JP2005152856A - 濾過モジュールおよびその洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 中空糸膜を束ねて原水を濾過する濾過モジュールにおいて、該中空糸膜に付着した付着物を確実に除去して洗浄することが可能な濾過モジュールを提供する。
【解決手段】 原水中に浸漬されて原水を濾過する濾過モジュールであって、多数の中空糸膜2が束ねられてモジュール本体4が構成されるとともに、このモジュール本体4内には多孔管6が挿通されていて、この多孔管6から洗浄水Cを噴出することによって中空糸膜2を洗浄する。
【選択図】 図1
【解決手段】 原水中に浸漬されて原水を濾過する濾過モジュールであって、多数の中空糸膜2が束ねられてモジュール本体4が構成されるとともに、このモジュール本体4内には多孔管6が挿通されていて、この多孔管6から洗浄水Cを噴出することによって中空糸膜2を洗浄する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、中空糸膜によって原水の濾過を行う濾過モジュール、および該濾過モジュールの上記中空糸膜を洗浄する濾過モジュールの洗浄方法に関するものである。
この種の濾過モジュールとしては、例えば特許文献1〜3に、細孔を有する中心パイプの回りに多数の多孔質の中空糸膜が配列されたものが提案されている。そして、これら特許文献1〜3に記載の濾過モジュールにおいては、中空糸膜によって原水の濾過を行った後に上記中心パイプから空気を供給して中空糸膜を振動させることにより、膜面の付着物を剥離して除去し、中空糸膜を洗浄するようにしている。
特開昭60−206415号公報
特開平5−96136号公報
特開平7−136469号公報
しかしながら、このように中心パイプから空気を供給して中空糸膜を振動させるだけでは、例えば粘着性の高い付着物などはこれを確実に除去することは困難である。また、剥離した付着物は中空糸膜の束の間にあるため、中心パイプから供給された空気の気泡だけではこの束の外に付着物を押し出すことも困難であり、剥離した付着物がそのまま中空糸膜の束の間に取り残されるおそれもある。さらに、このような濾過モジュールを備えた濾過装置では、濾過モジュールを収容した濾過槽やケーシング内において該濾過モジュールの下方に散気手段を設け、原水中でエアスクラビングにより中空糸膜を洗浄することも行われているが、この場合、上記濾過モジュールを収容した濾過槽やケーシング内の原水がエアスクラビングによって剥離した付着物で懸濁されて、その懸濁水の中に濾過モジュールが漬かった状態をつくるだけであり、中空糸膜の束の内部には剥離した付着物を含んだ懸濁水が残されることとなる。
また、中心パイプから原水中に供給された空気は気泡となって直ぐに原水中を浮上してしまうので、パイプ横方向の中空糸膜に気泡を当てて振動させるのは困難であり、効率的な洗浄を行うことはできない。しかも、特に上記特許文献1〜3に記載の濾過モジュールでは、上記中空糸膜および中心パイプが縦方向に延びるように配設されていて、中心パイプから供給された空気の気泡は、縦方向に延びる中空糸膜に沿うように浮上するだけであるため、気泡により十分に中空糸膜を振動させることも困難であるとともに、かかる気泡が直接的に付着物に作用して該付着物を膜面から剥離させることにより除去する効果も十分に期待することはできない。また、たとえ振動によって付着物が一旦は膜面から振るい落とされても、これが他の中空糸膜に再付着してしまって十分な洗浄効果を得ることができないおそれもある。さらに、中空糸膜の本数が増して濾過モジュールの外径が大きくなると、多数の中空糸膜の中心にパイプが挿通されたモジュールを作製すること自体が困難になるという問題もある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、上述のように中空糸膜を束ねて原水を濾過する濾過モジュールにおいて、該中空糸膜に付着した付着物を確実に剥離して中空糸膜の束から除去することにより洗浄することが可能な濾過モジュールおよびその洗浄方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の濾過モジュールは、原水中に浸漬されて該原水を濾過する濾過モジュールであって、多数の中空糸膜が束ねられてモジュール本体が構成されるとともに、このモジュール本体内には多孔管が挿通されていて、この多孔管から洗浄水を噴出することによって上記中空糸膜を洗浄することを特徴とするものである。また、本発明の洗浄方法は、このような濾過モジュールにおける上記モジュール本体の中空糸膜を洗浄する濾過モジュールの洗浄方法であって、この濾過モジュールが上記原水中に浸漬された状態で上記中空糸膜の表面から付着物を剥離させ、次いで上記多孔管から洗浄水を噴出することにより、上記モジュール本体内の剥離した上記付着物を含んだ上記原水を、上記洗浄水によって該モジュール本体内から濯ぎ出すことを特徴とする。
従って、このように構成された濾過モジュールにおいては、多数の中空糸膜を束ねて構成されるモジュール本体内に挿通された多孔管から、液体である洗浄水が噴出されて中空糸膜に付着した付着物に当てられ、該中空糸膜が洗浄されるので、たとえ粘着性の高い付着物が中空糸膜の膜面に付着していても、洗浄水の噴流によって付着物を直接的かつ確実に剥離して除去することができる。さらに、こうして剥離した付着物は、この洗浄水の噴流によってモジュール本体の外に押し出されるように排出されるため、一旦剥離した付着物がモジュール本体内で中空糸膜に再付着することも防止することが可能となる。しかも、多孔管から噴出する洗浄水は原水と略同比重であるので、空気のみを供給する特許文献1〜3記載の濾過モジュールのように原水中で気泡が直ぐに浮上するだけとなることはなく、たとえ中空糸膜や多孔管が縦方向に延びていても、該多孔管を中心として横方向にも広範囲に洗浄効果を及ぼすことができ、効率的な洗浄を行うことができる。
また、特に本発明の洗浄方法によれば、濾過モジュールが原水中に浸漬された状態で、例えば濾過槽やケーシング内の濾過モジュール下方に備えられた散気手段によって中空糸膜の表面から付着物を剥離させた場合に、上述のように懸濁水の中に濾過モジュールが漬かった状態となってモジュール本体内の中空糸膜の束の間に付着物が残されたとしても、次に多孔管から洗浄水を噴出することにより、このモジュール本体内の剥離した付着物を含んだ原水(懸濁水)をモジュール本体内から濯ぎ出してモジュール本体の中空糸膜の束の外に排出し、すなわちモジュール本体内の懸濁水を洗浄水に置換することができる。従って、こうしてモジュール本体内が清澄な洗浄水によって置換されると、剥離した付着物は排出されて除去される。
ここで、上述のようにモジュール本体全体の中空糸膜の本数が増加することによりその外径が大きくなり、内部に多孔管を挿通してモジュール本体を一体に作製するのが困難となるような場合には、上記モジュール本体を、多数の中空糸膜を束ねてなる複数の膜エレメントによって構成し、上記多孔管は、隣接する膜エレメントの間に挟まれるようにして該モジュール本体内に挿通されるようにすることにより、モジュール本体全体としては必要な本数の中空糸膜を確保しつつも、個々の膜エレメントは外径を小さく抑えることができ、しかも多孔管はこのような膜エレメントに挟み込むことでモジュール本体内に挿通された状態となるため、該モジュール本体の作製を容易とすることが可能となる。また、この場合には、上記膜エレメントを、上記中空糸膜が延びる方向に直交する断面が略方形状となるようにして、上記モジュール本体は、互いに隣接する該膜エレメント同士を、その上記断面がなす方形の辺の部分同士が密着するようにして構成し、これら互いに密着する上記膜エレメントの辺の部分に、上記多孔管が挿通される孔を画成する切欠部を形成することにより、これら隣接する膜エレメント同士の間隔を極力小さく抑えてモジュールをコンパクトに作製できるとともに、多孔管から噴出する洗浄水を漏らすことなく中空糸膜に作用させ、洗浄効果の向上を図ることができる
一方、上記多孔管から噴出される上記洗浄水自体は、例えばモジュール本体の中空糸膜によって濾過された清澄な濾過水等であってもよいが、多孔管に供給されるこのような洗浄水に空気を混入させたりして、噴出される洗浄水を気泡を含んだ気泡流とすることにより、該洗浄水の噴流による洗浄効果に加えて上記気泡によるエアスクラビング効果との相乗効果で、さらに確実な付着物の剥離、除去を図ることができる。また、この洗浄水には薬液が含まれていてもよい。さらに、上記モジュール本体は、その中空糸膜が特許文献1〜3に記載のように縦方向に延びるように配設されていてもよいが、この中空糸膜が横向きに延びるようにして原水中に浸漬されていてもよく、特にこの場合においては、上記多孔管を、かかるモジュール本体内にあって該モジュール本体の縦方向中央部よりも上側に挿通することにより、この縦方向全体に亙ってモジュール本体の効率的かつ均一な洗浄を図ることができる。
また、モジュール本体の大きさ等によっては、このモジュール本体内に、複数の多孔管を、隣接するもの同士の間隔が略等間隔となるように挿通することにより、一層確実かつ効率的な洗浄を促すことが可能となる。さらに、上記多孔管に形成される孔部の円周部においては、その少なくとも管外周側を面取り形状とすることにより、中空糸膜がこの多孔管に当たっても上記孔部の管外周側に開口した円周部で傷つけられて破損するような事態が生じるのを防ぐことができる。
図1〜図3は、本発明の濾過モジュールの第1の実施形態を示すものである。本実施形態の濾過モジュール1は、多数の細孔を有する公知の中空糸膜2…をそれぞれ延ばして多数束ね、その両端を一対の支持板3,3に接続して支持することにより、この中空糸膜2の束によって構成されたモジュール本体4を備えるものであり、これらの支持板3,3のの少なくとも一方には、各中空糸膜2の中空部に連通するヘッド部が備えられていて、このヘッド部が図示されない吸引ポンプ等の濾過水排出手段に接続されることにより、中空糸膜2によって濾過された濾過水Tが排出される。
なお、こうして支持板3,3間に支持された中空糸膜2…は、真っ直ぐ直線状に延びるように張り渡されていなくてもよく、例えば図1に示すように多少の弛みがもたされていてもよい。また、本実施形態では、モジュール本体4は、断面が方形で上記中空糸膜2の延びる方向(図1において左右方向)に長手方向を有して延びる四角柱状の外形をなすように形成され、上記支持板3は、このモジュール本体4外形の四角柱の断面がなす上記方形よりも一回り大きな方形の平板状とされている。しかしながら、断面形状は四角形に限定されるものではない。円形でも六角形でもよく限定されない。
そして、こうして構成されたモジュール本体4内には、上記中空糸膜2の細孔よりも大きな径を有する孔部5が多数形成された多孔管6が本実施形態では1本、この中空糸膜2の延びる方向に沿って挿通されており、この多孔管6の両端部は支持板3,3の中央部を貫通して該支持板3,3に支持されている。さらに、こうして支持板3,3を貫通した多孔管6の一端部(図1において右側の端部)は閉塞される一方、他端部(図1において左側の端部)には図示されない給水ポンプ等の洗浄水供給手段が接続されていて、この洗浄水供給手段から供給された洗浄水Cが多孔管6の上記孔部5から噴出させられて、モジュール本体4の中空糸膜2を洗浄するようにされている。
ここで、上記洗浄水供給手段によって多孔管6に供給される洗浄水Cは清水であればよく、例えば上記中空糸膜2によって濾過されて排出された濾過水Tを、洗浄の際にはこの洗浄水供給手段によって多孔管6に循環させて噴出させるようにしてもよい。また、このように多孔管6に供給される洗浄水Cに、例えばブロア等の空気供給源から供給した空気Aを混入させたりして、噴出される洗浄水Cを該空気Aの気泡を含んだ気泡流としてもよい。さらに、こうして空気Aを混入するのに合わせて、あるいは空気Aを混入せずとも、この多孔管6に供給される洗浄水Cに次亜塩素酸塩等の薬剤を添加したりするなどして、該洗浄水Cを薬液を含んだものとしてもよい。
また、本実施形態では、この多孔管6は円管状とされていて、モジュール本体4の上記長手方向(中空糸膜2の延びる方向)に直交する断面がなす上記方形の中心を通るモジュール本体中心線Oに沿って挿通されている。ただし、その断面は円形に限定するものではない。そして、この多孔管6には、その上記両端部を除く支持板3,3間に延びる部分の全長および全周に亙って上記孔部5が間隔をあけて形成されている。さらに、この孔部5は、その中心線が多孔管6の中心すなわち上記モジュール本体中心線Oに垂直となるように穿設されており、図3に示すようにその多孔管6の外周側(図3において上側)の開孔部周縁における円周部は、例えば上記中心線に沿った断面が図示のように多孔管6の外周面に滑らかに接する凸円弧等の曲線状とされて、この管外周側に向かうに従い漸次孔径が広がるように形成された面取り形状とされている。
このように構成された本実施形態の濾過モジュール1は、図4に示すように原水Wが導入される濾過槽7内に収容されて該原水W中に浸漬されることにより濾過装置を構成し、上述のようにモジュール本体4の上記中空糸膜2によってこの原水Wを濾過して上記濾過水Tを排出する。そこで、次にこの図4〜図7を用いて、上記実施形態の濾過モジュール1におけるモジュール本体4の上記中空糸膜2を洗浄する場合の、本発明の濾過モジュールの洗浄方法の一実施形態について説明する。
ここで、本実施形態の洗浄方法に係わる上記濾過装置では、濾過モジュール1は、そのモジュール本体4の上記中心線O(図示略)を水平にして濾過槽7内に収容され、すなわち上記中空糸膜2および多孔管6が横向きに延びるように原水W中に浸漬される。また、この濾過槽7内には、こうして原水W中に浸漬された濾過モジュール1の下方に、例えば多数の下向きに開口する空気孔を有して上記多孔管6と平行に延びる配管あるいは焼結管を複数本、水平に並列に並ぶように備えた散気手段8が配設されており、この散気手段8の上記配管あるいは焼結管は図示されないブロア等の空気供給源に接続されている。
このように構成された濾過装置において、上記濾過モジュール1は、上述のように図4に示した通り、そのモジュール本体4の中空糸膜2によって原水Wを濾過して、図示は略するが清澄な濾過水Tとして排出し、これに伴い中空糸膜2表面の膜面には原水W中に混濁していた汚泥等が付着物Rとして付着してゆく。そして、このような付着物Rによって濾過モジュール1における濾過抵抗が増大したりしたときには、本実施形態ではまず上記散気手段8により、上記空気供給源から空気Aを供給して上記配管の空気孔あるいは焼結管の細かい気孔から気泡として噴出させ、その上方に位置する濾過モジュール1の上記中空糸膜2を、モジュール本体4の外側(下側)から上記気泡を当てて散気によるエアスクラビングにより洗浄し、図5に示すように付着物Rを剥離させる。
ただし、このままでは、多数の中空糸膜2を束ねて構成されたモジュール本体4内においては、図示のように剥離した付着物Rが該モジュール本体4内部に取り残されたままであり、すなわちモジュール本体4内外に関わらず上記散気手段8によって剥離した付着物Rが混濁する濾過槽7内の原水W中に濾過モジュール1が漬かった状態である。そこで、さらに本実施形態では、こうして濾過モジュール1が原水W中に浸漬された状態でその中空糸膜2の表面から付着物Rを剥離させた後に、モジュール本体4内に挿通された上記多孔管6から洗浄水Cを噴出することにより、このモジュール本体4内の剥離した付着物Rを含んだ原水Wを図6に示すように洗浄水Cによって濯ぎ出して該モジュール本体4内から排出し、このモジュール本体4内の中空糸膜2の間を清澄な洗浄水Cによって置換するようにして該中空糸膜2を洗浄する。
すなわち、この図6に短い矢線で示されるように多孔管6から洗浄水Cを噴出することにより、上記散気手段8では中空糸膜2表面から剥離しきれなかった付着物Rを剥離するとともに、かかる付着物Rや散気手段8による洗浄の際にモジュール本体4内に残された付着物Rを外部に押し出して除去する。そして、さらにこのモジュール本体4内部を洗浄水Cによって充密させて、該モジュール本体4内部にあった原水Wも付着物Rとともに外部に排出し、多数の中空糸膜2を束ねて構成されたモジュール本体4の内部の液体を原水Wから洗浄水Cに置き換えるのである。
従って、こうして洗浄水Cを噴出しながら、図6の右下側に示したように濾過槽7の底部から該濾過槽7内の原水Wを排出することにより、モジュール本体4の外部に排出された原水Wおよび付着物Rもともに排出されて、図7に示すように濾過モジュール1からは付着物Rが除去された状態となるので、濾過槽7内の付着物Rを含んだ原水Wの排出が終了した後に、新たな原水Wを濾過槽7内に導入して上記濾過モジュール1により濾過を再開することで、当初と変わらない状態で濾過を行うことができる。なお、原水Wの排出の際には、この図7に示すように濾過槽7内の原水Wの水位が濾過モジュール1を下回るまでは、多孔管6に洗浄水Cを供給し続けるのが望ましい。
しかして、上記構成の濾過モジュール1によれば、まず中空糸膜2によって構成されるモジュール本体4内に挿通された多孔管6から、空気ではなく液体の洗浄水Cが噴出させられ、空気による振動だけではなく洗浄水Cが中空糸膜2に直接当てられて付着物Rを剥離するので、中空糸膜2に付着した付着物Rがたとえ粘着性の高いものであったとしても、これを確実に中空糸膜2から剥離して除去することが可能となる。また、こうして中空糸膜2から剥離した付着物Rは、この洗浄水Cの噴流によって押し出されるようにしてモジュール本体4の外に排出されるため、一旦剥離して除去された付着物Rが例えば外側の中空糸膜2に再付着してモジュール本体4内に取り残されるようなこともなく、従って一層確実に濾過モジュール1の中空糸膜2を洗浄することが可能となる。
しかも、この多孔管6から噴出される洗浄水Cは、当該濾過モジュール1が浸漬される原水Wと略同比重であるため、例えば上記特許文献1〜3に記載の濾過モジュールにおいて中心パイプから供給される空気の気泡のように原水W中を直ぐに浮上してしまうことはない。従って、多孔管6を中心として横方向にも等方的かつ広範囲に洗浄水Cを行き渡らせることが可能となって、効率的な中空糸膜2の洗浄を図ることができる。
また、このような濾過モジュール1の中空糸膜2を洗浄する上記実施形態の洗浄方法によれば、濾過モジュール1が濾過槽7内の原水W中に浸漬された状態で、上記散気手段8等により中空糸膜2から付着物Rを剥離させた場合に、該散気手段8によって混濁した原水W中に濾過モジュール1が漬かったままとなって、モジュール本体4内の中空糸膜2の束の中にも付着物Rが懸濁した原水Wが取り残されてしまっても、多孔管6から噴出する洗浄水Cによってこのモジュール本体4内の原水Wを置換することにより、この清澄な洗浄水Cによってモジュール本体4を満たして、取り残された付着物Rごと原水Wをモジュール本体4内から確実に排除することが可能となる。そして、このように置換によってモジュール本体4の外部に排除された付着物Rおよび原水Wを、望ましくは洗浄水Cの供給を続けながら上述のように濾過槽7内の原水Wごと排出することにより、かかる付着物Rのモジュール本体4への再付着を防ぎつつ、濾過モジュール1の洗浄を図ることが可能となる。
また、上述のように多孔管6に供給される洗浄水Cに空気Aを混入させるなどして、多孔管6から噴出される洗浄水Cを該空気Aの気泡を含んだ気泡流とした場合には、気泡を含んだ洗浄水Cが付着物Rを直接洗い流す上述の洗浄効果に加えて、この気泡により中空糸膜2が振動させられて付着物Rが振るい落とされることによる効果や、気泡と洗浄水Cとの界面が付着物Rに当たることにより付着物Rが剥離させられる効果によっても付着物Rが除去されることとなり、一層効率的な洗浄を促すことが可能となる。しかも、上記濾過装置においては、濾過槽7内の本実施形態の濾過モジュール1の下方に空気Aの気泡を噴出する散気手段8が備えられていて、濾過モジュール1は上述のようにモジュール本体4の外側(下側)からも気泡によるエアスクラビングにより洗浄可能であるので、さらに効率的で確実な洗浄を図ることができる。一方、洗浄水Cに薬液を含有させれば、洗浄による中空糸膜2からの付着物Rの剥離とともに該中空糸膜2の殺菌、消毒等も行うことができ、この中空糸膜2表面における微生物の繁殖等を防ぐことができる。
さらにまた、上記多孔管6に形成されて洗浄水Cや気泡を含んだ気泡流を噴出する孔部5は、その多孔管6外周側の開孔部周縁の円周部が面取り状に形成されて、外周側に向かうに従い孔径が漸次大きくなるようにされており、特に本実施形態ではこの円周部が多孔管6の外周面に滑らかに連なる断面凸曲線をなす曲面状とされていて、この孔部5の開孔部に鋭い角が形成されたりすることがない。このため、上述のように弛みがもたされた多孔管6周囲の中空糸膜2が、上記洗浄水Cの噴流や気泡流によって振れたりしてこの多孔管6の外周面に接触しても、孔部5の開孔部周縁によって傷つけられて破損したりすることはなく、洗浄後においても確実な原水Wの濾過を行うことが可能となる。また、こうして孔部5の開孔部が面取り形状とされることで噴出する洗浄水Cや気泡流を拡散させることもできるので、洗浄水Cや気泡を満遍なく中空糸膜2に当てて上述の洗浄効果の向上を図ることもできる。
また、本実施形態の濾過モジュール1は、そのモジュール本体4が中空糸膜2の延びる方向を横向きにして濾過槽7内に収容されて原水W中に浸漬されており、このモジュール本体4内に挿通された上記多孔管6の全長、全周に亙って上記孔部5が形成されているので、中空糸膜2をさらに満遍なく、しかもモジュール本体4の上記長手方向に亙って均一に洗浄することが可能である。加えて、多孔管6はモジュール本体4の上記中心線Oに沿って挿通されていて、上述のように洗浄水Cを多孔管6を中心に等方的かつ広範囲に行き渡らせることが可能であることにより、モジュール本体4全体を一層効率的に洗浄することができる。
なお、本実施形態ではこの多孔管6を、モジュール本体4がなす上記方形四角柱の中心線Oに沿うようにして1本だけ挿通するようにしているが、このモジュール本体4の大きさや形状等によっては、例えば図8に示す第1の実施形態の変形例の濾過モジュール11のように複数本の多孔管6を、中空糸膜2の延びる方向と直交する横方向(図8における左右方向)に間隔をあけて並列に配設したり、あるいは図9および図10または図11に示す変形例の濾過モジュール12,13のようにこの横方向に加えて縦方向にも間隔をあけて配設したりしてもよい。これにより、モジュール本体4の寸法、形状に関わらずその隅々まで満遍なく洗浄水Cや気泡流を行き渡らせて一層確実かつ効率的な洗浄を図ることができる。なお、これら図8〜図11に示す変形例や、後述する他の実施形態およびその変形例においても、上記第1の実施形態と共通する要素には同一の符号を配して説明を省略する。
ただし、このように複数本の多孔管6…を配設する場合には、モジュール本体4を構成する多数の中空糸膜2…の均一な洗浄を図るため、隣接する多孔管6同士の間隔は略等間隔となるようにされるのが望ましい。例えば、図8に示す変形例では中心線Oに沿う多孔管6の上記横方向両側にも等間隔に2本の多孔管6が配設され、また図9および図10に示す変形例ではモジュール本体4の断面がなす上記方形の対角線上に中心線Oから等間隔に4本の多孔管6が配設されて縦方向に隣接する多孔管6同士の間隔が略等間隔とされ、さらに図9および図11に示す変形例では図10の横方向に隣接する多孔管6同士の間にさらに多孔管6が配設されてこれら縦横に隣接する多孔管6同士の間隔がいずれも略等間隔となるように格子状の配置とされていて、図2に示した第1の実施形態も含めてモジュール本体4の上記断面内における多孔管6の配置が略均等となるようにされている。
一方、上記第1の実施形態や図8〜図11に示したその変形例では、その濾過モジュール1,11〜13を備えた濾過装置において、上述の通り中空糸膜2が横向きに延びるようにモジュール本体4を横置きとして濾過槽7内に収容して原水W中に浸漬するようにされ、この状態で1本または複数本の多孔管6がモジュール本体4の断面において横方向および縦方向に均等に配置されるように、上記中心線Oと同じ高さすなわちモジュール本体4の縦方向中央部か、または中心線Oを挟んで縦方向の上下に等間隔に配設されているが、図12および図13または図14に示す第2の実施形態またはその変形例の濾過モジュール14,15のように、横置きされたモジュール本体4内にあってその縦方向中央部よりも多孔管6を上側に挿通するようにしてもよい。ここで、図12および図13に示す第2の実施形態の濾過モジュール14では1本の多孔管6が上記中心線Oの直上に配設されており、また図12および図14に示される変形例の濾過モジュール15ではこの中心線O直上の多孔管6とその横方向両側にも等間隔に2本の多孔管6が配設されていて、すなわち多孔管6が中心線Oより上側のみに配設されている。
しかるに、こうして多孔管6がモジュール本体4の縦方向中央部よりも上側に配設されている場合、上述のように多孔管6からは等方的に洗浄水Cや気泡流が噴出されるため、この多孔管6よりも上側では洗浄効果の向上が図られる一方で、下側部分では逆に洗浄水Cや気泡流が行き渡らずに洗浄が不十分となる懸念が生じるが、このモジュール本体4の下側部分においてモジュール本体4内から排出された付着物Rは、濾過槽7からの原水Wの排出によってその水位が低下するのに伴いモジュール本体4から離れて原水Wとともに排出される。そして、濾過槽7の水位がモジュール本体4以下となった場合、多孔管6からの洗浄水Cが下方に流れ落ち、モジュール本体4内の付着物Rを洗い流す。
従って、このように多孔管6をモジュール本体4の縦方向中央部より上側に配設することにより、下側での洗浄が十分に行われることになる。さらに、排出された付着物Rの濾過槽7の水位低下による再付着のおそれがある上側部分で洗浄効果の向上が図られることにより、結果的にモジュール本体4の縦方向全体に亙って均一かつ確実な洗浄を促すことが可能となる。しかも、特に濾過槽7内の下方に上述のような散気手段8が備えられている場合には、このモジュール本体4下側の中空糸膜2を散気手段8から発生する気泡によるエアスクラビングによって洗浄することができるので、下側部分における洗浄不足を確実に防止してモジュール本体4の全体で一層均一な洗浄を図ることが可能となる。
ところで、このような濾過モジュールにおいてモジュール本体4を構成する中空糸膜2の本数が増加し、これに伴いモジュール本体4の外径(中空糸膜2が延びる方向に直交する断面の大きさ)も大きくなると、全ての中空糸膜2の両端を支持板3,3に接続したモジュール本体4の内部に多孔管6を挿通する構造では、その作製が困難となる。そこで、このようにモジュール本体4を構成する中空糸膜2の数が多くなってモジュール本体4の外径も大きくなる場合には、以下に説明する本発明の第3の実施形態およびその変形例のように、モジュール本体4を、中空糸膜2を束ねてなる複数の膜エレメントを、互いの上記中空糸膜2同士が並列に延びるように隣接させて構成し、上記多孔管6はこれら隣接する膜エレメントの間に挟まれるようにして該モジュール本体4内に挿通されるようにすればよい。
ここで、図15〜図18に示す第3の実施形態の濾過モジュール16では、個々の膜エレメント4Aには図17および図18に示すように多孔管6が挿通されておらず、多数の中空糸膜2をそれぞれ延ばして束ねたその両端を一対の支持板3,3に接続して支持しただけのものであり、これらの支持板3,3の内部には図18に示すように中空糸膜2の中空部に連通するヘッド部3Aが形成されていて、このヘッド部3Aが吸引ポンプ等の濾過水排出手段に接続されることにより、中空糸膜2によって濾過された濾過水Tが排出される。なお、図16〜図18において符号3Bで示すのは、支持板3の中空糸膜2に接続された側と反対側の端面から突出し、上記ヘッド部3Aに連通して上記濾過水排出手段に接続される排出管部である。
このように構成された膜エレメント4Aは、上記中空糸膜2の延びる方向に直交する断面が支持板3,3からその間の中空糸膜2の束の部分に渡って略方形(特に、本実施形態では略正方形)とされ、すなわち図17および図15に簡略化して示すように中空糸膜2の延びる方向(図15および図17において左手前から右奥に延びる方向)に長手方向を有する略四角柱状(略正四角柱)の外形をなすようにされている。ただし、この第3の実施形態では、こうして略四角柱状とされた膜エレメント4Aの断面がなす上記正方形の2つの辺が交差する1つの角部に、円管状の多孔管6の外半径よりも僅かに大きな半径の1/4凹円弧状断面をなす上記切欠部4Bが当該膜エレメント4Aの全長に亙って形成されている。
そして、この第3の実施形態の濾過モジュール16では、同形同大のこのような膜エレメント4Aが縦横に2つずつの合計4つ、それぞれの切欠部4Bをモジュール本体4の縦横方向の内側すなわち中央部に向けて一致させて1つの円孔が形成されるようにし、かつ縦横に隣接するもの同士で上記2つの辺の1つずつが互いに密着するようにして、格子状に並ぶように配設されることによりモジュール本体4が構成されている。さらに、こうしてモジュール本体4の中央部に形成された上記円孔に多孔管6が挿通されている。従って、この第3の実施形態の濾過モジュール16ではモジュール本体4の縦横の中央に1本の多孔管6が挿通されることとなる。
また、図19〜図21に示す第3の実施形態の変形例の濾過モジュール17では、図21に示す膜エレメント4Cによってモジュール本体4が構成されており、この膜エレメント4Cでは、第3の実施形態の上記膜エレメント4Aの断面がなす正方形の切欠部4Bが形成された角部に上記2つの辺の一方を介して隣接する他の角部にも切欠部4Bが形成され、すなわち上記正方形の2つの平行な辺と他の1つの辺とが交差する2つの角部の部分に上述のような1/4凹円弧状断面の切欠部4Bが形成されている。
そして、この変形例の濾過モジュール17においては図20および図19に簡略化して示すように、縦2つ横3つの合計6つの同形同大の上記膜エレメント4Cが、縦方向に隣接するもの同士で2つの切欠部4Bの間の上記他の1つの辺の部分を密着させるとともに、横方向に隣接するもの同士では上記2つの平行な辺の部分の一方ずつを密着させて格子状に配列されることによりモジュール本体4が構成され、こうして構成されたモジュール本体4内部の、互いに密着した上記辺の部分が交差する位置に上記切欠部4Bによって形成される円孔に、多孔管6が挿通されている。従って、この変形例では図示のようにそのモジュール本体4の縦方向中央で、横方向には該モジュール本体4を3等分する位置にそれぞれに2本の多孔管6が挿通されることとなる。
さらに、図22〜図24に示す第3の実施形態の他の変形例の膜モジュール18では、図24に示すように略四角柱状(略正四角柱状)をなす膜エレメント4Dの断面がなす正方形の各辺が交差する4つの角部全てに1/4凹円弧状断面の切欠部4Bが形成されている。そして、この他の変形例の濾過モジュール18においては図23および図22に簡略化して示すように縦横3つずつの合計9つのやはり同形同大の膜エレメント4Dが、縦横に隣接するもの同士で上記正方形の1辺ずつを密着させて格子状に配列されることによりモジュール本体4が構成され、こうして構成されたモジュール本体4内部の、やはり互いに密着した上記辺の部分が交差する位置に上記切欠部4Bによって形成される円孔に、多孔管6が挿通されている。従って、この濾過モジュール18では、モジュール本体4の縦横方向において該モジュール本体4をそれぞれ3等分する位置に合計4本の多孔管6が挿通されることとなる。
従って、このように構成された第3の実施形態およびその変形例の濾過モジュール16〜18によれば、モジュール本体4全体として中空糸膜2の数が増加してその外径が大きくならざるを得ないような場合でも、該モジュール本体4を構成する個々の膜エレメント4A,4C,4Dは小さくすることができ、多数の中空糸膜2を束ねたモジュール本体4内に多孔管6を確実に挿通しつつも、その作製を容易にすることができる。また、このようにモジュール本体4を複数の膜エレメント4A,4C,4Dによって構成することにより、中空糸膜2の一部に万一破損等が生じた場合でも、破損した中空糸膜2が含まれる膜エレメント4A,4C,4Dのみを取り出して該中空糸膜2を交換したり、あるいは膜エレメント4A,4C,4Dごと交換したりすればよく、その間も他の膜エレメント4A,4C,4Dでは濾過作業を継続することができるので、かかる中空糸膜2の破損によって濾過装置全体で作業が中断されてしまうのを防いで、より効率的な濾過を図ることが可能となる。
さらに、これら第3の実施形態およびその変形例の濾過モジュール16〜18においては、モジュール本体4を構成する膜エレメント4A,4C,4Dが、その断面がなす方形(正方形)の辺の部分同士を密着させて隣接させられるとともに、この辺の部分(角部)に形成された切欠部4Bによって形成される円孔に多孔管6が挿通されているので、隣接する膜エレメント4A,4C,4D同士の間に間隔を開けることなく多孔管6をモジュール本体4の内部に挿通することができ、多孔管6から噴出される洗浄水Cや気泡流がこのような間隔部分からショートパスしてしまうような事態を防いで、より効率的な洗浄を図ることが可能となる。また、こうして上記辺の部分同士が密着させられてモジュール本体4が構成されることにより、上述のように間隔が開けられている場合よりもモジュール本体4全体としての単位断面積当たりの平均の中空糸膜2の数を増やすことができるので、モジュール本体4のコンパクト化を図ることも可能となる。
なお、これら第3の実施形態およびその変形例の濾過モジュール16〜18では、膜エレメント4A,4C,4Dは切欠部4Bを除いて断面略正方形状の四角柱(正四角柱)とされているが、その中空糸膜2が延びる方向に直交する断面を長方形として、それぞれ同形同大の膜エレメント4A,4C,4Dを、その切欠部4Bによって多孔管6が挿通される円孔が形成されるように、上記長方形の長短辺を平行にして格子状に配列することによりモジュール本体4を構成するようにしてもよい。また、これらの膜エレメント4A,4C,4Dでは、その断面がなす方形(正方形)の角部に1/4凹円弧状の切欠部4Bを形成しているが、例えば隣接する角部同士の間の辺の部分に断面凹半円状の切欠部を形成して、この辺の部分を密着させて膜エレメント同士を密着させることにより多孔管6が挿通される円孔が形成されるようにしてもよく、さらにこうして切欠部が辺の部分に形成されたものと上記角部に形成されたものとを組み合わせ、膜エレメントを千鳥状に配列してモジュール本体4を構成するようにしてもよい。
さらにまた、第3の実施形態の濾過モジュール16では図15および図16に示したように膜エレメント4Aのみにより、また変形例の濾過モジュール17では図20に示したように膜エレメント4Cのみにより、さらに他の変形例の濾過モジュール18では図23に示したように膜エレメント4Dのみにより、それぞれそのモジュール本体4が構成されているが、例えば膜エレメント4C,4Dによって濾過モジュール16のような縦横2つずつの膜エレメントのモジュール本体4を構成することや、膜エレメント4Dによって濾過モジュール17のような縦2つ横3つずつの膜エレメントのモジュール本体4を構成することも可能である。また、図19に括弧書きで示すように変形例の濾過モジュール17においてモジュール本体4外周の縦横両端の4つの膜エレメント4Cに代えて切欠部4Bが1つの上記膜エレメント4Aを用いたり、あるいは図22に括弧書きで示すように変形例の濾過モジュール18においてモジュール本体4外周の縦横両端の4つの膜エレメント4Dに代えて上記膜エレメント4Aを用いるのに加え、残りのモジュール本体4外周の膜エレメント4Dに代えて上記膜エレメント4Cを用いたりすることにより、モジュール本体4全体としては、その外周に切欠部4Bが露出することのない四角柱状に形成されるようにしてもよい。
次に、図25および図26は本発明の第4の実施形態の濾過モジュール19を示すものであり、また図27および図28はこの第4の実施形態の変形例の濾過モジュール20を示すものであって、いずれもそのモジュール本体4を構成する中空糸膜2が縦方向に延びるようにモジュール本体中心線Oが上下方向に向けられた場合を示すものである。ここで、図25および図26に示す濾過モジュール19では多孔管6が上記中心線Oに沿って1本だけモジュール本体4に縦方向に挿通されており、また図27および図28に示す濾過モジュール20ではこの中心線Oに沿った多孔管6の他に、その周囲に複数本(図では3本)の多孔管が中心線O回りの周方向に等間隔に、かつ中心線Oに沿った多孔管6との間隔も等間隔となるように配設されている。
なお、これら第4の実施形態およびその変形例では、モジュール本体4が上記中心線Oを中心とした外形略円柱状をなすように中空糸膜2が束ねられて形成されており、これに合わせて支持板3,3も、モジュール本体4外形の中心線Oに直交する断面がなす円よりも一回り大きな円板状とされて中空糸膜2の両端および多孔管6の両端部を支持している。また、このようなモジュール本体4の形状に合わせて、濾過槽7も当該濾過モジュール19,20を収容可能な有底円筒状とされている。なお、このような有底筒状の濾過槽に代えて、この筒の上部も蓋により閉塞したり、あるいは上側の支持板3の外径を大きくして蓋として筒の上部を閉塞したりするようにしたケーシングに原水Wを導入して中空糸膜2を浸漬するようにしてもよい。さらに、図示は略するが濾過槽7内の濾過モジュール19,20より下方に、上述のような散気手段を設けてもよい。
従って、このような濾過モジュール19,20においても、上記第1〜第3の実施形態およびその変形例の濾過モジュール1,11〜18と同様の効果を得ることができる。特に、これらの濾過モジュール19,20と同様に中空糸膜が縦方向に延びるようにされて、ただし中心パイプから空気だけを供給するようにした特許文献1〜3に記載の濾過モジュールに対しては、気泡流の場合も含めた多孔管6から噴出される洗浄水Cが、気泡のみが噴出される場合のように直ぐに浮上することなく、多孔管6に対して垂直に、すなわち横方向に向けて、該多孔管6の周囲に等方的かつ広範囲に行き渡るので、付着物を確実に中空糸膜2から剥離してモジュール本体4の外に押し出すことができるとともに、モジュール本体4内部を洗浄水Cによって濯ぎ流して原水Wを効率的に置換することができるので、かかる付着物が中空糸膜2の束の内部に取り残されるおそれもより少ないという利点も得られる。
なお、このような外形略円柱状をなすモジュール本体4を有する濾過モジュール19,20を、上記第1〜第3の実施形態のようにその中空糸膜2が延びる方向が横向きとなるように横置きにして、該第1の実施形態に係わる濾過装置のような濾過槽7に収容し、原水W中に浸漬するようにしてもよい。また、これとは反対に、第1〜第3の実施形態およびその変形例のような四角柱状をなす濾過モジュール1,11〜18を第4の実施形態のようにその中空糸膜2が縦方向に延びるように縦置きにして原水W中に浸漬されるようにしてもよい。さらには、これら第4の実施形態およびその変形例のような外形略円柱状をなすモジュール本体4を有する濾過モジュール19,20についても、中空糸膜2の数が増えて外径が大きくなる場合には、そのモジュール本体4を複数の膜エレメントによって構成するようにしてもよい。
1,11〜20 濾過モジュール
2 中空糸膜
3 支持板
4 モジュール本体
4A,4C,4D 膜エレメント
4B 切欠部
5 孔部
6 多孔管
7 濾過槽
8 散気手段
O モジュール本体4の中心線
W 原水
T 濾過水
C 洗浄水
A 空気
R 付着物
2 中空糸膜
3 支持板
4 モジュール本体
4A,4C,4D 膜エレメント
4B 切欠部
5 孔部
6 多孔管
7 濾過槽
8 散気手段
O モジュール本体4の中心線
W 原水
T 濾過水
C 洗浄水
A 空気
R 付着物
Claims (9)
- 原水中に浸漬されて該原水を濾過する濾過モジュールであって、多数の中空糸膜が束ねられてモジュール本体が構成されるとともに、このモジュール本体内には多孔管が挿通されていて、この多孔管から洗浄水を噴出することによって上記中空糸膜を洗浄することを特徴とする濾過モジュール。
- 上記モジュール本体が、多数の中空糸膜を束ねてなる複数の膜エレメントによって構成されており、上記多孔管が、隣接する膜エレメントの間に挟まれるようにして該モジュール本体内に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の濾過モジュール。
- 上記膜エレメントは、上記中空糸膜が延びる方向に直交する断面が略方形状とされていて、上記モジュール本体は、互いに隣接する該膜エレメント同士が、その上記断面がなす方形の辺の部分同士を密着させて構成されており、これら互いに密着する上記膜エレメントの辺の部分には、上記多孔管が挿通される孔を画成する切欠部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の濾過モジュール。
- 上記多孔管から噴出される上記洗浄水が、気泡を含んだ気泡流であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の濾過モジュール。
- 上記多孔管から噴出される上記洗浄水に、薬液が含まれていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の濾過モジュール。
- 上記モジュール本体は、上記中空糸膜が横向きに延びるようにして上記原水中に浸漬されるとともに、上記多孔管は、上記モジュール本体内にあって該モジュール本体の縦方向中央部よりも上側に挿通されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の濾過モジュール。
- 上記モジュール本体内に、複数の上記多孔管が、隣接するもの同士の間隔を略等間隔となるように挿通されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の濾過モジュール。
- 上記多孔管に形成される孔部の円周部は、その少なくとも管外周側が面取り形状とされていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の濾過モジュール。
- 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の濾過モジュールにおける上記モジュール本体の上記中空糸膜を洗浄する濾過モジュールの洗浄方法であって、この濾過モジュールが上記原水中に浸漬された状態で上記中空糸膜の表面から付着物を剥離させ、次いで上記多孔管から洗浄水を噴出することにより、上記モジュール本体内の剥離した上記付着物を含んだ上記原水を、上記洗浄水によって該モジュール本体内から濯ぎ出すことを特徴とする濾過モジュールの洗浄方法。
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JP2003398921A JP2005152856A (ja) | 2003-11-28 | 2003-11-28 | 濾過モジュールおよびその洗浄方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017217579A (ja) * | 2016-06-03 | 2017-12-14 | 株式会社クラレ | 中空糸膜濾過装置及びその洗浄方法 |
US10857589B2 (en) | 2005-11-17 | 2020-12-08 | Microvention, Inc. | Three-dimensional complex coil |
-
2003
- 2003-11-28 JP JP2003398921A patent/JP2005152856A/ja active Pending
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