JP2005180882A - 空調装置 - Google Patents

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義彦 松尾
Yoichi Tsuda
陽一 津田
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  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)

Abstract

【課題】 消費電力量を大幅に低減した空調装置を提供することにある。
【解決手段】 この発明の空調装置は、室内を冷却または加熱する冷温ユニット20を備える。この冷温ユニット20は、真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を備えるので、ペルチェ素子の冷却機構よりも消費電力を大幅に減らすことができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、室内や車内等に設置される空調装置に関する。
従来の第1の空調装置では、図17に示すように、圧縮機(コンプレッサ)1201、第1の熱交換器1202、膨張弁1203および第2の熱交換器1204が、順次、環状に連結されて冷凍サイクルを形成し、冷媒を圧縮または放熱した際の吸熱または放熱温度を利用していた(特開平9−196415号公報:特許文献1参照)。
上記圧縮機1201を用いることで、冷媒の温度差を発生させ、上記圧縮機1201と上記第1の熱交換器1202との間の流路、および、上記圧縮機1201と上記第2の熱交換器1204との間の流路に設けられた四方弁1205により、室内と室外への冷媒搬送方向を切り替えることで、冷房と暖房を切り替えていた。
すなわち、図18Aに示すように、上記四方弁1205の流路を切り替えることで、室内は冷房される一方、図18Bに示すように、上記四方弁1205の流路を切り替えることで、室内は暖房される。ここで、図中、上記四方弁1205において、(i)は、上記圧縮機1201の吐出側に連結され、(iv)は、上記圧縮機1201の吸込側に連結され、(ii)は、上記第1の熱交換器1202に連結され、(iii)は、上記第2の熱交換器1204に連結される。
具体的に述べると、図18Aに示す場合では、低温中圧の冷媒が、上記圧縮機1201にて高温高圧液になり、(i)から(ii)へ流れて、室外の上記第1の熱交換器(凝縮器)1202にて放熱される。そして、この第1の熱交換器1202にて放熱されて低温高圧液になった冷媒は、上記膨張弁1203を通って膨張し、低温低圧液になる。その後、この低温低圧液の冷媒は、室内の上記第2の熱交換器(蒸発器)1204で蒸発し、室内から熱を奪って、中温低圧ガスになり、(iii)から(iv)へ流れて、上記圧縮機1201へ流入する。
一方、図18Bに示す場合では、低温中圧の冷媒が、上記圧縮機1201にて高温高圧液になり、(i)から(iii)へ流れて、室内の上記第2の熱交換器(凝縮器)1204にて放熱される。そして、この第2の熱交換器1204にて放熱されて低温高圧液になった冷媒は、上記膨張弁1203を通って膨張し、低温低圧液になる。その後、この低温低圧液の冷媒は、室外の上記第1の熱交換器(蒸発器)1202で蒸発し、室外から熱を奪って、中温低圧ガスになり、(ii)から(iv)へ流れて、上記圧縮機1201へ流入する。
従来の第2の空調装置では、図19に示すように、ペルチェ素子1301を室外機の冷媒強制巡回の流路に介在させ、このペルチェ素子1301の一方の面と室外側の第1の熱交換器1302とを流路を介して接続し、このペルチェ素子1301の他方の面と室内側の第2の熱交換器1303とを流路を介して接続していた。なお、上記ペルチェ素子1301への電圧電流印加方向を逆方向にすることで、冷房と暖房との切り替えが可能になる(特開平9−159242号公報:特許文献2参照)。
従来の第3の空調装置では、図20に示すように、ペルチェ素子1401を室内機内の送風ファン1402の周囲に近接させ、この送風ファン1402にて室内への送風を行なっていた。この場合も、上記ペルチェ素子1401への電圧電流印加方向を逆方向にすることで、冷房暖房の切り替えが可能になる(特開平6−147524号公報:特許文献3参照)。
従来の第4の空調装置では、図21に示すように、ペルチェ素子1501の一面に第1のヒートシンク1502を接続し、ペルチェ素子1501の他面に第2のヒートシンク1503を接続していた。そして、上記ペルチェ素子1501の上方で送風ファン1504を動作させることで、下方に冷風と温風を排出していた(特開2002−13757号公報:特許文献4参照)。
従来の第5の空調装置は、図22に示すように、一般的な構造のカーエアコンであり、このカーエアコンの冷却空調の仕組みを説明すると、コンプレッサ1601にて圧縮された冷媒(エアコンガス)が高温高圧の半液体の状態でコンデンサ1602に入り、ファン1603で冷却されることで液体になり、レシーバ1604にて液化されなかった液冷媒と分離され、乾燥剤やストレーナによって水分や不純物を除去され、エキスパンションバルブ1605からエバポレータ1606内へ液化冷媒を噴射して一気に気化させることで、上記エバポレータ1606を冷却し、上記送風ファン1603で車内へ冷風を取り込む。
しかしながら、上記従来の第1から第5の空調装置には、以下の問題があった。
上記従来の第1の空調装置では、上記圧縮機1201の動作時に発生する振動からなる騒音が問題となっていた。
また、上記従来の第2、第3および第4の空調装置では、上記ペルチェ素子1301,1401,1501にて室内の冷房または暖房を行っているので、例えば、上記ペルチェ素子1301,1401,1501にて室内を冷却する場合、このペルチェ素子1301,1401,1501の冷却効率は低く、冷却に必要な吸熱量の数倍のエネルギーを投入しなければ十分な冷却性能を得ることができなかった。
これは、図23に示すように、上記ペルチェ素子1001の構造が、第1の金属電極1121a、p型半導体1106、第2の金属電極1121b、n型半導体1107および第3の金属電極1121cが順に電気的に直列に接続している構造であり、上記p型半導体1106から上記n型半導体1107に電子が移動するように外部から電圧を加えた場合に、上記第1の金属電極1121aから上記p型半導体1106、および、上記n型半導体1107から上記第3の金属電極1121cに電子が移動する接合面では発熱が起こり、逆に、上記p型半導体1106から上記第2の金属電極1121b、および、上記第2の金属電極1121bから上記n型半導体1107に電子が移動する接合面では吸熱が起こり、上記p型半導体1106および上記n型半導体1107の両端に温度差が発生するペルチェ効果を応用した素子であるが、上記p型半導体1106および上記n型半導体1107の内部を、熱伝導による矢印1122にて示す熱流があるために、熱変換効率が劣り、所定の冷却能力を得ようとすると、消費電力が大きくなる課題があった。
また、上記ペルチェ素子1301,1401,1501は、有害物質のテルルを材料として使用しており、取扱いを誤ると環境へ悪影響を及ぼす危険性があった。
また、上記従来の第2の空調装置では、室外に上記ペルチェ素子1301を設けているため、暴露およびガス汚染によるp型半導体とn型半導体の変質が生じて、結果として、熱電変換効率が低下する問題があった。
また、上記従来の第3の空調装置では、上記従来の第2の空調装置と比べると、暴露およびガス汚染の影響は低減するが、室外機の狭い空間に上記ペルチェ素子1401が搭載されているため、結露によるp型半導体とn型半導体の変質が生じ、結果として、熱電変換効率が低下する問題があった。
また、上記従来の第4の空調装置では、トイレ等の小空間において冷風と温風を異なる風向に排出できるが、同一の空間に冷風と温風が混在するため、この空間内としては冷房効果が得られない問題があった。
また、上記従来の第5の空調装置では、車載と言う厳しい温度環境の上に、冷媒を高温高圧にして取り扱うため、個々の部品に応力が生じやすく、冷媒の漏れが生じやすい課題があった。また、温度を調整するために、上記エキスパンションバルブ1605の噴射量を調整しているが、調整が数段階での調整しかできないため、調整温度の起伏が大きくなる課題があった。
特開平9−196415号公報(図3) 特開平9−159242号公報(図1) 特開平6−147524号公報(図1) 特開2002−13757号公報(図3)
そこで、この発明の課題は、消費電力量を大幅に低減した空調装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の空調装置は、
区画された空間内の空気を調和する装置であって、
上記空間内の空気を吸引し、この吸引された空気を冷却または加熱し、この冷却または加熱された空気を上記空間内に排出する冷温ユニットを備え、
この冷温ユニットは、上記吸引された空気を、直接的にまたは間接的に、冷却または加熱すると共に吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を有することを特徴としている。
ここで、上記区画された空間とは、例えば、建物の部屋、浴室、床下、天井、車両、列車、船舶、飛行機、倉庫または収納庫等の内部をいう。また、上記真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置とは、例えば、二つの電極間をナノレベル(例えば、1nm〜10nm)の距離に近づけて真空ギャップを形成し、電圧を印加することでエミッタ側からコレクタ側へ電子トンネル効果を利用した電子放出により、冷却および加熱を行う装置をいう。
この発明の空調装置によれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を備えるので、機械的可動部がなくて、従来の圧縮機にあった騒音がない。また、ペルチェ効果を応用しないで、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に減らすことができる。また、ペルチェ素子の材料となる有害物質を使用しないので、環境にやさしいものになる。
また、一実施形態の空調装置では、
上記冷温ユニットは、
上記電子ヒートポンプ装置に熱的に連結された熱交換フィンと、
この熱交換フィンに空気を導くと共にこの熱交換フィンを介して冷却または加熱された空気を排出するファンと
を有する。
この一実施形態の空調装置によれば、上記熱交換フィンを介して空気を効率的に冷却または加熱でき、上記ファンにより、上記空間を迅速に冷却または加熱できる。
また、一実施形態の空調装置では、上記冷温ユニットは、上記熱交換フィンに対向して配置されると共にこの熱交換フィンに対向する対向面が凹凸形状である熱交換攪拌部材を有する。
この一実施形態の空調装置によれば、上記冷温ユニットは、上記熱交換攪拌部材を有するので、上記熱交換フィンと上記熱交換攪拌部材との間に流入する空気を攪拌滞留させ、熱交換効率を高めることができる。具体的に述べると、上記熱交換フィンと上記熱交換攪拌部材との間に空気が流れ込む際、上記熱交換攪拌部材の上記対向面の凹部から凸部に沿って流れる空気は、流速が変わり、かつ、偏向されて上記熱交換フィンの方へ導入される。さらに、上記熱交換攪拌部材の凹部においては、上記熱交換フィンで冷却または加熱された空気が滞留する。このように、上記電子ヒートポンプ装置からの熱をより効率的に熱伝達することができる。
また、一実施形態の空調装置では、
上記冷温ユニットは、
熱媒体が流れる循環流路と、
この循環流路に設けられて上記熱媒体を循環させるポンプと、
上記循環流路に設けられると共に上記電子ヒートポンプ装置に熱的に連結される第1の熱交換器と、
上記循環流路に設けられると共に上記熱媒体と上記空気とを熱交換する第2の熱交換器と、
この第2の熱交換器に上記空気を導くと共にこの第2の熱交換器を介して冷却または加熱された空気を排出するファンと
を有する。
この一実施形態の空調装置によれば、上記熱媒体を介して熱移動を行うので、一層効率のよい熱交換が可能になる。
また、一実施形態の空調装置では、上記電子ヒートポンプ装置における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在している。
この一実施形態の空調装置によれば、上記吸熱側と上記放熱側との間のスペーサ部にて、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離しているので、例えば、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、小型化および軽量化を図ることができる。
また、一実施形態の空調装置では、上記電子ヒートポンプ装置は、
第1の電極基板と、
この第1の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第1の半導体基板と、
この第1の半導体基板の他面に設けられた第1の内部電極と、
第2の電極基板と、
この第2の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第2の半導体基板と、
この第2の半導体基板の他面に設けられた第2の内部電極と
を備え、
上記第1の内部電極と上記第2の内部電極とは、隙間をあけて対向するように配置され、
かつ、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記第1の内部電極と上記第2の内部電極との間の上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されており、
さらに、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間に配置されて上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材と、
上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間の真空を維持する封止部材と
を備える。
ここで、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、電気的および熱的に伝導性を有するものである。上記第1の半導体基板および上記第2の半導体基板としては、例えば、n型のSi基板(ウエハ)を用いる。上記間隔保持部材としては、例えば、絶縁性のワッシャや、樹脂製のボルト等を用いる。上記封止部材としては、電気的および熱的に絶縁性であり、例えば、低融点のガラスを用いる。上記第1の内部電極は、例えば、上記第1の半導体基板の表面に、導電性材料を薄膜状に形成してなるものである。上記第2の内部電極は、例えば、上記第2の半導体基板の表面に、導電性材料を薄膜状に形成してなるものである。上記隙間は、真空状態において、エミッタ側からコレクタ側に移動する高エネルギー電子をフィルタリングする。上記半導体基板に上記スペーサ部が一体に形成されているとは、例えば、上記半導体基板がSi基板である場合、この基板表面に、例えば、熱酸化を施してSiO2膜を形成し、このSiO2膜をエッチングすることで、上記スペーサ部が形成される。
この一実施形態の空調装置によれば、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されているので、部品数を減少した簡単な構成で、熱の逆流を防止しつつ、真空ギャップを所定の間隔に確保できる。具体的に述べると、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、部品数を減少でき、小型化、軽量化およびコスト削減を図ることができる。
また、一実施形態の空調装置では、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中空部を有する。
ここで、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、例えば、CuまたはCu合金からなるステムである。
この一実施形態の空調装置によれば、上記第1の半導体基板、上記第2の半導体基板、上記第1の内部電極および上記第2の内部電極は、上記両方の電極基板の中空部に挟まれているので、大気圧の応力影響を受けるのは、上記両方の電極基板の最外部のみとなり、直接に、上記第1の半導体基板、上記第2の半導体基板、上記第1の内部電極および上記第2の内部電極に応力を加えることが無くなって、圧力たわみによる変形および破壊が生じない構造の電子ヒートポンプ装置が実現可能となる。
また、一実施形態の空調装置では、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中実である。
ここで、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板としては、例えば、タングステン、タングステンカーバイト、銅、シリコン等の材料からなる。
この一実施形態の空調装置によれば、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、中実であるので、この電子ヒートポンプ装置を薄く小型にできて、空調装置の一層の小型化を図ることができる。
また、一実施形態の空調装置では、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、略直方体状である。
この一実施形態の空調装置によれば、この電子ヒートポンプ装置を略直方体チップ形状にできて、例えば、新たな、または、既存の空調装置の内部に組み込み易くなる。
また、一実施形態の空調装置では、上記電子ヒートポンプ装置は、複数存在し、この複数の電子ヒートポンプ装置は、電気的に接続されて、モジュール化されている。
この一実施形態の空調装置によれば、大きな上記空間内を迅速に冷却または加熱することができる。
また、一実施形態の空調装置では、上記封止部材は、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板とに接触し、電気的および熱的に絶縁性である。なお、上記封止部材は、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板とを封止する一つの部材であってもよく、あるいは、上記第1の電極基板と上記間隔保持部材との間を封止する部分と、上記第2の電極基板と上記間隔保持部材との間を封止する部分との別体であってもよい。
また、一実施形態の空調装置では、上記第1の内部電極の仕事関数は、上記第2の内部電極の仕事関数と略等しい。
ここで、「仕事関数」とは、一般に、ある材料に何らかのエネルギー(例えば、熱や電界印加等)を与えて、その材料表面から外部のエネルギー障壁(例えば、真空)を超えて電子を取り出す場合における、その材料の電子放出能力を示す物性値であり、低い仕事関数の方が電子の放出量が多いとされる。
上記第1の内部電極および上記第2の内部電極は、導電性の複合材料からなり、例えば、Ag、Ti、Au薄膜の表面を酸化セシウムが覆っている構成である。
この一実施形態の空調装置によれば、上記第1の内部電極の仕事関数が、上記第2の内部電極の仕事関数と略等しいので、電流供給の方向を逆方向にすることで、熱の移動方向を容易に反転できる。
この発明の空調装置によれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を備えるので、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に低減できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、この発明の空調装置の一実施形態である斜視図を示し、図2は、この発明の空調装置の概略構成断面図を示している。この空調装置5は、建物の室内に設置され、室内を冷房または暖房する。なお、室内と室外とは、壁Wにて仕切られている。
上記空調装置5は、上記室内に配置されたケース本体10と、このケース本体10の内部に収容された冷温ユニット20とを備える。上記ケース本体10は、空気が流れる第1の通路11および第2の通路12を有する。
上記第1の通路11は、上記室内に開口して上記室内の空気を吸入する第1の吸入口11aと、上記室内に開口して上記室内に空気を吐出する第1の吐出口11bとを有する。
上記第2の通路12は、上記室内に開口して上記室内の空気を吸入する第2の吸入口12aと、上記室外に開口して上記室外に空気を吐出する第2の吐出口12bとを有する。すなわち、上記第2の通路12は、上記壁Wを貫通し、上記第2の吐出口12bは、上記室外に臨む。
上記第1の吸入口11aおよび上記第2の吸入口12aは、上記ケース本体10の下側に開口しており、上記第1の吐出口11bおよび上記第2の吐出口12bは、上記ケース本体10の上側に開口している。
上記冷温ユニット20は、上記室内の空気を吸引し、この吸引された空気を冷却または加熱し、この冷却または加熱された空気を上記室内に排出するように構成されている。
具体的に述べると、上記冷温ユニット20は、上記吸引された空気を冷却または加熱する略板状の電子ヒートポンプモジュール1と、この電子ヒートポンプモジュール1の両面(一面と他面)のそれぞれに熱的に連結された熱交換フィン21,21と、この二つの熱交換フィン21,21のそれぞれに空気を導くと共にこの熱交換フィン21,21を介して冷却または加熱された空気を排出するファン22,22と、上記二つの熱交換フィン21,21のそれぞれに対向して配置されると共にこの熱交換フィン21,21に対向する対向面が凹凸形状である熱交換攪拌部材23,23とを有する。
すなわち、上記電子ヒートポンプモジュール1の一面、および、この電子ヒートポンプモジュールの一面に対向する上記熱交換攪拌部材23等にて、上記第1の通路11が形成される。また、上記電子ヒートポンプモジュール1の他面、および、この電子ヒートポンプモジュールの他面に対向する上記熱交換攪拌部材23等にて、上記第2の通路12が形成される。要するに、上記第1の通路11と上記第2の通路12との間に、上記電子ヒートポンプモジュール1が配置される。
上記第1の通路11の上記第1の吐出口11bに、空気を送風するための送風用のファン22が配置され、上記第2の通路12の上記第2の吐出口12bに、空気を排気するための排気用のファン22が配置される。
上記熱交換攪拌部材23は、例えば、板状であり、上記熱交換フィン21に対向する対向面が凹凸形状である。すなわち、上記熱交換フィン21の対向面は、上記通路における上記吸入口から上記吐出口の方向に沿った波形である。
上記熱交換攪拌部材23と上記ケース本体10との間には、ウレタン等の断熱材24が設けられ、この断熱材24により、上記ケース本体10の内部と外部との熱的伝達を遮断することができる。
上記電子ヒートポンプモジュール1は、図示しない電源から電圧を印加されることで、上記電子ヒートポンプモジュール1の一面(上記第1の通路11側の面)が吸熱(冷却)する一方、上記電子ヒートポンプモジュール1の他面(上記第2の通路12側の面)が発熱(加熱)し、または、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面が発熱する一方、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面が吸熱する。
このとき、上記電子ヒートポンプモジュール1に供給される電流の向きを切り替える(図示しない)電流切り替え手段を設け、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面を、容易に、冷却または加熱に切り替えできるようにしてもよい。
上記電流切り替え手段としては、例えば、切り替えスイッチを用い、この切り替えスイッチを「冷房」にすることで、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面の温度が下がると共に上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面の温度が上がるようにしてもよい。一方、上記切り替えスイッチを「暖房」にすることで、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面の温度が上がると共に上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面の温度が下がるようにしてもよい。
次に、上記空調装置の使用方法および作用を説明する。
上記切り替えスイッチを「冷房」にした場合、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面の温度が下がって、上記電子ヒートポンプモジュール1は、上記熱交換フィン21を介して、この熱交換フィン21に接触している空気を冷却する。
さらに、上記送風用のファン22の作動により、上記室内の空気を、矢印aに示すように、上記第1の通路11の上記第1の吸入口11aから吸引し、この吸引された空気を、上記熱交換フィン21を通過させて冷却し、この冷却した空気を、上記送風用のファン22を通して、矢印cに示すように、上記第1の通路11の上記第1の吐出口11bから上記室内へ排出する。
一方、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面の温度は上がり、上記排気用のファン22の作動により、上記室内の空気を、矢印bに示すように、上記第2の通路12の上記第2の吸入口12aから吸引し、この吸引された空気を、上記熱交換フィン21を通過させて加熱し、この加熱した空気を、上記排気用のファン22を通して、矢印dに示すように、上記第2の通路12の上記第2の吐出口12bから上記室外へ排出する。
上記切り替えスイッチを「暖房」にした場合、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面の温度は上がり、上記送風用のファン22の作動により、上記室内の空気を、上記第1の通路11の上記第1の吸入口11aから吸引し、この吸引された空気を、上記熱交換フィン21を通過させて加熱し、この加熱した空気を、上記送風用のファン22を通して、上記第1の通路11の上記第1の吐出口11bから上記室内へ排出する。
一方、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面の温度は下がり、上記排気用のファン22の作動により、上記室内の空気を、上記第2の通路12の上記第2の吸入口12aから吸引し、この吸引された空気を、上記熱交換フィン21を通過させて冷却し、この冷却した空気を、上記排気用のファン22を通して、上記第2の通路12の上記第2の吐出口12bから上記室外へ排出する。
このとき、上記熱交換攪拌部材23における上記熱交換フィン21に対向する対向面が凹凸形状であるので、上記第1の通路11および上記第2の通路12において、上記熱交換フィン21と上記熱交換攪拌部材23との間に流入する空気を攪拌滞留させ、熱交換効率を高めることができる。具体的に述べると、上記熱交換フィン21と上記熱交換攪拌部材23との間に空気が流れ込む際、上記熱交換攪拌部材23の上記対向面の凹部から凸部に沿って流れる空気は、流速が変わり、かつ、偏向されて上記熱交換フィンの方へ導入される。さらに、上記熱交換攪拌部材23の凹部においては、上記熱交換フィン21で冷却または加熱された空気が滞留する。このように、上記電子ヒートポンプモジュール1からの熱をより効率的に熱伝達することができる。
また、上記電子ヒートポンプモジュール1の下側(上記第1の吸入口11aおよび上記第2の吸入口12a側)には、上記電子ヒートポンプモジュール1の吸熱面(冷却面)から滴下するドレイン水を捕集するドレイン受け25を設けている。なお、上記ドレイン水を、上記電子ヒートポンプモジュール1の放熱側に誘導するようにしてもよく、上記ドレイン水を、加熱蒸発の上排気風と共に排気することができて、従来必要であったドレインホースが不要になる。
上記電子ヒートポンプモジュール1は、図3に示すように、例えばSiO2を主成分とする箱型の絶縁断熱材46と、この絶縁断熱材46に埋め込まれた複数の真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置100とを備える。この複数の電子ヒートポンプ装置100は、直列または並列または直並列混載に、電気的に接続されている。
このように、上記複数の電子ヒートポンプ装置100がモジュール化されているので、単一素子で対応できない冷却または加熱能力が必要な場合、モジュール化することで、広い面積での冷却または加熱パネルが実現でき、上記室内を迅速に冷却または加熱することができる。
上記電子ヒートポンプ装置100は、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された構造であり、ペルチェ効果を応用しない電子ヒートポンプ機構になる。また、上記電子ヒートポンプ装置100における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在しており、例えば、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、簡素な構成にできる。
上記電子ヒートポンプ装置100は、略円盤形状であり、例えば、上記電子ヒートポンプ装置100に流れる電流の向きを切り替えることで、上記電子ヒートポンプ装置100の一面を吸熱側にすると共に上記電子ヒートポンプ装置100の他面を放熱側にし、または、上記電子ヒートポンプ装置100の一面を放熱側にすると共に上記電子ヒートポンプ装置100の他面を吸熱側にする。
以下、上記電子ヒートポンプモジュール1(上記電子ヒートポンプ装置100)が、上記室内を冷却する状態にあるものとして、説明する。
上記電子ヒートポンプ装置100は、図4の斜視図、図5の縦断面図および図6の要部拡大図に示すように、電気的および熱的に伝導性の第1の電極基板103と、この第1の電極基板103に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第1の半導体基板110と、この第1の半導体基板110の他面に設けられた第1の内部電極111と、電気的および熱的に伝導性の第2の電極基板104と、この第2の電極基板104に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第2の半導体基板120と、この第2の半導体基板120の他面に設けられた第2の内部電極121と、上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間に配置されて上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材106と、上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間の真空を維持する封止部材107とを備える。
この場合、上記第1の半導体基板110および上記第1の内部電極111にて、電子を放出するエミッタ101を形成し、上記第2の半導体基板120および上記第2の内部電極121にて、電子を受け取るコレクタ102を形成する。
ここで、上記第1の電極基板103は、(図2に示す)上記第1の通路11にある上記熱交換フィン21に熱的に接触するものとする。
上記第1の電極基板103および上記第2の電極基板104は、それぞれ、中空部を有するステムであり、以下、上記第1の電極基板103を第1のステム103とよび、上記第2の電極基板104を第2のステム104とよぶ。
上記エミッタ101と上記コレクタ102とは、対向して配置され、上記エミッタ101と上記コレクタ102との間には、隙間(真空ギャップ)Gを有する。上記第1のステム103と上記第2のステム104とは、電源108に接続される。
この電子ヒートポンプ装置100の作用を説明すると、図4と図7に示すように、上記電源108から上記第1のステム103および上記第2のステム104に電流を流すことで、電子が、矢印に示すように、上記エミッタ101から上記コレクタ102へ移動する。このとき、上記電子は、運動エネルギーが小さいけれども、物理的ギャップが狭いために、「電子トンネル効果」と呼ばれる現象で、上記隙間(障壁)Gをすり抜けて、上記コレクタ102側へ移動できる。また、運動エネルギー(熱エネルギー)を持った電子(障壁を移動する電子)が、上記エミッタ101から上記コレクタ102に移動することで、上記エミッタ101のエネルギー不足が起こり、上記エミッタ101側では吸熱による冷却が起こる。このような現象によって、上記エミッタ101側(上記第1のステム103)が、冷却(吸熱)側になり、上記コレクタ102側(上記第2のステム104)が、放熱(加熱)側になる。
図4、図5および図6に示すように、上記第1の内部電極111は、上記第1の半導体基板110の他面の略全体的に設けられ、上記第2の内部電極121は、上記第2の半導体基板120の他面の一部を除いた全体的に設けられる。
上記エミッタ101と上記コレクタ102とは、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121とを上記隙間Gをあけて対向するように配置される。
上記第2の半導体基板120には、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gを一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部105が一体に形成されている。
要するに、複数の上記スペーサ部105は、上記第2の半導体基板120に一体に形成されると共に上記第1の内部電極111に接触し、さらに、上記複数のスペーサ部105は、互いに間隔をもって、上記第2の半導体基板120の全面に、略一様に分布して整列されており、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gを一定に保ち、上記スペーサ部105の厚みにて、上記隙間Gの大きさが決定される。
具体的には、上記第1と第2の半導体基板110,120として、例えば、n型のSi基板(ウエハ)を用いた場合、上記第2の半導体基板120の表面に熱酸化を施してSiO2膜を形成し、このSiO2膜をエッチングして上記スペーサ部105が形成される。
上記第1の内部電極111の表面および上記第2の内部電極121の表面における最大高さ粗さRzの値は、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間隔の最小値の1/2以下、好ましくは1/4以下である。
このように、上記最大高さ粗さRzの値が、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間隔の最小値の1/2以下であるので、上記両方の内部電極111,121の表面を平滑にして、上記両方の内部電極111,121の表面の凹凸による荒れによって発生する不具合を低減する。
例えば、表面の凸部同士の対向における上記両方の内部電極111,121の接触による短絡不良を低減し、表面の凹部同士の対向における間隔(真空ギャップ)の広がりによる電子放出量の減少および冷却量の減少を低減する。
すなわち、上記最大高さ粗さRzの値が、上記間隔の最小値の1/2を越えると、表面の凹部同士の対向や反りによる間隔(真空ギャップ)の広がりによって、上記エミッタ101からの電子放出量が減少して冷却量が減少する一方、表面の凸部同士の対向によって、上記両方の内部電極111,121が接触して短絡不良が生じるおそれがある。
上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121は、単一金属、金属合金、金属と非金属との化合物、半導体材料および不純物ドープ半導体材料の内の何れか一つであり、上記両方の内部電極111,121の表面の平滑性と上記エミッタ101からの電子放出とを効果的に実現することができる。
上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121の内の少なくとも上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)は、セシウム(Cs)、カーボン(C)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、金(Au)、プラチナ(Pt)、アルミ(Al)の内の少なくとも一つを含む材料からなる。
このように、少なくとも上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)が、仕事関数の低い材料からなり、上記エミッタ101側からの電子放出を高め、電圧印加の量を低減でき、消費電力の低減が可能となる。
上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)の仕事関数は、上記第2の内部電極121(コレクタ側の電極)の仕事関数と略等しいか、もしくは、上記第2の内部電極121(コレクタ側の電極)の仕事関数よりも低い。
このように、上記第1の内部電極111の仕事関数が、上記第2の内部電極121の仕事関数と略等しい場合、電流供給の方向を逆方向にすることで、熱の移動方向を容易に反転できる。他方、上記第1の内部電極111の仕事関数が、上記第2の内部電極121の仕事関数よりも低い場合、上記両方の内部電極111,121に温度差が生じたとき、上記コレクタ側の加熱による熱電子放出量を低減でき、かつ、電圧印加の量を低減できて、特に、この空調装置を冷却用として使用する場合に、消費電力の低減が可能となる。
上記第1のステム103および上記第2のステム104は、それぞれ、中空部130,140を有し、この両方の中空部130,140と、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gとは、真空であり、上記両方の中空部130,140と上記隙間Gとは、上記第1のステム103および上記第2のステム104に設けられた通気孔132a,142aを介して、同じ真空度である。
具体的に述べると、上記第1のステム103は、銅製容器体131と、この容器体131を蓋すると共に上記通気孔132aが設けられた銅製平板132とを有する。上記容器体131と上記平板132にて囲まれた空間にて、上記中空部130を形成し、この中空部130と上記第1のステム103の外部とが、上記通気孔132aを介して、連通する。
同様に、上記第2のステム104は、銅製容器体141と、この容器体141を蓋すると共に上記通気孔142aが設けられた銅製平板142とを有し、上記容器体141と上記平板142にて上記中空部140を形成し、この中空部140と上記第2のステム104の外部とが、上記通気孔142aを介して、連通する。
そして、上記エミッタ101および上記コレクタ102は、上記第1のステム103の平板132と上記第2のステム104の平板142とに挟まれる。
このように、上記エミッタ101および上記コレクタ102は、上記両方のステム103,104の中空部130,140に挟まれているので、大気圧の応力影響を受けるのは、上記両方のステム103,104の最外部(上記容器体131,141)のみとなり、直接に、上記エミッタ101および上記コレクタ102に応力を加えることが無くなって、圧力たわみによる変形および破壊が生じない。
上記第1のステム103および上記第2のステム104は、それぞれ、CuまたはCu合金からなるので、上記エミッタ101および上記コレクタ102にて生じた熱を、効果的にかつ効率的に、外部の熱伝導部へ伝えることができる。
上記間隔保持部材106は、上記第1のステム103の上記平板132と上記第2のステム104の上記平板142との間に介在する。上記間隔保持部材106は、SiO2を主成分する材料であり、上記エミッタ101および上記コレクタ102の熱膨張係数と同等以下である。
このように、上記間隔保持部材106は、上記電子ヒートポンプ装置100の製造において、上記エミッタ101、上記コレクタ102および上記両方のステム103,104における振動および傾き等の外部応力で、上記スペーサ部105に急峻で致命的な破壊応力が加わらないように、上記両方のステム103,104を一定間隔に維持および応力分散する作用を有し、かつ、真空封止作業で、上記封止部材107が、上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121に至らないように保護する作用を有する。
上記封止部材107は、上記第1のステム103の外周と上記第2のステム104の外周とを覆うように接触し、電気的および熱的に絶縁性である。具体的には、上記封止部材107は、上記第1のステム103の上記平板132と上記第2のステム104の上記平板142との間に介在すると共に、上記第1のステム103の上記平板132の外周縁と上記第2のステム104の上記平板142の外周縁とを覆っている。上記封止部材107としては、例えば、低融点のガラスを用いる。
上記構成の電子ヒートポンプ装置100によれば、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間に上記隙間G(真空ギャップ)を有するので、この電子ヒートポンプ装置100を真空ギャップダイオード構造にできて、熱の逆流を防止して、ペルチェ素子よりも消費電力を少なくできる。
また、上記第2の半導体基板120には、上記隙間Gを一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の上記スペーサ部105が一体に形成されているので、簡単な構成で、熱の逆流を防止しつつ、真空ギャップを所定の間隔に確保できる。具体的に述べると、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、部品数を減少でき、小型化、軽量化およびコスト削減を図ることができる。
また、上記スペーサ部105の厚みを調整して、上記隙間Gをナノレベル(例えば、1nm〜10nm)に近づけることで、障壁高さを低減でき、上記エミッタ101の電子放出の効果を高めることが可能になる。
なお、図示しないが、上記電子ヒートポンプ装置100にて上記室内を加熱する場合、上記第1のステム103および上記第2のステム104に逆方向の電流を流せばよい。この場合、上記第1の半導体基板110および上記第1の内部電極111にて、電子を受け取るコレクタを形成し、上記第2の半導体基板120および上記第2の内部電極121にて、電子を放出するエミッタを形成する。
上記構成の空調装置によれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された上記真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置100を備えるので、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に減らすことができ、さらに、ペルチェ素子の材料となる有害物質を使用しないので、環境にやさしいものになる。
また、機械的可動部がないため、圧縮機のような騒音が発生しない空調装置が実現できる。また、上記電子ヒートポンプ装置100は、冷却部となるエミッタと加熱部となるコレクタとが装置内部に形成されているため、ペルチェ素子のように外部環境からの暴露およびガス汚染の影響がなく、信頼性の高い電熱変換装置からなる空調装置が実現できる。
(第2の実施形態)
次に、図8、図9および図10に、上記電子ヒートポンプ装置の他の実施形態を示す。この電子ヒートポンプ装置200は、電気的および熱的に伝導性を有する略直方体状の第1の電極基板203と、この第1の電極基板203に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第1の半導体基板210と、この第1の半導体基板210の他面に設けられた第1の内部電極211と、電気的および熱的に伝導性を有する略直方体状の第2の電極基板204と、この第2の電極基板204に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第2の半導体基板220と、この第2の半導体基板220の他面に設けられた第2の内部電極221と、上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間に配置されて上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材206と、上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間の真空を維持する封止部材207とを備える。
以下、上記電子ヒートポンプ装置200にて上記室内を冷却するとして、説明する。この場合、上記第1の半導体基板210および上記第1の内部電極211にて、電子を放出するエミッタ201を形成し、上記第2の半導体基板220および上記第2の内部電極221にて、電子を受け取るコレクタ202を形成する。
ここで、上記第1の電極基板203は、(図2に示す)上記第1の通路11にある上記熱交換フィン21に熱的に接触するものとする。
上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、中実である。
上記エミッタ201と上記コレクタ202とは、対向して配置され、上記エミッタ201と上記コレクタ202との間には、隙間(真空ギャップ)Gを有する。上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204とは、電源208に接続される。
この電子ヒートポンプ装置200の作用を説明すると、上記電源208から上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204に電流を流すことで、上記エミッタ201および上記コレクタ202に電圧が印加されて電子が供給される。そして、上記エミッタ201側(上記第1の電極基板203)が、冷却(吸熱)側になり、上記コレクタ202側(上記第2の電極基板204)が、放熱(加熱)側になる。
上記第1の内部電極211は、上記第1の半導体基板210の他面の略全体的に設けられている。具体的に述べると、上記第1の半導体基板210は、導電性を得るために表面研磨されたn型シリコン基板であり、上記第1の内部電極211は、上記n型シリコン基板の表面研摩された面に、セシウムが表面を被覆したTi薄膜である。上記エミッタ201は、略直方体形状である。
上記第2の内部電極221は、上記第2の半導体基板220の他面の一部を除いた全体的に設けられる。上記第2の半導体基板220には、電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部205が一体に形成されている。
具体的に述べると、上記第2の半導体基板220は、導電性を得るために表面研磨されたn型シリコン基板であり、このn型シリコン基板の表面研磨された面に、熱酸化膜を形成し、フォトエッチングによりパターニングして、正方形格子状に配置した酸化シリコンのスペーサ部205が形成される。このスペーサ部205の周囲を除いてパターニングしたTi薄膜にて第2の内部電極221が形成される。上記コレクタ202は、略直方体形状であり、上記スペーサ部205の厚みと、Ti薄膜の上記第2の内部電極221の膜厚との差が、上記隙間Gとなる。
複数の上記スペーサ部205は、上記第2の半導体基板220に一体に形成されると共に上記第1の内部電極211に接触し、さらに、上記複数のスペーサ部205は、互いに間隔をもって、上記第2の半導体基板220の全面に、略一様に分布して整列されており、上記第1の内部電極211と上記第2の内部電極221との間の上記隙間Gを一定に保ち、上記スペーサ部205の厚みにて、上記隙間Gの大きさが決定される。
上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、上記間隔保持部材206が、上記第1の電極基板203の外周部と上記第2の電極基板204の外周部とに接触している状態において、外部の大気圧と内部の真空とによる圧力差から生じる圧縮応力に対して、上記第1の内部電極211と上記第2の内部電極221とが接触しないような剛性、ヤング率および厚みを有する。
具体的に述べると、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、圧縮応力による応力変形で、上記隙間Gが短絡しないよう、剛性の高い材料としてタングステンからなる。なお、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204の材料として、タングステン以外でもタングステンカーバイトや銅やシリコンを用いてもよく、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204の厚みを調整すればよい。
このように、上記構成の空調装置によれば、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、中実であるので、上記電子ヒートポンプ装置200を薄く小型にできて、空調装置の一層の小型化を図ることができる。
また、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、略直方体状であるので、上記電子ヒートポンプ装置200を略直方体チップ形状にできて、例えば、新たな、または、既存の空調装置の内部に組み込み易くなる。
なお、上記電子ヒートポンプ装置200において、その他の構造および効果は、上記第1の実施形態の電子ヒートポンプ装置100と同じであるので、その説明を省略する。
なお、図示しないが、上記電子ヒートポンプ装置200にて上記室内を加熱する場合、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204に逆方向の電流を流せばよい。この場合、上記第1の半導体基板210および上記第1の内部電極211にて、電子を受け取るコレクタを形成し、上記第2の半導体基板220および上記第2の内部電極221にて、電子を放出するエミッタを形成する。
(第3の実施形態)
図11と図12は、この発明の空調装置の第3の実施形態を示している。この空調装置305は、(図2に示す)上記第1の実施形態の空調装置5と比べて、送風および排気の構造が相違する。
すなわち、この第3の実施形態の空調装置305では、第1の吸入口311a、第2の吸入口312aおよび第2の吐出口312bは、ケース本体310の上側に開口しており、第1の吐出口311bは、上記ケース本体310の下側に開口している。
また、冷温ユニット320は、折曲状に連設された二つの電子ヒートポンプモジュール301,301を有する。第1の通路311と第2の通路312とは、下方の上記電子ヒートポンプモジュール301の下側にあるドレイン受け325にて連通している。
また、空気を送風するための送風用のファン322は、上記第1の通路311の中途部に配置され、空気を排気するための排気用のファン322は、上記第2の吸入口312aの近くに配置される。
次に、上記空調装置305の作用を説明する。
上記送風用のファン322の作動により、上記室内の空気を、矢印eに示すように、上記第1の吸入口311aから吸引し、この吸引された空気を、上記二つの電子ヒートポンプモジュール301,301の上記一面の上記熱交換フィン321,321を通過させて冷却(または加熱)し、この冷却(または加熱)した空気を、矢印gに示すように、上記第1の吐出口311bから上記室内へ排出する。
一方、上記排気用のファン322の作動により、上記室内の空気を、矢印fに示すように、上記第2の吸入口312aから吸引し、この吸引された空気を、上記二つの電子ヒートポンプモジュール301,301の上記他面の上記熱交換フィン321,321を通過させて加熱(または冷却)し、この加熱(または冷却)した空気を、矢印hに示すように、上記第2の吐出口312bから上記室外へ排出する。
(第4の実施形態)
図13と図14は、この発明の空調装置の第4の実施形態を示している。この空調装置405は、トイレのような小さい空間内で用いられ、(図2に示す)上記第1の実施形態の空調装置5と比べて、第2の通路の構造が相違する。
なお、この第4の実施形態の空調装置405における、電子ヒートポンプモジュール401、ケース本体410、第1の通路411、第1の吸入口411a、第1の吐出口411b、上記電子ヒートポンプモジュール401の一面に連結された熱交換フィン421、送風用のファン422、熱交換攪拌部材423、断熱材424およびドレイン受け425は、上記第1の実施形態の空調装置5と同じであるため、その説明を省略する。
上記第4の実施形態の空調装置405の第2の通路412において、第2の吸入口412aは、上記ケース本体410の下側に開口しており、第2の吐出口412bは、上記ケース本体410の上側に開口している。
上記第2の吸入口412aは、(本管から分岐された)水道配管432に接続され、上記第2の吐出口412bは、便器430の後方に設けられた洗浄タンク431に接続される。
上記第2の通路412の内部には、上記電子ヒートポンプモジュール401の他面に熱的に連結された熱交換器433が設けられている。この熱交換器433には、熱的に連結された熱伝達部材434が設けられている。この熱伝達部材434は、例えば、金属板やヒートパイプ等であり、上記水道配管432に熱的に接触している。これは、上記水道配管432は、放熱材として大きな放熱容量を有している部位であって、安定した放熱が可能になるので、上記熱伝達部材434は、上記水道配管432に熱的に接続している。
次に、上記空調装置405の作用を説明する。
上記送風用のファン422の作動により、上記室内の空気を、矢印iに示すように、上記第1の吸入口411aから吸引し、この吸引された空気を、上記電子ヒートポンプモジュール401の上記一面の上記熱交換フィン421を通過させて冷却(または加熱)し、この冷却(または加熱)した空気を、矢印kに示すように、上記第1の吐出口411bから上記室内へ排出する。
一方、上記水道配管432の水道水を、矢印jに示すように、上記第2の吸入口412aから吸入し、この吸入された水道水を、上記電子ヒートポンプモジュール401の上記他面の上記熱交換器433を通過させて加熱(または冷却)し、この加熱(または冷却)した水道水を、矢印lに示すように、上記第2の吐出口412bから上記洗浄タンク431へ手洗い水として排出する。
したがって、上記構成の冷温ユニット420を有する空調装置によれば、トイレのような小さい空間容量の場所でも、上記実施形態と同様に静音で、従来のような冷風と温風が混在するという問題を回避することができる。
(第5の実施形態)
図15は、この発明の空調装置の第5の実施形態を示している。この空調装置505は、車内に用いられ、この空調装置505の冷温ユニット520は、電子ヒートポンプモジュール501の一面側に設けられると共に熱媒体が流れる第1の循環流路511と、この第1の循環流路511に設けられて上記熱媒体を循環させるポンプ525と、この第1の循環流路511に設けられると共に上記電子ヒートポンプモジュール501に熱的に連結される第1の熱交換器521と、この第1の循環流路511に設けられると共に上記熱媒体と空気とを熱交換する第2の熱交換器522と、この第2の熱交換器522に上記空気を導くと共にこの第2の熱交換器522を介して冷却(または加熱)された空気を、車内に、排出するファン526とを有する。
さらに、この空調装置505は、電子ヒートポンプモジュール501の他面側に設けられると共に熱媒体が流れる第2の循環流路512と、この第2の循環流路512に設けられて上記熱媒体を循環させるポンプ525と、この第2の循環流路512に設けられると共に上記電子ヒートポンプモジュール501に熱的に連結される第3の熱交換器523と、この第2の循環流路512に設けられると共に上記熱媒体と空気とを熱交換する第4の熱交換器524と、この第4の熱交換器524に上記空気を導くと共にこの第4の熱交換器524を介して加熱(または冷却)された空気を、車外に、排出するファン526とを有する。
次に、上記空調装置505の作用を説明する。
車内を冷房する場合、上記電子ヒートポンプモジュール501の上記一面を吸熱させ、上記第1の循環流路511の上記ポンプ525の動作により、上記熱媒体(冷媒)を介して、上記第2の熱交換器522を冷却し、この第2の熱交換器522に送風することで、車内に冷風が導入される。
一方、上記電子ヒートポンプモジュール501の上記他面は発熱され、上記第2の循環流路512の上記ポンプ525の動作により、上記熱媒体(冷媒)を介して、上記第4の熱交換器524を加熱し、この第4の熱交換器524に送風することで、車外に温風が排出される。
すなわち、上記第2の熱交換器522は、エバポレータとなり、上記第4の熱交換器524は、コンデンサとなる。
車内を暖房する場合、上記電子ヒートポンプモジュール501の上記一面を発熱させ、上記第1の循環流路511の上記ポンプ525の動作により、上記熱媒体(冷媒)を介して、上記第2の熱交換器522を加熱し、この第2の熱交換器522に送風することで、車内に温風が導入される。
一方、上記電子ヒートポンプモジュール501の上記他面は吸熱され、上記第2の循環流路512の上記ポンプ525の動作により、上記熱媒体(冷媒)を介して、上記第4の熱交換器524を冷却し、この第4の熱交換器524に送風することで、車外に冷風が排出される。
すなわち、上記第2の熱交換器522は、コンデンサとなり、上記第4の熱交換器524は、エバポレータとなる。
したがって、上記構成の空調装置によれば、従来機械的振動を生じていたコンプレッサをなくし、燃料電池車・電気自動車時代に向けて静音カーエアコンが実現できる。また、従来の高温高圧動作していた冷媒配管及びエキスパンションバルブがなくなり、信頼性の向上が期待できるカーエアコンが実現できる。また、大気圧に近い冷媒循環で個々の部品に応力負荷が生じ難く、空調温度調整を電子ヒートポンプ装置の電流調整又は、冷媒搬送ポンプの流量調整によりきめ細かな温度調整が可能となるカーエアコンが実現できる。
(第6の実施形態)
図16は、この発明の空調装置の第6の実施形態を示している。この空調装置605としては、例えば、除湿機またはスポットクーラ等であり、ケース本体10の下部に、除湿タンク640が設けられている。なお、図16中の部材において、上記第1の実施形態(図2)の符号と同一のものは、同様の構成であるので、その説明を省略する。
したがって、上記構成の空調装置によれば、上記電子ヒートポンプモジュール1の冷却面(吸熱面)で生じるドレイン水を、上記除湿タンク640に溜めることができて、除湿機またはスポットクーラとして最適になる。
なお、この発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、上記電子ヒートポンプ装置を、モジュール化せずに、単体(単一素子)にしてもよい。また、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方に、上記スペーサ部を一体に形成すればよい。また、上記電子ヒートポンプ装置を動作させる制御構造や、上記電子ヒートポンプ装置の配置および大きさは、特に限定されるものではない。また、上記空調装置は、例えば、浴室、床下、天井、列車、船舶、飛行機、倉庫または収納庫等にも空調または換気の装置として適用できることは明らかである。
本発明の空調装置の一実施形態を示す斜視図である。 空調装置の概略構成断面図である。 電子ヒートポンプ装置を搭載した電子ヒートポンプモジュールを示す斜視図である。 電子ヒートポンプ装置を示す斜視図である。 電子ヒートポンプ装置の縦断面図である。 図5のA部拡大断面図である。 電子ヒートポンプ装置の作用説明図である。 他の電子ヒートポンプ装置を示す斜視図である。 他の電子ヒートポンプ装置の縦断面斜視図である。 他の電子ヒートポンプ装置の要部拡大断面図である。 本発明の空調装置の他の実施形態を示す斜視図である。 他の空調装置の概略構成断面図である。 本発明の空調装置の別の実施形態を示す斜視図である。 別の空調装置の概略構成断面図である。 本発明の空調装置のさらに他の実施形態を示す概略構成図である。 本発明の空調装置のさらに別の実施形態を示す概略構成断面図である。 従来の第1の空調装置を示す概略構成図である。 空調装置の冷房運転時における四方弁の状態を示す説明図である。 空調装置の暖房運転時における四方弁の状態を示す説明図である。 従来の第2の空調装置を示す概略構成図である。 従来の第3の空調装置を示す概略構成図である。 従来の第4の空調装置を示す概略構成図である。 従来の第5の空調装置を示す概略構成図である。 ペルチェ素子の作用説明図である。
符号の説明
1,301,401,501 電子ヒートポンプモジュール
5,305,405,505,605 空調装置
20,320,420,520 冷温ユニット
21,321,421 熱交換フィン
22,322,422 ファン
23,423 熱交換攪拌部材
511 第1の循環流路
521 第1の熱交換器
522 第2の熱交換器
525 ポンプ
526 ファン
100,200 電子ヒートポンプ装置
101,201 エミッタ
110,210 第1の半導体基板
111,211 第1の内部電極
102,202 コレクタ
120,220 第2の半導体基板
121,221 第2の内部電極
103 第1のステム(第1の電極基板)
130 中空部
104 第2のステム(第2の電極基板)
140 中空部
203 第1の電極基板
204 第2の電極基板
105,205 スペーサ部
106,206 間隔保持部材
107,207 封止部材
G 隙間

Claims (10)

  1. 区画された空間内の空気を調和する装置であって、
    上記空間内の空気を吸引し、この吸引された空気を冷却または加熱し、この冷却または加熱された空気を上記空間内に排出する冷温ユニットを備え、
    この冷温ユニットは、上記吸引された空気を、直接的にまたは間接的に、冷却または加熱すると共に吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を有することを特徴とする空調装置。
  2. 請求項1に記載の空調装置において、
    上記冷温ユニットは、
    上記電子ヒートポンプ装置に熱的に連結された熱交換フィンと、
    この熱交換フィンに空気を導くと共にこの熱交換フィンを介して冷却または加熱された空気を排出するファンと
    を有することを特徴とする空調装置。
  3. 請求項2に記載の空調装置において、
    上記冷温ユニットは、上記熱交換フィンに対向して配置されると共にこの熱交換フィンに対向する対向面が凹凸形状である熱交換攪拌部材を有することを特徴とする空調装置。
  4. 請求項1に記載の空調装置において、
    上記冷温ユニットは、
    熱媒体が流れる循環流路と、
    この循環流路に設けられて上記熱媒体を循環させるポンプと、
    上記循環流路に設けられると共に上記電子ヒートポンプ装置に熱的に連結される第1の熱交換器と、
    上記循環流路に設けられると共に上記熱媒体と上記空気とを熱交換する第2の熱交換器と、
    この第2の熱交換器に上記空気を導くと共にこの第2の熱交換器を介して冷却または加熱された空気を排出するファンと
    を有することを特徴とする空調装置。
  5. 請求項1に記載の空調装置において、
    上記電子ヒートポンプ装置における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在することを特徴とする空調装置。
  6. 請求項1に記載の空調装置において、
    上記電子ヒートポンプ装置は、
    第1の電極基板と、
    この第1の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第1の半導体基板と、
    この第1の半導体基板の他面に設けられた第1の内部電極と、
    第2の電極基板と、
    この第2の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第2の半導体基板と、
    この第2の半導体基板の他面に設けられた第2の内部電極と
    を備え、
    上記第1の内部電極と上記第2の内部電極とは、隙間をあけて対向するように配置され、
    かつ、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記第1の内部電極と上記第2の内部電極との間の上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されており、
    さらに、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間に配置されて上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材と、
    上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間の真空を維持する封止部材と
    を備えることを特徴とする空調装置。
  7. 請求項6に記載の空調装置において、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中空部を有することを特徴とする空調装置。
  8. 請求項6に記載の空調装置において、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中実であることを特徴とする空調装置。
  9. 請求項8に記載の空調装置において、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、略直方体状であることを特徴とする空調装置。
  10. 請求項1に記載の空調装置において、
    上記電子ヒートポンプ装置は、複数存在し、この複数の電子ヒートポンプ装置は、電気的に接続されて、モジュール化されていることを特徴とする空調装置。
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