JP2005156447A - 超臨界流体測定用フロー型nmrセルシステム - Google Patents

超臨界流体測定用フロー型nmrセルシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2005156447A
JP2005156447A JP2003397666A JP2003397666A JP2005156447A JP 2005156447 A JP2005156447 A JP 2005156447A JP 2003397666 A JP2003397666 A JP 2003397666A JP 2003397666 A JP2003397666 A JP 2003397666A JP 2005156447 A JP2005156447 A JP 2005156447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
sample
flow
capillary
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003397666A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroto Kayaki
啓人 榧木
Takao Ikariya
隆雄 碇屋
Tomoji Sakurai
智司 櫻井
Tsukasa Imanari
司 今成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Jeol Ltd
Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd, Japan Science and Technology Agency filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP2003397666A priority Critical patent/JP2005156447A/ja
Publication of JP2005156447A publication Critical patent/JP2005156447A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/28Details of apparatus provided for in groups G01R33/44 - G01R33/64
    • G01R33/30Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms
    • G01R33/307Sample handling arrangements, e.g. sample cells, spinning mechanisms specially adapted for moving the sample relative to the MR system, e.g. spinning mechanisms, flow cells or means for positioning the sample inside a spectrometer

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optical Measuring Cells (AREA)

Abstract

【課題】 高圧セルをフロータイプにしてサンプルを容易に、再現性良くセル内に導入できる超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムとセルを提供する。
【解決手段】 バックプレッシャーレギュレータで必要な圧力を設定し、加圧ポンプで流体をセルに送り込む。この時、途中のサンプル送入器を通ることにより、サンプルも流体に溶け込んで送り込まれる。目的の圧力まで達したら、プローブの温度を上げ必要な超臨界状態をつくる。第1の出入口1を入口に、第2の出入口2を出口に選択すると、細いキャピラリの中心の流路から広い試料観測領域に試料が出るため乱流となり、流体の撹拌効率がよく、ストップアンドフローの測定に適する。また、第2の出入口2を入口に、第1の出入口1を出口に選択すると、狭い隙間で、かつキャピラリに比べて広い面積を通って流体が流れ込み、試料観測領域の上側から流体がゆっくり流れるため層流となり、フローでの測定に適する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超臨界流体内での反応をNMRで観測するにあたり、試料を容易に、再現性良くセル内に導入する超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムとフロー型NMRセルに関する。
従来の超臨界流体測定用NMRセルとして図4に示すものがあった。ジルコニア等のセラミックス、又はサファイアで作られた有底筒状のNMRセルの開放端には、NMR装置の静磁場の均一性を乱さないように、非磁性のチタン(Ti)合金で作られたセルホルダーが設けられている。また、このセルホルダーは、チタン合金及びSUSで作られた配管接続部を介して圧力伝達パイプに接続されている。
セラミックスでなる高圧セルの内側にはサンプル(試料)量制限用のスペーサーが挿入され、高圧セルとの間に0.2mmの隙間が形成され、この隙間を通って高圧セルの下部の測定サンプル領域にサンプルを供給している。
このような構成のセルは、圧力媒体と試料溶媒が同一の場合(二酸化炭素等)に使用されるものであって、超臨界二酸化炭素のように、あまり高温・高圧を必要としない実験では、セルに直接、液化二酸化炭素を満たした後、圧力伝達パイプから二酸化炭素で圧力をかけ、その状態を保ったままNMRプローブ(図示せず)に挿入した後、試料温度可変装置(図示せず)で高温に加熱することによって、超臨界流体を生成させてNMR測定を行なっていたが、この形態のものはバッチ式測定に用いられてきたので、高温・高圧下でのフロー状態のNMRが観測できなかった。
また、セル内が常圧または加圧状態にあるため、反応ガスや反応液体を新たに導入することが困難という問題や、セル内の酸素(空気)を取り除くことが容易にできないため、酸素(空気)の存在を嫌う系の実験を行なうことができないという問題があった。
本発明者は、NMRセル内部の対流を防ぐことができ、セル内にスムーズに反応ガスや反応液体を導入することができ、セル内の酸素(空気)を測定前に取り除くことができる超臨界流体測定用NMRセルとして、図5に示すNMRセルを提案している(例えば、特許文献1参照)。
これは主力媒体と溶媒(超臨界流体)が異なる場合に適用されるものであり、試料の挿入口と圧力媒体の入口が別になっていて、圧力媒体と試料は圧力伝達ピストンで分離されている。試料を試料挿入口から測定サンプル領域及びセル内に満たし、圧力は別の口から加えるように構成されている。
図において、高圧セルは高温・高圧・強酸性に耐えるジルコニア等のセラミックス、又はサファイヤで作られていて、外径5mm、内径1.5mmの有底筒状のNMRセルであり、高圧セルの内部にはセル空間を制限するため、直径1.1mmのサンプル制限用スペーサーが挿入されている。高圧セルとサンプル制限用スペーサーの間には、0.2mmの隙間が形成されていて、下部空間(測定サンプル領域)と上部空間とを連通している。
高圧セルの開放端には、NMR装置の静磁場の均一性を乱さないように非磁性で、かつ、高温・高圧・強酸性に耐えるチタン合金で作られたセルホルダーが設けられ、配管に接続されている。配管には、図示しないが、切換バルブを介して真空ポンプ、洗浄用ポンプ、加圧ポンプが接続されている。また、上部空間の内部には圧力伝達ピストンが設けられており、圧力伝達パイプを介して、圧力媒体による圧力を高圧セルの内部に印加することができるようになっている。
このように、加圧媒体と超臨界流体とを別々に分けて取り扱うようにしたので、耐圧セルの内部圧力を独立にモニターすることができるが、これもフロータイプではないので、高温・高圧下でのフローNMRが観測できなかった。圧力伝達ピストンを外せばフローになるが、測定サンプル領域に試料を効率良く運べない欠点があった。
特開2001−74822号公報
このように、従来の超臨界流体測定用NMRセルシステムとNMRセルは、フロータイプではないので、高温・高圧下でのフローNMRが観測できなかったり、NMRセル内の酸素(空気)を取り除くことが容易にできないため、酸素(空気)の存在を嫌う系の実験を行なうことが困難である等の問題があった。そこで、本発明は、特殊なNMRプローブではなく、通常のNMRプローブを使用して超臨界流体中のサンプル測定が可能なシステムを構築し汎用性の高い装置を開発すると共に、超臨界流体内での反応をNMRで観測するにあたり、フロータイプにしてサンプルを容易に、再現性良くセル内に導入できる超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムとフロー型NMRセルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明の請求項1に係る超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムは、試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、外部のポンプシステムとから成る超臨界流体測定用NMRセルシステムであって、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路は前記試料観測領域では突出した細管に形成され、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、任意の流路側を導入路、残りの流路側を排出路に選択可能に構成した。
この発明の請求項2に係る超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムは、試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、外部のポンプシステムとから成る超臨界流体測定用NMRセルシステムであって、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路は前記試料観測領域では突出した細管に形成され、前記二重管状に配管された各流路に、外部のポンプシステムを接続させる配管が設けられ、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、任意の流路側を導入路、残りの流路側を排出路に選択可能に構成した。
これにより、本発明の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムは、高圧セルのホルダーに2つの出入口をつけることにより、高圧下でのサンプルフローを可能にし、高圧セルの出入口を切替えるだけで流れの方向を変えることができ、高圧セルにキャピラリを挿入することにより、試料の流れを制御可能にしているので、流れ方や乱流/層流の選択も可能である。
この発明の請求項3に係る超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムは、試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、外部のポンプシステムとから成る超臨界流体測定用NMRセルシステムであって、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路は前記試料観測領域では突出した細管に形成され、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、任意の流路側を導入路、残りの流路側を排出路に選択可能にし、前記ポンプシステムは、前記試料観測領域の圧力の調整と試料の排気・回収を行なうバックプレッシャーレギュレータと、セル部に試料を導入するサンプル送入器と、該セル部の試料に圧力を印加する加圧ポンプとから成るように構成した。
これにより、本発明の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムは、バックプレッシャーレギュレータで必要な圧力を設定し、その圧力になるまで加圧ポンプで流体をセルに送り込み、途中のサンプル送入器を通ることにより、サンプルも流体に溶け込んで送り込まれる。目的の圧力まで達したら、プローブの温度を上げ必要な超臨界状態をつくるので、温度、圧力が制御できて超臨界流体でのNMR測定が可能となる。
この発明の請求項4に係る超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムは、試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、外部のポンプシステムとから成る超臨界流体測定用NMRセルシステムであって、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、内側の流路はセル部の中に配置された熱的安定性、化学的安定性、形状安定性に富んだ素材でなるキャピラリの中心に形成し、かつ、前記試料観測領域では突出した細管に形成され、外側の流路は該キャピラリとセルの内壁との間に隙間として形成され、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、任意の流路側を導入路、残りの流路側を排出路に選択可能に構成した。
これにより、本発明の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムは、二重管状に配管された内側の流路を導入路に、外側の流路を排出路に選択すると、乱流となり流体の撹拌効率がよくなり、ストップアンドフローの測定を効率良く行なうことができる。また、前記二重管状に配管された外側の流路を導入路に、内側の流路を排出路に選択すると、試料観測領域の上側から流体がゆっくり流れるため層流になり、フローでの測定に適した測定システムを実現できる。
この発明の請求項5に係る超臨界流体測定用フロー型NMRセルは、試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、内側の流路はセル部内に配置された石英等の熱的安定性、化学的安定性、形状安定性に富んだ素材でなるキャピラリの中心に形成し、かつ、前記試料観測領域では突出した細管に形成され、外側の流路は該キャピラリとセルの内壁との間に隙間として形成して構成した。
これにより、本発明の超臨界流体測定用フロー型NMRセルは、二重管状に配管された内側の流路を導入路に、外側の流路を排出路に選択すると、細いキャピラリの中心の流路から広い試料観測領域に試料が出るため乱流となり、流体の撹拌効率がよくなり、短時間で撹拌した後に測定するストップアンドフローの測定を効率良く行なうことができる。また、前記二重管状に配管された外側の流路を導入路に、内側の流路を排出路に選択すると、狭い隙間で、かつキャピラリに比べて広い面積を通って流体が流れ込むことにより、試料観測領域の上側から流体がゆっくり流れるため層流になり、フローでの測定に適したものとなる。
この発明の請求項6に係る超臨界流体測定用フロー型NMRセルは、試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、内側の流路はセル部内に配置された石英等の熱的安定性、化学的安定性、形状安定性に富んだ素材でなるキャピラリの中心に形成し、かつ、前記試料観測領域では突出した細管に形成され、外側の流路は該キャピラリとセルの内壁との間に隙間として形成され、前記セル部とセルホルダーは、高温・高圧に耐え、かつ非磁性な素材で構成した。
この発明の請求項7に係る超臨界流体測定用フロー型NMRセルは、試料を収容する有底筒状のジルコニア等のセラミックスで作成されたセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、内側の流路はセル部内に配置された石英等の熱的安定性、化学的安定性、形状安定性に富んだ素材でなるキャピラリの中心に形成し、かつ、前記試料観測領域では突出した細管に形成され、外側の流路は該キャピラリとセルの内壁との間に隙間として形成して構成した。
この発明の請求項8に係る超臨界流体測定用フロー型NMRセルは、試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるチタン合金で作成されたセルホルダーと、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、内側の流路はセル部内に配置された石英等の熱的安定性、化学的安定性、形状安定性に富んだ素材でなるキャピラリの中心に形成し、かつ、前記試料観測領域では突出した細管に形成され、外側の流路は該キャピラリとセルの内壁との間に隙間として形成して構成した。
これにより、本発明の超臨界流体測定用フロー型NMRセルは、セル部とセルホルダーの材質に高温・高圧に耐え、かつ、非磁性な素材を用いているので、セルは温度可変できるNMRのプローブに挿入して使用できるため、プローブの可変可能な温度範囲で測定可能となり、温度、圧力が制御できて超臨界流体でのNMR測定を効率良く行なうことができる。
以上のように、本発明の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステム及びフロー型NMRセルは、高圧セルのホルダーに2つの出入口をつけることにより、高圧下でのサンプルフローを可能にし、高圧セルの出入口を切替えるだけで流れの方向を変えることができ、高圧セルにキャピラリを挿入することにより、試料の流れを制御可能にしている。そして、キャピラリが交換可能に設計されているため、キャピラリの形状を変えることにより、流れ方や乱流/層流の選択も可能であり、測定試料容量もキャピラリの形状で変えられる。また、高圧セルは既存の温度可変できるNMRのプローブに挿入して使用できるように作られているため、プローブの可変可能な温度範囲で測定可能となり、温度、圧力が制御できて超臨界流体でのNMR測定が可能である。
本発明の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステムとフロー型NMRセルは、通常の温度可変可能なプローブに挿入できる高圧セルに、2つのサンプル導入口(出入口)を作ってフロータイプのセルとし、サンプル導入口の一方にキャピラリ(内管)を取り付けられるように工夫し、キャピラリをNMRの試料観測領域(測定サンプル領域)下端まで挿入することによりキャピラリを通して効率よくサンプル導入を可能にしている。そして、2つのサンプル導入口は入口、出口どちらにも使用できるため、サンプルの流通する方向を変えられる。また、キャピラリの着脱を容易にできるように工夫し、実験目的によって異なる形状のキャピラリの使用を可能にし、キャピラリの形状によっては層流も乱流も作れるため、試料のスムーズな流れもしくは撹拌を可能にしている。
次に、本発明のの実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の超臨界フローNMRシステムの概要図である。図において、SCMの中にはNMRプローブに挿入された高圧セルが収納され、NMRスペクトルが測定できる状態になる。
外部ポンプシステムは、試料観測領域の圧力の調整と試料の排気・回収を行なうバックプレッシャーレギュレータと、セル部に試料を導入するサンプル混合器の機能を備えたサンプル送入器と、このセル部の試料に圧力を印加する加圧ポンプとから構成されている。測定システムは、NMRプローブに温度可変用ガスを供給するパイプと温度制御装置と、NMR分光計から構成されている。
バックプレッシャーレギュレータで必要な圧力を設定し、その圧力になるまで加圧ポンプで流体をセルに送り込む。勿論、流速によっては超臨界状態を保てなくなる場合が出てくるので、加圧ポンプは流速を制御でき、かつ、安定送入できる機能が必要である。この時、途中のサンプル送入器を通ることにより、サンプルも流体に溶け込んで送り込まれる。目的の圧力まで達したら、プローブの温度を上げ必要な超臨界状態をつくる。
流体を送ったり止めたりすることにより、ストップアンドフロー測定が可能であると共に、温度制御装置により超臨界流体を測定するためにプローブの温度を調整することで、可変可能な温度範囲で測定可能となり、温度、圧力が制御できて時間制御下での超臨界流体の反応速度などをNMR分光計により測定できる。
次に、本発明の特徴とするNMRセルを図2により説明する。図において、1は圧力媒体及び試料を出し入れする第1の出入口、2は圧力媒体及び試料を出し入れする第2の出入口、3は高温・高圧に耐え、かつ、非磁性な素材であるジルコニア等のセラミックスで作られている高圧セル、4は高圧セル3を保持するチタン合金で作られているセルホルダー、5はキャピラリホルダー、6はOリング、7はキャピラリであり、熱的安定性、化学的安定性、形状安定性に富んだ石英で形成されている。8は試料観測(測定)領域である。
石英のキャピラリ5の中心部に形成された流路と、キャピラリ7と高圧セル3の内壁との隙間に形成された流路は、二重管状に配置されている。キャピラリの外径は5.0mm、高圧セルの内径は5.4mmで、キャピラリと高圧セルとの間に約0.2mmの隙間があり、ここを流体が移動することができることによりフローセルとなっている。
これらの流路は試料観測領域8に試料を導入するための導入路と排出するための排出路を兼用している。試料観測領域8はセルの下端に位置し、この領域ではキャピラリ5の外径を1.4mmに細くし、試料のNMR観測に充分なスペースを確保している。また、キャピラリの先端の位置は長さを調節することにより自由に設定できる。
図3にキャピラリの支持部の拡大図を示す。図において、4は高圧セルホルダー、6,9は第1、第2のOリング、10はキャピラリの上端部、11はキャピラリ受座、12はキャピラリセットネジ、13はキャピラリ固定ネジ、14は圧力伝達部(シリンダーガイド)である。
キャピラリ7の上端部10はキャピラリ固定ネジ13で第2のOリング9を締め付けることによりキャピラリ受座11に固定する。キャピラリ受座11に固定されたキャピラリの上端部10は、キャピラリセットネジ12によって圧力伝達部(シリンダーガイド)14に固定される。このときキャピラリ受座11の先端に取り付けた第1のOリンダ6を締め付けることによって、圧力伝達部に導入された圧力媒体は、高圧セルホルダーに洩れることなくキャピラリ7に伝達される。つまり高圧セルホルダー4内部とキャピラリの上端部10は、第1のOリング6によって遮断される機構になっている。
更に、キャピラリ7は第2のOリング9のみで高圧セルホルダー4に固定されているために多少の緩みがある。そのため高圧セル3にスムーズに挿入できる。このようなキャピラリ取り付け機構になっているために、キャピラリ7は容易に取り外し交換できる。従って、形状の異なるキャピラリを目的に応じて使用することができる。
二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、任意の流路側を導入路、残りの流路側を排出路と選択可能に切り替えることができるように構成している。即ち、第1の出入口1を試料の入口に、第2の出入口2を試料の出口としたり、逆に、第2の出入口2を試料の入口に、第1の出入口1を試料の出口に選択し、試料の流れの方向と状態を変えることができる。
第1の出入口1に接続された内側の流路は、内径1mmのキャピラリの内面積は約0.785mm2であり、第2の出入口2に接続された外側の流路は、キャピラリと高圧セルとの隙間の面積は3.27mm2である。従って、目的に応じて出口と入口を変えることにより、それぞれ効率よく測定が行なえる。
高圧セルの第1の出入口1を試料の入口にした時は、キャピラリ7の中心から試料が観測領域に注入される。ここで、キャピラリの先端が高圧フローセルの底まで届いているために、試料観測領域の一番底から試料が導入されることになる。逆に、第2の出入口2を入口にした場合は、キャピラリ7と高圧セル3との隙間の流路を流体が流れ、試料観測領域の上側から流体が入り底のキャピラリの先端の流路から排出される。
このような構成の高圧セルを用いてのNMR測定を行なうには、図1のシステムにおいて、バックプレッシャーレギュレータで必要な圧力を設定し、その圧力になるまで加圧ポンプで流体をセルに送り込む。この時、途中のサンプル送入器を通ることにより、サンプルも流体に溶け込んで送り込まれる。目的の圧力まで達したら、プローブの温度を上げ必要な超臨界状態をつくる。
図2の第1の出入口1を入口に、第2の出入口2を出口に選択すると、細いキャピラリの中心の流路から広い試料観測領域に試料が出るため乱流となり、流体の撹拌効率がよくなる。そのため短時間で撹拌した後に測定するストップアンドフローの測定を効率良く行なうことができる。
また、第2の出入口2を入口に、第1の出入口1を出口に選択すると、狭い隙間で、かつキャピラリに比べて広い面積を通って流体が流れ込むことにより、試料観測領域の上側から流体がゆっくり流れるため層流になる。従ってフローでの測定に適している。
キャピラリの先端の位置はは長さを調節することにより自由に設定できるが、高度なスペクトル分解能を得るための一般的な測定では、セル内底部より0.5mmの箇所にキャピラリの先端を位置し、キャピラリ内流路を排出路とすることにより、セル内部の試料の流れの乱れを最小限に抑え、安定したスペクトルを得ることができる。
このように、第1の出入口1と第2の出入口2を、測定目的に応じて試料の入口、出口に任意に選択し、流体を送ったり止めたりすることにより、ストップアンドフローの測定が可能であり、また、流体をゆっくり流すことによりフローの測定が可能となる。また、温度制御装置により超臨界流体を測定するためにプローブの温度を調整することで、可変可能な温度範囲で測定可能となり、温度、圧力が制御できて時間制御下での超臨界流体の反応速度などをNMR分光計により測定できる。
セル内の試料容積は、容積セル内に挿入するキャピラリの形状によって制限できる。試料容積を制限する目的は、試料内に温度勾配ができると、試料内で濃度差ができ、拡散によって磁化の乱れが生じるために、NMRスペクトルの分解能が悪くなる。そこで、試料内の温度勾配を可能な限り少なくし、溶液の拡散を防ぐためである。
また、セル内に不均一系触媒をあらかじめセットし、反応物質をセル外で混合してからセル内に移動することによって、超臨界状態での反応状況をNMRで観測できる。
特に、図2のキャピラリの形状は代表的なもので、試料測定領域が制限されており、温度を可変にしての実験において、対流を最小限に押える様に工夫されている。特に粘性の極端に少ない超臨界状態でのNMR実験において、対流を押えることは重要なことである。
本発明超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステム及びフロー型NMRセルは、通常のNMRプローブを使用して、容易に高温高圧下での超臨界流体でのフローNMR実験が可能となり、キャピラリの形状を変えることにより、実験目的に合わせ最適観測条件を作れ、試料の導入方向(出入口)を変えて、流れる方向を変えることにより、測定サンプル系に対して最適NMR測定条件を選んで、ストップアンドフロー測定などにおける、条件設定も最適化できるので、超臨界流体内での種々の速度論的実験や、触媒(不均一系触媒を含む)反応機構の解明、圧力や温度に依存する化学反応などの検討を行なう場合に応用できる。
本発明の超臨界フローNMRシステムの概要図。 本発明のNMRセル構成図。 キャピラリの支持部の拡大図。 従来の超臨界流体測定用NMRセル構成図。 従来の超臨界流体測定用NMRセル構成図。
符号の説明
1 圧力媒体及び試料の第1の出入口
2 圧力媒体及び試料の第2の出入口
3 高圧セル
4 セルホルダー
5 キャピラリホルダー
6,9 Oリング
7 キャピラリ
8 試料観測(測定)領域
10 キャピラリの上端部
11 キャピラリ受座
12 キャピラリセットネジ
13 キャピラリ固定ネジ
14 圧力伝達部

Claims (8)

  1. 試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、外部のポンプシステムとから成る超臨界流体測定用NMRセルシステムであって、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路は前記試料観測領域では突出した細管に形成され、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、任意の流路側を導入路、残りの流路側を排出路に選択可能にしたことを特徴とする超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステム。
  2. 前記二重管状に配管された各流路に、外部のポンプシステムを接続させる配管が設けられていることを特徴とする請求項1記載の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステム。
  3. 前記ポンプシステムは、前記試料観測領域の圧力の調整と試料の排気・回収を行なうバックプレッシャーレギュレータと、セル部に試料を導入するサンプル送入器と、該セル部の試料に圧力を印加する加圧ポンプとから成ることを特徴とする請求項1又は2請求項記載の超臨界流体測定用NMRセルシステム。
  4. 前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、内側の流路はセル部内に配置された熱的安定性、化学的安定性、形状安定性に富んだ素材でなるキャピラリの中心に形成し、かつ、前記試料観測領域では突出した細管に形成され、外側の流路は該キャピラリとセルの内壁との間に隙間として形成されることを特徴とする請求項1記載の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステム。
  5. 試料を収容する有底筒状のセル部と、セル部の開放端に取り付けられるセルホルダーと、前記セル部は、下端に位置する試料観測領域に試料を導入するための導入路と前記試料観測領域から試料を排出するための排出路を兼用する流路を二重管状に配管した部分を、前記試料観測領域の上方に備え、前記二重管状に配管された内側の流路と外側の流路のうち、内側の流路はセル部内に配置された石英等の熱的安定性、化学的安定性、形状安定性に富んだ素材でなるキャピラリの中心に形成し、かつ、前記試料観測領域では突出した細管に形成され、外側の流路は該キャピラリとセルの内壁との間に隙間として形成されることを特徴とする超臨界流体測定用フロー型NMRセル。
  6. 前記セル部とセルホルダーは、高温・高圧に耐え、かつ、非磁性な素材で作られていることを特徴とする請求項6記載の超臨界流体測定用フロー型NMRセル。
  7. 前記セル部は、ジルコニア等のセラミックスで作られていることを特徴とする請求項5記載の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステム。
  8. 前記セルホルダーは、チタン合金で作られていることを特徴とする請求項5記載の超臨界流体測定用フロー型NMRセルシステム。
JP2003397666A 2003-11-27 2003-11-27 超臨界流体測定用フロー型nmrセルシステム Pending JP2005156447A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003397666A JP2005156447A (ja) 2003-11-27 2003-11-27 超臨界流体測定用フロー型nmrセルシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003397666A JP2005156447A (ja) 2003-11-27 2003-11-27 超臨界流体測定用フロー型nmrセルシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005156447A true JP2005156447A (ja) 2005-06-16

Family

ID=34722759

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003397666A Pending JP2005156447A (ja) 2003-11-27 2003-11-27 超臨界流体測定用フロー型nmrセルシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005156447A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5711785B2 (ja) 多目的流れモジュールおよびその使用方法
EP2263790B1 (en) Reactor assembly
US20090145485A1 (en) Microfluidic methods and apparatuses for fluid mixing and valving
US6883957B2 (en) On chip dilution system
US9446366B2 (en) Modular flow reactor
US20090053814A1 (en) Microfluidic apparatus and method for sample preparation and analysis
US20090146380A1 (en) Methods and apparatuses for generating a seal between a conduit and a reservoir well
US20170165632A1 (en) Reactor device for reaction fluid
US20090145576A1 (en) Microfluid based apparatus and method for thermal regulation and noise reduction
US9448192B2 (en) NMR reaction monitoring flow cell
US20100129917A1 (en) Method and installation for determining at least one parameter of a physical and/or chemical conversion
EP2380016B1 (en) Apparatus for generating small flow rates in a channel
US20070292310A1 (en) Microanalysis Apparatus with Constant Pressure Pump System
US8021130B2 (en) Apparatus and method for handling fluids at nano-scale rates
CN105467049B (zh) 气相色谱单元、用相同该单元的可扩展气相色谱系统及相关方法
JP5735065B2 (ja) 液体クロマトグラフィー用の移動相調整装置
JP6603164B2 (ja) Nmrフローセルとして構成される監視セル
Vakili et al. Mix-and-extrude: high-viscosity sample injection towards time-resolved protein crystallography
JP2005156447A (ja) 超臨界流体測定用フロー型nmrセルシステム
Dalmiya et al. High pressure, high flow rate batch mixing apparatus for high throughput experiments
US5553484A (en) High flow membrane probe
US6746863B2 (en) Sterilizable probe for extraction of volatile compounds in liquids and their quantitative determination
KR20070088900A (ko) 촉매 탐색용 반응 장치
GB2254151A (en) Nmr measurement of chemical and/or physical reaction sequences
JPS593336A (ja) 反応測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071009

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080226