JP2005183118A - 燃料電池スタック - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池スタックの低温始動性を向上する。
【解決手段】 固体高分子電解質膜51をアノード電極52とカソード電極53とで挟んでなる膜電極構造体54とセパレータとを交互に積層して構成される燃料電池スタック1において、セパレータは金属プレートからなるアノード側セパレータ55とカソード側セパレータ56を積層してなり、アノード側セパレータ55はアノード電極52側の面に燃料流路溝55cを備えるとともに反対側の面に第1冷媒流路溝55dを備え、カソード側セパレータ56はカソード電極53側の面に空気流路溝56cを備えるとともに反対側の面に第2冷媒流路溝56dを備え、対向配置された第1冷媒流路溝55cと第2冷媒流路溝56cの間に形成される空間にその長手方向に沿ってインサート材61が挿入され、第1冷媒流路溝55cおよび第2冷媒流路溝56cとインサート材61との間に冷媒流路60a,60bが形成されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、固体高分子電解質膜型の燃料電池スタックに関するものである。
燃料電池の中には、固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んで膜電極構造体を形成し、この膜電極構造体を一対のセパレータで挟持してセル(単位燃料電池)とするものがあり、この種の燃料電池では、一般に、セルを複数積層して燃料電池スタックとして用いる。
この燃料電池は、アノード電極に燃料ガス(例えば、水素ガス)を、カソード電極に酸化剤ガス(例えば、酸素を含む空気)を供給して化学反応を行い、この間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギーとして利用される。このとき、カソード電極において、水素イオン、電子、および酸素が反応して水が生成される。この燃料電池は環境に与える影響が少ないため車両の駆動源として注目されている。
また、一般に、この種の燃料電池の作動温度は70℃〜80℃程度とされており、発電に伴う発熱により燃料電池が前記作動温度を超えないように、冷媒通路に冷媒(例えば冷却液)を循環させて温度制御を行っている。
ところで、この種の燃料電池は氷点下環境での始動性が課題となっている。つまり、氷点下環境で燃料電池を始動したときに、発電に伴ってセル内に生じる生成水が凍結してしまうと、発電不能に陥る虞があるからである。
この生成水の凍結防止のために外部熱源を備えることが考えられたが、外部熱源を備えると燃料電池システムの複雑化、大型化を招いてしまう。
そこで、発電による自己発熱を利用して燃料電池スタック自身を暖機する方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。さらに、これに加えて、始動時に燃料電池スタック内の冷媒流路から冷媒を抜き取ることにより、発電に伴う自己発熱で発生した熱が冷却液を介して持ち去られるのを阻止し、セルの温度上昇を速めて、生成水の凍結防止を図る方法が考えられている(例えば、特許文献2参照)。
特表2000−512068号公報 特表2003−500824号公報
しかしながら、燃料電池スタックを自己発熱により暖機する場合には、発電に伴う自己発熱によるセルの温度上昇が間に合わず、生成水が電極内部で凍結して反応ガスの拡散を阻害し、反応ガスが固体高分子電解質膜に到達できなくなって急激な電圧降下を招く場合がある。
また、始動時に冷媒を抜き取ってしまうと、セル内部の温度が過剰に上昇して膜電極構造体の性能劣化を引き起こし、経時的にスタック電圧が低下していくという問題が生じる。
そこで、この発明は、セル内における冷媒の保有量を減少させて熱容量を低減することにより、燃料電池スタックの低温始動性、特に氷点下環境における始動性に優れた燃料電池スタックを提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、固体高分子電解質膜(例えば、後述する実施例における固体高分子電解質膜51)をアノード電極(例えば、後述する実施例におけるアノード電極52)とカソード電極(例えば、後述する実施例におけるカソード電極53)とで挟んでなる膜電極構造体(例えば、後述する実施例における膜電極構造体54)とセパレータとを交互に積層して構成される燃料電池スタック(例えば、後述する実施例における燃料電池スタック1)において、前記セパレータの少なくとも一部は、前記アノード電極に面して配置される第1金属プレート(例えば、後述する実施例におけるアノード側セパレータ55)と前記カソード電極に面して配置される第2金属プレート(例えば、後述する実施例におけるカソード側セパレータ56)を積層してなり、前記第1金属プレートは、アノード電極側の面に燃料流路溝(例えば、後述する実施例における燃料流路溝55c)を備えるとともに、アノード電極から離間する側の面に第1冷媒流路溝(例えば、後述する実施例における第1冷媒流路溝55d)を備え、前記第2金属プレートは、カソード電極側の面に酸化剤流路溝(例えば、後述する実施例における空気流路溝56c)を備えるとともに、カソード電極から離間する側の面に第2冷媒流路溝(例えば、後述する実施例における第2冷媒流路溝56d)を備え、対向配置された前記第1冷媒流路溝と前記第2冷媒流路溝の間に形成される空間にこれら冷媒流路溝の長手方向に沿ってインサート材(例えば、後述する実施例におけるインサート材61,62)が挿入され、前記第1冷媒流路溝と前記第2冷媒流路溝の少なくとも一方と前記インサート材との間に冷媒流路(例えば、後述する実施例における冷媒流路60a,60b)が形成されていることを特徴とする。
このように構成した燃料電池スタックでは、前記第1冷媒流路溝と前記第2冷媒流路溝との間にインサート材を挿入したことにより、冷媒流路の断面積を小さくすることが可能となり、燃料電池内における冷媒の保有量を減らすことが可能になる。そして、金属プレートからなるセパレータは熱容量が小さいことと、燃料電池スタック内の冷媒保有量が少ないことが相俟って、燃料電池スタックの熱容量を大幅に減少することができる。その結果、始動時における燃料電池スタックの昇温速度を速めることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1金属プレートと第2金属プレートは、前記第1冷媒流路溝と前記第2冷媒流路溝の長手方向が互いに平行をなす平行部(例えば、後述する実施例における平行部H)と、前記長手方向が互いに交差する交差部(例えば、後述する実施例における交差部G)を有し、前記インサート材の中央部が前記平行部に配置され、前記インサート材の端部が前記交差部において前記第1金属プレートと前記第2金属プレートによって挟持されていることを特徴とする。
このように構成することにより、特別な固定手段を用いることなく、インサート材を移動不能に固定することが可能になる。
請求項1に係る発明によれば、燃料電池スタックの熱容量を大幅に減少させて、始動時における燃料電池スタックの昇温速度を速めることができるので、印加可能な負荷電流の増加速度を速めることができ、燃料電池スタックの低温始動性が向上する。特に、氷点下環境における始動時には、発電に伴って生じる生成水が燃料電池スタック内で凍結するのを確実に防止することができ、確実で安定した始動性を確保することができる。
請求項2に係る発明によれば、簡単な構成でインサート材を移動不能に固定することができる。
以下、この発明に係る燃料電池スタックの実施例を図1から図9の図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施例における燃料電池スタックは燃料電池車両に搭載された態様であり、燃料電池の燃料として水素、酸化剤として空気中の酸素が使用される態様である。
初めに、この発明に係る燃料電池スタックの実施例1を図1から図5の図面を参照して説明する。
燃料電池スタック1は固体高分子型の燃料電池であり、図1および図2に示すように、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜51をアノード電極52とカソード電極53とで両側から挟み込んで膜電極構造体54を形成し、膜電極構造体54の両側にセパレータ55,56を配置してセル(単位燃料電池)50を構成し、このセル50を複数積層して燃料電池スタック1が構成されている。
セパレータ55,56は金属プレートをプレス成形して形成されている。詳述すると、図2に示すように、アノード電極52に面して配置されるアノード側セパレータ(第1金属プレート)55は、第1平坦部55aと第2平坦部55bを交互に有する断面波形をなし、一方の面に燃料流路溝55cを備え、他方の面に第1冷媒流路溝55dを備えている。カソード電極53に面して配置されるカソード側セパレータ(第2金属プレート)56は、第1平坦部56aと第2平坦部56bを交互に有する断面波形をなし、一方の面に酸化剤流路溝56cを備え、他方の面に第1冷媒流路溝56dを備えている。
金属製のセパレータは、カーボン製のセパレータよりも薄くでき燃料電池スタック1の積層方向寸法を短くすることができるとともに、カーボン製のセパレータよりも熱容量が小さくでき暖め易いという特徴を有している。セパレータ55,56の材質としては、プレス加工に適する種々の金属を用いることができ、より好ましくは、耐食性と接触抵抗を向上させるために表面処理を施したステンレス系材料を用いるのがよい。
セパレータ55,56は、アノード側セパレータ55の第1平坦部55aを膜電極構造体54のアノード電極52に当接させ、カソード側セパレータ56の第1平坦部56aを膜電極構造体54のカソード電極53に当接させ、互いに隣接して配置されたセパレータ55,56の第2平坦部55b,56b同士を当接させて、積層されている。
このようなセル50を複数積層してなる燃料電池スタック1においては、アノード側セパレータ55の燃料流路溝55cとアノード電極52との間に形成される空間は水素ガス(燃料)が流通する燃料流路58とされ、カソード側セパレータ56の酸化剤流路溝56cとカソード電極53との間に形成される空間は酸化剤としての酸素を含む空気が流通する空気流路(酸化剤流路)59とされている。
また、互いに隣接して配置された両セパレータ55,56間に形成される断面六角形の空間には、この空間をセパレータ55,56の積層方向に二分するインサート材61が挿入されている。インサート材61は断面略楕円形の中空筒状をなし、その両端が閉塞されており、第1冷媒流路溝55dおよび第2冷媒流路溝56dの長手方向に沿ってほぼ全長に亘って設けられている。また、インサート材61は、両セパレータ55,56の第1平坦部55a,56aとの間に隙間を有して配置されており、両セパレータ55,56の冷媒流路溝55d,56dの一部がインサート材61の外面を圧接することによってインサート材61は移動不能にされている。そして、アノード側セパレータ55の第1冷媒流路溝55dととインサート材61との間に形成される空間、およびカソード側セパレータ56の第2冷媒流路溝56dとインサート材61との間に形成される空間は、冷却液(冷媒)が流通する冷媒流路60a,60bとされている。
このように、セパレータ55,56は、水素ガス(燃料)と空気(酸化剤)と冷却液(冷媒)を分離する機能を有する。
従来は、互いに隣接して配置された両セパレータ55,56間の空間を全て冷媒流路としていたが、この実施例の燃料電池スタック1では、前記空間にインサート材61を挿入することで冷媒流路60a,60bの断面積を従来よりも小さくし、これにより冷媒の保有量を少なくしている。なお、冷媒保有量が少なくなっても、冷媒流路60a,60bを流通する冷媒が直接にセパレータ55,56と接触するので、膜電極構造体54に対する冷却能力を十分に確保することができる。
なお、インサート材61は図2に示される中空筒状のものに限らず、多孔質体で棒状に形成してもよい。また、インサート材61の断面形状は図2に示される略楕円形に限らず、図5に示すような多角形(図6の例では扁平六角形)であってもよい。いずれの形態のものを採用する場合であっても、冷却液(冷媒)が染み込まず軽量で熱容量が小さい材料で形成する。金属は重量が大きくなり結果的に熱容量が大きくなるため、インサート材61の素材としては好ましくない。
また、図5に示すように、燃料電池スタック1においてセル50の積層方向の両端部にはターミナルプレート10が配置されるが、このターミナルプレート10に隣接して設置されるセパレータ55,56間の空間には、ターミナルプレート10から離間する側のセパレータ(図5ではカソード側セパレータ56)との間にだけ冷媒流路(図5では冷媒流路60b)を形成するインサート材62を挿入し、ターミナルプレート10側には冷媒流路を設けないようにしてもよい。
図1に示すように、膜電極構造体54は、固体高分子電解質膜51の周縁部に電極52,53を有さない領域(以下、電極52,53を有する領域を「発電部」、有さない領域を「非発電部」と称す)を有し、この非発電部における左端部に3つの開口71,72,73が設けられ、右端部に3つの開口74,75、76が設けられている。
前述した燃料流路58、空気流路59、および冷媒流路60a,60bは膜電極構造体54における電極52,53に対応する領域(すなわち、発電部)に形成されており、セパレータ55,56の左右端部にも膜電極構造体54と同様に開口71〜76が設けられている。これら開口71〜76は膜電極構造体54とセパレータ55,56を積層した状態(すなわち、燃料電池スタック1として組み立てられた状態)においてシール材(図示略)を介して各開口毎にそれぞれ1本の管の如く連通し、分配流路もしくは集合流路として機能する。
ここで、左端部側の開口は上から順に、燃料供給開口71,冷媒排出開口72、空気排出開口73とされており、右端部側の開口は上から順に、空気供給開口74、冷媒供給開口75、燃料排出開口76とされている。そして、燃料供給開口71同士が連通して燃料分配流路71Aを構成し、冷媒排出開口72同士が連通して冷媒集合流路72Aを構成し、空気排出開口73同士が連通して空気集合流路73Aを構成し、空気供給開口74同士が連通して空気分配流路74Aを構成し、冷媒供給開口75同士が連通して冷媒分配流路75Aを構成し、燃料排出開口76同士が連通して燃料集合流路76Aを構成する。
図3は、アノード側セパレータ55を第1冷媒流路溝55dが形成されている側から見た正面図であり、裏面に燃料流路溝55cが形成されている。燃料流路溝55cおよび第1冷媒流路溝55dは水平方向に所定本数平行に配列されて形成されている。
そして、図中左側に位置する燃料流路溝55cの始端は燃料供給開口71に連通し、図中右側に位置する燃料流路溝55cの終端は燃料排出開口76に連通しており、水素ガスは、燃料分配流路71Aから燃料供給開口71を介して燃料流路58に導入され、燃料流路58を水平方向に流通した後、燃料排出開口76を介して燃料集合流路76Aに排出される。
また、図中右側に位置する第1冷媒流路溝55dの始端が冷媒供給開口75に連通し、図中左側に位置する第1冷媒流路溝55dの終端が冷媒排出開口72に連通しており、冷却液は、冷媒分配流路75Aから冷媒供給開口75を介してアノード側セパレータ55側の冷媒流路60aに導入され、冷媒流路60aを水平方向に流通した後、冷媒排出開口72を介して冷媒集合流路72Aに排出される。
図4は、カソード側セパレータ56を空気流路溝56cが形成されている側から見た正面図であり、裏面に第2冷媒流路溝56dが形成されている。空気流路溝56cおよび第2冷媒流路溝56dは、燃料流路溝55cおよび第2冷媒流路溝55dと同本数だけ水平方向に平行に配列されて形成されている。
そして、図中右側に位置する空気流路溝56cの始端が空気供給開口74に連通し、図中左側に位置する空気流路溝56cの終端が空気排出開口73に連通しており、空気は、空気分配流路74Aから空気供給開口74を介して空気流路59に導入され、空気流路59を水平方向に流通した後、空気排出開口73を介して空気集合流路73Aに排出される。
また、図中右側に位置する第2冷媒流路溝56dの始端が冷媒供給開口75に連通し、図中左側に位置する第2冷媒流路溝56dの終端が冷媒排出開口72に連通しており、冷却液は、冷媒分配流路75Aから冷媒供給開口75を介してカソード側セパレータ56側の冷媒流路60bに導入され、冷媒流路60bを水平方向に流通した後、冷媒排出開口72を介して冷媒集合流路72Aに排出される。
このように構成された燃料電池スタック1では、アノード電極52で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜51を透過してカソード電極53まで移動し、カソード電極53で酸素と電気化学反応を起こして発電し、その際に水を生成する。このこの発電に伴う発熱により燃料電池スタック1が所定の作動温度を越えないように、冷媒流路60a,60bを流れる冷却液で熱を奪い冷却する。
また、この燃料電池スタック1では、アノード側セパレータ55の第1冷媒流路溝55dとカソード側セパレータ56の第2冷媒流路溝56dとの間にインサート材61を挿入して冷媒流路60a,60bの断面積を小さくすることで、セル50内の冷媒保有量を減らし、燃料電池スタック1内における冷媒の保有量を減らしている。そして、金属プレートからなるセパレータ55,56は熱容量が小さいことと、燃料電池スタック1内の冷媒保有量が少ないことが相俟って、燃料電池スタック1の熱容量を大幅に減少することができる。その結果、始動時における燃料電池スタック1の昇温速度を速めることができ、印加可能な負荷電流の増加速度を速めることができる。したがって、燃料電池スタック1の低温始動性が向上する。
特に、氷点下環境における始動時には、発電に伴って生じる生成水が燃料電池スタック1内で凍結するのを確実に防止することができ、確実で安定した始動性を確保することができる。
前述した実施例1では、互いに隣接して配置されたセパレータ55,56間に形成される空間の総てに冷媒流路60a,60bを設けたが、必ずしもそのようにする必要はなく、冷媒流路を間引いて設けてもよい。
例えば、セパレータ55,56のうちの一方のセパレータとインサート材61との間に形成される空間だけを冷媒流路とし、他方のセパレータとインサート材61との間の空間は空気層として冷媒を流さないようにしてもよい。
あるいは、ターミナルプレート10に隣接する部位だけでなく、他のセパレータ55,56間に、図5に示すインサート材62を設けることにより、セパレータ55,56のうちの一方のセパレータとインサート材61との間に形成される空間だけを冷媒流路としてもよい。
次に、この発明に係る燃料電池スタック1の実施例2を、図1および図2を援用するとともに図6から図9の図面を参照して説明する。実施例2の燃料電池スタック1が実施例1のものと相違する点は、燃料流路、空気流路が蛇行して形成されている点と、インサート材の両端部がセパレータ55,56によって挟持されている点だけであり、その他の構成については実施例1のものと同じであるので、同一態様部分には同一符号を付して説明を省略し、以下、前記相違点について詳述する。
図6は、アノード側セパレータ55を第1冷媒流路溝55dが形成されている側から見た正面図であり、裏面に燃料流路溝55cが形成されている。燃料流路溝55cおよび第1冷媒流路溝55dは所定本数平行に配列されていて、正面から見て逆S字状に蛇行して形成されており、図中左上部分に位置する燃料流路溝55cの始端が燃料供給開口71に連通し、図中右下部分に位置する燃料流路溝55cの終端が燃料排出開口76に連通している。したがって、水素ガスは、燃料分配流路71Aから燃料供給開口71を介して燃料流路58に導入され、燃料流路58に沿って逆S字状に流通した後、燃料排出開口76を介して燃料集合流路76Aに排出される。
図7は、カソード側セパレータ56を空気流路溝56cが形成されている側から見た正面図であり、裏面に第2冷媒流路溝56dが形成されている。空気流路溝56cおよび第2冷媒流路溝56dは、燃料流路溝55cおよび第2冷媒流路溝55dと同本数だけ平行に配列され、S字状に蛇行して形成されており、図中右上部分に位置する空気流路溝56cの始端が空気供給開口74に連通し、図中左下部分に位置する空気流路溝56cの終端が空気排出開口73に連通している。したがって、空気は、空気分配流路74Aから空気供給開口74を介して空気流路59に導入され、空気流路59に沿ってS字状に流通した後、空気排出開口73を介して空気集合流路73Aに排出される。
図8は、アノード側セパレータ55とカソード側セパレータ56を重ね合わせたときに形成される冷媒流路60a,60bを示している。ここで、アノード側セパレータ55の第1冷媒流路溝55dとカソード側セパレータ56の第2冷媒流路溝56dが同一面側から見たときに逆S字状とS字状に蛇行して形成されているので、アノード側セパレータ55とカソード側セパレータ56は、第1冷媒流路溝55dと第2冷媒流路溝56dの長手方向が互いに平行をなす部分(以下、平行部Hと称す)と、図9の斜視図に示すように前記長手方向が互いに交差する部分(以下、交差部Gと称す)を有する。なお、図9では固体高分子電解質膜54を省略している。
この実施例2では、水平部Hにおける冷媒流路60a,60bにインサート材61の両端部を除く部分(換言すれば中央部)が挿入されており、インサート材61の両端部が左右の交差部Gにおいてアノード側セパレータ55とカソード側セパレータ56によって挟持され固定されている。これにより、特別な固定手段を用いることなく、簡単な構成でインサート材61を確実に移動不能に固定することができる。
この実施例2の燃料電池スタック1においても、インサート材61を設けたことにより、実施例1の場合と同様、燃料電池スタック1の低温始動性が向上する。
なお、この実施例2においても、冷媒流路を間引いて設けることが可能である。
〔他の実施例〕
この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、冷媒流路溝の断面形状は実施例のような多角形状に限らず、サインカーブのような波状であってもよい。
また、実施例では冷媒流路のほぼ全長に亘ってインサート材を挿入しているが、これに限るものではなく、所望する低温始動性が確保される限りにおいて、冷媒流路の一部にだけあるいは所定間隔にインサート材を設置してもよい。
なお、燃料電池スタックは車両搭載用に限らず、車両以外の移動体に搭載してもよいし、あるいは定置式としてもよい。
この発明に係る燃料電池スタックの実施例1における分解斜視図である。 前記実施例1における燃料電池スタックの断面図である。 前記実施例1における燃料電池スタックのアノード側セパレータの正面図である。 前記実施例1における燃料電池スタックのカソード側セパレータの正面図である。 前記実施例1の変形例における燃料電池スタックの断面図である。 この発明に係る燃料電池スタックの実施例2におけるアノード側セパレータの正面図である。 前記実施例2における燃料電池スタックのカソード側セパレータの正面図である。 前記実施例2における燃料電池スタックのアノード側セパレータとカソード側セパレータを重ねたときに形成される冷媒流路の正面図である。 前記実施例2において、第1冷媒流路溝と第2冷媒流路溝の長手方向が互いに交差する交差部の斜視図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
50 セル
51 固体高分子電解質膜
52 アノード電極
53 カソード電極
54 膜電極構造体
55 アノード側セパレータ(第1金属プレート)
55c 燃料流路溝
55d 第1冷媒流路溝
56 カソード側セパレータ(第2金属プレート)
56c 空気流路溝(酸化剤流路溝)
56d 第2冷媒流路溝
60a,60b 冷媒流路
61,62 インサート材
G 交差部
H 平行部

Claims (2)

  1. 固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで挟んでなる膜電極構造体とセパレータとを交互に積層して構成される燃料電池スタックにおいて、
    前記セパレータの少なくとも一部は、前記アノード電極に面して配置される第1金属プレートと前記カソード電極に面して配置される第2金属プレートを積層してなり、
    前記第1金属プレートは、アノード電極側の面に燃料流路溝を備えるとともに、アノード電極から離間する側の面に第1冷媒流路溝を備え、
    前記第2金属プレートは、カソード電極側の面に酸化剤流路溝を備えるとともに、カソード電極から離間する側の面に第2冷媒流路溝を備え、
    対向配置された前記第1冷媒流路溝と前記第2冷媒流路溝の間に形成される空間にこれら冷媒流路溝の長手方向に沿ってインサート材が挿入され、
    前記第1冷媒流路溝と前記第2冷媒流路溝の少なくとも一方と前記インサート材との間に冷媒流路が形成されていることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 前記第1金属プレートと第2金属プレートは、前記第1冷媒流路溝と前記第2冷媒流路溝の長手方向が互いに平行をなす平行部と、前記長手方向が互いに交差する交差部を有し、
    前記インサート材の中央部が前記平行部に配置され、前記インサート材の端部が前記交差部において前記第1金属プレートと前記第2金属プレートによって挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
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