JP2005170005A - 液体吐出記録装置用液体収納容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】色毎に液体収納容器を認識することができる反射体を有する液体収納容器を、容易に製造することができる液体収納容器の製造方法を提供する。
【解決手段】 反射体30の第1のルーフミラーユニット30Aにはルーフ状ミラー34Aが8つ、第2のルーフミラーユニット30Bにはルーフ状ミラー34Bが4つ配置されている。溶着部30cは、ルーフ状ミラー34Aおよび34Bとは異なった面、かつ離れた位置に形成されている。この反射体30は、インクタンク7とは別部材として形成しておく。インクタンク7の外壁に溶着部45Bを有する凹部45Aを形成する。インクタンク7の凹部45Aに、反射体30の溶着部30cを超音波溶着により固定する。
【選択図】図10
【解決手段】 反射体30の第1のルーフミラーユニット30Aにはルーフ状ミラー34Aが8つ、第2のルーフミラーユニット30Bにはルーフ状ミラー34Bが4つ配置されている。溶着部30cは、ルーフ状ミラー34Aおよび34Bとは異なった面、かつ離れた位置に形成されている。この反射体30は、インクタンク7とは別部材として形成しておく。インクタンク7の外壁に溶着部45Bを有する凹部45Aを形成する。インクタンク7の凹部45Aに、反射体30の溶着部30cを超音波溶着により固定する。
【選択図】図10
Description
本発明は、インクジェット記録装置等の液体吐出記録装置で使用するのに好適な液体収納容器の製造方法に関する。
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどの出力機器として用いられる記録装置は、記録情報に基づいて紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体(被記録材)に画像(文字や記号等を含む)を記録していくように構成されている。このような記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができる。
そのうち、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段から記録媒体へインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができる。なかでも、記録媒体の縦方向により多くの吐出口を設けたタイプの記録手段を用いた記録装置は、より一層高速化が可能である。また、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、さらに多種類のインク(例えばカラーインク)を用いてカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
上記のインクジェット記録装置は、記録に際し記録手段として記録ヘッド(インクジェットヘッド)に設けられた微細な吐出口よりインク滴を飛翔させ、そのインク滴を記録媒体(記録用紙等)に着弾させることにより所望の記録を行うものである。上記のインクジェットヘッドには、例えば、吐出口からインクを吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子として、ピエゾ素子などの電気機械変換体を用いたもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によって液体を加熱してインク滴を吐出させるものを用いたもの等が使用されている。
このようなインクジェット記録装置においては、液体としての記録用インクを記録手段(記録ヘッド)に供給する液体供給システム(インク供給系)が設けられ、このインク供給系にインクを貯留するインクタンク(液体収納容器)が着脱自在に接続される構成になっている。また、この液体収納容器としてのインクタンクは、インクジェット記録装置に設けられた装着部に着脱可能(交換可能)に装着されるようになっている。
また、記録手段(記録ヘッド)にてカラー印刷を行う際には、ブラックインクを収納したブラック用タンクとイエロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを別々に仕切って収納したカラーインク用タンクを交換するタイプと、各々のインクが各々のタンクに収納した各色独立のタンクで、各色ごとにインクタンクを交換するタイプがある。
上記のインクタンクを認識及び識別する方法としては、ROM情報による電気的な方法、各色のインクタンクごとに形状を非互換にするメカ的な方法、光の反射を利用して認識する光学的な方法などが知られている。その中でも光学系による手段としては、特許文献1のようにタンク底面にインクタンク有無検知用の凹状多面体を設けた構成や、特許文献2のように光の照射される表面が鏡面加工された容器有無検出部を設けた構成や、特許文献3のように反射素子表面上に反射フィルム、ホイールまたはテープを配置した構成によりインク容器の検出を行う方法などが開示されている。
図22に、一般的なインクジェット式の記録装置の概略構成の斜視図を示す。図22に示すように記録ヘッド101とこれにインクを供給するインクタンク107を連結することでインクカートリッジ120が構成されている。なお、インクカートリッジ120は後述するように記録ヘッド101とインクタンク107とが分離可能な構成となっているが、記録ヘッドとインクタンクとが一体化したインクカートリッジを用いても良い。
また、インクタンク107の底面にはインク残量検出を行うための光学プリズム(不図示)とインクタンク有無の検出を行うための凹状の光反射面(不図示)が設けられている。
さらに、この記録ヘッドは、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、その熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化を達成している。
図22において、赤外LED(発光素子)115及びフォトトランジスタ(受光素子)116から成るインク残量検出とインクタンク有無検出を行うための光学ユニット114が設けられている。これらの発光素子115と受光素子116とは記録用紙の搬送方向(矢印F方向)に沿って並ぶように取り付けられている。光学ユニット114は装置本体のシャーシ117に取り付けられている。インクカートリッジ20がキャリッジ102に搭載され、図22に示された位置より右方向へと移動すると、インクカートリッジ120は光学ユニット114上に位置するようになる。そして、インクタンク107の底面よりインクの状態やインクタンクの有無を光学ユニット114によって検出することが可能となる。
図23はインクタンク107と記録ヘッド101を備えたヘッドホルダ200の外観斜視図である。この図で、(a)はインクタンク107がヘッドホルダ200から分離している状態を、(b)はインクタンク107がヘッドホルダ200に取り付けられている状態を示す。
図24はインクタンク107の構造を示す図である。ここで、図24(a)はインクタンク107の外観斜視図、図24(b)はインクタンク107の底面図、図24(c)は図24(a)のA−A’断面図を示す。
図23において、符号200は、上述のインクタンク107が装着される記録ヘッド一体型のヘッドホルダを示しており、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクタンク107(7C、7M、7Y)を収容する。ヘッドホルダ200の下部には各色のカラーインクを吐出する記録ヘッド101が一体的に設けられている。ヘッドホルダ200の底部には、インク有無検知部及びインクタンク有無検知部がインクの有無やインクタンクの有無を検知可能なように窓(不図示)が設けられている。
また、図24(a)に示すように、インクタンク107の側壁下部に三角形の切り欠き部250が設けられている。また、図24(b)及び図24(c)に示されるように、インクタンク107の底面にはプリズム180と凹曲面反射部190とが設けられている。プリズム180はインク残量検出のため、また、凹曲面反射部190はインクタンク有無検出のために用いられる。
凹曲面反射部190はインクタンク107がキャリッジ102に取り付けられて、往復移動するときに、図24(b)に示すように、そのキャリッジ移動方向と、その方向と直角の、発光素子115と受光素子116が並ぶ方向(F方向)の2つの方向に関して曲率をもつようになっており、凹曲面反射部190の領域全体で曲面が形成される。
図25は光学ユニット114が正規の位置に取り付けられている場合を示している。この場合、光学ユニット114における発光素子115の発光部と受光素子116の受光部とは凹曲面反射部190の曲率中心118の近くの位置に取り付けられている。そして、発光素子115から照射される赤外線ビーム光の中心軸がインクタンク107の底面に垂直な線に対し平行となるように、発光素子115が取り付けられている。
図26において、(a)はそれぞれカラーインクを収容する複数のインクタンク107の底面部の構成を示す図であり、(b)は複数並んだ各色インクタンクの底面から得られる受光光量の変化を示す図である。図26に示すように、インクタンク107が3つ並列に配置され、夫々のインクタンク内には異なる色のインク(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))が収容されている。そして、各色のインクタンク107にはそれぞれ凹曲面反射部190が設けられている。
このように構成されたインクタンク107をキャリッジに搭載して移動させると、図25に示した受光素子116での受光光量の変化は、図26に示すようになる。なお、図26において、実線は全てのインクタンクがある状態を示し、破線はMインクタンク(マゼンタインクタンク)のみが無い場合を示したものである。
特開平10−323993号公報
特開平10−230616号公報
特開平9−174877号公報
しかしながら、上述の光学系反射体を有する液体収納容器としてのインクタンクには次のような技術的課題があった。一般的にインクタンクに使用される樹脂はインクとの適正やコスト等の観点から選択する必要があり、その光学特性(樹脂壁の透過率、表面や裏面の反射率など)は十分ではなく、上記のように凹曲面反射部を設けて集光するように構成した場合であっても、センサー投光量をアップしたり発光部に集光レンズを設けたり、同様に受光部のセンサー感度をアップさせたり集光レンズを設けたりする必要があった。
また、特許文献3に見られるようにインクタンク(液体収納容器)の反射体表面に蒸着などで鏡面処理を行ったものや反射フィルムなどを配置し反射効率を高めた反射体は、反射部位と非反射部位の反射光強度差が十分にとれるため、インクタンクの検出を行うには有効な手段である。しかし、消耗品として扱われるインクタンクに上記のような処理を施しては、インクタンクのコスト、ひいてはインクジェット記録装置のコストが上昇してしまう。また他にも、次に説明する光学系反射体(プリズム、凹面鏡)と同様の技術的課題もある。
すなわち、光学系反射体(プリズム、凹面鏡)の場合、液体収納容器の有無検知は可能であるが、インクタンク(インク色)毎の識別は行われておらず、これにより、キャリッジ上の所定の場所に、この場所に対応する所定の色のインクタンクを装着する際、間違った色のインクタンクを装着しても誤装着は検知されないので、所望の記録画像が得られないおそれがある。
上記の光学系反射体によりインク色ごとにインクタンクを識別(検知)する対策としては、複数のインクタンクの夫々に設ける光学系反射体の位置を収納インクの色ごとに変えることが考えられる。しかし、昨今のインクジェット記録装置においては多色化が進んでおり、各インクタンクの限られたスペース内で、各々のインクタンクの光学系反射体の位置を変更して色検知を可能とすることはキャリッジ上に搭載するインクタンクの数が多くなるほど困難を極めることとなる。また、各色のインクタンクの光学系反射体を検出するための検出装置が一つだけでは、各色のインクタンクを正確に検知(識別)することは極めて困難である。その反対に、それぞれのインクタンクごとに上記検出装置を設けることはインクジェット記録装置のコストを上昇させてしまうこととなる。
上記の課題を、6色または7色のインクジェットプリンターの場合で説明する。キャリッジ上に並列配置する複数のインクタンクの光学系反射体についてサイズを変更せずに夫々の位置をずらし、各々のインクタンクを認識しようとすると、一つのインクタンクでの反射体のインクタンク底面に対する面積比に変更はないが、6〜7色分の反射体位置を非互換とすると、6〜7色分全ての反射体総表面積がインクタンク底面の面積に対して大きくなってしまう。その結果、このように色識別を可能にする構成はインクタンク底面にかなり大きなスペースが必要となり、設計の自由度が縮小してしまう。また、反射光の検出域が拡大してしまい、検出装置の増設が必要になることも発生しうる。
このことに対して、6〜7色分全ての反射体総表面積がインクタンク底面の面積に収まるように、各光学系反射体のサイズを小さくして対応しようとすると、反射可能な面積が縮小するので反射光強度が低下してインクタンクの誤検知を招きかねない、といった課題が浮かび上がってくる。
さらに、検出装置も交えて説明してみると、受光側では光学系反射体からの反射光の到達、あるいは、ある一定以上の反射光を検知することでインクタンクの認識を行っている。ここで、インクタンク底面の光学系反射体の位置をずらさずに、一つの検出装置にて光学系反射体からの反射光強度により各々のインクタンクを識別しようとすると、限られた反射強度内で反射強度を6ないし7分割しなければならず、検出精度の低下を防ぐため必然的に反射光を上げる必要が生じる。そこで、投光側(発光素子)を高出力にするとインクジェットプリンター本体のコストの上昇、さらには消費電力が増えるなどの問題も生じる。
そこで、本発明の目的は、上述した課題に鑑み、色毎に液体収納容器を認識することができる反射体を有する液体収納容器を、容易に製造することができる液体収納容器の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため本発明の液体収納容器の製造方法は、液体を吐出して記録を行う記録装置に用いられる、少なくとも2つの反射面を所定の角度で配置してなるルーフ状ミラーが所定の方向に複数個並んだ構成の反射体を有し、内部に液体を収容する液体収納容器の製造方法であって、反射体を用意形成する工程と、液体収納容器の外壁に該反射体を固定する工程を有することを特徴とする。
また、本発明の液体収納容器の製造方法は、各ルーフ状ミラーと外壁との間に空間が形成されるように固定する工程を含むものであってもよい。
また、本発明の液体収納容器の製造方法は、反射体の、各ルーフ状ミラーが設けられた領域外に反射体を液体収納容器に固定する反射体側固定部を形成する工程と、固定部を固定する容器側固定部を備え、各ルーフ状ミラーが進入可能な凹部を外壁に形成する工程と、容器側固定部に反射体側固定部を取り付けて固定する工程を含むものであってもよい。
また、本発明の液体収納容器の製造方法は、反射体を射出成形により形成する工程を含むものであってもよいし、反射体をレーザ加工により形成する工程を含むものであってもよいし、反射体をシート成形によりシート状に形成する工程を含むものであってもよい。
また、本発明の液体収納容器の製造方法は、反射体を超音波溶着により固定する工程を含むものであってもよいし、反射体をはめ込みにより固定する工程を含むものであってもよいし、あるいは、反射体を接着剤または粘着剤により固定する工程を含むものであってもよい。
また、本発明の液体収納容器の製造方法は、反射体の、前記ルーフ状ミラーが形成される領域内にプリズムを一体形成する工程と、外壁にプリズムを貫通させる貫通穴を形成する工程と、プリズムを貫通穴に貫通させて反射体を外壁に固定する工程とを含むものであってもよい。
反射体と液体収納容器を一体的に形成する場合は、反射体は、ミクロンオーダーの精密な形状が必要であるため、射出成形等で成形する場合、その成形条件はかなり絞られた狭い範囲の成形条件(樹脂温、射出速度、射出圧等)となってしまい、その成形条件では液体収納容器の他の部分成形が困難(ひけ、ウェルド、ボイド等の発生)である場合がある。また、タンクの種類毎(色毎、機種毎等)に液体収納容器の大きな成形型を用意する必要もある。加えて、反射体の反射面は上述のとおり微細形状のため、成形型のメンテナンス頻度も他の部分に比べて高くなるので、液体収納容器全体の生産性低下を招くおそれもある。加えて、反射体のルーフ状ミラーと接する部分に空間部を構成する場合には成形型にスライド機構等を設ける必要があり、型の複雑化やコストが上昇してしまうおそれもある。
これに対して、上述した本発明の製造方法によれば、反射体を液体収納容器とは別部材としているので、射出成形で形成する場合は反射体と液体収納容器をそれぞれ最適な成形条件で生産することができ、しかも、液体収納容器型のメンテナンス頻度は反射体のそれに比べて低いので、生産性の向上が望める。また、液体収納容器の種類毎(色毎、機種毎等)に液体収納容器の大きな成形型を用意する必要もなく、液体収納容器は共通で、反射体のみの小さな成形型をインクタンクの種類毎に用意すればよいので、投資も最小限に抑えることができる。この他、反射体のルーフ状ミラーと接する部分に空間部を設けることも、液体収納容器の外壁の一部に反射体を収容する凹部を設け、凹部を反射体よりも若干大きく形成しておくことで、容易に空間部を形成することができる。また、この空間部に反射体と屈折率の大きく異なる物質を封入することも容易にできる。
また、本発明の製造方法によれば、液体収納容器のごく小さなスペースに、反射光を任意の位置で集光可能なルーフ状ミラーを持つ反射体を配置することができるため、反射面に反射膜等の特殊加工を施さずに反射光量を向上させることができる。さらに、反射体を構成するルーフ状ミラーのパターン(数・幅などの変更)により多種の反射光分布パターンが得られるので、ルーフ状ミラーのパターン構成の異なる反射体を各々液体収納容器ごとに配置することにより、色ごとの液体収納容器の識別が可能になる。加えて、本発明の製造方法によれば、生産性が高く、しかも容易に反射体のルーフ状ミラーと接する部分に空間部を設けることができる。
液体の残量を検出するために適用可能なプリズムは、液体との接触面(反射面)が、成形回数が増すと面の荒れが発生し反射率の低下が起こるため型のメンテナンス頻度が高く液体収納容器の生産性を低下させる一因となっていたが、この課題に対しても、本発明の製造方法によって、液体収納容器本体とは別部材とし、反射体に一体的に形成することで上記と同様の効果が得られる。
本発明の製造方法によって製造された液体収納容器は、内部に液体を収容する液体収納容器であって、少なくとも2つの反射面を所定の角度で配置したルーフ状ミラーが所定の方向に複数個並んだ構成の反射体を有し、反射体が、入射光を複数のルーフ状ミラーによって各々複数の光束に分割するとともに、各ルーフ状ミラーの少なくとも2つの反射面で順次反射した各光束が所定の位置で集光するように構成されていることが好ましい。
また、上記の液体収納容器において、投光側から発せられた発散光が反射体を介し反射、集光され、その集光形状は、一次元方向に収束していることが好ましい。
さらに、反射体内に角度の異なるルーフ状ミラーを配置することにより、反射体で一次元方向に収束する反射光を複数のエリアに分割集光することが好ましい。この場合、反射体に対しての投光素子の位置を反射体の下部の投影領域内に配置することにより、反射体で一次元方向に収束する反射光を複数のエリアに分割集光する。
あるいは上記の液体収納容器において、反射体で一次元方向に収束する反射光が、複数の所定の位置に分割集光可能となるように、複数の反射体が配置されていることが好ましい。
また、本発明の製造方法によって製造された液体収納容器は、少なくとも2つの反射面を所定の角度で配置したルーフ状ミラーを複数個、所定の位置に配置した構成の反射体を有し、ルーフ状ミラーは所定の方向に連続して配置されていることを特徴とする。この液体収納容器は反射体を2個以上有することが好ましい。
さらに、ルーフ状ミラーの奥行きの異なる反射体または、反射体内のルーフ状ミラーの数の異なる反射体、反射体内のルーフ状ミラーの反射面の角度の異なる反射体などを2個以上有する液体収納容器であってもよい。このような液体収納容器においては反射体のルーフ状ミラーと接する部分に空間部が構成されていることが好ましい。
また、本発明の製造方法によって製造された液体収納容器の識別方法は、少なくとも2つの反射面を所定の角度で配置したルーフ状ミラーが所定の方向に複数個並んだ構成の反射体を有し、反射体が、入射光を複数のルーフ状ミラーによって各々複数の光束に分割するとともに、各ルーフ状ミラーの少なくとも2つの反射面で順次反射した各光束が所定の位置で集光するように構成されており、集光された各光束よりなる反射光分布パターンにより液体収納容器を識別するのが好ましい。
このような識別方法では、液体収納容器単体に関して、反射体からの回折光を含む反射光のピーク値または、反射体からの反射光幅、反射体からの反射光の数量、反射体からの反射光間ピッチなどを利用することで、液体収納容器の情報を認識することが可能である。さらに、複数の液体収納容器に関して、反射体からの反射光のピーク値の違いまたは、反射体からの反射光幅の違い、反射体からの反射光の数量の違い、反射体からの反射光間ピッチの違いなどを利用することで、複数の液体収納容器を識別することが可能である。
また、本発明の製造方法によって製造された液体収納容器は、液体収納容器を搭載可能なキャリッジと、光によって液体収納容器を識別するための検出手段とを有し、液体収納容器の液体を吐出して記録する液体吐出記録装置に適用可能である。
このような液体吐出記録装置では、検出手段は発光源と受光部を有し、発光源は点光源であることが好ましい。点光源は発散光である。さらに、発光源と受光部は一体構成であってもよい。
上記本発明の製造方法によって製造された液体収納容器を用いることにより、少なくとも2つの反射面を所定の角度で配置したルーフ状ミラーが所定の方向に複数個並んだ構成の反射体によって、入射光を複数のルーフ状ミラーによって各々複数の光束に分割するとともに、各ルーフ状ミラーの少なくとも2つの反射面で順次反射した各光束を所定の位置に集光させ、この集光された各光束よりなる反射光分布パターンを解析することで、液体収納容器を識別することが可能となる。
以下の本発明の実施の形態の欄で詳しく説明するが、本発明の好ましい態様は、色ごとに液体収納容器(インクタンク)を識別するために、反射面が所定の角度に微細加工された複数のルーフ状ミラーからなる光学系反射体を光透過性のある部材にて形成し、その反射面(界面)に大きく屈折率の違う物質(例では気体)が接するように光学系反射体を液体収納容器に配置する構成である。このような構成にて、所定の角度を持つ反射面からの反射光の光量分布における位置、幅、強度等のパターンの違いを利用することにより、各色の液体収納容器を識別する。
本発明によれば、反射体を別部材としているので、液体収納容器本体の製造方法に制限されることなく、最適な成形条件で生産することができ、しかも、液体収納容器の型のメンテナンス頻度は反射体のメンテナンス頻度に比べて低いので生産性の向上、およびコスト削減が望める。また、液体収納容器の種類毎に成形型を用意する必要もなく、液体収納容器は共通で、反射体のみの小さな成形型を液体収納容器の種類毎に用意すればよいので、投資も最小限に抑えることができる。また、液体収納容器と反射体のルーフ状ミラーとの間に空間を設けることも容易にできる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。また、説明において参照する全ての図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
図1は本発明の液体収納容器に適用する反射体の光学特性を説明するためのもので、図1(a)はその反射体の斜視図、図1(b)は反射体と検出装置の光学的な関係を図1(a)中の(1)方向から見た図、図1(c)は反射体と検出装置の光学的な関係を図1(a)中の(2)方向から見た図である。
図1に示す形態では複数の反射体30が平行に一定のピッチPで配置されている。各々の反射体(ルーフミラーユニットとも呼ぶ)30は、2つの反射面を所定の角度(本例では96°)で配置したルーフ状ミラー34を一方向に複数個配置させた光透過性部材(例えば透明樹脂)である。反射体30においては上面がルーフ状ミラー34であり、下面が平面となっている。なお、図1中のルーフミラーピッチPは例えば84μmで、一つのルーフ状ミラー34の寸法は84μm×100μmである。
反射体30の下方に、フォトICチップの点光源31と受光素子32からなる検出装置が配置されている。反射体30の下面と受光素子32の受光面が所定の間隔(GAP)で配置されている。図1(b)では、投光側と受光側が別体となっているが、投受光素子が一体となっていても使用可能であり、実際には一体型の素子を使用している。
また、ルーフ状ミラー34における反射体30の外表面には、反射体30の構成物質とは大きく屈折率の異なる液体以外の物質が接していることが基本条件となる。
図1の(b)、(c)では、投光側(点光源31)からの光が受光側(フォトICチップの受光素子32)までの光路を実線および一点鎖線で示すことで、反射光の集光の仕方を表している。特に図中の一点鎖線はルーフ状ミラー34で反射した後の光路を示している。また、投光側からの光はレンズなどの集光手段を用いていないため、光は発散光である。
点光源31から照射された光(発散光)は光透過性の反射体30を通り抜け、所定の角度にて形成されたルーフ状ミラー34の加工面にて2度の反射を行い、受光側(アレイ上の受光素子32)の任意の位置に略帯状の光として集光されて戻ってくる。すなわち、このときの反射光は一次元方向に収束している(図20参照)。また、図1(c)のように受光素子32のアレイ上には反射体30のピッチPの2倍の格子像が拡大投影されている。
次に、図2〜図6において、本発明の一次元収束性(反射光が一次元方向に収束する性質)の反射手段を用いた反射体と、反射面として平面からなり、その面にアルミ反射膜を施した一般的な反射体とを比較することで、本発明に適用する反射体の特長を説明する。
まず、図2は、反射面が平面よりなり、その面にアルミ反射膜を用いた反射体の説明図であり、フォトセンサPSの光源31からの光束が反射体30の反射面30alを介して受光素子32に導かれるまでの光路を示している。図2において、光源1と、受光サイズがPDWy×PDWxのサイズの受光素子32と、アルミ反射膜の反射面30alをその表面に施した反射体30より構成される。図中、点線は光源、反射体、受光素子の間の光線を示している。幾何学的な関係からアルミ反射膜30alにおける有効光束が照射された部分の幅Lw1はLw1=1/2PDWyである。いま、受光素子2のサイズを400μmとすると、アルミ反射面上では200μm程度で、光源31から受光素子32へ到達する光線はごくわずかである。
この反射体30でのフォトセンサPSと反射体30との間の距離(GAP)と、受光部32が受け取る光量との関係は次式となる。
光量=1/(距離)2
図3は本発明に適用するV字型溝反射面(ルーフ状ミラーとも呼ぶ)を有する反射体30を用いた場合の光線を示す概略図である。
図3は本発明に適用するV字型溝反射面(ルーフ状ミラーとも呼ぶ)を有する反射体30を用いた場合の光線を示す概略図である。
図3ではV字型溝面は前述のアルミ反射膜と同等の反射率と考え、V字型の溝の開き角(Ra)を95度程度にして同様の光線パスを取るようにしている。図3(b)の側面からの光線パスは前述の図2(b)と同様で差がない。しかし、図3(a)では、前述の図2(a)のLw1の幅が幅Lw2と広がり、多くの光線をフォトセンサPSの受光素子32に導いている。
光源31の位置と受光素子32の位置が離れているので開き角Raを調整することで目標となる受光位置に光線を導くことが可能である。ここでは、角度Raを95度前後としているために実際の光線は受光素子32側だけでなく、受光素子32とは光源31について対称な位置にも光線は導かれる。(図3(a)での点線の光線33)
図4はV字型溝群(ルーフミラーユニットとも呼ぶ)が多数配列された反射体30の概略図である。同図はフォトセンサPSの発光素子31から反射体30を介して、アレイ状の受光素子32まで導かれる概略の光線の様子を表している。以下、前述の図3と同様であるので説明を省く。この場合にも、図2に示したアルミ反射膜を施した反射体と比較して、反射体30からのより多くの光線が受光素子32に導かれる。
図4はV字型溝群(ルーフミラーユニットとも呼ぶ)が多数配列された反射体30の概略図である。同図はフォトセンサPSの発光素子31から反射体30を介して、アレイ状の受光素子32まで導かれる概略の光線の様子を表している。以下、前述の図3と同様であるので説明を省く。この場合にも、図2に示したアルミ反射膜を施した反射体と比較して、反射体30からのより多くの光線が受光素子32に導かれる。
図5は、フォトセンサと反射体間との距離特性に関し、本発明に適用する反射体の前述したのとはまた別の効果を説明するための図である。
図5(a)は、フォトセンサPSと反射体30を標準位置から遠ざけた場合の状態を表し、図5(b)は標準位置のフォトセンサPSと反射体30を示している。
図2に示した構成の反射体では、受光素子で検出される光量は実質的に1/(距離)2の比例関係がある。従って、図2に示した反射体とフォトセンサPSの距離に図5(a)と図5(b)に示すような2倍のギャップの差があると、図5(a)では受光素子32で検出される光量は図5(b)に比べて実質的に光量は25%程度に落ち込む。
しかし、本発明に適用する反射体では図5(a)、図5(b)から理解されるように、図3(a)で表した断面方向における受光素子32で検出される光量はギャップ(距離)変動に依存していない。一方、図3(b)で表した断面方向における受光素子で検出される光量は1/距離の関係といえる。このように本発明に適用する反射体はギャップの変動に対して受光部で検出される光量の点においても優れている。
図6は、さらに本発明に適用する反射体の別の効果を説明するための図である。この図に示すように、フォトセンサPSと反射体30の相対的なあおり(たおれ)特性に関する性能においては、反射体30の倒れ(傾き角θ)が変化しても反射体30から受光部32へ導かれる光線は安定している。
以上、本発明に適用する、V字型溝又はV字型溝群を有する反射体30を用いた場合にはフォトセンサPSの受光部32へ導かれる絶対的な光量が図2のような反射面が平面からなる反射体を用いた場合に比べて大きくなるという長所が得られる。すなわち、反射体とフォトセンサの距離(ギャップ)が変動しても、受光部で検出される光量の変化が少ない。さらに、フォトセンサと反射体との相対的な倒れ(傾き角θ)に対して鈍感であり、検出される光量が大きく減少することがない。
次に、上記の光学特性を有する反射体を液体収納容器に配置した各種形態について、図7〜図13を参照して説明する。
ここでは、図7に示すようにスポンジなどのインク吸収体41を収納するインク吸収体室42とそれに連通路43を介して繋がるようにインク44を直接収納する液体収納室45とを有し、記録液としてのインクを吐出して記録を行うためのインクジェット記録ヘッド(不図示)へのインク供給部46をインク吸収体室42に設けたインクタンク7(液体収納容器)に関して説明するが、どのような液体収納容器にも、本発明のルーフ状ミラーを持つ反射体30は配置可能である。
また、反射体30を液体収納容器の底面に配置したときにのみを説明するが、他の液体収納容器(インクタンク)との隣接面以外の面に反射体は配置可能である。このように反射体を他の液体収納容器の隣接面以外の面に配置することができるため、例えばインクジェット記録装置(図21参照)側に配置させる受光装置の配置に関して自由度が増す。
反射体30の配置方法としては、反射体30の上面のルーフ状ミラー34が反射体30を構成する光透過性樹脂とは大きく屈折率の異なる液体以外の物質(ここでは、空気)が接するように、インクタンク壁7a内に空間47を介して配置している。なお、反射体を光透過性樹脂により作り、反射体の反射面に反射体とは屈折率の異なる物質を接するようにした構成であれば、液体収納容器(インクタンク)の種類にとらわれず各種液体収納容器に配置することができる。さらに、反射体30を光透過性樹脂により構成すると、射出成形等により反射体を形成することが可能であるので、生産が容易である。
また、インクタンク7は記録装置において記録シートと交差する方向に往復移動するキャリッジに着脱自在に一つまたは複数個搭載可能であって、複数個の場合キャリッジ移動方向に対して並列に配置される。
また、図1(c)に示すようにルーフ状ミラーからなる反射体30どうしの間の反射体間部35は下方からの投光を上方へ通過させるように構成しているが、この反射体間部35は図1(a)に示すような屋根状に設けられていてもよく、また沢状に設けられていてもよい。これは、形成方法や請求精度によって適宜選択変更してもよい。以後の説明は、簡便化のため図9(b)や図11(b)等のように上記の反射体間部35を省略して模式化するが、図1(a)や図8に示す構成でも本発明に適用する反射体の光学特性は同じである。
(第1の実施形態)
[形態1]
図9は本発明の第1の実施形態による反射体を説明するための図で、(a)はインクタンク底面の反射体を構成するルーフ状ミラー部拡大図、(b)は(a)のルーフ状ミラーを形成する部分の斜視図、(c)は第1の実施形態のルーフ状ミラー配置での受光側における光量分布を示した図である。特に図9(b)は反射体30の、インクタンク7の内部側に向ける面を斜め上方から見た図である。以下、本実施形態の詳細について述べる。
(第1の実施形態)
[形態1]
図9は本発明の第1の実施形態による反射体を説明するための図で、(a)はインクタンク底面の反射体を構成するルーフ状ミラー部拡大図、(b)は(a)のルーフ状ミラーを形成する部分の斜視図、(c)は第1の実施形態のルーフ状ミラー配置での受光側における光量分布を示した図である。特に図9(b)は反射体30の、インクタンク7の内部側に向ける面を斜め上方から見た図である。以下、本実施形態の詳細について述べる。
図9(a)に示すように、インクタンク7の底面部には、第1のルーフミラーユニット(反射体)30Aおよび第2のルーフミラーユニット(反射体)30Bが、インクタンク7の移動方向A(キャリッジの移動方向)に対してそれぞれのルーフ状ミラーの配置方向が直交するように配置されている。第1のルーフミラーユニット30Aにはルーフ状ミラー34Aが8つ、第2のルーフミラーユニット30Bにはルーフ状ミラー34Bが4つ配置されている。そして、ルーフ状ミラー34Aとルーフ状ミラー34Bは、その奥行き(移動方向Aの方向に関する幅)およびルーフ状ミラーを構成する少なくとも2つの反射面の形成角度が同一である。
このようなルーフ状ミラーの配置によると、インクタンク7をキャリッジにより移動方向Aの方向に移動させたとき、図1に示したような受光素子側では図9(c)のような光量分布となる。このキャリッジ移動時間に対する受光素子の光量分布で分かるように、反射面にキャリッジの移動方向Aに直交するように配置された第1及び第2のルーフミラーユニット30A、30Bにおけるルーフ状ミラー34A、34Bの数量の違いにより、光量ピーク値(1)と(2)の差(3)が発生する。なお、図9(c)では反射光幅(4)と(5)は同じとした。
ここでは、第1及び第2のルーフミラーユニット30A、30Bの反射光の各々の光量ピーク値(1)と(2)や、これら光量ピーク値(1)と(2)の差(3)を検知することでインクタンク7単体での情報が認識できる。そして、キャリッジ上に複数並べて配置したインクタンク7の識別は各色のインクタンクごとにルーフ状ミラーの数量を変更し、受光素子側で得られる各インクタンクの反射体ごとの光量ピーク値や光量ピーク値の差、および各タンク間の光量ピーク値の違いにより各色のインクタンクの識別が可能になる。また、本発明におけるピークとは図9(c)を例にとって説明すると時間軸(X軸)での波形の頂点を示す。
次に本発明であるところの、第1の実施形態における反射体を有する液体収納容器の製造方法について、図10(a)〜(c)を用いて説明する。図10(a)はインクタンク7とは別体に形成した反射体30の概略斜視図である。図10(b)は反射体30をインクタンク7の外壁へ固定する前の状態を説明するための反射体30取り付け部の概略断面図であり、図10(c)は図10(b)と同様の断面図で反射体30をインクタンク7の外壁へ固定した状態を説明するための概略断面図である。
反射体30は射出成形により形成し、反射体30には上述のとおり、第1のルーフミラーユニット30Aにはルーフ状ミラー34Aが8つ、第2のルーフミラーユニット30Bにはルーフ状ミラー34Bが4つ配置されている。インクタンク7の外壁の反射体30を固定する部分には、凹部45Aが、ルーフ状ミラー34Aおよび34Bが進入可能に設けられている。この凹部45Aに反射体30を超音波溶着により固定する。凹部45Aには反射体30を超音波溶着するための容器側固定部である溶着部45Bが設けられており、反射体30には溶着部45Bに対応する位置に反射体側固定部である溶着部30cが設けられている。これらの溶着部30cは、ルーフ状ミラー34Aおよび34Bとは異なった面でしかも離れた位置、すなわち、ルーフ状ミラー34Aおよび34Bが設けられている領域外に設けられているので、超音波溶着の際、ルーフ状ミラー34Aおよび34Bがダメージを受けるおそれがなく好ましい構成である。凹部45Aは、反射体30を超音波溶着で固定されても、ルーフ状ミラー34Aおよび34Bがインクタンク7の壁面に当接することのない程度の深さを有している。このような構成とすることで、図10(c)に示すように、容易に前述の図7で説明した空間47を形成することができる。
このように本発明の製造方法によれば、反射体30をインクタンク7とは別部材としているので、射出成形で形成する場合は反射体30とインクタンク7をそれぞれ最適な成形条件で生産することができ、しかも、液体収納容器型のメンテナンス頻度は反射体のそれに比べて低いので、生産性の向上が望める。また、インクタンクの種類毎(色毎、機種毎等)に液体収納容器の大きな成形型を用意する必要もなく、液体収納容器は共通で、反射体のみの小さな成形型をインクタンクの種類毎に用意すればよいので、投資も最小限に抑えることができる。また、前述のとおり反射体30のルーフ状ミラー30A、30Bとインクタンク7の壁面に空間部を設けることも容易にできる。また、この空間部に反射体と屈折率の大きく異なる物質を封入することも容易にできる。このように、ルーフ状ミラー30A、30Bを周囲が囲われた空間に配置することは、外部からの影響(外力による傷や破損、ほこりやインク等による汚れ等)を受けにくい構成であるので、より好ましい構成である。
本実施形態においては反射体30を射出成形により形成したが、形成方法はこれに限るものではなく、たとえば、レーザ加工やシート状に反射体30を形成してもよい。これらは上記効果に加えて、インクタンクの種類毎(色毎、機種毎等)に反射体30上のルーフ状ミラー30A、30B数量等を変えて加工すればよいので、インクタンクの種類毎(色毎、機種毎等)に反射体30の成形型が必要なくより好ましい構成である。
本実施形態においては反射体30を、インクタンク7に超音波溶着により固定したが、これに限るものではなく、はめ込みや圧入が可能な構造とし、これにより固定する、あるいは粘着剤や接着剤等の他の固定手段でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
本実施形態においては凹部45Aをインクタンク7の壁面に設けたが、反射体30に凹部を形成し、凹部にルーフ状ミラー30A、30Bを形成しても同様の効果が得られることも明白である。
本実施形態では、空間47には空気が存在しており、空間47を完全な密閉空間としても良いが、周囲の環境(温度や気圧)の変化により空間47の内圧が変化するので、一部は大気と連通させておくことが望ましい。本実施形態では、図10に示すとおり、反射体30の周囲4辺のうち、対向する2辺にのみ溶着部を設けており、空間47は実質的に大気開放状態となっている。また、空間47内部に反射体と屈折率の大きく異なる物質を封入する場合には、周囲の環境(温度や気圧)の変化による封入された物質の膨張収縮を吸収するための構成を設けることが望ましい。
本実施形態では、ルーフ状ミラー30A、30Bを前述のとおり配置して説明しているが、この配置に限るものではなく、以下に説明するいずれの構成にも本製造方法が適用でき、同様の効果を奏することは明白である。
なお、ルーフミラーは以下の形態2〜6の各形態のような構成であってもよい。
[形態2]
本形態は上述した形態に対し、ルーフ状ミラーの奥行きを変えた例であり、以下に本形態の詳細について述べる。
[形態2]
本形態は上述した形態に対し、ルーフ状ミラーの奥行きを変えた例であり、以下に本形態の詳細について述べる。
図11は本形態による反射体を説明するための図で、(a)はインクタンク底面の反射体を構成するルーフ状ミラー部拡大図、(b)は(a)のルーフ状ミラーを形成する部分の斜視図、(c)は本形態のルーフ状ミラー配置での受光側における光量分布を示した図である。
図11(a)に示すように、インクタンク7の底面部には図9に示した形態1と同様に、第1及び第2のルーフミラーユニット(反射体)30A、30Bが、インクタンク7の移動方向Aに対してそれぞれのルーフ状ミラーの配置方向が直交するように配置されている。第1のルーフミラーユニット30Aを構成するルーフ状ミラー34Aと、第2のルーフミラーユニット30Bを構成するルーフ状ミラー34Bは数量およびルーフ状ミラーを構成する少なくとも2つの反射面の形成角度が同じである。しかし本形態では、ルーフ状ミラー34Aとルーフ状ミラー34Bは、その奥行き(移動方向Aの方向に関する幅)の違うルーフ状ミラーを配置する。
このようなルーフ状ミラーの配置によると、インクタンク7をキャリッジにより移動方向Aの方向に移動させたとき、図1に示したような受光素子側では図11(c)のような光量分布となる。
本形態では、インクタンク底面に形成されているルーフミラーユニット30A、30Bの奥行きにより、反射光(1)、(2)における反射光幅(3)、(4)が決定される。そして、各反射光(1)、(2)における反射光幅(3)、(4)や、これら反射光幅(3)と(4)の差を検知することでインクタンク単体での情報が認識できる。さらに、キャリッジ上に複数並べて配置したインクタンク7の識別は各色のインクタンクごとにルーフ状ミラーの奥行きを変更し、受光素子側で得られる各インクタンクの反射体ごとの各反射光幅や反射光幅の差、および各タンク間の反射光幅の違いにより各色のインクタンクの識別が可能になる。また、ここで述べた反射光幅による識別方法は、インクジェット特有の問題であるミストにより反射光ピークが低下しても、反射光幅は変化しづらいといった利点も兼ね備えている。
[形態3]
本形態は、ルーフ状ミラーからなるルーフミラーユニット(反射体)の数を変えた例であり、以下に本形態の詳細について述べる。
[形態3]
本形態は、ルーフ状ミラーからなるルーフミラーユニット(反射体)の数を変えた例であり、以下に本形態の詳細について述べる。
図12は本形態による反射体を説明するための図で、(a)はインクタンク底面の反射体を構成するルーフ状ミラー部拡大図、(b)は(a)のルーフ状ミラーを形成する部分の斜視図、(c)は第3の実施形態のルーフ状ミラー配置での受光側における光量分布を示した図である。
図12に示すように、インクタンク7の底面部には、第1のルーフミラーユニット30A、第2のルーフミラーユニット30B、第3のルーフミラーユニット30Cが、インクタンク7の移動方向Aに対してそれぞれのルーフ状ミラーの配置方向が直交するように配置されている。本形態では、第1のルーフミラーユニット30Aを構成するルーフ状ミラー34Aと、第2のルーフミラーユニット30Bを構成するルーフ状ミラー34Bと、第3のルーフミラーユニット30Cを構成するルーフ状ミラー34Cは数量、その奥行き(移動方向Aの方向に関する幅)、およびルーフ状ミラーを構成する少なくとも2つの反射面の形成角度が同じである。しかし本形態では、第1のルーフミラーユニット30Aと第2のルーフミラーユニット30Bの配置ピッチBに対して、第2のルーフミラーユニット30Bと第3のルーフミラーユニット30Cの配置ピッチCが異なっている。
このようなルーフ状ミラーの配置によると、インクタンク7をキャリッジにより移動方向Aの方向に移動させたとき、図1に示したような受光素子側では図12(c)のような光量分布となる。
本形態では、インクタンク底面に形成されているルーフミラーユニット30A、30B、30Cの配置ピッチB、Cにより反射光(1)、(2)、(3)間のピッチが決定される。そして、ピークを持つ(1)、(2)、(3)の数量(ここでの数量は3つ)や、これら反射光間ピッチ(4)、(5)を検知することでインクタンク単体での情報が認識できる。
ピークを持つ反射光(1)、(2)、(3)の検出タイミング、すなわち、インクタンクに設けられた反射体のインクタンクに対する絶対位置を検知することでインクタンク単体での情報が認識できる。
したがって、キャリッジ上に複数並べて配置したインクタンク7の識別は、上述の通り各色のインクタンクごとにルーフミラーユニットの数量や位置、ピッチを変更し、ピークを持つ反射光の数量や反射光間ピッチ、及び反射光の受光タイミングの違いを検出することで各色のインクタンクの識別が可能になる。また、ここで述べたピークを持つ反射光の数量による識別方法は、ある一定のしきい値(しきい値を低く設定することが可能)以上の反射光があれば数量の識別が可能であるため、製造時の反射体のバラツキを許容することができるので反射体の生産が比較的容易であり、結果的に液体収納容器のコストダウンになるといった利点がある。
[形態4]
本形態は、一つのルーフミラーユニット内でルーフ状ミラーの角度を変えたものを一緒に配置した1例であり、なおかつ受光側センサーの計測エリアが分割可能なときの想定である。以下、本形態の詳細について述べる。
[形態4]
本形態は、一つのルーフミラーユニット内でルーフ状ミラーの角度を変えたものを一緒に配置した1例であり、なおかつ受光側センサーの計測エリアが分割可能なときの想定である。以下、本形態の詳細について述べる。
図13は本形態による反射体を説明するための図で、(a)はインクタンク底面の反射体を構成するルーフ状ミラー部拡大図、(b)は(a)のルーフ状ミラーを形成する部分の斜視図、(c)は本形態の反射体と検出装置(受光素子、発光素子)との光学的な関係を表した図である。図14(a)、(b)は本形態のルーフ状ミラー配置での受光側における光量分布を示した図である。
図13に示すように、インクタンク7の底面部には反射体(ルーフミラーユニット)30が、インクタンク7の移動方向Aに対してそれぞれのルーフ状ミラーの配置方向が直交するように配置されている。本形態では、反射体30を構成するルーフ状ミラーが8つ配置され、それぞれの奥行き(移動方向Aの方向に関する幅)は同じである。特に、一つの反射体30が、図中右端から5つのルーフ状ミラー34aとこれに連続する3つのルーフ状ミラー34bとで構成されている。ルーフ状ミラー34aとルーフ状ミラー34bは、ルーフ状ミラーを構成する少なくとも2つの反射面の形成角度が異なっている。
このような反射体の構成によると、図13(c)に示すように、点光源31から反射体30に出射された光は反射体30のルーフ状ミラー34aとルーフ状ミラー34bで2つの反射光に別れて、受光素子32上に集光する。本形態では図13(c)のように反射体30下部の投影領域内に点光源31及び受光素子32を配置しているが、点光源31の位置はルーフ状ミラー34aとルーフ状ミラー34bに光が照射される位置であれば、受光素子32の検出エリアの外側にあってもよい。
また、インクタンク7をキャリッジにより移動方向Aの方向に移動させたとき、2つに別れたそれぞれの反射光を受光する受光素子32のそれぞれの検出エリアでは図14(a)と図14(b)のような光量分布となる。
そして、図14(a)と図14(b)に示すように検出エリアごとの反射光(1)、(2)を計測し、検出エリアごとに形態1(図9)で説明した各反射光の光量ピーク値、光量ピーク値の差、光量ピーク値の違いや、形態2(図11)で説明した各反射光幅、反射光幅の違い、反射光幅差、および形態3(図12)で説明したピークを持つ反射光間ピッチ、反射光受光タイミング、反射光の受光側との位置など検出し、各々の検出エリアどうしで比較することで、インクタンク単体での情報を認識する。
そして、キャリッジ上に複数並べて配置したインクタンク7を識別するには、各色のインクタンクごとに、今までに述べた一つのルーフミラーユニット内でルーフ状ミラーの反射面角度、数量および位置を変更することで、形態1(図9)で説明した各反射光の光量ピーク値、光量ピーク値の差、光量ピーク値の違いや、形態2(図11)で説明した各反射光幅、各反射光幅の違い、反射光幅差、及び形態3(図12)で説明したピークを持つ反射光間ピッチ、反射光受光タイミング、反射光の受光側との位置の違いにより、各色のインクタンクの識別が可能になる。
なお、ここでは反射体30を一つ配置しているが、平行に複数配置してもよい。
[形態5]
本形態は、一つのルーフミラーユニット内でルーフ状ミラーの数を変えたものを一緒に配置した1例であり、なおかつ受光側センサーの計測エリアが分割可能なときの想定である。以下、本形態の詳細について述べる。
[形態5]
本形態は、一つのルーフミラーユニット内でルーフ状ミラーの数を変えたものを一緒に配置した1例であり、なおかつ受光側センサーの計測エリアが分割可能なときの想定である。以下、本形態の詳細について述べる。
図15は本形態による反射体を説明するための図で、(a)はインクタンク底面の反射体を構成するルーフ状ミラー部拡大図、(b)は(a)のルーフ状ミラーを形成する部分の斜視図、(c)は第5の実施形態の反射体と検出装置(受光素子、光源)との光学的な関係を表した図である。図16の(a)、(b)は第5の実施形態のルーフ状ミラー配置での受光側における光量分布を示した図である。
本形態は、形態4と同様、図15(a)に示すように、インクタンク7の底面部に反射体(ルーフミラーユニット)30が、インクタンク7の移動方向Aに対してそれぞれのルーフ状ミラーの配置方向が直交するように配置されている。そして、反射体30を構成するルーフ状ミラーが8つ配置され、それぞれの奥行き(移動方向Aの方向に関する幅)は同じであり、一つの反射体30が、図中右端から5つのルーフ状ミラー34aとこれに連続する3つのルーフ状ミラー34bとで構成されている。しかし、形態4と異なり、ルーフ状ミラーを構成する少なくとも2つの反射面の形成角度は同じであるが、ルーフ状ミラー34aとルーフ状ミラー34bでは配置ピッチが異なっている。
このような反射体の構成によると、図15(c)に示すように、点光源31から反射体30に出射された光は反射体30のルーフ状ミラー34aとルーフ状ミラー34bで2つの反射光に別れて、受光素子32上に集光する。本形態では図15(c)のように反射体30下部の投影領域内に点光源31及び受光素子32を配置しているが、点光源31の位置はルーフ状ミラー34aとルーフ状ミラー34bに光が照射される位置であれば、受光素子32の検出エリアの外側にあってもよい。
また、インクタンク7をキャリッジにより移動方向Aの方向に移動させたとき、2つに別れたそれぞれの反射光を受光する受光素子32のそれぞれの検出エリアでは図16(a)と図16(b)のような光量分布となる。
そして、図16(a)と図16(b)に示すように検出エリアごとの反射光(1)、(2)を計測し、検出エリアごとに形態1(図9)で説明した各反射光の光量ピーク値、光量ピーク値の差、光量ピーク値の違いや、形態2(図11)で説明した各反射光幅、反射光幅の違い、反射光幅差、および形態3(図12)で説明したピークを持つ反射光間ピッチ、反射光受光タイミング、反射光の受光側との位置など検出し、各々の検出エリアどうしで比較することで、インクタンク単体での情報を認識する。
そして、キャリッジ上に複数並べて配置したインクタンク7を識別するには、各色のインクタンクごとに、今までに述べた一つのルーフミラーユニットでルーフ状ミラーの数量、配置ピッチを変更することで、図9で説明した各反射光の光量ピーク値、光量ピーク値の差、光量ピーク値の違いや、図11で説明した各反射光幅、反射光幅の違い、反射光幅差、及び図12で説明したピークを持つ反射光間ピッチ、反射光受光タイミング、反射光の受光側との位置の違いにより、各色のインクタンクの識別が可能になる。
なお、ここでは反射体30を一つ配置しているが、平行に複数配置してもよい。
[形態6]
本形態は、前述の各形態で説明した反射体の配置の変形例であり、反射体を平行配置しているものを、互いに垂直な向きに配置したものを示す。以下に本形態の詳細について述べる。
[形態6]
本形態は、前述の各形態で説明した反射体の配置の変形例であり、反射体を平行配置しているものを、互いに垂直な向きに配置したものを示す。以下に本形態の詳細について述べる。
図17は本形態による反射体を説明するための図で、(a)はインクタンク底面の反射体を構成するルーフ状ミラー部拡大図、(b)は(a)のルーフ状ミラーを形成する部分の斜視図、(c)は本形態のルーフ状ミラー配置での受光側における光量分布を示した図である。
図17(a)に示すように、インクタンク7の底面部に、第1及び第2のルーフミラーユニット(反射体)30A、30Bが互いに垂直な向きに配置されている。第1のルーフミラーユニット30Aを構成するルーフ状ミラー34Aの配置方向はインクタンク7の移動方向Aと平行な方向であり、第2のルーフミラーユニット30Bを構成するルーフ状ミラー34Bの配置方向はインクタンク7の移動方向Aと直交する方向である。本実施形態ではルーフ状ミラー34Aとルーフ状ミラー34Bは奥行き(ルーフ状ミラーの配置方向と直交する方向の幅)、数量およびルーフ状ミラーを構成する少なくとも2つの反射面の形成角度は同じである。しかし、ルーフ状ミラーの奥行き、数量および反射面の形成角度、さらには配置ピッチなどは前述の各形態で説明したようにインクタンクを識別するためにインクタンクごとに異ならせる必要がある。
このようなルーフ状ミラーの配置によると、インクタンク7をキャリッジにより移動方向Aの方向に移動させたとき、図1に示したような受光素子側では図17(c)のような光量分布となる。この光量分布を受光素子で検出して検出装置側で解析することでインクタンク単独での情報を認識する。
本形態でも、前述の各形態で説明した各種の識別方法により、受光素子側で得られるインクタンクごとの反射体の反射光のパターンの特長より各色のインクタンクを識別することが可能である。
(第2の実施の形態)
図18は本実施形態の反射体を有する液体収納容器の製造方法を説明する図である。図18(a)はインクタンク7とは別体として形成した反射体30の概略斜視図であり、図18(b)は反射体30をインクタンク7の外壁へ固定する前の状態を説明するための反射体30取り付け部の概略断面図であり、図18(c)は図18(b)と同様の断面図で反射体30をインクタンク7の液体収納室45の外壁へ固定した状態を説明するための概略断面図である。
(第2の実施の形態)
図18は本実施形態の反射体を有する液体収納容器の製造方法を説明する図である。図18(a)はインクタンク7とは別体として形成した反射体30の概略斜視図であり、図18(b)は反射体30をインクタンク7の外壁へ固定する前の状態を説明するための反射体30取り付け部の概略断面図であり、図18(c)は図18(b)と同様の断面図で反射体30をインクタンク7の液体収納室45の外壁へ固定した状態を説明するための概略断面図である。
本実施形態の製造方法において第1の実施形態で説明した製造方法と異なる点は、反射体30とインク残量検知用のプリズム50を一体的に形成している点であり、その他の構成は第1の実施形態で説明した構成と同様であるので説明を省略する。
プリズム50は、ルーフ状ミラー34A、34Bが形成されている領域内に形成され、液体収納室45内のインク44と直接接する構成となっている。液体収納室45内にインク44が存在する場合は、プリズム50の下部から投光された光は、プリズム反射面50Aで反射することなく液体収納容器内へ透過してしまう。一方、液体収納室45内のインク44が空になると、下部から投光された光はプリズム反射面50Aの2面で反射して下部へと光を反射する。この反射光を検知することで、液体収納室45内のインク44が空になったことを検知できる構成となっている。インクタンク7の反射体30が固定される部分には第1の実施形態同様、凹部45Aが設けられ、プリズム50が組み込まれる部分には液体収納室45の内部へ貫通された貫通穴45Cが設けられている。反射体30を第1の実施形態同様に超音波溶着により固定する。その際、図18(a)に示すようにプリズム50の周囲は全周が液体収納室45に溶着される構成となっており、液体収納室45の内部が密閉される構成となっている。ルーフ状ミラー34Aおよび34B部は、第1の実施形態と同様対向する2辺のみがインクタンク7に溶着されるので、空間47は第1の実施形態同様実質的に、大気と連通された状態となっている。
通常、プリズム反射面50Aは鏡面状態となっているが、プリズム反射面50Aが粗くなるとインク44が貼り付き、インク44が空になっても光が反射しにくくなり、液体収納室45内が空になっているにも拘わらず、インク44が残存しているとの誤検知を引き起こす場合がある。このような誤検知を防止するため、インクタンク7と一体的に形成する場合には、前述のとおり、プリズム50を成形する部分の型のメンテナンス頻度を高くせざるを得ず、生産性を著しく低下させていた。
しかしながら、本構成のように、プリズム50をインクタンク7と別部品とし反射体30と一体的に形成することで第1の実施形態に記載の効果に加えて、上述の課題も解決し、より生産性の高い液体収納容器を得ることが可能となる。しかも、一回の溶着で、液体収納容器内45内の密閉と空間47を形成することができる構成となっている。
なお、前述の各形態で図示した光量分布図(図9(c)、図11(c)、図12(c)、図14、図16、図17)では、より説明しやすいように、回折による光量の分布を省いている。
図19は、どのように回折光によって光量分布が得られるかを説明する図である。同図(a)に示すようにピークの高い3本の反射光があると仮定すると、実際は、同図(b)に示すように前後に回折により低いピークを持つ反射光が発生している。ここで発生している回折光にも、前述の各形態でそれぞれ説明した識別方法を適用することにより、各色のインクタンクを識別するのにより多くの識別手法を得ることが可能になる。
例えば、受光素子受光量のしきい値を、回折光のピーク値よりも低く設定すれば、回折光もピークを持つ反射光の一つとみなすことができるので、前述の各形態でそれぞれ説明した識別方法を適用することにより、各色のインクタンクを識別するのにより多くの識別手法を得ることが可能になる。また、図19(a)に示すように3本のピークを持つ反射光があった場合、実際にはそれぞれの反射光間にも回折光は発生しているが、回折光は3本のピークを持つ反射光に隠れてしまい、実際は、同図(b)に示すように前後に低いピークを持つ回折光が発生している。したがって、3本のピークを持つ反射光間のピッチを広げ、それぞれの回折光を検出できるように構成すれば、低いピークを持つ回折光もピークを持つ反射光の一つとみなすことができるので、前述の各形態でそれぞれ説明した識別方法を適用することにより、各色のインクタンクを識別するのにさらに多くの識別手法を得ることが可能になる。
また、前述の各形態1〜6では、図20の(a)に示す反射体の形状で同図(b)の(1)に示すルーフ状ミラーの形状を採用し、同図(c)の(1)のように発光素子からの光がルーフ状ミラーによって2回の反射を経てから受光素子に集光させた例のみを示したが、本発明に適用する反射体のルーフ状ミラーの形状はこれに限られない。例えば、図20(b)の(2)や(3)に示すような形状(3角錐〜多角錐)でも同図(c)の(2)や(3)に示すように2回の反射が得られる。さらに前述の各形態1〜6では2回の反射のみの場合を示しているが、多角錐にすることで2回以上の反射が行われても前述の各形態1〜6と同様の効果が得られる。
また、前述の各形態1〜6で述べた構成は、インクタンクにおける反射体の数量が常に複数個記載されているが、反射体が1個であっても同様の識別及び判別可能であることは言うまでも無い。
また、前述の各形態1〜6で述べた構成は、インクタンクにおける反射体スペースが許す限り組み合わせ可能であり、またインクタンクの色ごとに第1の実施形態の反射体をマゼンタインクタンクに配置し、第2の実施の形態をイエローインクタンクに配置するなどの組み合わせも可能である。
また、前述の各形態1〜6で述べた構成では、図7に示したようにインクタンク下面壁内に気体を配置し反射体加工面(ルーフ状ミラー形成面)に接するような組み合わせのみが説明されている。しかしながら、コストはかかるが反射体加工面にアルミなどの反射膜を蒸着することにより、インクタンク壁内に気体層などを設けずに配置したり、またインクタンク外面に反射体加工面を配置するなどしても同様の効果を得ることが可能であるため、用途に応じて適時選択及び組み合わせも可能である。
また、前述の各形態1〜6で述べた構成では、インクタンクをキャリッジに移動させて反射体からの反射光を検出したが、反射光を検出するための投光素子(発光素子)及び受光素子からなる検出装置側を移動させる方法をとっても同様の効果を得ることができる。さらに、その投光素子(発光素子)及び受光素子は本実施形態のように別体であっても、また一体構成であっても構わない。
また、上述したインクタンク(液体収納容器)の反射体におけるルーフ状ミラーのパターン構成によって識別させる情報としては、インクタンクの製造年月日、インクタンクの種類(色、型式など)、インクの物性値(染料、顔料、粘度など)が考えられる。
最後に、上述のインクタンクを搭載可能なインクジェット記録装置の一例について、図21を用いて説明する。
図21に示す記録装置は、上述したルーフ状ミラー34からなる反射体30を設けた複数のインクタンク7が着脱自在であってインクジェット記録ヘッドを備えたヘッドホルダ200を搭載するキャリッジ81と、インクジェット記録ヘッド(不図示)の複数のオリフィスからのインク乾燥を防止するためのヘッドキャップとその記録ヘッドの動作不良時に複数のオリフィスからインクを吸引するための吸引ポンプとが組み込まれたヘッド回復ユニット82と、被記録媒体としての記録用紙が搬送される給紙面83とを備える。
キャリッジ81は、ヘッド回復ユニット82上での位置をホームポジションとしており、ベルト84がモータなどにより駆動されることで図中の左方向へ走査される。この走査中に、給紙面(プラテン)83上に搬送された記録用紙に向けてヘッドよりインクを吐出することで記録が行なわれる。
1 光源
2 受光素子
7 インクタンク
7a インクタンク壁
30 反射体
30A 第1のルーフミラーユニット
30B 第2のルーフミラーユニット
30C 第3のルーフミラーユニット
30al 反射面(アルミ反射膜)
30c 溶着部
31 発光素子(光源、点光源)
32 受光素子
33 光線
34、34a、34b、34A、34B、34C ルーフ状ミラー
35 反射体間部
41 インク吸収体
42 インク吸収体室
43 連通路
44 インク
45 液体収納室
45A 凹部
45B 溶着部
45C 貫通穴
46 インク供給部
47 空間
50 プリズム
50A プリズム反射面
81 キャリッジ
82 ヘッド回復ユニット
83 給紙面
84 ベルト
200 ヘッドホルダ
PS フォトセンサ
2 受光素子
7 インクタンク
7a インクタンク壁
30 反射体
30A 第1のルーフミラーユニット
30B 第2のルーフミラーユニット
30C 第3のルーフミラーユニット
30al 反射面(アルミ反射膜)
30c 溶着部
31 発光素子(光源、点光源)
32 受光素子
33 光線
34、34a、34b、34A、34B、34C ルーフ状ミラー
35 反射体間部
41 インク吸収体
42 インク吸収体室
43 連通路
44 インク
45 液体収納室
45A 凹部
45B 溶着部
45C 貫通穴
46 インク供給部
47 空間
50 プリズム
50A プリズム反射面
81 キャリッジ
82 ヘッド回復ユニット
83 給紙面
84 ベルト
200 ヘッドホルダ
PS フォトセンサ
Claims (10)
- 液体を吐出して記録を行う記録装置に用いられる、少なくとも2つの反射面を所定の角度で配置してなるルーフ状ミラーが所定の方向に複数個並んだ構成の反射体を有し、内部に液体を収容する液体収納容器の製造方法であって、
前記反射体を用意形成する工程と、
前記液体収納容器の外壁に該反射体を固定する工程を有することを特徴とする液体収納容器の製造方法。 - 前記各ルーフ状ミラーと前記外壁との間に空間が形成されるように固定する工程を含む、請求項1に記載の液体収納容器の製造方法。
- 前記反射体の前記各ルーフ状ミラーが設けられた領域外に、前記反射体を前記液体収納容器に固定する反射体側固定部を形成する工程と、
前記固定部を固定する容器側固定部を備え、前記各ルーフ状ミラーが進入可能な凹部を前記外壁に形成する工程と、
前記容器側固定部に前記反射体側固定部を取り付けて固定する工程を含む、請求項1または2に記載の液体収納容器の製造方法。 - 前記反射体を射出成形により形成する工程を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体収納容器の製造方法。
- 前記反射体をレーザ加工により形成する工程を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の液体収納容器の製造方法。
- 前記反射体をシート成形により、シート状に形成する工程を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の液体収納容器の製造方法。
- 前記反射体を超音波溶着により固定する工程を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の液体収納容器の製造方法。
- 前記反射体をはめ込みにより固定する工程を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の液体収納容器の製造方法。
- 前記反射体を接着剤または粘着剤により固定する工程を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の液体収納容器の製造方法。
- 前記反射体の、前記ルーフ状ミラーが形成される領域内にプリズムを一体形成する工程と、
前記外壁に前記プリズムを貫通させる貫通穴を形成する工程と、
前記プリズムを前記貫通穴に貫通させて前記反射体を前記外壁に固定する工程とを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の液体収納容器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003417033A JP2005170005A (ja) | 2003-12-15 | 2003-12-15 | 液体吐出記録装置用液体収納容器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003417033A JP2005170005A (ja) | 2003-12-15 | 2003-12-15 | 液体吐出記録装置用液体収納容器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005170005A true JP2005170005A (ja) | 2005-06-30 |
Family
ID=34736069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003417033A Pending JP2005170005A (ja) | 2003-12-15 | 2003-12-15 | 液体吐出記録装置用液体収納容器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005170005A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110871630A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-03-10 | 精工爱普生株式会社 | 液体容器、液体消耗装置以及液体消耗装置的控制方法 |
CN113820279A (zh) * | 2021-10-22 | 2021-12-21 | 郑州如阳科技有限公司 | 一种长光程气体激光检测吸收池 |
-
2003
- 2003-12-15 JP JP2003417033A patent/JP2005170005A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110871630A (zh) * | 2018-08-31 | 2020-03-10 | 精工爱普生株式会社 | 液体容器、液体消耗装置以及液体消耗装置的控制方法 |
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