JP2005156256A - 浮遊凝集体の測定方法及び装置 - Google Patents

浮遊凝集体の測定方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】浮遊凝集体のサイズや浮遊凝集体の個数を測定する。
【解決手段】パルスレーザを浮遊凝集体に照射したときに浮遊凝集体からレーザ誘起により発光される白熱光の強度を検出し(104)、予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と浮遊凝集体のサイズとの関係、及び検出したレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間に基づいて、移動度粒径を浮遊凝集体のサイズとして測定する(108)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、浮遊凝集体の測定方法及び装置に係り、特に、ディーゼルエンジンの排気中に含まれる粒状物質(PM(Particulate Matter)等の燃焼により生じた一次粒子が多数結合した鎖状凝集体のサイズ、浮遊凝集体の粒子数を測定するための浮遊凝集体の測定方法及び装置に関する。
従来より、空気中の単一の浮遊粒子の粒径を測定する方法の1つとして、レーザ誘起白熱法(以下「LII法」という。)が知られている。LII法は、パルスレーザを浮遊粒子に照射して浮遊粒子の温度をすすの蒸発温度(約4500°K)まで瞬間的に上昇させて浮遊粒子からのレーザ誘起による白熱光の強度を検出し、検出したレーザ誘起白熱光強度信号(以下「LII信号」という。)の減衰速度が粒径によって異なることを利用して、LII信号の減衰速度に基づいて粒径を測定するものである。すなわち、中心粒径が小さくなるに従ってLII信号の減衰速度が速くなることを利用して粒径を測定するものである。
米国特許6181419B1号明細書(特許文献1)には、初期のLII信号と発光強度の積算値との比が粒径の関数になることを利用して、LII信号から平均粒径を求めることが記載されている。
文献“SAE1999−01−0146”(非特許文献1)には、LII信号の減衰時間から粒径を決定することが記載されている。
また、特開2003−139679号公報(特許文献2)には、LII信号から減衰速度定数を演算し、演算した減衰速度定数に基づいて中心粒径及び分布幅を決定することが記載されている。
米国特許6181419B1号明細書 特開2003−139679号公報 SAE1999−01−0146
しかしながら、上記従来の技術では、いずれも単一粒子の粒径をサイズとして測定する技術であり、一次粒子が多数結合した鎖状凝集体である浮遊凝集体のサイズや凝集体の粒子数を測定するのは困難である、という問題があった。
本発明は、上記の問題点を解消するためになされたもので、浮遊凝集体のサイズや浮遊凝集体の粒子数を測定することができる浮遊凝集体の測定方法及び装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、体積等価粒径及び形状因子を測定することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、パルスレーザを浮遊凝集体に照射したときに該浮遊凝集体からレーザ誘起により発光される白熱光の強度を検出し、予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と浮遊凝集体のサイズとの関係、及び検出したレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間に基づいて、浮遊凝集体のサイズを測定することを特徴とする。
また、パルスレーザを浮遊凝集体に照射したときに該浮遊凝集体からレーザ誘起により発光される白熱光の強度を検出し、予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と一粒子のレーザ誘起白熱光強度との関係、及び検出したレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間に基づいて、浮遊凝集体の粒子数を測定することとを特徴とする。
なお、レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と移動度粒径との関係を予め定めておいて、パルスレーザを照射した浮遊凝集体の移動度粒径を浮遊凝集体のサイズとして更に演算するようにしてもよい。
本発明は、レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と凝集体の移動度粒径との間に相関があることを見出してなされたものであり、レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と凝集体の移動度粒径との関係を予め定めておいて、予め定めた関係と検出したレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間とに基づいて、凝集体の移動度粒径を凝集体のサイズとして演算するものである。
本発明の浮遊凝集体の測定装置は、上記の浮遊凝集体の測定方法を利用したものであり、浮遊凝集体にパルスレーザを照射するレーザ照射手段と、前記浮遊凝集体からのレーザ誘起による白熱光強度を検出する検出手段と、前記検出手段で検出されたレーザ誘起白熱光強度信号の時間変化に基づいて、該レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間を演算する減衰時間演算手段と、レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と移動度粒径との関係を記憶した記憶手段と、前記減衰時間演算手段で演算されたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と前記記憶手段に記憶された関係とに基づいて、浮遊凝集体の移動度粒径を浮遊凝集体のサイズとして演算する粒径演算手段と、を含んで構成されている。
また、本発明の浮遊凝集体の測定装置は、浮遊凝集体にパルスレーザを照射するレーザ照射手段と、前記浮遊凝集体からのレーザ誘起による白熱光強度を検出する検出手段と、前記検出手段で検出されたレーザ誘起白熱光強度信号の時間変化に基づいて、該レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間を演算する減衰時間演算手段と、レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と、前記凝集体の体積と等価体積の球体の径で表される体積等価粒径との関係、及び該体積等価粒径と凝集体一粒子のレーザ誘起白熱光強度との関係を記憶した記憶手段と、前記減衰時間演算手段で演算されたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と前記記憶手段に記憶された関係とに基づいて、浮遊凝集体の粒子数を演算する浮遊凝集体演算手段と、を含んで構成することができる。
なお、前記記憶手段に、レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と移動度粒径との関係を更に記憶し、前記浮遊凝集体演算手段において、浮遊凝集体の移動度粒径を更に演算するようにしてもよい。
また、強度が異なる2つ以上のパルスレーザを浮遊凝集体に照射したときに該浮遊凝集体からレーザ誘起により発光される白熱光の強度を各々検出し、予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の比と体積等価粒径及び形状因子との関係、及び予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と体積等価粒径及び形状因子との関係に基づいて、体積等価粒径及び形状因子を測定するようにしてもよい。さらに、浮遊凝集体に強度が異なる2つ以上のパルスレーザを照射するレーザ照射手段と、前記浮遊凝集体からのレーザ誘起による白熱光強度を各々検出する検出手段と、前記検出手段で検出されたレーザ誘起白熱光強度信号のいずれか一方の時間変化に基づいて、該レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間を演算する減衰時間演算手段と、レーザ誘起白熱光強度信号の比と前記凝集体の体積と等価体積の球体の径で表される体積等価粒径及び形状因子との関係、及びレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と体積等価粒径及び形状因子との関係を記憶した記憶手段と、前記検出手段で検出されたレーザ誘起白熱光強度信号の比、前記減衰時間演算手段で演算されたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間、及び前記記憶手段に記憶された関係とに基づいて、前記体積等価粒径及び前記形状因子演算する粒径演算手段と、を含んで構成してもよい。
以上説明したように本発明によれば、LII信号の減衰時間に基づいて凝集体のサイズを測定することができると共に、LII信号の減衰時間及びLII信号の絶対強度に基づいて、凝集体の粒子数を演算することができる、という効果が得られる。
また、体積等価粒径及び形状因子を測定することができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、標準粒子発生器から複数の標準粒子を発生させ、各標準粒子についてLII法によるレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と浮遊凝集体のサイズとの関係を調べた結果について説明する。
標準粒子である燃焼微粒子の発生源として、Matter Engineering社の標準粒子発生器(CAST:Combustion Aerosol Sandard)を用いた。この標準粒子発生器は、プロパンガスの拡散火炎により粒子を生成させ、一定高さにおいて側方からクエンチ用窒素ガスを送り込んで燃焼を抑制し、粒子の成長を凍結するものである。この標準粒子発生器では、プロパンガスに添加するクエンチ用窒素ガスの希釈率を変えることにより、発生する粒子の粒径を変えることができる。発生した粒子流の一部を希釈器で希釈した後、試験用粒子として取り出し、後述する微粒子計測装置(SMPS)、TEM(透過型電子顕微鏡)、LII装置の各計測で用いた。
ディーゼル排気中のナノ微粒子計測に利用される電気移動度法による微粒子計測装置(SMPS)は、TSI製の装置を用いた。CASTにより生成した微粒子を微粒子計測装置に直接導入し、DMA(静電式エアロゾル分級器:Model 3081)で分級し、CPC(凝結核カウンター:Model 3025A)で粒子数を測定した。
電顕観察用試料は、粒子流の流路に炭素膜付マイクログリッドを直接挿入することにより採取した。採取した試料は、透過型電子顕微鏡(日本電子JEM2000EX、加速電圧200kV)により観察し、パーソナルコンピュータに取り込んだ後、画像解析ソフトにより処理・解析を行った。
LII装置は、本実施の形態のLII装置と同様の装置を用いた。図1に本実施の形態のLII装置の概略を示す。
LII装置は、浮遊凝集体等の被測定物に励起光としてのパルスレーザを照射するパルス発振レーザ装置10を備えている。パルス発振レーザ装置10のレーザ光照射側には、レーザ光を切り出すアパチャー12、レーザ光の強度を調整するNDフィルタ14、及び主光路からレーザ光を分岐するためのビームスプリッタ16が順に配置されている。ビームスプリッタ16のレーザ光分岐側には、レーザ光をモニタするフォトダイオード18が配置されている。
ビームスプリッタ16のレーザ光透過側である主光路のレーザ光は、ビームスプリッタ19等により2つに分けられる。2分したレーザ光は、各々NDフィルタ21、21’により、強度の異なる2本の励起光にする。2本のレーザ光の光路には、LII観測用石英円筒セル22、22’中にレーザ光を集光するシリンドリカルレンズ20、20’(例えば、f=100mm)が配置されている。
LII観測用石英円筒セル22、22’の側方には、LII観測用石英円筒セル22、22’中に存在するすす粒子等の浮遊粒子からレーザ励起により発光される白熱光である輻射光を検出する光電子増倍管24、24’が配置されている。LII観測用石英円筒セル22、22’中央部には、一方の輻射光(LII光)を遮断するための仕切り板25が設けられている。
LII観測用石英円筒セル22と光電子増倍管24との間には、シリンドリカルレンズ26、アパチャー28、及び波長選択を行う干渉フィルター30(例えば、中心波長355nm,半値幅16.7nm)が配置されている。また、光電子増倍管24は、高速アンプ32を介してデジタルオシロスコープ34に接続されている。同様に、LII観測用石英円筒セル22’と光電子増倍管24’との間には、シリンドリカルレンズ26’、アパチャー28’、及び波長選択を行う干渉フィルター30’(例えば、中心波長355nm,半値幅16.7nm)が配置されている。また、光電子増倍管24’は、高速アンプ32’を介して上記のデジタルオシロスコープ34に接続されている。
このLII装置では、励起光として、Nd:YAGレーザの第2高調波(532nm)を用いた。
上記の各装置を使用し、CASTによりモード1〜モード6(Mode1〜Mode6)の6種類の粒径モードの粒子群を発生させ、測定に用いた。図3にSMPSで測定した各モードの粒径分布(移動度粒子径(Mobility粒径)に対する粒子数の分布)を示す。いずれのモードも正規対数分布に近い分布形状を持っており、中位径は約30nm〜170nmの範囲で変化している。表1に各モードのSMPS中位径をまとめて示した。
Figure 2005156256
また、図4に、これら各モードの粒子の代表的なTEM像を示す。小粒径側では、粒子は単一の球形に近い形状をしており、大粒径側へいくほど一次粒子が多数結合した鎖状凝集体の形状をしている。このことから、今回用いた標準粒子では、粒径の成長に伴い粒子の形態(morphology)も変化していることが分かる。
図3のMobility粒径とTEMにより観測される粒径との関係を調べるために、数百個の粒子のTEΜ画像を統計的に解析した。TEMにより観測される粒径としては、図6(a)に示す旋回粒径、(b)に示す最大粒子径、(c)に示す平均フェレ径、(d)に示す面積等価粒径を用いた。
図5に旋回粒径の分布を示す。図中に図3のSMPSによる粒径分布を実線で重ねて示した。低粒径側でのズレは見られるが、概ね両者の分布は類似しているといえる。
同様にして、図6に定義した別の粒径、(b)最大粒子径、(c)平均フェレ径、(d)面積等価粒径についても解析を行った。個々の分布グラフの記載は省略するが、各々の平均値と平均Mobility粒径との相関を図7にプロットした。図中の破線は等粒径線を示している。図7より、標準粒子では旋回粒径が、Mobility粒径と最も良い一致を示すことが理解できる。
次に、LII法によるすす濃度・粒径計測の検討を行った。図8に各粒径モードについてLII信号の絶対強度のレーザ光強度依存性を示す。LII信号の絶対強度は、レーザ強度の変化に対し初期では比例的に増加するが、一旦極大値をとった後減少している。この理由は、レーザ光が強い領域では、すす粒子の蒸発が起きているためであると考えられる。本発明では、この影響を避けるため、LII信号の飽和が起きる前の最大レーザ強度(例えば、図中破線示す4mJ/pulseの強度)のデー夕を解析に用いた。
先ず、すす濃度とLII信号の強度(LII intensity)との関係を調べるため、別途測定した元素状炭素(EC:Elementary Carbon)の重量濃度とLII信号の強度との関係を図9にプロットした。図中には、SMPS中位径を示してある。この図9より、粒径範囲(例えば、30〜170nm)では、粒径によらずLII信号の強度がEC濃度に比例していることが理解できる。このことから、粒径が大きく変化する条件においても、LII信号の絶対強度からすす重量濃度の計測が可能であることが確かめられた。
次に、LII装置による粒子径計測について説明する。この場合には、いずれか一方のレーザ強度でのLII信号強度を用いる。図10にモード1〜6の各モードのLII信号強度の経時変化を示す。LII信号強度の減衰時間は、モード1〜6の順に単調に増加している。図4のTEM像から一次粒子径はモード1〜6の順に単調には増加しておらず、LII信号の減衰時間と一次粒子径の大小とは対応していないことが分かる。
一方、図11に示すようにSMPS中位径、すなわち凝集体サイズ(移動度粒径)に対しLII信号の減衰時間は単調に増加しており、このことから、LII信号の減衰時間は一次粒子径よりも、すす凝集体の大きさに依存していると判断できる。
LII法では、すすが光吸収により加熱された後、熱放射により冷却することで輻射光が減衰する。吸収エネルギーは粒子体積に比例するのに対し、冷却速度は粒子表面積に比例するので、LII信号の減衰速度は粒子の比表面積(=粒子表面積/粒子体積)に依存することになる。したがって、LII信号の減衰時間が凝集体サイズに依存した理由としては、凝集体の成長により一次粒子の表面積が徐々に覆われていき、それに伴い粒子の比表面積が減少したこと推定することができる。
上記の推定を確認するため、次の(1)式で定義される比周囲長の解析をTEM画像について行った。
(比周囲長)=(粒子の周囲長)/(粒子面積)・・・(1)
本来は、この比周囲長が三次元物質の比表面積の代用として妥当かどうかの検討が必要であるが、今回は定性的な傾向をつかむ目的に限って使用した。図12に、モード1〜6の各モードの比周囲長と旋回粒径との相関を示す。いずれのモードでも粒径の増加とともに比周囲長が減少する傾向が表れている。図13は、モード1〜6の各モードの比周囲長の平均値とSMPS中位径との関係を示したものであるが、この図からも粒径の増大に伴い、比周囲長が単調に減少していることが理解できる。これらのことから、間接的にではあるが、凝集体の粒径と粒子比表面積にはかなりの相関があるものと推察される。
以上の結果より、凝集体においても粒径の増加とともに比表面積が減少し、その結果LII信号強度の減衰時間と粒径との間に図11に見られる対応関係が表れたものと考えられ、上記の結果は、LII装置のLII信号の減衰時間から凝集体のサイズを計測することが可能であることを示すものである。
すなわち、LII信号の減衰時間を計測すれば、計測したLII信号の減衰時間と図11の関係とから、凝集体の移動度粒径(Mobility粒径)を凝集体のサイズとして計測することができる。
次に、凝集体の粒子数を求めるために、粒子の比表面積の因子として球からのずれ量を表す形状因子αを定義し、凝集体の体積と等価体積の球体の径で表される体積等価粒径をDとしたとき、燃焼粒子の凝集体の表面積をαπD3/6と表した。ずれ量を表す形状因子αは、燃焼粒子が球のときα=1となり、凝集体のように形状が球からずれたときα>1になる。
図14は、α=1,5,10について凝集体一粒子の体積とLII信号の強度との関係を示したものであり、図15は、α=1,5,10について凝集体の体積等価粒径とLII信号の減衰時間との関係を示したものである。
燃焼で生成されるすすの凝集体については、粒子の形状が概略わかっているので、実験により形状因子αの値を予め定めておく。形状因子αが既知であるので、LII信号の減衰時間と図15に示す関係とから体積等価粒径D(例えば、80nm)を求めることができる。求めた体積等価粒径Dから単一の凝集体の体積(例えば、2.7×105nm3)が求められ、この求めた体積と図14に示す関係とから凝集体一粒子当たりのLII信号の強度が求められる。
全LII強度=凝集体一粒子当たりのLII強度×粒子数・・・(2)
であるので、形状因子αが既知の場合には、LII信号の強度(LIIの全信号強度)及びLII信号の減衰時間より、凝集体サイズ(体積等価粒径)と粒子数とを求めることができる。
そこで、本実施の形態では、デジタルオシロスコープ34のメモリに、図11に示すLII信号の減衰時間と移動度粒径との関係を示す第1のマップ、図14に示す凝集体の体積(等価体積)と一粒子当たりのLII信号の強度との関係を表す第2のマップ、及び図15に示す体積等価粒径とLII信号の減衰時間との関係を示す第3のマップを予め記憶すると共に、図2に示す計測ルーチンのプロブラムを予め記憶しておく。
次に、図2の計測ルーチンについて説明する。ステップ100において、LII信号を取り込み、ステップ102で取り込んだLII信号をデジタル値に変換し、ステップ104においてLII信号の強度を演算すると共に、ステップ106おいてLII信号の減衰時間を演算する。
ステップ108では、ステップ106で演算したLII信号の減衰時間と第1のマップとに基づいて、LII信号の減衰時間に対応する移動度粒径を凝集体のサイズとして演算し、ステップ110では、ステップ106で演算したLII信号の減衰時間と第3のマップとに基づいて、体積等価粒径Dを演算し、ステップ112で、予め定められている形状因子αと演算した体積等価粒径Dとに基づいて体積を演算した後、ステップ114で、演算した体積と第2のマップとに基づいて、一粒子のLII信号の強度を演算する。
そして、ステップ116において、一粒子のLII信号の強度及びLII信号の強度(LII信号の全信号強度)より、凝集体の粒子数を求め、ステップ118において、ステップ108で演算した移動度粒径もしくはステップ110で演算した体積等価粒径、及びステップ116で演算した粒子数をデジタルオシロスコープ34の表示部に表示する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、LII信号の減衰時間に基づいて凝集体のサイズを測定することができると共に、LII信号の減衰時間及びLII信号の強度に基づいて、凝集体の粒子数を演算することができる。
次に、形状因子αが未知の凝集体粒子の体積等価粒径Dと形状因子αとを決定する方法について説明する。この場合には、2つのレーザ強度でのLII信号強度の比、LII信号減衰時間、及び以下に示す2つのマップを用いる。また、形状因子αは、粒子比表面が球の場合に対し、どの程度大きいかを表す量として以下のように定義する。
体積等価粒径Dに対して表面積がπD3/6のとき(球の場合)α=1となる。また、体積等価粒径Dに対して表面積がα’πD3/6の粒子に対して形状因子α=α’(α’>1)となる。
図16及び図17は、2つのレーザ光のレーザ強度が570mJ/cm2及び285mJ/cm2のときの、2つのレーザ強度でのLII信号強度の比に対する体積等価粒径D及び形状因子αの等高線図を示すマップである。
図18及び図19は、レーザ強度が570mJ/cm2のときのLII信号減衰時間に対する体積等価粒径D及び形状因子αのの等高線図を示すマップである。
これらのマップは、デジタルオシロスコープ34のメモリに、予め記憶しておく。
デジタルオシロスコープ34では、図2で説明したように、2つのレーザ強度のLII信号強度を各々演算した後、2つのレーザ強度のLII信号強度の比を演算すると共に、LII減衰時間を演算する。そして、上記のマップに基づいて2つのレーザ強度でのLII信号強度の比に対するD−αの等高線と、LII信号減衰時間に対するD−αの等高線を求め、これらの等高線を重ねることで体積等価粒径D及び形状因子αを求める。例えば、LII信号強度の比が0.5でLII信号減衰時間が5nsの時は、2つの等高線を重ねることで形状因子が約4、体積等価粒径が約35nmと一義的に求めることができる。
得られた体積等価粒径D及び形状因子α及びLII信号の絶対強度から図2の手順位により粒子数を求めることができる。また、凝集体形状因子αが既知の粒子に対しては、2つのレーザ強度でのLII信号強度の比、またはLII信号減衰時間の測定と、LII信号の絶対強度を求めるのみで凝集体サイズ(体積等価粒径)と粒子数とを求めることができる。
なお、上記のマップは、数値シミュレーションで求めることができるし、また標準粒子等を用いて実験的にも求めることができる。
本発明の実施の形態の概略図である。 本発明の実施の形態の計測ルーチンを示す流れ図である。 標準粒子の微粒子計測装置(SMPS)による粒径と粒子個数との関係を示す線図である。 標準粒子の代表的なTEM画像示す概略図である。 標準粒子の展開直径分布を示す線図である。 TEM画像解析で用いた粒径のの定義を説明するための概略図である。 微粒子計測装置(SMPS)による粒径とTEM粒径との相関を示す線図である。 LII信号の絶対強度のレーザ光強度依存性を示す線図である。 LII信号の絶対強度のEC濃度依存性をを示す線図である。 LII信号の経時変化を示す線図である。 LII信号の減衰時間と移動度粒径との関係を示す線図である。 比周囲長と平均展開展開直径(旋回粒径)との関係を示す線図である。 平均比周囲長と平均移動度粒径との関係を示す線図である。 α=1,5,10について単一粒子の体積とLII信号の強度との関係を示した線図である。 α=1,5,10について凝集体の場合の体積等価粒径とLII信号の強度との関係を示した線図である。 2つのレーザ強度でのLII信号強度の比に対する体積等価粒径D及び形状因子αの等高線図を示すマップである。 図16と同様の等高線図を示すマップである。 LII信号減衰時間に対する体積等価粒径D及び形状因子αのの等高線図を示すマップである。 図18と同様の等高線図を示すマップである。
符号の説明
10 パルス発振レーザ装置
22 LII観測用石英円筒セル
24 光電子増倍管
34 デジタルオシロスコープ

Claims (8)

  1. パルスレーザを浮遊凝集体に照射したときに該浮遊凝集体からレーザ誘起により発光される白熱光の強度を検出し、予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と浮遊凝集体のサイズとの関係、及び検出したレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間に基づいて、浮遊凝集体のサイズを測定する浮遊凝集体の測定方法。
  2. パルスレーザを浮遊凝集体に照射したときに該浮遊凝集体からレーザ誘起により発光される白熱光の強度を検出し、予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と凝集体一粒子のレーザ誘起白熱光強度との関係、及び検出したレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間に基づいて、浮遊凝集体の粒子数を測定する浮遊凝集体の測定方法。
  3. レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と移動度粒径との関係を予め定め、検出したレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間に基づいて、浮遊凝集体の移動度粒径を浮遊凝集体のサイズとして更に測定するようにした請求項2記載の浮遊凝集体の測定方法。
  4. 浮遊凝集体にパルスレーザを照射するレーザ照射手段と、
    前記浮遊凝集体からのレーザ誘起による白熱光強度を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出されたレーザ誘起白熱光強度信号の時間変化に基づいて、該レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間を演算する減衰時間演算手段と、
    レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と移動度粒径との関係を記憶した記憶手段と、
    前記減衰時間演算手段で演算されたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と前記記憶手段に記憶された関係とに基づいて、浮遊凝集体の移動度粒径を浮遊凝集体のサイズとして演算する粒径演算手段と、
    を含む浮遊凝集体の測定装置。
  5. 浮遊凝集体にパルスレーザを照射するレーザ照射手段と、
    前記浮遊凝集体からのレーザ誘起による白熱光強度を検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出されたレーザ誘起白熱光強度信号の時間変化に基づいて、該レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間を演算する減衰時間演算手段と、
    レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と、前記凝集体の体積と等価体積の球体の径で表される体積等価粒径との関係、及び該体積等価粒径と凝集体一粒子のレーザ誘起白熱光強度との関係を記憶した記憶手段と、
    前記減衰時間演算手段で演算されたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と前記記憶手段に記憶された関係とに基づいて、浮遊凝集体の粒子数を演算する浮遊凝集体演算手段と、
    を含む浮遊凝集体の測定装置。
  6. 前記記憶手段に、レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と移動度粒径との関係を更に記憶し、前記浮遊凝集体演算手段において、浮遊凝集体の移動度粒径を更に演算するようにした請求項4記載の浮遊凝集体の測定装置。
  7. 強度が異なる2つ以上のパルスレーザを浮遊凝集体に照射したときに該浮遊凝集体からレーザ誘起により発光される白熱光の強度を各々検出すると共に、検出されたいずれか一方のレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間を演算し、予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の比と前記凝集体の体積と等価体積の球体の径で表される体積等価粒径及び形状因子との関係、及び予め定めたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と体積等価粒径及び形状因子との関係に基づいて、体積等価粒径及び形状因子を測定する浮遊凝集体の測定方法。
  8. 浮遊凝集体に強度が異なる2つ以上のパルスレーザを照射するレーザ照射手段と、
    前記浮遊凝集体からのレーザ誘起による白熱光強度を各々検出する検出手段と、
    前記検出手段で検出されたレーザ誘起白熱光強度信号のいずれか一方の時間変化に基づいて、該レーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間を演算する減衰時間演算手段と、
    レーザ誘起白熱光強度信号の比と前記凝集体の体積と等価体積の球体の径で表される体積等価粒径及び形状因子との関係、及びレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間と体積等価粒径及び形状因子との関係を記憶した記憶手段と、
    前記検出手段で検出されたレーザ誘起白熱光強度信号の比、前記減衰時間演算手段で演算されたレーザ誘起白熱光強度信号の減衰時間、及び前記記憶手段に記憶された関係とに基づいて、前記体積等価粒径及び前記形状因子演算する粒径演算手段と、
    を含む浮遊凝集体の測定装置。
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