JP2005177745A - ジルコニア添加チタニア光触媒粉体及びその製造方法 - Google Patents

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Hiroshi Taoda
博史 垰田
Hiroyoshi Takagi
弘義 高木
Mitsuharu Fukaya
光春 深谷
Eiji Watanabe
栄次 渡邉
Masayoshi Iimi
真由 飯見
Yoko Fujishita
容子 藤下
Mikaru Ikedo
みかる 池戸
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Abstract

【課題】 酸化チタニウム微粒子中に均一に酸化ジルコニウムを添加し、窒素を結晶格子に導入した光触媒用粉体、その製造方法及び製品を提供する。
【解決手段】 アナターゼ型チタニアに均一に酸化ジルコニウムを添加したものであって、その量は、酸化チタンに対して0.5〜10重量%であり、その粉体の分光反射率測定では600nm付近から400nmにかけて吸収があり、その吸収が410nm付近で40%以上(但し、600nmの波長の光に対する反射率を100%とする)の吸収を示すジルコニア添加チタニア光触媒、その製造方法、及びその製品。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジルコニア添加チタニア光触媒及びその製造方法等に関するものであり、更に詳しくは、窒素導入量等を大きくして可視光域での光触媒作用を格段に大きくすることを可能とした新しいタイプの窒素導入型チタニア光触媒、その製造方法及びその製品に関するものである。本発明は、窒素をチタニア結晶格子中に導入した、窒素導入型チタニア光触媒の技術分野において、従来、例えば、チタニア結晶に均一に窒素を導入することは極めて難しいことから、窒素導入型チタニア光触媒を再現性よく製造し得る有効な方法がなかったことを踏まえ、それらの問題を確実に解決すると共に、導入された窒素をより安定に格子中に保持させること、しかも窒素導入量を増加させること、等を可能とする新規ジルコニア添加チタニア光触媒、その製造技術及びその応用製品を提供するものとして有用である。本発明のジルコニア添加チタニア光触媒は、例えば、これを担持させた適宜の形態の部材とすることにより、例えば、悪臭物質のような空気中の化学物質の分解・無害化、抗菌、抗かび、防汚、水中の有害物質の分解等の機能を付与した製品として応用可能である。
従来のチタニア粉体は、例えば、抗菌性タイル、セルフクリーニング建材、脱臭、消臭材料、等への用途開発が行われているが、純粋のチタニアでは、励起光は400nm以下の紫外線であるため、太陽光だけの励起では光触媒としての用途が限定される。そこで、励起光の範囲を400nm以上に拡大するために、色々の工夫がなされ、近年では、窒素をチタニア結晶格子中に導入すること、それにより励起光の範囲を拡大し、可視光応答性のあるチタニア粒子ができること、が発表されている。例えば、元北大の佐藤真理氏の発表(非特許文献1)、エコデバイス社の発表(非特許文献2)、及びトヨタ中央研究所の発表(非特許文献3参照)、等がある。
上記先行技術文献(非特許文献2、3)では、何れも窒素の導入により黄色のチタニア粉体が生成したこと、また、導入された窒素が荷電子帯の最上部近傍に準位を作り、バンドギャップが狭められること、等が報告されている。また、他の先行技術文献では、チタニアをアンモニアガス又はその誘導体の存在下で加熱することにより窒素をチタニア結晶中に導入すること(特許文献1、非特許文献3参照)、が提案されている。また、他の先行技術文献によると、黄色が強いほど高い可視活性を示すこと、更に、400℃以上の加熱では黄色が衰退して可視活性が低下すること(非特許文献2)が報告されている。
可視光の広い範囲に亘って光触媒としての活性を発現させるには、チタニア粉体が、400nm以上の波長の光を大きく吸収することが重要である。そこで、如何に大きな吸収を発現させ、且つ、導入された窒素をより安定に保持させるには、どのようにすればよいかが課題となる。光触媒の製造に際しては、より簡単に作れる方法があればよいことは当然であるが、全てのチタニア粉体微粒子中に均一に窒素を導入できる方法であって、しかも再現性よくそれを製造できる方法を確立することが大きな課題である。
前記の文献の方法のように、チタニア粉体を炉中に置いてからアンモニアガスを送って反応させる方法は、腐食性の高いアンモニアガスに耐えられる炉体、及び材料を使用する必要がある。そして、ガスをチタニア粉体微粒子全体に均一に反応させることは非常に困難なことである。更に、ガスとの反応は、粒子表面から反応していくため、上記方法では、全ての粉体微粒子の結晶格子中に均一に窒素を導入することは不可能に近いという問題がある。また、ガスとチタニア粉体との反応は、本来不均一反応であるため、再現性のよいものを作ることも至難のことである。
特許第3215698号明細書 Chem. Phys. Lett., 123, 126 (1986) 工業材料,vol.50,No.7,33−35(2002) 工業材料,vol.50,No.7,36−39(2002) 光触媒性能評価試験法IIa(2001年度版)、光触媒製品技術協議会会則・諸規定及び試験法、49−52(2004)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記従来技術における諸問題を抜本的に解決することが可能な新しい光触媒の製造技術及びその製品を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、ジルコニウムを均一にチタニア結晶格子に固溶させることにより、大きな吸収を広い範囲で発現させる、という前記の課題を解決できることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。本発明は、ジルコニウムを均一にチタニア結晶格子に固溶させた、可視光域で大きな吸収を有し、格段に増強された可視光応答性を持つ新規ジルコニア添加チタニア光触媒、その製造方法及びその製品を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、窒素置換型チタニアにおいて、チタニアにジルコニウムを固溶させたことを特徴とする、ジルコニア添加チタニア光触媒、である。本光触媒は、(1)酸化チタンに対して、酸化ジルコニウムを0.5〜10重量%添加して、チタニア結晶格子中にジルコニウムを固溶させたこと、(2)チタニア結晶格子中にジルコニウムを固溶させることにより、窒素導入量を増加させたこと、(3)チタニア結晶格子中にジルコニウムを固溶させることにより、導入された窒素を安定に格子中に保持させたこと、(4)アナターゼ型チタニアに均一に酸化ジルコニウムを添加したものであって、その量は、酸化チタンに対して0.5〜10重量%であり、その粉体の分光反射率測定では600nm付近から400nmにかけて吸収があり、その吸収が410nm付近で40%以上(但し、600nmの波長の光に対する反射率を100%とする)の吸収を示すこと、を好ましい態様としている。
また、本発明は、塩化チタン又は硫酸チタン水溶液に水溶性ジルコニウム塩を溶解させた溶液とアンモニア類を中和反応させた後、反応物を乾燥、焼成、粉砕することにより粉体とすることを特徴とするジルコニア添加チタニア光触媒の製造方法、である。本方法は、(1)水溶性ジルコニウム塩が、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニル2水和物、炭酸ジルコニウム水和物、又は硫酸ジルコニウム水和物のいずれか1種であること、(2)アンモニア類が、アンモニア水、アンモニアアルカリ性炭酸アンモニウム水溶液、アンモニアアルカリ性炭酸水素アンモニウム水溶液、又は尿素水溶液のいずれか1種であること、(3)室温から100℃の温度で反応させること、を好ましい態様としている。
また、本発明は、上記のいずれかに記載のジルコニア添加チタニア光触媒を構成要素として含み、可視光域での吸収を増強させた高可視光応答型光触媒作用を付与したことを特徴とする構造部材、である。また、本発明は、上記のいずれかに記載のジルコニア添加チタニア光触媒を構成要素として含み、可視光域での吸収を増強させた高可視光応答型光触媒作用を付与したことを特徴とする環境浄化製品、である。更に、本発明は、上記のいずれかに記載のジルコニア添加チタニア光触媒を構成要素として含み、可視光域での吸収を増強させた高可視光応答型光触媒作用を付与したことを特徴とする光触媒製品、である。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、窒素置換型チタニアの製造過程で、チタニア結晶格子中へジルコニウムを固溶させた、ジルコニア添加チタニア光触媒、及びその製造方法等に係るものである。窒素導入方法としては、例えば、チタニアへのアンモニア水による中和反応過程で、アンモニア中の窒素がチタンと結合し、窒素導入が行われる。この過程で、チタニア結晶格子中へジルコニウムを固溶させる方法としては、例えば、アルコキシド法でジルコニウムをチタニアに固溶させる方法等が例示される。TiとZrは水溶液中に溶けて原子単位で完全均一になるのでZrはチタニア結晶格子中に完全に固溶する。本発明は、アナターゼ型チタニアに均一に酸化ジルコニウムを添加したものであって、その量は、酸化チタンに対して0.5〜10重量%であり、その粉体の分光反射率測定では600nm付近から400nmにかけて吸収があり、その吸収が410nm付近で40%以上(但し、600nmの波長の光に対する反射率を100%とする)の吸収を示すことを特徴とする。本発明で用いられる酸化チタンとしては、好適には、例えば、アナターゼ型チタニア粉体が用いられるが、これに制限されるものではなく、これと同効のもの、もしくは類似のものであれば同様に使用することができる。
本発明では、塩化チタン又は硫酸チタン水溶液に水溶性ジルコニウム塩を溶解させた溶液とアンモニア類を中和反応させた後、反応物を乾燥、焼成、粉砕することにより粉体とする。この場合、水溶性ジルコニウム塩としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニル2水和物、炭酸ジルコニウム水和物、又は硫酸ジルコニウム水和物が用いられるが、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。また、アンモニア類として、例えば、アンモニア水、アンモニアアルカリ性炭酸アンモニウム水溶液、アンモニアアルカリ性炭酸水素アンモニウム水溶性、又は尿素水溶液が用いられるが、これらと同効のものであれば同様に使用することができる。また、上記反応は、好適には、室温から100℃の温度で行われる。本発明において、チタニアに加える酸化ジルコニウムの量としては、0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。ジルコニウムを加えたチタニア粉体とこれを加えてない粉体の450℃、2時間加熱処理物の分光反射率の測定結果を図1に示す。測定は、日立色彩分析装置(C−2000S)により波長が380〜780nmの範囲で行った。図1は、図から明らかなように、410nmから450nmにかけてジルコニウムを加えたものとこれを加えてないものとの吸収の差が大きいことを示している。この差は肉眼でも判別できるものであり、ジルコニウムを加えたものの方がその黄色が鮮やかである。この吸収は、前記の先行技術文献にある従来製品の吸収に比べて格段に大きい。このことは、本発明の光触媒は、可視光域で格段に大きい光触媒作用を有していることを示している。
ジルコニウムを加えたチタニアがジルコニウムを加えてないものに比べて大きい吸収を示した理由はわからない部分があるが、窒素導入量の差が一つの原因と考えられる。黄色着色した粉体を600℃で加熱して完全に酸化させた後、その重量を測定したところ、重量増加がジルコニウムを固溶させたものがジルコニウムを固溶させてないものより大きかった。このことから推察して、上記理由として、窒素導入量がジルコニウムを固溶させたものの方が固溶させてないものより多かったことが考えられる。また、酸化ジルコニウムの融点は2700℃であり、酸化チタニウムの融点は1800℃であることから、ジルコニウムと陰イオンとの結合はチタンと陰イオンとの結合より強いことが考えられ、このことが関係して、窒素導入量を大きくしたとも考えられる。
更に、加熱試験の結果、ジルコニウムが固溶されていないものに比べて、ジルコニウムが固溶されたものは、導入された窒素が、安定に保持されることを見出した。ジルコニウムを固溶させたチタニア粉体とこれを固溶させなかったチタニア粉体を並べて、500℃、2時間加熱して黄色の脱色の程度を比較試験した結果を図2に示す。加熱により導入された窒素が抜けて白さを増すが、図2から明らかなように、ジルコニウムを固溶させた粉体の黄色は、ジルコニウムを加えてない粉体の黄色よりも強いことが分かるが、これは、肉眼でも明らかである。
このことは、ジルコニウムを加えたものは、導入された窒素を強く保持したことを示している。この現象の理由は、以下のように考えられる。酸化ジルコニウムの融点は2700℃であり、酸化チタニウムの融点は1800℃である。従って、チタニア結晶格子中に入ったジルコニウムは、結晶格子を構成する全てのイオンの拡散速度を低下させ、また、その周辺の陰イオンをチタニウムよりも強く結合している。加熱による外気の酸素と導入さている窒素との反応は、ジルコニウムが陰イオンの拡散を妨害するため、ジルコニウムを固溶させたものはこれを固溶させてないものよりも反応を容易には起こさせなかったものと考えられる。
本発明によるジルコニウムの固溶によりチタニアの黄色が、ジルコニウムを固溶していないものに比べて、吸光度が大きく鮮やかになった理由は、明らかではないが、ジルコニウムと陰イオンとの結合がチタンと陰イオンとの結合より強いことが一つの要因であると考えられる。チタニア結晶格子中にジルコニウムが存在するものと存在しないものとの比較で、導入された窒素がジルコニウムの存在でチタニア結晶格子中により安定に保持されたのは、ジルコニウムと陰イオンとの結合がチタンと陰イオンとの結合より強く、また、全てのイオンの拡散速度が低下したために、加熱による外気酸素との反応速度が低下したためと考えられる。
以上のように、窒素を導入したチタニア粉体は、黄色に着色し、600nm付近から400nm付近にかけて大きな吸収がみられた。ジルコニウムを添加したものと添加してないものの吸収スペクトルを比較すると、添加したものの方が大きな吸収を示した。その理由は、ジルコニウムに起因する窒素導入量の差に基くと考えられる。また、導入された窒素の安定保持に関して加熱による脱色で比較したところ、ジルコニウムを添加されたチタニアの方が添加されてないものよりも大きいことが分かった。
本発明の方法で作製されたジルコニウム添加チタニア光触媒は、そのまま、あるいは任意の構造部材に担持させて、例えば、悪臭物質のような空気中の化学物質の分解・無害化、抗菌、抗かび、防汚、水中の有害物質の分解等の機能を付与した製品として効果的に使用することができる。本発明において、構造部材、環境浄化製品及び光触媒製品とは、本発明のジルコニウム添加チタニア光触媒を適宜の方法及び手段で担持した部材及び製品を意味するものであり、本発明の環境浄化製品、構造部材及び光触媒製品としては、繊維製品、プラスチックス製品、紙製品、陶磁器製品、金属製品、ガラス製品、コンクリート製品、革製品、塗料、インク、木・竹製品、造花、人工観葉植物、インテリア製品、アクセサリー、電気製品、シート類、バッグ類などの製品やその部材及びこれらと同等又は類似のものが挙げられ、本発明では、それらの製品や部材の種類、形態等は、任意に設計することができる。
本発明により、(1)従来の窒素置換型チタニアと比べて可視光域での吸収の格段に大きい光触媒を製造し、提供できる、(2)窒素導入量を多くすることができる、(3)本発明によるチタニアへのジルコニウムの添加は、窒素導入によるチタニア結晶粒子の黄色着色をより鮮やかにし、導入された窒素をより安定に格子中に保持する効果がある、(4)本発明の方法では、従来報告されている製造法より、簡単に、しかも均一に、着色した粉体を再現性よく、より安価に製造できる、(5)可視光応答型チタニアの可視光域での光触媒作用を格段に増強できる構造部材、環境浄化製品及び光触媒製品を提供できる、という格別の効果が奏される。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
4塩化チタン水溶液に、オキシ塩化ジルコニウムを酸化ジルコニウムとして酸化チタンに対して2重量%になるように加えた溶液を準備した。この溶液に、濃厚アンモニア水を等量の水で希釈したアンモニア水を、メチルレッドを指示薬として中和点まで加えて、沈殿を完成させてから静置し、上澄液を除去した後、反応物を加熱乾燥し、塊をほぐし、粉砕した後、毎時100℃で昇温し、450℃で2時間保持した後、自然冷却して、黄色に着色したチタニア粉体を得た。
比較例
実施例1において、ジルコニウムを加えないものを、比較のために、同様の操作で作製した。
実施例1において、オキシ塩化ジルコニウムの量を加減して、その添加量を調節した他は、実施例1と同様の操作で黄色粉体を得た。
実施例1において、アンモニア水の替わりに尿素を用いた。この場合は、必要量より過剰の尿素をチタンとジルコニウムを含む溶液に加えてから、加熱により充分に反応させた後、実施例1と同様の操作で黄色粉体を得た。
実施例1において、アンモニア水の替わりにアンモニアアルカリ性の炭酸水素アンモニウムを用いた。この場合は、必要量の倍のアンモニアアルカリ性炭酸水素アンモニウムを溶解した水溶液を作り、50℃付近に加温した後、反応させた。それ以外は、実施例1と同様の操作で黄色粉体を得た。
実施例3におけるアンモニアアルカリ性炭酸水素アンモニウムの替わりにアンモニアアルカリ性炭酸アンモニウムを用いた。この場合は、上澄液を3回除去した後、沈殿時と同量程度になるように純水を加えた後、この沈殿を含む溶液を噴霧乾燥により乾燥した。それ以外は、実施例1と同様の操作で黄色粉体を得た。
実施例1と同様の操作により作製した比較例及び実施例2(酸化ジルコニウムとして酸化チタンに対して任意の重量%になるように添加した)の試料それぞれを、EDXにより分析し、その中に含まれる窒素含有量と酸化ジルコニウム含有量との関係についてその重量濃度変化から調べた。その結果、チタニア粉末中に酸化ジルコニウム含有量が増すに従って、窒素含有量が増加することが明らかになった。このことから、チタニア合成時に酸化ジルコニウムを一定量以上に添加することにより、チタニア粉末中への窒素の導入量が増すことができることが明らかになった。
実施例1と同様の操作により作製した比較例及び実施例2(酸化ジルコニウムとして酸化チタンに対して任意の重量%になるように添加した)の試料それぞれについて、ガスバックA法(非特許文献4)により、紫外線照射下において、標準ガスであるアセトアルデヒドの分解性能を調べた。図3に、その結果を示す。その結果、比較例とも遜色のないアセトアルデヒド分解性能が確認できた。
実施例1と同様の操作により作製した比較例及び実施例2(酸化ジルコニウムとして酸化チタンに対して任意の重量%になるように添加した)の試料それぞれについて、ガスバックA法(非特許文献4)により、紫外線カット蛍光灯照射下において、標準ガスであるアセトアルデヒドの分解性能を調べた。図4に、その結果を示す。その結果、紫外線をカットした可視光下において、本発明の材料はアセトアルデヒドの高い分解性能を有することが明らかになった。
以上詳述したように、本発明は、ジルコニア添加チタニア光触媒及びその製造方法等に係るものであり、本発明により、チタニアに導入された窒素をより安定に格子中に保持できる。本発明は、窒素導入によるチタニタ結晶粒子の黄色着色をより鮮やかにする。本発明により、チタニアへの窒素導入量を多くすることができる。チタニア結晶格子中に入ったジルコニウムは、結晶格子を構成するイオンの拡散速度を低下させる。チタニアにジルコニウムを加えることにより、特に、分光反射率が410nmから450nmにかけて増加する。本発明は、紫外線照射下においても可視光下においても化学物質の高い分解性能を有し、例えば、悪臭物質のような空気中の化学物質の分解・無害化、抗菌、抗かび、防汚、水中の有害物質の分解等の機能を付加した部材及び製品への応用を可能とする高機能性の新しい光触媒を提供し、これらの技術分野における新産業創出に資するものとして有用である。
ジルコニアを加えた窒素置換型チタニア粉体とそれを加えてない粉体の加熱(450℃、2時間)処理物の分光反射率の測定結果を示す。P:ZrOナシ、Z:2wt%ZrO添加物。 ジルコニアを固溶させたチタニア粉体と固溶させなかったチタニア粉体の加熱(500℃、2時間)による黄色の脱色の程度を比較試験した結果(N→O置換による黄色脱色を調べたもの)を示す。P:ZrOナシ、Z:2wt%ZrO添加物。 チタニア粉体試料の中に含まれる窒素とジルコニウムとの関係についてEDXにより分析し、その重量%変化を調べた結果(チタニア粉体中に添加した酸化ジルコニウムと酸化窒素含有量の関係)を示す。 紫外線照射下におけるアセトアルデヒド(標準ガス)の分解能試験(ガスバックA法)の結果を示す。 紫外線カット蛍光灯(可視光)下におけるアセトアルデヒド(標準ガス)の分解能試験(ガスバックA法)の結果を示す。

Claims (12)

  1. 窒素置換型チタニアにおいて、チタニアにジルコニウムを固溶させたことを特徴とする、ジルコニア添加チタニア光触媒。
  2. 酸化チタンに対して、酸化ジルコニウムを0.5〜10重量%添加して、チタニア結晶格子中にジルコニウムを固溶させた、請求項1に記載のジルコニア添加チタニア光触媒。
  3. チタニア結晶格子中にジルコニウムを固溶させることにより、窒素導入量を増加させた、請求項1に記載のジルコニア添加チタニア光触媒。
  4. チタニア結晶格子中にジルコニウムを固溶させることにより、導入された窒素を安定に格子中に保持させた、請求項1に記載のジルコニア添加チタニア光触媒。
  5. アナターゼ型チタニアに均一に酸化ジルコニウムを添加したものであって、その量は、酸化チタンに対して0.5〜10重量%であり、その粉体の分光反射率測定では600nm付近から400nmにかけて吸収があり、その吸収が410nm付近で40%以上(但し、600nmの波長の光に対する反射率を100%とする)の吸収を示す、請求項1に記載のジルコニア添加チタニア光触媒。
  6. 塩化チタン又は硫酸チタン水溶液に水溶性ジルコニウム塩を溶解させた溶液とアンモニア類を中和反応させた後、反応物を乾燥、焼成、粉砕することにより粉体とすることを特徴とするジルコニア添加チタニア光触媒の製造方法。
  7. 水溶性ジルコニウム塩が、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニル2水和物、炭酸ジルコニウム水和物、又は硫酸ジルコニウム水和物のいずれか1種である、請求項6に記載のジルコニア添加チタニア光触媒の製造方法。
  8. アンモニア類が、アンモニア水、アンモニアアルカリ性炭酸アンモニウム水溶液、アンモニアアルカリ性炭酸水素アンモニウム水溶液、又は尿素水溶液のいずれか1種である、請求項6に記載のジルコニア添加チタニア光触媒の製造方法。
  9. 室温から100℃の温度で反応させる、請求項5に記載のジルコニア添加チタニア光触媒の製造方法。
  10. 請求項1から5のいずれか1項に記載のジルコニア添加チタニア光触媒を構成要素として含み、可視光域での吸収を増強させた高可視光応答型光触媒作用を付与したことを特徴とする構造部材。
  11. 請求項1から5のいずれか1項に記載のジルコニア添加チタニア光触媒を構成要素として含み、可視光域での吸収を増強させた高可視光応答型光触媒作用を付与したことを特徴とする環境浄化製品。
  12. 請求項1から5のいずれか1項に記載のジルコニア添加チタニア光触媒を構成要素として含み、可視光域での吸収を増強させた高可視光応答型光触媒作用を付与したことを特徴とする光触媒製品。
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