JP2005171746A - ドアの郵便受け口の防犯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドア郵便受け口破壊による空き巣被害等を未然に防止し、また、破壊された郵便受け口を体裁良く応急修理し得るようにしたドアの郵便受け口の防犯具を提供すること。
【解決手段】ドア1の郵便受け口7に、該郵便受け口7をドア外側から被覆する被覆部材3をドア外側から取り外すことができないように取付けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドアの郵便受け口の防犯具に関するものである。
近年、施錠されたドアの鍵穴にピッキング工具を挿入して開錠し、空き巣の被害に遭遇することが多発し、これを防止するために、種々の工夫を凝らした錠前が提案され、広く使用される傾向にある。
ところが、上記ピッキング防止対策を施した錠前を取付けているにも拘らず、今度はドアに形成された郵便受け口からドア内に手を入れて開錠させ、それができなければ、郵便受け口金具をバール等で強引に取り外して開口を広げ、ドア内に手を入れて開錠させ、室内に侵入し、金品を盗むという新たな手口の泥棒が出現しつつある。
このような泥棒の被害を防止する対策として、ドア錠と郵便受け口との間のドア内側に障害物となる隔壁部材を取り付けるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−232144号公報
上記特許文献1のものは、ドアの外側から見た状態では、障害物となる隔壁部材が見えず、郵便受け口金具をバール等で取り外して侵入を試みる者をなくし難い。そしてまた、一旦、郵便受け口金具の取外し被害に遭遇したドアは、郵便受け口のドア外側における開口部周辺が変形せしめられており、特に、開口部下辺側の変形が甚だしく、新たに郵便受け口金具を取付け直すことはできない。上記特許文献のものは、郵便受け口の取外し被害に遭ってしまったドアに対しては、応急修理的機能も備えていない。このように郵便受け口の取外し被害に遭遇したドアは、ドア自体を取替え交換せざるを得なかった。
そこで、本発明は、上記した新たな手口によるドア郵便受け口破壊による空き巣被害等を未然に防止し、また、破壊された郵便受け口を体裁良く応急修理し得るようにしたドアの郵便受け口の防犯具を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために本発明は、ドアの郵便受け口に、該郵便受け口をドア外側から被覆する被覆部材をドア外側から取り外すことができないように取付けたことを特徴としている。
前記被覆部材は、内側に取付用ナット又はボルトが外側から見えないように固着又は郵便受け口の横方向に移動可能に設けられており、この取付用ナット又はボルトに、ドア内側から取付用ボルト又はナットを螺合緊締して、ドア内側に当接配置した取付け基板と前記被覆部材とでドアを内外から挟持するように取付けたことを特徴としている。
また、前記被覆部材は、郵便受け口より大きい平坦な金属板で構成され、周縁が内側に屈曲されており、この周縁を郵便受け口の周辺に直接又はパッキングを介して密着させてドアの外側面に取付けられていることを特徴としている。
さらに、前記被覆部材の外面に、郵便物や新聞等の受部材又は受け箱の一方又は両方を具備させたことを特徴としている。
また、本発明は、前記被覆部材に内外方向に貫通する横長のスリットを具備させたことを特徴としている。この場合、前記スリットに対応して前記取付け基板が左右に分割されているか、又は、下半部中央に切欠き部が形成されている。
また、本発明は、前記被覆部材の外面に郵便物等の挟持部材を具備させたことを特徴としている。
本発明に係る防犯具は、マンションやアパートなどの集合住宅、オフィスビルあるいは一戸建て住宅などのドアの郵便受け口に取付けることにより、バール等で郵便受け口が破壊され、空き巣被害に遭うことを未然に防止することができる。
また、ドアへの取付けが、特別な工事や機械設備を一切必要とせず、ドアの内外から被覆部材と取付け基板とを当接してドアの内側から郵便受け口を通してボルトを締め付けるだけでよく、前記集合住宅等の既存のドアに短時間で簡単に取付けることができ、ドアを交換しなくても安価に防犯対策を施すことができる。
更に、被覆部材の周縁を内側に屈曲させてあるため、平坦度の悪いドアや破壊されて変形した郵便受け口に対しても被覆部材で変形部を隠して被覆部材の周縁をドア外面に密着させて取付けることができ、ドアを交換しなくても体裁良く応急修理することができる。
また、被覆部材の外面に、郵便物や新聞等の受け部材や挟持部材を具備させておけば、集合住宅の場合、新聞を共同ポスト設置場所等まで取りに行かなくても済ませることができる。
また、被覆部材に内外方向に貫通する横長のスリットを具備させておくことによって、ハガキや薄い郵便物を該スリットからドア内へ投入可能となる。この場合には、前記スリットに対応して前記取付け基板が左右に分割されているか、又は、下半部中央に切欠き部が形成されているものを使用するのがよい。
以下、本発明に係る防犯具の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はドア1への防犯具2の取付け状態を示す要部拡大縦断側面図であって、本発明の防犯具2は、ドア1の外面側に被覆部材3を配置し、ドア1の内面側に取付け基板4を配置して、これらでドア1を内外から挟むようにし、この状態で被覆部材3の内面に溶接等で固着した取付用ナット5にドア1の内側から取付用ボルト6を螺合緊締して、被覆部材3により郵便受け口7をドア1の外側から被覆させている。
ドア1に形成されている郵便受け口7は、横長の長方形とされており、その大きさは、縦5cm、横25cm程度のものであるので、被覆部材3は例えば、厚さ1.5mmのステンレス板で縦約12cm、横約32cmとされ、また、取付け基板4も例えば、同じ厚さのステンレス板で縦約20cm、横約45cmとされ、グリーンその他の適宜の色彩に焼付け塗装されている。しかし、これらの寸法や材質、塗装の色彩等は、上記に制約されるものではなく、大きさは郵便受け口7よりも大きくしておけばよい。
被覆部材3は、横長の長方形の平坦な金属板の周縁3aを内側に屈曲させて、ドア1の外面との間に図1に示すように空間8を形成し、郵便受け口7の周囲が変形していても、それらの変形部分を空間8内に受容させて被覆部材3の周縁3aをドア1の外面に密着させて取付け得るようにしている。この場合、直接取付けてもよいが、パッキング9を介在させて取付けると風雨の侵入を防止することができる。このパッキング9は、被覆部材3の周縁3aに対応する長方形枠状とされる。また、このパッキング9は、被覆部材3の周縁3aに予め固着させておくのが好ましい。
被覆部材3の内面には、図3に示すように、取付用ナット5が複数個(図3は3個を横方向に並べた場合を例示しているが2個でもよい。)溶接付け等で固着されている。この取付用ナット5の取付け位置は、ドア1の郵便受け口7に入る範囲内としておくもので、被覆部材3の上下左右各方向の中央部付近とすればよいが、郵便受け口7の破壊状態を考慮すると、下辺の変形が甚だしい場合が多いため、下辺側を上辺側より多く被覆させるようにするために、上下方向の中央部から上側へ片寄せた位置に取付けておくのがよい。
また、被覆部材3の外面側には、郵便物や新聞等の受け部材10をその下端において溶接等で固着している。この受け部材10は、横長の長方形の金属板(例えば、縦約5cm、横約20cm等)の下端部を略L字形又はU字形に屈曲させてその下端を図1、図2に示すように被覆部材3の下部に溶接等で固着して、上部及び左右両側から新聞等を差し挟めるようにしている。
取付け基板4は、横長の長方形の平坦な金属板からなり、上下左右各方向の中央付近より若干上寄りの位置に、前記被覆部材3の取付用ナット5に対応させて、複数個(図2は3個を横方向に並べた場合を例示しているが2個でもよい。)のボルト孔11を形成している。このボルト孔11は、図2に仮想線で示すように、上下方向の長孔としてもよい。また、取付け基板4の周囲には、複数個(図2では12個の場合を例示しているが適宜個数とし得る。)のねじ孔12を設けており、このねじ孔12にねじ13を挿通して取付け基板4をドア1の内面側に取付けるようにしている。なお、この場合、ねじ13の下孔をドア1に予め明けておいてもよく、タッピングねじ13を使用してドア1に直接捩じ込むようにしてもよい。
取付用ボルト6は、図1に示すように、ドア1の内側から座金14を介して取付け基板4のボルト孔11に挿通し、被覆部材3の取付用ナット5に螺合緊締させるものである。
本発明の防犯具2の実施形態は、以上の構成からなるもので、マンション等の集合住宅において、もし仮に、ドア1の郵便受け口7が何者かによって破損された場合、そのドア1の郵便受け口7に対し、内側から取付け基板4を当接し、ねじ13をねじ孔12からドア1に捩じ込んで取付け基板4を取付けておき、外側から被覆部材3を当接し、ドア1の内側から取付用ボルト6を取付け基板4のボルト孔11に挿通し、その先端を被覆部材3の取付用ナット5に螺合させて緊締することにより、本発明の防犯具2をドア1に取付けることができる。この場合、郵便受け口7の周囲が多少変形していても、被覆部材3の周縁3aを内側に屈曲させてあることによって、被覆部材3の内面とドア1の外面との間に空間8ができるため、上記変形部分をこの空間8内に受容させることができ、被覆部材3の周縁3aをドア1の外面に全周囲に亘って密着状態で取付けることができる。その際、パッキング9を介在させておけば、雨水の侵入を防止することができる。
上記のような被害を未然に防止するために、集合住宅の各戸のドア1に本発明の防犯具2を同要領で取付けることができる。この場合、特別の工事や機械設備などが一切不要であり、短時間で簡単に取付けることができる。そして、このように本発明の防犯具2を取付けておけば、被覆部材3がその周縁3aをドア1の外面に全周囲に亘って密着して取付けられているため、バール等が入らず、郵便受け口7が外部から簡単に破壊されることを防止することができる。以上の通り、本発明によれば、ドア1の取り替え交換が不要であり、取付けも簡単であるから、ドア1の郵便受け口7を破壊して侵入する空き巣等の被害を未然に防止することができ、しかも、破壊された郵便受け口の応急修理もドアを交換することなく体裁良く実施することができ、防犯対策を安価に、しかも、迅速に施すことができる。
図4(A)(B)及び図5は、本発明に係る防犯具2の第2実施形態を示すもので、被覆部材3の内面には横方向にガイドレール15を設け、また、取付用ナット5に鍔16を設け、この鍔16をガイドレール15に移動可能に係合させるようになし、取付け基板4のボルト孔11も横方向に長い長孔とし、これによって、ドア1に形成された郵便受け口7のどのような横幅サイズにも適用可能としたものである。この場合、被覆部材3の周縁3aは、前記実施形態と同様に内側に屈曲させ、かつ、パッキング9を介在させておくのが好ましい。また、被覆部材3の外面には、前記実施形態と同様な受け部材10を設けても良い。
図6及び図7は、本発明に係る防犯具2の第3実施形態を示すもので、被覆部材3の上部に内外方向に貫通する横長のスリット17を設け、取付け基板4は、スリット17の両側に分割配置して、前記スリット17からのハガキや手紙などの薄い投入物の投入を可能としたものである。この場合、被覆部材3の内側でスリット17の上部に蝶番等を介して蓋(図示省略)を開閉自在に取付け、常時、蓋の自重でスリット17を内側から閉じて室内が見えないようにしてもよい。また、ドア1の内側には、郵便受け18を設けても良い。また、この場合の取付け基板4は、図8に示すような断面コ字形のチャンネル材を使用すると防犯具2の取付強度を向上させ得るので好ましい。また、この場合の取付け基板4のボルト孔11は、図8に示すように、横長孔と縦長孔の2種類としておくのが好ましい。
図9は本発明に係る防犯具の第4実施形態を示すもので、被覆部材3の上部外面に郵便物等の挟持部材19を設けている。この挟持部材19は、図9では、コイルスプリングを被覆部材3の横方向に沿って配置し、その両端を止めねじ等の係止具20で係止させた場合を例示しているが、これ以外のもの、例えば、ゴムバンドやクリップ構造のものであってもよい。
図10は本発明に係る防犯具の第5実施形態を示すもので、同図(A)に示すように、取付け基板4の下半部中央に切欠き部21を形成し、この取付け基板4と同図(B)に示すように、スリット17を設けた被覆部材3とを同図(C)に示すように組み合わせてドア1に組み付けし、前記スリット17からのハガキや手紙などの薄い投入物を2本の取付用ボルト6の間及び取付け基板4の下半部中央の切欠き部21を通して室内側への投入を可能としたものである。この場合、被覆部材3の内側でスリット17の上部に蝶番等を介して蓋(図示省略)を開閉自在に取付け、常時、蓋の自重でスリット17を内側から閉じて室内が見えないようにしてもよい。また、取付け基板4のボルト孔11は上下方向の長孔としてもよく、また、取付用ナット5は、被覆部材3に対して、図4、図5で示したようにガイドレール15と鍔16とを設けて横方向にスライド可能としてもよい。
図11は本発明に係る防犯具の第6実施形態を示すもので、同図(A)に示すように、被覆部材3の外面側に、ハガキ、手紙、メモ、電気・ガス・水道等のメータ検針通知書等の薄い投入物の受け箱22を収納保持するポケット部23を設け、このポケット部23の外面に新聞や厚い郵便物等の受け部材10を設けたものである。上記受け箱22の上面には投入口となるスリット24と把手25を設け、該受け箱22の前面に取出し口26を設けておくものである。この受け箱22は、図11(B)に示すように、被覆部材3のポケット部23に上から挿入して保持させておくものである。なお、受け箱22はポケット部23に横から挿入・引出し可能としてもよい。また、受け箱22の盗難防止のためにポケット部23に錠前を取付けておいてもよい。
本発明の防犯具の実施形態は以上の通りであるが、本発明は上記実施形態のみに制約されるものではなく、特許請求の範囲内で種々変形して実施することができる。例えば、受け部材10は箱状であってもよい。また、ボルト孔11は、上下方向に長い孔としておいてもよい。さらに、ねじ孔12及びねじ13は省略してもよい。また、取付け基板4の周縁は、ドア1側に向けて屈曲させておき、郵便受け口7の内側が変形している場合にも該変形部を受容させるようにしてもよい。
本発明に係る防犯具のドア取付け状態を示す要部拡大縦断側面図である。 本発明に係る防犯具の分解斜視図である。 本発明に係る防犯具の被覆部材の内面の斜視図である。 本発明に係る防犯具の第2実施形態の展開状態の正面図(A)と側面図(B)である。 上記第2実施形態のドア取付状態の縦断側面図である。 本発明に係る防犯具の第3実施形態のドア取付状態の縦断側面図である。 上記第3実施形態の防犯具をドア内側から見たドア取付状態正面図である。 上記第3実施形態の防犯具の取付け基板の変形実施形態の斜視図である。 本発明に係る防犯具の被覆部材の第4実施形態の斜視図である。 本発明に係る防犯具の第5実施形態を示すもので、(A)は取付け基板の斜視図、(B)は被覆部材の斜視図、(C)はドア取付状態の縦断側面図である。 本発明に係る防犯具の第6実施形態を示すもので、(A)は受け箱を引出した状態の被覆部材の斜視図、(B)は受け箱を収納した状態の被覆部材の縦断側面図である。
符号の説明
1 ドア
2 防犯具
3 被覆部材
3a 周縁
4 取付け基板
5 取付用ナット
6 取付用ボルト
7 郵便受け口
8 空間
9 パッキング
10 受け部材
11 ボルト孔
12 ねじ孔
13 ねじ
14 座金
15 ガイドレール
16 鍔
17 スリット
18 郵便受け
19 挟持部材
20 係止具
21 切欠き部
22 受け箱
23 ポケット部
24 スリット
25 把手
26 取出し口

Claims (7)

  1. ドアの郵便受け口に、該郵便受け口をドア外側から被覆する被覆部材をドア外側から取り外すことができないように取付けたことを特徴とするドアの郵便受け口の防犯具。
  2. 前記被覆部材は、内側に取付用ナット又はボルトが外側から見えないように固着又は郵便受け口の横方向に移動可能に設けられており、この取付用ナット又はボルトに、ドア内側から取付用ボルト又はナットを螺合緊締して、ドア内側に当接配置した取付け基板と前記被覆部材とでドアを内外から挟持するように取付けたことを特徴とする請求項1に記載のドアの郵便受け口の防犯具。
  3. 前記被覆部材は、郵便受け口より大きい平坦な金属板で構成され、周縁が内側に屈曲されており、この周縁を郵便受け口の周辺に直接又はパッキングを介して密着させてドアの外側面に取付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドアの郵便受け口の防犯具。
  4. 前記被覆部材の外面に、郵便物や新聞等の受け部材又は受け箱の一方又は両方を具備させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のドアの郵便受け口の防犯具。
  5. 前記被覆部材に内外方向に貫通する横長のスリットを具備させたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のドアの郵便受け口の防犯具。
  6. 前記スリットに対応して前記取付け基板が左右に分割されているか、又は、下半部中央に切欠き部が形成されていることを特徴とする請求項5記載のドアの郵便受け口の防犯具。
  7. 前記被覆部材の外面に郵便物等の挟持部材を具備させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のドアの郵便受け口の防犯具。
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