JP2005169977A - 画像記録材料用支持体及び画像記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 画像未形成の非画像部(地肌部)が高度の白色性、耐候性を有し、高度のシャープさ及び鮮やかさを具備する写真ライクな高画質画像の形成を可能とする画像記録材料用支持体及び画像記録材料を提供する。
【解決手段】 画像記録材料用支持体又は画像記録材料が、粒子の表面に蛍光増白剤を固着した複合化粒子を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非画像部が白色性で写真ライクな高画質画像の形成に好適な画像記録材料用支持体及び画像記録材料に関する。
近年、情報産業の急速な発展に伴ない、種々の情報処理システムが開発され、その情報処理システムに適した記録方法及び装置も開発されて、各々実用化されている。
実用化されている記録方法としては、銀塩写真法や電子写真法、インクジェット記録方法、感熱記録方法、昇華転写法、熱転写法などが知られている。これらのうち例えば、インクジェット記録方法は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であること、コンパクトであること、静粛性に優れること等の点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられるようになっている。そして近年では、ハード(装置)など高解像度化等に伴なって写真ライクな高画質記録が可能になってきている。
このように、記録された画像が鮮鋭で鮮やかな高画質であることが要求されるのは上記いずれの記録方法においても同様であり、これと同時に更に耐候性にも優れていることが要求されている。
上記に対し、特定のアスペクト比を持つ雲母等の薄片状粒子表面に特定粒径のTiO2を固着した複合粒子を支持体の樹脂被覆層に含有した支持体がある(例えば、特許文献1参照)。この支持体では、かかる複合粒子の使用により白色度や画像の鮮鋭性(シャープネス)を維持しつつチタン量を低減し得る点で効果的ではあるが、非画像部の白さ(地肌白色)としては必ずしも充分でなく、耐候性も不充分であった。
また、ハロゲン化銀写真感光材料において、支持体の樹脂被覆層中に特定の蛍光増白剤を含有する技術がある(例えば、特許文献2〜3参照)。この技術では、蛍光増白剤の含有により非画像部の白さやその耐候性をある程度付与できるが、蛍光増白剤は樹脂材(層)中にフリーで存在するために例えば共存する微粒子による散乱の影響等を受けて蛍光増白剤の寄与しない吸収を完全に排除できず、結果的に白さ及び耐候性が不充分となる課題があった。
特開2002−172740号公報 特開平9−203984号公報 特開平9−204001号公報
以上のように、記録材料の非画像部においてある程度の白色度や耐候性を得る技術はこれまで提案されているものの、地肌のまま残る非画像部を着色のない白色に構成して高度のシャープさ及び鮮やかさを具備する写真ライクな高画質を得る技術は、未だ確立されていないのが現状である。
本発明は、上記に鑑み成されたものであり、画像未形成の非画像部(地肌部)が高度の白色性、耐候性を有し、高度のシャープさ及び鮮やかさを具備する写真ライクな高画質画像の形成を可能とする画像記録材料用支持体及び画像記録材料を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 粒子の表面に蛍光増白剤を固着した複合化粒子を含むことを特徴とする画像記録材料用支持体である。
<2> 前記粒子が、平均粒子径20μm以下の無機粒子である前記<1>に記載の画像記録材料用支持体である。
<3> 前記無機粒子が二酸化チタン、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウムの少なくとも一種を含む前記<2>に記載の画像記録材料用支持体である。
<4> 原紙並びに、前記複合化粒子と水溶性樹脂及び/又は水分散性ラテックスとを含む下塗り層を有する前記<1>〜<3>のいずれかに記載の画像記録材料用支持体である。
<5> インクジェット記録媒体、電子写真用受像材料、感熱発色記録用材料、昇華転写受像材料、熱転写受像材料、及び銀塩写真感光材料より選択されるいずれかに用いられる前記<1>〜<4>のいずれかに記載の画像記録材料用支持体である。
<6> 粒子の表面に蛍光増白剤を固着した複合化粒子を含むことを特徴とする画像記録材料である。
<7> 前記<1>〜<4>のいずれかに記載の画像記録材料用支持体と画像記録層とを有する前記<6>に記載の画像記録材料である。
<8> 前記画像記録層がインク受容層であり、前記インク受容層が微粒子と水溶性樹脂とを含む前記<7>に記載の画像記録材料である。
<9> 前記微粒子が、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイトから選択される少なくとも一種を含む前記<8>に記載の画像記録材料である。
<10> 前記インク受容層に含まれる水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類より選択される少なくとも一種を含む前記<8>又は<9>に記載の画像記録材料である。
本発明によれば、画像未形成の非画像部(地肌部)が高度の白色性、耐候性を有し、高度のシャープさ及び鮮やかさを具備する写真ライクな高画質画像の形成を可能とする画像記録材料用支持体及び画像記録材料を提供することができる。
本発明においては、粒子の表面に蛍光増白剤を固着した複合化粒子を含有することを特徴とする。以下、本発明の画像記録材料用支持体及び画像記録材料について詳細に説明する。
[画像記録材料用支持体]
本発明の画像記録材料用支持体は、粒子の表面に蛍光増白剤を固着した複合化粒子(以下、「本発明に係る複合化粒子」ともいう。)の少なくとも一種を用いて構成される。本発明においては、蛍光増白剤を単に一成分として含むのではなく、蛍光増白剤を所望の粒子の表面に固着させて複合化した複合化粒子として含有するので、蛍光増白剤がフリーで含有された系に比し、蛍光増白剤が一般に共存する白色顔料等に固定化されているために粒子間散乱の影響が抑えられ、より効果的に蛍光効果を得ることができ、更に蛍光増白剤の光等による分解の影響を減少させることができる。その結果、非画像部(地肌部)の白さを飛躍的に高めることができ、地肌耐候性をも向上させることができる。
本発明の画像記録材料用支持体は、基体のみからなる支持体、あるいは基体の上に少なくとも一層の下塗り層を設けてなる支持体など、いずれに構成された支持体であってもよい。基体のみからなる場合、樹脂製の基体のときには樹脂などに混練する等して複合化粒子を含有でき、紙基材の両面に樹脂層を有する樹脂被覆紙を基体とするときには該樹脂層に複合化粒子を含有することができる。また、基体の上に下塗り層を設けてなる場合は、下塗り層に複合化粒子を含有させることができる。また、支持体の構成要素(基体や層など)の二つ以上において含有させる態様とすることもできる。
−複合化粒子−
〈蛍光増白剤〉
本発明に係る蛍光増白剤には、特に制限はなく公知のものの中から少なくとも一種を適宜選択して用いることができる。蛍光増白剤は、その蛍光により短波長側の反射率が向上し可視部全域にわたる反射率が均一化して白色度が向上する。ところが、単に他成分と共に含有するのみでは必ずしも効果的でなく、後述の粒子に固着させて複合化した形態で含有することによって、散乱などの影響で蛍光増白剤が寄与しない吸収が抑えられ、より効果的に蛍光効果を得ることができる。また、蛍光増白剤の光等による分解の影響を減少させる点で有用である。
前記蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン系、クマリン系、ピラゾリン系、イミダゾロン系、イミダゾール系、トリアゾール系、オキサゾール系、ナフタルイミド系、チオフェン系、スチリル系等の蛍光増白剤等が挙げられる。これらの中でも、ビス(ベンゾオキサゾリル)スチルベン系蛍光増白剤、ビス(ベンゾオキサゾリル)ナフタレン系蛍光増白剤、ビス(ベンゾオキサゾリル)チオフェン系蛍光増白剤、クマリン系蛍光増白剤、ピラゾリン系蛍光増白剤が好ましい。
前記ビス(ベンゾオキサゾリル)スチルベン系化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005169977
前記一般式(I)中のR1、R2、R3、及びR4は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜15の置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基等の有機性基を好適に表し、R1〜R4は互いに同一でも異なっていてもよい。好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基などである。
前記ビス(ベンゾオキサゾリル)ナフタレン系蛍光増白剤としては、下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005169977
前記一般式(II)中のR5、R6、R7、及びR8は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜15の置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基等の有機性基を好適に表し、R5〜R8は互いに同一でも異なっていてもよい。好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基などである。
前記ビス(ベンゾオキサゾリル)チオフェン系蛍光増白剤としては、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005169977
前記一般式(III)中のR9、R10、R11、及びR12は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜15の置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基等の有機性基を好適に表し、R9〜R12は互いに同一でも異なっていてもよい。好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、tert−オクチル基などである。
前記ピラゾリン系蛍光増白剤としては、ピラゾリン誘導体とピラゾロン誘導体とを含み、好ましくは下記一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005169977
前記一般式(IV)中のR13、R14、及びR15は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜15の置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アリール基及び置換されていてもよいスルホンアミド等の有機性基を好適に表し、R13〜R15は互いに同一でも異なっていてもよい。好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、フェニル基、tert−オクチル基などである。
前記クマリン系蛍光増白剤としては、下記一般式(V)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005169977
前記一般式(V)中のR16は、トリアジンやトリアゾール環を含む有機性基を好適に表し、R17はアルキル基、アルコキシ基、アリール基等の有機性基を好適に表す。
以下、前記蛍光増白剤の好ましい具体例を示す。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
Figure 2005169977
Figure 2005169977
Figure 2005169977
Figure 2005169977
Figure 2005169977
前記蛍光増白剤は、一種単独で含有する以外に二種以上を併用してもよい。
前記蛍光増白剤の画像記録材料用支持体における量としては、1〜100mg/m2が好ましく、5〜80mg/m2がより好ましい。蛍光増白剤を上記範囲で含有することにより、鮮鋭で鮮やかな画像の形成に好適な地肌白色性、地肌耐候性を得ることができる。
〈粒子〉
本発明に係る粒子は、無機粒子及び有機粒子の中から適宜選択することができ、特に粒子径が小さく、白色系の粒子、非水溶性の粒子が好ましい。この粒子は既述の蛍光増白剤を固着した複合粒子の状態で含有され、それ自体白色を呈すると共に蛍光増白剤を固定化して記録面の白色及びその耐候性を効果的に向上させる。
前記無機粒子は、特に制限されるものではないが、例えば、気相法シリカ等のシリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。これらの中でも、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが好ましく、二酸化チタン、炭酸カルシウムが特に好ましい。
前記有機粒子は、特に制限されるものではないが、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アイオノマー樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン、及びこれら樹脂の共重合樹脂、並びにセルロース系化合物、澱粉などの有機物の粒子が挙げられる。これらの中でも、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル系樹脂、澱粉の粒子が好ましい。
前記有機粒子の形状については、特に制限はなく、球形状に近いほど好ましいと推定され、特に真球状が好ましい。
粒子の平均粒径としては、平均一次粒径で20μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましく、1μm以下が特に好ましい。更には、平均一次粒径が1μm以下の二酸化チタン粒子、平均一次粒径が1μm以下の炭酸カルシウムが最も好ましい。上記の平均一次粒径は0.5μmを下限値とするのが好ましい。
前記粒子は、一種単独で含有する以外に二種以上を併用することもできる。
〈蛍光増白剤の固着〉
本発明においては、蛍光増白剤は既述のように粒子の表面に固着させて複合化した複合化粒子として用いられる。本明細書において、「固着」とは、粒子の表面に対し蛍光増白剤が固定化されている状態であり、詳細には「粒子設計工学」粉体工学編、産業図書発行(1999)、「粉体工学(基礎編)」川北、小石、種谷ら著、槇書店(1974)、「微粒子設計」小石真純編著、工業調査会(1987)に記載のように複合化して得られる状態である。
本発明に係る複合化粒子は、粒子と蛍光増白剤との混合物(更に他の成分を含んでもよい)に高剪断力を与えるようにして好適に、蛍光増白剤を粒子表面に固着させることができる。具体的には、例えば高剪断を付与できるミキサーを用いて混合する方法が挙げられ、例えば、ハイブリダイゼーション・システム((株)奈良機械製作所製;「粉体と工学」渡辺健一、VOL.27,No.8(1995)等参照)、ヘンシェルミキサーやQ型ミキサー(三井鉱山(株)製)、スーパーミキサー((株)カワタ製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン(株)製)、シータコンポーザ((株)特寿工作所製)、等が挙げられる。
本発明に係る複合化粒子を作製するにあたり、複合化粒子を構成する粒子(s)と蛍光増白剤(t)との配合比率(s:t;質量比)としては、99:1〜70:30であるのが好ましく、99:1〜80:20であるのが好ましい。該配合比率を上記範囲とすることにより、蛍光効果(白さ)が効果的に得られ、白色の良好な地肌を有してシャープさ及び鮮やかさを高度に具備する写真ライクな高画質画像を形成することができる。
複合化粒子における配合比率が上記範囲であるときの、画像記録材料用支持体における複合化粒子の含有量としては、0.05〜5g/m2が好ましく、0.1〜2.5g/m2がより好ましい。
−基体−
支持体を構成する基体としては、例えば、プラスチックなどの透明材料よりなる透明基体、紙や、紙基材の両面に樹脂層を有する樹脂被覆紙などの不透明材料で構成される不透明基体、のいずれもを挙げることができる。また、CD−ROM、DVD−ROM等の読み出し専用光ディスク、CD−R、DVD−R等の追記型光ディスク、更には書き換え型光ディスクを基体として用い、レーベル両側に画像記録層(例えばインク受容層)を設けるようにすることもできる。
前記透明基体に使用可能な材料としては、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ましい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポリエステル類が好ましく、特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
前記透明基体の厚みとしては、特に制限はないが、取扱い易い点で、50〜200μmが好ましい。
高光沢性の不透明基体としては、インク受容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有するものが好ましい。前記光沢度は、JIS P−8142(紙及び板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載の方法にしたがって求められる値である。具体的には、下記支持体が挙げられる。
例えば、アート紙、コート紙、キャストコート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有させて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていてもよい。)高光沢性のフィルム;或いは、前記各種紙支持体、前記透明基体若しくは白色顔料等を含有する高光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体等が挙げられる。白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸により空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることができる。更に銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコート紙も好適である。
前記不透明基体の厚みについても特に制限はないが、取扱い性の点で、50〜300μmが好ましい。
また、前記支持体の表面には、濡れ特性及び接着性を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施したものを使用してもよい。
次に、レジンコート紙など紙基体の構成に好適な原紙について詳述する。
前記原紙としては、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。前記木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただし、LBSP及び/又はLDPの比率としては、10質量%以上、70質量%以下が好ましい。
前記パルプは、不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好適に用いられ、漂白処理を行なって白色度を向上させたパルプも有用である。
原紙中には、既述の本発明に係る複合化粒子の添加が可能である以外に、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン等の白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することができる。
抄紙に使用するパルプの濾水度としては、CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される24メッシュ残分質量%と42メッシュ残分の質量%との和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
原紙の坪量としては、30〜250gが好ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さとしては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階又は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(JIS P−8118)が一般的である。
更に、原紙剛度としては、JIS P−8143に規定される条件で20〜200gが好ましい。
原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよく、表面サイズ剤としては、前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JIS P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
原紙表面及び裏面を被覆するポリエチレンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)及び/又は高密度のポリエチレン(HDPE)であるが、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することができる。
特に画像記録層(例えばインク受容層)を形成する側のポリエチレン層には、既述の本発明に係る複合化粒子をポリエチレン中に添加することによって不透明度、白色度及び色相を良化でき、他成分としてルチル又はアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白剤、群青を添加してもよい。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面層とも10〜50μmが好適である。さらにポリエチレン層上に画像記録層(例えばインク受容層)との密着性を付与するために下塗り層を設けることもできる。下塗り層としては、水性ポリエステル、ゼラチン、PVAが好ましく、既述の本発明に係る複合化粒子を含有することも可能である。
ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用いることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を行なって通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成したものも使用できる。
支持体にはバックコート層を設けることもでき、このバックコート層に添加可能な成分としては、白色顔料や水性バインダー、その他の成分が挙げられる。バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に用いられる水性バインダーとしては、例えば、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、澱粉、カチオン化澱粉、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。
バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
樹脂被覆紙を用い、樹脂被覆紙の樹脂層中に本発明に係る複合化粒子を加えるときには、該複合化粒子は既述の「画像記録材料用支持体における複合化粒子の含有量」の範囲となるように含有することが好適である。また、本発明に係る複合化粒子は、原紙又はプラスチック基板(PET,TAC等)の中に入れることも可能である。
本発明においては特に、原紙並びに、複合化粒子と水溶性樹脂及び/又は水分散性ラテックスとを含む少なくとも一層の下塗り層を有してなる態様が好ましい。原紙及び複合化粒子については既述の通りである。以下に水溶性樹脂及び水分散性ラテックスについて詳述する。
また、この態様とした場合の一層又は二層以上の下塗り層における複合化粒子の量としては、既述の「画像記録材料用支持体における複合化粒子の含有量」の範囲とすることが好適である。
〈水溶性樹脂〉
水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシ基を有する樹脂であるポリビニルアルコール系樹脂〔ポリビニルアルコール(PVA)、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等〕、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エーテル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ヒドラジド等〕等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有するポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等も挙げることができる。
上記の中でも、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類から選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂が好ましい。
前記ポリビニルアルコールの例としては、特公平4−52786号、特公平5−67432号、特公平7−29479号、特許第2537827号、特公平7−57553号、特許第2502998号、特許第3053231号、特開昭63−176173号、特許第2604367号、特開平7−276787号、特開平9−207425号、特開平11−58941号、特開2000−135858号、特開2001−205924号、特開2001−287444号、特開昭62−278080号、特開平9−39373号、特許第2750433号、特開2000−158801号、特開2001−213045号、特開2001−328345号、特開平8−324105号、特開平11−348417号、特開昭58−181687号、特開平10−259213号、特開2001−72711号、特開2002−103805号、特開2000−63427号、特開2002−308928号、特開2001−205919号、特開2002−264489号等に記載されたもの等が挙げられる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂以外の水溶性樹脂の例としては、特開平11−165461号公報の段落[0011]〜[0012]に記載の化合物、特開2001−205919号、特開2002−264489号に記載の化合物等も挙げられる。
〈水分散性ラテックス〉
水分散性ラテックスとしては、、アクリル系ラテックス、ポリエステル系ラテックス、NBR樹脂、ポリウレタン系ラテックス、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、SBR樹脂、ポリアミド系ラテックス等が挙げられる。中でも、得られる画像の白色度、耐光性及び透明性の良化に有用である観点から特に、アクリル系ラテックスが好ましい。
前記アクリル系ラテックスとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルニトリル、メチルメタクリレート及びこれらの誘導体の重合反応により得られるエマルジョンが挙げられる。
上記の水溶性樹脂及び水分散性ラテックスは、各々一種単独で用いるほか二種以上を併用してもよく、水溶性樹脂と水分散性ラテックスとを併用してもよい。
前記水溶性樹脂及び/又は水分散性ラテックスの、下塗り層中における総量としては、0.1〜15g/m2が好ましく、0.5〜10g/m2がより好ましい。
本発明の画像記録材料用支持体の好ましい実施態様、用途としては、特に制限はなく、非画像部(地肌部)となる領域において高度の白色性、耐候性、クッキリ感のある鮮やかさ、鮮鋭性(シャープさ)を具備した高画質な画像が要求される各種用途に好適に用いることができ、具体的に後述するインクジェット記録媒体をはじめそのほか、電子写真用受像材料、感熱発色記録用材料、昇華転写受像材料、熱転写受像材料、銀塩写真感光材料、印刷用紙などの支持材料として好適である。
[画像記録材料]
本発明の画像記録材料は、粒子の表面に蛍光増白剤を固着した複合化粒子(本発明に係る複合化粒子)の少なくとも一種を用いて構成され、画像記録材料を構成する支持体や、画像記録のための層(画像記録層)もしくは他の層などの構成要素から適宜選択された構成要素に複合化粒子を含有することによって構成することができる。
本発明の画像記録材料は、既述の本発明の画像記録材料用支持体と、少なくとも一層の画像記録層とで好適に構成することができ、必要に応じて保護層や中間層など他の層を設けて構成することができる。このように構成する場合、複合化粒子を例えば、既述のように原紙及び下塗り層で構成された画像記録材料用支持体の該下塗り層に含有する、又は樹脂製支持体を構成する樹脂に混練する、あるいは他の層に含有する、等して用いることができる。
本発明の画像記録材料には、インクジェット記録媒体、電子写真用受像材料、感熱発色記録用材料、昇華転写受像材料、熱転写受像材料、銀塩写真感光材料などの各種記録媒体が含まれる。
以下、本発明の画像記録材料についてインクジェット記録媒体を一例に詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録媒体は、既述した本発明の画像記録材料用支持体と、少なくとも一層のインク受容層(画像記録層)とで構成され、必要に応じ更に他の層を設けて構成することができる。既述の本発明に係る複合化粒子は、画像記録材料用支持体(好ましくは下塗り層)やインク受容層、他の層を適宜選択して含有することができる。
[インク受容層]
本発明のインクジェット記録媒体を構成するインク受容層は、微粒子と水溶性樹脂とを少なくとも用いて構成することができ、必要に応じ更に、水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤や媒染剤、界面活性剤等の他の成分を用いて構成することができる。
インク受容層は、微粒子を含有することにより多孔質構造に構成され、これによりインクの吸収性能が向上する。特に、微粒子のインク受容層における固形分含有量が50質量%以上、より好ましくは60質量%を超えていると、更に良好な多孔質構造とすることが可能となり、インク吸収性をより向上させることができる。ここで、微粒子のインク受容層における固形分含有量は、インク受容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出される含有量である。
上記の多孔質構造のインク受容層とは、空隙率が50〜75%、好ましくは60〜70%である層をいう。前記空隙率が、50%未満であるとインク吸収性が不充分となることがあり、75%を超えるとであるとバインダー不足による粉落ちの問題を生ずることがある。また、インクジェット記録媒体の品質上、インク受容層の層厚は20〜40μmであることが、60°光沢度は30〜70%であることが好ましい。
−微粒子−
微粒子としては、有機微粒子及び無機微粒子のいずれも用いることができる。前記無機微粒子としては、本発明に係る複合化粒子を構成する既述の「粒子」と同様のものを挙げることができる。また、前記有機微粒子の好ましいものとしては、例えば、乳化重合、マイクロエマルジョン系重合、ソープフリー重合、シード重合、分散重合、懸濁重合などにより得られるポリマー微粒子が挙げられ、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアミド、シリコン樹脂、フェノール樹脂、天然高分子等の粉末、ラテックス又はエマルジョン状のポリマー微粒子等が挙げられる。
これらの中でも、インク吸収性及び画像安定性の点から無機微粒子が好ましく、さらに良好な多孔質構造を形成する点から、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子、又は擬ベーマイトが好ましい。
このうち、シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。前記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、前記「気相法シリカ」とは、当該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を意味する。本発明におけるシリカ微粒子としては、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
気相法シリカは、含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
前記気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散を行なえば受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという特徴がある。受容層が透明であることは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
前記気相法シリカの平均一次粒子径としては、50nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましく、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最も好ましい。気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次粒子径が50nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
また、シリカ微粒子は、前述の他の微粒子と併用してもよい。該他の微粒子と上記気相法シリカとを併用する場合、全微粒子中の気相法シリカの含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
前記無機微粒子としては、アルミナ微粒子、アルミナ水和物、これらの混合物又は複合物も好ましい。このうち、アルミナ水和物は、インクをよく吸収し定着すること等から好ましく、特に擬ベーマイト(Al23・nH2O)が好ましい。アルミナ水和物は、種々の形態のものを用いることができるが、容易に平滑な層が得られることからゾル状のベーマイトを原料として用いることが好ましい。
擬ベーマイトの細孔構造については、その平均細孔半径は1〜25nmが好ましく、2〜10nmがより好ましい。また、その細孔容積は0.3〜2.0cc/gが好ましく、0.5〜1.5cc/gがより好ましい。ここで、細孔半径及び細孔容積は、窒素吸脱着法により測定されるもので、例えば、ガス吸脱着アナライザー(例えば、コールター社製の商品名「オムニソープ369」)を用いて測定できる。
また、アルミナ微粒子の中では、気相法アルミナ微粒子が比表面積が大きく好ましい。該気相法アルミナ微粒子の平均一次粒子径は50nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましい。また更に、平均一次粒径が50nm以下のコロイダルシリカも好ましいものとして挙げられる。
上述の微粒子は、例えば、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号等の公報に開示された態様でも、好ましく用いることができる。
−水溶性樹脂−
前記インク受容層に用いられる水溶性樹脂としては、例えば、既述の画像記録材料用支持体の下塗り層を構成する水溶性樹脂と同様の化合物を用いることができる。中でも、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類からなる群より少なくとも一種を選択して用いるのが好ましい。特にポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。また、ポリビニルアルコール系樹脂の例については既述の通りである。
前記水溶性樹脂のインク受容層中における含有量としては、インク受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。なお、これら水溶性樹脂と既述の微粒子とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数の素材の混合系であってもよい。
また、インク受容層の透明性を確保する観点からは、微粒子、特にシリカ微粒子に組合される水溶性樹脂の種類が重要となる。上記の気相法シリカを用いる場合には、水溶性樹脂としてポリビニルアルコール系樹脂を組合せるのが好ましく、中でも鹸化度70〜100%のポリビニルアルコール系樹脂が好ましく、鹸化度80〜99.5%のポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。ポリビニルアルコールの例は既述の通りである。
前記ポリビニルアルコール系樹脂は、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基と前記シリカ微粒子の表面シラノール基とが水素結合を形成するため、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖単位とした三次元網目構造を形成し易くなる。この三次元網目構造の形成によって、空隙率が高く十分な強度のある多孔質構造のインク受容層が形成されると考えられる。インクジェット記録において、上述のようにして得られた多孔質構造に構成されたインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みの発生しない真円性の良好なドットを形成することができる。
また、ポリビニルアルコール系樹脂には、前記その他の水溶性樹脂を併用してもよい。該他の水溶性樹脂とポリビニルアルコール系樹脂とを併用する場合の、ポリビニルアルコール系樹脂の量は、全水溶性樹脂の50質量%以上が好ましく、70質量%以上が更に好ましい。
<微粒子と水溶性樹脂との含有比>
微粒子の質量(x)と水溶性樹脂の質量(y)との質量比〔PB比;=x/y〕は、インク受容層の膜構造及び膜強度にも大きな影響を与える。すなわち、質量比(PB比)が大きくなると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなるが、密度や強度は低下する傾向にある。
インク受容層における前記PB比(x/y)としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、かつ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5〜10が好ましい。
また、インクジェットプリンタの搬送系を通過する場合、インクジェット記録媒体に応力が加わることがあるので、インク受容層は十分な膜強度を有していることが必要であり、シート状に裁断加工する場合にもインク受容層の割れや剥がれ等を防止する点からも、インク受容層は充分な膜強度を有していることが必要である。これらを考慮すると、前記PB比は5以下がより好ましく、一方でインクジェットプリンタでの高速インク吸収性を確保する観点からは2以上がより好ましい。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の気相法シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比(x/y)2〜5で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布、乾燥させた場合、シリカ微粒子の二次粒子を網目鎖とする三次元網目構造が形成され、その平均細孔径が25nm以下、空隙率が50〜80%、細孔比容積が0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
−架橋剤−
本発明に係るインク受容層は、微粒子及び水溶性樹脂を含む層が、更に該水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含み、該架橋剤と水溶性樹脂との架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。
前記架橋剤としては、インク受容層に含まれる水溶性樹脂との関係で好適なものを適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速である点で硼酸又は硼素化合物が好ましい。前記硼素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co225)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na247・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4H2O、Ca2611・7H2O、CsB55)、等が挙げられる。
中でも、速やかに架橋反応を起こす点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、硼酸がより好ましく、これらを水溶性樹脂であるポリビニルアルコールと組合わせて使用することが特に好ましい。
架橋剤は、前記水溶性樹脂1質量部に対して、0.05〜0.50質量部含有されることが好ましく、0.08〜0.30質量部含有されることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲であると、水溶性樹脂を架橋して効果的にひび割れ等を防止することができる。
また、前記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場合など、硼素及び硼素化合物以外の下記化合物も架橋剤として用いることができる。例えば、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋剤は、一種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
架橋剤は、インク受容層形成用の塗布液(インク受容層用塗布液)を塗布する際にインク受容層用塗布液中及び/又はインク受容層の隣接層を形成するための塗布液中に添加してもよく、あるいは予め架橋剤を含む塗布液を塗布した画像記録材料用支持体上に前記インク受容層用塗布液を塗布する、架橋剤非含有のインク受容層用塗布液を塗布・乾燥後に架橋剤溶液をオーバーコートする、等してインク受容層に架橋剤を供給することができる。
例えば、以下のようにして好適に架橋剤を付与することができる。ここでは、硼素化合物を例に説明する。すなわち、インク受容層がインク受容層用塗布液(第一液)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、架橋硬化は、(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥塗中であって該塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかのときに、pH7.1以上の塩基性溶液(第二液)を前記塗布層に付与することにより行なうことができる。架橋剤である硼素化合物は、第一液又は第二液のいずれかに含有すればよく、第一液及び第二液の両方に含有させておいてもよい。具体的には後述する。
−媒染剤−
本発明においては、形成画像の耐水性、耐経時ニジミの更なる向上を図るために、インク受容層に媒染剤を含有することが好ましい。媒染剤としては、カチオン性のポリマー(カチオン性媒染剤)等の有機媒染剤、及び水溶性金属化合物等の無機媒染剤のいずれも使用できる。中でも、有機媒染剤が好ましく、特にカチオン性媒染剤が好ましい。
少なくともインク受容層の上層部に前記媒染剤を存在させることによって、アニオン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作用が働き、該色材を安定化させて耐水性や耐経時ニジミを更に改善することができる。
この場合、インク受容層を形成するときのインク受容層用塗布液(第一液)及び塩基性溶液(第二液)のいずれに含有してもよいが、無機微粒子(特に気相法シリカ)を含む液とは別液となる第二液に含有して用いることが好ましい。すなわち、媒染剤を直接インク受容層用塗布液に添加すると、アニオン電荷を有する気相法シリカとの共存下では凝集を生ずる場合があるが、媒染剤を含む液とインク受容層用塗布液とをそれぞれを独立に調製し、個々に塗布する方法を採用すれば、無機微粒子の凝集を考慮する必要がなく、媒染剤の選択範囲が広がる。
前記カチオン性媒染剤としては、カチオン性の官能基として、第1級〜第3級アミノ基、又は第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いられるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用することができる。
前記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基を有する単量体(以下、「媒染剤モノマー」という。)の単独重合体や、該媒染剤モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染剤ポリマー」という。)との共重合体又は縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤は、水溶性ポリマー、又は水分散性のラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
前記媒染剤モノマーとしては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
また、アリルアミンやジアリルアミン、その誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミン及びこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミン及びこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)等が挙げられる。なお、これらのアリルアミン及びジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的な製法である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの重合単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、及びこれを塩にしたものも利用できる。
前記非媒染剤モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基及びその塩、又は第4級アンモニウム塩基等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジェット用インク中の染料と相互作用を示さない、あるいは相互作用が実質的に小さい単量体をいう。
前記非媒染剤モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。前記非媒染剤モノマーも、一種単独で又は二種以上を組合せて使用できる。
更に、カチオン性媒染剤として、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン及びその誘導体、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、ジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物に代表されるジシアン系カオチン樹脂、ジシアンアミド−ジエチレントリアミン重縮合物に代表されるポリアミン系カオチン樹脂、エピクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物、ジメチルジアリンアンモニウムクロリド−SO2共重合物、ジアリルアミン塩−SO2共重合物、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基をエステル部分に有する(メタ)アクリレート含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基置換アルキル基を有するスチリル型ポリマー等も好ましいものとして挙げることができる。
前記カチオン性媒染剤として、具体的には、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書、特開平1−161236号、同10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号、特公平5‐35162号、同5-35163号、同5‐35164号、同5-88846号、特開平7-118333号、特開2000-344990号等の各公報、特許第2648847号、同2661677号等の各明細書に記載のもの等が挙げられる。中でも、ポリアリルアミン及びその誘導体が好ましく、構造的にはジアリルジアルキルカチオンポリマーが好ましい。
前記ポリアリルアミン又はその誘導体としては、公知の各種アリルアミン重合体及びその誘導体が使用できる。このような誘導体としては、ポリアリルアミンと酸との塩(酸としては塩酸、硫酸、リン酸、硝酸などの無機酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、桂皮酸、(メタ)アクリル酸などの有機酸、あるいはこれらの組合せや、アリルアミンの一部分のみを塩にしたもの)、ポリアリルアミンの高分子反応による誘導体、ポリアリルアミンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(該モノマーの具体例としては(メタ)アクリル酸エステル類、スチレン類、(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、ビニルエステル類等)が挙げられる。
ポリアリルアミン及びその誘導体の具体例としては、特公昭62‐31722号、特公平2‐14364号、特公昭63-43402号、同63-43403号、同63-45721号、同63-29881号、特公平1-26362号、同2-56365号、同2-57084号、同4-41686号、同6-2780号、同6-45649号、同6-15592号、同4-68622号、特許第3199227号、同3008369号、特開平10‐330427号、同11‐21321号、特開2000‐281728号、同2001‐106736号、特開昭62-256801号、特開平7‐173286号、同7‐213897号、同9-235318号、同9-302026号、同11‐21321号、WO99/21901号、WO99/19372号、特開平5-140213号、特表平11‐506488号等の各公報に記載の化合物が挙げられる。
上記のカチオン性媒染剤の中でも、ジアリルジアルキルカチオンポリマーが好ましく、特にジアリルジメチルカチオンポリマーが好ましい。また、カチオン性媒染剤は、分散能、特に増粘の防止の観点から、重量平均分子量が60000以下、特に40000以下のカチオンポリマーが好ましい。
なお、カチオン性媒染剤は既述の微粒子の分散剤としても有用である。
また、インク受容層用塗布液に加える場合には、該塗布液中の硫酸イオン濃度としては、該液の増粘防止の点から1.5質量%以下が好ましい。この硫酸イオンは、カチオン性のポリマー製造時の重合開始剤等に含まれているものであり、これがポリマー中に残存することから、硫酸イオンを出さない重合開始剤等を用いてなるカチオン性媒染剤が望ましい。
無機媒染剤としては、多価の水溶性金属塩や疎水性金属塩化合物が挙げられる。具体的には、例えば、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、インジウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラセオジミウム、ネオジミウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、ハフニウム、タングステン、ビスマスから選択される金属の塩又は錯体が挙げられる。
具体例として、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガン二水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)二水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、アルミニウムミョウバン、塩基性ポリ水酸化アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、フェノールスルホン酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、四塩化チタン、テトライソプロピルチタネート、チタンアセチルアセトネート、乳酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、酢酸ジルコニル、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ステアリン酸ジルコニル、オクチル酸ジルコニル、硝酸ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドリん酸n水和物、硝酸ガリウム、硝酸ゲルマニウム、硝酸ストロンチウム、酢酸イットリウム、塩化イットリウム、硝酸イットリウム、硝酸インジウム、硝酸ランタン、塩化ランタン、酢酸ランタン、安息香酸ランタン、塩化セリウム、硫酸セリウム、オクチル酸セリウム、硝酸プラセオジミウム、硝酸ネオジミウム、硝酸サマリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸ガドリニウム、硝酸ジスプロシウム、硝酸エルビウム、硝酸イッテルビウム、塩化ハフニウム、硝酸ビスマス、等が挙げられる。
無機媒染剤の中でも、アルミニウム含有化合物、チタン含有化合物、ジルコニウム含有化合物、元素周期律表第IIIB族シリーズの金属化合物(塩又は錯体)が好ましい。
前記媒染剤のインク受容層中における添加量は、0.01〜5g/m2が好ましく、0.1〜3g/m2がより好ましい。
−他の成分−
本発明に係るインク受容層には、必要に応じて、各種の公知の添加剤、例えば、酸、紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、モノマー、重合開始剤、重合禁止剤、滲み防止剤、防腐剤、粘度安定剤、消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、マット剤、カール防止剤、耐水化剤等を更に含有することができる。
本発明に係るインク受容層は酸を含有していてもよい。酸を添加してインク受容層の表面pHを3〜8、好ましくは3.5〜6.0に調整することによって、白地部の耐黄変性が向上させることができる。表面pHの測定は、日本紙パルプ技術協会(J.TAPPI)の定めた表面PHの測定のうちA法(塗布法)により行なうことができ、例えば、前記A法に相当する、(株)共立理化学研究所製の紙面用PH測定セット「形式MPC」を使用して行なうことができる。
具体的な酸の例としては、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、サリチル酸、サリチル酸金属塩(Zn,Al,Ca,Mg等の塩)、メタンスルホン酸、イタコン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルフィン酸、ベンゼンスルフィン酸、スルファニル酸、スルファミン酸、α−レゾルシン酸、β−レゾルシン酸、γ−レゾルシン酸、没食子酸、フロログリシン、スルホサリチル酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、ビスフェノール酸、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ボロン酸等が挙げられる。これらの酸の添加量は、インク受容層の表面PHが3〜8になるように決めればよい。
上記の酸は、金属塩(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、セシウム、亜鉛、銅、鉄、アルミニウム、ジルコニウム、ランタン、イットリウム、マグネシウム、ストロンチウム、セリウムなどの塩)、又はアミン塩(例えばアンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、ポリアリルアミンなど)の形態で使用してもよい。
本発明においては、インク受容層が紫外線吸剤、酸化防止剤、滲み防止剤などの保存性向上剤を含有することが好ましい。
これら併用できる紫外線吸剤、酸化防止剤、滲み防止剤としては、アルキル化フェノール性化合物(ヒンダードフェノール性化合物を含む)、アルキルチオメチルフェノール性化合物、ヒドロキノン化合物、アルキル化ヒドロキノン化合物、トコフェロール化合物、チオジフェニルエーテル化合物、2個以上のチオエーテル結合を有する化合物、ビスフェノール性化合物、O−,N−及びS−ベンジル化合物、ヒドロキシベンジル化合物、トリアジン化合物、ホスホネート化合物、アシルアミノフェノール性化合物、エステル化合物、アミド化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール化合物、2−ヒドロキシベンゾフェノン化合物、アクリレート、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物(TEMPO化合物を含む)、2−(2−ヒドロキシフェニル)1,3,5,−トリアジン化合物、金属不活性化剤、ホスフィット化合物、ホスホナイト化合物、ヒドロキシアミン化合物、ニトロン化合物、過酸化物スカベンジャー、ポリアミド安定剤、ポリエーテル化合物、塩基性補助安定剤、核剤、ベンゾフラノン化合物、インドリノン化合物、ホスフィン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、尿素化合物、ヒドラジト化合物、アミジン化合物、糖化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物等が挙げられる。
これらの中でも、アルキル化フェノール性化合物、2個以上のチオエーテル結合を有する化合物、ビスフェノール性化合物、アスコルビン酸、アミン系抗酸化剤、水溶性又は疎水性の金属塩、有機金属化合物、金属錯体、ヒンダードアミン化合物、ポリアミン化合物、チオ尿素化合物、ヒドラジド化合物、ヒドロキシ安息香酸化合物、ジヒドロキシ安息香酸化合物、トリヒドロキシ安息香酸化合物の少なくとも一種を含有するのが好ましい。
具体的な化合物例は、特願2002−13005号、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特開平11−170686号、特公平4−34512号、EP1138509号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2001−94829号、特開昭47−10537号、同58−111942号、同58−212844号、同59−19945号、同59−46646号、同59−109055号、同63−53544号、特公昭36−10466号、同42−26187号、同48−30492号、同48−31255号、同48−41572号、同48−54965号、同50−10726号、米国特許第2,719,086号、同3,707,375号、同3,754,919号、同4,220,711号、
特公昭45−4699号、同54−5324号、ヨーロッパ公開特許第223739号、同309401号、同309402号、同310551号、同第310552号、同第459416号、ドイツ公開特許第3435443号、特開昭54−48535号、同60−107384号、同60−107383号、同60−125470号、同60−125471号、同60−125472号、同60−287485号、同60−287486号、同60−287487号、同60−287488号、同61−160287号、同61−185483号、同61−211079号、同62−146678号、同62−146680号、同62−146679号、同62−282885号、同62−262047号、同63−051174号、同63−89877号、同63−88380号、同66−88381号、同63−113536号、
同63−163351号、同63−203372号、同63−224989号、同63−251282号、同63−267594号、同63−182484号、特開平1−239282号、特開平2−262654号、同2−71262号、同3−121449号、同4−291685号、同4−291684号、同5−61166号、同5−119449号、同5−188687号、同5−188686号、同5−110490号、同5−1108437号、同5−170361号、特公昭48−43295号、同48−33212号、米国特許第4814262号、同第4980275号、等の各公報に記載のものが挙げられる。
他の添加剤は、一種単独でも二種以上を併用してもよい。他の添加剤は、水溶性化、分散化、ポリマー分散、エマルション化、油滴化して添加してもよく、マイクロカプセル中に内包することもできる。また、他の添加剤を添加する場合の添加量としては、0.01〜10g/m2が好ましい。
また、微粒子の分散性を改善する目的で、微粒子表面をシランカップリング剤で処理してもよく、該シランカップリング剤として、カップリング処理を行なう部位の他に有機官能性基(例えば、ビニル基、アミノ基(1級〜3級アミノ基、第4級アンモニウム塩基)、エポキシ基、メルカプト基、クロロ基、アルキル基、フェニル基、エステル基等)を有するものが好適に使用できる。
また、本発明に係るインク受容層(インク受容層用塗布液)は界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、フッ素系、シリコーン系の界面活性剤の中から適宜選択することができる。また、界面活性剤は一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
前記ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及びポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリーコールジエチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等)、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類(例えば、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等)、グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、グリセロールモノオレート等)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類(モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリン等)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等)、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アセチレングリコール類(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、及び該ジオールのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物等)等が挙げられ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類が好ましい。該ノニオン系界面活性剤は、インク受容層用塗布液(第一液)及び塩基性溶液(第二液)のいずれに含有してもよく、また、一種単独で又は二種以上を併用することもできる。
前記両性界面活性剤としては、アミノ酸型、カルボキシアンモニウムベタイン型、スルホンアンモニウムベタイン型、アンモニウム硫酸エステルベタイン型、イミダゾリウムベタイン型等が挙げられ、例えば、米国特許第3,843,368号明細書、特開昭59−49535号公報、同63−236546号公報、特開平5−303205号公報、同8−262742号公報、同10−282619号公報等に記載されているものを好適に使用できる。該両性界面活性剤としては、アミノ酸型両性界面活性剤が好ましく、該アミノ酸型両性界面活性剤としては、特開平5−303205号公報に記載されているように、例えば、アミノ酸(グリシン、グルタミン酸、ヒスチジン酸等)から誘導体化されたものであり、長鎖のアシル基を導入したN−アミノアシル酸及びその塩が挙げられる。これらは、一種単独で又は二種以上を併用することができる。
前記アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩(例えばステアリン酸ソーダ、オレイン酸カリ)、アルキル硫酸エステル塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン)、スルホン酸塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、アルキルスルホコハク酸塩(例えばジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。
前記カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、電解フッ素化、テロメリゼーション、オリゴメリゼーションなどの方法を用いてパーフルオロアルキル基を持つ中間体を経て誘導される化合物が挙げられる。例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルトリアルキルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどが挙げられる。
前記シリコーン系界面活性剤としては、有機基で変性したシリコーンオイルが好ましく、シロキサン構造の側鎖を有機基で変性した構造、両末端を変性した構造、片末端を変性した構造をとり得る。有機基変性として、アミノ変性、ポリエーテル変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、アルキル変性、アラルキル変性、フェノール変性、フッ素変性等が挙げられる。
前記界面活性剤のインク受容層用塗布液における含有量としては、0.001〜2.0%が好ましく、0.01〜1.0%がより好ましい。また、インク受容層用塗布液として二液以上を用いて塗布を行なう場合には、それぞれの塗布液に界面活性剤を添加するのが好ましい。
本発明において、インク受容層はカール防止用に高沸点有機溶剤を含有するのが好ましい。前記高沸点有機溶剤は常圧で沸点が150℃以上の有機化合物で、水溶性又は疎水性の化合物である。これらは、室温で液体でも固体でもよく、低分子でも高分子でもよい。
具体的には、芳香族カルボン酸エステル類(例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジフェニル、安息香酸フェニルなど)、脂肪族カルボン酸エステル類(例えばアジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、ステアリン酸メチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジブチル、アセチルクエン酸トリエチルなど)、リン酸エステル類(例えばリン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなど)、エポキシ類(例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸メチルなど)、アルコール類(例えば、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコールなど)、植物油(例えば大豆油、ヒマワリ油など)高級脂肪族カルボン酸(例えばリノール酸、オレイン酸など)等が挙げられる。
−インクジェット記録媒体の作製−
次に、インクジェット記録媒体の作製方法について一例を示す。例えばインクジェット記録媒体を作製する場合には、該媒体を構成するインク受容層(画像記録層)を、微粒子と水溶性樹脂とを少なくとも含むインク受容層形成用の塗布液(第一液)及び塩基性溶液(第二液)の少なくとも一方に架橋剤を添加すると共に、前記塗布液(第一液)を本発明の画像記録材料用支持体(好ましくは原紙に本発明に係る複合化粒子を含む下塗り層が設けられた支持体;以下、単に支持体ともいう)の上(好ましくは下塗り層上)に塗布して塗布層を形成し、かつ更に(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、又は(2)前記塗布液(第一液)を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのときに、pHが7.1以上の前記塩基性溶液(第二液)を前記塗布層に付与し、前記塗布層を架橋硬化させる方法(Wet on Wet法)により形成することによって好適に得ることができる。
媒染剤を付与する場合、媒染剤を第二液に添加するようにすることで、例えば、a)微粒子、水溶性樹脂、及び架橋剤を含む塗布層を形成し、媒染剤含有溶液をその上に塗布する方法、b)微粒子及び水溶性樹脂を含む塗布液と媒染剤含有溶液を重層塗布する方法など任意の方法により形成することができ、媒染剤をインク受容層の表面近くに多く存在させ得るので、インクの色材が十分に媒染され、記録された文字や画像の耐水性が向上させることができる。このようにすると、媒染剤がインク受容層の所定の部分に多く存在するので、インクジェット記録用インクの色材が十分に媒染され、色濃度、経時によるインク滲み、印画部光沢、印画後の文字や画像の耐水性、耐オゾン性が向上するので好ましい。また、媒染剤含有溶液中に微粒子、水溶性樹脂、及び架橋剤等が含有されていてもよい。媒染剤の一部は第一液に含有させてもよく、その場合には第一液と第二液の媒染剤は同一でも異なっていてもよい。
前記第一液である、例えば気相法シリカとポリビニルアルコールと硼素化合物とカチオン性ポリマーとを用いてなる塗布液の調製例について以下に説明する。
すなわち、気相法シリカをカチオン性ポリマーと共に水中に添加し(例えば10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えばクレアミックス(エム・テクニック(株)製))を用いて例えば10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で20分間(好ましくは10〜30分間)分散させて微粒子分散液とした後、これに更に硼素化合物とポリビニルアルコール水溶液(例えばシリカ量の1/3程度の質量となるように)とを加えて更に上記と同じ条件で分散を行なうことによって調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下記塗布方法で画像記録材料用支持体又はその下塗り層上に塗布形成することにより、三次元網目構造を有する多孔質性のインク受容層を形成することができる。第一液には、必要に応じて更にpH調整剤、他の分散剤、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤等を添加することもできる。
上記の第一液や第二液等の調製には、溶媒として水、有機溶媒、あるいはこれらの混合溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
第一液(インク受容層用塗布液)の塗布は、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行なうことができる。
第一液(インク受容層用塗布液)の塗布と同時又は塗布した後に、該塗布層に第二液(塩基性溶液)が付与されるが、該第二液は、塗布後の塗布層が減率乾燥を示すようになる前に付与してもよい。すなわち、インク受容層用塗布液の塗布後、この塗布層が恒率乾燥を示す間に塩基性溶液を導入することで好適に製造される。この第二液には、媒染剤を含有させてもよい。
ここで、前記「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、インク受容層用塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥」の現象を示す。この「恒率乾燥」を示す時間については、例えば、化学工学便覧(p.707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
上記の通り、第一液の塗布後、該塗布層が減率乾燥を示すようになるまで乾燥されるが、この乾燥は一般に40〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行なわれる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は上記範囲が適当である。
減率乾燥を示すようになる前に第二液を付与する方法としては、(i)第二液を塗布層上に更に塗布する方法、(ii)スプレー等の方法により噴霧する方法、(iii)第二液中に該塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
前記方法(i)において、第二液を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既に形成されている第一塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
第二液の付与量としては、5〜50g/m2が一般的であり、10〜30g/m2が好ましい。
第二液の付与後は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥及び硬化が行なわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。例えば、第一液中に含有する架橋剤を硼酸や硼素化合物(硼砂など)とする場合には、60〜100℃での加熱を5〜20分間行なうことが好ましい。
また、前記塩基性溶液(第二液)を、インク受容層用塗布液(第一液)を塗布すると同時に付与する場合、第一液及び第二液を、第一液が支持体と接触するようにして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることによりインク受容層を形成することができる。
前記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーターを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、40〜100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれる。
前記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコーターにより行なった場合、同時に吐出される二種の液は、エクストルージョンダイコーターの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前に重層された二層の塗布液は、支持体に移る際、既に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出される二液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。従って、上記のように同時塗布する際は、第一液及び第二液の塗布と共に、バリアー層液(中間層液)を上記二液間に介在させて同時三重層塗布することが好ましい。
前記バリアー層液は、特に制限なく選択できる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。前記水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セルロース系樹脂(たとえば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。なお、バリアー層液には、前記媒染剤を含有させることもできる。
支持体上にインク受容層を形成した後、該インク受容層は、例えば、スーパーカレンダー、グロスカレンダー等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透明性及び塗膜強度を向上させることが可能である。しかしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定して行なう必要がある。
カレンダー処理を行なう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
前記インク受容層の層厚としては、インクジェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、インク受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
また、インク受容層の細孔径は、メジアン径で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜0.025μmがより好ましい。空隙率及び細孔メジアン径は、水銀ポロシメーター((株)島津製作所製の商品名「ボアサイザー9320−PC2」)を用いて測定することができる。
また、インク受容層は、透明性に優れていることが好ましいが、その目安としては、インク受容層を透明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。ヘイズ値は、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定することができる。
次に、上記のインクジェット記録媒体以外の画像記録材料について説明する。
−電子写真用受像材料−
前記電子写真用受像材料は、本発明の画像記録材料用支持体と、該支持体の少なくとも一面に設けられた少なくとも一層のトナー受像層(画像記録層)を有し、必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調整層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などを有してなる。これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
−銀塩写真感光材料−
前記銀塩写真感光材料としては、例えば、本発明の画像記録材料用支持体上に、少なくともYMCに発色する感光層(画像記録層)を設けた構成を有し、焼付露光された後に複数の処理槽内を順次浸漬しながら通過させることによって発色現像、漂白定着、水洗を行ない、乾燥させて画像を得るハロゲン化銀写真方式に用いられる材料、等が挙げられる。
−熱転写受像材料−
前記熱転写受像材料としては、例えば本発明の画像記録材料用支持体上に少なくとも受像層(画像記録層)を設けた構成を有し、少なくとも熱溶融性インク層が支持体に設けられた熱転写材料を感熱ヘッドにより加熱して熱溶融性インク層からインクを溶融転写させる方式に用いられる材料、等が挙げられる。
−感熱発色記録用材料−
前記感熱発色記録用材料としては、例えば、本発明の画像記録材料用支持体上に、少なくとも熱発色層(画像記録層)を設けた構成を有し、感熱ヘッドによる加熱と紫外線等による定着の繰り返しにより加熱発色させて画像形成するサーモオートクローム方式(TA方式)に用いられる材料、等が挙げられる。
−昇華転写受像材料−
前記昇華転写受像材料としては、例えば本発明の画像記録材料用支持体上に少なくとも受像層(画像記録層)を設けた構成を有し、少なくとも熱拡散性色素(昇華性色素)を含有するインク層が支持体に設けられた昇華転写材料を感熱ヘッドにより加熱してインク層から熱拡散性色素を転写させる昇華転写方式に用いられる材料、等が挙げられる。
また、上記の電子写真用受像材料、感熱発色記録用材料、昇華転写受像材料、熱転写受像材料、又は銀塩写真感光材料は、少なくとも各々の材料に対応した画像記録層(トナー受像層、熱発色層、受像層、又は感光層)が支持体又は支持体を構成する下塗り層の上に設けられるように、本発明の画像記録材料用支持体を用いた既述の−インクジェット記録媒体の作製−に類似した方法によって作製することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例ではインクジェット記録媒体(画像記録材料)の一例としてインクジェット記録用シートを作製するものとし、実施例中の「部」及び「%」は特に断らない限り質量基準であり、重合度は重量平均重合度を表す。
(実施例1)
<支持体の作製>
−紙基体の作製−
アカシアマンギウムからなるLBKPをディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに調整した紙料と、アスペンからなるLBKPをディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに調整した紙料と、を質量比で50:50の配合になるよう混合し、パルプスラリーとした。
次いで、得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン性でんぷん(CATO 304L、日本NSC社製)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(ポリアクロンST−13、星光化学社製)0.145%、アルキルケテンダイマー(サイズパインK、荒川化学社製)0.285%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.8%、及びポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(アラフィックス100、荒川化学社製)0.295%を加え、その後これに更に消泡剤0.1%を加えた。
このパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのインク受容層を塗設しようとする塗設面(インク受容層塗設面)をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥し、紙基体を得た。なお、得られた紙基体の坪量は178g/m2、厚さは171μmであった。
−アンダーコート液の調製−
平均粒径0.16μmのアナターゼ型二酸化チタン(A−220、石原産業社製)と、ビス(ベンゾオキサゾリル)スチルベン系のWhitefluor PSN(住化カラー社製;蛍光増白剤)とを、質量比(A-220:PSN)90:10の割合でハイブリダイゼーションシステムNHS〔(株)奈良機械製作所製〕に投入し、二酸化チタン粒子の表面に蛍光増白剤が固着された複合化粒子を作製した。続いて、上記より得た複合化粒子10部と、平均粒径4.0μmの炭酸カルシウム(ツネックスE、白石工業(株)製)60部とを、水にヘキサメタリン酸ソーダ(分散剤)を0.2部添加し調製された水溶液100部に添加し、撹拌した。これに更にアクリル系ラテックス(ジョンクリル538(固形分40%、ガラス転移点Tg=66℃)、ジョンソンポリマー社製)50部を添加し、撹拌して、アンダーコート液を調製した。
−支持体の形成−
上記より得られた紙基体のインク受容層塗設面側となる表面(オモテ面)に、上記のアンダーコート液をブレードコーターにて固形分4.5g/m2となるように塗布、乾燥し、更にカレンダー処理を行なって、一方の側に下塗り層を有する本発明の支持体(画像記録材料用支持体)を作製した。
<インクジェット記録用シートの作製>
−インク受容層用塗布液の調製−
下記組成の(1)気相法シリカ微粒子と(2)イオン交換水と(3)「PAS−M−1」とを混合し、KD−P((株)シンマルエンタープライゼス製)を用いて回転数10000rpmで20分間分散させた後、これに更に下記(4)ポリビニルアルコールと(5)ホウ酸と(6)ポリオキシエチレンラウリルエーテルと(7)イオン交換水とを含む溶液を加え、更に回転数10000rpmで20分間再度分散を行ない、インク受容層用塗布液を調製した。ここで、シリカ微粒子と水溶性樹脂との質量比〔PB比=(1):(4)〕は4.5:1であり、インク受容層用塗布液のpHは3.5で酸性を示した。
〈インク受容層塗布液の組成〉
(1)気相法シリカ微粒子(無機微粒子) …10.0部
(レオロシールQS30(平均一次粒子径7nm)、(株)トクヤマ製)
(2)イオン交換水 …51.7部
(3)「PAS−M−1」(60%水溶液) … 0.83部
(分散剤、日東紡(株)製)
(4)ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)8%水溶液 …27.8部
(PVA−124(鹸化度98.5%、重合度2400)、(株)クラレ製)
(5)ホウ酸(架橋剤) … 0.4部
(6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) … 1.2部
(エマルゲン109P(10%水溶液)、HLB値13.6、花王(株)製)
(7)イオン交換水 …33.0部
−インク受容層用塗布液の塗布−
既述の支持体の、アンダーコート液を塗布したオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、上記より得たインク受容層用塗布液を支持体のオモテ面である下塗り層上にエクストルージョンダイコーターを用いて塗布量が170ml/m2となるように塗布し、熱風乾燥機にて80℃(風速3〜8m/秒)で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この期間、塗布層は恒率乾燥を示した。その直後、下記組成の塩基性溶液に30秒浸漬して該塗布層上にその20g/m2を付着させ、更に80℃下で10分間乾燥させた。これより、乾燥膜厚32μmのインク受容層が設けられた、本発明のインクジェット記録用シート(1)を得た。
〈塩基性溶液の組成〉
・硼酸(架橋剤) … 0.65部
・「PAA−10C」(10%水溶液) …25部
(ポリアリルアミン(媒染剤);日東紡(株)製)
・2−メチルピペラジン … 2.0部
・イオン交換水 …60.2部
・塩化アンモニウム(表面pH調整剤) … 0.8部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) …10部
(エマルゲン109P(2%水溶液、HLB値13.6)、花王(株)製)
・メガファック「F1405」10%水溶液 … 2.0部
(フッ素系界面活性剤;大日本インキ化学工業(株)製)
(比較例1)
実施例1の「−アンダーコート液の調製−」において、アナターゼ型二酸化チタンとビス(ベンゾオキサゾリル)スチルベン系のWhitefluor PSNとを複合粒子化せずに、両者を実施例1と同様の比率でそれぞれ添加するようにしたこと以外、実施例1と同様にして、比較のインクジェット記録用シート(2)を得た。
(評価)
上記より得たインクジェット記録用シート(1)〜(2)に対し、下記の評価を行なった。評価結果は下記表1に示す。
[1]地肌白色度
各インクジェット記録用シートの白地部について、カラーアナライザー607型(日立(株)製)を用いて波長440nmの光反射率h1を測定し、評価の指標とした。h1の値の大きい方が白さが良好であることを示す。
[2]地肌耐候性
各インクジェット記録用シートの白地部について、365nm以下の波長領域の紫外線をカットするフィルムを通して25℃、32%RH環境条件下でXenon Weather-ometer Ci65A(ATLAS社製)を用いて3.8時間照射を行ない、その後ランプを消した状態で20℃、32%RH環境条件下に1時間放置する処理サイクルを96時間繰り返し行なった後、カラーアナライザー607型(日立(株)製)を用いて波長440nmの光反射率h2を測定した。そして、前記[1]における処理サイクル前の光反射率h1に対する割合〔%;h2/h1×100〕を求め、地肌耐候性を評価する指標とした。値の大きい方が耐候性に優れることを示す。
[3]シャープネス
各インクジェット記録用シートについて、インクジェットプリンタPM950C(セイコーエプソン社製)を用いて画像を印字し、印字直後の各インクジェット記録用シートを透明PP製ファイルに挿入し、1ヶ月保管後のシャープネスを目視により下記基準にしたがって評価した。
〈基準〉
◎:印字された画像のシャープネスは非常に高く良好であった。
○:印字された画像のシャープネスは良好であった。
△:印字された画像はややぼやけており、シャープネスにやや劣っていた。
×:印字された画像はぼやけており、シャープネスに劣っていた。
Figure 2005169977
上記表1に示すように、複合化粒子の形態で蛍光増白剤を用いた本発明のインクジェット記録用シート(1)では、蛍光増白剤をそのまま含有した比較のインクジェット記録用シート(2)に比し、非画像部である地肌の白色度は高く、耐候性にも優れており、鮮鋭で鮮やかな画像を形成することができた。

Claims (10)

  1. 粒子の表面に蛍光増白剤を固着した複合化粒子を含むことを特徴とする画像記録材料用支持体。
  2. 前記粒子が、平均粒子径20μm以下の無機粒子である請求項1に記載の画像記録材料用支持体。
  3. 前記無機粒子が二酸化チタン、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウムの少なくとも一種を含む請求項2に記載の画像記録材料用支持体。
  4. 原紙並びに、前記複合化粒子と水溶性樹脂及び/又は水分散性ラテックスとを含む下塗り層を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像記録材料用支持体。
  5. インクジェット記録媒体、電子写真用受像材料、感熱発色記録用材料、昇華転写受像材料、熱転写受像材料、及び銀塩写真感光材料より選択されるいずれかに用いられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録材料用支持体。
  6. 粒子の表面に蛍光増白剤を固着した複合化粒子を含むことを特徴とする画像記録材料。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像記録材料用支持体と画像記録層とを有する請求項6に記載の画像記録材料。
  8. 前記画像記録層がインク受容層であり、前記インク受容層が微粒子と水溶性樹脂とを含む請求項7に記載の画像記録材料。
  9. 前記微粒子が、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子、及び擬ベーマイトから選択される少なくとも一種を含む請求項8に記載の画像記録材料。
  10. 前記インク受容層に含まれる水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、エーテル結合を有する樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カルボキシル基を有する樹脂、及びゼラチン類より選択される少なくとも一種を含む請求項8又は9に記載の画像記録材料。
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