JP2005164790A - 光分波素子、光転轍素子、光分波装置および光モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】高性能の光波分離を行うことで複数の光成分間のクロストークを低減し得る光分波素子、光転轍素子、光分波装置および光モジュールを提供する。
【解決手段】 波長λ1の光成分と波長λ2の光成分とを含む入射光のうち、波長λ1の光成分を反射し波長λ2の光成分を透過する波長分離膜12を、色吸収板11の光入射面に設ける。波長分離膜12を透過した光に波長λ1の光成分が含まれていたとしても、これを色吸収板11によって吸収して減衰させることができる。波長分離膜12と色吸収板11とを組み合わせて構成した波長分離型の光分波素子を用いることにより、本来反射されるべき波長λ1の光成分が透過光Tに混入してしまうというクロストークを抑制できる。波長分離膜12が色吸収板11と一体化しており、部品点数を削減できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 波長λ1の光成分と波長λ2の光成分とを含む入射光のうち、波長λ1の光成分を反射し波長λ2の光成分を透過する波長分離膜12を、色吸収板11の光入射面に設ける。波長分離膜12を透過した光に波長λ1の光成分が含まれていたとしても、これを色吸収板11によって吸収して減衰させることができる。波長分離膜12と色吸収板11とを組み合わせて構成した波長分離型の光分波素子を用いることにより、本来反射されるべき波長λ1の光成分が透過光Tに混入してしまうというクロストークを抑制できる。波長分離膜12が色吸収板11と一体化しており、部品点数を削減できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、互いに異なる性質の複数の光成分を含む入射光から各光成分を分離して取り出すための光分波素子および光分波装置、往路と復路とで光路を切り分ける機能を有する光転轍素子、ならびにそれらの素子を用いて構成される光モジュールに関する。
従来より、一の光伝送路(光ファイバ等)を利用して複数の波長の光を伝送する光波長多重通信が行われている。この種の通信方式では、受信側に波長分離素子を設け、それぞれ分離された波長の光を、各波長ごとに設けられた受光素子によってそれぞれ受光するようになっている。この種の波長分離素子は、通常、ダイクロイックミラーと呼ばれる。
このダイクロイックミラーは、例えば図17に示したように、透明基板101と、この透明基板101上に高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に積層してなる多層構造の波長分離膜102とを備える。例えば、入射光Iが波長λ1,λ2の光のみを含むものとすると、この入射光Iは、波長分離機能を有する波長分離膜102によって、波長λ1の光と波長λ2の光とに分離され、例えば波長λ1の光は反射されて反射光R(λ1)となり、波長λ2の光は透明基板101を透過して透過光T(λ2)となる。このとき、反射光Rおよび透過光Tは、それぞれ受光素子P1,P2によって受光され、電気信号に変換される。
このとき、ダイクロイックミラーの波長分離特性が十分でないと、本来は反射すべきλ1の光がわずかに透過光Tに混入してしまい、その結果、受光素子P2において不要な信号を受信する、いわゆるクロストーク現象が生ずる。そこで、従来より、波長分離特性の向上のために、波長分離膜の構成についての様々な試みがなされている。
このようなダイクロイックミラーについては、例えば特許文献1に記載がある。
特開平11−202127号公報
この種のダイクロイックミラーにおいては、波長λ1の光を100%反射すると共に波長λ2の光を100%透過させるという特性の波長分離膜を得ることは現実的には困難であり、また、それに近い特性の波長分離膜を安定的に形成することもまた相当の困難を伴うことから、成膜条件等についての徹底した工程管理が必要となり、コストアップを招くことになる。
この問題に関し、例えば特許文献2には、透明部材の表裏面に特定の波長の光を反射または透過する分光透過率特性を有する光学薄膜をコーティングしてなるダイクロイックミラーが提案されている。また、例えば特許文献3には、光ビームを変換するレンズ(ロッドレンズ5)と、波長分岐用の誘電体膜干渉フィルタ(短波長透過フィルタSWPF1)と、送受信素子結合レンズ(ロッドレンズ6)の前に挿入された他波長遮断用フィルタ(短波長透過SWPF2,長波長透過LWPF3)とからなる光分合波器(SW)が提案されている。
特開平7−13020号公報
特開昭57−163214号公報
上記の特許文献2に記載されたダイクロイックミラーによれば、光源からの入射光のうち、特定の波長の光の大半が、透明ガラス基板の表面側に形成された第1の光学薄膜(波長分離膜)によって反射されると共に、それ以外の波長の光が透明ガラス基板中に入り込む。透明ガラス基板に入り込んだ光のうち、特定の波長の光は、透明ガラス基板の裏面に形成された第2の光学薄膜(波長分離膜)によって反射されるとともに、それ以外の波長の光は透過する。したがって、表面側の波長分離膜を漏れ通った特定波長光を裏面側の波長分離膜によって再度反射させることができる。この結果、ダイクロイックミラーによって特定波長光が完全に反射分離され、透過光の色純度が向上すると共に反射効率も向上する。
また、上記の特許文献3に記載された光分合波器(SW)によれば、発光素子から出てロッドレンズ(5)の入射端で反射した短波長(λ1)の光成分が、波長分岐用誘電体膜干渉フィルタ(短波長透過フィルタSWPF1)を透過せずに反射したとしても、その短波長(λ1)の光成分が、他波長遮断用フィルタ(長波長透過フィルタLWPF3)によって遮断されるので、長波長(λ2)の受信光(反射光)の色純度が向上する。すなわち、送信光の受信光への混入を防止することができ、近端漏洩特性が改善される。
しかしながら、特許文献2に記載されたダイクロイックミラーを、上記のような光波長多重通信方式における受信側の波長分離手段として適用する場合には、次のような問題がある。
第1に、光ファイバ等の光伝送路から出射した受信光は一般に発散光であるため、コリメータレンズを配してダイクロイックミラーへの入射光Iをできるだけ平行光束に近づけることが行われるが、必ずしも完全な平行光束にはならない。一方、波長分離膜102の波長分離特性(すなわち、分光透過率)は、通常は、ある決まった入射角(例えば45度)の入射光に対するものとして設計されている。このため、たとえ、波長分離膜102の波長分離特性が完璧なものであったとしても、入射光の中に、想定入射角(45度)以外の入射角で入射するものが含まれている場合には、分光透過率曲線が設計値通りにはならず、短波長または長波長側にシフトする。この結果、本来であれば反射されるべき波長の光の一部が反射されずに透過してしまう。このため、上記特許文献2に記載されたダイクロイックミラーのように、透明基板の両面に波長分離膜を設けたとしても、想定入射角以外の入射光の一部がダイクロイックミラーを透過してしまうことになる。
第2に、上記特許文献2に記載されたダイクロイックミラーのように、透明基板の両面に波長分離膜を形成することは、製造上の困難さを伴う。特に、両方の膜の分光特性を互いに等しくしたり、あるいは両者の分光特性に所定の差を設けることは、製造歩留りを低下させることにつながる。片面の膜形成がうまくいっても、もう一面の膜形成が失敗する(所望の分光特性が得られない)ことがあるからである。結局、コストアップを抑制することは困難である。
ところで、特許文献2に記載のダイクロイックミラーは、単一の光伝送路を利用して双方向の光伝送を行う光送受信モジュールにも適用される場合がある。この光送受信モジュールは、発光素子と受光素子とを備えると共に、光伝送路と発光素子および受光素子との間にダイクロイックミラーを配置して構成される。発光素子から発せられた波長λ1の送信光はダイクロイックミラーでの反射により進行方向を変えられて光伝送路に導かれる一方、光伝送路を伝送されてきた波長λ2の受信光はダイクロイックミラーを透過して受光素子に導かれる。この場合のダイクロイックミラーは、光路分岐点に位置して、往路光(送信光)の光路と復路光(受信光)の光路とを切り分けるように作用する。
しかしながら、この種の光送受信モジュールでは、発光素子から発せられた往路光(波長λ1)が光伝送路に入射する際に、その入り口(光ファイバの端面)で反射する場合がある。したがって、ダイクロイックミラーの波長分離特性が十分でないと、この反射光(波長λ1)が、光伝送路からの復路光(波長λ2)と共にダイクロイックミラーを透過してしまい、受光素子に到達することになる。すなわち、往路光と復路光とのクロストークが発生する。
この点に関し、上記の特許文献3に記載された光分合波器(SW)では、受信光への送信光の混入防止によって近端漏洩特性を改善することができるので、有利である。しかしながら、波長分岐用誘電体膜干渉フィルタ(短波長透過フィルタSWPF1)と他波長遮断用フィルタ(長波長透過フィルタLWPF3)とは、互いに別個の素子として構成され、配置されていることから、装置構成が複雑になり、装置の小型化が困難になると共に、部品コストや組立コストが上昇するおそれがある。そもそも、特許文献3に記載された光分合波器は、ロッドレンズ(5)の入射端で反射したのちさらに波長分岐用誘電体膜干渉フィルタ(短波長透過フィルタSWPF1)で反射した短波長(λ1)の光を他波長遮断用フィルタ(長波長透過フィルタLWPF3)によって遮断すること、を目的とするものであるので、波長分岐用誘電体膜干渉フィルタと他波長遮断用フィルタとの一体化は原理的に不可能である。仮に一体化したとすると、ロッドレンズ4から出射した短波長(λ1)の送信光が他波長遮断用フィルタによって遮断されてしまい、ロッドレンズ5に到達し得ないことになるからである。
なお、特許文献3に記載された光分合波器(SW)は、送信光を短波長光(λ1)のみとすると共に受信光を長波長光のみとする構成によって双方向光通信を行うというものであり、上記の図17のように、受信光の中に複数の波長成分が含まれていることを前提とする波長多重通信用の光モジュールとは、適用すべき技術対象が異なるものである。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、コストアップを伴わずに高い性能で光波分離を行うことができ、複数の光成分を含む受信光を光成分ごとに分離して受信する際の光成分間のクロストークを低減することができる小型の光分波素子、光分波装置および光モジュールを提供することにある。
本発明の第2の目的は、コストアップを伴わずに高い性能で光転轍を行うことができ、光路分岐点において往路光の光路と復路光の光路とを切り分ける際の往路光と復路光とのクロストークを低減することができることができる小型の光転轍素子および光モジュールを提供することにある。
本発明の光分波素子は、第1および第2の光成分を含む入射光のうち第1の光成分を反射させると共に第2の光成分を透過させる分波部材と、分波部材の光透過側に設けられ分波部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材とを備え、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成するようにしたものである。この光分波素子では、分波部材によって本来反射されるべき第1の光成分の一部が分波部材で反射されずに洩れ通ってしまったとしても、減衰部材がこれを減衰させるので、透過光に第1の光成分が混入することが抑制される。また、分波部材および減衰部材の配置関係を上記のようにしたことから、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成することが可能となり、その結果、部品点数が削減される。
本発明の光分波素子では、さらに、透明部材を設け、この透明部材と減衰部材とを、それらの間に分波部材を挟んで接合するようにしてもよい。この場合には、減衰部材の一方の面に分波部材を形成し、これと透明部材とを、それらの間に分波部材を挟んで接合するようにしてもよいし、あるいは、透明部材の一方の面に分波部材を形成し、これと減衰部材とを、それらの間に分波部材を挟んで接合するようにしてもよい。透明部材や減衰部材は、平行平板で構成してもよいし、三角プリズムで構成してもよい。あるいは、透明部材を三角プリズムで構成すると共に減衰部材を平行平板で構成するようにしてもよい。
本発明の光分波素子において、第1の光成分が第1の波長の光であり、第2の光成分が第1の波長とは異なる第2の波長の光である場合には、分波部材を波長分離フィルタとし、減衰部材を、第2の波長の光よりも第1の波長の光をより多く吸収する色吸収フィルタとすることができる。この場合、波長分離フィルタは、減衰部材の光入射面に直接形成された干渉膜で構成するのが好ましく、また、色吸収フィルタは、シャープカットフィルタで構成するのが好ましい。
また、本発明の光分波素子において、第1の光成分が第1の偏光方向の偏光成分であり、第2の光成分が第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の偏光成分である場合には、分波部材を偏光分離フィルタとし、減衰部材を、第1の偏光方向の偏光成分の通過を遮断する偏光遮断フィルタとすることができる。この場合、偏光分離フィルタは、減衰部材の光入射面に直接形成された偏光分離膜で構成するのが好ましい。
また、本発明の光分波素子において、第1の光成分が、第1の波長と第1の偏光方向とを有する光成分であり、第2の光成分が、第1の波長とは異なる第2の波長と第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向とを有する光成分である場合には、分波部材を波長分離フィルタとし、減衰部材を、第1の偏光方向の偏光成分の通過を遮断する偏光遮断フィルタとすることができる。
また、本発明の光分波素子において、第1の光成分が、第1の波長と第1の偏光方向とを有する光成分であり、第2の光成分が、第1の波長とは異なる第2の波長と第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向とを有する光成分である場合には、分波部材を偏光分離フィルタとし、減衰部材を、第2の波長の光よりも第1の波長の光をより多く吸収する色吸収フィルタとすることができる。
本発明の光分波装置は、複数の光成分を含む入射光の光路上に、請求項1ないし請求項12のいずれか1または2以上の項に記載の光分波素子をカスケードに複数個配置し、入射光が個々の光成分に分波されるように構成したものである。
本発明の第1の観点に係る光モジュールは、第1および第2の受光素子と、第1および第2の受光素子と光伝送路との間に設けられた光分波素子とを備えた光モジュールであって、光分波素子が、光伝送路から入射した第1および第2の光成分を含む入射光のうち第1の光成分を反射させて第1の受光素子に導くと共に第2の光成分を透過させて第2の受光素子に導く分波部材と、分波部材の第2の受光素子側に設けられ分波部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材とを備え、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成するようにしたものである。この光モジュールでは、第2の受光素子は、第1の受光素子で受光されるべき第1の光成分を含まず第2の光成分のみを含む光を、受信光として受光することができる。また、分波部材および減衰部材の配置関係を上記のようにしたことから、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成することが可能となり、その結果、部品点数が削減される。
本発明の光転轍素子は、第1の方向からの光のうちの第1の光成分を反射して第2の方向に導くと共に第2の方向からの光のうちの第2の光成分を透過させて第2の方向とは逆方向に導く光転轍部材と、光転轍部材の第2の方向とは逆方向側に設けられ光転轍部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材とを備え、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成するようにしたものである。この光転轍素子では、第2の方向に進んだ往路光(第1の光成分)の一部が、途中での反射等、何らかの原因によって復路光(第2の光成分)と共に混入成分として戻って来たとしても、減衰部材によってこの混入成分(第1の光成分)が減衰される。また、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成するようにしたことから、部品点数が削減される。
本発明の第2の観点に係る光モジュールは、発光素子と、受光素子と、発光素子および受光素子と光伝送路との間に設けられた光転轍素子とを備えた光モジュールであって、光転轍素子が、発光素子からの光のうちの第1の光成分を反射して光伝送路に導くと共に光伝送路の方向からの光のうちの第2の光成分を透過させて受光素子に導く光転轍部材と、光転轍部材の受光素子側に設けられ光転轍部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材とを備え、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成するようにしたものである。この光モジュールでは、第2の受光素子は、発光素子から出た送信光(第1の光成分)を含まず第2の光成分のみを含む光を受信光として受光することができる。また、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成するようにしたことから、部品点数が削減される。
なお、本発明における文言の意義は以下の通りである。
「分波部材」とは、広く、1つの光波を2以上の光波に分割する機能を有するものをいい、単一材料または単一部分で構成されていてもよいし、複数の材料または複数部分で構成されていてもよい。「減衰部材」とは、広く、光の強度を弱める機能を有するものをいい、単一材料または単一部分で構成されていてもよいし、複数の材料または複数部分で構成されていてもよい。また、「分波部材を減衰部材の入射面に直接形成」とは、文字通り分波部材と減衰部材の入射面との間に何も介在しない場合のほか、分波部材と減衰部材とを結合するための接着剤等が介在する場合も含む趣旨である。
「光成分」とは、ある光波に含まれる、例えば特定の波長または波長帯の光や、特定の偏光状態の光を意味する。「反射」とは、必ずしも100%の反射のみを意味するものではなく、「透過」とは、必ずしも100%の透過のみを意味するものではない。「減衰」は、光の透過を完全に遮断する場合も含む。「第1の波長」および「第2の波長」における「波長」とは、単一波長を意味するだけではなく、ある波長幅をもつ波長帯を意味する場合もある。
「透明部材」とは、入射光の波長域または偏光方向に対して透明である(高い透過率を有する)ものをいうが、必ずしも完全な透明(透過率が100%)である必要はない。「平行平板」とは、光の入射面および出射面となる相対向する2面が互いに平行である板状部材をいうが、幾何学的に完全な平行であることを意味するものではなく、製造上の誤差程度のずれがある場合も含む。
「波長分離フィルタ」とは、光の波長に応じて選択的に光を反射または透過することによって光を分離する機能を有するフィルタをいい、単一材料または単一部分で構成されていてもよいし、複数の材料または複数部分で構成されていてもよい。「干渉膜」とは、薄膜を多数積層し、各薄膜の界面間で生ずる干渉作用を利用して所定の機能を発揮させるようにした光学薄膜をいう。
「色吸収フィルタ」とは、特定の波長(色)または波長帯の光を選択的に吸収する機能を有するフィルタをいい、単一材料または単一部分で構成されていてもよいし、複数の材料または複数部分で構成されていてもよい。「シャープカットフィルタ」とは、ある波長を境として、その両側で光の透過率または吸収率が急激に(例えば0%から100%へと)変化するように構成されたフィルタをいう。
「偏光分離フィルタ」とは、光の偏光方向に応じて選択的に光を反射または透過することによって光を分離する機能を有するフィルタをいい、単一材料または単一部分で構成されていてもよいし、複数の材料または複数部分で構成されていてもよい。「偏光分離膜」とは、そのような機能を有する光学薄膜をいう。
「偏光遮断フィルタ」とは、特定の偏光方向の光を選択的に透過させ、それ以外の偏光方向の光を遮断する機能を有するフィルタをいい、単一材料または単一部分で構成されていてもよいし、複数の材料または複数部分で構成されていてもよい。なお、ここにいう「遮断」とは、必ずしも完全な(100%の)遮断のみを意味するものではない。「偏光膜」とは、そのような機能を有する光学薄膜をいう。
「カスケードに」とは、複数の光分波素子を連続に翼列状または縦続状に配列し、前段の光分波素子の出力が次段の光分波素子の入力となるようにすることをいう。「光転轍」とは、光路分岐点において往路光(第1の光)の光路と復路光(第2の光)の光路とを切り分けることをいう。「モジュール」とは、部品や素子等を組み合わせて特定の機能をもつようにしたアッセンブリ体をいう。
本発明の光分波素子または第1の観点に係る光モジュールによれば、光分波素子が、第1および第2の光成分を含む入射光のうち第1の光成分を反射させると共に第2の光成分を透過させる分波部材と、分波部材の光透過側に設けられ分波部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材とを備えるようにしたので、分波部材によって本来反射されるべき第1の光成分の一部が分波部材で反射されずに洩れ通ってしまったとしても、この洩れ成分(第1の光成分)を減衰部材によって減衰させることができる。このため、透過光に第1の光成分が混入することを抑制でき、したがって、透過側における光成分のクロストークを効果的に防止することができる。また、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成するようにしたことから、部品点数が削減され、小型化が可能になる。
本発明の光転轍素子または第2の観点に係る光モジュールによれば、光転轍素子が、第1の方向からの光のうちの第1の光成分を反射して第2の方向に導くと共に第2の方向からの光のうちの第2の光成分を透過させて第2の方向とは逆方向に導く光転轍部材と、光転轍部材の第2の方向とは逆方向側に設けられ光転轍部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材とを備えるようにしたので、第2の方向に進んだ往路光(第1の光成分)の一部が復路光(第2の光成分)と共に混入成分として戻って来たとしても、減衰部材によってこの混入成分(第1の光成分)を減衰させることができる。このため、受信光に送信光の一部が混入することを抑制でき、したがって、受信における光成分のクロストークを効果的に防止することができる。また、分波部材を減衰部材の入射面に直接形成するようにしたことから、部品点数が削減され、小型化が可能になる。
本発明の光分波装置によれば、複数の光成分を含む入射光の光路上に、上記のような構成の光分波素子をカスケードに複数個配置し、入射光が個々の光成分に分波されるようにしたので、多くの光成分を含む入射光を各光成分に分波することができると共に、各光分波素子において反射されるべき光成分が透過光に混入するというクロストークを効果的に抑制することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、単に実施の形態という。)について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本発明の一実施の形態に係る光分波素子の断面構造を表すものである。この光分波素子1は、減衰部材としての色吸収板11と、この色吸収板11の片面(入射面)に形成された分波部材としての波長分離膜12とを含んで構成されている。波長分離膜12は、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に積層してなる多層のダイクロイック干渉膜からなり、波長λ1を含む第1の波長帯の光を反射すると共に、波長λ2を含む第2の波長帯の光を透過するように構成されている。色吸収板11は、第1の光成分としての波長λ1の光を吸収し、第2の光成分としての波長λ2の光を透過するように構成されて、例えば、色ガラス板や色付きプラスチック板等が用いられる。 なお、色吸収板11に代えて、色吸収材料よりなる三角プリズムを用いてもよい。
図1は本発明の一実施の形態に係る光分波素子の断面構造を表すものである。この光分波素子1は、減衰部材としての色吸収板11と、この色吸収板11の片面(入射面)に形成された分波部材としての波長分離膜12とを含んで構成されている。波長分離膜12は、高屈折率膜と低屈折率膜とを交互に積層してなる多層のダイクロイック干渉膜からなり、波長λ1を含む第1の波長帯の光を反射すると共に、波長λ2を含む第2の波長帯の光を透過するように構成されている。色吸収板11は、第1の光成分としての波長λ1の光を吸収し、第2の光成分としての波長λ2の光を透過するように構成されて、例えば、色ガラス板や色付きプラスチック板等が用いられる。 なお、色吸収板11に代えて、色吸収材料よりなる三角プリズムを用いてもよい。
このような構成の光分波素子1は、次のように作用する。
波長λ1,λ2の光を含む入射光I[λ1,λ2]が光分波素子1に入射すると、この入射光Iは、波長分離膜12によって、波長λ1の光と波長λ2の光とに分離される。具体的には、波長λ1の光は入射方向と直交する方向に反射されて反射光R[λ1]となり、波長λ2の光は色吸収板11を透過して入射方向と平行な方向に進む透過光T[λ2]となる。反射光Rおよび透過光Tは、それぞれ、図示しない受光素子によって受光されて電気信号に変換され、あるいは、それぞれに対応して設けられた光伝送路(図示せず)に入射され、他の機器へと伝送される。
このとき、ダイクロイックミラーの波長分離特性が十分でない場合や、入射光Iの拡がりによって入射角度が規定値(例えば45度)から外れる場合には、本来は反射すべきλ1の光の一部がわずかに波長分離膜12を漏れ通る。ところが、色吸収板11は波長λ1の光を吸収するので、透過光Tには波長λ1の光が混入せず、波長λ2の光のみとなる。すなわち、入射光I[λ1,λ2]を波長λ1の反射光R[λ1]と波長λ2の透過光T[λ2]とにほぼ完全に分離することができる。したがって、波長λ1とλ2との間でのクロストークの発生を抑制することができる。
図2は、色吸収板11および波長分離膜12の分光透過率を模式的に表すものである。横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示す。この例は、色吸収板11として、波長λ1と波長λ2との間で急激に透過率が変化するような分光透過特性を有するロングパスタイプ(長波長帯透過型)のシャープカットフィルタを用い、波長分離膜12として、波長λ1と波長λ2との間で急激に透過率が変化するような分光透過特性を有するロングパスタイプのダイクロイック干渉膜を用いた場合のものである。
この図で、波長分離膜12の設計値の分光透過特性C0は、入射角が45度の場合のものである。入射角が設計値通りの45度である場合には、波長λ1の光が波長分離膜12を透過する量はきわめて小さく(A点)、透過光Tへの影響は少ない。
一方、入射角が45度よりも大きい場合には、波長分離膜12の分光透過特性C1は、短波長側にシフトする結果、波長λ1の光が波長分離膜12を透過する量は比較的大きくなり(B点)、このままでは透過光Tへの混入量が増大する。ところが、シャープカットフィルタ(色吸収板11)の分光透過特性C2は、図示のように、波長λ1における透過率がほぼ0であるため、波長分離膜12を透過した波長λ1の光はシャープカットフィルタによって吸収されてほぼ完全に遮断され、透過光Tに混入することがなくなる。なお、図2の例では、波長λ2においてシャープカットフィルタの透過率がわずかに落ちているので、透過光Tの光量はわずかに低下するが、実用上、支障はない。
図3は、本実施の形態の一実施例における光分波素子と比較例における光分波素子についての分光透過特性を対比して表すものである。横軸は波長(単位nm)を示し、縦軸は透過率(単位%)を示す。本実施例の光分波素子は、色吸収板11としてHOYA製のシャープカットフィルタR70(商品名)上にダイクロイック干渉膜を形成して構成したものであり、比較例の光分波素子は、一般的な透明板ガラスであるBK7(商品名)上に同じ特性のダイクロイック干渉膜を形成して構成したものである。符号A30,A45,A60は、それぞれ、入射角が30,45,60度の場合における本実施例の分光透過特性を示し、符号B30,B45,B60は、それぞれ、入射角が30,45,60度の場合における比較例の分光透過特性を示す。
この図からわかるように、本実施例および比較例のいずれにおいても、入射角が45度,30度の場合には(A30,A45,B30,B45)、波長λ1(ここでは650nm)での透過率はほぼ0であり、透過光Tへの波長λ1の光の混入はほとんどない。
ところが、比較例では、入射角が60度の場合に(B60)、波長λ1での透過率が1%程度発生しており、透過光Tへの波長λ1の光の混入が大きいため、無視できないクロストークが生ずる。これに対して、本実施例では、入射角が60度の場合であっても(A60)、波長λ1での透過率がほぼ0に抑えられており、透過光Tへの波長λ1の光の混入はほとんどなく、実用上支障はない。
このように、本実施の形態によれば、波長λ1の光成分と波長λ2の光成分とを含む入射光のうち、波長λ1の光成分を反射し波長λ2の光成分を透過する波長分離膜12を色吸収板11の光入射面に設けるようにしたので、波長分離膜12を透過した光に波長λ1の光成分が含まれていたとしても、これを色吸収板11によって吸収して減衰させることができる。すなわち、波長分離膜12と色吸収板11とを組み合わせて構成した波長分離型の光分波素子を用いることにより、本来反射されるべき波長λ1の光成分が透過光Tに混入してしまうというクロストークの発生を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、分波部材である波長分離膜12を減衰部材である色吸収板11の入射面に直接形成するようにしたことから、部品点数が削減され、装置構成が簡素化される。このため、装置の小型化が可能になると共に、コストアップを抑えることができる。
〈変形例1−1〉
本実施の形態では、減衰部材を色吸収板11によって実現するようにしたが、例えば図4に示したように、色吸収層としての色素層を含む複数層からなる積層構造の色吸収板を用いて減衰部材を構成してもよい。図4は、透明層117の両面に色素層116,118を形成して色吸収板11Cを構成すると共に、色素層116の表面に波長分離膜12を形成したものである。
本実施の形態では、減衰部材を色吸収板11によって実現するようにしたが、例えば図4に示したように、色吸収層としての色素層を含む複数層からなる積層構造の色吸収板を用いて減衰部材を構成してもよい。図4は、透明層117の両面に色素層116,118を形成して色吸収板11Cを構成すると共に、色素層116の表面に波長分離膜12を形成したものである。
色素層116,118は、例えば色ガラス板や色付きプラスチック板等の色付き板材以外にも、顔料または染料を含む例えば塗膜により構成することが可能であり、透明層117は、例えば透明板ガラスを用いて構成することができる。但し、これには限定されず、他の方法による構成も可能である。また、透明層に代えて、色素層116,118とは異なる分光透過特性を持つ色素層を組み合わせることにより、所望の分光透過特性を得るようにしてもよい。
〈変形例1−2〉
上記実施の形態では、分波部材である波長分離膜12を減衰部材である色吸収板11の表面に形成するようにしたが、例えば図5に示したように、透明部材である透明板13と色吸収板11との間に波長分離膜12を挟み込んで両者を接合し、光分波素子1Aを構成してもよい。透明板13としては、例えばガラス板やプラスチック板等が用いられる。この構成には、波長分離膜12が保護されるという利点がある。
上記実施の形態では、分波部材である波長分離膜12を減衰部材である色吸収板11の表面に形成するようにしたが、例えば図5に示したように、透明部材である透明板13と色吸収板11との間に波長分離膜12を挟み込んで両者を接合し、光分波素子1Aを構成してもよい。透明板13としては、例えばガラス板やプラスチック板等が用いられる。この構成には、波長分離膜12が保護されるという利点がある。
図5に示した光分波素子1Aは、例えば、図6(A)に示したように、色吸収板11の表面に波長分離膜12を形成したのち、接着剤(図示せず)によって透明ガラス板13を接合して作製することができる。あるいは図6(B)に示したように、透明板13の表面に波長分離膜12を形成したのち、接着剤(図示せず)によって色吸収板11を接合して作製するようにしてもよい。
〈変形例1−3〉
上記変形例1−2では、減衰部材としての色吸収板11と透明部材である透明板12との間に波長分離膜12を挟み込む構成としたが、これには限らず、例えば図7に示したように、三角プリズム形状を有する色吸収プリズム11Eにより減衰部材を構成すると共に、三角プリズム形状を有する透明プリズム13Aにより透明部材を構成し、両者間に波長分離膜12を挟み込んで両者を接合することにより、光分波素子1Bを構成するようにしてもよい。色吸収プリズム11Eとしては、例えば色ガラスや色付きプラスチックが、また、透明プリズム13Aとしては、例えば透明なガラス板やプラスチック板等が用いられる。
上記変形例1−2では、減衰部材としての色吸収板11と透明部材である透明板12との間に波長分離膜12を挟み込む構成としたが、これには限らず、例えば図7に示したように、三角プリズム形状を有する色吸収プリズム11Eにより減衰部材を構成すると共に、三角プリズム形状を有する透明プリズム13Aにより透明部材を構成し、両者間に波長分離膜12を挟み込んで両者を接合することにより、光分波素子1Bを構成するようにしてもよい。色吸収プリズム11Eとしては、例えば色ガラスや色付きプラスチックが、また、透明プリズム13Aとしては、例えば透明なガラス板やプラスチック板等が用いられる。
図7に示した光分波素子1Bは、例えば図8(A)に示したように、色吸収プリズム11Eの表面に波長分離膜12を形成したのち、接着剤(図示せず)によって透明プリズム13Aを接合して作製することができる。あるいは図8(B)に示したように、透明プリズム13Aの表面に波長分離膜12を形成したのち、接着剤(図示せず)によって色吸収プリズム11Eを接合して作製するようにしてもよい。
〈変形例1−4〉
また、例えば図9に示したように、波長分離膜12と色吸収板11とを2つの透明プリズム13A,13Bによって挟み込んで三者を接合することにより、光分波素子1Cを構成するようにしてもよい。
また、例えば図9に示したように、波長分離膜12と色吸収板11とを2つの透明プリズム13A,13Bによって挟み込んで三者を接合することにより、光分波素子1Cを構成するようにしてもよい。
図9に示した光分波素子1Cは、例えば図10(A)に示したように、色吸収板11の表面に波長分離膜12を形成したのち、これを接着剤(図示せず)によって透明プリズム13A,13Bの間に挟んで接合することにより作製することができる。あるいは図10(B)に示したように、透明プリズム13Aの表面に波長分離膜12を形成すると共に、透明プリズム13Bに色吸収板11の一方の面を接合し、接合された色吸収板11の他方の面と、波長分離膜12の形成された透明プリズム13Aとを接着剤(図示せず)で接合することにより作製するようにしてもよい。
〈応用例1〉
図11は、上記第1の実施の形態における光分波素子を用いて構成した光受信モジュールの構成を表すものである。この光受信モジュールは、光ファイバ15上を伝送されてきた2つの波長λ1,λ2を含む光信号(入射光I[λ1,λ2])を各波長λ1,λ2の光に分離して受信するためのもので、光分波素子1と、2つの受光素子16,17と、レンズ18,19,20とを備える。レンズ18は、光ファイバ15と光分波素子1との間に配置され、光ファイバ15から出射した発散光束をほぼ平行光束に変換して光分波素子1に導くコリメータレンズとして機能するようになっている。レンズ19は、光分波素子1と受光素子16の間に配置され、光分波素子1で反射したほぼ平行な光束(反射光R[λ1])を集光して受光素子16に導く集光レンズとして機能する。レンズ20は、光分波素子1と受光素子17の間に配置され、光分波素子1を透過したほぼ平行な光束(透過光T[λ2])を集光して受光素子17に導く集光レンズとして機能する。
図11は、上記第1の実施の形態における光分波素子を用いて構成した光受信モジュールの構成を表すものである。この光受信モジュールは、光ファイバ15上を伝送されてきた2つの波長λ1,λ2を含む光信号(入射光I[λ1,λ2])を各波長λ1,λ2の光に分離して受信するためのもので、光分波素子1と、2つの受光素子16,17と、レンズ18,19,20とを備える。レンズ18は、光ファイバ15と光分波素子1との間に配置され、光ファイバ15から出射した発散光束をほぼ平行光束に変換して光分波素子1に導くコリメータレンズとして機能するようになっている。レンズ19は、光分波素子1と受光素子16の間に配置され、光分波素子1で反射したほぼ平行な光束(反射光R[λ1])を集光して受光素子16に導く集光レンズとして機能する。レンズ20は、光分波素子1と受光素子17の間に配置され、光分波素子1を透過したほぼ平行な光束(透過光T[λ2])を集光して受光素子17に導く集光レンズとして機能する。
この光受信モジュールでは、光分波素子1が有する上記機能により、光ファイバ15から入射する受信光のうち、波長λ1の光の受光素子17への入射が効果的に抑制されるので、受光素子16,17における波長間でのクロストークの発生を防止することができる。
〈応用例2〉
図12は、上記した光分波素子1(図1)を光転轍素子2として用いて構成した光送受信モジュールの構成を表すものである。この光送受信モジュールは、光ファイバ15に向けて光信号を送信すると共に、光ファイバ15からの光信号を受信するためのもので、光転轍素子2と、受光素子17と、発光素子21と、レンズ18,19,20とを備える。レンズ18は、光ファイバ15と光転轍素子2との間に配置され、光ファイバ15から出射した発散光束をほぼ平行な光束(入射光I[λ2])に変換して光転轍素子2に導くコリメータ機能と、発光素子21から出射して光転轍素子2で反射したほぼ平行な光束(反射光R[λ1])を集光して光ファイバ15に導く集光機能とを有する。レンズ19は、光転轍素子2と発光素子21との間に配置され、発光素子21から出射した発散光束をほぼ平行な光束(入射光I[λ1])に変換して光転轍素子2に導く。レンズ20は、光転轍素子2を透過したほぼ平行な光束(透過光T[λ2])を集光して受光素子17に導くようになっている。
図12は、上記した光分波素子1(図1)を光転轍素子2として用いて構成した光送受信モジュールの構成を表すものである。この光送受信モジュールは、光ファイバ15に向けて光信号を送信すると共に、光ファイバ15からの光信号を受信するためのもので、光転轍素子2と、受光素子17と、発光素子21と、レンズ18,19,20とを備える。レンズ18は、光ファイバ15と光転轍素子2との間に配置され、光ファイバ15から出射した発散光束をほぼ平行な光束(入射光I[λ2])に変換して光転轍素子2に導くコリメータ機能と、発光素子21から出射して光転轍素子2で反射したほぼ平行な光束(反射光R[λ1])を集光して光ファイバ15に導く集光機能とを有する。レンズ19は、光転轍素子2と発光素子21との間に配置され、発光素子21から出射した発散光束をほぼ平行な光束(入射光I[λ1])に変換して光転轍素子2に導く。レンズ20は、光転轍素子2を透過したほぼ平行な光束(透過光T[λ2])を集光して受光素子17に導くようになっている。
この光送受信モジュールでは、発光素子21から発せられた波長λ1の光(送信光)が光転轍素子2によって方向を変えられて光ファイバ15に導かれると共に、光ファイバ15上を伝送されてきた波長λ2の光(受信光)が光転轍素子2をそのまま直進透過して受光素子17に入射する。これにより、単一の光ファイバ15を利用して送受信を行うことができる。
このような構成の光送受信モジュールでは、発光素子21からの波長λ1の光が光転轍素子2で反射したのち光ファイバ15に入射する際に、光ファイバ15の端面で反射する場合がある。この反射光RXは、レンズ18で集光された反射光R[λ1]の反射光であるので、かなりの強度を持つ波長λ1の光であり、光ファイバ15からの受信光である波長λ2の光と共に、光転轍素子2に入射する。光転轍素子2の波長分離膜12では、波長λ1の反射光RXのすべてが反射されるわけではなく、波長分離膜12の分光透過特性のずれや反射光RXの入射角度の違い等の要因によって、一部が波長分離膜12を透過してしまう。ところが、この透過光(波長λ1)は、色吸収板11によって確実に吸収されて遮断されるので、受光素子17に入射することがない。すなわち、送信光(波長λ1)が受信光(波長λ2)に混じって受光素子に達することが阻止され、送受信光の間でのクロストークが防止される。
[第2の実施の形態]
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る光分波素子1Eの断面構造を表すものである。この光分波素子1Eは、減衰部材としての偏光フィルタ21と、この偏光フィルタ21上に形成された分波部材としての偏光分離膜22とを含んで構成されている。偏光分離膜22は、例えば誘電体膜を積層してなる構造を有し、s偏光とp偏光とを含む入射光I[P,S]を、s偏光からなる反射光R[S]と、p偏光からなる透過光T[P]とに分波する機能を有する。偏光フィルタ21は、特定方向の直線偏光(ここではp偏光)のみを透過し、それ以外の偏光を遮断するいわゆる検光子として機能するものであり、例えば高分子よりなる板状部材が用いられる。なお、本実施の形態では、入射光のうちのs偏光成分およびp偏光成分が、それぞれ、本発明における「第1の光成分」および「第2の光成分」に対応する。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る光分波素子1Eの断面構造を表すものである。この光分波素子1Eは、減衰部材としての偏光フィルタ21と、この偏光フィルタ21上に形成された分波部材としての偏光分離膜22とを含んで構成されている。偏光分離膜22は、例えば誘電体膜を積層してなる構造を有し、s偏光とp偏光とを含む入射光I[P,S]を、s偏光からなる反射光R[S]と、p偏光からなる透過光T[P]とに分波する機能を有する。偏光フィルタ21は、特定方向の直線偏光(ここではp偏光)のみを透過し、それ以外の偏光を遮断するいわゆる検光子として機能するものであり、例えば高分子よりなる板状部材が用いられる。なお、本実施の形態では、入射光のうちのs偏光成分およびp偏光成分が、それぞれ、本発明における「第1の光成分」および「第2の光成分」に対応する。
実施の形態の光分波素子1Eは、次のように作用する。すなわち、s偏光とp偏光とを含む入射光Iが入射すると、偏光分離膜22は、s偏光成分を入射方向と直交する方向に反射して反射光R[S]とする一方、p偏光を透過させて入射方向と平行な方向に進む透過光T[P]とする。このとき、s偏光の一部は偏光分離膜22で反射しきれず、p偏光と共に偏光フィルタ21中に進む。ところが、偏光フィルタ21は、p偏光を透過させるがs偏光は透過させないようになっているので、偏光分離膜22をわずかに洩れ通ったs偏光は偏光フィルタ21で遮断される。結局、透過光Tはs偏光成分を含まず、p偏光成分のみとなる。このように、本実施の形態によれば、偏光分離膜22と偏光フィルタ21とを組み合わせて構成した偏光分離型の光分波素子1Eを用いることにより、本来反射されるべきs偏光が透過光に混入してしまうという偏光間のクロストークの発生を抑制することができる。
なお、偏光分離型の光分波素子は、図13に示したような形状のものに限定されるものではなく、波長分離型の光分波素子の変形例として示した図4,図5,図7および図9のような構造にしてもよい。この場合には、波長分離膜12を偏光分離膜に置き換え、色吸収板11,11Cまたは色吸収プリズム11Eを偏光フィルタに置き換えればよい。
[第3の実施の形態]
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る光分波素子1Fの断面構造を表すものである。この光分波素子1Fは、減衰部材としての偏光フィルタ21と、この偏光フィルタ21上に形成された分波部材としての波長分離膜12とを含んで構成されている。波長分離膜12および偏光フィルタ21は、第1および第2の実施の形態で説明したものと同じものである。なお、本実施の形態では、入射光のうち、波長λ1を有するs偏光成分および波長λ2を有するp偏光成分が、それぞれ、本発明における「第1の光成分」および「第2の光成分」に対応する。
図14は、本発明の第3の実施の形態に係る光分波素子1Fの断面構造を表すものである。この光分波素子1Fは、減衰部材としての偏光フィルタ21と、この偏光フィルタ21上に形成された分波部材としての波長分離膜12とを含んで構成されている。波長分離膜12および偏光フィルタ21は、第1および第2の実施の形態で説明したものと同じものである。なお、本実施の形態では、入射光のうち、波長λ1を有するs偏光成分および波長λ2を有するp偏光成分が、それぞれ、本発明における「第1の光成分」および「第2の光成分」に対応する。
実施の形態の光分波素子1Fは、次のように作用する。すなわち、波長λ1を有するs偏光成分と波長λ2を有するp偏光成分とを含む入射光I[λ1(S),λ2(P)]が入射すると、波長分離膜12は、波長λ1を有するs偏光成分を入射方向と直交する方向に反射して反射光R[λ1(S)]とする一方、波長λ2を有するp偏光成分を透過させて入射方向と平行な方向に進む透過光T[λ2(P)]とする。このとき、波長λ1を有するs偏光成分の一部は波長分離膜12で反射しきれず、波長λ2を有するp偏光成分と共に偏光フィルタ21中に進む。ところが、偏光フィルタ21は、p偏光を透過させるがs偏光は透過させないようになっているので、波長分離膜12をわずかに洩れ通った波長λ1を有するs偏光成分は偏光フィルタ21で遮断される。結局、透過光Tは波長λ1の光成分を含まず、波長λ2の光成分のみとなる。このように、本実施の形態によれば、波長分離膜12と偏光フィルタ21とを組み合わせて構成した複合型の光分波素子1Fを用いることにより、本来反射されるべき波長λ1の光が透過光に混入してしまうというクロストークの発生を抑制することができる。
[第4の実施の形態]
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る光分波素子1Gの断面構造を表すものである。この光分波素子1Gは、減衰部材としての色吸収板11と、この色吸収板11上に形成された分波部材としての偏光分離膜22とを含んで構成されている。色吸収板11および偏光分離膜22は、第1および第2の実施の形態で説明したものと同じものである。なお、本実施の形態では、入射光のうち、波長λ1を有するs偏光成分および波長λ2を有するp偏光成分が、それぞれ、本発明における「第1の光成分」および「第2の光成分」に対応する。
図15は、本発明の第4の実施の形態に係る光分波素子1Gの断面構造を表すものである。この光分波素子1Gは、減衰部材としての色吸収板11と、この色吸収板11上に形成された分波部材としての偏光分離膜22とを含んで構成されている。色吸収板11および偏光分離膜22は、第1および第2の実施の形態で説明したものと同じものである。なお、本実施の形態では、入射光のうち、波長λ1を有するs偏光成分および波長λ2を有するp偏光成分が、それぞれ、本発明における「第1の光成分」および「第2の光成分」に対応する。
実施の形態の光分波素子1Gは、次のように作用する。すなわち、波長λ1を有するs偏光成分と波長λ2を有するp偏光成分とを含む入射光I[λ1(S),λ2(P)]が入射すると、偏光分離膜22は、波長λ1を有するs偏光成分を入射方向と直交する方向に反射して反射光R[λ1(S)]とする一方、波長λ2を有するp偏光成分を透過させて入射方向と平行な方向に進む透過光T[λ2(P)]とする。このとき、波長λ1を有するs偏光成分の一部は偏光分離膜22で反射しきれず、波長λ2を有するp偏光成分と共に色吸収板11中に進む。ところが、色吸収板11は、波長λ2の光を透過させるが波長λ1の光は透過させないようになっているので、偏光分離膜22をわずかに洩れ通った波長λ1のs偏光成分は色吸収板11で遮断される。結局、透過光Tはs偏光成分を含まず、p偏光成分のみとなる。このように、本実施の形態によれば、偏光分離膜22と色吸収板11とを組み合わせて構成した複合型の光分波素子1Gを用いることにより、本来反射されるべきs偏光が透過光に混入してしまうというクロストークの発生を抑制することができる。
〈応用例3〉
図16は、以上説明した光分波素子をカスケードに多段に配置して構成した光分波装置を表すものである。この光分波装置は、入射光Iに含まれる6種類の光成分(すなわち、波長λ1のp偏光成分、波長λ1のs偏光成分、波長λ2のp偏光成分、波長λ2のs偏光成分、波長λ3のp偏光成分、および波長λ3のs偏光成分)を個々の光成分に分離するためのものである。このような光波分離を実現するために、この光分波装置は、波長分離型の光分波素子1−1と、光分波素子1−1の透過側に設けられた偏光分離型の光分波素子1B−1と、光分波素子1B−1の透過側に設けられた波長分離型の光分波素子1−2と、光分波素子1−1の反射側に設けられた偏光分離型の光分波素子1B−2と、光分波素子1B−1の反射側に設けられた波長分離型の光分波素子1−3とを備えている。
図16は、以上説明した光分波素子をカスケードに多段に配置して構成した光分波装置を表すものである。この光分波装置は、入射光Iに含まれる6種類の光成分(すなわち、波長λ1のp偏光成分、波長λ1のs偏光成分、波長λ2のp偏光成分、波長λ2のs偏光成分、波長λ3のp偏光成分、および波長λ3のs偏光成分)を個々の光成分に分離するためのものである。このような光波分離を実現するために、この光分波装置は、波長分離型の光分波素子1−1と、光分波素子1−1の透過側に設けられた偏光分離型の光分波素子1B−1と、光分波素子1B−1の透過側に設けられた波長分離型の光分波素子1−2と、光分波素子1−1の反射側に設けられた偏光分離型の光分波素子1B−2と、光分波素子1B−1の反射側に設けられた波長分離型の光分波素子1−3とを備えている。
光分波素子1−1、1−2、1−3は、いずれも、図1に示した光分波素子1と同じ構造のものである。光分波素子1B−1,1B−2は、いずれも、図7に示した光分波素子1Bにおける波長分離膜12および色吸収プリズム11Eを、それぞれ、偏光分離膜および偏光フィルタプリズムに置き換えて構成したものである。
この光分波装置では、入射光Iに含まれる6種類の光成分のうち、波長λ1のp偏光成分およびs偏光成分が光分波素子1−1で反射されて反射光R1[λ1(P,S)]となり、それ以外の光成分が光分波素子1−1を透過して透過光T1[λ2(P,S),λ3(P,S)]となる。この透過光T1のうち、波長λ2のs偏光成分および波長λ3のs偏光成分が光分波素子1B−1で反射されて反射光R2[λ2(S),λ3(S)]となり、それ以外の光成分が光分波素子1B−1を透過して透過光T2[λ2(P),λ3(P)]となる。この透過光T2のうち、波長λ3のp偏光成分は光分波素子1−2で反射されて反射光R3[λ3(P)]となり、波長λ2のp偏光成分は光分波素子1−2を透過して透過光T3[λ2(P)]となる。
一方、光分波素子1−1で反射された反射光R1[λ1(P,S)]のうち、波長λ1のs偏光成分は光分波素子1B−2で反射されて反射光R4[λ1(S)]となり、波長λ1のp偏光成分は光分波素子1B−2を透過して透過光T4[λ1(P)]となる。また、光分波素子1B−1で反射された反射光R2[λ2(S),λ3(S)]のうち、波長λ2のs偏光成分は光分波素子1−3で反射されて反射光R5[λ2(S)]となり、波長λ3のs偏光成分は光分波素子1−3を透過して透過光T5[λ3(S)]となる。
これらの光分波素子1−1等のいずれにおいても、分波部材(波長分離膜12または偏光分離膜22)によって本来反射されるべきであった光成分の一部が分波部材を洩れ通ったとしても、これらの洩れ成分は、減衰部材(色吸収板11または偏光フィルタ21)によって遮断され、後段への透過光には混入しない。このため、最終的に得られる3種類の透過光T3〜T5に不要な光成分が混じることがなく、クロストークを抑制することができる。
なお、光分波装置に用いる各光分波素子の構造や形状は、図16に示したものに限られるものではなく、変形例としてあげた構造や形状の光分波素子を用いるようにしてもよい。また、光分波素子の相互の配置関係についても、必要に応じて随時変更可能である。
以上、実施の形態およびいくつかの変形例をあげて説明したが、本発明は、上記実施の形態および各変形例に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、減衰部材としての色吸収板11,11C、色吸収プリズム11Eおよび偏光フィルタ21等の形状、大きさおよび減衰特性等は使用目的や仕様等に応じて適宜変更可能である。また、分波部材としての波長分離膜12や偏光分離膜22の膜構成や光分波特性(分光透過特性)についても、使用目的や仕様等に応じて適宜変更可能である。
1,1A,1B,1B−1,1B−2,1C,1E,1F,1G…光分波素子、2…光転轍素子、11,11C…色吸収板、11E…色吸収プリズム、12…波長分離膜、13…透明板、13A,13B…透明プリズム、15…光ファイバ、16…受光素子、21…発光素子、RX…不要反射光。
Claims (16)
- 第1および第2の光成分を含む入射光のうち、前記第1の光成分を反射させると共に、前記第2の光成分を透過させる分波部材と、
前記分波部材の光透過側に設けられ、前記分波部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材と
を備え、
前記分波部材が前記減衰部材の入射面に直接形成されている
ことを特徴とする光分波素子。 - さらに、透明部材を備え、
前記透明部材と前記減衰部材とが、それらの間に前記分波部材を挟んで接合されている
ことを特徴とする請求項1に記載の光分波素子。 - 前記透明部材および前記減衰部材が平行平板よりなる
ことを特徴とする請求項2に記載の光分波素子。 - 前記透明部材および前記減衰部材が三角プリズムよりなる
ことを特徴とする請求項2に記載の光分波素子。 - 前記透明部材が三角プリズムよりなり、前記減衰部材が平行平板よりなる
ことを特徴とする請求項2に記載の光分波素子。 - 前記第1の光成分は、第1の波長の光であり、
前記第2の光成分は、前記第1の波長とは異なる第2の波長の光であり、
前記分波部材は、波長分離フィルタであり、
前記減衰部材は、前記第2の波長の光よりも前記第1の波長の光をより多く吸収する色吸収フィルタである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光分波素子。 - 前記波長分離フィルタは、前記減衰部材の入射面に直接形成された干渉膜により構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の光分波素子。 - 前記色吸収フィルタは、シャープカットフィルタである
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の光分波素子。 - 前記第1の光成分は、第1の偏光方向の偏光成分であり、
前記第2の光成分は、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向の偏光成分であり、
前記分波部材は、偏光分離フィルタであり、
前記減衰部材は、前記第1の偏光方向の偏光成分の通過を遮断する偏光遮断フィルタである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光分波素子。 - 前記偏光分離フィルタは、前記減衰部材の入射面に直接形成された偏光分離膜により構成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の光分波素子。 - 前記第1の光成分は、第1の波長と、第1の偏光方向とを有する光成分であり、
前記第2の光成分は、前記第1の波長とは異なる第2の波長と、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向とを有する光成分であり、
前記分波部材は、波長分離フィルタであり、
前記減衰部材は、前記第1の偏光方向の偏光成分の通過を遮断する偏光遮断フィルタである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光分波素子。 - 前記第1の光成分は、第1の波長と、第1の偏光方向とを有する光成分であり、
前記第2の光成分は、前記第1の波長とは異なる第2の波長と、前記第1の偏光方向とは異なる第2の偏光方向とを有する光成分であり、
前記分波部材は、偏光分離フィルタであり、
前記減衰部材は、前記第2の波長の光よりも前記第1の波長の光をより多く吸収する色吸収フィルタである
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の光分波素子。 - 複数の光成分を含む入射光の光路上に、請求項1ないし請求項12のいずれか1または2以上の項に記載の光分波素子がカスケードに複数個配置され、前記入射光が個々の光成分に分波されるように構成されている
ことを特徴とする光分波装置。 - 第1および第2の受光素子と、前記第1および第2の受光素子と光伝送路との間に設けられた光分波素子とを備えた光モジュールであって、
前記光分波素子が、
前記光伝送路から入射した第1および第2の光成分を含む入射光のうち、前記第1の光成分を反射させて前記第1の受光素子に導くと共に、前記第2の光成分を透過させて前記第2の受光素子に導く分波部材と、
前記分波部材の前記第2の受光素子側に設けられ、前記分波部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材と
を有し、
前記分波部材が前記減衰部材の入射面に直接形成されている
ことを特徴とする光モジュール。 - 第1の方向からの光のうちの第1の光成分を反射して第2の方向に導くと共に、前記第2の方向からの光のうちの第2の光成分を透過させて、前記第2の方向とは逆方向に導く光転轍部材と、
前記光転轍部材の前記逆方向側に設けられ、前記光転轍部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材と
を備え、
前記分波部材が前記減衰部材の入射面に直接形成されている
ことを特徴とする光転轍素子。 - 発光素子と、受光素子と、前記発光素子および受光素子と光伝送路との間に設けられた光転轍素子とを備えた光モジュールであって、
前記光転轍素子が、
前記発光素子からの光のうちの第1の光成分を反射して前記光伝送路に導くと共に、前記光伝送路の方向からの光のうちの第2の光成分を透過させて前記受光素子に導く光転轍部材と、
前記光転轍部材の前記受光素子側に設けられ、前記光転轍部材を透過した光に含まれる第1の光成分を減衰させる減衰部材と
を有し、
前記分波部材が前記減衰部材の入射面に直接形成されている
ことを特徴とする光モジュール。
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---|---|---|---|
JP2003401147A JP2005164790A (ja) | 2003-12-01 | 2003-12-01 | 光分波素子、光転轍素子、光分波装置および光モジュール |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007086757A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-04-05 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光モジュール |
CN104317017A (zh) * | 2014-11-14 | 2015-01-28 | 四川飞阳科技有限公司 | 一种分光探测器 |
JP2015099233A (ja) * | 2013-11-19 | 2015-05-28 | 株式会社ニコン | 合波用光学素子および合波器 |
-
2003
- 2003-12-01 JP JP2003401147A patent/JP2005164790A/ja active Pending
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JP2015099233A (ja) * | 2013-11-19 | 2015-05-28 | 株式会社ニコン | 合波用光学素子および合波器 |
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