JP2005171811A - 増圧式燃料噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蓄圧室内の燃料圧力をさらに加圧するための増圧ピストン機構を具備する燃料噴射装置において、増圧ピストン機構により蓄圧室から無駄に消費される燃料量を全体として十分に低減する。
【解決手段】 燃料流入経路及び燃料流出経路は切換弁7を介して増圧ピストン機構の可変圧力室へ連通される。切換弁のスプール弁体71は、第一位置において燃料流出経路に接続された第一通路74bを可変圧力室へ連通させると共に燃料流入経路に接続された第三通路74cを遮断し、図示した第二位置において第三通路74cを可変圧力室へ連通させると共に第一通路74bを遮断する。第一位置において、摺動部71aの第一部分71a−1を利用して燃料流入経路を可変圧力室から遮断し、図示した第二位置において、スプール弁体の端部に形成されて軸線方向に付勢されるシール部79によって燃料流出経路を可変圧力室から遮断する。
【選択図】 図3
【解決手段】 燃料流入経路及び燃料流出経路は切換弁7を介して増圧ピストン機構の可変圧力室へ連通される。切換弁のスプール弁体71は、第一位置において燃料流出経路に接続された第一通路74bを可変圧力室へ連通させると共に燃料流入経路に接続された第三通路74cを遮断し、図示した第二位置において第三通路74cを可変圧力室へ連通させると共に第一通路74bを遮断する。第一位置において、摺動部71aの第一部分71a−1を利用して燃料流入経路を可変圧力室から遮断し、図示した第二位置において、スプール弁体の端部に形成されて軸線方向に付勢されるシール部79によって燃料流出経路を可変圧力室から遮断する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、増圧式燃料噴射装置に関する。
各気筒の燃料噴射弁へ高圧燃料を供給するための蓄圧室を具備する燃料噴射装置が公知である。このような燃料噴射装置によって比較的高圧での燃料噴射が可能となったが、ディーゼルエンジン等においては、さらに噴射圧を高める要求がある。そのために、蓄圧室を加圧するための高圧ポンプを大型化して燃料噴射装置全体にさらなる耐圧処置を施すこととなれば、かなりのコストアップが必要となる。
コストアップを最小限として燃料噴射圧力をさらに高圧化するために、増圧ピストン機構を設け、それにより蓄圧室内の燃料をさらに加圧して燃料噴射弁へ圧送することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような構成によれば、燃料噴射装置において、増圧ピストン機構の下流側だけにさらなる耐圧処置を施せば良い。
増圧ピストン機構において、増圧ピストンに加圧のための押し込み動作と加圧に備えての引き戻し動作との往復運動をさせることとなる。この往復運動に際して、増圧ピストンに接する可変圧力室内の燃料圧力を変化させることが必要であり、そのためには、蓄圧室から可変圧力室へ燃料を流入させたり、可変圧力室から燃料タンク等の低圧側へ燃料を流出させたりすることとなる。
一般的に、可変圧力室には蓄圧室からの燃料流入経路と、燃料タンク等への燃料流出経路とが接続され、燃料流出経路には開閉弁が設けられている一方で、燃料流入経路には絞りが設けられているだけである。それにより、燃料流入経路によって、蓄圧室から可変圧力室へは常に燃料の流入が可能となっている。こうして、燃料流出経路による可変圧力室からの燃料の流出に際して、蓄圧室からの燃料流入を停止させることができず、蓄圧室の燃料が無駄に消費されてしまう。これは、蓄圧室内を所望圧力に維持するための高圧ポンプの仕事を増大させ、最終的には内燃機関の燃料消費率を悪化させる。
この問題を改善するために、スプール弁形式の三方弁を使用し、可変圧力室から燃料を流出させる際には、燃料流出経路を可変圧力室へ連通させると共に、燃料流入経路と可変圧力室との連通を遮断することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一般的なスプール弁形式の三方弁において、スプール弁体は、大径の摺動部と小径部とを有し、摺動穴内を軸線方向に摺動する。第一、第二、及び、第三の三つの通路は、軸線方向に異なる位置で摺動穴へ接続される。スプール弁の一方の摺動位置では、第一通路は摺動部により第二通路との間の連通が遮断されると共に、第三通路は小径部回りの空間を介して第二通路と連通する。また、スプール弁の他方の摺動位置では、第一通路は小径部回りの空間を介して第二通路と連通し、第三通路は摺動部により第二通路との連通が遮断される。
このようなスプール弁形式の三方弁を増圧ピストン機構に使用する場合には、第二通路を可変圧力室へ、第一通路を燃料流入経路の一部として蓄圧室へ、第三通路を燃料流出経路の一部として燃料タンク等へ、それぞれ連通させることとなる。それにより、可変圧力室から燃料を流出させる時には、スプール弁体を一方の摺動位置とし、燃料流出経路を小径部回りの空間を介して可変圧力室と連通させると共に、燃料流入経路を可変圧力室から遮断することが可能となる。もちろん、可変圧力室へ燃料を流入させる時には、スプール弁体を他方の摺動位置とし、燃料流入経路を小径部回りの空間を介して可変圧力室と連通させると共に、燃料流出経路を可変圧力室から遮断することが可能となる。
ところで、スプール弁形式の三方弁では、前述したように、第一又は第三通路は摺動部により第二通路から遮断される。しかしながら、摺動部と摺動穴との間には、摺動部の摺動を可能とするための隙間が設けられているために、スプール弁体によっては通路を完全に遮断することはできず、スプール弁体により燃料流入経路と可変圧力室との連通を遮断しようとしても隙間を介して燃料漏れが発生する。しかしながら、燃料流入経路が絞りを介して常に開放されている場合と比較すれば、この時に蓄圧室から無駄に消費される燃料量を十分に低減することができる。
この一方で、燃料流出経路と可変圧力室との連通を遮断する場合において、開閉弁によればほぼ完全に燃料流出経路を閉鎖することができるのに対して、スプール弁体では、やはり、摺動部回りの隙間によって燃料流出経路を完全に閉鎖することはできず、この時において、蓄圧室又は可変圧力室から燃料流出経路への燃料漏れが発生する。すなわち、スプール弁形式の一般的な三方弁を使用する場合においては、スプール弁体をいずれの摺動位置としても、常に燃料流入経路又は可変圧力室から燃料流出経路への燃料漏れが発生することとなり、蓄圧室から無駄に消費される燃料量を全体としては思うように低減することができない。
従って、本発明の目的は、蓄圧室内の燃料圧力をさらに加圧するための増圧ピストン機構を具備する燃料噴射装置において、増圧ピストン機構により蓄圧室から無駄に消費される燃料量を全体として十分に低減することである。
本発明による請求項1に記載の増圧式燃料噴射装置は、蓄圧室と、増圧ピストン及び可変圧力室を有する増圧ピストン機構と、前記蓄圧室内の燃料を前記可変圧力室へ流入させるための燃料流入経路と、前記可変圧力室内の燃料を低圧側へ流出させるための燃料流出経路とを有し、前記燃料流入経路を介しての燃料の流入及び前記燃料流出経路を介しての燃料の流出によって、前記増圧ピストンを往復運動させて前記蓄圧室内の燃料をさらに加圧して燃料噴射弁へ圧送することを可能とする増圧式燃料噴射装置において、前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路は切換弁を介して前記可変圧力室へ連通され、前記切換弁は、摺動部を有して第一位置と第二位置との間を軸線方向に摺動するスプール弁体を有し、前記スプール弁体は、前記第一位置において前記燃料流出経路を前記可変圧力室へ連通させると共に前記燃料流入経路を前記可変圧力室から遮断し、前記第二位置において前記燃料流入経路を前記可変圧力室へ連通させると共に前記燃料流出経路を前記可変圧力室から遮断するためのものであり、前記第一位置及び前記第二位置の一方において、前記摺動部の第一部分を利用して前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の一方を前記可変圧力室から遮断し、前記第一位置及び前記第二位置の他方において、前記スプール弁体の端部に形成されて軸線方向に付勢されるシール部によって前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の他方を前記可変圧力室から遮断することを特徴とする。
また、本発明による請求項2に記載の増圧式燃料噴射装置は、請求項1に記載の増圧式燃料噴射装置において、前記スプール弁体は、前記第一位置及び前記第二位置の前記他方において前記シール部により前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記他方を前記可変圧力室から遮断する直前に、前記摺動部の第二部分を利用して前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記他方を前記可変圧力室から遮断することを特徴とする。
また、本発明による請求項3に記載の増圧式燃料噴射装置は、請求項2に記載の増圧式燃料噴射装置において、前記スプール弁体は、前記摺動部の前記第二部分に隣接して第一断面積減少部を有し、前記摺動部の前記第二部分を利用して前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記他方を前記可変圧力室から遮断する直前に前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記他方と前記可変圧力室との連通断面積を減少させることを特徴とする。
また、本発明による請求項4に記載の増圧式燃料噴射装置は、請求項1から3のいずれか一項に記載の増圧式燃料噴射装置において、前記スプール弁体は、前記摺動部の前記第一部分に隣接して第二断面積減少部を有し、前記摺動部の前記第一部分を利用して前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記一方を前記可変圧力室から遮断する直前に前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記一方と前記可変圧力室との連通断面積を減少させることを特徴とする。
また、本発明による請求項5に記載の増圧式燃料噴射装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載の増圧式燃料噴射装置において、前記スプール弁体は、前記第二位置において、前記シール部によって前記燃料流出経路を前記可変圧力室から遮断することを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の増圧式燃料噴射装置によれば、切換弁のスプール弁体は、第一位置及び第二位置の一方において、摺動部の第一部分を利用して燃料流入経路及び燃料流出経路の一方を可変圧力室から遮断するようになっている。しかしながら、この摺動部を利用する遮断は、摺動部回りの隙間によって完全なものとはならず、燃料漏れが発生する。これに対して、スプール弁体は、第一位置及び第二位置の他方において、スプール弁体の端部に形成されて軸線方向に付勢されるシール部によって燃料流入経路及び燃料流出経路の他方を可変圧力室から遮断するようになっており、このシール部による遮断はほぼ完全なものとすることができ、燃料漏れは殆ど発生しない。
蓄圧室内の燃料をさらに加圧して燃料噴射弁へ圧送するには、増圧ピストン機構の増圧ピストンを往復運動させるために、燃料流入経路を遮断して燃料流出経路により可変圧力室から燃料を流出させ、また、燃料流出経路を遮断して燃料流入経路により蓄圧室から可変圧力室へ燃料を流入させることが必要となる。この燃料の流出及び流入に際して、スプール弁体のシール部による燃料流入経路又は燃料流出経路の遮断がほぼ完全なものであるために、燃料流出経路により可変圧力室から燃料を流出させる時の燃料流入経路を介しての燃料漏れ、又は、燃料流入経路により可変圧力室へ燃料を流入させる時の燃料流出経路を介しての燃料漏れをほぼ防止することができる。こうして、増圧ピストン機構により蓄圧室から無駄に消費される燃料量を全体として十分に低減することができる。
また、本発明による請求項2に記載の増圧式燃料噴射装置によれば、請求項1に記載の増圧式燃料噴射装置において、スプール弁体は、シール部により燃料流入経路及び燃料流出経路の他方を可変圧力室から遮断する直前に、摺動部の第二部分を利用して燃料流入経路及び燃料流出経路の他方を可変圧力室から遮断するようになっている。軸線方向に付勢されたスプール弁体のシール部による燃料流入経路又は燃料流出経路の遮断は、それ以前にスプール弁体によって燃料流出経路又は燃料流入経路と可変圧力室とを連通させなければならず、それにより、シール部による遮断の直前には、燃料流出経路と燃料流入経路とが連通して蓄圧室から無駄に燃料が消費される。本増圧式燃料噴射装置では、スプール弁体のシール部による燃料流入経路又は燃料流出経路の遮断の直前、すなわち、燃料流出経路又は燃料流入経路と可変圧力室との連通の直前に、摺動部の第二部分を利用して燃料流入経路又は燃料流出経路の遮断を実施することができ、蓄圧室から無駄に燃料を消費する燃料流入経路と燃料流出経路との連通を防止することができる。
また、本発明による請求項3に記載の増圧式燃料噴射装置によれば、請求項2に記載の増圧式燃料噴射装置において、スプール弁体の摺動部の第二部分を利用して燃料流入経路及び燃料流出経路の他方を可変圧力室から遮断する直前に、第二部分に隣接する第一断面積減少部が燃料流入経路及び燃料流出経路の他方と可変圧力室との連通断面積を減少させるようになっている。それにより、燃料流入経路を介しての可変圧力室への燃料の流入流量又は燃料流出経路を介しての可変圧力室からの燃料の流出流量を段階的又は無段階に減少させることができ、蓄圧室内の急激な圧力変動が抑制されて燃料噴射特性を安定化させることができ、又は、可変圧力室内の急激な圧力変動が抑制されて増圧ピストンの動作を滑らかなものとすることができる。
また、本発明による請求項4に記載の増圧式燃料噴射装置によれば、請求項1から3のいずれか一項に記載の増圧式燃料噴射装置において、スプール弁体の摺動部の第一部分を利用して燃料流入経路及び燃料流出経路の一方を可変圧力室から遮断する直前に、第一部分に隣接する第二断面積減少部が燃料流入経路及び燃料流出経路の一方と可変圧力室との連通断面積を減少させるようになっている。それにより、燃料流入経路を介しての可変圧力室への燃料の流入流量又は燃料流出経路を介しての可変圧力室からの燃料の流出流量を段階的又は無段階に減少させることができ、蓄圧室内の急激な圧力変動が抑制されて燃料噴射特性を安定化させることができ、又は、可変圧力室内の急激な圧力変動が抑制されて増圧ピストンの動作を滑らかなものとすることができる。
また、本発明による請求項5に記載の増圧式燃料噴射装置によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載の増圧式燃料噴射装置において、スプール弁体は、第二位置において、シール部により燃料流出経路を可変圧力室から遮断するようになっている。この遮断はほぼ完全なものであるために、燃料流入経路により可変圧力室へ燃料を流入させる時の燃料流出経路を介しての燃料漏れをほぼ防止することができる。こうして、増圧ピストン機構により蓄圧室から無駄に消費される燃料量を全体として十分に低減することができる。
図1は本発明による増圧式燃料噴射装置の第一実施形態を示す燃料圧系統図である。同図において、1は気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁である。燃料噴射弁1において、高圧燃料通路1a内にはニードル弁1bが配置され、また、先端の燃料溜1cに連通するように噴孔1dが形成されている。ニードル弁1bが開弁されて、高圧燃料通路1aと燃料溜1cとが連通すれば、高圧燃料通路1a内の燃料が噴孔1dを介して噴射される。一方、ニードル弁1bが閉弁されて、ニードル弁1bの先端部により高圧燃料通路1aと燃料溜1cとが遮断されれば、噴孔1dを介しての燃料噴射は停止される。ニードル弁1bの基端側には制御室1eが形成され、制御室1e内にはニードル弁1bを閉弁方向に付勢するバネ1fが配置されている。
2は複数気筒又は全気筒の燃料噴射弁1に共通の蓄圧室であり、高圧ポンプP2によって所望燃料圧力に維持される。蓄圧室2と各燃料噴射弁1の高圧燃料通路1aとは、燃料供給経路3によって連通されている。また、燃料供給経路3は、各燃料噴射弁1の制御室1eへも絞り4を介して連通している。
蓄圧室2から高圧燃料通路1aへ供給された燃料圧力はニードル弁1bを開弁方向に付勢し、また、蓄圧室2から制御室1eへ供給された燃料圧力はニードル弁1bを閉弁方向に付勢する。電磁式等の放出弁5を開弁して制御室1e内の燃料を燃料タンク11へ放出すれば、制御室1e内の燃料圧力による閉弁力が低下し、ニードル弁1bは、高圧燃料通路1a内の燃料圧力による開弁力によって、バネ1fの付勢力に逆らって開弁される。また、放出弁5を閉弁すると、燃料供給経路3から絞り4を介して供給される燃料によって制御室1e内の燃料圧力による閉弁力が高まり、バネ1fの付勢力を合わせて高圧燃料通路1a内の燃料圧力による開弁力を上回った時にニードル弁1bは閉弁される。
本発明による増圧式燃料噴射装置において、燃料噴射弁1のニードル弁の開閉方式は、このように燃料圧力を利用するものに限定されず、例えば、ピエゾ式又は電磁式のアクチュエータを利用するようにしても良い。
燃料タンク11内の燃料は、低圧ポンプP1により大気圧より高い所望フィード圧力に加圧されて高圧ポンプP2の吸入側となる低圧経路10へ吐出される。これは、高圧ポンプP2の吸入側が負圧とならないようにするためである。低圧経路10には、低圧ポンプP1への燃料の逆流を防止するための逆止弁12が配置されている。蓄圧室2は、高圧ポンプP2により所望燃料圧力として比較的高圧に維持され、それにより、燃料噴射弁1から比較的高圧の燃料を噴射することが可能となる。しかしながら、過給技術の発達により気筒内へは多量の吸気供給が可能となり、ディーゼルエンジンにおいては、さらに多量の燃料を短時間で気筒内へ供給可能とすることが要求されている。そのために、噴孔径を大きくしたのでは、噴射燃料の粒径が大きくなってスモークの発生要因となる。
それにより、燃料噴射圧を高めて多量の燃料を短時間で気筒内へ噴射することが望まれている。コストアップを最小限として燃料噴射圧を高めるために、本実施形態では、増圧ピストン機構50が設けられている。増圧ピストン機構50によって蓄圧室2の燃料をさらに加圧して主に燃料噴射弁1の高圧燃料通路1aへ供給することにより、燃料噴射圧力を高めることが可能となり、増圧ピストン機構50によって加圧された燃料圧力が作用する燃料噴射装置の一部だけに耐圧処理を施せば良い。
増圧ピストン機構50において、52は加圧室であり、ここで、蓄圧室2から供給された燃料は増圧ピストン51の小径部51bにより圧縮して加圧される。燃料供給経路3には、増圧ピストン機構50により加圧された燃料が蓄圧室2へ逆流するのを防止するための逆止弁6が配置され、この逆止弁6の下流側において、増圧ピストン機構50の加圧室52、燃料噴射弁1の高圧燃料通路1a、及び、燃料噴射弁1の制御室1eが燃料供給経路3へ接続されている。
増圧ピストン51の小径部51bは加圧室52内を摺動すると共に、増圧ピストン51の大径部51aは可変圧力室53内を摺動する。可変圧力室53には、燃料流入経路8及び燃料流出経路9が増圧制御弁7を介して接続されている。燃料流入経路8は、蓄圧室2内の燃料を可変圧力室53へ流入させて可変圧力室53内の燃料圧力を高めるためのものであり、燃料供給経路3における逆止弁6の上流側に接続されている。また、燃料流出経路9は、可変圧力室53から燃料を流出させて可変圧力室53内の燃料圧力を低下させるためのものであり、燃料タンク11等の低圧側へ接続されている。
増圧制御弁7により燃料流入経路8を介して可変圧力室53へ蓄圧室2内の燃料を流入させると、大径部51aと小径部51bとには同じ燃料圧力が作用する。この時おいて、大径部51aと小径部51bとの受圧面積差により、増圧ピストン51は加圧室52の容積を減少させる方向に移動し、加圧室52において受圧面積比に応じた燃料の加圧が実現される。
増圧ピストン機構50は、各燃料噴射弁1に対として設けられ、対応する燃料噴射弁1の燃料噴射期間中又は燃料噴射開始直前に高圧燃料通路1aへ加圧燃料を圧送することにより、燃料噴射弁1での機関運転状態に応じた所望の燃料噴射率パターンを実現可能とする。すなわち、燃料噴射弁1での燃料噴射毎に燃料圧送が必要であり、このためには、増圧ピストン機構50において、燃料圧送直後に次回の燃料圧送に備えて加圧室52内へ蓄圧室2内の燃料を取り入れなければならない。
この時には、増圧制御弁7により燃料流出経路9を介して可変圧力室53から燃料を流出させ、それにより、増圧ピストン51の大径部51aに作用する燃料圧力を低下させる。小径部51bには燃料供給経路3を介して蓄圧室2内の燃料圧力が作用し、また、加圧室52内には戻しバネ55も設けられているために、大径部51aに作用する燃料圧力が所定圧力まで低下すると、増圧ピストン51は可変圧力室53の容積を減少させる方向、すなわち、加圧室52の容積を増加させる方向に移動し、加圧室52内へは蓄圧室2からの燃料が供給される。
ところで、本増圧ピストン機構50において、加圧室52と可変圧力室53との間には中間室54が形成される。この中間室54は常に大気圧が作用するようにしてあり、大気へ開放させるか又は燃料タンクと連通させて大気圧の燃料により満たされている。それにより、増圧ピストン50の大径部51aには、常に、増圧ピストン51の加圧室52の容積を増加させる方向へ大気圧が作用している。
こうして、増圧ピストン51を往復運動させる際には、蓄圧室2内の燃料の一部を消費することとなる。この燃料消費は、蓄圧室2内を所望燃料圧力に維持するための高圧ポンプP2の仕事を増加させることとなるために、必要最小限とすることが好ましい。例えば、増圧ピストン機構において、燃料流出経路に開閉弁を設けて可変圧力室へ接続し、燃料流入経路に絞りを設けて可変圧力室へ接続するような構成も考えられるが、このような構成では、開閉弁を開弁して可変圧力室から燃料を流出させる際に、蓄圧室2内の燃料が燃料流入経路から絞りを介して流出することとなり、この分は、蓄圧室から無駄に消費される燃料量となる。
このような無駄に消費される燃料量を低減するために、本実施形態において、増圧制御弁7はスプール弁形式の切換弁とし、燃料流入経路8を可変圧力室53へ連通させる時には燃料流出経路9と可変圧力室53との連通を遮断し、また、燃料流出経路9を可変圧力室53へ連通させる時には燃料流入経路8と可変圧力室53との連通を遮断することを可能としている。
図2は、本実施形態において使用される増圧制御弁7の拡大断面図である。同図において、71はスプール弁体であり、摺動部71aとしての大径部と、摺動部71aの両側に位置する第一小径部71b及び第二小径部71cとを有している。増圧制御弁7の本体72には、スプール弁体71の摺動穴が形成されている。この摺動穴は、スプール弁体71の摺動部71aより大きな直径を有する中央の拡径部分73aと、スプール弁体71の第一小径部71b側の第一摺動穴部分73bと、スプール弁体71の第二小径部71c側の第二摺動穴部分73cとを有している。
本体72には、さらに、第一摺動穴部分73bに連通してスプール弁体71の軸線方向に延在する第一通路74bが、スプール弁体71の第一小径部71bと同心状に形成されている。さらに、本体72には、拡径部73aに連通してスプール弁体71の半径方向に延在する第二通路74aと、第二摺動穴部分73cに連通してスプール弁体71の半径方向に延在する第三通路74cとが、それぞれ形成されている。
スプール弁体71の第二小径部71cは、第二摺動穴部分73cから液密に突出して、摺動穴に隣接するソレノイド室75内へ延在し、吸引板76に接続されている。ソレノイド室75内には、磁性材料から形成された吸引板76に対して磁気吸引力を発生させて、スプール弁体71全体を軸線方向に移動させるためのソレノイド78と、ソレノイド78の磁気吸引力に逆らって吸引板76を反対方向に付勢するバネ77とが配置されている。また、スプール弁体71の第一小径部71bの端部には平坦なシール面を有するシール部79が設けられている。
第一通路74bは燃料流出経路9へ、第二通路74aは可変圧力室53へ、また、第三通路74cは燃料流入経路8へ、それぞれ連通され、このように、燃料流入経路8及び燃料流出経路9は、増圧制御弁7を介して可変圧力室53へ接続されている。
図2は、ソレノイド78を励磁してスプール弁体71をソレノイド78の方向へ軸線方向に移動させたスプール弁体71の第一摺動位置を示している。この第一摺動位置において、第一通路74bは、第一小径部71b回りの空間を介して、拡径部73aに通じる第二通路74aと連通し、こうして、燃料流出経路9と可変圧力室53とが連通される。一方、スプール弁体71の摺動部71aの第一部分71a−1が第二摺動穴部分73c内を摺動した後に第二摺動穴部分73c内に位置し、それにより、この第一部分71a−1により第三通路74cと第二通路74aとの連通は遮断される。こうして、燃料流入経路8と可変圧力室53との連通が遮断される。
この結果として、可変圧力室53内の燃料は燃料流出経路9を介して流出して可変圧力室53内の燃料圧力が低下し、増圧ピストン51は加圧室52の容積を増大するように移動する。この時において、第二摺動穴部分73c内に位置する摺動部71aの第一部分71a−1により第三通路74cは遮断されているが、この第一部分71a−1が第二摺動穴部分73c内において摺動することを可能とするためには、摺動部71aの第一部分71a−1と第二摺動穴部分73cとの間に隙間が設けられていなければならない。それにより、この隙間によって第三通路74cを完全に遮断することはできない。
こうして、隙間により第三通路74cから拡径部73aへの燃料漏れが発生し、この燃料流入通路8を介しての蓄圧室2からの漏れ燃料は、拡径部73aから第一小径部71b回りの空間を介して燃料流出経路9へ通じる第一通路74bによって単に排出されるだけである。この漏れ燃料によって蓄圧室2内の燃料が無駄に消費されることとなるが、この漏れ燃料はそれほど多くはない。
図3は、ソレノイド78を非励磁としてバネ77によりスプール弁体71をソレノイド78とは反対方向へ軸線方向に移動させたスプール弁体71の第二摺動位置を示している。また、図4は、第一摺動位置から第二摺動位置への移動中におけるスプール弁体71を示している。図4において、スプール弁体71aの第一部分71a−1は第二摺動穴部分73c内を摺動し、同時に、スプール弁体71aの第二部分71a−2は第一摺動穴部分73b内を摺動する。その結果として、第二摺動穴部分73c内に位置する第一部分71a−1により第三通路74cと第二通路74aとの連通が遮断されると共に、第一摺動穴部分73b内に位置する第二部分71a−2により第一通路74bと第二通路74aとの連通も遮断される。
その後、図3に示すように、スプール弁体71aの第一部分71a−1は、第二摺動穴部分73cから外れ、第三通路74cは、第二小径部71c回りの空間を介して、拡径部73aに通じる第二通路74aと連通し、こうして、燃料流入経路8と可変圧力室53とが連通される。この連通の直前に、図4に示すように、第二部分71a−2によって第一通路74bと第二通路74aとの連通は遮断され、すなわち、燃料流出経路9と可変圧力室53との連通が遮断されている。それにより、燃料流入経路8と燃料流出経路9とが拡径部73aを介して瞬間的でも連通することはなく、それによる蓄圧室2内の無駄な燃料消費を防止することができる。
スプール弁体71aが図3に示す第二摺動位置となれば、蓄圧室2内の燃料は、燃料流入経路8を介して可変圧力室53内へ流入して可変圧力室53内の燃料圧力が高まり、増圧ピストン51は加圧室52の容積を減少するように移動する。この時において、第一摺動穴部分73b内に位置する摺動部71aの第二部分71a−2により第一通路74bは遮断されているが、この第二部分71a−2が第一摺動穴部分73b内において摺動することを可能とするためには、摺動部71aの第二部分71a−2と第一摺動穴部分73bとの間に隙間が設けられていなければならない。それにより、この隙間によって第一通路74bを完全に遮断することはできない。
こうして、燃料流入経路8から拡径部73aを介して可変圧力室53へ燃料を流入させている時に、この隙間を介して拡径部73aから第一通路74bへの燃料漏れが発生すれば、この漏れ燃料は、それほど多くはないが、やはり蓄圧室2内の燃料を無駄に消費することとなる。
本実施形態において、スプール弁体71の第一小径部71の端部には、前述したようにシール部79が設けられている。図3に示す第二摺動位置において、このシール部79が、バネ77により軸線方向に付勢されて第一小径部71bと同心状に形成された第一通路74bを遮断する。このシール部79による第一通路74bの遮断において、シール部79は第一摺動穴部分73b内における第一通路74bの開口回りのシート部に隙間なく当接するために、第一通路74bをほぼ確実に遮断することができる。
それにより、摺動部71aの第二部分71a−2によっては、第一通路74bと第二通路74aとの連通を完全に遮断することはできないが、シール部79によってこれをほぼ完全に遮断することができる。こうして、燃料流入経路8から可変圧力室53へ燃料を流入させている時には、燃料流出経路9を介しての燃料漏れをほぼ完全に防止することができる。その結果として、増圧ピストン機構により蓄圧室2から無駄に消費される燃料量を全体として十分に低減することができる。このように、シール部79により第一通路74bと第二通路74aとの連通がほぼ完全に遮断されるために、摺動部71aの第二部分71a−2を省略しても良い。
本実施形態において、シール部79は、平らなシール面を有するものとしたが、これは本発明を限定するものはなく、例えば、燃料噴射弁1と同様に、ニードル弁のような円錐状のシール面や球状のシール面を有して、第一通路74bに設けた環状シート面に当接させるような構造としても良い。
ところで、本実施形態において、シール部79は、燃料流出経路9へ通じる第一通路74bを遮断するようにしたが、第一通路74bを燃料流入経路8へ連通させて(この場合には、第三通路74cを燃料流出経路9へ連通させることとなる)、燃料流入経路8へ通じる第一通路74bを遮断するようにしても良い。
この場合には、可変圧力室53内の燃料圧力を高めるために、燃料流入経路8と可変圧力室53とを連通させる時には、燃料流出経路9を完全に遮断することはできなくなり、燃料流出経路9を介しての燃料漏れが発生する。しかしながら、可変圧力室53内の燃料圧力を低下させるために、燃料流出経路9と可変圧力室53とを連通させる時に、燃料流入経路8をほぼ完全に遮断することが可能となり、この時に燃料流入経路8を介しての燃料漏れをほぼ完全に防止することができる。
図5は、スプール弁体の変形例を示す摺動部71aの第一部分71a−1近傍における拡大図である。本スプール弁体では、第二小径部71c側において、第二摺動穴部分73c内を摺動する摺動部71aの第一部分71a−1に隣接する断面積減少部71dが設けられている。この断面積減少部71dは、第一部分71a−1より小さな断面積を有し、例えば、切頭円錐形状によって第二小径部71c側ほど小さな断面積を有するようにされている。
このような断面積減少部71dが設けられていると、スプール弁体の摺動部71aの第一部分71a−1が第二摺動穴部分73c内に位置して第三通路74cと第二通路74aとの連通を遮断する以前に、第三通路74cと第二通路74aとの連通断面積を徐々に減少させる。それにより、燃料流入通路8から可変圧力室53へ流入する燃料流量、すなわち、蓄圧室2から流出する燃料流量が流出停止まで徐々に減少させられることとなる。もし、このような断面積減少部71dが設けられていない場合には、第一部分71a−1によって第三通路74cと第二通路74aとの連通が遮断されると同時に、蓄圧室2からの燃料流出が急激に停止させられることとなる。この急激な流出停止は大きな圧力波を発生させ、この圧力波が蓄圧室2内の燃料圧力を大きく変動させるために、燃料噴射特性を不安定とさせることがある。
しかしながら、蓄圧室2から流出する燃料流量を徐々に減少させることにより、流出停止に際して大きな圧力波が発生することはなく、燃料噴射特性を安定化させることができる。本変形例において、断面積減少部71dは切頭円錐形状を有し、第三通路74cと第二通路74aとの連通断面積を無段階に減少させるようにしたが、例えば、複数の同心円柱形状として、第三通路74cと第二通路74aとの連通断面積を段階的に減少させるようにしても良い。
図6は、もう一つのスプール弁体の変形例を示す摺動部71aの第二部分71a−2近傍における拡大図である。本スプール弁体では、第一小径部71b側において、第一摺動穴部分73b内を摺動する摺動部71aの第二部分71a−2に隣接する断面積減少部71eが設けられている。この断面積減少部71eは、第二部分71a−2より小さな断面積を有し、例えば、周囲に複数の楔形状等の先細の切欠きを設け、第一小径部71b側ほど小さな断面積を有するようにされている。
このような断面積減少部71eが設けられていると、スプール弁体の摺動部71aの第二部分71a−2が第一摺動穴部分73b内に位置して第一通路74bと第二通路74aとの連通を遮断する以前に、第一通路74bと第二通路74aとの連通断面積を徐々に減少させる。それにより、可変圧力室53から流出する燃料流量が流出停止まで徐々に減少されられることとなる。もし、このような断面積減少部71eが設けられていない場合には、第二部分71a−2によって第一通路74bと第二通路74aとの連通が遮断されると同時に、可変圧力室53からの燃料流出が急激に停止させられることとなる。この急激な流出停止は大きな圧力波を発生させ、この圧力波が可変圧力室53内の燃料圧力を大きく変動させるために、加圧室52の容積を増大する方向の増圧ピストン51の戻り動作を不安定とさせることがある。
しかしながら、蓄圧室2から流出する燃料流量を徐々に減少させることにより、流出停止に際して大きな圧力波が発生することはなく、増圧ピストン51の戻り動作を安定化させることができる。本変形例において、断面積減少部71eは、周囲に複数の先細の切欠きが設けられて、第一通路74bと第二通路74aとの連通断面積を無段階に減少させるようにしたが、例えば、複数の同心円柱形状として、第一通路74bと第二通路74aとの連通断面積を段階的に減少させるようにしても良い。もちろん、摺動部71aの第一部分71a−1近傍の断面積減少部71dにおける形状を第二部分71a−2近傍の断面積減少部71eの形状としても良い。また、摺動部71aの第二部分71a−2近傍の断面積減少部71eにおける形状を第一部分71a−1近傍の断面積減少部71dの形状としても良い。
図7は本発明による増圧式燃料噴射装置の第二実施形態を示す燃料圧系統図である。第一実施形態と同じ部材は同じ参照番号を付しており、説明を省略する。本実施形態の増圧ピストン機構50’は、第一実施形態の増圧ピストン機構50との間に以下の違いを有している。本増圧ピストン機構50’において、前述の可変圧力室53に対応する室は、燃料供給経路3の逆止弁6の上流側に常に接続された単なる圧力室53’であり、前述の中間室54に対応する室が可変圧力室54’となっている。この可変圧力室54’には、第一実施形態と同様に、燃料流入経路8及び燃料流出経路9が増圧制御弁7を介して接続されている。
増圧ピストン51の大径部51aには圧力室53’を介して蓄圧室2内の燃料圧力が常に作用し、それにより、増圧ピストン51には加圧室52の容積を減少させる方向へ常に一定の押圧力が作用している。一方、可変圧力室54’内の燃料圧力が燃料流入経路8を介して供給される燃料によって蓄圧室2内の燃料圧力と同じになれば、小径部51bには加圧室52を介して蓄圧室2内の燃料圧力が作用しているために、これらの燃料圧力に伴って発生する増圧ピストン51を加圧室52の容積を増加させる方向への押圧力は、圧力室53’の押圧力を相殺する。それにより、増圧ピストン51は、加圧室52内に配置された戻しバネ55によって、加圧室52の容積を増大する方向に移動し、加圧室52内へは蓄圧室2から燃料が供給される。
また、可変圧力室54’内の燃料を燃料流出経路9を介して流出させると、可変圧力室54’内の燃料圧力が低下し、それに伴って増圧ピストン51を加圧室52の容積を増加させる方向へ押圧する押圧力は減少する。それにより、増圧ピストン51を加圧室52の容積を減少する方向へ押圧する押圧力を相殺することはできなくなり、増圧ピストン51は加圧室52の容積を減少させる方向に移動し、加圧室52において燃料の加圧が実現される。
このように、本増圧ピストン機構50’においても、増圧ピストン51を往復運動させるには、第一実施形態と同様に、可変圧力室54’への燃料の流入及び可変圧力室54’からの燃料の流出が必要である。この燃料流入及び燃料流出に際して、第一実施形態と同様な増圧制御弁7により燃料流入経路8及び燃料流出経路9を切り換えて可変圧力室54’へ連通させることによって、第一実施形態と同様に、蓄圧室2内の無駄な燃料消費を全体として十分に低減することができる。
前述した増圧制御弁7の構造は、増圧ピストン機構の可変圧力室の制御以外にも使用可能である。すなわち、第一通路及び第三通路のいずれかを第二通路へ連通する切換弁であって、前記切換弁は、摺動部を有して第一位置と第二位置との間を軸線方向に摺動するスプール弁体を有し、前記スプール弁体は、前記第一位置において前記第一通路を前記第二通路へ連通させると共に前記第三通路を前記第二通路から遮断し、前記第二位置において前記第三通路を前記第二通路へ連通させると共に前記第一通路を前記第二通路から遮断するためのものであり、前記第一位置及び前記第二位置の一方において、前記摺動部の第一部分を利用して前記第一通路及び前記第三通路の一方を前記第二通路から遮断し、前記第一位置及び前記第二位置の他方において、前記スプール弁体の端部に形成されて軸線方向に付勢されるシール部によって前記第一通路及び前記第三通路の他方を前記第二通路から遮断する切換弁も本発明の範囲内である。
1…燃料噴射弁
2…蓄圧室
3…燃料供給経路
7…増圧制御弁(切換弁)
8…燃料流入経路
9…燃料流出経路
51…増圧ピストン
53,54’…可変圧力室
71…スプール弁体
71a…摺動部
71a−1…第一部分
71a−2…第二部分
71b…第一小径部
71c…第二小径部
71d,71e…断面積減少部
74a…第二通路
74b…第一通路
74c…第三通路
77…バネ
78…ソレノイド
79…シール部
2…蓄圧室
3…燃料供給経路
7…増圧制御弁(切換弁)
8…燃料流入経路
9…燃料流出経路
51…増圧ピストン
53,54’…可変圧力室
71…スプール弁体
71a…摺動部
71a−1…第一部分
71a−2…第二部分
71b…第一小径部
71c…第二小径部
71d,71e…断面積減少部
74a…第二通路
74b…第一通路
74c…第三通路
77…バネ
78…ソレノイド
79…シール部
Claims (5)
- 蓄圧室と、増圧ピストン及び可変圧力室を有する増圧ピストン機構と、前記蓄圧室内の燃料を前記可変圧力室へ流入させるための燃料流入経路と、前記可変圧力室内の燃料を低圧側へ流出させるための燃料流出経路とを有し、前記燃料流入経路を介しての燃料の流入及び前記燃料流出経路を介しての燃料の流出によって、前記増圧ピストンを往復運動させて前記蓄圧室内の燃料をさらに加圧して燃料噴射弁へ圧送することを可能とする増圧式燃料噴射装置において、前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路は切換弁を介して前記可変圧力室へ連通され、前記切換弁は、摺動部を有して第一位置と第二位置との間を軸線方向に摺動するスプール弁体を有し、前記スプール弁体は、前記第一位置において前記燃料流出経路を前記可変圧力室へ連通させると共に前記燃料流入経路を前記可変圧力室から遮断し、前記第二位置において前記燃料流入経路を前記可変圧力室へ連通させると共に前記燃料流出経路を前記可変圧力室から遮断するためのものであり、前記第一位置及び前記第二位置の一方において、前記摺動部の第一部分を利用して前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の一方を前記可変圧力室から遮断し、前記第一位置及び前記第二位置の他方において、前記スプール弁体の端部に形成されて軸線方向に付勢されるシール部によって前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の他方を前記可変圧力室から遮断することを特徴とする増圧式燃料噴射装置。
- 前記スプール弁体は、前記第一位置及び前記第二位置の前記他方において前記シール部により前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記他方を前記可変圧力室から遮断する直前に、前記摺動部の第二部分を利用して前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記他方を前記可変圧力室から遮断することを特徴とする請求項1に記載の増圧式燃料噴射装置。
- 前記スプール弁体は、前記摺動部の前記第二部分に隣接して第一断面積減少部を有し、前記摺動部の前記第二部分を利用して前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記他方を前記可変圧力室から遮断する直前に前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記他方と前記可変圧力室との連通断面積を減少させることを特徴とする請求項2に記載の増圧式燃料噴射装置。
- 前記スプール弁体は、前記摺動部の前記第一部分に隣接して第二断面積減少部を有し、前記摺動部の前記第一部分を利用して前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記一方を前記可変圧力室から遮断する直前に前記燃料流入経路及び前記燃料流出経路の前記一方と前記可変圧力室との連通断面積を減少させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の増圧式燃料噴射装置。
- 前記スプール弁体は、前記第二位置において、前記シール部によって前記燃料流出経路を前記可変圧力室から遮断することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の増圧式燃料噴射装置。
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JP2003410478A JP2005171811A (ja) | 2003-12-09 | 2003-12-09 | 増圧式燃料噴射装置 |
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JP2003410478A JP2005171811A (ja) | 2003-12-09 | 2003-12-09 | 増圧式燃料噴射装置 |
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JP2005171811A true JP2005171811A (ja) | 2005-06-30 |
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JP (1) | JP2005171811A (ja) |
-
2003
- 2003-12-09 JP JP2003410478A patent/JP2005171811A/ja active Pending
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