JP2005173081A - 瞬間刺激による記憶力向上システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 左脳を刺激する一つの素材と右脳を刺激する一つの素材とを関連付けることで一つのユニットを作成し、それらの複数のユニットを同時にしかも短時間だけモニターの画面に表示させ、その後に表示させた複数のユニットの中から一つのユニットを選び出し、そのユニットにある右脳を刺激する素材のみモニターの画面に表示させ、その表示された右脳を刺激する素材から関連付けられた左脳を刺激する素材を記憶から引き出させることで、左右の脳を同時に励起させながら左脳を刺激する素材を記憶させる。
【選択図】 図7
Description
人間の頭部にある脳は左右に分けられて左脳、右脳と呼ばれている。これらの二つの脳ではそれぞれが果たす機能が相違し、かつ、役割が分担が決められている。〔左脳〕は言語の処理や論理的な思考を主に司っており、言葉や漢字などの記憶を分担していて、計算能力も負担している部分である。左脳では言語的な記憶を行っているのだが、左脳での記憶は入りやすいが忘れ易い特徴がある。これに対して、〔右脳〕は物事の直観的理解や創造的な発想を主に司っており、音楽、絵画、映像などの記憶を分担している。右脳では非言語性の概念を記憶しており、音楽、画像などの空間を記憶することになるが、これらの音楽や画像は一度しっかり記憶されると長期に渡っても忘れられないといわれている。このように左右の脳はそれぞれの役割が相違し、また、その機能も相反するものである。
このイメージ記憶方法では、語句や単語と図柄であるイメージを同時に関連付けて記憶力の向上を狙ったものであるが、イメージではなくても同様の効果を得ることができる。例えば、音楽、音、音声などを語句や単語と関連づけることでもよい。結論からすれば、左脳と右脳を同時に機能させ、両者の能力を活発化させることで左脳での記憶力を増強させることができる。すなわち、
左脳 → 語句、単語、漢字、言葉などの記憶
右脳 → イメージ、図形、音楽、音、音声
のようにその役割が分担されているのを同時に機能させることである。
この左脳、右脳における機能が異なることは過去から知られていたが、最近の研究ではシナプスが記憶に重要な役割を果たしていることが判ってきた。
1、左海馬の神経同志で作るシナプス。
(記憶と刺激の相関関係)
語句、単語、漢字、言葉などは左脳への知的な刺激によって記憶されていることは前述した。この記憶においては集中力によってその成果が大きく左右されている。その集中力においては、左右脳の全体への刺激があれば影響が大きいものである。しかし、その刺激が同じタイプで継続することになると、脳は急速に飽きが起き、刺激を刺激として感じる感度が急速に低下して記憶の効率が低下することになる。脳のある特定の同じ部位だけを刺激しても、集中力は時間と共に低下することになる。従来のような、単語カードをめくって、単語とその意味を関連づけして記憶する方法では脳の飽きが起きやすく、効率の悪い記憶法といえる。語句や単語などの記憶の効果を上げようとするなら、脳全体に刺激を与えて、左前頭皮質、左側頭部、前帯状皮質、右小脳皮質などを活性化する必要がある。これは、単語を記憶するときは体を動かしたり大声を出すのが良い、と従来から体験的に言われてきた記憶方法に合い通じる共通点が見いだされる。(リチヤード・レスタック著「脳トレ」108〜111頁)
(ワーキングメモリー)
上述した脳の機能や役割分担、記憶における刺激の作用などは従来から知られている人体の脳の働きである。これに対して比較的最近になって知られてきた脳の働きにワーキングメモリーという機能がある。人間の日常生活において、短時間だけ記憶しておかなければならない事項は数多く見受けられる。例えば、長文の文章を読んで理解するときに、直前にまで読んだ文章の一部を一時的に記憶して現在読んでいる文章と比較したり、文章中に出現する語彙を一時的に記憶してその意味を思い出す動作が必要となる。また、電話番号などのような意味のない数字の羅列を一時的に記憶し、電話をかけるために思い出すようなこともある。このような日常的に行われている記憶では永久に記憶しようという意識は無く、その目的とする行動が完了すると無意識に消えていくものである。このように、細かな日常生活に必要な目的を処理するために、一時的に記憶する必要があり、脳内にはこのような事項を記憶しておく領域が存在している。このような領域をワーキングメモリーと呼び、すでに学習した知識や経験と比較しながら目的を達成するまで維持している。そして、ワーキングメモリーによる記憶では、その記憶を維持しつつ他の行動を行い、その目的のための行動を並列的に処理している。このワーキングメモリーでの記憶を維持できる時間は、長くても数十秒程度であると考えられている。
(新しい記憶理論の提示)
上述したように、左右の脳の機能が相違していて語句、言語などを記憶する部位は左脳であるが、左右の脳を同時に異なった方法で刺激すると記憶をより鮮明にし、かつ、記憶の作業への飽きが少なくなることが判ってきた。これは左右の脳の特定の部位を同時に刺激することで、時間の経過による刺激への感度の低下を抑えることができるからである。記憶を司るシナプスは脳内に4種類が存在しているといわれ、シナプスの種類により左右の脳の機能が相違していた。左右の脳にあるこれらのシナプスを同時に刺激することで記憶への印象を強め、記憶作業への飽きがくるのを防ぐことができることになる。
本発明では、左右の脳に同時にことなった種類の刺激を瞬間に与え、左右の脳にそれぞれ刺激を与えることで記憶を鮮明にして記憶力を増強させる記憶方法である。この記憶方法では単なる刺激による珍しさで偶然に記憶力が増えたのではなく、前述した左右の脳の機能の解析や、認知心理学で解明された刺激と記憶の相関関係の原理を利用したもので、科学的な根拠によるものである。この記憶方法では所定の手順が必要であり、以下に刺激を与えて記憶させるまでの順序について概要を説明する。なお、この手順は予めプログラムに組み込まれて、パソコンのモニター上で機械的に行うのが効果的である。
左脳が主となって認知する刺激(記憶する語句や言葉、単語など)と右脳が主となって認知する刺激(例えば、画像、色彩、音声など)を関連付けて同時に提示し、左右の脳を同時に刺激させる。一つの語句(または単語)に一つの画像(または色彩、音声)を関連させて、同時にモニター上に表示させることが重要なポイントである。左右の脳のそれぞれの機能の部位が強く刺激され、しかも、左右のいづれか一方への刺激でないたことから、刺激による脳の励起は持続性を持ちやすいものとなる。
左右の脳を刺激するため、関連付けた語句や単語と画像や色彩を同時に表示することになるが、表示する時間は十数秒以内とする。表示時間は、できれば0.5秒から2秒程度の短時間に設定して長く表示しない。関連付けた2種類の表示を長時間に渡って提示すると、その表示に対して働く脳の部位が左脳か右脳のどちらかに偏ることになるからである。左右の脳に平均して負担がかかるような表示でなければ、それぞれの脳への刺激の感度が鈍るためである。そして、短時間で表示することから、関連付けられた2つの異なった情報はワーキングメモリーに一時的に記憶させられ、ワーキングメモリーを強く刺激してその機能を増強させることになる。
一時にワーキングメモリーに維持できる記憶量を拡大させるため、関連付けた語句や単語と画像や色彩の組み合わせを複数組用意しておき、同時に表示させる。あるいは、関連付けた語句や単語と画像や色彩の組み合わせを、短時間に連続して複数組を表示させる。この表示方法により、記憶しようとする人の脳内では、解答するまで複数個の記憶対象を並列的に保持しなければならなくなるからである。
短時間の間に関連付けた語句や単語と画像や色彩を同時に表示したならば、その表示を停止して、次に選択された特定の画像や色彩だけを表示する。この表示により、記憶する人に、その画像や色彩と関連付けられた語句や単語を思い出させる。前述した語句や単語と画像や色彩はワーキングメモリーに一時的に記憶されているため、画像や色彩を表示すると関連付けられた語句や単語を思い出すことになる。このときには、左脳が語句や単語を記憶し、右脳が画像や色彩を記憶しているため、記憶した情報が引き出される時には左右の脳の間に強い連携作用が起きる。
画像や色彩を表示させて、その画像や色彩に関連付けられた語句や単語を記憶しようとする人がワーキングメモリーから引き出して思い出したなら、その語句や単語をキーボードによりタイピングさせる。タイピングした語句や単語はモニターに表示される。このタイピングの動作を強制するのは、思い出した語句や単語を実際に手先を使って操作させ、脳に負担をかけさせるためである。左右の脳の機能には連携があるため、タイピングさせることにより左右の脳により強い負荷をかけ、記憶する内容を印象付けさせるためである。
手がかりのない状態でのタイピングによる解答方法では難しすぎると感じる初心者のために、選択肢を選択して解答する方法もある。選択肢を選択する解答方法では、タイピングによる解答方法に比べトレーニングの効果は小さくなる。このため、はじめに選択式の解答方法によるトレーニングで語句や単語に慣れておき、しかるのちにタイピングによる解答方法に挑戦するといった、段階的なトレーニングを行うこともできる。
タイピングによりモニターに画像や色彩と関連付けられた語句や単語を表示させたなら、画面には表示していない正答と比較し、その語句や単語が正しいか否かを評価する。この評価により、記憶したい人は関連付けられた語句や単語を正しく記憶していたかどうかを自己判断できる。
上記の1〜5の動作は複数回連続して行う。この時に、語句や単語と画像や色彩を関連付ける組み合わせは、記憶したい語句や単語ごとにランダムに変更させる。この連続した反復練習によりワーキングメモリーの機能の拡大が行われ、左右の脳への同時刺激はより効果的になる。
本発明は、左脳を刺激する一つの素材と右脳を刺激する一つの素材とを関連付けることで一つのユニットを作成し、それらの複数のユニットを同時にしかも短時間だけモニターの画面に表示させ、その後に表示させた複数のユニットの中から一つのユニットを選び出し、そのユニットにある右脳を刺激する素材のみモニターの画面に表示させ、その表示された右脳を刺激する素材から関連付けられた左脳を刺激する素材を記憶から引き出させ、その素材を手動入力手段により入力させて画面上に記憶していた素材を表示させて、左右の脳を同時に励起させながら左脳に記憶させてある素材を手動入力手段の操作と共に引き出すことにより、左脳を刺激する素材を記憶させることを特徴とする瞬間刺激による記憶力向上システムを提供するものである。(請求項2)
本発明は、前記システムにおいて、左脳を刺激する素材は文字、単語、熟語などの語句であり、右脳を刺激する素材は色彩であることを特徴とする瞬間刺激による記憶力向上システムを提供するものである。(請求項3)
本発明は、前記システムにおいて、左脳を刺激する素材は文字、単語、熟語などの語句であり、右脳を刺激する素材は複数種類の図形であることを特徴とする瞬間刺激による記憶力向上システムを提供するものである。(請求項4)
本発明は、前記システムにおいて、左脳を刺激する素材は文字、単語、熟語などの語句であり、右脳を刺激する素材は音声であることを特徴とする瞬間刺激による記憶力向上システムを提供するものである。(請求項5)
本発明は、前記システムにおいて、左脳を刺激する一つの素材と右脳を刺激する一つの素材から成る一つのユニットでは、モニターの画面に一度に表示させるのは最低2つのユニットであり、最大で7つのユニットであることを特徴とする瞬間刺激による記憶力向上システムを提供するものである。(請求項6)
最初はパソコン本体11の電源を投入すると、中央演算回路21は主記憶部23に予め記憶されているプログラムによって起動し、所定の手順によりパソコン本体11を立ち上げて初期画面をモニター12に表示させる。電源投入後におけるモニター12に最初に表示される画面は図4で示される。この図4の画面では、その中央に「START」のSTARTアイコン28が表示され、下部には『「START」ボタンをクリックしてください』と指示の文字が表示される。これが初期画面で、STARTアイコン28をクリックしない限りこの状態を維持している。そして、記憶しようとする人がマウス14を操作してSTARTアイコン28をクリックするとプログラムが起動して記憶トレーニングが開始される(図13のS101)。
次に、モニター12にはこれから記憶しようとするトレーニング作業のレベルを問い合わせてくる図5の画面に移行する。この画面の中央には上下に三層の区画が分けられて、上下方向に上級レベルアイコン30、中級レベルアイコン31、初級レベルアイコン32となる。それぞれのアイコン30〜32では、トレーニングする上級、中級、初級の選択を行えるものであり、各区画の中にはこれから処理しようとする内容が表示されている。それらを具体的に表示すると次のようになる。
中級 表示時間 1.0秒 表示語句 3個
初級 表示時間 1.5秒 表示語句 2個
ここで「表示時間」とは、次に示す語句と色彩の画面を表示する時間であり、熟練者になればレベルが高くなり、その表示時間は短くなる。「表示語句」とは次に示す語句と色彩を関連づけた組み合わせの数であり、熟練者になればレベルが高くなり、一度に表示する語句の数が増えていく。
レベルのアイコン30〜32がクリックにより選ばれたなら、その信号は入力制御回路22を介して中央演算回路21に伝達される。中央演算回路21では予め主記憶部23に記憶させておいた演習用の語句のストックの中から必要な数の語句をランダムに選択し、選び出した語句は表示するする順番が決められる(図13のS103)。
図5によりレベルの選択が終わると、次に図6で示す解答方法の選択を問い合わせる画面に移行する。この画面では、上段にキーボードアイコン34が、下段に選択肢入力アイコン35が表示され、演習者がどちらか一つを選択することになる(図13のS104)。ここでは、
『キーボードのタイピング』 → キーボードアイコン34
『選択肢入力ボード』 → 選択肢入力アイコン35
の関連があり、それぞれアイコン34、35をクリックすることで入力制御回路22に解答を入力するための手段がキーボード13か選択肢入力ボード17が選択される。この実施の形態では、まず、キーボードアイコン34をクリックし、入力手段にキーボード13を選択してトレーニングする手順について説明する。
キーボードアイコン34をクリックするとその信号は入力制御回路22を介して中央演算回路21に伝達され、ここでこのトレーニングはキーボード13によって行われるものと中央演算回路21で設定される(図13のS105)。
ステップのS103で記憶(表示)する語句が選ばれ、表示する順位が決められた、解答方法が決定したならば、次いで各語句に関連付ける色彩を決定する。一回の表示では3個の語句を表示するため、3種類の色彩が用いられるが、それらの色彩と関連付けられる語句が設定される(図13のS106)。前述のように主記憶部23から抽出した語句、語句と関連付けられた色彩の設定は中央演算回路21より一時記憶回路24に移送され、一回のトレーニングが完了するまでその語句と色彩の組み合わせのデーターは一時記憶回路24で記憶される。この処理により、パソコン本体11内部では中級レベルの語句の記憶のトレーニングの準備が完了したことになる。
前述の一時記憶回路24に記憶された語句と関連付けられた色彩は、中央演算回路21と映像回路26を介してモニター12に伝達され、演習者に視覚で理解できるように表示される。表示される語句は前述したように順番が付けられて一時記憶回路24に一時記憶されているため、その順位に従って順次モニター12で表示される(図13のS107)。
「青色」 ←→ 「原価率」
「黄色」 ←→ 「支払額」
なお、色彩エリア37、38、39の枠組みの大きさと位置、及び、語句エリア40、41、42の枠組みの大きさと位置は固定されたものであり、このトレーニングにおいて常時同じ設定となっている。ただ、設問が変わる度に、色彩エリア37、38、39の内部の色彩、及び、語句エリア40、41、42の内部に表示される語句がそれぞれ変化するだけである。
前述したように、語句と色彩を関連付け、図7で示すようにその関連付けた複数の語句と色彩を上下に同時に表示させるが、この表示は恒久的なものではない。最初のレベル選択において選択した時間(ここでは中級レベルを選択したので1秒間の表示となる)だけ経過すると、図7における表示は停止する(図13のS108)。語句と色彩の関連付けを表示するのは左右の脳を同時に刺激させ、同時にワーキングメモリーを活性化させるためであり、比較的短時間で図7の表示が終了するのは時間の経過によって左右の脳の刺激への感度が低下するのを防止するためである。
図7における3種類の語句と色彩の関連付けの表示が終わったならば、中央演算回路21は一時記憶回路24に記憶させてある3種類の中から1つをランダムに選びだし、映像回路26を介してモニター12の画面に設問を表示させる。設問は図8で示されるように、画面の中央に長方形をした設問色彩エリア45が区画され、この設問色彩エリア45の中央にも長方形をした解答入力エリア46が区画されている。解答入力エリア46の大きさは設問色彩エリア45の大きさよりも少し小さく、長方形が重なって二重になった図形となっている。この設問色彩エリア45の内側と解答入力エリア46の外側の空間には中央演算回路21が選びだした特定の色彩(この実施の形態では「黄色」)が表示されている。解答入力エリア46の内側の空間は空白であり、この空間にキーボード13を用いて語句を入力することなる(図13のS109)。
図8の設問色彩エリア45に表示された色彩は図7における色彩エリア37、38、39の空間に表示された色彩の何れか一つに対応している。演習者は設問色彩エリア45に表示された色彩に関連付けられた語句を思い出し、その語句をキーボード13を用いて解答入力エリア46に入力する(図13のS110)。この図8における表示は、演習者が解答を入力するまで保持され、入力が完了してリターンキーが押されるまでその状態を維持する(図13のS111)。
キーボード13により解答が入力されたなら、その信号は入力制御回路22を介して中央演算回路21に伝達され、中央演算回路21で一時的に記憶している正答と比較し、解答が正しいか否かを判定される。判定された結果は一時記憶回路24に一時的に記憶しておく。この判定の記憶は一回のトレーニングの度に蓄積され、最後に成績として結果が出力される。この実施の形態の場合、設問色彩エリア45に表示された色彩は「黄色」であることから、関連付けられた語句は「支払額」となる。図9は演習者が記憶していた「黄色」に関連する語句を入力した状態を示すものである。キーボード13により「支払額」の語句を入力してリターンキーを入力することで、正答と比較して判定される(図13のS112)。
上述した図13のS106からS112までの流れが一回の出題におけるサイクルである。ここで最初にプログラムで設定した出題回数(例えば10回)に達成しないときは、このサイクルは図13のS106のステップに戻り、S103で抽出して記憶してある未だ出題していない語句を次の設問として表示する。各回における解答と比較した正答回数はS112のステップで記憶されて保存される。設定した回数の出題のサイクルが完了すると、一回のトレーニングが完了したものとして次のステップに進む(図13のS113)。
設定した回数の出題と解答の作業がなされたならば、そのトレーニングの成果が成績としてモニター12の画面で図10に示すように表示される。この成績発表の画面では、上段から総問題数48、正解数49、正答率50、評価51が区画されていてそれぞれで演習者の一回分の成績を表示する。この図10では演習者の成績は、
総問題数48 → 20問出題
正解数49 → 18問正解
正答率50 → 90パーセントの正答率
評価51 → Bクラスとして演習者の能力を判定
のように表示され、演習者にとってトレーニングで記憶力がどの程度まで増強されたかを詳細に分析することができる(図13のS114)。
また、演習者がこのトレーニングを終了する場合にはマウス14を使って終了アイコン55をクリックする。すると、図13のS116の「END」に移行し、このトレーニングのプログラムの全てを終了し、図4で示す初期画面に戻る。この一連の動作によりトレーニングが終了する。
この実施の形態では、経済関係の語句を演習者が記憶するトレーニングを例にしてあるが、図7において語句を長方形の色彩の中に表示するのは語句と色彩とを関連付けるためである。この図7の表示により、演習者には語句を読むことで左脳に刺激を与え、色彩を記憶することで右脳を刺激し、脳の全体を一様に刺激することになる。また、複数(この実施の形態では3種類の語句、3種類の色彩)の情報を同時に表示させるのは、多数の情報を同時に記憶させることによりワーキングメモリーを活性化させ、記憶の領域を広げさせる作用を行うためである。そして、この図7における表示は短時間(この実施の形態では1秒間)だけで終わり、次の図8における解答入力画面に移行する。図7の出題の画面を表示する時間が短いのは、左右の脳に均等に刺激を与えるためである。図7の画面を長時間に渡って表示すると、演習者は語句の部分を強く記憶しようとするため、左脳への刺激となって脳全体の刺激を維持することができなくなるからである。また、短時間で脳を刺激することで、演習者が飽きを起すのを防止することもできる。解答方法に「タイピング」を設定した場合に、キーボード13を用いて色彩に関連付けた語句を入力させるのは、演習者の手先を動作させて左右の脳に負担をかけて、左右の脳の連携を強烈にして記憶をより深くさせる作用を行わせるためである。
前述した図6において選択肢入力アイコン35をクリックして、記憶トレーニングの解答入力で選択肢入力ボード17を使用する場合について説明する。この場合、キーボード13は使用せず、選択肢入力ボード17の表面に突出してある入力ボタンa、b、c、d、e、f、gによって解答を選択してトレーニングするものである。キーボード13に慣れていない演習者や若年者向けの解答方法であり、初心者向けの入力方法といえ、次にキーボード13を操作する高度なトレーニングの前の段階であると言える。
図7における3種類の語句と色彩の関連付けの表示がモニター12により行われたならば、この場合には図11で示す設問の画面に移行する。(この図11の画面は図8の画面に対応するものである。)この画面では、中央演算回路21は一時記憶回路24に記憶させてある3種類の中から1つの語句をランダムに選び、その選んだ語句を質問項目とし、同時に対応する解答の語句もモニターに表示させることになる。
前述のようにして実施例1での記憶トレーニングを行うことができるが、この説明では解答の入力はキーボード13を操作するか、選択肢入力ボード17の入力ボタンを押すことで行っていた。しかし、この方法ばかりではなく、アイコンをクリックすることでも同じような意思決定の操作を行うことができる。
図14ではトレーニングにおける語句を表示した画面であり、第1の実施の形態の図7に対応するものである。モニター12の画面の中央は上下三段の長方形に区画された図形エリア64、65、66となっていて、図形エリア64、65、66はそれぞれ一つの語句に一つの図形を関連付ける空間となっている。各図形エリア64、65、66の中央には長方形をした語句エリア69、70、71がそれぞれ区画されていて、各図形エリア64、65、66の中は二重に語句エリア69、70、71が配置されている。各語句エリア69、70、71の空間は語句が表示されるためのものであり、この実施の形態では語句エリア69には「販売額」が、語句エリア70には「収益率」が、語句エリア71には「広告費」がそれぞれ表示される。
図16では演習者による解答の他の入力方法を選別した時の設問の画面である。解答の入力をキーボード13により行う場合には図15の画面が表示されるが、選択肢入力ボード17を入力手段に選んだ場合には図14の画面の次には図16の画面が表示される。すなわち、実施例1における図6の画面で選択肢入力アイコン35を選んだ時には、図16の画面となる(図13のS104に対応する選択が行われたことになる)。
図17では第3の実施の形態でのトレーニングにおける語句を表示した画面であり、第1の実施の形態の図7に対応するものである。モニター12の画面の中央は上下三段の長方形に区画された91、92、93となっていて、91、92、93はそれぞれ一つの語句に一つの図形を関連付ける空間となっている。各91、92、93の中央には長方形をした語句エリア95、96、97がそれぞれ区画されていて、各91、92、93の中は二重に語句エリア95、96、97が配置されている。各語句エリア95、96、97の空間は語句が表示されるためのものであり、この実施の形態では語句エリア95には「在庫品」が、語句エリア96には「未収金」が、語句エリア97には「人件費」がそれぞれ表示される。
図19では演習者による解答の他の入力方法を選別した時の設問の画面である。解答の入力をキーボード13により行う場合には図18の画面が表示されるが、選択肢入力ボード17を入力手段に選んだ場合には図17の画面の次には図19の画面が表示される。すなわち、実施例1における図6の画面で選択肢入力アイコン35を選んだ時には、図19の画面となる(図13のS104に対応する選択が行われたことになる)。
図20ではトレーニングにおける英単語と色彩を関連付けて表示した画面であり、第1の実施の形態の図7に対応するものである。モニター12の画面の中央は上下三段の長方形に区画された色彩エリア114、115、116となっていて、それぞれの色彩は相違している。ここで、例えば、色彩エリア114には赤色、色彩エリア115には青色、色彩エリア116には黄色の色彩が用いられていて、それぞれの区画を明瞭に区分けしていた、色彩エリア114、115、116はそれぞれ一つの英単語に一つの色彩を関連付ける空間となっている。
図23では演習者による解答の他の入力方法を選別した時の設問の画面である。解答の入力をキーボード13により行う場合には図21の画面が表示されるが、選択肢入力ボード17を入力手段に選んだ場合には図20の画面の次には図23の画面が表示される。すなわち、実施例1における図6の画面で選択肢入力アイコン35を選んだ時には、図23の画面となる(図13のS104に対応する選択が行われたことになる)。
11 パソコン本体
12 モニター
13 キーボード
14 マウス
15 スピーカー
16 スピーカー
17 選択肢入力ボード
21 中央演算回路
22 入力制御回路
23 主記憶部
24 一時記憶回路
25 音声回路
26 映像回路
28 STARTアイコンボタン
30 上級レベルアイコン
31 中級レベルアイコン
32 初級レベルアイコン
34 キーボードアイコン
35 選択肢入力アイコン
37 色彩エリア
38 色彩エリア
39 色彩エリア
40 語句エリア
41 語句エリア
42 語句エリア
45 設問エリア
46 解答入力エリア
48 問題数
49 正答数
50 正答率
51 評価
53 再学習アイコン
54 終了アイコン
56 設問エリア
57 語句マスクエリア
58 選択肢エリア
59 選択肢エリア
60 選択肢エリア
61 正答表示エリア
64 図形エリア
65 図形エリア
66 図形エリア
69 語句エリア
70 語句エリア
71 語句エリア
73 太陽マーク
74 月マーク
75 星マーク
78 設問エリア
79 解答入力エリア
80 マーク表示部
83 設問エリア
84 語句マスクエリア
85 マーク表示部
86 選択肢エリア
87 選択肢エリア
88 選択肢エリア
91 音声関連エリア
92 音声関連エリア
93 音声関連エリア
95 語句エリア
96 語句エリア
97 語句エリア
99 音声同期表示部
100 音声同期表示部
101 音声同期表示部
103 設問エリア
104 解答入力エリア
105 音声表示部
107 設問エリア
108 語句マスクエリア
109 音声表示部
110 選択肢エリア
111 選択肢エリア
112 選択肢エリア
114 色彩エリア
115 色彩エリア
116 色彩エリア
118 単語エリア
119 単語エリア
120 単語エリア
122 設問エリア
123 解答入力エリア
125 正答出力エリア
126 単語表示エリア
127 意味出力エリア
128 対応訳表示エリア
131 設問エリア
132 単語マスクエリア
133 選択肢エリア
134 選択肢エリア
135 選択肢エリア
Claims (6)
- 左脳を刺激する一つの素材と右脳を刺激する一つの素材とを関連付けることで一つのユニットを作成し、
それらの複数のユニットを同時にしかも短時間だけモニターの画面に表示させ、
その後に表示させた複数のユニットの中から一つのユニットを選び出し、そのユニットにある右脳を刺激する素材のみモニターの画面に表示させ、
その表示された右脳を刺激する素材から関連付けられた左脳を刺激する素材を記憶から引き出させることで、
左右の脳を同時に励起させながら左脳を刺激する素材を記憶させることを特徴とする瞬間刺激による記憶力向上システム。 - 左脳を刺激する一つの素材と右脳を刺激する一つの素材とを関連付けることで一つのユニットを作成し、
それらの複数のユニットを同時にしかも短時間だけモニターの画面に表示させ、
その後に表示させた複数のユニットの中から一つのユニットを選び出し、そのユニットにある右脳を刺激する素材のみモニターの画面に表示させ、
その表示された右脳を刺激する素材から関連付けられた左脳を刺激する素材を記憶から引き出させ、
その素材を手動入力手段により入力させて画面上に記憶していた素材を表示させて、
左右の脳を同時に励起させながら左脳に記憶させてある素材を手動入力手段の操作と共に引き出すことにより、左脳を刺激する素材を記憶させることを特徴とする瞬間刺激による記憶力向上システム。 - 前記システムにおいて、左脳を刺激する素材は文字、単語、熟語などの語句であり、右脳を刺激する素材は色彩であることを特徴とする請求項1又は2記載の瞬間刺激による記憶力向上システム。
- 前記システムにおいて、左脳を刺激する素材は文字、単語、熟語などの語句であり、右脳を刺激する素材は複数種類の図形であることを特徴とする請求項1又は2記載の瞬間刺激による記憶力向上システム。
- 前記システムにおいて、左脳を刺激する素材は文字、単語、熟語などの語句であり、右脳を刺激する素材は音声であることを特徴とする請求項1又は2記載の瞬間刺激による記憶力向上システム。
- 前記システムにおいて、左脳を刺激する一つの素材と右脳を刺激する一つの素材から成る一つのユニットでは、モニターの画面に一度に表示させるのは最低2つのユニットであり、最大で7つのユニットであることを特徴とする請求項1又は2記載の瞬間刺激による記憶力向上システム。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010156889A (ja) * | 2008-12-29 | 2010-07-15 | Shichida Child Academy:Kk | 記憶力及び情報処理能力の訓練システム及びプログラム |
WO2018226440A1 (en) * | 2017-06-07 | 2018-12-13 | Hrl Laboratories, Llc | Targeted steerable transcranial intervention to accelerate memory consolidation |
JP2018205771A (ja) * | 2018-09-05 | 2018-12-27 | カシオ計算機株式会社 | ロボット制御装置、ロボット制御方法及びプログラム |
US10596372B2 (en) | 2015-08-27 | 2020-03-24 | Hrl Laboratories, Llc | Targeted steerable transcranial intervention to accelerate memory consolidation |
US11278722B2 (en) | 2015-08-27 | 2022-03-22 | Hrl Laboratories, Llc | System and method to cue specific memory recalls while awake |
CN114628009A (zh) * | 2022-05-16 | 2022-06-14 | 成都中医药大学 | 康复评估计算机系统、运行方法 |
-
2003
- 2003-12-10 JP JP2003411524A patent/JP2005173081A/ja active Pending
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