JP2005185802A - 超音波用集束装置 - Google Patents

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Tadashi Moriya
正 守屋
Yoshikatsu Tanahashi
善克 棚橋
Rikio Honda
力雄 本田
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Abstract

【課題】 伝送線路を用いる超音波治療器もしくは超音波発受信装置において、整合層を使用することなく集束超音波を放射又は送受できること、及び介在組織を損傷することなく、病変部位のみに超音波を集束させること。
【解決手段】 放射器から放射される超音波を擬似回転放物面型の集束ミラー1a、複合型の収束ミラー1b又は回転楕円型の集束ミラー1cを用いて超音波エネルギーを病変部に集中させる。
【選択図】 図1

Description

発明の詳細な説明
医用分野及び超音波計測の分野における、超音波測定、超音波治療装置及び画像化等に用いる超音波送受信に関し、特にパルス圧縮技術による超音波送受信及び内視鏡的超音波治療装置もしくはこれらに用いるカテーテルに関する。
超音波の反射波等を用いて計測を行うことや画像を得ることなど超音波を用いた内視鏡的な治療方法は従来から提案されている。例えば、特願平11−271454及び特願2000−92420においては、パルス圧縮による超音波送受信装置が開示されている。この装置において、パルス幅の長いチャープ信号を可撓性伝送線路により分離する方法が開示されている。この方法においては伝送線路先端から整合層を介して超音波を放射している。
また、伝送線路を介して超音波を治療に用いる方法も開示されている。しかし、この方法においては伝送線路の先端を治療部位に刺して治療するため、伝送部周辺の組織を治療する場合のみ適用可能で、介在組織に損傷を与えずに内部の治療部位のみを治療することは出来ない。
伝送線路を伝送してきた超音波を用いて介在組織に損傷を与えずに治療を行うには集束型の放射器(アプリケータ)が必要である。これまで伝送線路を介して伝送された超音波を集束するための放射器は開示されていない。
発明が解決しようとする課題
本発明の課題は、従来の伝送線路を用いる超音波治療器もしくは超音波送受信装置における次の問題を解決することである。
1.整合層を使用することなく集束超音波を放射もしくは送受できること。
2.介在組織を損傷することなく、病変部位のみに超音波を集束させること。
問題を解決するための手段
上記の目的を達成するために、伝送線路の放射部を伝送する超音波のモードを表面波とすることにより表面から放射するビーム方向を制御し、放射した波をさらに特殊な擬似回転放物面を持った集束ミラーで集束する。
さらに詳細な原理について説明する。石英やサファイヤ及びアルミナ等の弾性体の中にはポッシャマー・クリー波と呼ばれる弾性波が伝播し、その伝播特性は公知であり、かつ応用も提案されている。例えば特願2000−92420、特願2000−391634には、これらを用いた超音波計測や内視鏡的治療装置が開示されている。
これらの波の中で、L(0,1)モードと呼ばれる縦波の特性は図7で示される。図7において横軸は各周波数ωと半径rの積であり、縦軸は1m当たりの伝播時間である。図中のA領域では弾性体の全ての部分で振動する。これに対しBの領域ではωrの積が大きくなるにつれて振動が弾性体の表面に限られる表面波となる。
従って弾性体の表面から水中もしくは弾性体に比べ速度の遅いプラスチック等の媒質に放射される超音波は軸から斜め方向に伝播する。図8は直径2mmの石英棒を水中に入れて2.5MHzの超音波伝送したときの放射パターンを示したものである。なお、L(0,2)モードやL(0,3)モードの場合にも適切な条件を選べば表面波を発生できる。
ここで、弾性体の放射器の形状は図2の(a)(b)(c)(d)に示したように各種形状が使用可能である。(a)のカプセル型放射器、(b)のラッパ型放射器は可撓性伝送線路を経由してきた超音波を放射する場合に有用である。(c)のテーパ型放射器は可撓性の伝送線路を用いない場合に有用である。(a)〜(c)の放射器において、防水が必要な場合には、(d)に示すように放射部分のみに高分子膜で被覆し、他の部分は空気層を介してシールドすることが有用である。
本発明の実施の形態を、実施例をもとに説明する。
〔実施例1〕
図3に示すように、放物線aの一部を焦点Fを中心としx軸からθ度傾けた軸FXの周りに回転して得られる擬似放物面を内面とする集束ミラー1aの内部に、伝送線路3の先端に接続されたカプセル型の放射器2aをFX軸上に配置する。
図7においてBで示した領域は表面波状の超音波が伝播する領域である。この領域では弾性体中を伝播する弾性波の伝播速度が媒質である水の領域に近くなっているため、弾性体から水への放射の効率が高くなると考えられる。さらに表面には伝播する超音波により回析格子が形成されるためビームの放射方向が一定となる。この部分の放射器はカプセル型としても良いし、ラッパ型にしても良い。
図8から明らかなように伝送線路3からみると超音波の等位相面は傘状になっている。この波の集束方法を図3を用いて説明する。図3においてx、y軸で放物面が表されている。伝送線路を水中に置いた場合には超音波は伝送線路の斜め方向に放射される。そこで回転放物面の焦点を通る直線上(X軸上)に伝送線路を置くと超音波は伝送線路から見ると斜め方向(元のx、y座標系からみるとx軸に平行)に進むので、超音波は焦点Fに集束する。
従って、x、y座標で表された放物面を回転したX軸を中心とした放物面の一部を断面とした軸対称のミラーで収束型放射器が構成できる。
図9は放射パターンの観測方法を示したものであり、図10は放射器の放射面と平行な平面でのビームパターンを示し、図11は放射器の中心軸を含む面内での放射パターンを示している。伝送線路(石英棒)の放射部分の直径は2mm、超音波の周波数は2.5MHzである。
〔実施例2〕
図4に示すように、図3で説明した擬似放物面において焦点距離の異なる複数個の擬似放物面を同軸上に連続複合して作成した複合型の集束ミラー1bと、その内部に放射器2aをミラー軸上に移動できるように配置する。
治療目的によってはミラー表面から焦点までの距離を可変にしたい場合がある。そこで焦点距離の異なるミラーを直列に配置して放射位置(石英棒先端とミラーとの相対的位置)を可変とすることにより焦点距離を可変にできる。図9においては3つの焦点距離F1、F2,F3の異なる擬似回転放物面を用いた集束ミラー1bの例を示している。伝送線路からは先端部分からのみ超音波が放射されるものとする。伝送線路の先端が実線で示した位置にある場合には超音波はF1に収束し、点線で示した位置にあるときはF3に収束する。当然のことながら同一のミラーでも周波数を変えれば集束位置をかえることができる。
〔実施例3〕
図5に示すように、楕円bを長軸の周りに回転して得られる回転楕円面を内面とする集束ミラー1cの内部に伝送路3に接続されたラッパ型の放射器2cの放射面を焦点F1に配置する。
パルス波など多数の周波数成分が含まれる場合には擬似回転放物面のミラーでは集束位置が異なる。そこで、この場合には図5に示すように回転楕円面の集束ミラー1cを用いることが出来る。すなわち、第1の焦点F1近くに照射部を配置すると放射された超音波は第2の焦点F2に収束する。この場合カプセル型放射器に比べラッパ型放射器の方が放射部の長さを短く出来るため有用である。
〔実施例4〕
図6に示すように、ファイバー状の伝送路を複数本束ねた可撓性伝送線路4を用い、その先端に上記の超音波用集束装置を配置したものである。
発明の効果
本発明の超音波用集束装置は、以上のように構成されているので体内に存在する病変部に高エネルギーの超音波勢力をピンポイントに照射することができ、かつ体表ならびに病変部以外の介在組織部分を保護できる効果がある。
超音波集束装置の構成図である。 各種の放射器を示す図である。 擬似放物面を有する集束ミラーの断面図である。 複合型の集束ミラーの断面図である。 回転楕円面を有する集束ミラーの断面図である。 可撓性伝送線路を用いた超音波集束装置の構成図である。 表面波発生の原理説明図である。 X−Z平面における放射パターンである。 X−Y平面のパターン観測方法を示す説明図である。 超音波集束装置を水中で使用した時の放射パターンである。 超音波集束装置を一部(半分)水中で使用した時の放射パターンである。
符号の説明
1a、1b、1c 集束ミラー 2、2a、2b、2c 放射器
3 伝送線路 4 可撓性伝送線路
a 放物線 b 楕円 F,F1,F2,F3 焦点 x、y 座標軸

Claims (3)

  1. 伝送線路を用いた超音波治療装置及び超音波送受信装置において、擬似放物面を有する集束ミラー(1a)の内部に放射器(2)を配置し、放射器(2)に伝送線路(3)を接続して構成される超音波用集束装置。
  2. 複数の擬似放物面を複合した集束ミラー(1b)の内部に放射器(2)を配置し、放射器(2)に伝送線路(3)を接続して構成される請求項1記載の超音波用集束装置。
  3. 回転楕円型の集束ミラー(1c)の内部に放射器(2)を配置し、放射器(2)に伝送線路(3)を接続して構成される請求項1記載の超音波用集束装置。
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