JP2005157728A - 設備の最適検査時刻を決定する方法 - Google Patents
設備の最適検査時刻を決定する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005157728A JP2005157728A JP2003395146A JP2003395146A JP2005157728A JP 2005157728 A JP2005157728 A JP 2005157728A JP 2003395146 A JP2003395146 A JP 2003395146A JP 2003395146 A JP2003395146 A JP 2003395146A JP 2005157728 A JP2005157728 A JP 2005157728A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- time
- inspection
- function
- equation
- equipment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Testing And Monitoring For Control Systems (AREA)
Abstract
【課題】 劣化が連続的に進んでいく連続劣化型設備のみならず、突如、故障が発覚する非連続劣化型設備についても最適な検査時刻を決定できる方法を提供する。
【解決手段】 設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生する累積コストの期待値を示す評価関数E[C]を下記の数式(1)で表し、該評価関数E[C]が最小となる時刻を求めることを特徴とする設備の最適検査時刻を決定する方法。
【数1】
(式中、tは時刻、cは1回あたりの検査コスト、cfは更新コスト、n(t)は検査密度関数、L(x)は設備の故障が検出されるまでの間に発生するリスクを表すリスク増大率関数、f(t)は設備が故障状態に至るまでに要する時間分布に関する密度関数を表し、ここで、
【数2】
であり、F(t)は累積分布関数を表す。)
【選択図】 なし
【解決手段】 設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生する累積コストの期待値を示す評価関数E[C]を下記の数式(1)で表し、該評価関数E[C]が最小となる時刻を求めることを特徴とする設備の最適検査時刻を決定する方法。
【数1】
(式中、tは時刻、cは1回あたりの検査コスト、cfは更新コスト、n(t)は検査密度関数、L(x)は設備の故障が検出されるまでの間に発生するリスクを表すリスク増大率関数、f(t)は設備が故障状態に至るまでに要する時間分布に関する密度関数を表し、ここで、
【数2】
であり、F(t)は累積分布関数を表す。)
【選択図】 なし
Description
本発明は、設備の最適検査時刻を決定する方法に関する。詳しくは劣化が連続的に進んでいく連続劣化型設備のみならず、計装機器の故障、材料の割れ等の検査では劣化が判り難く、突如、故障が発覚する非連続劣化型設備についても最適な検査時刻を決定できる方法に関する。
化学プラントや発電設備などの機器は劣化し、劣化が事故につながる前に検査し、修理や更新が行われる。
図1に示すような劣化が連続的に進んでいく連続劣化型の設備やシステム(以下、単に設備と記す。)であれば、途中に何回かの検査を行って劣化の進み具合を確認して、検査時刻を決定する事が可能である。このような場合には、検査費用が最低になるような検査計画を立てる試みが、従来から行われている。
図1に示すような劣化が連続的に進んでいく連続劣化型の設備やシステム(以下、単に設備と記す。)であれば、途中に何回かの検査を行って劣化の進み具合を確認して、検査時刻を決定する事が可能である。このような場合には、検査費用が最低になるような検査計画を立てる試みが、従来から行われている。
しかし、図2に示すような劣化が突如現れる非連続劣化型の設備の場合は、途中の検査によって劣化の進行具合を確認し、余寿命を予測してそれ以降の検査計画や更新、修理計画を立てるのは不可能である。このような例としては、計装機器の故障や材料の割れ(応力腐食割れや疲労破壊)などがあるが、身近な例では電球が寿命で切れる場合もこれに該当する。
このような非連続劣化型の設備では、何等かの方法で頻度を決めて検査を行い、故障が無い事を確認する必要があるが、むやみに検査や更新の頻度が増えると必要以上にコストがかかることになる。従って、劣化が事故につながらず、しかもコストが出来るだけ低く押さえられる最適検査時刻を決定する方法の開発が望まれている。
このような非連続劣化型の設備では、何等かの方法で頻度を決めて検査を行い、故障が無い事を確認する必要があるが、むやみに検査や更新の頻度が増えると必要以上にコストがかかることになる。従って、劣化が事故につながらず、しかもコストが出来るだけ低く押さえられる最適検査時刻を決定する方法の開発が望まれている。
設備やシステムの最適検査時刻を決定する方法について、幾つか知られているが、何れも連続劣化型の設備についてであり(例えば、特許文献1、非特許文献1および非特許文献2参照。)、非連続劣化型の設備に適用できる方法は知られていない。
本発明の目的は、劣化が連続的に進んでいく連続劣化型設備のみならず、計装機器の故障、材料の割れ等の検査では劣化が判り難く、突如、故障が発覚する非連続劣化型設備についても最適な検査時刻を決定できる方法を提供することにある。
本発明者はかかる課題を解決するために、設備の最適検査時刻の決定方法について鋭意検討した結果、設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生する累積コストの期待値を示す評価関数を特定の関数で表し、該評価関数が最小となる時刻を求めることによって、連続劣化型設備のみならず、非連続劣化型設備についても最適検査時刻を決定することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生する累積コストの期待値を示す評価関数E[C]を下記の数式(1)で表し、この評価関数E[C]が最小となる時刻を求めることを特徴とする設備の最適検査時刻を決定する方法である。
(式中、tは時刻、cは1回あたりの検査コスト、cfは更新コスト、n(t)は単位時間あたりの検査回数を表す検査密度関数、L(x)は設備が故障した時刻から故障が検出されるまでの間に発生するリスクを表すリスク増大率関数、f(t)はt=0において正常状態にある設備が故障状態に至るまでに要する時間分布に関する密度関数を表し、ここで、
また、設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生するコストの期待値E[C]を下記の数式(2)で表し、設備の1サイクルの長さの期待値E[T]を下記の数式(3)で表し、数式(2)を数式(3)で除した単位時間あたりのコストの期待値E[C]/E[T]を評価関数とし、該評価関数E[C]/E[T]が最小となる時刻を求めることを特徴とする設備の最適検査時刻を決定する方法である。
本発明の方法によれば、劣化が連続的に進んでいく連続劣化型設備のみならず、計装機器の故障、材料の割れ等の検査では劣化の進行が判り難く、突如、故障が発覚する非連続劣化型設備やシステムについて最適検査時刻を決定することができる。
本発明における最適な検査時刻を決定する際の前提および記号を下記する。
(1)検査および更新などの修理の対象となる設備は単一のユニットで構成されている。設備はその規模が大きくなるにつれて複数のユニットから構成されるのが一般的であるが、検査または更新などの修理を行う最小の単位が本発明方法で想定している設備である。
(2)設備には正常状態と故障状態が存在する。ここで、故障とは設備に要求される機能が完全に果たせなくなった状態だけでなく、設備の劣化があらかじめ定められている程度まで進行している状態も含まれている。
(3)設備の故障は検査を実施しなければ発見できない。設備が正常状態または故障状態のいずれであるのかは、検査によって確率1で間違いなく同定できる。
(4)検査は時刻tk(k=1,2・・・)において実施される。検査に要する時間は設備の運用期間に比べると短く無視できる。
(5)時刻t=0において正常状態にある設備が故障状態に至るまでに要する時間分布[故障時間分布]に関する密度関数、累積分布関数および故障率関数を、それぞれf(t)、F(t)、λ(t)で表し、
(1)検査および更新などの修理の対象となる設備は単一のユニットで構成されている。設備はその規模が大きくなるにつれて複数のユニットから構成されるのが一般的であるが、検査または更新などの修理を行う最小の単位が本発明方法で想定している設備である。
(2)設備には正常状態と故障状態が存在する。ここで、故障とは設備に要求される機能が完全に果たせなくなった状態だけでなく、設備の劣化があらかじめ定められている程度まで進行している状態も含まれている。
(3)設備の故障は検査を実施しなければ発見できない。設備が正常状態または故障状態のいずれであるのかは、検査によって確率1で間違いなく同定できる。
(4)検査は時刻tk(k=1,2・・・)において実施される。検査に要する時間は設備の運用期間に比べると短く無視できる。
(5)時刻t=0において正常状態にある設備が故障状態に至るまでに要する時間分布[故障時間分布]に関する密度関数、累積分布関数および故障率関数を、それぞれf(t)、F(t)、λ(t)で表し、
であり、f(t)はF(t)をtで微分したものである。
(6)非連続劣化型設備では故障時間分布は未知であり、連続劣化型設備では故障時間分布は既知であるとする。連続劣化型設備で故障時間分布が未知の場合は非連続劣化型設備の場合と同じように扱う。
(7)検査によって設備の状態は変化しない。また、確率分布の種類やパラメータの値も影響を受けない。
(8)設備が故障した時刻から故障が検出されるまでの時間において、リスク増大率関数L(t)で表現されるリスクが発生する。
(9)連続な検査密度関数n(t)が存在する。この関数は単位時間あたりの検査回数を近似的に表したものであり、検査間隔が近似的に1/n(t)で表現できる。このとき、
本発明における設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生する累積コストの期待値は、設備の運用開始後、設備が故障し、検査によって故障が検出されるまでに発生する検査コストの期待値と、設備の故障によって発生するリスクおよび更新コストの和の期待値との和として表される。
設備の運用開始後、設備が故障し、検査によって故障が検出されるまでに発生する検査コストの期待値は下記の数式(7)で表される。
また、設備の故障によって発生するリスクおよび更新コストの和の期待値は下記の数式(9)で表される。
したがって、設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生する累積コストの期待値を示す評価関数E[C]は、E[C]=CI+CL、すなわち数式(1)で表される。
(A)以下、数式(1)で表される評価関数E[T]が最小となる時刻を求めること、すなわち最適化について説明する。
(A−1)先ず、故障時間分布が既知である、すなわち連続劣化型設備の場合の最適検査密度関数および最適検査時刻の求め方について説明する。
数式(1)に対してオイラー方程式を導くと下記の数式(11)となる。
(A−1)先ず、故障時間分布が既知である、すなわち連続劣化型設備の場合の最適検査密度関数および最適検査時刻の求め方について説明する。
数式(1)に対してオイラー方程式を導くと下記の数式(11)となる。
本発明において、リスク増大率関数として次の数式(4)、(5)および(6)が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。
(式中、p、c1、c2およびc3は正の定数、tは時刻を表す。)
それぞれのリスク増大率関数L(t)を数式(11)に代入して得られる非線形方程式をn(t)について解くことによって最適検査密度関数が導かれる。
リスク増大率関数L(t)が上記の数式(4)の場合、数式(11)は下記の数式(12)となるから、最適検査密度関数として下記の数式(13)が得られる。
リスク増大率関数L(t)が上記の数式(5)の場合、数式(11)は下記の数式(14)となるから、最適検査密度関数として下記の数式(15)が得られる。
リスク増大率関数L(t)が上記の数式(6)の場合、数式(11)は下記の数式(16)となるから、最適検査密度関数として下記の数式(17)が得られる。
以上より、設備の故障率関数λ(t)、リスク増大率関数L(t)、コストに関するパラメータc、c1、c2が与えられると、最適検査密度関数ni *(t)(i=1,2,3)に関する下記の数式(18)を解くことによって最適検査時刻{tk *}を得ることができる。
上記の数式(4)、(5)、(6)で表される以外のリスク増大率関数に関しても最適検査密度関数が満たすべき数式(11)をn(t)について解くことによって最適検査時刻の算出が可能である。もし、最適検査密度関数が解析的に求められないときには数値解を求める。
(A−2)次に、故障時間分布が未知である、すなわち非連続劣化型設備の場合の最適検査密度関数および最適検査時刻の求め方について説明する。
故障時間分布が未知である場合は、ミニマックス法、すなわちmaxF(t)minn(t)E[C]によって最適検査時刻を求める。このように決定された検査時刻は最も安全側の検査時刻であると考えられる。
数式(11)より最適検査密度関数はλ(t)の関数であることがわかるから、n*(t)=q(λ(t))として記述できる。このとき、下記の数式(19)の関係を得ることができる。
故障時間分布が未知である場合は、ミニマックス法、すなわちmaxF(t)minn(t)E[C]によって最適検査時刻を求める。このように決定された検査時刻は最も安全側の検査時刻であると考えられる。
数式(11)より最適検査密度関数はλ(t)の関数であることがわかるから、n*(t)=q(λ(t))として記述できる。このとき、下記の数式(19)の関係を得ることができる。
ここでリスク増大率関数L(t)に対して最適検査密度関数および最適検査時刻を求める。
リスク増大率関数L(t)が上記の数式(4)の場合、数式(13)より、下記の数式(21)となるから、数式(20)は下記の数式(22)のようになる。
リスク増大率関数L(t)が上記の数式(4)の場合、数式(13)より、下記の数式(21)となるから、数式(20)は下記の数式(22)のようになる。
リスク増大率関数L(t)が上記の数式(5)の場合、数式(13)より、下記の数式(26)となるから、数式(20)は下記の数式(27)のようになる。
リスク増大率関数L(t)が上記の数式(6)の場合、数式(13)より、下記の数式(28)となるから、数式(20)は下記の数式(29)のようになる。
リスク増大率関数L(t)が上記の数式(4)の場合、最適検査密度関数は上記のとおり数式(25)で与えられる。この時、下記の方程式(30)をtkについて解くと、最適検査時刻{tk *}が求められる。
リスク増大率関数L(t)が数式(5)、(6)の場合、微分方程式(27)、(29)を数値的にλ(t)について解き、その結果をそれぞれλ1(t)、λ2(t)とする。このもとで最適検査密度関数は、それぞれn2 **(t)=q2(λ2(t))、n3 **(t)=q3(λ3(t))で与えられる。従って下記の数式(34)を利用して数値的に解くと最適検査時刻{tk *}が求められる。
下記で表される設備の最大寿命tMが与えられたときには、n**(t)の定義域から初期故障率を逆算することによって最適検査密度関数を導くことができる。
(B)これまでは、設備を更新するまでの1サイクルあたりの累積コストの期待値を評価関数とする場合について説明したが、単位時間あたりで示した方が分かり易い場合が多い。以下、単位時間あたりのコストの期待値を評価関数とする場合について説明する。
設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生するコストの期待値E[C]、設備の1サイクルの長さの期待値E[T]は、上記のとおり数式(2)、数式(3)で表される。
設備の運用開始時刻から更新時刻までに発生するコストの期待値E[C]、設備の1サイクルの長さの期待値E[T]は、上記のとおり数式(2)、数式(3)で表される。
(B−1)先ず、故障時間分布が既知である、すなわち連続劣化型設備の場合の最適検査密度関数および最適検査時刻の求め方について説明する。
数式(35)に対してオイラー方程式を導くと下記の数式(36)となる。
数式(35)に対してオイラー方程式を導くと下記の数式(36)となる。
リスク増大率関数L(t)=c1(c1:正の定数)の場合、数式(36)より、下記の数式(38)が得られる。
数式(39)はcf<c1μのとき、正の解
リスク増大率関数L(t)=c1t+c2(c1,c2:正の定数)の場合(上記の数式(4)において、pが1の場合)、数式(36)より、下記の数式(42)が得られる。
リスク増大率関数L(t)=c1t2+c2(c1,c2:正の定数)の場合(上記の数式(4)において、pが2の場合)、数式(36)より、下記の数式(44)が得られる。
リスク増大率関数が上記の数式(5)の場合、数式(36)より下記の数式(46)が得られる。
リスク増大率関数が上記の数式(4)の場合、数式(36)より下記の数式(48)が得られる。
この方程式には代数的な意味でのn5(t,A)についての一般解は存在しないがp=1,2は上記のL(t)=c1t+c2、L(t)=c1t2+c2の場合に含まれる。一般解を求めることができないpのときn5(t,A)は数値的に求めることになる。このとき、Aも数値的に求めざるを得なくなり、従って最適検査密度関数も数値的に求める。
リスク増大率関数が上記の数式(6)の場合、数式(36)より下記の数式(49)が得られる。
(B−2)次に、故障時間分布が未知である、すなわち非連続劣化型設備の場合の最適検査密度関数および最適検査時刻の求め方について説明する。
上記(A−2)と同様に、ミニマックス法、すなわちmaxF(t)minn(t)E[C]/E[T]を考えて最も安全側も検査時刻を得る。
数式(36)より最適検査密度関数はqを任意関数とするとn*(t)=q(λ(t))で書き表すことができるため、下記の数式(50)の関係を得る。
上記(A−2)と同様に、ミニマックス法、すなわちmaxF(t)minn(t)E[C]/E[T]を考えて最も安全側も検査時刻を得る。
数式(36)より最適検査密度関数はqを任意関数とするとn*(t)=q(λ(t))で書き表すことができるため、下記の数式(50)の関係を得る。
下記で表される設備の最大寿命tMが与えられたときには、n**(t)の定義域から初期故障率を逆算することによって最適検査密度関数を導くことができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
遠心ポンプのシングルシールについて、次のようにして最適検査時刻を決定した。
その際の前提は次のとおりとした。
(1)漏洩確率:6.060×10-2(1/年)
(2)初期故障率λ(0):6.060×10-2(1/年)
(3)検査コストc:3万円
(4)更新コストcf:8万円
(5)密度関数は漏洩確率の指数分布で考える。
密度関数f(t)=(漏洩確率)×exp[−(漏洩確率)×t]
(6)最大寿命tMは[(平均寿命)+3×(標準偏差)]で近似する。指数分布の場合、標準偏差は1/(初期故障率)であるから、最大寿命は[1/(漏洩確率)+3/(漏洩確率)]で与えられ、66.01(年)となる。
(7)最大検査時刻:30年
(8)リスク増大率関数:
L(t)=t2+c2 (上記数式(4)において、c1が1、pが2の場合)
L(t)=t2+t+c3 (上記数式(5)において、c1、c2がそれぞれ1の場合)
L(t)=(exp[2t]−1)+c3 (上記数式(6)において、c1が1、c2が2の場合)
その際の前提は次のとおりとした。
(1)漏洩確率:6.060×10-2(1/年)
(2)初期故障率λ(0):6.060×10-2(1/年)
(3)検査コストc:3万円
(4)更新コストcf:8万円
(5)密度関数は漏洩確率の指数分布で考える。
密度関数f(t)=(漏洩確率)×exp[−(漏洩確率)×t]
(6)最大寿命tMは[(平均寿命)+3×(標準偏差)]で近似する。指数分布の場合、標準偏差は1/(初期故障率)であるから、最大寿命は[1/(漏洩確率)+3/(漏洩確率)]で与えられ、66.01(年)となる。
(7)最大検査時刻:30年
(8)リスク増大率関数:
L(t)=t2+c2 (上記数式(4)において、c1が1、pが2の場合)
L(t)=t2+t+c3 (上記数式(5)において、c1、c2がそれぞれ1の場合)
L(t)=(exp[2t]−1)+c3 (上記数式(6)において、c1が1、c2が2の場合)
(a)先ず、評価関数が上記の数式(1)のE[C]について最適検査時刻を求めた。
(a−1)故障時間分布が既知でリスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数L(t)を数式(11)に代入して最適検査密度関数(13)を得て、数式(18)を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{4,8,13,17,21,25,29}であった。
(a−2)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用いて最適検査密度関数(25)を得て、数式(18)または(30)を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{4}であった。
(a−3)故障時間分布が未知で最大寿命tMが与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
最大寿命に対応するn**(t)の定義域における初期故障率λ(0)を逆算して求め、上記(a−2)と同様にして最適検査時刻{tk *}を求めた結果は{9,18,27}であった。
(a−1)故障時間分布が既知でリスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数L(t)を数式(11)に代入して最適検査密度関数(13)を得て、数式(18)を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{4,8,13,17,21,25,29}であった。
(a−2)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用いて最適検査密度関数(25)を得て、数式(18)または(30)を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{4}であった。
(a−3)故障時間分布が未知で最大寿命tMが与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
最大寿命に対応するn**(t)の定義域における初期故障率λ(0)を逆算して求め、上記(a−2)と同様にして最適検査時刻{tk *}を求めた結果は{9,18,27}であった。
(a−4)故障時間分布が既知でリスク増大率関数がL(t)=t2+t+c3の場合:
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数L(t)を数式(11)に代入して最適検査密度関数(15)を得て、数式(18)を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{4,8,12,16,20,24,28}であった。
(a−5)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+t+c3の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(27)を数値的にλ(t)について解き、その結果をλ1(t)として最適検査密度関数n2 **(t)=q2(λ2(t))が得られる。数式(34)を利用して数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{3,6}であった。
(a−6)故障時間分布が未知で最大寿命tMが与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+t+c3の場合:
最大寿命に対応するn**(t)の定義域における初期故障率を逆算して求め、上記(a−5)と同様にして最適検査時刻{tk *}を求めた結果は{9,18,26}であった。
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数L(t)を数式(11)に代入して最適検査密度関数(15)を得て、数式(18)を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{4,8,12,16,20,24,28}であった。
(a−5)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+t+c3の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(27)を数値的にλ(t)について解き、その結果をλ1(t)として最適検査密度関数n2 **(t)=q2(λ2(t))が得られる。数式(34)を利用して数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{3,6}であった。
(a−6)故障時間分布が未知で最大寿命tMが与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+t+c3の場合:
最大寿命に対応するn**(t)の定義域における初期故障率を逆算して求め、上記(a−5)と同様にして最適検査時刻{tk *}を求めた結果は{9,18,26}であった。
(a−7)故障時間分布が既知でリスク増大率関数がL(t)=(exp[2t]−1)+c3の場合:
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数L(t)を数式(11)に代入して最適検査密度関数(17)を得て、数式(18)を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,4,5,7,9,11,13,14,16,18,20,22,24,25,27,29}であった。
(a−8)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=(exp[2t]−1)+c3の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(29)を数値的にλ(t)について解き、その結果をλ2(t)として最適検査密度関数n3 **(t)=q3(λ3(t))が得られる。数式(33)を利用して数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,3,4}であった。
(a−9)故障時間分布が未知で最大寿命tMが与えられ、リスク増大率関数がL(t)=(exp[2t]−1)+c3の場合:
最大寿命に対応するn**(t)の定義域における初期故障率を逆算して求め、上記(a−8)と同様にして最適検査時刻{tk *}を求めた結果は{3,6,9,12,15,18,21,24,27,30}であった。
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数L(t)を数式(11)に代入して最適検査密度関数(17)を得て、数式(18)を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,4,5,7,9,11,13,14,16,18,20,22,24,25,27,29}であった。
(a−8)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=(exp[2t]−1)+c3の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(29)を数値的にλ(t)について解き、その結果をλ2(t)として最適検査密度関数n3 **(t)=q3(λ3(t))が得られる。数式(33)を利用して数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,3,4}であった。
(a−9)故障時間分布が未知で最大寿命tMが与えられ、リスク増大率関数がL(t)=(exp[2t]−1)+c3の場合:
最大寿命に対応するn**(t)の定義域における初期故障率を逆算して求め、上記(a−8)と同様にして最適検査時刻{tk *}を求めた結果は{3,6,9,12,15,18,21,24,27,30}であった。
(b)次に、上記の数式(2)を数式(3)で除した評価関数E[C]/E[T]について求めた。
(b−1)故障時間分布が既知でリスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、数式(44)から数値的に求められた最適検査密度関数を求め、それを数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{3,6,8,11,14,17,20,23,25,28}であった。
(b−2)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(37)と(51)を連立させて得られる最適検査密度関数を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{3,5,8,11,13,16,19,22,24,27,30}であった。
(b−1)故障時間分布が既知でリスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、数式(44)から数値的に求められた最適検査密度関数を求め、それを数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{3,6,8,11,14,17,20,23,25,28}であった。
(b−2)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+c2の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(37)と(51)を連立させて得られる最適検査密度関数を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{3,5,8,11,13,16,19,22,24,27,30}であった。
(b−3)故障時間分布が既知でリスク増大率関数がL(t)=t2+t+c3の場合:
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、数式(46)から数値的に求められた最適検査密度関数を求め、それを数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{3,5,8,10,13,16,18,21,23,26,28}であった。
(b−4)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+t+c3の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(37)と(51)を連立させて得られる最適検査密度関数を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,5,7,10,12,15,17,20,22,25,27,30}であった。
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、数式(46)から数値的に求められた最適検査密度関数を求め、それを数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{3,5,8,10,13,16,18,21,23,26,28}であった。
(b−4)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=t2+t+c3の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(37)と(51)を連立させて得られる最適検査密度関数を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,5,7,10,12,15,17,20,22,25,27,30}であった。
(b−5)故障時間分布が既知でリスク増大率関数がL(t)=(exp[2t]−1)+c3の場合:
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、数式(49)から数値的に求められた最適検査密度関数を求め、それを数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,3,5,6,8,9,11,13,14,16,17,19,21,22,24,25,27,28,30}であった。
(b−6)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=(exp[2t]−1)+c3の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(37)と(51)を連立させて得られる最適検査密度関数を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,3,5,6,8,9,11,12,14,15,17,18,20,21,23,24,26,28,29}であった。
上記の密度関数を変換して得た故障率関数λ(t)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、数式(49)から数値的に求められた最適検査密度関数を求め、それを数値的に解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,3,5,6,8,9,11,13,14,16,17,19,21,22,24,25,27,28,30}であった。
(b−6)故障時間分布が未知で初期故障率λ(0)が与えられ、リスク増大率関数がL(t)=(exp[2t]−1)+c3の場合:
上記の初期故障率λ(0)、検査コストc、リスク増大率関数を用い、上記の数式(37)と(51)を連立させて得られる最適検査密度関数を解いた結果、最適検査時刻{tk *}は{2,3,5,6,8,9,11,12,14,15,17,18,20,21,23,24,26,28,29}であった。
Claims (5)
- 密度関数が未知の場合に、初期故障率または最大寿命を与えてミニマックス法によってE[C]が最小となる時刻を求める請求項1記載の設備の最適検査時刻を決定する方法。
- 密度関数が未知の場合に、初期故障率または最大寿命を与えてミニマックス法によってE[C]/E[T]が最小となる時刻を求める請求項2記載の設備の最適検査時刻を決定する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003395146A JP2005157728A (ja) | 2003-11-26 | 2003-11-26 | 設備の最適検査時刻を決定する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003395146A JP2005157728A (ja) | 2003-11-26 | 2003-11-26 | 設備の最適検査時刻を決定する方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005157728A true JP2005157728A (ja) | 2005-06-16 |
Family
ID=34720983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003395146A Pending JP2005157728A (ja) | 2003-11-26 | 2003-11-26 | 設備の最適検査時刻を決定する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005157728A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116542036A (zh) * | 2023-04-26 | 2023-08-04 | 阳江核电有限公司 | 核电厂在役检查实施间隔的计算方法和装置 |
CN116796652A (zh) * | 2023-08-25 | 2023-09-22 | 国网浙江省电力有限公司电力科学研究院 | 湿热地区配电变压器密封橡胶垫圈劣化失效预测方法 |
-
2003
- 2003-11-26 JP JP2003395146A patent/JP2005157728A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116542036A (zh) * | 2023-04-26 | 2023-08-04 | 阳江核电有限公司 | 核电厂在役检查实施间隔的计算方法和装置 |
CN116542036B (zh) * | 2023-04-26 | 2024-03-22 | 阳江核电有限公司 | 核电厂在役检查实施间隔的计算方法和装置 |
CN116796652A (zh) * | 2023-08-25 | 2023-09-22 | 国网浙江省电力有限公司电力科学研究院 | 湿热地区配电变压器密封橡胶垫圈劣化失效预测方法 |
CN116796652B (zh) * | 2023-08-25 | 2023-12-26 | 国网浙江省电力有限公司电力科学研究院 | 湿热地区配电变压器密封橡胶垫圈劣化失效预测方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Yang et al. | A preventive maintenance policy based on dependent two-stage deterioration and external shocks | |
JP5844978B2 (ja) | ガスタービンを監視するためのシステム及び方法 | |
CN104966141B (zh) | 更新用于生成工业资产健康状况简档的模型的方法和系统 | |
US10294869B2 (en) | System and method to enhance corrosion turbine monitoring | |
EP2837984B1 (en) | Process to optimize the maintenance of technical systems | |
EP2051366A1 (en) | Method and system for determining the reliability of a DC motor system | |
JP2001507144A (ja) | 疲労破損を受けやすい構成要素を保全する方法 | |
US11361233B2 (en) | Estimating fatigue life of technical systems | |
KR20200049295A (ko) | 회전기기 고장 예지를 위한 건전성 지표 추이 및 잔존수명 예측 기법 | |
KR20140038265A (ko) | 고장관리장치 및 이의 고장관리방법 | |
US11520324B2 (en) | Apparatus for prediction of the residual lifetime of an electrical system | |
KR101936240B1 (ko) | 예방 정비 시뮬레이션 시스템 및 방법 | |
Yang et al. | Inspection optimization model with imperfect maintenance based on a three-stage failure process | |
JP2005157728A (ja) | 設備の最適検査時刻を決定する方法 | |
Jia et al. | A periodic testing model for a preparedness system with a defective state | |
JP2009192221A (ja) | 劣化評価装置及び劣化評価方法 | |
JP2007278105A (ja) | 劣化診断システム及び劣化診断方法 | |
Pietruczuk et al. | Block inspection policy model with imperfect maintenance for single-unit systems | |
CN104965960B (zh) | 一种机电产品预防性维修方案确定方法 | |
Fadaee et al. | Estimation of failure probability in water pipes network using statistical model | |
JP6571552B2 (ja) | 予測装置および予測方法 | |
RU2580569C2 (ru) | Способ эксплуатации технологического оборудования | |
Cempel et al. | A new method of symptom based processing for machinery condition recognition and forecasting | |
WO2020071948A1 (ru) | Способ оценки положения эпицентра теплового поля выхлопа газотурбиной установки | |
US20110213568A1 (en) | Methods and systems for assessing generator rotors |