JP2005187019A - スロッシング防止ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易で軽量な構成からなり、タンク内の液面に連動して円滑,確実に展開,伸縮し、スロッシングの発生を確実かつ効果的に防止する。
【解決手段】 タンク本体1内の液面と平行に、タンク高さ方向に沿って複数配設されるフレームリング11と、上下に隣接するフレームリング間に張架される曲折自在なワイヤ12と、フレームリング11及びワイヤ12で囲まれて形成される四辺空間に配設され、下側フレーム辺及び両ワイヤ辺の三辺に固着され、上側フレーム辺に固着されない未固着部を有し、未固着部がタンク内の内部流体の圧力によって開閉するスロッシング防止膜13を備え、最上位のフレームリング11に張架されるワイヤ12の上端がタンク内の浮屋根2の下面に固定され、最下位に配設されるフレームリング11がタンク底部に固定されて、スロッシング防止膜13がタンク内の液面に連動して伸縮,展開する構成となっている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地震等の外力によって石油タンク等に発生するスロッシング(液面揺動)を防止するダンパーに関し、特に、簡易で軽量な構成のみからなり、貯蔵された液体の液面に連動して円滑,確実に伸縮,展開して、スロッシングの発生を確実かつ効果的に防止することができるスロッシング防止ダンパーに関する。
一般に、石油等の液体を大量に貯蔵するタンク(貯槽)として、浮屋根式のタンクが知られている。
浮屋根式タンクは、貯槽として屋根のない上部に開口した円筒形状等のタンク本体を備え、このタンク本体に貯蔵される石油等の液面に、浮屋根と呼ばれる薄鋼板を浮かべる構造となっている。
このような浮屋根式タンクは、タンク本体の屋根を必要とすることなく石油等を良好な状態で貯蔵,保管でき、ドーム式の屋根付きタンク等と比べて低コストに設置できることから、特に大容量の石油タンク等として広く用いられている。
図9は、一般的な浮屋根式タンクを模式的に示したタンクの断面正面図である。
同図に示すように、浮屋根式タンクは、上部が開口した円筒状のタンク本体1と、タンク本体1に収納,貯蔵された石油等の液面に浮かべられる浮屋根2を備えている。
浮屋根2は、タンク形状に対応した円板状に形成された薄鋼板等からなり、外周縁に沿ってポンツーン3と呼ばれる中空の浮箱が環状に連接され、ポンツーン3の浮力によって石油等の液面に浮かぶようになっている。
ポンツーン3の外周縁とタンク本体1の側壁1aの間には、シール装置4が環状に配設され、タンク内を外部と遮断,気密しており、貯蔵された液体の気化やタンク内への雨水の浸入等が防止されるようになっている。
また、浮屋根2は、タンク内で移動,回転等しないように、ポンツーン3を貫通するガイドポール5,5によって保持されている。ガイドボール5は、タンク本体1の側壁1aに固定された柱状部材であり、ポンツーン3を貫通することにより、浮屋根2の回転,移動を防止するようになっている。
さらに、タンク本体1には、側壁1aから浮屋根2の上面に作業者が下りられるように、ローリングラダー6が備えられている。ローリングラダー6は、浮屋根2の昇降動作に追随する回動構造の梯子で、タンク本体1の側壁上部に備えられる測定小屋(図示省略)からローリングラダー6を介して、作業者が浮屋根2に下りられるようになっている。
その他、浮屋根式タンクには、図9では図示を省略してあるが、浮屋根2の上面に溜まった雨水等を外部に排出するルーフドレンや、浮屋根2の高さを監視するゲージポール等が備えられるようになっている。なお、ゲージポールはガイドポールと兼用されることがある。
ところで、以上のような浮屋根式タンクのように、大量の液体を収容,貯蔵した各種タンク(槽)では、タンクに加わる外力,起振力に起因して、収容している液体(内部流体)が揺動する、いわゆるスロッシングが発生することが知られている。
例えば、石油タンクのような大型のタンクでは、地震等の外力によって振幅の大きいスロッシングが引き起こされることがあり、このようなスロッシングが発生すると、タンクが破損したり収容した液体が溢流して、タンク外に石油等が漏洩することがある。そして、このような石油等の漏洩は、最悪の場合、火災や爆発等の事故に至るおそれがある。
図10は、浮屋根式タンクにおいてスロッシングが発生した場合の状態を模式的に示したタンクの断面正面図である。
同図に示すように、地震等に起因してスロッシングが発生すると、タンク内に貯蔵された液体の液面が大きく揺動し、これにともなって薄鋼板からなる浮屋根2も大きく撓んで揺動,変形する。
これによって、大きく揺動し波打った液体が側壁1aを越えて外部に溢流することがある。また、液面とともに浮屋根2も大きく撓んで変形するため、タンク内外を遮断しているシール装置4と側壁1aの間に隙間が生じ、また、ポンツーン3やガイドポール4に負荷がかかって破損等が生じポンツーン3が液面下に沈んでしまい、タンク内の液体が浮屋根2の上面に流出,漏洩することがある。
そして、このように溢流,漏洩した液体が石油等の場合、僅かな発火等があっても火災や爆発等の危険がある。このため、石油タンク等におけるスロッシングの抑制,防止は、極めて重要な課題となっている。
ここで、以上のようなスロッシングは、地震等の外力の周期とタンク液面の固有周期とが一致したときに特に激しくなり、スロッシング高さも高くなることが知られている。そして、タンク液面の固有周期は、タンク径と相関関係にあることが知られている。
このため、スロッシングを抑制,防止するためには、タンク内部の貯蔵空間を多数の仕切り板等で仕切ることでタンク径を分割して、タンク液面の固有周期を小さくすることが有効であり、これによって、タンク内で揺動する液体のエネルギーを減衰させることができることが知られている。
そこで、これまで、浮屋根式タンクにおいて、浮屋根の下面側から多数の区画板を吊り下げることにより、石油タンク等の槽内を多数の空間に仕切り、これによってタンク液面の固有周期を小さくし、スロッシングを抑制しようとするスロッシング防止装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭53−047014号公報(第3−4頁、第2−3図)
しかしながら、従来提案されている多数の区画板でタンク内を仕切るというスロッシング防止装置は、理論上乃至概念的なアイディアであり、現実には以下に示すような解決すべき課題があり、実際の浮屋根式の石油タンク等における実用化には至っていない。
まず、浮屋根式タンクの槽内を区画板で仕切った場合、貯蔵された液体残量に応じて昇降する浮屋根に合わせて、浮屋根から吊り下げられる区画板も展開,伸縮させる必要がある。ところが、従来提案されているスロッシング防止装置における格子状に形成された多数の枠体が組み立てられた区画板の場合、非常に大型かつ大重量で、機械的な嵌合構造であり、液面に合わせた滑らかな昇降動作は極めて困難であり、むしろ枠体同士が摺動することで損傷し、その結果スロッシング防止装置としての機能が維持されないおそれがあった。
また、従来提案されている格子状の枠体からなる区画板では、貯蔵されている液量が減少した際に、浮屋根とタンク底部との間に常に区画板の高さ分のデッドスペースができてしまい、タンク貯蔵容量を活用できなくなるという問題も発生した。
タンク内の石油等の液面と浮屋根との間に隙間があると、気化した揮発性ガスが滞留することになり爆発等の危険性がある。このため、液面と浮屋根とは常に密着した状態になければならない。従って、浮屋根の下面から区画板が吊り下げられた場合、液体残量が減少して区画板がタンク底部に当たると、浮屋根はそれ以上は下降できないことになり、結果として、タンク内には常に区画板一枚分の高さのデッドスペースができてしまうことになった。
また、浮屋根から区画板を吊り下げるだけでは、スロッシングが発生した際に、揺動する内部流体によって区画板が上方に巻き上げられ、スロッシングの抑制機能が働かないという問題もあった。
タンク内を仕切ることでスロッシングを抑制するには、スロッシング発生時に、仕切り板等が揺動する内部流体に対して常に展張した状態でなければならない。
ところが、単に浮屋根から槽内に吊り下げるだけの従来の提案では、揺動する液体の圧力で容易に巻き上げられてしまい、現実にはスロッシングの抑制装置として有効に機能し得ないという問題が生じた。
さらに、このような格子状に組み立てられた枠体からなる区画板では、タンク内に搬入・設置しようとする場合に、タンク側壁のマンホールからタンク内部に搬入するとすれば区画板や枠体はサイズが小さなものに制限されてしまい、ある程度の大きさの区画板を設置するためには、組立前の枠体や小さく切断した区画板をマンホールから搬入した後、タンク内部で組み立てたり溶接する必要があった。
このため、枠体,区画板の設置・組立作業は極めて煩雑で大がかりなものとなり、現実には実施は不可能であった。
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、簡易で軽量な構成からなり、タンク内の液面に連動して円滑,確実に展開,伸縮するとともに、揺動する液体に対して常に展張された状態にダンパーを保持することが可能となり、スロッシングの発生を確実かつ効果的に防止することができ、タンク内に無駄なデッドスペース等も生じず、タンク内への搬入・設置も極めて容易に行える、特に浮屋根式の石油タンク等に好適なスロッシング防止ダンパーの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のスロッシング防止ダンパーは、請求項1に記載するように、液体を貯蔵するタンク内に配設されるスロッシング防止用のダンパーであって、タンク内の液面と平行に、タンク高さ方向に沿って複数配設されるフレームと、フレームと交差する方向に配設され、上下に隣接するフレーム間に張架される曲折自在なワイヤと、フレーム及びワイヤで囲まれて形成される四辺空間に配設される可撓性を有する薄膜部材からなり、四辺空間の下側又は上側フレーム辺及び両ワイヤ辺の三辺に固着されるとともに、上側又は下側フレーム辺に固着されない未固着部を有し、この未固着部をタンク内の内部流体が通過可能なスロッシング防止膜と、を備え、複数のフレームのうち最上位に配設されるフレーム及び/又は当該最上位のフレームに張架されるワイヤの上端が、タンク内の液面位置に液面と連動するように配置されるとともに、複数のフレームのうち最下位に配設されるフレーム及び/又は当該最下位のフレームに張架されるワイヤの下端が、タンク底部に固定され、フレーム及びワイヤに固着されたスロッシング防止膜が、タンク内の液面に連動して伸縮,展開する構成としてある。
このような構成からなる本発明のスロッシング防止ダンパーによれば、石油タンク等のタンク形状に合わせたリング状等に形成したフレームを、タンク内の液面と平行に上下に複数配設して、これを曲折自在なワイヤで上下方向に連結し、フレームとワイヤで囲まれた空間に薄膜を固着することにより、タンク内を小空間に仕切るダンパーを構成することができる。
そして、このダンパーのフレーム又はワイヤの上端をタンク内の液面位置に液面と連動するように配置するとともに、下端をタンク底部に固定することにより、ダンパーをタンク液面に連動してタンク内を昇降して伸縮,展開させることができる。
このようなスロッシング防止ダンパーによれば、曲折自在なワイヤで連結されたフレームは、タンク内の液面に連動して円滑に伸縮,展開され、液体残量に応じて常に展張された状態でタンク内を小空間に仕切ることになり、タンクに地震等の外力が加わっても、タンク液面の固有周期が小さくなり、スロッシングが効果的に抑制されることになる。
また、フレームとワイヤに固着される膜(スロッシング防止膜)は、四辺空間の上辺部(又は下辺部)はフレームに固着しない構成とすることにより、地震等によりタンク内の液体が揺動しても、スロッシング防止膜に当たる内部流体は、未固着部を通ってタンク上部(下部)に流れるとともに、流体の圧力は膜をタンク下向き(上向き)に押圧をすることになり、ダンパー全体は内部流体の圧力によってタンク内に展張された状態が維持されることになる。
さらに、タンクの液体残量が減少すると、ワイヤが曲折してフレームがタンク底部に積み重ねられた状態となるので、重なったフレームの高さ(厚み)分だけのスペースを残して、タンク内の液体はすべて使用(排出)することができる。
このようにして、本発明では、フレームとワイヤ及び薄膜という、簡易で軽量化された部材のみで、タンク液面に連動して円滑に伸縮,展開するスロッシング防止ダンパーを実現することができ、揺動する液体に対して常に展張された状態にダンパーを保持することが可能となり、スロッシングの発生を確実かつ効果的に防止することができる。
しかも、ダンパーは積み重ねられた状態でフレームの高さ分だけのスペースで収納でき、タンク内に無駄なデッドスペース等も生じることがなく、タンク容量を最大限活用しつつ、効果的にスロッシングを抑制できる、経済性,信頼性の高いスロッシング防止ダンパーを実現することができる。
さらに、このように曲折自在かつ積み重ね自在なフレームとワイヤ及び薄膜という簡易で軽量化された部材のみからなるダンパーは、例えば、折り曲げた状態でタンク側壁のマンホールからタンク内部に搬入可能であり、タンク内への搬入・設置も極めて容易に行えるようになる。
また、本発明のスロッシング防止ダンパーは、請求項2に記載するように、スロッシング防止膜は、上側又は下側フレーム辺に固着されない未固着部側の辺長が、当該上側又は下側フレーム辺の辺長より長く形成された構成としてある。
このように、本発明のスロッシング防止ダンパーでは、フレームとワイヤに固着するスロッシング防止膜の未固着部となる上辺(又は下辺)の辺長を、下辺(又は上辺)の固着部の辺長よりも長くなるように膜を形成することができる。
このような構成とすることにより、タンク内の液体が揺動してスロッシング防止膜に内部流体が当たると、膜上辺(又は下辺)の未固着部が大きく開口し、内部流体がより円滑にタンク上方(又は下方)に流れるようになり、スロッシング防止ダンパーを確実にタンク内に展張させることができる。
そして、本発明のスロッシング防止ダンパーは、請求項3に記載するように、タンクが、タンク内の液面に浮上する浮屋根を備える浮屋根式タンクである場合に、複数のフレームのうち最上位に配設されるフレーム及び/又は当該最上位のフレームに張架されるワイヤの上端が、浮屋根の下面に固定される構成としてある。
このような構成からなる本発明のスロッシング防止ダンパーによれば、浮屋根式タンクに備えられる浮屋根にダンパー上端のフレーム又はワイヤを固定することにより、液面に浮上する浮屋根に連動してダンパーを伸縮,展開させることができる。
タンクのスロッシングによる液体の溢流,漏洩は、特に浮屋根式タンクにおいて生じ易く、本発明のスロッシング防止ダンパーを備えることによって、浮屋根式タンクにおけるスロッシングの弊害を有効に除去,解消することができるようになる。
また、本発明のスロッシング防止ダンパーは、請求項4に記載するように、タンク内の液面に浮上する一又は二以上の浮子部材を備え、複数のフレームのうち最上位に配設されるフレーム及び/又は当該最上位のフレームに張架されるワイヤの上端が、浮子部材に固定される構成とすることができる。
このような構成からなる本発明のスロッシング防止ダンパーによれば、タンク内の液面に浮上する浮子を備え、この浮子にダンパー上端のフレーム又はワイヤを固定することで、液面に連動してダンパーを伸縮,展開させることができる。
これにより、浮屋根式タンクについては勿論のこと、浮屋根を備えないタンク(例えば、ドーム式タンク)であっても、本発明のスロッシング防止ダンパーを使用することができ、あらゆる形式のタンクに対応可能な汎用性,拡張性に優れたスロッシング防止ダンパーを実現することができる。
また、本発明のスロッシング防止ダンパーは、請求項5に記載するように、複数のフレームが、タンク内の液面と平行な平面に環状に配設される構成とすることができる。
さらに、請求項6に記載するように、複数のフレームが、タンク内の液面と平行な平面に放射線状に配設される構成とすることができる。
このような構成からなる本発明のスロッシング防止ダンパーによれば、スロッシング防止膜を伸縮,展開させるフレームを、環状や放射線状等の任意の形状に形成,配設することができる。
これにより、タンクの形状や大きさ等に応じて、最適な状態に設定して、スロッシング防止膜をタンク内に伸縮,展開させることができ、あらゆる形状,大きさ等のタンクにも対応可能な、汎用性,拡張性に優れたスロッシング防止ダンパーを提供することができる。
勿論、本発明のスロッシング防止ダンパーは、フレームの平面形状が環状や放射線状のものに限られるものではなく、例えば、環状と放射線状を組み合わせた形状や、その他の形状とすることもできる。
以上のように、本発明のスロッシング防止ダンパーによれば、簡易で軽量な構成により、タンク内の液面に連動して円滑,確実にダンパーを展開,伸縮することができ、揺動する液体に対して常に展張された状態にダンパーを保持することができる。
これによって、スロッシングの発生を確実かつ効果的に防止することができるとともに、タンク内に無駄なデッドスペース等も生じることもなく、かつ、曲折自在のダンパーはタンク内への搬入・設置も極めて容易に行えるようになる。
従って、特に浮屋根式の石油タンク等に好適なスロッシング防止ダンパーを実現することができる。
以下、本発明に係るスロッシング防止ダンパーの好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[タンク]
まず、図1を参照して、本発明のスロッシング防止ダンパー10を適用する石油タンク等のタンクについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパー10を備えたタンクの断面正面図である。
同図に示すタンクは、大量の石油を保管,貯蔵する石油タンク等を構成する浮屋根式タンクとなっており、スロッシング防止ダンパー10を備える点を除いては、従来からの一般的な浮屋根式タンクと同様の構成となっている(図9参照)。
具体的には、図1に示すタンクは、上部が開口した円筒状のタンク本体1と、タンク本体1に収納,貯蔵された石油等の液面に浮かべられる浮屋根2を備えている。
浮屋根2は、タンク形状に対応した円板状に形成された薄鋼板等からなり、外周縁に沿ってポンツーン3と呼ばれる中空の浮箱が環状に連接され、ポンツーン3の浮力によって石油等の液面に浮かぶようになっている。
ポンツーン3の外周縁とタンク本体1の側壁1aの間には、シール装置4が環状に配設され、タンク内を外部と遮断,気密しており、貯蔵された液体の気化やタンク内への雨水の浸入等が防止されるようになっている。
また、浮屋根2は、タンク内で移動,回転等しないように、ポンツーン3を貫通するガイドポール5,5によって保持されている。ガイドボール5は、タンク本体1の側壁1aに固定された柱状部材であり、ポンツーン3を貫通することにより、浮屋根2の回転,移動を防止するようになっている。
さらに、タンク本体1には、側壁1aから浮屋根2の上面に作業者が下りられるように、ローリングラダー6が備えられている。ローリングラダー6は、浮屋根2の昇降動作に追随する回動構造の梯子で、タンク本体1の側壁上部に備えられる測定小屋(図示省略)からローリングラダー6を介して、作業者が浮屋根2に下りられるようになっている。
その他、本実施形態のタンクでは図示を省略してあるが、浮屋根2の上面に溜まった雨水等を外部に排出するルーフドレンや、浮屋根2の高さを監視するゲージポール等が備えられることは、一般の浮屋根式タンクと同様である。
そして、以上のような浮屋根式タンクのタンク本体1内に、スロッシング防止ダンパー10が備えられるようになっている。
[スロッシング防止ダンパー]
以下、本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパー10の具体的な構成を説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパー10の要部拡大斜視図である。図3は、本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパーのフレームリングの形状を示す平面図であり、(a)はフレームリングを放射状に形成した場合、(b)は同じく五角形状に形成した場合である。
図4は、本実施形態に係るスロッシング防止ダンパーの液量に連動した昇降動作を示す石油タンクの断面正面図である。さらに、図5及び図6は、本実施形態に係るスロッシング防止ダンパーによるスロッシング抑制作用を説明するダンパーの要部断面側面図であり、図5は本発明に係るダンパーの場合を、図6は従来のダンパーの場合を示している。
これらの図に示すスロッシング防止ダンパー10は、タンク本体1内に配設されて、地震等によるスロッシングを防止するためのダンパーであり、フレームリング11とワイヤ12及びスロッシング防止膜13を備えている。
フレームリング11は、タンク内の液面と平行な水平面に配設されるフレームであり、タンク高さ方向に沿って複数配設されるようになっている。
そして、タンク高さ方向の最上位に配設されるリングフレーム11は、ワイヤ12を介してタンク液面に浮上する浮屋根2に固定されるとともに、最下位に配設されるリングフレーム11は、タンク底部に固定されている。これにより、リングフレーム11及びワイヤ12がタンク液面に連動するように配置され、ダンパー10はタンク内の液面に連動して展開,伸縮することになる。
ここで、タンク底部に固定されるリングフレーム11は、タンク底部に直接固定することもできるが、本実施形態では、タンク底部に所定間隔で台14を配設,固定し、この台14の上面にリングフレーム11を搭載,固定するようにしてある。このようにタンク底部に台14を備えることにより、リングフレーム11とタンク底部の間に空間ができ、タンク解放時のクリーニング,メンテナンス等が行い易くなる。
台14は、リングフレーム11とタンク底部に一定空間を形成できすスペーサとして機能すれば、どのような形状や大きさ,材質のものであっても良く、本実施形態では、図1及び図3に示すように、リングフレーム11の形状,大きさに対応して、一定の高さを有する直方体形状の台が所定間隔でタンク底部に配設されるようになっている。
また、フレームリング11は、タンク内に貯蔵される石油等で腐食,損傷しない金属製の棒状部材等で形成され、任意のフレーム形状に形成される。具体的には、フレームリング11は、環状や放射線状等の形成することができ、例えば、図3に示すような平面形状となるように形成することができる。
図3(a)に示す例では、フレームリング11を、平面同心円上に位置する三つの真円状リングと、この三つのリングを連結する放射線状に形成してあり、これがタンク内の液面と平行にタンク高さ方向に複数段(図1に示す例では7段)配設されるようになっている。
図3(b)に示す例では、フレームリング11は、外周に一つの真円状リングを備えるとともに、この真円状リングの内側に五角形状のリングを備え、両リングが連結されるように形成され、これがタンク高さ方向に複数配設されるようになっている。
このようにして、フレームリング11は、タンクの形状や大きさ等に応じて、最適な形状に設定することができる。
なお、本実施形態では、リング状(環状)のフレームリング11としてあるが、フレーム手段としては、必ずしもリング状でなくても良い。
また、フレームリング11の外周には、タンク本体1の側壁1aとの間に緩衝材11aを設けることができる。フレームリング11の外径によっては、タンク本体1の側壁1aと摺接,干渉する場合があり、そのような場合には、緩衝材11aを備えることにより、フレームリング11との摺接による側壁1aの摩耗等を防止することができる。
ワイヤ12は、フレームリング11と交差する垂直方向に配設される曲折自在なワイヤであり、タンク高さ方向の上下に隣接するフレーム間に張架されてフレームリング11を連結するようになっている。
本実施形態では、垂直方向に一本ずつのワイヤ12が備えられ、複数のフレームリング11に貫通,固着するようになっている。
そして、ワイヤ12の上端は、最上位のリングフレーム11を貫通してタンク液面に浮上する浮屋根2の下面に固定されるとともに、ワイヤ12の下端は、タンク底部に固定される最下位のリングフレーム11に固着されるようになっている。
このような曲折自在なワイヤ12でフレームリング11が張架,連結されることにより、フレームリング11は、タンク内の液面に連動してタンク内に一定間隔で展開され、また、タンク内の液面が下降すると、ワイヤ12が曲折してフレームリング11はタンク底部に積み重ねられた状態となり、重なったフレームリング11の高さ(厚み)分だけのスペースでダンパーが収納されることになる。
ここで、ワイヤ12は、フレームリング11に張架可能で曲折自在な紐状部材やチェーン等であれば良いが、タンク内に貯蔵される石油等によって腐食,損傷を受けないガラス繊維材質等で形成することが好ましい。
また、ワイヤ12の本数とフレームリング11に張架されるワイヤ12の長さ(張架長)によって、フレームリング11とワイヤ12によって形成される四辺空間の数と大きさ、すなわち、スロッシング防止膜13の数と大きさが決定されることになるが、これはタンクの大きさ,形状等に応じて、最適な値に設定することができる。
例えば、ワイヤ12の本数と張架長を設定して、縦横ほぼ1mの正方形状となるスロッシング防止膜13を設定することができる。
スロッシング防止膜13は、フレームリング11及びワイヤで囲まれて形成される四辺空間に配設される可撓性を有する薄膜部材である。
具体的には、スロッシング防止膜13は、図2に示すように、フレームリング11とワイヤ12で形成される四辺空間の下側フレーム辺及び両ワイヤ辺の三辺に固着されるとともに、上側フレーム辺には固着されない未固着部13aを有しており、この未固着部をタンク内の内部流体が通過できるようになっている。
このようなスロッシング防止膜13を備えることで、タンク内が小空間で仕切られるとともに、地震等によりタンク内の液体が揺動しても、スロッシング防止膜13に当たる内部流体が未固着部13aを通過してタンク上部に流れ、流体の圧力は膜をタンク下向きに押圧をするようになり(図5参照)、ダンパーが内部流体によって巻き上げられることなくタンク内に展張,維持されるようになる。
本実施形態では、スロッシング防止膜13は、上側フレーム辺に固着されない未固着部13a側の辺長が、当該上側フレーム辺の辺長より長くなるように形成してある。
このようにすると、タンク内の液体が揺動してスロッシング防止膜13に内部流体が当たると、膜上辺の未固着部13aが大きく開口し、内部流体がより円滑にタンク上方に流れるようになり、スロッシング防止ダンパーを確実にタンク内に展張させることが可能となる。
ここで、スロッシング防止膜13は、フレームリング11とワイヤ12で形成される四辺空間に配設可能で、可撓性を有する薄膜状部材でどのような材質であっても良いが、ワイヤ12と同様、タンク内に貯蔵される石油等によって腐食,損傷を受けないガラス繊維材質等で形成することが好ましい。
このような可撓性の薄膜部材でスロッシング防止膜13を形成することで、曲折自在なワイヤ12と同様に、タンク内の液面が下降するとスロッシング防止膜13が撓んで折れ曲がり、フレームリング11はタンク底部に積み重ねられた状態となって、重なったフレームリング11の高さ(厚み)分だけのスペースでダンパーが収納されるようになる。
なお、以上のような構成からなる本実施形態のダンパー10は、フレームリング11とワイヤ12及びスロッシング防止膜13を折り曲げて積み重ねた状態にして、タンク側壁のマンホール(図示省略)からタンク内部に搬入することができ、タンク内への搬入・設置作業は極めて容易に行える。
次に、以上のような構成からなる本実施形態のスロッシング防止ダンパーの動作について説明する。
まず、タンク本体1に所定量の液体(例えば石油等)が貯蔵されている状態では、図1に示すように、液面に浮上した浮屋根2に連動してダンパー10が展開され、タンク内の貯槽空間がスロッシング防止膜13によって小空間に分割されて仕切られている。
貯槽空間が小空間に分割されたタンクでは、貯蔵される液体の液面固有周期が小さくなり、スロッシングが抑制されることになる。
この状態で、地震等の外力がタンク本体1に加わると、ダンパー10を備えていないタンクの場合、図9及び図10に示したように、地震等に起因してスロッシングが発生し、タンク内に貯蔵された液体の液面が大きく揺動するとともに、浮屋根2も大きく撓んで揺動,変形し、タンク内の液体が流出,漏洩することになる。
これに対して、本実施形態のスロッシング防止ダンパー10を備えるタンク本体1では、液体残量に応じて展開され展張された状態が維持されるスロッシング防止膜13によってタンク内が小空間に仕切られるので、地震等の外力が加わっても、タンク液面の固有周期が小さくなり、スロッシングの発生が抑制,防止されることになる。
ここで、スロッシングはタンク内の液体の往復運動であり、タンクに展張されたダンパー10には往復運動する内部流体が繰り返し当たることになる。本実施形態では、ダンパー10のスロッシング防止膜13に、内部流体が通過可能な未固着部13aを設けてあるので、図5(a),(b)に示すように、地震等に起因してタンク内の液体が揺動し往復運動を繰り返しても、スロッシング防止膜13に当たる内部流体が未固着部13aをタンク左右に大きく開口させてここを通過し、内部流体はタンク上部に流れるとともに、流体の圧力は膜をタンク下向きに押圧をすることになる。
これによって、ダンパー10は、スロッシング防止膜13のみが内部流体の往復運動に呼応して左右に往復運動し(図5(a),(b)参照)、ダンパー自体は内部流体によっても巻き上げられることなくタンク内に展張されたまま維持され、これによって、ダンパー10がスロッシング防止手段として有効に機能することになる。
一方、スロッシング防止膜13に内部流体が通過する未固着部を設けていない単なるダンパーでは、図6に示すように、タンク内を往復運動する内部流体によってスロッシング防止膜13が押圧されて上方に巻き上げられてしまい、スロッシング防止手段として有効に機能し得ない結果になる。
さらに、タンク本体1の液体の残量が減少した場合には、図4に示すように、液面に浮上する浮屋根2が下降し、それに連動してダンパー10もタンク底部側に下降する。そして、ダンパー10が下降すると、タンク底部側のワイヤ12及びスロッシング防止膜13が順次曲折し、フレームリング11はタンク底部に積み重ねられた状態で収納されることになる。
その結果、ダンパーは、重なったフレームリング11の高さ(厚み)分だけのスペースで収納されることになり、タンク内には無駄なデッドスペースが生じず、タンク内の液体は可能な限り使用(排出)することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、石油タンク等のタンク本体1の形状に合わせて形成したフレームリング11を、タンク内の液面と平行に上下に複数配設し、これを曲折自在なワイヤ12で上下方向に連結し、フレームリング11とワイヤ12で囲まれた空間に薄膜部材からなるスロッシング防止膜13を固着することにより、タンク内を小空間に仕切るスロッシング防止ダンパー10を構成することができる。
そして、ダンパー10は、ワイヤ12(又はフレームリング11)の上端をタンク内の液面に浮上する浮屋根に固定するとともに、最下位のフレームリング11(又はワイヤ12の下端)をタンク底部に固定することにより、ダンパーをタンク液面に連動してタンク内を昇降して伸縮,展開させることができる。
これにより、曲折自在なワイヤ12で連結されたフレームリング11は、タンク内の液面に連動して円滑に伸縮,展開され、液体残量に応じて常に展張された状態でタンク内を小空間に仕切ることになり、タンクに地震等の外力が加わっても、タンク液面の固有周期が小さくなり、スロッシングが効果的に抑制されることになる。
また、フレームリング11とワイヤ12に固着されるスロッシング防止膜13は、四辺空間の上辺部がフレームリング11に固着されないことにより、地震等によりタンク内の液体が揺動しても、スロッシング防止膜13に当たる内部流体は、未固着部13aを通ってタンク上部に流れるとともに、流体の圧力は膜をタンク下向きに押圧をすることになり、ダンパー全体は内部流体の圧力によってタンク内に展張された状態が維持されることになる。
さらに、タンク本体1の液体残量が減少すると、ワイヤ12が曲折してフレームリング11がタンク底部に積み重ねられた状態となるので、重なったフレームリング11の高さ(厚み)分だけのスペースを残して、タンク内の液体はすべて使用(排出)することができる。
このようにして、本実施形態のスロッシング防止ダンパー10によれば、フレームリング11とワイヤ12及びスロッシング防止膜13という、簡易で軽量化された部材のみで、タンク液面に連動して円滑に伸縮,展開するスロッシング防止ダンパー10を実現することができ、揺動する液体に対して常に展張された状態にダンパー10を保持することが可能となり、スロッシングの発生を確実かつ効果的に防止することができる。
また、ダンパー10は積み重ねられた状態でフレームリング11の高さ分だけのスペースで収納でき、タンク内に無駄なデッドスペース等も生じることがなく、タンク容量を最大限活用しつつ、効果的にスロッシングを抑制できる、経済性,信頼性の高いスロッシング防止ダンパーを実現することができる。
しかも、このように曲折自在かつ積み重ね自在なフレームリング11とワイヤ12及びスロッシング防止膜13という簡易で軽量化された部材のみからなるダンパー10は、例えば、折り曲げた状態でタンク側壁のマンホールからタンク内部に搬入可能であり、タンク内への搬入・設置も極めて容易に行えるようになる。
なお、以上の実施形態では、スロッシング防止ダンパー10を浮屋根式タンクに備えられる浮屋根2に取り付けられる場合を示したが、スロッシング防止ダンパー10は、必ずしも浮屋根2に取り付けられなくても良い。
図7に、本発明の他の実施形態に係るスロッシング防止ダンパー10を備えた石油タンクの断面正面図を示す。
同図に示す例では、ダンパー10は、タンク内の液面に浮上する浮子15を備えている。浮子15は、複数のワイヤ12に一対一に対応して設けられ、最上位のフレームリング11に貫通,固着されたワイヤ12の上端が、それぞれ対応する浮子15に固定されるようになっている。このような構成としても、上述した浮屋根2に固定される場合と同様に、タンク液面に連動してダンパー10を伸縮,展開させてスロッシング防止手段として有効に機能させることができる。
そして、このように浮屋根2とは独立した浮子15を備えるダンパー10によれば、浮屋根式タンクについては勿論のこと、図7に示すように、固定式のドーム7を備えるドーム式タンクであっても、本発明のスロッシング防止ダンパーを使用することができるようになる。
また、以上の実施形態では、ダンパー10のスロッシング防止膜13は、フレームリング11及びワイヤで囲まれて形成される四辺空間の上側フレーム辺に未固着部13aを備えるようにしていたが、これを下側フレーム辺に備えるようにしても良い。
このようにすると、図8に示すように、地震等に起因してタンク内の液体が揺動し往復運動すると、スロッシング防止膜13に当たる内部流体が下側フレーム辺の未固着部13aを開口,通過してタンク下部に流れるとともに、流体の圧力は膜をタンク上向きに押圧をすることになり、ダンパー10は、内部流体とその圧力によってタンク内に展張された状態に維持される。
これによって、上述した実施形態の場合と同様、スロッシング防止手段として有効に機能するようになる。
以上、本発明のスロッシング防止ダンパーについて、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るスロッシング防止ダンパーは、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、本発明に係るスロッシング防止ダンパーを適用するタンクとして、円筒形状のタンクを例にとって説明したが、タンクの形状は円筒形状の場合だけに限らず、方形筒状,多角形筒状等であってもよい。なお、そのような場合には、ダンパーのフレームの平面形状も、タンクに合わせて方形状,多角形状等に形成する。
以上説明したように、本発明のスロッシング防止ダンパーは、地震等の外力によって石油タンク等に発生するスロッシング(液面揺動)を防止するダンパーとして、特に、浮屋根式タンクに備えられるスロッシング防止ダンパーとして好適に利用することができる。
本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパーを備えたタンクの断面正面図である。 本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパーの要部拡大斜視図である。 本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパーのフレームリングの形状を示す平面図であり、(a)はフレームリングを放射状に形成した場合、(b)は同じく五角形の環状に形成した場合である。 本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパーの液量に連動した昇降動作を示す石油タンクの断面正面図である。 本発明の一実施形態に係るスロッシング防止ダンパーによるスロッシング抑制作用を説明するダンパーの要部断面側面図である。 従来のダンパーによるスロッシング抑制作用を説明するダンパーの要部断面側面図である。 本発明の他の実施形態に係るスロッシング防止ダンパーを備えたタンクの断面正面図である。 本発明の他の実施形態に係るスロッシング防止ダンパーによるスロッシング抑制作用を説明するダンパーの要部断面側面図である。 従来の一般的なタンクの断面正面図である。 スロッシングが発生した状態を模式的に示すタンクの断面正面図である。
符号の説明
1 タンク本体
2 浮屋根
3 ポンツーン
4 シール装置
5 ガイドポール
6 ローリングラダー
7 ドーム
10 スロッシング防止ダンパー
11 フレームリング
12 ワイヤ
13 スロッシング防止膜
14 台
15 浮子

Claims (6)

  1. 液体を貯蔵するタンク内に配設されるスロッシング防止用のダンパーであって、
    タンク内の液面と平行に、タンク高さ方向に沿って複数配設されるフレームと、
    フレームと交差する方向に配設され、上下に隣接するフレーム間に張架される曲折自在なワイヤと、
    フレーム及びワイヤで囲まれて形成される四辺空間に配設される可撓性を有する薄膜部材からなり、四辺空間の下側又は上側フレーム辺及び両ワイヤ辺の三辺に固着されるとともに、上側又は下側フレーム辺に固着されない未固着部を有し、この未固着部をタンク内の内部流体が通過可能なスロッシング防止膜と、を備え、
    複数のフレームのうち最上位に配設されるフレーム及び/又は当該最上位のフレームに張架されるワイヤの上端が、タンク内の液面位置に液面と連動するように配置されるとともに、
    複数のフレームのうち最下位に配設されるフレーム及び/又は当該最下位のフレームに張架されるワイヤの下端が、タンク底部に固定され、
    フレーム及びワイヤに固着されたスロッシング防止膜が、タンク内の液面に連動して伸縮,展開することを特徴とするスロッシング防止ダンパー。
  2. スロッシング防止膜は、上側又は下側フレーム辺に固着されない未固着部側の辺長が、当該上側又は下側フレーム辺の辺長より長く形成された請求項1記載のスロッシング防止ダンパー。
  3. タンクが、タンク内の液面に浮上する浮屋根を備える浮屋根式タンクである場合に、
    複数のフレームのうち最上位に配設されるフレーム及び/又は当該最上位のフレームに張架されるワイヤの上端が、浮屋根の下面に固定される請求項1又は2記載のスロッシング防止ダンパー。
  4. タンク内の液面に浮上する一又は二以上の浮子部材を備え、
    複数のフレームのうち最上位に配設されるフレーム及び/又は当該最上位のフレームに張架されるワイヤの上端が、浮子部材に固定される請求項1又は2記載のスロッシング防止ダンパー。
  5. 複数のフレームが、タンク内の液面と平行な平面に環状に配設される請求項1乃至4記載のスロッシング防止ダンパー。
  6. 複数のフレームが、タンク内の液面と平行な平面に放射線状に配設される請求項1乃至5記載のスロッシング防止ダンパー。
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