JP2005162592A - 低温焼成粘土の生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アクセサリや陶芸で用いられている磁器質粘土、及び陶芸用粘土が1200〜1300℃近傍の高温で十数時間という長時間の熱処理を必要とするため、これを改善すべく、比較的低温で、且つ、短時間で固化、焼結が可能な低温焼結粘土を容易に得られる方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、市販の磁器質粘土、及び陶芸用粘土にカオリナイト、ハイロサイト、若しくは、長石を主成分とする無鉛低融点ガラスを100μm以下の粉末を添加、混合することによって新たに低温焼成粘土を得られる方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明は、市販の磁器質粘土、及び陶芸用粘土にカオリナイト、ハイロサイト、若しくは、長石を主成分とする無鉛低融点ガラスを100μm以下の粉末を添加、混合することによって新たに低温焼成粘土を得られる方法である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、アクセサリ、陶芸で使用する粘土に関するものである。
一般的に、アクセサリや陶芸で用いられている磁器質粘土、及び陶芸用粘土は、1100〜1300℃近傍で十数時間の焼結時間を要し、初めて焼結状態の造形物を得られるため、高温、且つ、長時間の熱処理が避けられない。
特許公開平7−81956号では、ガラスの加工工程で副次的に生じたガラス粉体、若しくは、使用済みの廃ガラスを用い、その粒径を10メッシュ〜100メッシュに制御して、これを粘土及び水とともに混合して焼成品原料を得、その成形体を1000℃〜1300℃で焼成して所定の焼成品を得ることが提案されている。
特許公開2000−86326号では、自動車廃ガラスを100メッシュ以下で粉砕し、ボールミルで水、ガラス粉末、及び粘土を混合し、タイルを焼成する提案がなされている。
特許公開平11−147753号では、カオリンまたは粘土と平均粒径が2.0μm以下の炭酸カルシウム微粒子を、重量比で45:55から75:25までの範囲で含有し、これに珪石粉末を20〜40wt%加えた3成分混合物は、無機質結晶またはガラスの粗大粉末を加えた混合物で、その成形体が1000℃以下の比較的低温度で焼結することが提案されている。
特許公開平10−95657では、カオリナイト若しくは、ハイロサイトを主成分とする高品位微粒子カオリン、または粘土を灼熱後無水状態で62〜82重量%、平均粒径が1.5μm以下の炭酸カルシウムを灼熱後CaOとした換算重量で18〜38重量%、ホウ珪酸ガラス微粉末を0〜30重量%を基本成分とする低温焼成粘土が提案されている。
本発明の技術的課題は、アクセサリや陶芸で用いられている磁器質粘土、及び陶芸用粘土が1100〜1300℃近傍の高温で十数時間からという長時間の熱処理を必要とするため、これを改善すべく、800〜1000℃近傍と比較的低温で、且つ、短時間で固化、焼結が可能で、低温焼結粘土を一般家庭でも容易に得られる方法を提供することにある。
特許公開平7−81956号で紹介されている方法は、廃棄ガラス粉末の粒度10メッシュ〜100メッシュと比較的に大きく、低温焼成の場合、ガラスの粒子が表面のざらつきを生む。また、実施例にあるように廃棄ガラス80重量%、水15重量%、窯業用粘土5重量%で成形品を作成するには、粒度10メッシュ〜100メッシュで80重量%も混入するため、粘土質にすることは困難で一般家庭等で陶芸に用いるには不向きである。
一方、特許公開2000−86326号では、ボールミルで、水、粘土、廃ガラス粉末を混合することを前提としており、一般家庭では不向きであり、100メッシュ以下の自動車廃ガラス粉末を入手することが困難である。
特許公開平11−147753号で紹介されている、粘土の組成は、その構成がカオリンまたは粘土と炭酸カルシウム微粒子(平均粒径が2.0μm以下)を、重量比で45:55から75:25までの範囲で含有し、更に、これに珪石粉末を20〜40wt%加えた3成分混合物、または、これにガラス粗大粉末を混合したものを粘土として扱うため、混合材料が複数で、且つ、焼成に数時間を要する。また、平均粒径2.0μmの超粉末炭酸カルシウムを使用することが条件であり、入手性が困難で、工業用炭酸カルシウムを使用するとしても、湿式ボールミルで粉砕の必要性がある。
特許公開平10−95657号で紹介されている、粘土の組成は、その構成がカオリンまたは粘土を灼熱後の無水状態の換算重量で62〜82重量%に平均粒径が1.5μm以下の炭酸カルシウム微粒子を灼熱後のCaOとした換算重量で18〜38重量%、及びホウ珪酸ガラス微粉末を0〜30重量%を基本組成としている。添加する炭酸カルシウムの平均粒径が焼結のための必要条件であり、工業用炭酸カルシウムを湿式ボールミル等で再度粉砕し、粒度調節をする必要があり、生産工程が複雑化する。
上記課題を解決するために本発明は、市販の磁器質粘土、及び陶芸用粘土に低融点のガラス粉末を添加、混合することによって容易に新たな低温焼成粘土を得られる方法である。市販粘土に添加、混合する低融点ガラスは、カオリナイト若しくは、ハイロサイトを主成分とする天然カオリン類、若しくは、ソーダ長石、カリ長石等の長石類を主原料とし、これに炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、三酸化二ホウ素、若しくは、ホウ酸のうち、少なくとも1種類を添加して作成した無鉛低融点ガラスを粉末にしたものであり、手作業でも十分に混練でき、市販粘土と共に提供することで、一般家庭でも容易に配分調節、造形等の作業が可能である。更に、添加する無鉛低融点ガラスは、粘土と主成分が同じであるため粘土との親和性が高い。
特許公開平10−95657号等で紹介されている提案では、CaO原としてCaCO3を使用するが、平均粒径が1.5〜2.0μm以下といった微粉末にすることが困難で、且つ、コスト的に高価となる。更に、CaCO3は、熱分解反応を起こし、焼成時にCO2ガスが粘土成形体から放出される。本発明では、これを防ぐためにカオリナイト若しくは、ハイロサイトを主成分とする天然カオリン類、若しくは、ソーダ長石、カリ長石等の長石類を主原料とする無鉛低融点ガラスの成分の一組成としてCaOを取り込み、この無鉛低融点ガラスを粘土に混入することで解決した。これにより、良好な成形性が得られ、且つ、低温で焼結できる粘土となる。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
本発明は、一般的に陶芸用で用いられる粘土を灼熱後の無水状態の換算重量で53〜82重量%に炭酸カルシウム粉末を灼熱後のCaOとした換算重量で0〜30重量%、若しくは、無鉛低融点ガラス粉末18〜47重量%を混合して生成する。ここで使用するガラスは、カオリナイト、ハイロサイト、若しくは、長石類を主原料とし、これに炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、三酸化二ホウ素、若しくは、ホウ酸のうち、少なくとも1種類を添加して作成した無鉛の低融点ガラス粉末(粒度100メッシュ以下)、18〜47重量%添加、混合することによって新たに低温焼成粘土を得られる。
本発明は、一般的に陶芸用で用いられる粘土を灼熱後の無水状態の換算重量で53〜82重量%に炭酸カルシウム粉末を灼熱後のCaOとした換算重量で0〜30重量%、若しくは、無鉛低融点ガラス粉末18〜47重量%を混合して生成する。ここで使用するガラスは、カオリナイト、ハイロサイト、若しくは、長石類を主原料とし、これに炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、三酸化二ホウ素、若しくは、ホウ酸のうち、少なくとも1種類を添加して作成した無鉛の低融点ガラス粉末(粒度100メッシュ以下)、18〜47重量%添加、混合することによって新たに低温焼成粘土を得られる。
無鉛の低融点ガラス粉末を添加して新たに得られた粘土を造形後、乾燥させ、約800〜1000℃近傍で3〜30分間、電気炉、若しくは、これに相当する炉に入れ加熱することで焼結体が得られる。また、カオリナイト、ハイロサイト、若しくは、長石類を主成分とする無鉛低融点ガラス粉末を用いているため、粘土との親和性が高く粒度100メッシュ以下でもガラスによるざらつき感も無く、十分な強度の焼結体が得られる。
更に、市販の磁器質粘土、及び陶芸用粘土53〜82重量%に前述の無鉛の低融点ガラス粉末(粒度100メッシュ以下)18〜47重量%、炭酸カルシウム0〜30重量%を添加、混合することで、新たに得られた、粘土を造形後、乾燥させ、約800〜1000℃近傍で3〜30分間、電気炉、若しくは、これに相当する炉に入れ加熱することで焼結体が得られる。焼成温度幅が非常に広く1200℃近傍まで軟化しない。
焼成後に得られた焼結体は、吸水性0%で、従来の磁器と同等の質感を持ち、光沢、色調強度共に、従来の磁器と同様のものが得られた。
従来、アクセサリ、陶芸などに用いる市販粘土は、焼成温度1100℃以上で焼成することが必要で、且つ、長時間の焼成が必要であった。1000℃以下の温度では、吸水性のある素焼き状態のものしか得られなかった。また、非常にもろく、ちょっとした衝撃で割れが生じるほどの強度しか得られなかった。
本発明により、一般的に市販されている磁器質粘土、陶芸用粘土に適宜必要なカオリナイト、ハイロサイト、若しくは、長石を主成分とする無鉛の低融点ガラス粉末を混合することによって、800〜1000℃近傍といった極めて低温、且つ、3〜30分と極めて短時間で固化、焼結が可能であり、陶芸等に関する高度な知識がなくても容易に強固な陶磁器体とすることができる粘土を提供することができる。更に、焼成時間、添加する低融点ガラスの配分を調節することで、陶器から磁器まで幅広く作成することができる。
本発明により、一般的に市販されている磁器質粘土、陶芸用粘土に適宜必要なカオリナイト、ハイロサイト、若しくは、長石を主成分とする無鉛の低融点ガラス粉末を混合することによって、800〜1000℃近傍といった極めて低温、且つ、3〜30分と極めて短時間で固化、焼結が可能であり、陶芸等に関する高度な知識がなくても容易に強固な陶磁器体とすることができる粘土を提供することができる。更に、焼成時間、添加する低融点ガラスの配分を調節することで、陶器から磁器まで幅広く作成することができる。
本発明で使用する無鉛低融点ガラスは、一般的に市販されている磁器質粘土、陶芸用粘土の主成分であるカオリナイト、ハイロサイト、若しくは、長石と同じ物質を主成分としているため、ベースとなる粘土と親和性が高い。また、3〜30分といった極めて短時間で焼成が可能であることは、従来の低温焼結粘土に比べ焼結時間も短く、燃費などのコスト削減に貢献するものである。
Claims (1)
- カオリナイト若しくは、ハイロサイトを主成分とする粘土、及び、一般的に陶芸用で用いられる粘土を灼熱後の無水状態の換算重量で53〜82重量%にCaO微粉末を添加せず、カオリナイト若しくは、ハイロサイトを主成分とする天然カオリン類、若しくは、ソーダ長石、カリ長石等の長石類を主原料とし、これに炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、三酸化二ホウ素、若しくは、ホウ酸のうち、少なくとも1種類を添加して作成した無鉛低融点ガラス粉末18〜47重量%を混合して生成することを特徴とする磁器質粘土、及び、陶芸用粘土の生成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003436229A JP2005162592A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | 低温焼成粘土の生成方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009215115A (ja) * | 2008-03-11 | 2009-09-24 | Mie Prefecture | 低温焼成磁器用組成物および低温焼成磁器の製造方法 |
CN109516767A (zh) * | 2019-01-07 | 2019-03-26 | 合肥学院 | 一种仿古陶瓷及其制备方法 |
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- 2003-12-03 JP JP2003436229A patent/JP2005162592A/ja active Pending
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