JP2005189891A - 可変光減衰器及びその作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可変光減衰器において、ロスが低減し、かつ偏波依存性が低減する。簡便で安価な可変光減衰器を作製する。光ファイバ内あるいは光導波路内の光のパワーを容易に制御する。
【解決手段】 基板上に光導波路あるいは光ファイバが設けられ、該光導波路あるいは光ファイバの光通過部分を切断する溝が設けられ、該溝にコレステリック−ネマチック相転移液晶、ポリマーネットワーク液晶、高分子分散型液晶のうちのいずれか1つが充填され、前記液晶に電界を印加する一対の電極が前記溝の前記光通過部分以外の部分に、当該電極によって前記液晶の光透過部分に印加される電界が光の進行方向と平行になるように設けられてなる可変光減衰器である。また電界を印加する一対の電極がファイバクラッドの周りに設置された可変光減衰器である。
【選択図】 図15
【解決手段】 基板上に光導波路あるいは光ファイバが設けられ、該光導波路あるいは光ファイバの光通過部分を切断する溝が設けられ、該溝にコレステリック−ネマチック相転移液晶、ポリマーネットワーク液晶、高分子分散型液晶のうちのいずれか1つが充填され、前記液晶に電界を印加する一対の電極が前記溝の前記光通過部分以外の部分に、当該電極によって前記液晶の光透過部分に印加される電界が光の進行方向と平行になるように設けられてなる可変光減衰器である。また電界を印加する一対の電極がファイバクラッドの周りに設置された可変光減衰器である。
【選択図】 図15
Description
本発明は、光導波路あるいは光ファイバで構成される光導波路アレイあるいは光ファイバアレイを伝搬する光の強度を可変に調整する可変光減衰器に適用して有効な技術に関するものである。
光ファイバによる光通信は、大容量の情報を高速に伝送することができるため、最近急速に実用化されつつある。従来は光ファイバの両端には、送信器と受信器がつながれた単純な1対1の通信が中心であった。しかし、近年、光スイッチの技術が進展したため、光信号を電気信号に変換することなく、光信号のままで切り替える光スイッチが実用化されている。
光スイッチでは、多数の光ファイバの光信号の行き先をそれぞれの方向に切り替える。光スイッチでは、スイッチングにより、光のパスの長さが変化し、また、通過する光スイッチ部が変化することにより、通過ロスが変化する。すなわち、たとえ入力側に同じ強度の光が入力されたとしても出力側では、その強度にばらつきがある。また、スイッチングにより、同じ出力端子でも光の強度が変化するという問題があった。
このため、光信号の切り替えに対応して、その強度を一定に保つように調整する可変光減衰器が必要になる。さらに、多端子である場合には可変光減衰器アレイが必要になる。光減衰器は、光シャッタ、オン・オフ(on/off)の光スイッチ、光源のレベル変動補正など非常に多くの分野で使用されている。
また、要求性能は、透明状態のロスが低く、低価格であり、電気制御可能であり、安価であり、アレイ化が容易であり、光ファイバのみでなく光導波路上にも形成可能であるといったことである。
また、光を分岐したり、合波したり、スイッチングしたり、波長ごとに分波・合波したりするため、光導波路が用いられる。
また、光を分岐したり、合波したり、スイッチングしたり、波長ごとに分波・合波したりするため、光導波路が用いられる。
ガラス光導波路は、シリコン(以下、Siと称する。)基板上に火炎堆積法によりガラス層を堆積し、ホトリソグラフィ技術により導波路(コア)を形成することにより作製される。
高分子導波路は、スピンコートなど簡便な方法で作製が可能である。ガラス光導波路、高分子導波路は、基本的にはパッシブ部品であるが、局所ヒータなどを設けることにより、導波路の一部の屈折率を変化させて、位相の制御を行うことができる。
しかしながら、従来のバルク型光制御素子は、部品点数が多く、各部品のアライメントの労力が大きいという問題があった。
また、バルク部品を用いるため、光制御素子の小型化に不向きであるという問題があった。
また、種々の光ファイバ、光導波路をそれぞれアレイ化した部品に適用することができなった。
本発明の目的は、光制御素子、特に可変光減衰器において、ロスを低減し、簡便で安価な光制御素子を作製することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光制御素子、特に可変光減衰器において、ロスを低減し、かつ偏波依存性を低減することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光制御素子、特に可変光減衰器において、ロスを低減し、偏波依存性を低減し、かつ簡便で安価な可変光減衰器を作製することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光制御素子、特に可変光減衰器において、光ファイバ内あるいは光導波路内の光のパワーを容易に制御することが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
また、バルク部品を用いるため、光制御素子の小型化に不向きであるという問題があった。
また、種々の光ファイバ、光導波路をそれぞれアレイ化した部品に適用することができなった。
本発明の目的は、光制御素子、特に可変光減衰器において、ロスを低減し、簡便で安価な光制御素子を作製することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光制御素子、特に可変光減衰器において、ロスを低減し、かつ偏波依存性を低減することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光制御素子、特に可変光減衰器において、ロスを低減し、偏波依存性を低減し、かつ簡便で安価な可変光減衰器を作製することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光制御素子、特に可変光減衰器において、光ファイバ内あるいは光導波路内の光のパワーを容易に制御することが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)基板上に光導波路あるいは光ファイバが設けられ、前記光導波路あるいは光ファイバの光通過部分を切断する溝が設けられ、前記溝に液晶が充填され、前記液晶に電界を印加する一対の電極が、前記溝の前記光通過部分の近傍の光通過部分以外の部分に、当該電極によって前記液晶の光通過部分に印加される電界が光の進行方向と平行になるように設けられてなり、前記液晶が、コレステリック−ネマチック相転移液晶、ポリマーネットワーク液晶、高分子分散型液晶のうちのいずれか1つであり、前記電極は、基板上に光導波路が設けられた場合には、導波路のクラッドの上面あるいは上下面に設けられ、基板上に光ファイバが設けられた場合には、光ファイバクラッドの周りに設けられてなる可変光減衰器である。
(2)前記手段(1)の可変光減衰器において、前記電極は、導波路の場合には蒸着した金属電極であり、光ファイバの場合には光ファイバクラッドの周りにコートした電極あるいは導電性ペーストである。
(3)基板上に光導波路あるいは光ファイバを形成し、前記光導波路あるいは光ファイバの光通過部分を切断する溝を形成し、該溝に、コレステリック−ネマチック相転移液晶、ポリマーネットワーク液晶、高分子分散型液晶のうちのいずれか1つの液晶を充填し、該液晶に電界を印加する一対の電極を、前記溝の前記光通過部分の近傍の光通過部分以外の部分に、当該電極によって前記液晶の光通過部分に印加される電界が光の進行方向と平行になるように形成する可変光減衰器の作製方法である。
(4)前記手段(3)の可変光減衰器において、基板上に光導波路を形成した場合には導波路のクラッドの上面あるいは上下面に金属電極を形成して前記電極を形成し、基板上に光ファイバを形成した場合には、光ファイバクラッドの周りに電極をコートしあるいは導電性ペーストでコートすることによって前記電極を形成する可変光減衰器の作製方法である。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)光制御素子において、非常にロスが低く、安価で、アレイ化が容易であり、光導波路上にも形成可能な可変光減衰器を実現できる。
(2)光制御素子において、ロスを低減し、かつ偏波依存性を低減することができる。
(3)光制御素子において、ロスを低減し、偏波依存性を低減し、かつ簡便で安価な可変光減衰器を作製することができる。
(4)可変光減衰器において、光ファイバ内あるいは光導波路内の光のパワーを容易に制御することができる。
(1)光制御素子において、非常にロスが低く、安価で、アレイ化が容易であり、光導波路上にも形成可能な可変光減衰器を実現できる。
(2)光制御素子において、ロスを低減し、かつ偏波依存性を低減することができる。
(3)光制御素子において、ロスを低減し、偏波依存性を低減し、かつ簡便で安価な可変光減衰器を作製することができる。
(4)可変光減衰器において、光ファイバ内あるいは光導波路内の光のパワーを容易に制御することができる。
以下、本発明について、図面を参照して実施の形態(実施例)とともに詳細に説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
(参考例1)
図1は、参考例1の光制御素子の概略構成を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は要部断面図である。図1において、101は光ファイバ(あるいは光導波路)、102は光ファイバアレイを固める樹脂、103は溝、104は金属フィルム電極、105は光ファイバコア部である。
参考例1の光制御素子は、図1に示すように、光ファイバ101あるいは光導波路に設けられた溝103に、金属フィルム電極104がスリット部113を形成するように挿入されており、この金属フィルム電極104で形成されるスリット部113から光ファイバコア部105を通る光が通過するようになっている。また、スリット部113は液晶(図示していない)が充填されている。このスリット部113に充填された液晶は、電場、電圧、電流に対して偏光板を使用しないでその透過率を可変できる。
ここで、充填する液晶としては、コレステリック−ネマチック相転移液晶を使用する、高分子分散型液晶、ダイナミックスキャッタリング液晶を用いてもよい。
図1は、参考例1の光制御素子の概略構成を示す図であり、(a)は外観斜視図、(b)は要部断面図である。図1において、101は光ファイバ(あるいは光導波路)、102は光ファイバアレイを固める樹脂、103は溝、104は金属フィルム電極、105は光ファイバコア部である。
参考例1の光制御素子は、図1に示すように、光ファイバ101あるいは光導波路に設けられた溝103に、金属フィルム電極104がスリット部113を形成するように挿入されており、この金属フィルム電極104で形成されるスリット部113から光ファイバコア部105を通る光が通過するようになっている。また、スリット部113は液晶(図示していない)が充填されている。このスリット部113に充填された液晶は、電場、電圧、電流に対して偏光板を使用しないでその透過率を可変できる。
ここで、充填する液晶としては、コレステリック−ネマチック相転移液晶を使用する、高分子分散型液晶、ダイナミックスキャッタリング液晶を用いてもよい。
前記参考例1の光制御素子の作製は、光導波路、あるいは光ファイバ101を薄い基板内に形成し、その光ファイバコア部105を切断するように幅20μmの溝103を形成し、溝幅に相当する厚さを持ち、20μm幅のスリット部113を通して光が通過するように、金属フィルム電極104を溝103に挿入する。さらに、前記スリット部113の内に液晶を充填し、光の通過方向に垂直に電圧を印加する。
そして、前記液晶としては、例えば、コレステリック−ネマチック相転移液晶あるいは高分子分散型液晶あるいはダイナミックスキャッタリング液晶を用いる。
また、前記光ファイバ101は、コアの一部が10μm以上30μm以下に拡大されている。
また、前記光ファイバ101の光ファイバコア部105と前記金属フィルム電極104がアレイ状に配置されており、電気鋳造によって前記金属フィルム電極104が作製されている。
そして、前記液晶としては、例えば、コレステリック−ネマチック相転移液晶あるいは高分子分散型液晶あるいはダイナミックスキャッタリング液晶を用いる。
また、前記光ファイバ101は、コアの一部が10μm以上30μm以下に拡大されている。
また、前記光ファイバ101の光ファイバコア部105と前記金属フィルム電極104がアレイ状に配置されており、電気鋳造によって前記金属フィルム電極104が作製されている。
図2は、通常のコレステリック−ネマチック相転移液晶の動作原理を説明するための図であり、(a)は電圧無印加状態のグランジャン配向のコレステリック液晶を示す図、(b)は電圧無印加状態のフォーカルコニック配向のコレステリック液晶を示す図、(c)は電圧印加状態のホメオトロピック配向のネマチック液晶を示す図である。図2において、106は透明電極、107は垂直配向膜、108はグランジャン配向のコレステリック液晶、109はガラス基板、110はフォーカルコニック配向のコレステリック液晶、111はホメオトロピック配向のネマチック液晶である。
コレステリック液晶は、ネマチック液晶分子が捻れて配列したものであり、2枚の透明電極106が付いたガラス基板109に垂直配向膜107を形成し、その間にネマチック液晶を充填すると、電圧無印加状態では、図2(a)に示すように、グランジャン配向のコレステリック液晶108となって光を反射するか、あるいは図2(b)に示すように、フォーカルコニック配向のコレステリック液晶110となり光を散乱する。
図2(a)もしくは図2(b)の状態から、透明電極106に電圧を印加すると、液晶分子の捻れがほどけて、電場に平行な方向に液晶分子が並び、図2(c)に示すように、ホメオトロピック配向のネマチック液晶111となり、透明になり光を透過する。
このコレステリック−ネマチック相転移液晶を用いると、偏光板を使用せずに光の透過率の可変が可能であるので、明るい平面ディスプレイとして商用化されているが、電圧無印加状態でも透過率が数%と高いので、コントラストが低く、平面ディスプレイとしては大きく普及するに至っていない。
コレステリック液晶は、ネマチック液晶分子が捻れて配列したものであり、2枚の透明電極106が付いたガラス基板109に垂直配向膜107を形成し、その間にネマチック液晶を充填すると、電圧無印加状態では、図2(a)に示すように、グランジャン配向のコレステリック液晶108となって光を反射するか、あるいは図2(b)に示すように、フォーカルコニック配向のコレステリック液晶110となり光を散乱する。
図2(a)もしくは図2(b)の状態から、透明電極106に電圧を印加すると、液晶分子の捻れがほどけて、電場に平行な方向に液晶分子が並び、図2(c)に示すように、ホメオトロピック配向のネマチック液晶111となり、透明になり光を透過する。
このコレステリック−ネマチック相転移液晶を用いると、偏光板を使用せずに光の透過率の可変が可能であるので、明るい平面ディスプレイとして商用化されているが、電圧無印加状態でも透過率が数%と高いので、コントラストが低く、平面ディスプレイとしては大きく普及するに至っていない。
図3は、参考例1の光制御素子に用いるスリット金属フィルム電極の概略構成を示す図であり、(b)は、(a)の丸印で囲んだ部分の拡大図であり、104は金属フィルム電極、112はスリット金属フィルム電極、113はスリット部である。
参考例1の光制御素子に用いるスリット金属フィルム電極112は、図3(a)及び図3(b)に示すように、スリット部113と金属フィルム電極104からなる。前記スリット部113は、間隔250μmピッチ、スリット幅20μm、厚さ20μmでアレイ状に配置されており、このスリット部113に、コレステリック−ネマチック相転移液晶が充填される。
このスリット金属フィルム電極112により、金属フィルム電極104間(スリット部113)に充填されたコレステリック−ネマチック相転移液晶に、光の進行方向に対して垂直に電場を印加することができる。
このような細いスリット部113を有するスリット金属フィルム電極112を作製するには、電気鋳造(エレクトロフォーミング)と呼ばれる技術を利用するとよい。エレクトロフォーミングは、エッチングとは逆の工程で、メッキによりパターンを形成する方法である。そのため、エッチングに比べてサイドエッチが少なく、垂直に切り立った細いスリットを作製することができる。
参考例1の光制御素子に用いるスリット金属フィルム電極112は、図3(a)及び図3(b)に示すように、スリット部113と金属フィルム電極104からなる。前記スリット部113は、間隔250μmピッチ、スリット幅20μm、厚さ20μmでアレイ状に配置されており、このスリット部113に、コレステリック−ネマチック相転移液晶が充填される。
このスリット金属フィルム電極112により、金属フィルム電極104間(スリット部113)に充填されたコレステリック−ネマチック相転移液晶に、光の進行方向に対して垂直に電場を印加することができる。
このような細いスリット部113を有するスリット金属フィルム電極112を作製するには、電気鋳造(エレクトロフォーミング)と呼ばれる技術を利用するとよい。エレクトロフォーミングは、エッチングとは逆の工程で、メッキによりパターンを形成する方法である。そのため、エッチングに比べてサイドエッチが少なく、垂直に切り立った細いスリットを作製することができる。
図4は、エレクトロフォーミングによる前記スリット金属フィルム電極112の作製方法を説明するための図である。
前記スリット金属フィルム電極112は、まず、図4(a)に示すように、母型(基板)112Aと呼ばれる電着金属の表面にレジストコート112Bを塗布し、図4(b)に示すように、そのレジストコート112B上にスリット金属フィルム電極パターン112Cを焼き付けた後、図4(c)に示すように、現像してレジストパターン112Dを形成する。その後、図4(d)に示すように、メッキによる電鋳加工を行い、図4(e)に示すように、レジストパターン112Dを除去した後、図4(f)に示すように、メッキ金属112Eを母型112Aから取り外すとスリット金属フィルム電極112が得られる。
この時、メッキ金属112E(金属フィルム電極104)を母型112Aから取り外した時、メッキ金属112E(金属フィルム電極104)の配列がみだれないようするため、メッキ金属112E(金属フィルム電極104)の端部を支持するメッキ金属支持フレームが同時に形成される。そして、このメッキ金属支持フレームは、金属フィルム電極104が配置された後、それぞれが電気的に短絡(ショート)しないように切断される。
前記スリット金属フィルム電極112は、まず、図4(a)に示すように、母型(基板)112Aと呼ばれる電着金属の表面にレジストコート112Bを塗布し、図4(b)に示すように、そのレジストコート112B上にスリット金属フィルム電極パターン112Cを焼き付けた後、図4(c)に示すように、現像してレジストパターン112Dを形成する。その後、図4(d)に示すように、メッキによる電鋳加工を行い、図4(e)に示すように、レジストパターン112Dを除去した後、図4(f)に示すように、メッキ金属112Eを母型112Aから取り外すとスリット金属フィルム電極112が得られる。
この時、メッキ金属112E(金属フィルム電極104)を母型112Aから取り外した時、メッキ金属112E(金属フィルム電極104)の配列がみだれないようするため、メッキ金属112E(金属フィルム電極104)の端部を支持するメッキ金属支持フレームが同時に形成される。そして、このメッキ金属支持フレームは、金属フィルム電極104が配置された後、それぞれが電気的に短絡(ショート)しないように切断される。
図5は、参考例1の光制御素子の制御部分の作製方法を説明するための図であり、114はガラス基板、115は液晶層である。
参考例1の光制御素子の制御部分は、図5(a)及び図5(b)に示すように、前記エレクトロフォーミングにより作製したスリット金属フィルム112を2枚のガラス基板114で挟んだ後、スリット金属フィルム112間に液晶層115として、コレステリック−ネマチック相転移液晶を充填してある。ここで、スリット金属フィルム112及びガラス基板114には垂直配向膜を形成するのが、素子の特性上望ましい。
コレステリック−ネマチック相転移液晶が充填された液晶層115は、スリット金属フィルム電極104の間(スリット部113)に電圧を印加していないときは入射光を反射もしくは散乱してしまうが、スリット金属フィルム電極104の間に電圧を印加すると、ガラス基板114に対して垂直に入射した光は液晶層115を透過する。
参考例1の光制御素子の制御部分は、図5(a)及び図5(b)に示すように、前記エレクトロフォーミングにより作製したスリット金属フィルム112を2枚のガラス基板114で挟んだ後、スリット金属フィルム112間に液晶層115として、コレステリック−ネマチック相転移液晶を充填してある。ここで、スリット金属フィルム112及びガラス基板114には垂直配向膜を形成するのが、素子の特性上望ましい。
コレステリック−ネマチック相転移液晶が充填された液晶層115は、スリット金属フィルム電極104の間(スリット部113)に電圧を印加していないときは入射光を反射もしくは散乱してしまうが、スリット金属フィルム電極104の間に電圧を印加すると、ガラス基板114に対して垂直に入射した光は液晶層115を透過する。
図6は、参考例1の光制御素子の制御部の透過率−印加電圧特性を示す図である。前記スリット金属フィルム電極104の電場は、光の入射方向に対して垂直に印加される。電圧無印加時には、不透明なフォーカルコニック配向のコレステリック液晶であり、光は透過せず散乱される。電圧印加時には、液晶分子が基板と平行な方向に配向し、透明なホメオトロピック配向のネマチック液晶になるので、光が透過する。
この時、図6に示すように、印加する電圧の大きさとともに、透過率が向上し、ガラス基板での反射のロスを除いた、液晶内でのロスはほぼ0dBとなる。また、ロスに偏波依存性はない。
この現象は、本発明者が初めて見いだしたものであり、この特性を応用した参考例1の光制御素子は、可変光減衰器として用いることができる。
この時、図6に示すように、印加する電圧の大きさとともに、透過率が向上し、ガラス基板での反射のロスを除いた、液晶内でのロスはほぼ0dBとなる。また、ロスに偏波依存性はない。
この現象は、本発明者が初めて見いだしたものであり、この特性を応用した参考例1の光制御素子は、可変光減衰器として用いることができる。
図7及び図8は、参考例1の光制御素子(可変光減衰器)の作製工程を示す図である。
参考例1の光制御素子(可変光減衰器)は、始めに、図7(a)に示すように、光ファイバ116あるいは光ファイバアレイを樹脂102で基板上に固定したもの、もしくは直線導波路が形成された光導波路(PLC;Planar Lightwave Circuit)基板117を用意する。
ここで、ロスを少なくするために、図7(a)の○印内(コア拡大図)に示すように、コアの一部分が30μm程度まで拡大されたコア拡大ファイバ(TEC;Thermally Expanded Core)116あるいはPLC基板117を用いるのが望ましいが、参考例1ではコア拡大ファイバではなく通常のコアのものを用いる。
参考例1の光制御素子(可変光減衰器)は、始めに、図7(a)に示すように、光ファイバ116あるいは光ファイバアレイを樹脂102で基板上に固定したもの、もしくは直線導波路が形成された光導波路(PLC;Planar Lightwave Circuit)基板117を用意する。
ここで、ロスを少なくするために、図7(a)の○印内(コア拡大図)に示すように、コアの一部分が30μm程度まで拡大されたコア拡大ファイバ(TEC;Thermally Expanded Core)116あるいはPLC基板117を用いるのが望ましいが、参考例1ではコア拡大ファイバではなく通常のコアのものを用いる。
次に、図7(b)に示すように、ダイシングソー118により、樹脂102で固めた光ファイバアレイ、もしくは光導波路に厚さ20μm、深さ200μm以下の溝103を掘る。この溝103は、断面の凹凸をできる限り少なくし、鏡面に近くなるようにするのが望ましく、高速回転するダイシングソー118のブレードに、砥粒液を供給しながら切断する。この砥粒液には、アルミナ砥粒、シリカ系砥粒、ジルコニア砥粒、シリカ砥粒が含まれているものが望ましい(松井伸介,斉藤忠男,渡邊順二,大平文和,小薮国夫,竹内義男,「遊離微粒子加工を援用したマイクロ形状加工技術の開発」,精密工学会誌,Vol.64,p.162-166(1998)参照)。
次に、この溝103には、垂直配向膜を塗るのが望ましいが、垂直配向膜を塗らなくてもよい。また、溝103の深さは200〜300μmが望ましいが、Si基板まで達しないように、溝103の深さを導波路層の厚さと同程度の80μm程度に調整する必要がある。あるいは、図7(b)の右側に示すように、Si基板まで達する溝103を掘り、酸素を含む雰囲気中で1000℃程度に加熱して熱酸化させ、Siの露出した部分に酸化膜(SiO2膜)を形成して絶縁化してもよい。
次に、図8(c)に示すように、前記図3に示したスリット幅10μm乃至70μmのスリットを持つ厚さ20μmのスリット金属フィルム電極112を溝103に挿入する。
ここで、スリット金属フィルム電極112にも垂直配向膜を形成する。スリット金属フィルム電極112を垂直配向膜用ポリイミド溶液にディップする(浸す)ことにより、垂直配向膜が形成できる。スリット金属フィルム電極112を溝103に挿入した後、スリット金属フィルム電極112の液晶充填部分119と、光ファイバコア部105の位置合わせ(アライメント)を行ってから、コレステリック−ネマチック相転移液晶を充填する。
次に、図8(d)に示すように、封止用のパッケージ120を装着した後、接着剤により封止し、スリット金属フィルム電極112を折り曲げて、曲げた部分121と、電源とを電極配線122で接続する。
ここで、スリット金属フィルム電極112にも垂直配向膜を形成する。スリット金属フィルム電極112を垂直配向膜用ポリイミド溶液にディップする(浸す)ことにより、垂直配向膜が形成できる。スリット金属フィルム電極112を溝103に挿入した後、スリット金属フィルム電極112の液晶充填部分119と、光ファイバコア部105の位置合わせ(アライメント)を行ってから、コレステリック−ネマチック相転移液晶を充填する。
次に、図8(d)に示すように、封止用のパッケージ120を装着した後、接着剤により封止し、スリット金属フィルム電極112を折り曲げて、曲げた部分121と、電源とを電極配線122で接続する。
参考例1ではスリット金属フィルム電極112の液晶充填部分119に、コレステリック−ネマチック相転移液晶を充填したが、ダイナミックスキャッタリング液晶を充填してもよい。
また、参考例1では、溝103の幅を代表的な20μmにしたが、この溝103の幅とロス(Loss)の関係は下記の数1の式で与えられる。
また、参考例1では、溝103の幅を代表的な20μmにしたが、この溝103の幅とロス(Loss)の関係は下記の数1の式で与えられる。
前記数1の式において、dは溝25の幅、nは溝25の内部の屈折率、導波路の屈折率、ωはコアの径である。
図9は、溝の幅とロスの関係を示す図である。図9では、入射光の波長を1.
55μm、屈折率を1.5とし、コア直径ωをパラメータとして前記数1により
ロスの溝103の幅依存性を示している。
通常の光ファイバアレイ116やPLC基板117のコア直径ωは約10μmであり、幅103を20μm程度にしても、図9に示すように、ロスは0.1d
B程度であるが、それ以上に溝103の幅を広げると、ロスが急激に大きくなる。
しかし、図9に示すように、コア直径ωを大きくするとロスは低減できる。コア直径ωは最大30μmまで拡大でき、最大の30μmにすると、溝103の幅が200μm程度まで広がっても、ロスを0.1dB以下に抑えることができる
。
55μm、屈折率を1.5とし、コア直径ωをパラメータとして前記数1により
ロスの溝103の幅依存性を示している。
通常の光ファイバアレイ116やPLC基板117のコア直径ωは約10μmであり、幅103を20μm程度にしても、図9に示すように、ロスは0.1d
B程度であるが、それ以上に溝103の幅を広げると、ロスが急激に大きくなる。
しかし、図9に示すように、コア直径ωを大きくするとロスは低減できる。コア直径ωは最大30μmまで拡大でき、最大の30μmにすると、溝103の幅が200μm程度まで広がっても、ロスを0.1dB以下に抑えることができる
。
図10は、参考例1の光制御素子のロスの印加電圧依存性を示す図である。図10において、ロスはファイバ−ファイバ間で測定したものであり、入力側の偏波を偏波コントローラによりあらゆる偏波状態にして測定している。
参考例1の光制御素子は、図10に示すように、電圧無印加時のロスは約15dBであるが、電圧を約30V印加すると、ロスは0.1dB程度まで低くなるため、スリット金属フィルム電極112に印加する電圧を制御することにより、ロスを制御できるので、光減衰器として用いることができる。
また、参考例1の溝103の幅は約20μmであったが、この幅103を70μmにすると駆動電圧は75Vになる。溝103の幅を70μm以上にすると、直接PLC導波路に挟んだ方が有効になる。また、偏波依存性は測定限界以下の±0.1dB以下であった。
参考例1の光制御素子は、図10に示すように、電圧無印加時のロスは約15dBであるが、電圧を約30V印加すると、ロスは0.1dB程度まで低くなるため、スリット金属フィルム電極112に印加する電圧を制御することにより、ロスを制御できるので、光減衰器として用いることができる。
また、参考例1の溝103の幅は約20μmであったが、この幅103を70μmにすると駆動電圧は75Vになる。溝103の幅を70μm以上にすると、直接PLC導波路に挟んだ方が有効になる。また、偏波依存性は測定限界以下の±0.1dB以下であった。
図11は、参考例1の光制御素子と比較するための光制御素子の概略構成を説明するための図である。図11において、131はガラス基板、132はパターニングした上側電極、133は下側電極で、ファイバを用いる場合には金属基板、PLC基板の場合にはSi基板である。
参考例1の光制御素子と比較するための光制御素子は、図11に示すように、スリット金属フィルム電極112の代わりに、ガラス基板131に電極132を形成したもので覆う構造になっている。光ファイバを用いる場合には、金属基板を下側電極133として用い、PLC基板の場合はSi基板を下側電極133として用いる。
図11に示すような、光ファイバあるいは光導波路を電極で挟んだ構造の光制御素子でも、参考例1の光制御素子(光減衰器)と同様の特性が得られ、光減衰器として用いることができるが、参考例1の光制御素子に比べ、印加電圧が数倍大きくなる。
すなわち、光ファイバの場合には電極間隔が125μmとなり、参考例1の光制御素子(光減衰器)に比べ、6倍の高電圧が必要になる。また、PLC導波路の場合でも、ガラス層の厚さが約80μmあるため、4倍の高電圧が必要となる。したがって、100V以上の高電圧が必要となり、現実的ではない。また、液晶層が厚くなるため、応答速度も遅くなる。
参考例1の光制御素子と比較するための光制御素子は、図11に示すように、スリット金属フィルム電極112の代わりに、ガラス基板131に電極132を形成したもので覆う構造になっている。光ファイバを用いる場合には、金属基板を下側電極133として用い、PLC基板の場合はSi基板を下側電極133として用いる。
図11に示すような、光ファイバあるいは光導波路を電極で挟んだ構造の光制御素子でも、参考例1の光制御素子(光減衰器)と同様の特性が得られ、光減衰器として用いることができるが、参考例1の光制御素子に比べ、印加電圧が数倍大きくなる。
すなわち、光ファイバの場合には電極間隔が125μmとなり、参考例1の光制御素子(光減衰器)に比べ、6倍の高電圧が必要になる。また、PLC導波路の場合でも、ガラス層の厚さが約80μmあるため、4倍の高電圧が必要となる。したがって、100V以上の高電圧が必要となり、現実的ではない。また、液晶層が厚くなるため、応答速度も遅くなる。
(参考例2)
図12は、参考例1の光制御素子(光減衰器)を使用する石英導波路光スイッチの概略構成を示す参考例2の図であり、図13は、図12の部分拡大図である。図12において、201は2×2の基本スイッチ、202は8×8エレメント、203は8×8スイッチ、204は光制御素子、(8光減衰器アレイ)である。また、図13において、205は減衰器電極アレイ、206は取り出し電極、207は光導波路基板(PLC基板)である。
参考例2の石英導波路光スイッチは、図12及び図13に示すように、2×2の基本スイッチ(201)を64個並べた8×8エレメント(202)を、50mm角の光導波路基板207内に15個並べて8×8PLC光スイッチ203)を形成している。
このような光スイッチ203においては、スイッチパスの経路によりロスが最大±1dB程度ばらつく。このため、参考例1の光制御素子(8光減衰器アレイ)204を光導波路基板207の出力部分に取り付けることにより、スイッチのパスを切り替えても常に一定の出力を得ることができる。
従来、このような石英光導波路スイッチにおいては、出力ファイバ部に光減衰器を取り付けていたため、光減衰器の占める面積が大きくなっていたが、前記参考例1の光制御素子(可変光減衰器)を使用することにより、小型化することが可能になる。
図12は、参考例1の光制御素子(光減衰器)を使用する石英導波路光スイッチの概略構成を示す参考例2の図であり、図13は、図12の部分拡大図である。図12において、201は2×2の基本スイッチ、202は8×8エレメント、203は8×8スイッチ、204は光制御素子、(8光減衰器アレイ)である。また、図13において、205は減衰器電極アレイ、206は取り出し電極、207は光導波路基板(PLC基板)である。
参考例2の石英導波路光スイッチは、図12及び図13に示すように、2×2の基本スイッチ(201)を64個並べた8×8エレメント(202)を、50mm角の光導波路基板207内に15個並べて8×8PLC光スイッチ203)を形成している。
このような光スイッチ203においては、スイッチパスの経路によりロスが最大±1dB程度ばらつく。このため、参考例1の光制御素子(8光減衰器アレイ)204を光導波路基板207の出力部分に取り付けることにより、スイッチのパスを切り替えても常に一定の出力を得ることができる。
従来、このような石英光導波路スイッチにおいては、出力ファイバ部に光減衰器を取り付けていたため、光減衰器の占める面積が大きくなっていたが、前記参考例1の光制御素子(可変光減衰器)を使用することにより、小型化することが可能になる。
(参考例3)
図14は、参考例3の前記参考例1の光制御素子(可変光減衰器)を使用するアレイ導波路格子の概略構成を示す図である。図14において、301は入力側光導波路、302は第1のスラブ導波路、303は波長板、304は溝、305は光制御素子(光減衰器アレイ)、306は取り出し電極、307はSi基板、308は第2のスラブ導波路、309はアレイ導波路格子である。
アレイ導波路格子においても、入力側光導波路301の入力ポートによってロス(減衰量)がばらつくが、前記参考例1の光制御素子(光減衰器アレイ)305をSi基板307の出力部分に取り付けることにより、出力を常に一定にすることが可能である。
以上説明したように、前記参考例1〜3によれば、光ファイバあるいは光導波路101に溝103を形成し、その溝103にスリット金属フィルム電極104を挿入し、スリット部113液晶を充填し、液晶の透過率を印加する電圧で制御することにより、非常にロスが低く、安価で、アレイ化が容易であり、光導波路上にも形成可能な光減衰器を実現することができる。
なお、参考例1〜3では、スリット金属フィルム電極のスリット部にコレステリック−ネマチック相転移液晶を用いたが、これの代わりに高分子分散型液晶を用いても同様の効果が得られる。
図14は、参考例3の前記参考例1の光制御素子(可変光減衰器)を使用するアレイ導波路格子の概略構成を示す図である。図14において、301は入力側光導波路、302は第1のスラブ導波路、303は波長板、304は溝、305は光制御素子(光減衰器アレイ)、306は取り出し電極、307はSi基板、308は第2のスラブ導波路、309はアレイ導波路格子である。
アレイ導波路格子においても、入力側光導波路301の入力ポートによってロス(減衰量)がばらつくが、前記参考例1の光制御素子(光減衰器アレイ)305をSi基板307の出力部分に取り付けることにより、出力を常に一定にすることが可能である。
以上説明したように、前記参考例1〜3によれば、光ファイバあるいは光導波路101に溝103を形成し、その溝103にスリット金属フィルム電極104を挿入し、スリット部113液晶を充填し、液晶の透過率を印加する電圧で制御することにより、非常にロスが低く、安価で、アレイ化が容易であり、光導波路上にも形成可能な光減衰器を実現することができる。
なお、参考例1〜3では、スリット金属フィルム電極のスリット部にコレステリック−ネマチック相転移液晶を用いたが、これの代わりに高分子分散型液晶を用いても同様の効果が得られる。
(実施形態1)
前記参考例1〜3の光制御素子は、透明電極を使用せず、さらに電極スリットの間隔(あるいは、電界が印加される液晶層の厚さ)が狭く、駆動電圧が低く、応答速度が速いという利点を有しているが、液晶層に印加される電界方向が、光の進行方向に対して垂直方向となるので、偏波依存性が生じる場合もあるという問題がある。また、光導波路を、Si基板上に作製する場合には、溝がSi基板に達してしまうと、スリット付き電極フィルムの電極とSi基板が導通してしまう。
本発明による実施形態1の光制御素子、特に可変光減衰器は、液晶層に電界を印加する電極を溝内部、あるいは溝壁面でなく、光導波路部品(例えば、光導波路、光ファイバ)の表面、あるいは、光導波路部品近傍の光導波路部品の一面と平行な面に形成したものである。
前記参考例1〜3の光制御素子は、透明電極を使用せず、さらに電極スリットの間隔(あるいは、電界が印加される液晶層の厚さ)が狭く、駆動電圧が低く、応答速度が速いという利点を有しているが、液晶層に印加される電界方向が、光の進行方向に対して垂直方向となるので、偏波依存性が生じる場合もあるという問題がある。また、光導波路を、Si基板上に作製する場合には、溝がSi基板に達してしまうと、スリット付き電極フィルムの電極とSi基板が導通してしまう。
本発明による実施形態1の光制御素子、特に可変光減衰器は、液晶層に電界を印加する電極を溝内部、あるいは溝壁面でなく、光導波路部品(例えば、光導波路、光ファイバ)の表面、あるいは、光導波路部品近傍の光導波路部品の一面と平行な面に形成したものである。
図15は、本発明による実施形態1の光制御素子、特に可変光減衰器の基本構成を説明するための図であり、(a)は要部断面図、(b)は斜視図である。図15において、403は光導波路コア部、410は電気力線、402は光導波路表面に形成した電極、405は溝、406は光導波路である。なお、光導波路が本実施形態1の光導波路部品を構成する。
本実施形態1では、電極402は光導波路406の表面に、溝405を挟んで対向するように形成されており、この電極402間に電圧を印加することにより、電気力線410が形成される。したがって、電極402より下部にある液晶層に電界が印加できる。
本実施形態1では、電極402は光導波路406の表面に、溝405を挟んで対向するように形成されており、この電極402間に電圧を印加することにより、電気力線410が形成される。したがって、電極402より下部にある液晶層に電界が印加できる。
以下、この様子を、図16を用いて、さらに詳細に説明する。図16に示すように、光導波路406の表面上に対向する電極402が2×l(m)離れて形成されている時に、中心線上の光導波路406の表面からX(m)の深さにおけるポイントAの電界強度は、下記の数2の式で与えられる。但し、この数2の式では、光導波路406の誘電率を1と仮定している。
ここで、qは電極に貯まった電荷である。
いま、x=a×lであるとすると、前記数2の式は下記の数3の式のように表される。
いま、x=a×lであるとすると、前記数2の式は下記の数3の式のように表される。
すなわち、中心線上の光導波路406の表面からX(m)の深さにおけるポイントAの電界強度は、電極面から離れるにしたがって弱くなる。いま、探さd(m)に光導波路コアがあり、電圧Vを印加したと仮定する。電極402と同一面上の電界をV/2dと仮定すると、光導波路コア部の電界は、下記の数4の式のように表される。
ここで、V/2dの前の係数a/(a2+l2)3/2をaの関数としてプロットすると図17のようになる。
この図17から分かるように、aが約0.7の時最大となる。したがって、光導波路コアが、光導波路406の表面からdの位置に形成されている場合、電極402の間隔は2.86×dとするのが光導波路コア部分に近い液晶層に最も有
効に電界を印加することができる。
この図17から分かるように、aが約0.7の時最大となる。したがって、光導波路コアが、光導波路406の表面からdの位置に形成されている場合、電極402の間隔は2.86×dとするのが光導波路コア部分に近い液晶層に最も有
効に電界を印加することができる。
しかし、前記の計算では、光導波路と液晶層の誘電率が同じで均一と仮定して計算したが、光導波路、液晶層の屈折率は材料によって異なる。従って、マージンを取って電極402の間隔は、dないし3.5×dを満足するようにするのが
望ましい。
望ましい。
例えば、光導波路コア部の深さが50μmの場合、石英ガラスの誘電率を4、液晶層の誘電率(ε0,εe)をそれぞれε0=4,εe=12と仮定すると、電極402の間隔を142μmにすると、最も有効に光導波路コア部分に近い液晶層に最も有効に電界を印加することができる。
すなわち、本実施形態1は、光の減衰量を制御する導波路型可変光減衰器で、光導波部が所定間隔を持って対向配置される一対の光導波路部品と、前記所定間隔を持って対向配置される一対の光導波路部品間に形成される液晶層と、前記液晶層に電界を印加する一対の電極とを有する導波路型光制御素子であって、前記一対の電極は、前記一対の光導波路部品の表面、あるいは、前記一対の光導波路部品の平面と平行な面に形成されており、かつ、前記一対の光導波路部品を伝搬する光の進行方向と略同一方向の電界を、前記液晶層に印加することを特徴とする。
また、本実施形態1は、前記一対の光導波路部品と前記液晶層とを覆う絶縁基板を、さらに有し、前記一対の電極は、前記絶縁基板上に形成されていることを特徴とする。
また、本実施形態1は、前記一対の光導波路部品と前記液晶層とを覆う絶縁基板を、さらに有し、前記一対の電極は、前記絶縁基板上に形成され、さらに、前記一対の光導波路部品のそれぞれの表面上に形成される一対の接続用電極であって、前記一対の電極に接続される一対の接続用電極を有する。
また、本実施形態1は、前記一対の光導波路部品と前記液晶層とを覆う絶縁基板を、さらに有し、前記一対の電極は、前記絶縁基板上に形成され、さらに、前記一対の光導波路部品のそれぞれの表面上に形成される一対の接続用電極であって、前記一対の電極に接続される一対の接続用電極を有する。
また、本実施形態1は、前記一対の光導波路部品が、ガラス導波路、高分子導波路、ガラス光ファイバ、あるいは、プラスチック光ファイバである。
また、本実施形態1は、前記一対の光導波路部品が、ガラス光ファイバ、またはプラスチック光ファイバであり、前記一対のガラス光ファイバ、または一対のプラスチック光ファイバにおける、前記一対の電極が形成される面と反対側の表面、あるいは、前記一対のガラス光ファイバ、または一対のプラスチック光ファイバにおける、前記一対の電極が形成される面と反対側の平面と平行な面に形成される一対の第2電極であって、前記一対の電極とともに前記一対のガラス光ファイバ、または一対のプラスチック光ファイバを伝搬する光の進行方向と略同一方向の電界を、前記液晶層に印加する一対の第2電極を有する。
また、本実施形態1は、前記一対の光導波路部品が、ガラス光ファイバ、またはプラスチック光ファイバであり、前記一対のガラス光ファイバ、または一対のプラスチック光ファイバにおける、前記一対の電極が形成される面と反対側の表面、あるいは、前記一対のガラス光ファイバ、または一対のプラスチック光ファイバにおける、前記一対の電極が形成される面と反対側の平面と平行な面に形成される一対の第2電極であって、前記一対の電極とともに前記一対のガラス光ファイバ、または一対のプラスチック光ファイバを伝搬する光の進行方向と略同一方向の電界を、前記液晶層に印加する一対の第2電極を有する。
(実施形態2)
図18は、本発明の実施形態2の可変光減衰器の概略構成を示す図であり、401は液晶層、402は金属電極、403は光導波路コア部、404はSi基板、405は溝、406は光導波路である。
本実施形態2の光制御素子は、図18に示すように、前記参考例3の光制御素子を可変光減衰器に適用したものであり、光導波路406に形成した溝405に液晶層401を充填するとともに、当該溝405を挟むように対向して設けた金属電極402により、液晶層401に印加する電圧を変化させ、光の減衰量を制御するようにしたものである。
ここで、液晶層401としては、ポリマーネットワーク液晶を使用したが、コレステリック−ネマチック相転移液晶、あるいは、高分子分散型液晶でも構わない。但し、コレステリック−ネマチック相転移液晶、若干駆動電圧を高くする必要がある。
図18は、本発明の実施形態2の可変光減衰器の概略構成を示す図であり、401は液晶層、402は金属電極、403は光導波路コア部、404はSi基板、405は溝、406は光導波路である。
本実施形態2の光制御素子は、図18に示すように、前記参考例3の光制御素子を可変光減衰器に適用したものであり、光導波路406に形成した溝405に液晶層401を充填するとともに、当該溝405を挟むように対向して設けた金属電極402により、液晶層401に印加する電圧を変化させ、光の減衰量を制御するようにしたものである。
ここで、液晶層401としては、ポリマーネットワーク液晶を使用したが、コレステリック−ネマチック相転移液晶、あるいは、高分子分散型液晶でも構わない。但し、コレステリック−ネマチック相転移液晶、若干駆動電圧を高くする必要がある。
図19は、本実施形態2の可変光減衰器の作製工程を示す図である。
本実施形態2の光制御素子は、始めに、図19(a)に示すように、直線光導波路が形成された光導波路基板407を用意し、図19(b)に示すように、光導波路406に沿って電極402を蒸着する。なお、電極402の作製には、蒸着マスクを用いてもよいし、ホトリソグラフィ技術によりパターニングしてもよい。
また、光導波路基板407として、Si基板上にガラス光導波路を形成する場合には、通常、Si基板上のガラス光導波路コアは表面部から約50μmの深さとされるので、対向する電極402の間隔は約140μmが最適である。
次に、図19(c)に示すように、電極402間の中心を通るようにダイシングソー408のブレードにより、約30μmの溝405を形成する。ここで、溝405の溝幅は10μmから100μmが望ましいが、30μm以上になると、光の損失(透過ロス)が大きくなるので注意が必要である。なお、溝幅増加による光の損失増加を防ぐには、コア部を一部拡大させることが有効である。
次に、図19(d)に示すように、溝405内にポリマーネットワーク液晶401を充填した後、図19(e)のように、紫外線409を照射して、ポリマーネットワーク液晶を固体化する。その後、ポリマーネットワーク液晶401の封止剤を溝405にかぶせ、コネクタ付きファイバを接続する。
本実施形態2の光制御素子は、始めに、図19(a)に示すように、直線光導波路が形成された光導波路基板407を用意し、図19(b)に示すように、光導波路406に沿って電極402を蒸着する。なお、電極402の作製には、蒸着マスクを用いてもよいし、ホトリソグラフィ技術によりパターニングしてもよい。
また、光導波路基板407として、Si基板上にガラス光導波路を形成する場合には、通常、Si基板上のガラス光導波路コアは表面部から約50μmの深さとされるので、対向する電極402の間隔は約140μmが最適である。
次に、図19(c)に示すように、電極402間の中心を通るようにダイシングソー408のブレードにより、約30μmの溝405を形成する。ここで、溝405の溝幅は10μmから100μmが望ましいが、30μm以上になると、光の損失(透過ロス)が大きくなるので注意が必要である。なお、溝幅増加による光の損失増加を防ぐには、コア部を一部拡大させることが有効である。
次に、図19(d)に示すように、溝405内にポリマーネットワーク液晶401を充填した後、図19(e)のように、紫外線409を照射して、ポリマーネットワーク液晶を固体化する。その後、ポリマーネットワーク液晶401の封止剤を溝405にかぶせ、コネクタ付きファイバを接続する。
このようにして作製された本実施形態2の光制御素子(可変光減衰器)の一例の特性を図20に示す。
通常、ポリマーネットワーク液晶素子はセル厚が10μmで、しきい電圧は2V程度であるが、本実施形態2の光制御素子(可変光減衰器)では電極間隔が140μmあるため、しきい電圧は20V程度と若干高くなっている。
前記図20のグラフから分かるように、本実施形態2の光制御素子は、ヒステリシスを持たず、また、偏波依存性は0.1dB以下であり、安定した特性を得ることができる。さらに、減衰量は通信波長帯1.55μmで0.1dBから15dBまで可変できた。
通常、ポリマーネットワーク液晶素子はセル厚が10μmで、しきい電圧は2V程度であるが、本実施形態2の光制御素子(可変光減衰器)では電極間隔が140μmあるため、しきい電圧は20V程度と若干高くなっている。
前記図20のグラフから分かるように、本実施形態2の光制御素子は、ヒステリシスを持たず、また、偏波依存性は0.1dB以下であり、安定した特性を得ることができる。さらに、減衰量は通信波長帯1.55μmで0.1dBから15dBまで可変できた。
前記図19では、ポリマーネットワーク液晶を用いたが、高分子分散型液晶、コレステリック−ネマチック相転移型液晶でも同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態2では、Si基板上のガラス光導波路を用いた場合について説明したが、高分子光導波路でも同様の効果が得られ、また、光ファイバを埋め込んだものでも同様の効果が得られる。
また、本実施形態2では、Si基板上のガラス光導波路を用いた場合について説明したが、高分子光導波路でも同様の効果が得られ、また、光ファイバを埋め込んだものでも同様の効果が得られる。
(参考例4)
図21は、参考例4の光制御素子の概略構成を示す図であり、(a)は要部断面図、(b)は動作原理を説明するための図である。図21において、501は光導波路基板、502はガラス基板、503は光導波路基板501上に形成した取り出し電極、504はガラス基板502に形成した電極、505は配向膜、506は液晶層、509は液晶分子、507は溝、508は光導波路である。
前記参考例4の光制御素子の動作を、図21(b)を用いて説明する。なお、この図21(b)は、光導波路基板501の上側から見た様子を示している。
参考例4の光制御素子において、電圧を印加しない場合には、液晶層506のネマチック液晶層の液晶分子509は溝507に平行な向きに配向している。
また、20V程度の電圧を印加すると、液晶層506のネマチック液晶層の液晶分子509は、斜めに傾き、屈折率は(ne)から(no)へと減少していく。また、50V程度の電圧を印加すると、液晶層506のネマチック液晶層のほとんど全ての液晶分子509が溝507に垂直に並び、電界の方向に揃う。このようにして、(ne)から(no)へと屈折率が変化するので、溝507の幅をdとすると、光路長を(ne・d)から(no・d)へと変化させることができる。但し、参考例4の光制御素子は、偏波依存性があり、前記した動作をするのは、光導波路に平行な偏波に対してのみであり、光導波路に垂直な偏波に対しては、光路長は変化しない。
図21は、参考例4の光制御素子の概略構成を示す図であり、(a)は要部断面図、(b)は動作原理を説明するための図である。図21において、501は光導波路基板、502はガラス基板、503は光導波路基板501上に形成した取り出し電極、504はガラス基板502に形成した電極、505は配向膜、506は液晶層、509は液晶分子、507は溝、508は光導波路である。
前記参考例4の光制御素子の動作を、図21(b)を用いて説明する。なお、この図21(b)は、光導波路基板501の上側から見た様子を示している。
参考例4の光制御素子において、電圧を印加しない場合には、液晶層506のネマチック液晶層の液晶分子509は溝507に平行な向きに配向している。
また、20V程度の電圧を印加すると、液晶層506のネマチック液晶層の液晶分子509は、斜めに傾き、屈折率は(ne)から(no)へと減少していく。また、50V程度の電圧を印加すると、液晶層506のネマチック液晶層のほとんど全ての液晶分子509が溝507に垂直に並び、電界の方向に揃う。このようにして、(ne)から(no)へと屈折率が変化するので、溝507の幅をdとすると、光路長を(ne・d)から(no・d)へと変化させることができる。但し、参考例4の光制御素子は、偏波依存性があり、前記した動作をするのは、光導波路に平行な偏波に対してのみであり、光導波路に垂直な偏波に対しては、光路長は変化しない。
図22は、参考例4の光制御素子の作製工程を示す図である。本実施形態2の光制御素子は、初めに、図22(a)に示すように、光導波路基板501と、ガラス基板502とを用意し、図22(b)に示すように、各基板(501,502)の一面に、それぞれ電極(503,504)を形成する。
ここで、ガラス基板502上に形成した電極504は、液晶層506に電界を印加するためのものであり、電極504の間隔は140μmである。また、光導波路基板501上に形成した電極503は、ガラス基板502上の電極504に接触して外部に電極を取り出すための電極である。
次に、図22(c)に示すように、電極503間の中心を通るようにダイシングソー510のブレードにより、溝507を形成する。
次に、図22(d)に示すように、溝507内と、ガラス基板502とに配向膜505を塗布し、両基板(501,502)を張り合わせた時のラビング方向が非平行になるようにラビング処理を施す。この場合に、光導波路基板501に形成される配向膜505は、光導波路基板501に形成した溝507の壁面に均一に形成する。
次に、両基板(501,502)を張り合わせて、両基板(501,502)の間にネマチック液晶層を充填して液晶層506を形成する。
ここで、ガラス基板502上に形成した電極504は、液晶層506に電界を印加するためのものであり、電極504の間隔は140μmである。また、光導波路基板501上に形成した電極503は、ガラス基板502上の電極504に接触して外部に電極を取り出すための電極である。
次に、図22(c)に示すように、電極503間の中心を通るようにダイシングソー510のブレードにより、溝507を形成する。
次に、図22(d)に示すように、溝507内と、ガラス基板502とに配向膜505を塗布し、両基板(501,502)を張り合わせた時のラビング方向が非平行になるようにラビング処理を施す。この場合に、光導波路基板501に形成される配向膜505は、光導波路基板501に形成した溝507の壁面に均一に形成する。
次に、両基板(501,502)を張り合わせて、両基板(501,502)の間にネマチック液晶層を充填して液晶層506を形成する。
(実施形態3)
図23及び図24は、本発明による実施形態3の可変光減衰器の概略構成を示す図である。図23において、601はガラス光ファイバ又はプラスチック光ファイバ、602はV溝付き基板絶縁基板、603は前記V溝基板にコートした下部電極、604は導電性ペースト、605は溝内に形成される電界の様子、606は溝内の充填した液晶層である。図24では、607は光ファイバの周りにコートした金属である。
前記実施形態2及び参考例4の光制御素子では、光導波路の上側の面上に電極を形成するようにしたが、対向する電極の間隔は、液晶層のセルギャップ長よりも大きいので、印加電圧が通常よりも高くなり、偏波依存性が出る場合もある。そのため、本実施形態3の可変光減衰器は、光導波路の下側の面上にも電極を形成するようにしたものである。但し、本実施形態3では、通常のガラス光導波路またはプラスチック光導波路ではなく、ガラス光ファイバまたはプラスチック光ファイバにのみ適用可能である。
図23及び図24は、本発明による実施形態3の可変光減衰器の概略構成を示す図である。図23において、601はガラス光ファイバ又はプラスチック光ファイバ、602はV溝付き基板絶縁基板、603は前記V溝基板にコートした下部電極、604は導電性ペースト、605は溝内に形成される電界の様子、606は溝内の充填した液晶層である。図24では、607は光ファイバの周りにコートした金属である。
前記実施形態2及び参考例4の光制御素子では、光導波路の上側の面上に電極を形成するようにしたが、対向する電極の間隔は、液晶層のセルギャップ長よりも大きいので、印加電圧が通常よりも高くなり、偏波依存性が出る場合もある。そのため、本実施形態3の可変光減衰器は、光導波路の下側の面上にも電極を形成するようにしたものである。但し、本実施形態3では、通常のガラス光導波路またはプラスチック光導波路ではなく、ガラス光ファイバまたはプラスチック光ファイバにのみ適用可能である。
図25及び図26は、本実施形態3の光制御素子の作製工程を示す図である。本実施形態3の光制御素子は、始めに、図25(a),(a’)に示すように、金属コートされたファイバ、通常のファイバの被覆を剥がす。図25に示すように、V溝付きの基板を用意する。ここで、V溝付きの基板は、ガラス基板、プラスチック基板、あるいはセラミック基板等で構成される。
次に、図25(c),(c’)に示すように、V溝基板に固定する。(c)のように金属コートファイバを固定する場合には通常の接着剤610を用いて固定し、電極609を取り出す。(c’)のように通常の光ファイバを固定する場合には導電性ペースト604で固定する。
次に、図25(d),(d’)に示すように、ダイシングソー611のブレードにより、光ファイバを切断するように溝612を形成する。次に、図26(e),(e’)に示すように、溝612に、ポリマーネットワーク液晶606を充填する。次に、図26(f),(f’)に示すように紫外線を照射してポリマーネットワークを固体化する。
電極を取り出し、この間に電圧を印加することにより、光減衰器が実現できる。図23にも示したように、電界が光の進行方向に対して平行になるので、偏波依存性が小さいという利点がある。また簡便に作製可能であるという利点がある。
次に、図25(c),(c’)に示すように、V溝基板に固定する。(c)のように金属コートファイバを固定する場合には通常の接着剤610を用いて固定し、電極609を取り出す。(c’)のように通常の光ファイバを固定する場合には導電性ペースト604で固定する。
次に、図25(d),(d’)に示すように、ダイシングソー611のブレードにより、光ファイバを切断するように溝612を形成する。次に、図26(e),(e’)に示すように、溝612に、ポリマーネットワーク液晶606を充填する。次に、図26(f),(f’)に示すように紫外線を照射してポリマーネットワークを固体化する。
電極を取り出し、この間に電圧を印加することにより、光減衰器が実現できる。図23にも示したように、電界が光の進行方向に対して平行になるので、偏波依存性が小さいという利点がある。また簡便に作製可能であるという利点がある。
(参考例5)
実施形態3では、ロスを制御する光制御素子およびその作製工程を示した。参考例5は偏波、位相を制御する光制御素子およびその作製工程を示す。
図27は、参考例5の光制御素子のもう一つの作製方法を示した図面である。図27(a)から(c)までの工程は、図25と同じである。
図27(d),(d’)に示すように、溝602の壁面に配向膜613を塗布し、ラビング処理する。一方図27(e)に示すように、ガラス基板614に配向膜613に塗布して、同様にラビング処理する。図27(f),(f’)に示すように、ラビング方向が反平行になるようにガラス基板を張り付ける。図27(g),(g’)に示すように、ネマチック液晶615を溝に充填し、電極を取り出す。
図28は、本素子の液晶の配向を示したものである。図28(a)は電界の印加の様子を示したものであり、図28(b)は液晶の配向方向を示したものである。電圧無印加の場合には、液晶は溝に平行に配向する。電圧を中程度かけた場合にはやや溝に対して傾く。電圧を十分印加した場合には液晶は溝に対して垂直に配向する。液晶分子は屈折率異方性を持っているので、偏波、位相を制御することが可能となる。溝幅d及び液晶の屈折率差Δnの積が光の波長より大きくなるように設定すると、位相を0から2πまで変化させることができる。
実施形態3では、ロスを制御する光制御素子およびその作製工程を示した。参考例5は偏波、位相を制御する光制御素子およびその作製工程を示す。
図27は、参考例5の光制御素子のもう一つの作製方法を示した図面である。図27(a)から(c)までの工程は、図25と同じである。
図27(d),(d’)に示すように、溝602の壁面に配向膜613を塗布し、ラビング処理する。一方図27(e)に示すように、ガラス基板614に配向膜613に塗布して、同様にラビング処理する。図27(f),(f’)に示すように、ラビング方向が反平行になるようにガラス基板を張り付ける。図27(g),(g’)に示すように、ネマチック液晶615を溝に充填し、電極を取り出す。
図28は、本素子の液晶の配向を示したものである。図28(a)は電界の印加の様子を示したものであり、図28(b)は液晶の配向方向を示したものである。電圧無印加の場合には、液晶は溝に平行に配向する。電圧を中程度かけた場合にはやや溝に対して傾く。電圧を十分印加した場合には液晶は溝に対して垂直に配向する。液晶分子は屈折率異方性を持っているので、偏波、位相を制御することが可能となる。溝幅d及び液晶の屈折率差Δnの積が光の波長より大きくなるように設定すると、位相を0から2πまで変化させることができる。
(参考例6)
参考例5では、偏波、位相を制御する光制御素子およびその作製工程に付いて述べたが、参考例6では、この素子を4つ用いて、任意の偏波が入力したとき、任意の偏波に変換する偏波制御素子を示したものである。
図29は、参考例6の構成を示したものである。800は参考例5で作製した偏波制御素子であり、801は光ファイバである。光ファイバ801はねじれることなく、まっすぐに伸びており、偏波制御素子800がその角度を45度ずつ回転させながら、4つ取り付けてある。例えば、任意の楕円偏波が入力された場合、これらの4つの素子の電圧を制御することにより、直線偏波に変換可能である。
参考例5では、偏波、位相を制御する光制御素子およびその作製工程に付いて述べたが、参考例6では、この素子を4つ用いて、任意の偏波が入力したとき、任意の偏波に変換する偏波制御素子を示したものである。
図29は、参考例6の構成を示したものである。800は参考例5で作製した偏波制御素子であり、801は光ファイバである。光ファイバ801はねじれることなく、まっすぐに伸びており、偏波制御素子800がその角度を45度ずつ回転させながら、4つ取り付けてある。例えば、任意の楕円偏波が入力された場合、これらの4つの素子の電圧を制御することにより、直線偏波に変換可能である。
(参考例7)
図30は、参考例7の光制御素子の概略構成を示す図であり、(a)は光制御素子の外観斜視図、(b)は光制御素子の上面図である。
図30において、901は光ファイバ、902は光ファイバ901を保持する基板、903は絶縁フィルム、904は光ファイバ901を切断する溝、905は溝904に充填した液晶、906は絶縁フィルム903の表裏両面に形成された金属電極、907は金属電極906間に電圧を印加した場合の絶縁フィルム903端面の近傍に形成される電気力線である。
図30に示すように、参考例7の溝904はダイシングソーにより形成されており、この溝904にポリマーネットワーク液晶905が充填されている。参考例7では、一本の光ファイバで構成される例を示すが、光導波路、光導波路アレイ、光ファイバアレイであっても同様の構造にすることができる。
図30は、参考例7の光制御素子の概略構成を示す図であり、(a)は光制御素子の外観斜視図、(b)は光制御素子の上面図である。
図30において、901は光ファイバ、902は光ファイバ901を保持する基板、903は絶縁フィルム、904は光ファイバ901を切断する溝、905は溝904に充填した液晶、906は絶縁フィルム903の表裏両面に形成された金属電極、907は金属電極906間に電圧を印加した場合の絶縁フィルム903端面の近傍に形成される電気力線である。
図30に示すように、参考例7の溝904はダイシングソーにより形成されており、この溝904にポリマーネットワーク液晶905が充填されている。参考例7では、一本の光ファイバで構成される例を示すが、光導波路、光導波路アレイ、光ファイバアレイであっても同様の構造にすることができる。
図31及び図32は、参考例7の光制御素子の作製方法を説明するための図である。図31及び図32において、908は光ファイバ901をV溝に固定する接着剤、909は光導波路のコア部、910は光導波路の基板部、911は光導波路のクラッド層、912はダイシングソー、913は光導波路がSi基板上に形成されている場合に、電極の絶縁用に設けるSiO2膜である。
以下、図31及び図32を用いて参考例7の光制御素子の作製方法を説明する。まず、図31(a)に示すように、光ファイバの心線901をV溝基板902上に設けられたV溝に接着剤908で固定する。本参考例は、前記光ファイバ901をV溝基板902に固定したものに限らず、石英光導波路、プラスチック光導波路でもよい。
次に、図31(b)に示すように、ダイシングソー912のブレードにより光通過部を切断するように溝904を形成する。この時の溝の幅は、絶縁フィルム905が挿入できる幅であればよく、場合によっては10μm程度の狭い溝でもよい。
以下、図31及び図32を用いて参考例7の光制御素子の作製方法を説明する。まず、図31(a)に示すように、光ファイバの心線901をV溝基板902上に設けられたV溝に接着剤908で固定する。本参考例は、前記光ファイバ901をV溝基板902に固定したものに限らず、石英光導波路、プラスチック光導波路でもよい。
次に、図31(b)に示すように、ダイシングソー912のブレードにより光通過部を切断するように溝904を形成する。この時の溝の幅は、絶縁フィルム905が挿入できる幅であればよく、場合によっては10μm程度の狭い溝でもよい。
次に、図32(c)に示すように、ポリエステルフィルムまたはポリイミドフィルム903の両面にAl電極906を蒸着して、カッタ等により断面が垂直になるように切り出す。次に、図32(d)に示すように、光ファイバ901の溝904内に、微動台を用いて光通過部近傍まで絶縁フィルム903を挿入し、この絶縁フィルム903が挿入されていない部分にポリマーネットワーク液晶を充填し、紫外線を照射してポリマーネットワーク液晶905を形成することで、前記図30(a)及び図30(b)に示した、本実施形態4の光制御素子が得られる。
このよう構成することにより、絶縁フィルム903の両面のAl電極906に電圧を印加すると、光通過部の液晶部に電圧が印加され、その部分が光に対して透明になり光を透過することができる。
このよう構成することにより、絶縁フィルム903の両面のAl電極906に電圧を印加すると、光通過部の液晶部に電圧が印加され、その部分が光に対して透明になり光を透過することができる。
図33は、参考例7の光制御素子のファイバ−ファイバ間のロスの電圧依存性を示す図である。例えば、溝幅が100μmある場合、原理的に約2dBのロスがある。
参考例7の光制御素子では、約20dBから2.5dBまで光強度が変化し、0Vから40Vの電圧を印加することにより、光減衰器の特性を観測できた。
参考例7では、光ファイバに通常のシングルモードファイバを用い、コア直径が約9μmである。溝を形成する部分の光ファイバのコアを約25μmまで拡大したコア拡大ファイバ(TECファイバ)を用いた場合、約100μmの溝を設けてもほとんどロスがなく、前記手順に沿って光減衰器を作製した場合、20dBから0dBへと光のロスを可変できる。
参考例7の光制御素子では、約20dBから2.5dBまで光強度が変化し、0Vから40Vの電圧を印加することにより、光減衰器の特性を観測できた。
参考例7では、光ファイバに通常のシングルモードファイバを用い、コア直径が約9μmである。溝を形成する部分の光ファイバのコアを約25μmまで拡大したコア拡大ファイバ(TECファイバ)を用いた場合、約100μmの溝を設けてもほとんどロスがなく、前記手順に沿って光減衰器を作製した場合、20dBから0dBへと光のロスを可変できる。
また、図34(a)及び図34(b)に示すように、絶縁フィルムを2枚用い、光通過部を挟むようにフィルムを挿入すると、液晶部にかかる電場が光の進行方向と完全に平行になり、低電圧化がはかれ、さらに偏波依存性を少なくすることができる。
また、参考例7では液晶層905にポリマーネットワーク液晶を用いたが、これに限らず、コレステリック−ネマチック相転移液晶を用いても光ロスを制御することができる。
また、ナノサイズ高分子分散型液晶を用いた場合には、屈折率を1%程度変化させることができ、光の位相を変化させることが可能になる。
また、参考例7では液晶層905にポリマーネットワーク液晶を用いたが、これに限らず、コレステリック−ネマチック相転移液晶を用いても光ロスを制御することができる。
また、ナノサイズ高分子分散型液晶を用いた場合には、屈折率を1%程度変化させることができ、光の位相を変化させることが可能になる。
(参考例8)
図35は、参考例8の光制御素子の概要構成を示す図であり、1001は表裏両面電極フィルムに設けたピンホール、1004は光ファイバあるいは光導波路のコア、1005は絶縁フィルム、1006は溝である。
図36は、参考例8の光制御素子の動作原理を説明するための図であり、1002は入射光、1003はピンホール1001に形成される電場である。参考例8の光制御素子は、図35及び図36に示すように、表裏両面に電極のついた絶縁フィルムに直径10μmから数10μmの円形のピンホール1001を設け、そのピンホール1001に液晶を充填して光を通過させる。ピンホール1001内及び溝1006内には前記参考例6と同様に、ポリマーネットワーク液晶が充填されている。ピンホール1001内に電場を印加することにより、電場が中心対称に印加されるので、偏波依存性は少なくなる。また、ピンホール1001の形状は、円形に限らず、長方形、四角形、三角形等、どのような形状であってもよい。
図35は、参考例8の光制御素子の概要構成を示す図であり、1001は表裏両面電極フィルムに設けたピンホール、1004は光ファイバあるいは光導波路のコア、1005は絶縁フィルム、1006は溝である。
図36は、参考例8の光制御素子の動作原理を説明するための図であり、1002は入射光、1003はピンホール1001に形成される電場である。参考例8の光制御素子は、図35及び図36に示すように、表裏両面に電極のついた絶縁フィルムに直径10μmから数10μmの円形のピンホール1001を設け、そのピンホール1001に液晶を充填して光を通過させる。ピンホール1001内及び溝1006内には前記参考例6と同様に、ポリマーネットワーク液晶が充填されている。ピンホール1001内に電場を印加することにより、電場が中心対称に印加されるので、偏波依存性は少なくなる。また、ピンホール1001の形状は、円形に限らず、長方形、四角形、三角形等、どのような形状であってもよい。
図37及び図38は、参考例8の光制御素子の作製方法を説明するための図である。以下、図37及び図38を用いて参考例8の光制御素子の作製方法を説明する。
まず、図37(a)に示すように、表裏両面に電極がついたポリエステルフィルムまたはポリイミドフィルム1005を用意する。次に、図37(b)に示すように、前記ポリエステルフィルムに円形のピンホール1001A、長方形のピンホール1001B、三角形のピンホール1001C等、任意の形状のピンホールを形成する。ピンホールの形成は、精密な金型を用いて打ち抜く方法や、エキシマレーザなどのレーザビームで穴開けする方法がある。
前記形成された円形ピンホール1001A、長方形のピンホール1001B、三角形のピンホール1001C等のピンホールにポリマーネットワーク液晶を十分に充填する。その後、紫外線を照射して液晶を固化させる。ピンホール1001A,1001B,1001C等のピンホールを開けたフィルム1005を光ファイバー1004を切断した溝1006に挿入し、ピンホールが光通過部にくるようにアライメントする。
前記手順で作製された光制御素子は、光減衰器として用いることができ、偏波無依存で、20dBから2dB程度までロスを電圧で可変することが可能である。
さらに、用いる光ファイバをコア拡大ファイバとし、コア拡大部分に溝を掘ることにより、光減衰器のロスを減らすことができ、20dBからほぼ0dBまで光のロスを制御することが可能である。
まず、図37(a)に示すように、表裏両面に電極がついたポリエステルフィルムまたはポリイミドフィルム1005を用意する。次に、図37(b)に示すように、前記ポリエステルフィルムに円形のピンホール1001A、長方形のピンホール1001B、三角形のピンホール1001C等、任意の形状のピンホールを形成する。ピンホールの形成は、精密な金型を用いて打ち抜く方法や、エキシマレーザなどのレーザビームで穴開けする方法がある。
前記形成された円形ピンホール1001A、長方形のピンホール1001B、三角形のピンホール1001C等のピンホールにポリマーネットワーク液晶を十分に充填する。その後、紫外線を照射して液晶を固化させる。ピンホール1001A,1001B,1001C等のピンホールを開けたフィルム1005を光ファイバー1004を切断した溝1006に挿入し、ピンホールが光通過部にくるようにアライメントする。
前記手順で作製された光制御素子は、光減衰器として用いることができ、偏波無依存で、20dBから2dB程度までロスを電圧で可変することが可能である。
さらに、用いる光ファイバをコア拡大ファイバとし、コア拡大部分に溝を掘ることにより、光減衰器のロスを減らすことができ、20dBからほぼ0dBまで光のロスを制御することが可能である。
(参考例9)
参考例9の光制御素子は、前記参考例7及び8の光制御素子と同様に、充填する液晶にナノサイズ高分子分散型液晶とし、位相変調器として用いたものである。
前記参考例7及び8で説明した光制御素子を位相変調器として用いるためには、充填する液晶にナノサイズ高分子分散型液晶を用いればよい。このナノサイズ高分子分散型液晶は、基本的にはポリマーネットワーク液晶と同じ構造であるが、液晶の粒子の大きさが、ポリマーネットワーク液晶では1μmから数μmであるのに対し、ナノサイズ高分子分散型液晶では100nmから150nmと小さく、電圧の印加、無印加に関わらず、透明である。
また、ナノサイズ高分子分散型液晶の基本的な材料及び製造方法は、ポリマーネットワーク液晶と同じであるが、固化する際の紫外線の強度を1桁強くし、転移温度よりも数℃温度を高くすることによって、液晶の粒子を100nm程度まで小さくすることができる。
参考例9の光制御素子は、前記参考例7及び8の光制御素子と同様に、充填する液晶にナノサイズ高分子分散型液晶とし、位相変調器として用いたものである。
前記参考例7及び8で説明した光制御素子を位相変調器として用いるためには、充填する液晶にナノサイズ高分子分散型液晶を用いればよい。このナノサイズ高分子分散型液晶は、基本的にはポリマーネットワーク液晶と同じ構造であるが、液晶の粒子の大きさが、ポリマーネットワーク液晶では1μmから数μmであるのに対し、ナノサイズ高分子分散型液晶では100nmから150nmと小さく、電圧の印加、無印加に関わらず、透明である。
また、ナノサイズ高分子分散型液晶の基本的な材料及び製造方法は、ポリマーネットワーク液晶と同じであるが、固化する際の紫外線の強度を1桁強くし、転移温度よりも数℃温度を高くすることによって、液晶の粒子を100nm程度まで小さくすることができる。
ナノサイズ高分子分散型液晶に電圧を印加することによって、偏波無依存で屈折率を変化させることができる(S.Matsumoto, M.Houlbert, T.Hayashi and K.Kubodera, “Fine droplets of LCs in a transparent polymer and their response to an electric field”, Appl. Phys. Lett., vol.69(8), pp.1044参照)。
また、その応答速度は、通常の液晶より3倍速く、厚さ20μmのナノサイズ高分子分散型液晶に約100Vの電圧を印加すると、屈折率が約1%変化する。このため、幅75μmの溝を掘り、その溝に厚さ約75μmで、直径約15μmのピンホールを持つフィルムを挿入する。このピンホールにナノサイズ高分子分散型液晶を充填する。
前記ナノサイズ高分子分散型液晶に約400Vの電圧を印加すると、通信波長1.55μm帯で0.75μmの光路長が変化するため、位相をπ変化させることが可能であり、かつ、偏波無依存性である。
この位相変調器を用いてマッハツェンダ干渉計を組むことにより、2×2スイッチ、可変波長フィルタ等を実現できる。また、光導波路では、TO効果を用いて位相を変調し、各種光処理デバイスを実現しているが、TO効果を参考例9の位相変調器に置き換えることにより、低消費電力で、高速の光制御素子が実現できる。
また、その応答速度は、通常の液晶より3倍速く、厚さ20μmのナノサイズ高分子分散型液晶に約100Vの電圧を印加すると、屈折率が約1%変化する。このため、幅75μmの溝を掘り、その溝に厚さ約75μmで、直径約15μmのピンホールを持つフィルムを挿入する。このピンホールにナノサイズ高分子分散型液晶を充填する。
前記ナノサイズ高分子分散型液晶に約400Vの電圧を印加すると、通信波長1.55μm帯で0.75μmの光路長が変化するため、位相をπ変化させることが可能であり、かつ、偏波無依存性である。
この位相変調器を用いてマッハツェンダ干渉計を組むことにより、2×2スイッチ、可変波長フィルタ等を実現できる。また、光導波路では、TO効果を用いて位相を変調し、各種光処理デバイスを実現しているが、TO効果を参考例9の位相変調器に置き換えることにより、低消費電力で、高速の光制御素子が実現できる。
(参考例10)
光スイッチング回路、光クロスコネクト回路、光加入者回路においては、光のパスの切り替えにより、光パワーのレベルが変動するため、そのパワーを一定にする必要があり、光レベル調整器が必要となる。
そこで、参考例10では、前記参考例7もしくは8の光制御素子(可変光減衰器)の後段に光のパワーをモニタする光ディテクタを設け、常にその光パワーを一定にするように制御する光制御素子(光レベル調整器)について説明する。
図39及び図40は、参考例10の光制御素子(光レベル調整器)の概略構成を示す図であり、図39は光強度モニタを備えた光レベル調整器を示す図で、図40は、偏波モニタを備えた光レベル調整器を示す図である。図39及び図40において、1201は光導波路あるいは光ファイバの光通過部分を切断する溝、1202は透過型の光ディテクタ、1203は光ディテクタ1202のパワーをモニタして、印加する電圧を制御する制御回路、1204は光減衰部分、1205は分岐した導波路、1206は受光型の光ディテクタ、1207は偏波制御部分、1208は光偏光子である。
光スイッチング回路、光クロスコネクト回路、光加入者回路においては、光のパスの切り替えにより、光パワーのレベルが変動するため、そのパワーを一定にする必要があり、光レベル調整器が必要となる。
そこで、参考例10では、前記参考例7もしくは8の光制御素子(可変光減衰器)の後段に光のパワーをモニタする光ディテクタを設け、常にその光パワーを一定にするように制御する光制御素子(光レベル調整器)について説明する。
図39及び図40は、参考例10の光制御素子(光レベル調整器)の概略構成を示す図であり、図39は光強度モニタを備えた光レベル調整器を示す図で、図40は、偏波モニタを備えた光レベル調整器を示す図である。図39及び図40において、1201は光導波路あるいは光ファイバの光通過部分を切断する溝、1202は透過型の光ディテクタ、1203は光ディテクタ1202のパワーをモニタして、印加する電圧を制御する制御回路、1204は光減衰部分、1205は分岐した導波路、1206は受光型の光ディテクタ、1207は偏波制御部分、1208は光偏光子である。
参考例10の光制御素子(光レベル調整器)においては、図39(a)に示すように、制御回路1203は、光ディテクタのパワーをモニタして、常にその強度を一定にするように光減衰部分1204に電圧を印加する。
前記光ディテクタ1202は、100μm以下に薄く研磨されており、溝1201に挿入され光を受ける。この光ディテクタ1202は、10%程度の光を吸収し、残りの90%はそのまま透過させる。
また、図39(b)に示すように、前記参考例6の光制御素子の後段に分岐導波路1205を設け、光ディテクタ1206を壁面に張り付け、図39(a)と同様に制御回路1203に接続する。ここで、光ディテクタ1206を光導波路の壁面に接続したが、光導波路1205に45度ミラーを設け、光導波路面下側に光ディテクタを張り付けてもよい。
前記光ディテクタ1202は、100μm以下に薄く研磨されており、溝1201に挿入され光を受ける。この光ディテクタ1202は、10%程度の光を吸収し、残りの90%はそのまま透過させる。
また、図39(b)に示すように、前記参考例6の光制御素子の後段に分岐導波路1205を設け、光ディテクタ1206を壁面に張り付け、図39(a)と同様に制御回路1203に接続する。ここで、光ディテクタ1206を光導波路の壁面に接続したが、光導波路1205に45度ミラーを設け、光導波路面下側に光ディテクタを張り付けてもよい。
また、分岐導波路1205では、10対1で光が分岐される。また、図40(a)に示すように、光制御素子の後段に100μm程度の溝を2本設け、それぞれの溝に、互いに直交した光偏光子1208が付いた2つの光ディテクタを挿入し、光ファイバ中の光の偏波状態をモニタして、制御回路1203により、偏波制御素子に印加する電圧を制御することにより、光の偏波状態を常に一定に保つことが可能になる。
この時、図40(b)に示したように、分岐導波路を2本設け、2つの光ディテクタを壁面に張り付ける、もしくは光導波路に45度ミラーを設け、光導波路面下側に光ディテクタを取り付けてもよい。
この時、図40(b)に示したように、分岐導波路を2本設け、2つの光ディテクタを壁面に張り付ける、もしくは光導波路に45度ミラーを設け、光導波路面下側に光ディテクタを取り付けてもよい。
(参考例11)
前記参考例7乃至10までは、フィルム面に形成した電極はベタ電極であったが、電極をパターニングすることにより、より精度よく偏波制御が可能となる。これまで、通常のガラス基板に電極をパターニングしてネマチック液晶を回転させて、回転波長板として用いることが提案されている(Y.Ohtera,T.Chiba, and S.Kawakami, “Liquid crystal Rotable Waveplates”,IEEE Photonics Techn-ol. Letts., vol.8, No.3, pp.390〜392 (1996) 参照)。
参考例11では、絶縁フィルムの両側にパターニングした電極を付け、各電極に位相の異なる電圧を印加することによって、中心部に設けた穴に充填されたネマチック液晶を回転させ、回転波長板として動作させる。
前記参考例7乃至10までは、フィルム面に形成した電極はベタ電極であったが、電極をパターニングすることにより、より精度よく偏波制御が可能となる。これまで、通常のガラス基板に電極をパターニングしてネマチック液晶を回転させて、回転波長板として用いることが提案されている(Y.Ohtera,T.Chiba, and S.Kawakami, “Liquid crystal Rotable Waveplates”,IEEE Photonics Techn-ol. Letts., vol.8, No.3, pp.390〜392 (1996) 参照)。
参考例11では、絶縁フィルムの両側にパターニングした電極を付け、各電極に位相の異なる電圧を印加することによって、中心部に設けた穴に充填されたネマチック液晶を回転させ、回転波長板として動作させる。
図41は、参考例11の光制御素子の概略構成を示す図である。図41において、1301は絶縁フィルムに設けた穴、1302は穴1301の中心を対称中心として8つに分割パターン化された電極、1303は絶縁フィルム、1304は取り出し電極、1305はネマチック液晶である。
図41(a)では、片面しか示していないが、裏面にも同様のパターンの電極が形成されている。
参考例11の光制御素子は、図41に示すように、絶縁フィルム1303に穴1301を開け、その中心を対称中心とする8つのパターニングされた電極1302を形成し、前記参考例7及び8と同様に、光導波路あるいは光ファイバに設けられた溝に挿入して、光がこの穴を通過するようにアライメントし、穴の中にネマチック液晶1305を充填する。電圧が無印加の状態ではネマチック液晶1305はランダムに配向している。
図41(b)に示すように、8つに分割された電極にπ/4ずつ位相をずらして印加し、θを0から2πまで変化させることにより、中心部のネマチック液晶1305が回転する。ネマチック液晶1305は、複屈折を持つため、波長板と同様の働きをする。
前記溝の幅をλ/2相当の厚さに設定しておくと、回転λ/2板が実現でき、直線偏波が入射したとき、入射する光の偏波を回転させることが可能となる。
また、光制御素子の後段に偏光子の付いた光ディテクタを数個設け、光導波路内、光ファイバ内の偏波状態をモニタして、制御回路により偏波回転板にフィードバックすることにより、偏波の状態を常に一定に保つことが可能となる。
図41(a)では、片面しか示していないが、裏面にも同様のパターンの電極が形成されている。
参考例11の光制御素子は、図41に示すように、絶縁フィルム1303に穴1301を開け、その中心を対称中心とする8つのパターニングされた電極1302を形成し、前記参考例7及び8と同様に、光導波路あるいは光ファイバに設けられた溝に挿入して、光がこの穴を通過するようにアライメントし、穴の中にネマチック液晶1305を充填する。電圧が無印加の状態ではネマチック液晶1305はランダムに配向している。
図41(b)に示すように、8つに分割された電極にπ/4ずつ位相をずらして印加し、θを0から2πまで変化させることにより、中心部のネマチック液晶1305が回転する。ネマチック液晶1305は、複屈折を持つため、波長板と同様の働きをする。
前記溝の幅をλ/2相当の厚さに設定しておくと、回転λ/2板が実現でき、直線偏波が入射したとき、入射する光の偏波を回転させることが可能となる。
また、光制御素子の後段に偏光子の付いた光ディテクタを数個設け、光導波路内、光ファイバ内の偏波状態をモニタして、制御回路により偏波回転板にフィードバックすることにより、偏波の状態を常に一定に保つことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態1〜3では、光通過部に透明電極がなく、さらに溝の間が10μmから100μmと短いため、ロスが非常に低く、さらに電極は液晶近傍にあるため低電圧駆動であり、電場が光の進行方向に平行であるため偏波依存性がなく、光のロスを調整でき、光ファイバのアライメントが必要なく、安価な可変光減衰器が実現できるという効果が得られる。
また、光ディテクタを備えることにより、光のパワーを常に一定に制御できるという効果が得られる。
また、光ディテクタを備えることにより、光のパワーを常に一定に制御できるという効果が得られる。
以上、本発明を、前記実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
101…光ファイバ、102…光ファイバアレイを固める樹脂、103…溝、104…金属フィルム電極、105…光ファイバコア部、106…透明電極、107…垂直配向膜、108…グランジャン配向のコレステリック液晶、109…ガラス基板、110…フォーカルコニック配向のコレステリック液晶、111…ホメオトロピック配向のネマチック液晶、112…スリット金属フィルム電極、113…スリット部、114…ガラス基板、115…液晶層、116…光ファイバ、117…光導波路基板、118…ダイシングソー、119…液晶充填部分、120…封止用パッケージ、121…スリット金属フィルム電極の曲げた部分、122…電極配線、131…ガラス基板、132…上側電極、133…下側電極、201…2×2の基本スイッチ、202…8×8エレメント、203…8×8スイッチ、204…光制御素子(8光減衰器アレイ)、205…減衰器電極アレイ、206…取り出し電極、207…光導波路基板(PLC基板)、301…入力側光導波路、302…第1のスラブ導波路、303…波長板、304…溝、305…光制御素子(光減衰器アレイ)、306…取り出し電極、307…Si基板、308…第2のスラブ導波路、309…アレイ導波路格子、403…光導波路コア部、401…液晶層、402…電極、403…光導波路コア部、404…Si基板、405…溝、406…光導波路、407…光導波路基板、408…ダイシングソー、409…紫外線、410…電気力線、501…光導波路基板、502…ガラス基板、503…取り出し電極、504…電極、505…配向膜、506…液晶層、507…溝、508…光導波路、509…液晶分子、510…ダイシングソー、601…ガラス光ファイバまたはプラスチック光ファイバ、602…V溝付き絶縁基板、603…下部電極、604…導電性ペースト、605…電気力線、606…液晶層、607…ファイバの周りのコートされた電極、608…光ファイバ被覆、609…取り出し電極、610…ファイバをV溝に固定する接着剤、611…ダイシングソーのブレード、612…ダイシングソーによって形成された溝、613…配向膜、614…ガラス基板、615…ネマチック液晶、800…偏波制御素子、801…光ファイバ、901…光ファイバ、902…基板、903…絶縁フィルム、904…溝、905…液晶、906…金属電極、907…電気力線、908…接着剤、909…光導波路コア部、910…基板部、911…クラッド層、912…ダイシングソー、913…SiO2膜、1001…ピンホール、1002…入射光、1003…電場、1004…光ファイバコア、1005…絶縁フィルム、1006…溝、1001A…円形ピンホール、1001B…長方形ピンホール、1001C…三角形ピンホール、1201…溝、1202…透過型光ディテクタ、1203…制御回路、1204…光減衰部分、1205…分岐導波路、1206…受光型の光ディテクタ、1207…偏波制御部分、1208…光偏光子、1301…穴、1302…電極、1303…絶縁フィルム、1304…取り出し電極、1305…ネマチック液晶。
Claims (4)
- 基板上に光導波路あるいは光ファイバが設けられ、前記光導波路あるいは光ファイバの光通過部分を切断する溝が設けられ、前記溝に液晶が充填され、前記液晶に電界を印加する一対の電極が、前記溝の前記光通過部分の近傍の光通過部分以外の部分に、当該電極によって前記液晶の光透過部分に印加される電界が光の進行方向と平行になるように設けられてなり、前記液晶が、コレステリック−ネマチック相転移液晶、ポリマーネットワーク液晶、高分子分散型液晶のうちのいずれか1つであり、前記電極は、基板上に光導波路が設けられた場合には、導波路のクラッドの上面あるいは上下面に設けられ、基板上に光ファイバが設けられた場合には、光ファイバクラッドの周りに設けられてなることを特徴とする可変光減衰器。
- 請求項1に記載の可変光減衰器において、前記電極は、導波路の場合には蒸着した電極であり、光ファイバの場合には光ファイバクラッドの周りにコートした電極あるいは導電性ペーストであることを特徴とする可変光減衰器。
- 基板上に光導波路あるいは光ファイバを形成し、前記光導波路あるいは光ファイバの光通過部分を切断する溝を形成し、該溝に、コレステリック−ネマチック相転移液晶、ポリマーネットワーク液晶、高分子分散型液晶のうちのいずれか1つの液晶を充填し、該液晶に電界を印加する一対の電極を、前記溝の前記光通過部分の近傍の光通過部分以外の部分に、当該電極によって前記液晶の光通過部分に印加される電界が光の進行方向と平行になるように形成することを特徴とする可変光減衰器の作製方法。
- 請求項3に記載の可変光減衰器の作製方法において、基板上に光導波路を形成した場合には導波路のクラッドの上面あるいは上下面に金属電極を形成して前記電極を形成し、基板上に光ファイバを形成した場合には、光ファイバクラッドの周りに電極をコートしあるいは導電性ペーストでコートすることによって前記電極を形成することを特徴とする可変光減衰器の作製方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN100368836C (zh) * | 2006-01-13 | 2008-02-13 | 吉林大学 | 聚合物分散液晶光衰减器阵列及制作方法 |
KR102173872B1 (ko) * | 2019-09-16 | 2020-11-04 | 계명대학교 산학협력단 | 홀 기반의 플라스틱 광섬유 센서 |
-
2005
- 2005-03-25 JP JP2005088118A patent/JP2005189891A/ja active Pending
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