したヘドロトラップを設け、該ヘドロトラップ内に沈降堆積したヘドロを適宜除去する河川感潮部におけるヘドロ除去方法であって、該ヘドロトラップを形成する水域は、該河川感潮部水域内で、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い水域であることを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法である。
請求項2〜請求項4の発明は、ヘドロトラップを設置する水域の形態に係る発明であって、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ヘドロトラップを形成する水域は、相対的に高い河床面を有する水域であることを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法である。請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記ヘドロトラップを形成する水域は、前記河川感潮部水域の両岸沿いの水域であることを特徴とし、請求項4の発明は、そのヘドロトラップを形成する河川感潮部水域の両岸沿いの水域は、該両岸根固め工から概ね流水部幅の1/10以内の水域であることを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法である。
請求項5〜請求項8の発明は、ヘドロを選択的に堆積させるに好適なヘドロトラップの形態に係る発明である。即ち、請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の発明において、前記ヘドロトラップは、掃流砂の流入を防止しヘドロを選択的に沈降堆積させるため、周囲の河床面より高い縁をもつ人工的な凹所によって形成されたヘドロトラップであることを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法である。
請求項6の発明は、そのヘドロトラップの縁の高さが、周囲の河床面より概ね50cm以上高いことを特徴とし、請求項7の発明は、そのヘドロトラップの縁の高さが、平均干潮面より高いことを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法である。請求項8の発明は、請求項5乃至請求項7の発明において、前記周囲の河床面より高い縁をもつヘドロトラップは、その外周面が略鉛直の人工的な凹所によって形成されたヘドロトラップであることを特徴とする。
請求項9〜請求項11の発明は、ヘドロの再懸濁を防止する形態に係る発明である。即ち、請求項9の発明は、請求項1乃至請求項8の発明において、前記ヘドロトラップは、該ヘドロトラップ内に沈降したヘドロの再懸濁を妨止する手段を有することを特徴とし、請求項10の発明は、その再懸濁防止手段が、前記ヘドロトラップの上面開口部に設けた不撓性のメッシュ状、又は各室の形状が六角形に限定されない蜂房状の蓋であることを特徴とし、請求項11の発明は、請求項9又は請求項10の発明において、前記再懸濁防止手段は、前記ヘドロトラップの上面開口部の周辺に設けたリング状の蓋であることを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法である。
請求項12〜請求項14の発明は、ヘドロトラップの好適な構成の形態に係る発明である。即ち、請求項12の発明は、請求項1乃至請求項11の発明において、前記ヘドロトラップは、複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成し、該回収容器群を構成する複数の回収容器内及び回収容器間の空間領域を、ヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所としたヘドロトラップであることを特徴とし、請求項13の発明は、そのヘドロトラップが、河川の流下方向に前記回収容器群が複数配置されて形成されたヘドロトラップであることを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法である。
請求項14の発明は、請求項12又は請求項13の発明において、その筒状容器が、概ね直径0.5〜2.5m、高さ0.5〜1.5mのコンクリート製の円筒容器であることを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法である。
本発明によれば、以下、詳細に説明するように、水流の乱れで容易に水底から再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いためこれまで除去の効率が上がっていないヘドロを、潮汐の干満による水流の乱れが生じる河川感潮部に限り、ヘドロと河川感潮部の属性を有効に利用して水域のヘドロを水域内の特定の場所に集め回収することにより、小規模な装置により、効率的に除去することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明するが、先ず、本発明で除去しようとするヘドロの一般的な特性について説明する。ヘドロは、周知の如く、微細な土砂等が泥状に堆積した堆積物、若しくはその堆積物を構成しているものの総称であって、粒径も小さいため、風波や潮汐の干満等による水流の乱れでも容易に水底から再懸濁し、浮遊しながら水流と共に移動し易いという性質を有している。水流と共に移動したヘドロは、水の流速が小さくなると再び沈降を開始する。即ち、本発明で除去しようとするヘドロは、広範囲に拡散し易く、その除去が極めて困難な物質であるが、水質悪化と悪臭をもたらし、都市環境や海域環境の重要な阻害要因の1つとなっている環境汚染物質である。
本発明は、かかるヘドロを除去するに際し、水域のヘドロを水域内の特定の場所に集めて沈降濃縮させ、その沈降濃縮させたヘドロを処理することにより、効率よくヘドロ除去しようとする技術に係り、ヘドロ除去しようとする水域を河川感潮部に限定し、水域のヘドロを特定の場所に集める手段、及び集めたヘドロをその特定の場所に沈降させる手段として、潮汐の干満による流れを利用したものであって、そのヘドロを集め沈降濃縮させる特定の場所を、河川感潮部水域内で、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い水域としたものである。
即ち、本発明は、具体的には、潮汐の干満等による水流の乱れで水底からヘドロが再懸濁する河川感潮部において、河川感潮部の水域底部にヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所によって形成したヘドロトラップを設け、ヘドロトラップ内に沈降堆積したヘドロを適宜除去する河川感潮部におけるヘドロ除去方法であって、そのヘドロトラップを形成する水域を、河川感潮部水域内で、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い水域とするのが実施の形態である。
河川感潮部では、周知の如く、1日に2回又は1回生じる潮汐の干満により、入退潮のための河川の上・下流(逆流・順流)が繰り返し生起する。即ち、上げ潮時には逆流が生じ、下げ潮時には順流が生じ、満潮時と干潮時には概ね流れの停滞が生じる。本発明は、この繰り返し生起する流れ方向と流れの速度の変動を利用して、ヘドロを特定の場所に集め、その集めたヘドロをその特定の場所に沈降させるものであり、概ね流れが停滞し水位が高い満潮時が主に浮遊したヘドロが沈降する時間帯となり、その他は概ねヘドロが水底から再懸濁し、浮遊しながら水流と共に移動する時間帯となる。再懸濁は、主には、上げ潮時の水位が低い時間帯と、下げ潮時の水位が著しく低い時間帯に生じ、粒径にもよるが、底面近くで10cm/sec程度の流速があれば概ね巻き上がる。沈降は、粒径にもよるが、平均流速が1cm/sec程度になれば生じる。
かかる河川感潮部において、本発明の特徴とするところの、ヘドロトラップを形成する水域を、河川感潮部水域内で、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い水域とすることにより、小規模な装置により、効率的にヘドロ除去するという、本発明の目的を達成することができる。
即ち、河川感潮部は、その全ての水域において、ヘドロの再懸濁と沈降とが同じように生じるのではなく、相対的に流速が早く、堆積したヘドロが再懸濁し易く沈降し難い水域と、相対的に流速が遅く、浮遊状態にあるヘドロが沈降し易く再懸濁し難い水域とがあり、相対的に流速が遅くヘドロが沈降し易い水域にヘドロトラップを形成することにより、再懸濁を抑えながら、河川感潮部水域のヘドロを、自然の潮汐を利用してヘドロトラップに集めることができ、小規模な装置により、効率よく回収・処理することが可能になる。
本発明でヘドロトラップを形成する水域、即ち、相対的に流速が遅くヘドロが沈降し易い水域としては、具体的には、例えば、現況において相対的に高い河床面を有する水域が挙げられる。現況において相対的に高い河床面を有する水域は、通常、土砂等が堆積し易い水域であることを意味し、これを目処にして、ヘドロトラップを形成するに好適な水域を決定することができる。
本発明でヘドロトラップを形成する水域としては又、河川感潮部水域の両岸沿いの水域が挙げられ、河川感潮部水域の両岸沿いを目処として、ヘドロトラップを形成するに好適な水域を決定することもできる。その河川感潮部水域の両岸沿いの水域としては、本発明を限定するものではないが、特には、両岸根固め工から概ね流水部幅の1/10以内の水域が好適である。
即ち、河川の流れが概ね直線状の場合、通常、河川感潮部の河床面の形状は、中央部で低く左右の両岸部で高い、横断方向の勾配をもっているが、これは、繰り返される潮汐において、順流時、逆流時とも中央部で流速が大きく、底面せん断応力も大きいため、中央部では巻き上げ傾向、両岸部では堆積傾向となり、河川の中央部にあった微細な土砂が徐々に両岸部に運ばれそこに堆積した結果であって、この河床面横断方向の形状は、河川感潮部水域の両岸沿いを目処として、ヘドロトラップを形成するに好適な水域を決定できることを意味するものである。
なお、この中央部で深く両岸部で浅くなる横断方向の河床面形状は、流れによる摩擦力や水中での安息角低下などのために、一定以上の勾配になることはない。即ち、ヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所によって形成したヘドロトラップを設けない限り、ヘドロを河川の両岸部に厚く堆積させることができず、ここに河川感潮部水域のヘドロを効率よく集めることもできない。
ヘドロトラップを形成する河川感潮部水域の両岸沿いの水域としては、本発明を限定するものではないが、通常、両岸根固め工から概ね流水部幅の1/10以内の水域が、ヘドロが沈降し易く再懸濁し難い水域であり、又、ヘドロトラップの形成を容易に行うことができ、ヘドロトラップに堆積したヘドロを回収し易い水域でもあり、更に又、船舶等の通行の邪魔をする可能性の少ない水域でもあり、好適である。このヘドロトラップを形成する両岸沿いの水域としては又、通常の河川では、両岸の護岸の根固め工から2〜10m以内の水域が好適である。
ヘドロトラップを河川感潮部水域の両岸沿いに形成する具体的な形態としては、河川の流れが概ね直線状の河川感潮部において、対向する左右の両岸部に共に設ける形態の他、例えば、左右岸の一方の岸部にのみ設ける形態、対向する左右の両岸部に共に設けたヘドロトラップを流れ方向に複数配置する形態など、或いは、河川の流れが湾曲した河川感潮部において、湾曲部の一方の岸の根元部に設ける形態など、種々の形態が可能であり、本発明を特に限定するものではない。即ち、ヘドロトラップを河川感潮部水域の両岸沿いに形成するに際しては、ヘドロトラップを、その両岸沿いの水域の内、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い水域に形成する形態として実施すればよく、その詳細な形態は、本発明を何ら限定するものではない。
ヘドロトラップに沈降堆積させたヘドロは、適宜、例えば、地上から又は水面に浮かべた船等から、サクションポンプ等により浚渫し、その浚渫物に対し、凝集・分離、脱水、不溶化、固化などの処理を行い水域から除去するが、その具体的な除去方法は、従来技術などが制限無く使用できるものであり、本発明を限定するものではない。なお、処理されたヘドロは、埋め立て処分、或いは、肥料などとして有効利用される。
以上のような実施の形態によれば、本発明は、河川感潮部の内、相対的に流速が遅くヘドロが沈降し易い水域にヘドロトラップを形成することにより、再懸濁を抑えながら、河川感潮部水域のヘドロを、自然の潮汐を利用してヘドロトラップに集めることができ、小規模な装置により、効率よく除去することができる。
次に、第二の実施の形態として、ヘドロを選択的に堆積させるに好適なヘドロトラップについて説明する。即ち、本発明は、掃流砂の流入を防止しヘドロを選択的に沈降堆積させるため、周囲の河床面より高い縁をもつ人工的な凹所によって形成されたヘドロトラップを用いる形態として実施することができる。なお、掃流砂とは、河床面近くを転動して流下するような大きい粒子を意味し、これに対する浮流砂は、流れのかく乱により浮上し、水の流れの乱れにより浮遊状態を保ち水中を運ばれるような小さな粒子であって、本発明で除去の対象とするヘドロはこの浮流砂に含まれる。
周知の如く、河川感潮部の水域には、ヘドロに限らず、大小の土砂などが堆積するが、ヘドロトラップにこの土砂が容易に流入できる形態の場合、流入する土砂によりヘドロトラップが短期間で埋め尽くされ、堆積できるヘドロ量が大幅に減少することがあり、又、土砂を含み堆積したヘドロをヘドロトラップから吸引等により回収し、それを分離、再利用等をしようとする際には、吸引ポンプや分離機等に特別の配慮が必要となり、システムが大規模、高価になり、本発明の目的を達成できなくなることがある。
このため、第二の実施の形態では、周囲の河床面より高い縁をもつヘドロトラップを用いることによって、ヘドロトラップへの掃流砂の流入を防止し、ヘドロトラップに浮流砂であるヘドロを選択的に沈降堆積させるようにしたものである。このヘドロトラップの縁の高さは、発明を限定するものではないが、特には、周囲の河床面より概ね50cm以上の高さとするのが好ましく、又、平均干潮面より高くするのが好ましい。
即ち、河川感潮部では、砂の掃流は厚さ50cm以上になることはまず考えられず、ヘドロトラップの縁の高さを河床面から概ね50cm以上とすることによって、ヘドロトラップへの掃流砂の流入を防止し、ヘドロを選択的に沈降堆積させることができる。又、ヘドロトラップの縁の高さを平均干潮面より高くすることによって、特には、船舶の交通などに対する配慮が必要な都市の河川感潮部等において、その存在が日常意識され易くすることができ、これによって、ヘドロトラップの存在に基づく種々の問題の発生を防止することができる。
この周囲の河床面より高い縁をもつヘドロトラップは、非特許文献1のように、周囲に傾斜面を設けてもよいが、特には、その外周面を略鉛直とするのが好ましい。外周面を略鉛直とする構成によっても、掃流砂のヘドロトラップ内への進入を防止すると共に、ヘドロを効率よく除去することができ、更には、ヘドロトラップを、簡素、小規模なものにすることができる。
以上のような、掃流砂の流入を防止しヘドロトラップにヘドロを選択的に堆積させる、第二の実施の形態によれば、掃流砂でヘドロトラップが短期間に埋め尽くされるのを防止でき、又、ヘドロをヘドロトラップから吸引等により回収しそれを分離、再利用等をするための吸引ポンプや分離機等に特別の配慮を要せず、河川感潮部水域のヘドロを、簡素、小規模な装置により、効率よく除去することができる。
次に、第三の実施の形態として、堆積したヘドロの再懸濁を防止する手段を有するヘドロトラップについて説明する。即ち、本発明は、ヘドロトラップ内に沈降したヘドロの再懸濁を妨止する手段を有するヘドロトラップを用いて実施することができる。本発明のヘドロトラップは、相対的に流速が遅くヘドロが沈降し易い水域に形成されたものであり、かかる相対的に流速が遅い水域は、ヘドロトラップ内に沈降したヘドロが再懸濁し難い水域でもあるが、ヘドロトラップにヘドロの再懸濁を防止する手段を設けることにより、更に効率よくヘドロを除去することが可能になる。
その再懸濁防止手段としては、特に発明を限定するものではないが、例えば、ヘドロトラップの上面開口部に設けた不撓性のメッシュ状、又は各室の形状が六角形に限定されない蜂房状の蓋や、ヘドロトラップの上面開口部の周辺に設けたリング状の蓋が挙げられる。かかる蓋を用いる形態の場合、ヘドロが沈降する穴を有しその沈降を阻害しない不撓性の穴あきの蓋であり、その不撓性の性質と穴あきの蓋であることによりヘドロトラップ上方の水の乱れがヘドロトラップ内に及ぶことをほぼ完全に阻止することができる。そして、河川に形成されることに鑑み適度な強度を有する蓋であれば、如何様な形態で実施してもよい。
又、その再懸濁防止手段としては、例えば、ヘドロトラップの上面開口部に合わせた上開口部を有し、その上開口部とそれより小さい下開口部とを有するロート状の部材を用いることもできる。また、円筒状のヘドロトラップの上部開口部にロート上の部材を或いは、ヘドロトラップを、断面積を狭くした首部を有する構造、即ち、上部開口部と下部のヘドロ堆積部の間に断面積を狭くした首部を有する構造とし、その首部を再懸濁防止手段とする形態で実施することもできる。
かかる再懸濁防止手段を有するヘドロトラップを用いる第三の実施の形態によれば、大雨の発生など、ヘドロトラップを形成した水域の河床面を大きく撹乱するような強い流れがきた場合でも、流れが極端に早くない限り、その乱れがヘドロトラップに溜まったヘドロを巻き上げるのを防止することができ、河川感潮部水域のヘドロを、更に効率よく除去することができる。
次に、ヘドロトラップの構成についてその好ましい実施の形態を説明する。本発明のヘドロトラップは、上述のように、潮汐の干満等による水流の乱れで水底からヘドロが再懸濁する河川感潮部において、河川感潮部の水域底部にヘドロを沈降堆積させるために人工的に形成した凹所であって、壁面構成部材を河床面に打ち込みそれらに囲まれた領域を所定の深さに掘削する方法、予め掘削した部分に適当な壁面構成部材を囲設する方法、予め凹状に作製した構造材を河床面に置く方法などにより形成することができる。
かかる形成においてヘドロトラップは、その一部を水底に埋め込んで形成することもでき、又、水底に埋め込むことなく河床面に置くが如くして形成することもできるが、大水時などにおいても流失等することがないように、固定し、或いは、自重の大きいコンクリート構造物とするなどして形成しなければならない。
ヘドロトラップの詳細な形状としては、種々の形態が可能であり、例えば、上下の両端が開放された円筒状、その底面を有する筒状容器、両端が開放された四角状、その底面を有する四角容器、上下の両端が開放されて上端が大きい面積となるように置かれた錐台形状、その底面を有する錐台形状容器などが挙げられる。この錐台形状体および円錐形状容器はその上端でヘドロを受け止める面積が相対的に大きいため、ヘドロトラップ内のヘドロ堆積を促進し、ヘドロ除去を効果的にする効果がある。又、上面開口部の形状としては、この円形や四角形に限らず、例えば、楕円形、三角形、六角形などの形態として実施することもできる。又、その内面上下方向は、通常、略鉛直とすることが多く、その方がヘドロトラップの形成が容易になるが、これに限らず、例えば、上述の中間部を狭くしたヘドロトラップを形成するために、中間部が内側に湾曲した内面などとして実施することもでき、ヘドロトラップの詳細な形状は本発明を何ら限定するものではない。
本発明のヘドロトラップは、1つの人工的な凹所によって形成した構成の他、複数の凹所によって形成した構成も可能であり、例えば、複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成し、この回収容器群を構成する複数の回収容器内と共に、その回収容器間の空間領域を、ヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所としてヘドロトラップを構成することもできる。又、河川の流下方向に、その回収容器群を複数配置してヘドロトラップを形成する構成として実施することもできる。
回収容器群を複数配置して構成したヘドロトラップを河川感潮部水域の両岸沿いに形成する具体的な形態としては、例えば、対向する左右の両岸部に共に回収容器群を設ける形態の他、その対の回収容器群を更に流れ方向に複数配置する形態、左右の両岸に沿って互い違いに回収容器群を複数配置する形態、一方の岸部にのみ複数設ける形態など、種々の形態が可能であり、本発明を特に限定するものではない。即ち、回収容器群を複数配置してヘドロトラップを河川感潮部水域の両岸沿いに形成するに際しては、回収容器群を、その両岸沿いの水域の内、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い水域に形成する形態として実施すればよく、その詳細な形態は、本発明を何ら限定するものではない。
なお、複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成するに際し、その隣接配置する筒状容器間の間隔は、これを特に設けず隣接配置しても良いが、適当な間隔、例えば、筒状容器半径の〜1.5倍程度の間隔を設けて隣接配置することもできる。又、複数の筒状容器の隣接配置は、隣接する4つの筒状容器の中心が概ね四角形を形成するような配置の他、隣接する3つの筒状容器の中心が概ね三角形を形成するような配置など、種々の隣接配置が可能である。
ヘドロトラップの好適な大きさは、上述のヘドロトラップの構成方法にも係り、又、河川の流域面積や、河川感潮部水域の面積、その水深などによっても異なり、本発明を限定するものではないが、例えば、複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成する形態の場合、通常、その筒状容器は、概ね直径0.5〜2.5m、高さ0.5〜1.5mのコンクリート製の円筒容器とするのが好適である。
かかる筒状容器は、工場で作製することも可能であり、安価、且つ容易に作製することができ、又、河川感潮部への配置も容易である。例えば、予め複数の筒状容器を工場で作製して、ヘドロトラップを形成しようとする河床面を整地し、その整地面にトラック等により運んできた筒状容器をクレーン等によって設置することにより、そのヘドロトラップの形成を容易に行うことができる。なお、この移動可能な筒状容器は、当然のことながら、他の河川感潮部に移動させてこれを再使用することもできる。
以上、詳細に説明した実施の形態により、本発明は、水流の乱れで容易に水底から再懸濁し浮遊しながら水流と共に移動し易いためこれまで除去の効率が上がっていないヘドロを、潮汐の干満による水流の乱れが生じる河川感潮部に限り、ヘドロと河川感潮部の属性を有効に利用して水域のヘドロを水域内の特定の場所に集め回収することにより、小規模な装置により、効率的に除去することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。本発明の実施例として、複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成し、その回収容器群を河川感潮部の両岸沿いに複数配置してヘドロトラップを形成した例について説明する。図2は、その構成・配置を説明するための河川感潮部の概念的な断面図であって、河川感潮部の対向する両岸沿いに筒状容器をそれぞれ2列並べて、対向する両岸沿いの水域に一対の回収容器群を構成した状態を示す概念的な断面図である。図3は、その状態を示す概念的な平面図である。
図2には、平均満潮面と平均干潮面とを示したが、河川感潮部では、上述のように、1日に2回又は1回潮汐の干満が生じ、この入退潮のため逆流と順流が繰り返し生起する。この繰り返し生起する流れ方向の変動により、ヘドロの水底からの再懸濁傾向と、浮遊したヘドロの沈降傾向とが繰り返し生じる。即ち、概ね流れが停滞し水位が高い満潮時が主に浮遊したヘドロが沈降する時間帯となり、その他は概ねヘドロが水底から再懸濁し、浮遊しながら水流と共に移動する時間帯となる。
然しながら、河川感潮部の全ての水域において、ヘドロの再懸濁傾向と沈降傾向とが同じように生じるのではなく、相対的に流速が早く、堆積したヘドロが再懸濁し易く沈降し難い水域と、相対的に流速が遅く、浮遊状態にあるヘドロが沈降し易く再懸濁し難い水域とがあり、相対的に流速が遅くヘドロが沈降し易い水域にヘドロトラップを形成することにより、再懸濁を抑えながら、河川感潮部水域のヘドロを、自然の潮汐を利用してヘドロトラップに集めることができ、小規模な装置により、効率よく回収・処理することが可能となる。
本実施例は、河川感潮部の両岸沿いの水域を、河川感潮部水域内で、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い、ヘドロトラップを形成する水域として用いた例である。即ち、図2では河床面が横断方向に同じ高さで示されているが、通常、繰り返される潮汐により、河川の中央部にあった微細な土砂が徐々に両岸部に運ばれそこに堆積した結果として、河川感潮部の河床面の形状は、中央部で低く左右の両岸部で高い、横断方向の勾配をもっており、河川感潮部の両岸沿いの水域は、通常、ヘドロトラップを形成するに好適な水域である。
回収容器群を構成する筒状容器は、筒状のコンクリート構造物であって、図2に示すように、周囲の河床面より高く、平均干潮面よりも高い縁を有する筒状容器であり、水底に埋め込まれることなく、整地した河床面に隣接配置され回収容器群を構成している。
筒状容器の縁を周囲の河床面より高くすることにより、筒状容器への掃流砂の流入を防止し、筒状容器に浮流砂であるヘドロを選択的に沈降堆積させることができる。筒状容器の縁の高さを平均干潮面より高くすることによって、特には、船舶の交通などに対する配慮が必要な都市の河川感潮部等において、その存在が日常意識され易くなり、ヘドロトラップの存在に基づく種々の問題の発生を防止することができる。
なお、筒状容器には、図示を省略しているが、再懸濁防止手段として、その上面開口部に不撓性のメッシュ状の蓋が設けられており、大雨の発生など、筒状容器を配置した水域の河床面を大きく撹乱するような強い流れがきた場合でも、流れが極端に早くない限り、その乱れが筒状容器内に溜まったヘドロを巻き上げるのを防止することができ、河川感潮部水域のヘドロを、更に効率よく除去することができるようになっている。
複数の筒状容器は、図2、図3に示すように、河川感潮部の対向する両岸沿いに筒状容器をそれぞれ2列並べて、対向する両岸沿いの水域に一対の回収容器群を構成しており、その隣接配置する筒状容器間の間隔は、筒状容器半径と概ね同じ間隔であり、その隣接配置は、隣接する3つの筒状容器の中心が概ね三角形を形成するような配置となっている。
かかる複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成する実施例によれば、この回収容器群を構成する複数の回収容器内がヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所として機能すると共に、その回収容器間の空間領域を、ヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所として機能させることができ、極めて効率よく、ヘドロを除することができる。
回収容器群の配置は、上述の実施例の如く、両岸沿いの水域に対向して一対の回収容器群を配置する形態の他、種々の形態が可能であって、図4は、回収容器群を配置する形態の別の実施例を示したものである。即ち、図4は、回収容器群の設置域を四角で示しているが、その構成・配置を説明するための河川感潮部の概念的な平面図であって、河川感潮部の左右両岸に沿って互い違いに4つの回収容器群を配置した状態を示す概念的な平面図である。
以上、本発明の実施例を説明したが、特許請求の範囲で規定された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その形態や細部に種々の変更がなされても良いことは明らかである。
河川感潮部に人工的な凹所によって形成したヘドロトラップを設ける従来技術で提案されたヘドロトラップ(「ヘドロ捕捉構造物」)の概念的な断面図である。 複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成し、その回収容器群を河川感潮部の両岸沿いに複数配置してヘドロトラップを形成した本発明の実施例であって、その構成・配置を説明するための河川感潮部の概念的な断面図である。 複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成し、その回収容器群を河川感潮部の両岸沿いに複数配置してヘドロトラップを形成した本発明の実施例であって、その構成・配置を説明するための河川感潮部の概念的な平面図である。 複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成し、その回収容器群を河川感潮部の両岸沿いに複数配置してヘドロトラップを形成した本発明の別の実施例であって、両岸に沿って互い違いに4つの回収容器群を配置した状態を示す概念的な平面図である。

Claims (14)

  1. 潮汐の干満等による水流の乱れで水底からヘドロが再懸濁する河川感潮部において、該河川感潮部の水域底部にヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所によって形成したヘドロトラップを設け、該ヘドロトラップ内に沈降堆積したヘドロを適宜除去する河川感潮部におけるヘドロ除去方法であって、該ヘドロトラップを形成する水域は、該河川感潮部水域内で、相対的に流速が遅く浮遊状態にあるヘドロが沈降し易い水域であることを特徴とする河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  2. 前記ヘドロトラップを形成する水域は、相対的に高い河床面を有する水域であることを特徴とする請求項1記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  3. 前記ヘドロトラップを形成する水域は、前記河川感潮部水域の両岸沿いの水域であることを特徴とする請求項1記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  4. 前記ヘドロトラップを形成する河川感潮部水域の両岸沿いの水域は、該両岸根固め工から概ね流水部幅の1/10以内の水域であることを特徴とする請求項3記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  5. 前記ヘドロトラップは、掃流砂の流入を防止しヘドロを選択的に沈降堆積させるため、周囲の河床面より高い縁をもつ人工的な凹所によって形成されたヘドロトラップであることを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  6. 前記ヘドロトラップの縁の高さは、周囲の河床面より概ね50cm以上高いことを特徴とする請求項5記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  7. 前記ヘドロトラップの縁の高さは、平均干潮面より高いことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  8. 前記周囲の河床面より高い縁をもつヘドロトラップは、その外周面が略鉛直の人工的な凹所によって形成されたヘドロトラップであることを特徴とする請求項5乃至請求項7記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  9. 前記ヘドロトラップは、該ヘドロトラップ内に沈降したヘドロの再懸濁を防止する手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項8記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  10. 前記再懸濁防止手段は、前記ヘドロトラップの上面開口部に設けた不撓性のメッシュ状、又は各室の形状が六角形に限定されない蜂房状の蓋であることを特徴とする請求項9記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  11. 前記再懸濁防止手段は、前記ヘドロトラップの上面開口部の周辺に設けたリング状の蓋であることを特徴とする請求項9又は請求項10記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  12. 前記ヘドロトラップは、複数の筒状容器を隣接配置して回収容器群を構成し、該回収容器群を構成する複数の回収容器内及び回収容器間の空間領域を、ヘドロを沈降堆積させるための人工的な凹所としたヘドロトラップであることを特徴とする請求項1乃至請求項11記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  13. 前記ヘドロトラップは、河川の流下方向に前記回収容器群が複数配置されて形成されたヘドロトラップであることを特徴とする請求項12記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。
  14. 前記筒状容器は、概ね直径0.5〜2.5m、高さ0.5〜1.5mのコンクリート製の円筒容器であることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の河川感潮部におけるヘドロ除去方法。

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JP2008229447A (ja) * 2007-03-19 2008-10-02 Yamaguchi Univ 湖沼のヘドロ回収方法及びヘドロ回収装置
CN104195979A (zh) * 2014-07-24 2014-12-10 四川大学 河道交汇水流停滞区楔锥体及其构建方法与应用
CN104612103A (zh) * 2015-01-28 2015-05-13 吴龙华 一种感潮河流自净式生态t型引/取水方法

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