JP2005154145A - ウェブのシワ伸ばし用ローラならびにこれを用いたフィルムロール体の製造装置、及び製造方法 - Google Patents

ウェブのシワ伸ばし用ローラならびにこれを用いたフィルムロール体の製造装置、及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005154145A
JP2005154145A JP2004247855A JP2004247855A JP2005154145A JP 2005154145 A JP2005154145 A JP 2005154145A JP 2004247855 A JP2004247855 A JP 2004247855A JP 2004247855 A JP2004247855 A JP 2004247855A JP 2005154145 A JP2005154145 A JP 2005154145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roller
web
fiber structure
wrinkle
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004247855A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005154145A5 (ja
Inventor
Mamoru Kawashita
守 川下
Masaki Kimura
雅喜 木村
Toshihiro Hayashi
敏洋 林
Shintaro Kuge
慎太郎 久下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2004247855A priority Critical patent/JP2005154145A/ja
Publication of JP2005154145A publication Critical patent/JP2005154145A/ja
Publication of JP2005154145A5 publication Critical patent/JP2005154145A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)

Abstract

【課題】ウェブのシワを全幅にわたって軽減し、かつ、キズ発生を低減できるシワ伸ばし用ローラを提供すること。
【解決手段】ローラ本体と、該ローラ本体の外周面を被覆する繊維構造体と、該繊維構造体をローラ回転中心軸方向に伸縮させる伸縮手段とを有することを特徴とするウェブのシワ伸ばし用ローラを提供する。また、かかるウェブのシワ伸ばし用ローラを用いたフィルム製造装置及び製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウェブのシワ伸ばし用ローラならびにこれを用いたフィルムロール体の製造装置、及び製造方法に関する。
プラスチックフィルム、紙などのシート状物(以下、ウェブという)の製造装置に用いられる各種ローラにおいては、ウェブに発生するキズ、シワにより歩留まり低下や操業性悪化といった問題が発生する。これらの問題を解消すべく様々な技術が開発されている。
シワに関しては、ウェブの幅方向両端を幅方向外側に引っ張るテンターやクロスガイダによってシワを伸ばす技術や、ウェブ全幅に接触するエキスパンダローラを用いてシワを伸ばす技術が知られている。エキスパンダローラは、ベンディングタイプとフラットタイプがある。ベンディングタイプのエキスパンダローラは、湾曲した回転中心軸に関して回転し、ローラ回転に伴って、接触するウェブの幅方向に張力を付与するものである。フラットタイプのエキスパンダローラは、ストレートの回転中心軸に関して回転し、ローラ回転に伴ってローラシェルが伸縮し、これに接触するウェブの幅方向に張力を付与してシワを伸ばすものであり、特許文献1や特許文献2で開示されている多数の弾性条を円筒状に配したフラットエキスパンダローラと、特許文献3で開示されているゴムパイプを用いたフラットエキスパンダローラがある。
特公昭44−20877号公報 特許第3028483号公報 実公昭57−11966号公報
しかしながら、上記した従来の技術では、例えば品質要求の厳しい製品ではシワ伸ばしとキズ防止などを実用的な形で実現させることができないことが多い。
前述のとおり、シワ伸ばしに関しては、品質や工程の安定性の観点から、一般的にはウェブ全幅に接触してシワを伸ばすエキスパンダローラを用いた方法が用いられる。しかし従来のベンディングタイプのエキスパンダローラは、回転に必要なトルクが非常に大きく、駆動することが前提であるため設備費が高くなる。また、構造上ウェブ中央部に過剰な幅方向の張力が発生してウェブが歪む、ウェブ端部のシワ伸ばし効果が小さい、ローラ周速とウェブ搬送速度との速度差が特にウェブ端部において大きくなりやすく滑りが生じやすい、ローラ中央部と両端部とでは前後ローラ間のウェブのパスラインが異なるためウェブ端部にタルミが発生しやすいなどの問題がある。
特許文献1や特許文献2のフラットエキスパンダローラは、これらベンディングタイプのエキスパンダローラの欠点の解消を意図したものである。しかし、上記従来のフラットエキスパンダローラにおいては、各弾性条は間隙を持って配置されており、拡幅作用が段階的であったり、ローラ外周が凹凸になりやすい問題がある。さらに弾性条を保持するためにローラシェルに溝をつけたものではそこで弾性条が擦過して発塵する問題もある。
これらの問題を解消すべくゴムパイプを用いたフラットエキスパンダローラが特許文献3で開示されている。しかし、この方式も回転に必要なトルクが大きく、特に薄物フィルムなど巻き取り張力を低く設定すべきウェブの製造に用いるには駆動する必要があるため設備費が高くなる。また、特許文献1や2の方式のエキスパンダローラも特許文献3の方式のフラットエキスパンダローラもローラ外周面は金属やゴムなど硬い材料の単純な連続体を用いており、ウェブにキズをつけやすいとか、拡幅量を大きくとることができないとかの問題がある。
本発明の第1の目的はウェブのシワを全幅にわたって軽減し、かつ、キズ発生を低減できるウェブのシワ伸ばし用ローラを提供することである。第2の目的はウェブにおけるシワやキズの発生を低減できるウェブ製造装置を提供することである。第3の目的はシワやキズを生じさせにくいウェブの製造方法を提供することである。
本発明によれば、ローラ本体と、該ローラ本体の外周面を被覆する伸縮性を有する繊維構造体と、該繊維構造体をローラ回転中心軸方向に伸縮させる伸縮手段とを有することを特徴とするウェブのシワ伸ばし用ローラが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維構造体は、筒状編み物で構成されたものであることを特徴とするウェブのシワ伸ばし用ローラが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維構造体は弾性糸を含む糸により構成されたことを特徴とするウェブのシワ伸ばし用ローラが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記繊維構造体は、シームレスなものであることを特徴とするウェブのシワ伸ばし用ローラが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記伸縮手段は、前記ローラ本体のローラ回転中心軸方向両外側に配設され、ローラ回転中心軸に対して傾斜した回転中心軸に関して回転自在に構成された傾斜カラーを備え、該傾斜カラーは、前記繊維構造体を把持し、前記繊維構造体と併せて前記ローラ本体を包囲する外包体を構成するものであり、かつ、前記回転中心軸に関する回転に伴って該繊維構造体各部をローラ回転中心軸方向に伸縮させるものであることを特徴とするウェブのシワ伸ばし用ローラが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、プラスチックフィルムの搬送経路の少なくとも1カ所以上に、ウェブのシワ伸ばし用ローラを備えたことを特徴とするフィルムロール体の製造装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、ウェブのシワ伸ばし用ローラと、フィルムを巻き取る巻き取りロールを有し、該ウェブ製造装置用ローラが該巻き取りロールに対して圧接可能に対向配置されていることを特徴とするフィルム巻き取り装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、装置を用いたフィルムロール体の製造方法が提供される。
本発明において繊維構造体の「伸縮性」とは、次のように定義される。繊維構造体を、長さ120mm×幅120mmの正方形に裁断してサンプルシートを作製し、これを水平方向に向けて置いて、無張力状態で対向する2辺を100mmの間隔を空けて全幅にわたってそれぞれ万力で均一に、かつ実験中に滑らないように把持する。この状態で、2辺の対向する方向(張力方向)に速度が結果に影響しない程度に十分ゆっくりと張力をかけたとき、繊維構造体全体が、破断されることなく110mm以上に伸ばすことが可能であり、かつ、110mmまで伸ばした後に、1mm/秒の速度で張力方向の反対方向に万力を移動させて上記張力を解放させて再び無張力の状態に戻した場合に万力で最初に把持した部位の張力方向における平均間隔が100mm〜105mmの範囲内に復元する特性を張力方向において「伸縮性」を有するという。サンプルシートは、ローラ本体の外周面を被覆する際にローラ回転中心軸に沿った方向が長さ方向、ローラ回転方向に沿った方向が幅方向となるように作製し、長さ方向において伸縮性が認められたときに伸縮性の繊維構造体であると評価する。
なお、上記実験は、25℃の室温で相対湿度40%の大気中で行うのを原則とする。ただし、ローラの使用状態がこれとかけ離れていることが明らかな場合は、使用状態における温度、湿度その他の環境下において行うものとする。また、繊維構造体を上記寸法に切断することができない場合など適切に実験できない場合は、実験可能な寸法に切断し、張力方向の寸法に関して上記数値を比例させて評価する。
一方向において伸縮性が認められた伸縮性繊維構造体であれば、その方向がローラ本体の回転中心軸方向に近い方向に向くようにシワ伸ばし用ローラを構成すれば、本発明の目的を達成しうるが、直交する2方向においてともに伸縮性が認められる繊維構造体がより好ましい。
また、本発明において、「繊維構造体」とは、天然繊維または化学繊維により構成された織物、編み物、不織布等の布帛の総称である。例えば、編み物は多くの場合、本発明における伸縮性を有する繊維構造体である。織物及び不織布は伸縮性を有しないものが多いが、糸自体が伸縮性を有する弾性糸を用いた織物及び不織布は、通常、伸縮性を有する。
また、本発明において、「筒状編み物」とは少なくとも両端を除いた中央部において筒状に編成された編み物をいう。これは、シート状の編み物を縫製その他の方法で円筒状にしたものや、円筒状に編成された編み物などを継ぎ足した形状のものや、継ぎ目のない円筒状に編成された編み物も含む。「シームレスな筒状編み物」とは継ぎ目のない円筒状に編成された編み物をいう。
本発明において「外包体」とは、ひとつもしくは複数の部材によって、ローラ本体の少なくとも側面を概ね覆い囲うように構成されたものをいう。
本発明において「弾性糸」とは、次のように定義される。繊維構造体に用いる糸を長さ120mmに切断し、水平方向に置いて無張力状態で100mmの間隔をあけて万力で把持する。この状態で、糸の長さ方向(張力方向)に速度が結果に影響しない程度に十分ゆっくりと張力をかけたとき、糸が破断されることなく110mm以上に伸ばすことが可能であり、かつ、110mmまで伸ばした後に、1mm/秒の速度で張力方向の反対方向に万力を移動させて上記張力を解放させて再び無張力の状態に戻した場合に縮めると万力で最初に把持した部位の張力方向における間隔が100mm〜105mmの範囲内に復元する特性を有する糸を「弾性糸」という。なお、上記実験は、25℃の室温で相対湿度40%の大気中で行うのを原則とするが、ローラの使用状態がこれとかけ離れていることが明らかな場合は、使用状態における温度、湿度その他の環境下において行うものとする。また、糸を上記寸法に切断することができない場合など適切に実験できない場合は、実験可能な長さに切断して長さに関して上記数値を比例させて評価する。
本発明の好ましい形態によると、伸縮性を有する繊維構造体でローラ外周面を被覆し、繊維構造体をローラ回転中心軸方向に伸縮させる伸縮手段を設けることによりウエブの幅方向の広い範囲にわたって優れたシワ伸ばし効果を発現する。好ましくは弾性糸からなる筒状編み物を使用すれば、ローラ外周面の繊維構造体のローラ回転中心軸方向長さが最も短い部分と最も長い部分との長さの差、すなわち拡幅量を大きくとっても回転に必要なトルクを小さくすることが出来る。このため、ローラに接触して走行するフィルムの摩擦力のみで回転することが出来る場合もある。このような場合、駆動設備等の大がかりな設備のための多額の費用や工数を消費することなく、シワ伸ばし効果をより大きく発現させることが可能となる。また、繊維構造体をローラ表面に用いるので、糸の種類の自由度が高く、前述のキズ防止効果に加えて単純なゴムの連続体のような経時劣化による摩擦係数の変化が少なく、長期にわたって初期のシワ伸ばし効果を発現できるように構成することが容易であるというメリットもある。
本発明によるウェブのシワ伸ばし用ローラは、キズやシワなどの欠点が非常に少なく、より品質の高いフィルムロール体を製造することを可能とし、歩留まり向上やコストダウンに寄与する。
以下に本発明の一実施形態について詳細に述べるが、本発明は以下の実施例を含む実施の形態に限定されるものではなく、発明の目的を達成できて、かつ、発明の要旨を逸脱しない範囲内においての種々の変更は当然あり得る。
本発明の実施の形態を、プラスチックフィルムのシワ伸ばし装置およびこれに用いられるローラを例にとって、図1〜図3を用いて以下に説明する。
図1は本発明の実施の形態の一例たるシワ伸ばしローラ25の概略斜視図である。ローラ本体1と、このローラ25のローラ外周面2に被覆した繊維構造体3をローラ回転中心軸方向に伸縮させる伸縮手段4とを有しており、ローラ外周面2と繊維構造体3とは略同速回転可能に接合されている。また、図1の下側で繊維構造体3が伸ばされ、同図上側で繊維構造体3が収縮する構造となっている。繊維構造体3をローラ回転中心軸方向に伸縮させることにより、繊維構造体3に接するウェブに幅方向の張力を付与し、シワ伸ばし効果を発現できる。
繊維構造体3としては、天然繊維や化学合成繊維を用いた織物、編み物、不織布等のうち、伸縮性を有するものを使用する。平編み、リブ編み、パール編みなどの編み物は、編み目自体の変形により伸縮性を発現する繊維構造体である。平織り、綾織り等の織物及び不織布は伸縮性の無いものが多いが、弾性糸を用いることにより伸縮性を発現する。シート状の繊維構造体を用いる場合は、長方形にカットした繊維構造体のシートの一辺とその対辺同士を接着、または縫製などでつなぎ合わせて筒状体にする。これをローラ25にかぶせ、両端部をそれぞれ伸縮手段4に接続して用いればよい。ただし、シートのつなぎ目部分がウェブ品質やシワ伸ばし効果に悪影響を与える場合があるため、つなぎ目なしの筒状の繊維構造体を用いることがより好ましい。かかる筒状の繊維構造体としては、つなぎ目なく製作された筒状編み物が好適に用いられる。ナイロンやポリエステル、アクリル等の伸縮性のない繊維を用いても、編み目自体の変形による伸縮性が得られるが、弾性糸を用いて製作された筒状編み物を用いると、小さな力で大きく変形させることが可能なので回転に必要なトルクが大幅に増加することなく拡幅量をより大きく設定することが容易であり、また柔軟性がさらに高まるため、好ましい。弾性糸にはポリトリメチレングリコール加工糸やポリウレタン繊維などがあるが、中でも伸び、復元性に優れたポリウレタン繊維が好適に用いられる。ポリウレタン繊維は摩耗に弱いため、シングルカバードヤーン、ダブルカバードヤーン、コアスパンヤーン等の多層構造糸を用いることが好ましい。中でも、最表層のカバー糸として製造するウェブとの帯電相性の良い材料(摩擦帯電が発生しにくい材料)を、芯糸にポリウレタン繊維を用いた多層構造糸であるカバードヤーンを用いると、帯電による静電気欠点を防止できるのでより好ましい。たとえば、ウェブがポリエステルフィルムである場合には、ポリエステル糸を使用するのが好ましい。繊維構造体に用いる繊維の繊度としては、30デニール(33デシテックス)〜450デニール(500デシテックス)が好適である。発明者らの知見では細い繊維を用いた方がキズ防止効果が高くなることがわかっているが、細い繊維を用いた繊維構造体は破れやすいなど強度面の問題があり、100デニール(111デシテックス)〜250デニール(278デシテックス)とすることがより好ましい。前述したカバードヤーンを用いる場合、芯糸が60デニール(66デシテックス)〜200デニール(222デシテックス)とし、カバー糸には30デニール(33デシテックス)〜100デニール(111デシテックス)のものを用いると、糸強度とキズ防止効果を両立できるのでより好ましい。
シワ伸ばし効果をより高めるためには、対象となるウエブと繊維構造体3との摩擦係数は高い方が好ましいが、あまり高すぎると必要以上にウエブに幅方向への張力を付与することになり、キズの原因となることもある。このため、発明者らの知見では、静止摩擦係数を0.3〜0.7の範囲とすることがより好ましい。
一方で、ローラ外周面2の材質は何を用いてもかまわない。例えば金属であっても良いし、樹脂であっても良いし、ゴムであっても良い。ただし、繊維構造体3がローラ回転中心軸方向にスムーズに伸縮するためには、繊維構造体3とローラ外周面2との摩擦係数が低いことが好ましい。通常、静止摩擦係数が0.4以下であれば問題なく目的の機能を得ることが可能である。この範囲となるよう、ローラ外周面2の材質、表面あらさを設定するのが好ましい。
なお、繊維構造体3とローラ外周面2との摩擦係数の測定は、図7aのようなサンプルシートを用いた図7bに示したような実験系によって実施する。繊維構造体3を、ローラ外周面2に被覆するときにローラ回転中心軸方向に沿う方向と一致する方向を長さ方向とする、長さ350mm幅50mmのサイズに裁断してシート26とする。そして、錘やバネばかりが取り付け可能となるよう中央部に孔を設けた固定具板27を2枚、図7aに示したように上記シートの両端を幅方向に均一に、かつ、滑らないように保持できるようにボルト締め等により接合してサンプルシート30とする。このように作製したサンプルシート30を、図7bに示すように、ローラ本体1を回転しないように設置した状態で、その円周方向に180°にわたって巻き付けた上、サンプルシート30の片端には固定具板27の重さを含めて100gとなる錘28を取り付け、他端側にはバネばかり29を取り付けて、図のバネばかりの下部を把持しながら下方向に、速度が結果に影響しない程度に十分ゆっくりと引っ張る。これより、サンプルシート30が動き始めるときの荷重を測定し、次の式を用いて最大静止摩擦係数に換算する。
μ=ln(T2/T1)/φ (1)
ここでμは静止摩擦係数、T1は錘28による発生張力(ここでは100gf(0.98N))、T2はバネばかりで測定した荷重、φはサンプルシートの巻き付け角度(ここではπrad)、lnは自然対数をあらわす。なお、張力の測定は、ロールの有効面長を6分した長さごとにロール回転中心軸方向の両端を除く5箇所で行う。張力T2は、その平均値を採用する。
また、ローラに装着した状態における繊維構造体とウェブとの摩擦係数の測定においても上記と類似の方法を用いる。すなわち、上記実験で用いたサンプルシート30における繊維構造体3に代わって実際に使用するウェブの一部を用いて図7aのサンプルシート30と同様なサンプルシート31を作製する。ローラシェル外周2に繊維構造体3で被覆した上で、最大拡幅位置を鉛直方向上方に向けた状態でサンプルシート31を巻き付け、以後は上述と同様の方法で測定を行う。なお、使用するウェブが明確でないときは、ポリエステルフィルムで厚み30μmのものを用いる。具体的には東レ(株)製ポリエステルフィルム「ルミラー」S10タイプで厚み30μmのものがよい。
以上の静止摩擦係数の測定においては、長さ350mmのサンプルシートを用いたが、ロール直径が150mmを超える場合など、測定が困難な場合は適宜長さを変更してもよい。また、シート26の重さが相対的に重いときは、その影響が無視できる程度に錘28の重さを修正してもよい。なお、上記測定は、25℃の室温で相対湿度40%の大気中で行うのを原則とするが、ローラの使用状態がこれとかけ離れていることが明らかな場合は、使用状態における温度、湿度その他の環境下において行うものとする。
伸縮手段4は、繊維構造体3をローラ回転中心軸方向に伸縮する構造であればどのような手段であってもかまわないが、例えば円周軌道上に複数のアクチュエータを配置し、そのアクチュエータが繊維構造体3の両端を把持し、ウェブ搬送速度と同期回転しながら繊維構造体3をローラ回転中心軸方向に伸縮させる機構であっても良いし、ローラ回転中心軸方向両外側に配設されたローラ回転回転中心軸に対して傾斜した回転軸に関して回転自在に構成された傾斜カラーを備えたものでもよい。この場合、該傾斜カラーは繊維構造体3を把持し、かつ、上記回転軸に関する回転に伴って繊維構造体3をローラ回転中心軸方向に伸縮させる機構とするのが好ましい。単純であること、動力が不要であるか微力のものでよいこと、回転同期が得やすいことなどから後者の機構を用いることが好ましい。
また、該傾斜カラーの傾斜角は任意に設定を変更可能であることが好ましく、このように構成することで、シワ伸ばし対象であるウェブの厚みや幅、張力に応じて傾斜角を変更し、シワ伸ばし効果を変更することが可能である。傾斜角を設けない、すなわち傾斜カラーの回転中心軸方向がロール回転中心軸方向と一致する状態に設定した際には、単なるウエブのガイドロールとして使用することが可能である。また、上述のように表面が伸縮性を有する繊維構造体3であるためウエブへの接触がソフトで、異物が介在しても異物をウェブに強く押し付けることによるウェブ表面への損傷が発生しにくい。しかも、軽量化およびウェブに対して適度な摩擦を有することが容易であり、この場合、回転に要するトルクが小さくウエブとの速度差が生じにくいことから、すべりによりウエブ表面への損傷を与えることも少ない。また、繊維構造体3は、一般に空気を通すことが多い。この場合、プラスチックフィルム等のウェブとローラとの間に空気が入っても、そのままとどまらずに逃げやすい。そのため、ウェブとの密着性が高く、均一に適度な摩擦を安定して提供できる。かかる特性から、プラスチックフィルムの製造用の巻き取り機に用いられる搬送ローラとして使用する場合、搬送ローラ自身に空気逃がしのための溝を設けなくてよい場合がある。
図5は最大拡幅位置とウェブ抱きつけ角の関係を示す断面図である。図中の最大拡幅位置は、伸縮手段4によって繊維構造体3が最大限伸ばされる回転方向における位置を示し、最大収縮位置は伸縮手段4によって繊維構造体3が最大限縮む回転方向における位置を示している。ウェブの抱きつけ角θは30°以上とすることが好ましい。シワ伸ばし効果をより高く発現させるためには、θを120°以上拡幅角度β以下とすることがより好ましい。ここで、拡幅角度βは回転軸に直交する平面において、ロール回転軸と最大拡幅位置と最大収縮位置とによってなす角度である。伸縮手段に傾斜カラーを用いた方式では、通常、180°となり、伸縮手段にアクチュエータを用いた方式では、通常、任意の角度とすることが出来る。また、取り付け角度αは、ロール回転軸に直交する平面において、ロール回転軸中心と最大拡幅位置とウェブが繊維構造体3から離れるポイントとによってなす角度である。一旦拡幅したウェブを縮めないためには0°以上であることが好ましいが、−45°以上であれば実用上問題ないことも多い。
本実施形態によるウェブのシワ伸ばし用ローラはキズ防止効果が高いので、キズに関して品質要求が厳しいウェブ、例えば光学用途のプラスチックフィルムの製造装置に用いるのが好ましい。
図2は、一般的なプラスチックフィルムの製造工程の概略図である。熱可塑性樹脂を溶融した溶融ポリマーを口金13からシート状に押し出し、冷却ドラム14に巻き付けて急冷して固化させ、延伸装置15により長手方向と幅方向に延伸し、ワインダ18で巻き取り中間製品20を作る。その後必要によりスリッタ21にて中間製品20を所定の幅にスリットして巻き取る。このようなフィルム製造装置のワインダ18及びスリッタ21の搬送部16の圧接ローラ22や搬送ローラ19に本発明によるウェブのシワ伸ばし用ローラを用いるのが好適である。また、フィルム蒸着装置等の真空雰囲気下においては、本発明によらない方法、例えばベンディングタイプのエキスパンダローラを用いた方法では、ローラ表面とウェブとの間に噛みこむ随伴気流の影響が大気中に比して非常に小さく、ローラとウェブとの摩擦係数が大きくなるため、キズ発生を防止しようとするとロール回転速度を精密に合わせ込む必要がある。また、ウェブの幅方向に過剰な張力が発現しやすく、ウェブにダメージを与えてしまう恐れがある。本発明によるウェブのシワ伸ばし用ローラでは、繊維構造体の伸縮性や柔軟性により、このような不具合を生じることなく適用することが可能である。
図3は本発明の好適な実施形態によるウェブのシワ伸ばし用ローラを圧接ローラに用いたフィルム巻き取り装置の主要な構成を示す概略断面であり、搬送されてくるプラスチックフィルム7をフィルム巻き取りロール6に巻き取る際、ローラ本体1とローラ外周面を被覆する繊維構造体3からなる本実施形態ウェブのシワ伸ばし用ローラを圧接して巻き取る構成である。図2に示すようなプラスチックフィルムの製造工程において、ワインダ18及びスリッタ21の巻き取り部17に圧接ローラ22を配し、圧接ローラ22によってフィルム巻き取りロール23に接圧を付与しながら巻き取るフィルム巻き取り装置にあっては、図3に示すように本発明によるウェブ製造装置用ローラを圧接ローラ22に用いることにより、シワを伸ばされたフィルムが把持されずに走行するフリーパス長を小さくできるので、シワを伸ばしたフィルムに再度たるみが発生してシワになるのを防止する観点で好適である。
図1の形態のウェブ製造装置におけるシワ伸ばし用ローラを製作した。詳細な構成は図4に示す。図4は本発明によるウェブ製造装置用シワ伸ばしローラの一例の断面図である。
ローラ本体は、面長1m、ローラ外径80mmの炭素繊維強化プラスチック製ローラシェル10の両端に、小型のボールベアリングを介して鉄製固定軸8をそれぞれ設ける構成とした。ローラシェル表面は、コンタミネーション防止及び易滑性向上の観点からウレタン系樹脂ベースの塗料にて塗装した。
繊維構造体は、70デニール(78デシテックス)のポリウレタン糸を芯糸に、75デニール(83デシテックス)のポリエステル糸をカバー糸に用いたシングルカバードヤーンのスパンデックスであるオペロンテックス(株)製「LYCRA」SCY S775Dを用いて筒状に編んだシームレスの丸編み体11を使用した。編み構造はリブ編みを採用した。また、伸縮性をさらに上げるため、単位面積あたりの重さ125g/mの丸編み生機に100℃の熱湯にて30分間熱処理を施した。こうして製作した丸編み体11を、両端を引っ張って150Nの張力をかけた状態でローラに装着した。
この繊維構造体の長さ方向の伸縮性は、丸編み体11の一部を長さ120mm×幅100mmに裁断したサンプルシートを3枚準備し、長さ方向について前述の評価を行った図6aはこの状態を示す概略図である。その結果、すべてのサンプルシートについて張力解放後の寸法が102mm〜104mmに復元し、伸縮性があることを確認した。また、幅方向に関しては、図6bに示すようにシートを長さ80mm×幅100mmに裁断したサンプルシートを3枚準備し、前述の評価を行った。すなわち、サンプルシートを水平方向に向けて置いて長さ方向の2辺を幅方向に80mmの間隔を空けて全幅にわたってそれぞれ万力で均一に把持して幅方向に張力をかけて88mmに伸ばした後、1mm/秒の速度で縮めたときにいくらの長さに復元するかを1枚1回ずつ計3回測定して評価した(図6bはこの状態を示す概略図である)。評価を行った結果、すべて82mm〜84mmに復元し、伸縮性があることを確認した。
また、この繊維構造体とローラシェル10表面との静止摩擦係数および繊維構造体とポリエステルフィルムとの静止摩擦係数は、図7a〜図7cに示した方法で測定した。このとき、サンプルシートは東レ(株)製ポリエステルフィルム「ルミラー」C21タイプで厚み3μmのものを使用し、それぞれ3枚用意した。繊維構造体とローラシェル10表面の間の静止摩擦係数の3回の測定結果は、0.15〜0.24となった。繊維構造体とポリエステルフィルムとの摩擦係数の場合は0.43〜0.52であった。すなわち、これらは、上述した好適値範囲に入っている。
伸縮手段は、ローラ回転中心軸に対して傾斜した軸を中心に回転する傾斜カラー9をローラ本体の回転中心軸方向外側にローラ端部から25mmのクリアランス(傾斜カラーのもっともロール端部に近い部分とロール端部との距離)を持たせて配置し、この傾斜カラー9に丸編み体11の端部を把持させる構造とした。傾斜した回転中心軸の傾斜角度(以下、傾斜カラーの傾斜角度という)は段階的に調節可能な構造とし、本実施例においては15°傾斜させた。
上記のように構成したウェブ製造装置用ローラを二軸延伸ポリエステルフィルム製造装置におけるスリッタ装置21の圧接ローラ22の直前に駆動をかけないフリーローラXXとして設置した。二軸延伸ポリエステルフィルム12が丸編み体11に接触して搬送されたとき、丸編み体11、傾斜カラー9、ローラシェル10がほぼ同期して従動回転し、その回転によって丸編み体11がローラ回転中心軸方向に伸縮されて二軸延伸ポリエステルフィルム12に幅方向の張力が付与される仕組みである。フィルムの抱きつけ角θは140°になるようにフィルムパスラインを構成し、取り付け角度αは0°、拡幅角度βは180°とした。
上記のように構成したフィルムスリッタ装置にて、厚さ3μm、幅600mmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製ポリエステルフィルム「ルミラー」C21タイプで厚み3μm)の巻き取りテストを実施した。
テスト方法は、スリッタ装置21の搬送ローラ19に厚さ0.2mmのテープを貼り付け、局部的に段差を設けることでフィルムにシワを発生させ、巻き取り張力30N/m、巻き取り速度200m/minにて巻き取り、本発明の適用前後におけるフィルム巻き取りロール23へのシワの混入を比較することとした。
テストの結果、本実施例のシワ伸ばし用ローラを用いない場合は搬送ローラ19で発生したシワをそのまま巻き取るが、本実施例のしわ伸ばし用ローラを用いると搬送ローラ19で発生したシワを除去して巻き取ることを確認した。また、キズの発生がないことも確認した。
実施例1と同様に、図1の形態のウェブ製造装置におけるシワ伸ばし用ローラを製作した。詳細な構成は、実施例1と同様に、図4に示したとおりである
ローラ本体は、面長1m、ローラ外径80mmの炭素繊維強化プラスチック製ローラシェル10の両端に、小型のボールベアリングを介して鉄製固定軸8をそれぞれ設ける構成とした。ローラシェル表面は、実施例1と同様の塗装では、長期間の使用で繊維構造体と摺動するローラシェル両端部分において塗膜の摩耗が確認されたため、ハードクロムメッキに変更した。ハードクロムメッキは実施例1の塗装に比して耐摩耗性が高く、コンタミネーション防止効果及び易滑性をより長期間維持することができる。
繊維構造体は、140デニール(156デシテックス)のポリウレタン糸を芯糸に、75デニール(83デシテックス)のポリエステル糸をカバー糸に用いたシングルカバードヤーンのスパンデックスであるオペロンテックス(株)製「LYCRA」SCY S1475Dを用いて筒状に編んだシームレスの丸編み体11を使用した。編み構造はリブ編みを採用した。また、伸縮性をさらに上げるため、単位面積の重さ130g/mの丸編み生機に100℃の熱湯にて30分間熱処理を施した。こうして製作した丸編み体11を、両端を引っ張って210Nの張力をかけた状態でローラに装着した。S1475Dを用いた丸編み体は、ローラに装着した繊維構造体の伸縮をモデル化した加速試験において、繊維が破断するまでの繰り返し伸縮回数がS775Dに比して約4倍(繊維の破断点が1個確認されるまでの繰り返し回数がS775Dで約15000回に対しS1475Dで約60000回)となり、丸編み体の寿命を延ばすことが可能である。
この加速試験は以下の方法で行った。まず丸編み体の長手方向を長さ方向、円周方向を幅方向として、無張力状態で幅20mm、長さ70mmのサンプル片を切り出す。次いで図8に示すようにサンプル片の長さ方向両端10mmと幅方向中央部の10mmの正方形の範囲をしっかり把持し、片側端部を固定してもう片側端部を周波数10Hzで往復を反復する。ストローク範囲は、両端固定部分の間隔が50mmから190mmとなる範囲に設定した。すなわち、張力0の自然長の1倍〜3.8倍の範囲で伸縮させる設定である。なお、本実施例のローラに装着した繊維構造体においては、2.0倍〜2.3倍の範囲で伸縮する。
上記のような構成のウェブ製造装置用ローラを、二軸延伸ポリエステルフィルム製造装置におけるスリッタ装置21の圧接ローラ22の直前に駆動をかけないフリーローラXXとして設置した。フィルムの抱きつけ角θは140°になるようにフィルムパスラインを構成し、取り付け角度αは0°、拡幅角度βは180°とした。また、傾斜カラーの傾斜角度は15°とした。
上記のように構成したフィルムスリッタ装置にて、厚さ3μm、幅600mmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製ポリエステルフィルム「ルミラー」C21タイプで厚み3μm)の巻き取りテストを実施した。
テストの結果、本実施例のシワ伸ばし用ローラを用いない場合は搬送ローラ19で発生したシワをそのまま巻き取るが、本実施例のシワ伸ばし用ローラを用いると搬送ローラ19で発生したシワを除去して巻き取ることを確認した。また、キズの発生がないことも確認した。
実施例1と同一構成のウェブ製造装置用ローラを、二軸延伸ポリプロピレンフィルム製造装置におけるスリッタ装置21の圧接ローラ22の直前に駆動をかけないフリーローラとして設置して実施例1と同様のテストを行った。フィルムの抱きつけ角θは140°になるようにフィルムパスラインを構成し、取り付け角度αは0°、拡幅角度βは180°である。傾斜カラーの傾斜角度は8°とした。
上記のように構成したフィルムスリッタ装置にて、厚さ3μm、幅600mmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(東レ(株)製ポリプロピレンフィルム「トレファン」#2172タイプで厚み3μm)の巻き取りテストを実施した。
テストの結果、本実施例のシワ伸ばし用ローラを用いない場合は搬送ローラ19で発生したシワをそのまま巻き取るが、本実施例のシワ伸ばし用ローラを用いると搬送ローラ19で発生したシワを除去して巻き取ることを確認した。また、キズの発生がないことも確認した。
実施例1と同様に、図1の形態のウェブ製造装置におけるシワ伸ばし用ローラを製作した。詳細な構成は、実施例1と同様に図4に示したとおりである。 ローラ本体は、面長2800mm、ローラ外径110mmの炭素繊維強化プラスチック製ローラシェル10の両端に、小型のボールベアリングを介して鉄製固定軸8をそれぞれ設ける構成とした。ローラシェル表面は、表面の耐摩耗性、易滑性向上、コンタミネーション防止等の観点からハードクロムメッキを施した。
繊維構造体は実施例1で用いたものと同じ製法のものを用い、両端を150Nの張力で引っ張ってローラに装着した。
伸縮手段は、ローラ回転中心軸に対して傾斜した軸を中心に回転する傾斜カラー9をローラ本体の回転中心軸方向外側にローラ端部から25mmのクリアランス(傾斜カラーのもっともロール端部に近い部分とロール端部との距離)を持たせて配置し、この傾斜カラー9に丸編み体11の端部を把持させる構造とした。傾斜カラーの傾斜角度は段階的に調節可能な構造とし、本実施例においては15°傾斜させた。
上記のように構成したウェブ製造装置用ローラは、両端の伸縮手段によって与えられる繊維構造体の変位が繊維構造体全体には及ばず、繊維構造体両端の700mm程度のみが伸縮しているにすぎないが、実験の結果、中央部のシワ伸ばし効果もあることを確認している。すなわち、中央部をあえて伸縮させずとも、ウェブ両端部を充分引っ張り伸ばすことができれば、必要なシワ伸ばし効果が得られると考えられる。
上記のように構成したウェブ製造装置用ローラを二軸延伸ポリエステルフィルム製造装置におけるワインダ装置18の圧接ローラ22の直前に駆動をかけないフリーローラXXとして設置した。二軸延伸ポリエステルフィルム12が丸編み体11に接触して搬送されたとき、丸編み体11、傾斜カラー9、ローラシェル10がほぼ同期して従動回転し、その回転によって丸編み体11がローラ回転中心軸方向に伸縮されて二軸延伸ポリエステルフィルム12に幅方向の張力が付与される仕組みである。フィルムの抱きつけ角θは120°になるようにフィルムパスラインを構成し、取り付け角度αは0°、拡幅角度βは180°とした。
上記のように構成したフィルムワインダ装置にて、厚さ3μm、幅2400mmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東レ(株)製ポリエステルフィルム「ルミラー」C10タイプで厚み3μm)の巻き取りテストを実施した。巻き取り条件は巻き取り張力30N/m、巻き取り速度200m/minである。
本実施例のシワ伸ばし用ローラを用いない場合はシワが発生して不合格となるフィルムロールが30%程度発生していたが、本実施例のシワ伸ばし用ローラを用いると、シワによる不合格率が0%となった。また、キズの発生がないことも確認した。
本発明はウェブ製造装置のシワ伸ばしローラとしての利用が可能である。特にプラスチックフィルム用の製造装置に好適である。とりわけ、光学用途のプラスチックフィルムなど、キズの発生を嫌うウェブの製造に最適である。
本発明の実施の形態の一例たるウェブのシワ伸ばし用ローラの概略斜視図である。 一般的なプラスチックフィルムの製造工程の概略フロー図である。 本発明によるウェブのシワ伸ばし用ローラを圧接ローラに用いたフィルム巻き取り装置の主要な構成を示す断面図である。 本発明によるウェブ製造装置用シワ伸ばしローラの一例の断面図である。 最大拡幅位置とウェブ抱きつけ角の関係を示す断面図である。 繊維構造体の長さ方向の伸縮性評価方法を示す概略図である。 繊維構造体の幅方向の伸縮性評価方法を示す概略図である。 摩擦係数測定用サンプルシートの作成方法を示す概略図である。 繊維構造体とローラシェルとの摩擦係数測定方法を示す概略図である。 繊維構造体とシワ伸ばし対象となるウエブとの摩擦係数測定方法を示す概略図である。 繊維構造体の伸縮をモデル化した加速試験に用いたサンプル片を示す概略図である。
符号の説明
1 ローラ本体
2 ローラ表面
3 繊維構造体
4 伸縮手段
6 フィルム巻き取りロール
7 ウェブ
8 固定軸
9 傾斜カラー
10 ローラシェル
11 丸編み体
12 二軸延伸ポリエステルフィルム
13 口金
14 冷却ドラム
15 二軸延伸装置
16 搬送部
17 巻き取り部
18 ワインダ
19 搬送ローラ
20 中間製品
21 スリッタ
22 圧接ローラ
23 巻き取りロール
24 フィルム
25 シワ伸ばしローラ
26 静止摩擦係数測定用サンプルシート
27 固定具
28 錘
29 バネばかり
30 繊維構造体の静止摩擦係数測定用サンプルシート
31 ポリエステルフィルムの静止摩擦係数測定用サンプルシート

Claims (8)

  1. ローラ本体と、該ローラ本体の外周面を被覆する伸縮性を有する繊維構造体と、該繊維構造体をローラ回転中心軸方向に伸縮させる伸縮手段とを備えたことを特徴とするウェブのシワ伸ばし用ローラ。
  2. 前記繊維構造体は、筒状編み物で構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のウェブのシワ伸ばし用ローラ。
  3. 前記繊維構造体は弾性糸を含む糸により構成されたことを特徴とする請求項2に記載のウェブのシワ伸ばし用ローラ。
  4. 前記繊維構造体は、シームレスなものであることを特徴とする請求項3に記載のウェブのシワ伸ばし用ローラ。
  5. 前記伸縮手段は、前記ローラ本体のローラ回転中心軸方向両外側に配設され、ローラ回転中心軸に対して傾斜した回転中心軸に関して回転自在に構成された傾斜カラーを備え、該傾斜カラーは、前記繊維構造体を把持し、前記繊維構造体と併せて前記ローラ本体を包囲する外包体を構成するものであり、かつ、前記回転中心軸に関する回転に伴って該繊維構造体各部をローラ回転中心軸方向に伸縮させるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のウェブのシワ伸ばし用ローラ。
  6. プラスチックフィルムの搬送経路の少なくとも1カ所以上に、請求項1〜5のいずれかに記載のウェブのシワ伸ばし用ローラを備えたことを特徴とするフィルムロール体の製造装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のウェブのシワ伸ばし用ローラと、フィルムを巻き取る巻き取りローラを有し、該ウェブのシワ伸ばし用ローラが該巻き取りローラに対して圧接可能に対向配置されていることを特徴とするフィルム巻き取り装置。
  8. 請求項6または7に記載の装置を用いたフィルムロール体の製造方法。
JP2004247855A 2003-10-28 2004-08-27 ウェブのシワ伸ばし用ローラならびにこれを用いたフィルムロール体の製造装置、及び製造方法 Pending JP2005154145A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004247855A JP2005154145A (ja) 2003-10-28 2004-08-27 ウェブのシワ伸ばし用ローラならびにこれを用いたフィルムロール体の製造装置、及び製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003367172 2003-10-28
JP2004247855A JP2005154145A (ja) 2003-10-28 2004-08-27 ウェブのシワ伸ばし用ローラならびにこれを用いたフィルムロール体の製造装置、及び製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005154145A true JP2005154145A (ja) 2005-06-16
JP2005154145A5 JP2005154145A5 (ja) 2007-10-11

Family

ID=34741067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004247855A Pending JP2005154145A (ja) 2003-10-28 2004-08-27 ウェブのシワ伸ばし用ローラならびにこれを用いたフィルムロール体の製造装置、及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005154145A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014210633A (ja) * 2013-04-17 2014-11-13 グンゼ株式会社 物品搬送用ローラ
JP2016524655A (ja) * 2013-05-10 2016-08-18 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 伸縮表面上でストランドを分離する方法
JP2017145137A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 住友化学株式会社 エキスパンダ装置、多孔質フィルム製造装置、および多孔質フィルム製造方法
JP2018504335A (ja) * 2014-12-23 2018-02-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 縁部で接触する基材移送方法、及び装置
CN113584787A (zh) * 2021-07-29 2021-11-02 钟霞 一种轻薄高弹针织面料除褶装置及除褶方法
CN114534987A (zh) * 2022-01-13 2022-05-27 江苏中关村嘉拓新能源设备有限公司 充气薄膜悬浮辊
CN115139503A (zh) * 2021-03-30 2022-10-04 日东电工株式会社 拉伸膜的制造方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014210633A (ja) * 2013-04-17 2014-11-13 グンゼ株式会社 物品搬送用ローラ
JP2016524655A (ja) * 2013-05-10 2016-08-18 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 伸縮表面上でストランドを分離する方法
JP2017121501A (ja) * 2013-05-10 2017-07-13 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 伸縮表面上でストランドを分離する方法
JP2018504335A (ja) * 2014-12-23 2018-02-15 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 縁部で接触する基材移送方法、及び装置
JP2017145137A (ja) * 2016-02-19 2017-08-24 住友化学株式会社 エキスパンダ装置、多孔質フィルム製造装置、および多孔質フィルム製造方法
CN115139503A (zh) * 2021-03-30 2022-10-04 日东电工株式会社 拉伸膜的制造方法
CN113584787A (zh) * 2021-07-29 2021-11-02 钟霞 一种轻薄高弹针织面料除褶装置及除褶方法
CN113584787B (zh) * 2021-07-29 2024-02-09 上海纳海针织制衣有限公司 一种轻薄高弹针织面料除褶装置及除褶方法
CN114534987A (zh) * 2022-01-13 2022-05-27 江苏中关村嘉拓新能源设备有限公司 充气薄膜悬浮辊

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10486932B2 (en) Web conveyance apparatus
JP5902806B2 (ja) 織物からなる被覆物を被覆してなるローラとそれを用いた装置
US10029882B2 (en) Looped pile film roll core
US9751710B2 (en) Adaptable web spreading device
EP3070034B1 (en) Roller covered by a covering made of knitted material and device using same
WO2005040018A1 (ja) ウェブのシワ伸ばし用ローラ、ならびに、ウェブロールの製造装置、および、製造方法
JP2005154145A (ja) ウェブのシワ伸ばし用ローラならびにこれを用いたフィルムロール体の製造装置、及び製造方法
EP3188994B1 (en) Method for conveying adhesive-sided articles and apparatus for doing so
HU216687B (hu) Berendezés pálya alakú anyagok, például papír, textil- vagy fóliapályák vezetésére, valamint eljárás a berendezés előállítására
JP2009234713A (ja) 溝付きクロスガイダ
JPH08134645A (ja) プラスチックフイルム用真空処理装置
JP2011207579A (ja) 被覆ロール及びそれを用いた帯状体の搬送装置
JP2005219847A (ja) ウェブ製造装置用ローラ、及びこれを用いたフィルムロールの製造装置、製造方法、フィルムロール。
CA2849649C (en) Method and apparatus for pliabilizing knitted or woven materials
US7182722B2 (en) Film roll holder for laminators
KR20210131044A (ko) 내굴곡성이 우수한 케이블베어
JPH0737706B2 (ja) ウエブのシワ伸ばし装置
JP2001064855A (ja) 丸編地の回収方法
JP2004115971A (ja) 織布の幅出し装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070824

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070824

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090908