JP2005148950A - 色分布解析装置及びその制御方法、制御プログラム及び記憶媒体 - Google Patents

色分布解析装置及びその制御方法、制御プログラム及び記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】色分布解析装置において3次元表示されたオブジェクトを任意の断面において2次元表示する。
【解決手段】色分布情報の解析を行うための色分布解析装置であって、2次元表示する色相の指定を受け付ける指定受付手段と、第1の表色系において規則的に配置された複数の標本点が第2の表色系において取り得る色座標値を含む色分布情報に基づき、前記指定された色相における第1の座標の前記第2の表色系における第1の座標値を決定する座標値決定手段と、前記決定された第1の座標値から前記座標の第2の表色系における第1のパラメータ及び第2のパラメータを算出する算出手段と、前記算出されたパラメータに基づき前記色相の2次元情報を表示する表示手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、色分布解析装置及びその制御方法、制御プログラム及び記憶媒体に関する。
近年、パーソナルコンピュータ/ワークステーションの普及に伴い、デスクトップ・パブリッシング(DTP)やCADが広く一般に使用されるようになってきた。このような中、コンピュータによってモニタ上で表現される色を、実際に色材を用いて再現する色再現技術が重要となってきている。例えばDTPにおいては、カラーモニタとカラープリンタとを有するコンピュータシステムにおいて、モニタ上にてカラー画像の作成/編集/加工等を行い、カラープリンタで出力する。ここでユーザは、モニタ上のカラー画像とプリンタ出力画像とが知覚的に一致していることを強く望む。
しかしながら色再現技術において、カラー画像とプリンタ出力画像とに於いてこのような知覚上の一致を図ることには以下の理由による困難が伴う。
カラーモニタにおいては、蛍光体を用いて特定波長の光を発光することによりカラー画像を表現する。他方、カラープリンタにおいてはインク等を用いて特定波長の光を吸収し、残りの反射光によってカラー画像を表現する。このように画像表示形態が異なることに起因して、両者を比較すると色再現域が大きく異なる。さらに、カラーモニタであっても、液晶モニタと電子銃方式のブラウン管とプラズマディスプレイとでは色再現域が異なる。カラープリンタにあっても、紙質等の相違やインクの使用量の相違等により色再現域が異なる。
そこで、これら色再現域の異なる表示媒体間において、表示カラー画像の知覚的一致を計る為、均等表色系に於いてある色再現域と別の色再現域内とを対応させる、様々なガマットマッピング(Gamut Mapping)技術が存在する。
これら様々のガマットマッピング技術の良否は、最終的には様々な画像に対する主観評価により決定されるものの、膨大なコストを要する上、ここで得られた判定結果はガマットマッピング技術に反映し難い。そこで、あらかじめ良否を判定すると共に判定結果をガマットマッピング技術に反映できるような、ガマットマッピング技術の解析/評価技術が求められている。
そこで、色情報の3次元分布の様々な表示を行う色分布解析装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。この装置では、3次元空間に分布する色情報を定性的に評価し、ガマットマッピング技術に反映することができる。
特開2002−222432号公報
上記のような色分布解析装置では、特定の色相の断面を擬似3次元表示させることは可能であったが、任意の色相の断面表示が困難である。このため、例えば画像のある色相において擬似輪郭等の画像障害が発生した場合、その原因追究/解決が難しい。特にグラデーション画像における擬似輪郭は、問題箇所の色相における明度・彩度の分布状況を2次元的に把握することが原因追求に有効であるが、従来はこれが難しかった。
そこで、本発明は、色分布解析装置において3次元表示されたオブジェクトを任意の断面において2次元表示可能とすることを目的とする。
上記問題点を解決するための本発明は、色分布情報の解析を行うための色分布解析装置であって、2次元表示する色相の指定を受け付ける指定受付手段と、第1の表色系において規則的に配置された複数の標本点が第2の表色系において取り得る色座標値を含む色分布情報に基づき、前記指定された色相における第1の座標の前記第2の表色系における第1の座標値を決定する座標値決定手段と、前記決定された第1の座標値から前記座標の第2の表色系における第1のパラメータ及び第2のパラメータを算出する算出手段と、前記算出されたパラメータに基づき前記色相の2次元情報を表示する表示手段とを備える。
本発明によれば、色分布解析装置において3次元表示されたオブジェクトを任意の断面において2次元表示することができる。
以下、本発明の実施例を添付する図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に対応する色分布解析装置のシステム構成の一例を示すブロック図である。前記構成において、101はCPU、102はROM、103はメインメモリ、104はSCSIインタフェース、105はHDD、106はグラフィックアクセラレータ、107はカラーモニタ、108はUSBコントローラ、109はカラープリンタ、110はパラレルポートコントローラ、111は測色機、112はキーボード/マウスコントローラ、113はキーボード、114はマウス、115はPCIバスである。なお、CPU101は、ROM102ならびにHDD105に保持されたプログラム/データ(色分布情報ファイルを含む。)に従い、後述の各種処理を実行する。
上記構成において、ユーザが色分布の解析を行う際には下記動作手順を踏んでコンピュータシステムが動作する。
ユーザが色解析プログラムの動作開始をキーボード113とマウス114とを介してCPU101に指示すると、CPU101はHDD105より色解析プログラムを読み出してメインメモリ103に格納し、所定のアドレスよりプログラムを実行する。実行された色解析プログラムは、まず、解析対象となる色分布情報数及びこれに対応する色分布情報ファイルをユーザに要求する。要求に基づき、ユーザが所定の色分布情報ファイル数と前記色分布情報ファイルのパス情報をキーボード113とマウス114とにより入力すると、色解析プログラムは当該ファイルをメインメモリ103に格納し、各種データの初期化を行った後、ユーザからの入力待機状態に移る。この後、ユーザからの動作指示に応じ、メインメモリ103に格納された各色情報分布データを適宜処理し、グラフィックアクセラレータ106を通してカラーモニタ107表示する。色解析プログラムの処理動作については、詳しく後述する。
本実施例における色分布情報ファイルに格納されている色分布データに関して説明する。
前記色分布データは、RGB色空間での格子点の色座標データと、前記色分布データがL*a*b*色空間上で取る座標値との対応を記したものであり、図2の様なデータ構造で構成される。データ構造の先頭には、R/G/B値のステップが記述され、この後に、各格子点に対応する色座標がL*値、a*値、b*値が、R、G、Bの順でネストされて記述される。また、色分布情報ファイルは、この色分布データの集合で構成される。
このデータ構造をRGB色空間で模式的に表すと、図3の様に表される。色分布情報ファイルの生成は、コンピュータシステム上でのRGB画像をモニタ表示/プリンタ出力した後で、測色機により、あるいはCIECAM97sに定められた知覚順応を考慮した計算により、又はガマットマッピングにより行われる。
また、図3に示されるデータ構造では、RGB座標値(0,0,0)をBk(又はK)、同(255、0、0)をR、同(0、255、0)をG、同(0、0、255)をB、同(0、255、255)をC、同(255、0、255)をM、同(255、255、0)をYとし、R、G、Bの各基底を7つの格子点により表している。よって、格子点座標によれば、K(0、0、0)、R(6、0、0)、G(0、6、0)、B(0、0、6)、C(0、6、6)、M(6、0、6)、Y(6、6、0)と表すことができる。また、RGB色空間は、上記各格子点によりKBMR面、KGCB面、KGYR面、WYGC面、WMRY面及びWMBC面の6面により構成される。
なお、本明細書における以下の説明では説明の簡単のため、各面に平行な面を当該各面方向から見た場合の総称として、当該各面の名称を便宜的に使用する。例えば、KBMR面301に平行な面である302は、KBMR面の方向から見た場合には、KBMR面と証する。面302は同様にしてWYGC面303とも平行であるので、WYGC面から面302を見た場合には、WYGC面と称する。
以下では、本実施例における色解析プログラムの処理動作について、図4の状態遷移図を用いて説明する。起動された色解析プログラムは、まずステート401にて作業用ヒープメモリ確保等の初期化動作を行う。次にステート402にて、ユーザからの各色分布情報ファイルのパス情報入力を待つ。このパス情報は、例えば色分布情報ファイルがHDD105に格納されている場合には、HDD105におけるファイルの格納位置を示す情報である。入力されたパス情報が正しければステート403において、前記パス情報に基づいて色分布情報ファイルを読み込み、ヒープメモリに格納する。ステート404では、後述する方法により3Dオブジェクトデータを各色分布データに基づいて初期生成するとともに、3D表示する際のジオメトリ情報ならびに表示形態情報の初期化を行う。ステート405では、3Dオブジェクトデータを表示形態情報とジオメトリ情報に基づいて適切にカラーモニタ107に表示する。この後、ステート406にてメッセージの待ち状態となり、各種メッセージを判断し適切な状態へ移行する。以下では、ステート406に通知されるメッセージに対する処理について説明する。メッセージリストは図5に示す通りである。
メッセージZOOM_INOUT:
ステート406にてメッセージZOOM_INOUTを検知すると、メッセージに付加されているZOOM IN/OUT量を抽出した後、ステート407へ移行する。ステート407では抽出されたZOOM IN/OUT量に基づいてジオメトリ情報を更新し、ステート405へ移行する。ステート405では更新されたジオメトリ情報に基づいて3Dオブジェクトデータ表示を更新し、ステート406に戻る。
メッセージMOVE:
ステート406にてメッセージMOVEを検知すると、メッセージに付加されている視点平行移動量/視点回転量を抽出した後、ステート408へ移行する。ステート408では抽出された視点平行移動量/視点回転量に基づいてジオメトリ情報を更新し、ステート405へ移行する。ステート405では更新されたジオメトリ情報に基づいて3Dオブジェクトデータ表示を更新し、その後ステート406のメッセージ待ち状態に戻る。
メッセージRASTERIZE_MODE:
ステート406にてメッセージRASTERIZE_MODEを検知すると、メッセージに付加されている表示形態選択情報を抽出した後、ステート409へ移行する。ステート409では抽出された表示形態選択情報に基づいて表示形態情報を更新し、ステート405へ移行する。ステート405では更新された表示形態情報に基づいて3Dオブジェクトデータ表示を更新し、ステート406に戻る。
メッセージCHANGE_GRIDAREA:
ステート406にてメッセージCHANGE_GRIDAREAを検知すると、メッセージに付加されている表示格子範囲選択情報を抽出した後、ステート410へ移行する。ステート410では抽出された表示格子範囲選択情報に基づいて3Dオブジェクトデータを更新し、ステート406へ移行する。ステート405では更新された3Dオブジェクトデータを更新表示し、その後ステート406のメッセージ待ち状態に戻る。
メッセージDISPLAY_2D_DATA:
ステート406にてメッセージDISPLAY_2D_DATAを検知すると、メッセージに付加されている2Dオブジェクト表示/非表示情報を抽出した後、ステート412に移行する。ステート412では抽出された情報に基づいて3Dオブジェクトデータを更新し、後述する2Dオブジェクトデータを表示/非表示した後、ステート405へ移行する。ステート405では更新された3Dオブジェクトデータを更新表示し、ステート406に戻る。
メッセージGENERATE_2D_DATA:
ステート406にてメッセージGENERATE_2D_DATAを検知すると、メッセージに付加されている表示色相角情報を抽出した後、ステート411に移行する。ステート411では抽出された色相角情報に基づいて2Dオブジェクトデータを生成し、ステート412に移行する。ステート412では更新された2Dオブジェクトデータを更新表示すると共に、2Dオブジェクトデータに基づいて3Dオブジェクトデータを更新し、ステート405へ移行する。ステート405では更新された3Dオブジェクトデータを更新表示し、ステート406に戻る。
メッセージPROCESS_END:
ステート406にてメッセージPROCESS_ENDを検知すると、ステート413へ移行する。ステップ413ではヒープメモリの解放などの終了処理動作を行った後、色解析プログラムを終了する。
以下では、本実施例における色情報分布データ表示について説明する。
ステート404における3Dオブジェクトデータの初期生成ならびに表示について説明する。3Dオブジェクトデータを生成する際、まずRGB色空間上での最大の格子領域表面にて、各格子点により形成される最小の四角形に於いて各々2通りの三角形の組み合わせを生成する。
この模式図を図6に示す。図6において、太線で囲われた領域が、各格子点により形成される最小の四角形である。この領域において、破線で分割される2つの三角形の組み合わせと、2点破線で分割される2つの三角形の組み合わせとで2通りの三角形の組み合わせが生成される。
次に、これら三角形の頂点である格子点座標を対応するL*a*b*座標値に、前記色分布情報データを用いて変換し、さらにこれら変換後の三角形の組み合わせからL*a*b*座標系において3Dオブジェクトデータを構成する。ここで、3Dオブジェクトデータの体積が最大となるよう、各々2通りの三角形の組み合わせから選択する。本実施例におけるカラーモニタ107上での表示の一例を図7に示す。
ステート411における2Dオブジェクトデータの生成及びステート412における2Dオブジェクトデータの表示/非表示について説明する。
ユーザが2Dオブジェクトデータの表示/非表示、及び表示する色相の角度を指定するユーザインタフェースを図8に示す。図8において、801は2次元表示/非表示を指定するラジオボタンであり、ユーザはこのボタンをオン/オフ操作することにより2Dオブジェクトデータの表示又は非表示を指定する。802は表示する色相の角度を指定するエディットボックスであり、ユーザは0から360までの角度θ(単位:degree)を+、−ボタンの使用又はテキスト入力により指定する。
なお、2次元表示指定用のラジオボタンがオフの状態の際には、色相角指定用のエディットボックスが入力不可となる。2次元表示指定用のラジオボタンがオンの状態で、ユーザが2次元表示を行う色相の角度を指定すると、2Dオブジェクト生成メッセージGENERATE_2D_DATAが色解析プログラムに通知され、色解析プログラムは指定された角度における明度と彩度の2次元グラフを生成する。大まかには、まず図9a、図9bのように2次元の複数の折れ線を生成し、これらを組み合わせて図9cのようなグラフを生成し、モニタに表示する。
以下、図10のフローチャートに従い2Dオブジェクト生成処理について説明する。 まずステップS1001において、色分布データの各格子点に対し、各々の色相角を以下の式により算出し、メインメモリ103に格納する。
色相角=atan(b/a)
上式において、a、bはそれぞれ各格子点のa*値、b*値を表し、atanは、tanの逆関数である。
次にステップS1002においてRGB色空間における各軸の格子点番号の範囲[min, max]を[0,最大格子番号]に設定する。例えば、格子点数が9の場合には最大格子番号は8となる。
その後ステップS1003において、RGB色空間上で格子点番号が(max, max, max)と(max, min, min)を含む面(図3において、max=6の場合にWMRY面)、(max, max, max)と(min, max, min)を含む面(同様に、図3においてWYGC面)、(max, max, max)と(min, min, max)を含む面(同様に、図3においてWMBC面)の3面から、図11のフローチャートを参照して詳細を後述する方法により、上記色相角をもつ点の明度と彩度の折れ線一つ分(図9aにおける複数の折れ線のうちの一本)を生成する。
ステップS1004では格子範囲の上限maxをデクリメントする。ここで、上限をデクリメントするのは、RGB空間の内部階層の格子点についてもステップS1003における処理を同様に実行するためである。即ち、max=最大格子番号の場合には、ステップS1003の処理は、RGB空間の格子点の内、最表面(RGB値(255、255、255)を有する格子点で交わるWMRY面、WYGC面及びWMBC面の3つの面)に位置する格子点についてのみ実行され、最表面の格子点についての明度−彩度関係のみが求められる。図9aに示すような明度−彩度関係図を生成するためには、RGB空間の格子点の内、内部格子点についても明度−彩度の関係を求める必要がある。そこで、上限maxを1づつデクリメントすることにより、1格子点分ずつ内部階層の格子点を選択して処理していく。
上記のように、1づつデクリメントして内部階層の格子点を選択していくため、いずれはデクリメントできない階層に到達してしまうこととなる。そして、この時点で図9aに示す折れ線の生成が完了している。そこで、ステップS1005においてmaxの値を0と比較し、maxが0以上であればステップS1003に戻って処理を継続する。
一方、maxが0未満の場合は、ステップS1006に移行する。ステップS1006では、格子点番号の範囲[min, max]を再度[0,最大格子番号]に設定する。続いてステップS1007において、格子点番号が(min, min, min)と(min, max , max)を含む面(図3において、max=6の場合にKGCB面)、(min, min, min)と(max, min, max)を含む面(同様に、図3においてKBMR面)、(min, min, min)と(max, max, min)を含む面(同様に、図3においてKGYR面)の3面から、ステップS1003と同様の処理により上記色相角をもつ点の明度と彩度の折れ線一つ分(図9bにおける複数の折れ線のうちの一本)を生成する。
ステップS1008では格子範囲の下限minをインクリメントする。ここで、下限をインリメントするのは、RGB空間の内部階層の格子点についてもステップS1007における処理を同様に実行するためである。即ち、min=0の場合には、ステップS1007の処理は、RGB空間の格子点の内、最表面(RGB値(0、0、0)を有する格子点で交わるKGCB面、KBMR面及びKGYR面の3つの面であって、)に位置する格子点についてのみ実行され、最表面の格子点についての明度−彩度関係のみが求められる。図9bに示すような明度−彩度関係図を生成するためには、RGB空間の格子点の内、内部格子点についても明度−彩度の関係を求める必要がある。そこで、下限minを1づつインクリメントすることにより、1格子点分ずつ内部階層の格子点を選択し、処理していく。
上記のように、1づつインクリメントして内部階層の格子点を選択していくため、いずれはインクリメントできない階層に到達してしまうこととなる。そして、この時点で図9bに示す折れ線の生成が完了している。そこで、ステップS1009においてminの値を最大格子点番号と比較し、minが最大格子点番号以下であればステップS1007に戻って処理を継続する。
一方、minが最大格子点番号を超えていればステップS1010に移行する。ステップS1010では、以上の処理により生成された、図9aと図9bに示される折れ線を組み合わせることにより図9cの2Dオブジェクトを生成する。
次に、ステップS1003における処理について、図11のフローチャートを参照して詳細に説明する。
まずステップS1101において、WYGC面、WMRY面及びWMBC面の交点である無彩色軸上の格子点番号(w, w, w)の値を、(max, max, max)に設定する。ここでmaxは図10のフローチャートに示した処理途中における格子範囲の上限値である。よって、上記ステップS1004においてデクリメントされた分だけ最大格子点番号から減少した数値が当該上限値に相当する。これにより上記3面の交点である格子点の位置(後述する図13aにおける点1301)が決定される。
次にステップS1102では、WYGC面上において、最小要素がwの格子点の内、図8に示すような画面においてユーザに指定された角度θを挟む2つの格子点が存在するか否かを判定する。ここで最小要素がwの格子点とは、RGB空間における座標値の要素に少なくとも1つ以上のwの値を有するものが存在し、かつ、それ以外の要素がw未満でないような座標を有する格子点を意味する。
即ち、図12を参照して説明すれば、wが4の場合、図中の太線1202で結ばれた各格子点は、その格子点座標値において少なくとも一つ以上の4を有し、かつ、他の要素が4未満でない、「最小要素がwの格子点」となる。同様にして、wが3の場合は、図中の太線1203で結ばれた各格子点が「最小要素がwの格子点」に相当する。このように、WYGC面、WMRY面及びWMBC面上において最小要素がwとなる格子点の集合は、1202から1206の様にwの値に応じて一意に決定することができる。従って、WYGC面上において最小要素がwの格子点は、当該格子点の集合の中からWYGC面上に存在する格子点を選択すればよい。図12は、RGB空間における各軸の格子点数を9とし、図10のフローチャートに対応する処理途中における格子範囲の上限値(max)を5とした場合を示した図である。
また、指定角度θを挟む2つの格子点の存在判定方法は例えば、以下のように行うことができる。まず、ステップS1001においてメインメモリ103に格納された色相角の内、隣接する2つの格子点の色相角をメインメモリ103から読み出す。図12の場合を例に取ると、WYGC面上で互いに隣り合う格子点である1207と1208の色相角を読み出す。ここで読み出された角度をθ1、θ2とすると、ユーザーに指定された角度θに対して、θ1>θ>θ2又はθ2>θ>θ1が成立すれば、2つの格子点がL*a*b*色空間上においてθを挟むことになる。よって、色相角θ1及びθ2について上記のような関係が成立するかどうかにより、上記条件に当てはまる格子点の組が存在するかどうかをチェックすることができる。ここで、このような格子点の組が存在した場合はステップS1105に移行し、存在しない場合にはステップS1103へ移行する。
次にステップS1103では、WMYR面上において、最小要素がwの格子点の内、ユーザに指定された角度θを挟む2つの格子点が存在するか否かを判定する。ここでの処理は、処理対象となる格子点がWMYR面上に存在する点を除けば、ステップS1102と同様である。当該格子点の組が存在した場合はステップS1105に進み、それ以外の場合はステップS1104に進む。
次にステップS1104では、WMBC面上において、最小要素がwの格子点の内、ユーザに指定された角度θを挟む2つの格子点が存在するか否かを判定する。ここでの処理は、処理対象となる格子点がWMBC面上に存在する点を除けば、ステップS1102と同様である。当該格子点の組が存在した場合はステップS1105に進み、それ以外の場合はステップS1107に進む。
ここで図12及び図13を参照して、最小要素がwの格子点の内、角度θを挟む2つの格子点を決定する方法を視覚的に説明する。図12に示すようにRGB空間における各軸の格子点数を9とし、図10のフローチャートに対応する処理途中における格子範囲の上限値(max)を5とした場合、各面における最小要素がwの格子点は、1201から1206までの各線上に存在する。この格子点をL*a*b*色空間座標値に変換し、各格子点をa*b*平面上に投影した場合、各格子点の分布は図13のようになる。ここにおいて、1301から1306は、それぞれ上記1201から1206に対応する。
図13において、1307は色相角θを示す直線であり、1307上の四角形は、直線1307と1301から1306との交点を示している。即ち、この交点を挟むように位置する格子点が、上記最小要素がwの格子点の内、角度θを挟む2つの格子点に相当する。図13の場合当該2つの格子点を三角形で示している。これらの格子点に対応する格子点を図12でも三角形で示している。
以上のようにして、決定された最小要素がwの格子点の内、角度θを挟む2つの格子点を利用して、ステップS1105においては、以下の各式により色相角θに対応する点(図13における四角形で示した点)を二次元表示するためのパラメータとして、明度L及び彩度Cを算出し、メインメモリ103に格納する。
L=(|α1−θ|×L0+|α0−θ|×L1)/|α1−α0|
C=(|α1−θ|×C0+|α0−θ|×C1)/|α1−α0|
上式において、α0、α1はステップS1102〜S1104において求めた隣接する2つの格子点に対応する色相角、L0、L1は前記2つの格子点に対応するL*値を表す。また、|*|は絶対値を表す。
さらに、Ciは格子点iに対応する彩度を表し、以下の式により求められる。
Ci=(ai+bi1/2
ここで、ai、biはそれぞれ格子点iに対応するa*値、b*値を表す。
次にステップS1106において、図9aに示すような明度−彩度の関係を表すグラフに、得られた明度Lと彩度Cをプロットする。更に、当該L、Cの直前に算出されてプロットされている明度、彩度と繋ぐことにより直線を生成する。
続いてステップS1107において前記格子点番号の要素wをデクリメントする。これにより、WYGC面、WMRY面及びWMBC面上に存在する格子点であって、ステップS1102からS1104において処理される格子点が変更される。
要素wをデクリメントすることにより、選択すべき格子点がWYGC面、WMYR面及びWMBC面上に存在しなくなるので、ステップS1108において前記wが前記min未満になっているか確認し、min以上であればステップS1102に戻って処理を繰り返し、min未満の場合は処理を終了する。
以上、ステップS1003における処理の詳細を説明したが、ステップ1007における処理についても、以下の点を除き基本的に上記処理と同様に実施することができる。
ステップS1007で処理される格子点は、Bkで交点を有するKGCB面、KBMR面及びKGYR面の3つの面上に存在する。よって、上記ステップS1101に相当するステップでは、(w, w, w)=(min, min, min)に設定し、ステップS1107に相当するステップでは、wをインクリメントしていく。また、S1102からS1104に相当するステップでは、KGCB面、KBMR面及びKGYR面の各面において、最大要素がwの格子点の内、θを挟む隣接する格子点が存在するかどうかを判定する。ここで、最大要素がwの格子点とは、RGB空間における座標値の要素に少なくとも1つ以上のwの値を有するものが存在し、かつ、それ以外の要素がw未満となるような座標を有する格子点を意味する。
以上の前提に基づいて図11の一連の処理を行うことで、図9bに示すような折れ線の一部を生成することができる。
以上のように、図10及び図11に示したフローチャートの処理を実行することにより、図9cに示すような2Dオブジェクトを生成することができる。このようにして生成された2Dオブジェクトを、図8のユーザーインタフェースで2次元表示が選択された場合の表示形態の一例を図14に示す。図14に示すように、2Dオブジェクト表示をオンに指定すると3次元表示ウィンドウ1401と2次元表示ウィンドウ1402とが同時に表示され、3次元表示ウィンドウには3Dオブジェクトデータに色相角θの面1403が追加されて表示される。即ち、面1403は、2Dオブジェクトが3次元オブジェクトどの位置の断面を表しているかを示すものである。
このように本実施例では、3Dオブジェクトと2Dオブジェクトとを図14のように対比して表示することができるが、ユーザはその表示形態を、図4のステート409において選択することができる。本実施例においては表示形態として、ワイヤーフレーム表示とポリゴン表示との2形態が用意されている。ここで、ポリゴン表示では3Dオブジェクトデータの三角パッチデータにのっとるとともに、ポリゴン表面色はRGB色空間上での格子点座標値より計算される。
図15に、表示形態選択用の表示画面を示す。ユーザは図15の表示画面を用いて、色分布情報の表示形態1501と2Dオブジェクト表示がオンの場合は対象色相角における色相面の表示形態1502を選択する。なお、2Dオブジェクト表示がオフの場合には色相面の表示形態選択用ラジオボタンが選択不可能な状態となる。
ユーザが表示形態の選択を行うと、表示形態選択メッセージRASTERIZE_MODEが色解析プログラムに通知され、メッセージに付加された選択情報に応じ、色解析プログラムは該当するデータの表示形式を変化させる。色分布データの表示形態としてワイヤーフレーム表示、色相面の表示形態としてソリッド表示が選択された際のモニタ表示の模式図を図16に示す。色分布データの表示形態としてソリッド表示、色相面の表示形態としてワイヤーフレーム表示が選択された際のモニタ表示は、図14の3次元表示のようになる。
次に、ステート410における表示格子範囲選択ならびに表示について説明する。
ユーザが表示格子範囲の選択を行う為のユーザインタフェースを図17に示す。図から明らかなように、ユーザはR値、G値、B値それぞれの格子範囲を選択することで表示すべき方形領域をRGB色空間で選択する。このユーザインタフェースを用いてユーザが表示格子範囲を選択すると、表示格子範囲選択メッセージCHANGE_GRIDAREAが色解析プログラムに通知され、色解析プログラムはメッセージに付加されたRGB格子範囲情報に応じ、次のように3Dオブジェクトデータを更新する。
まずRGB色空間上で、選択された方形領域表面の各格子点により形成される最小の四角形において各々2通りの三角形の組み合わせを生成する。この模式図は、図6に示したものと同様となる。次に、これら三角形の頂点である格子点座標を対応するL*a*b*座標値に制御データの色分布情報を用いて変換し、さらにこれら変換後の三角形の組み合わせからステート404と同様の手順により3Dオブジェクトデータを構成する。
本実施例において、色分布情報にて格子点数がR軸、G軸、B軸ともに9であり、表示格子範囲をR軸で[3,7]、G軸で[2,6]、B軸で[1,6]と選択した場合における、カラーモニタ107上での表示の一例を図18に示す。ここで、RGB色空間における格子範囲は図19の様になっている。図19において、細線で示した範囲が最大の格子領域であり、太線で示した範囲が選択された方形領域を示す。太線/破線の交点は格子点を示す。
以上のような構成により、均等表色系における任意の断面を2次元表示させることにより、例えば等色相における明度と彩度の関係、グラデーションの階調性等を瞬時に確認・解析し、ガマットマッピングに反映させることが可能となる。また3次元の色分布データも同時に表示させることにより、3次元的な色の分布と断面との関連を把握することが容易となる。
上記の実施例1においては、L*a*b*色空間において色相角を指定して2次元の断面表示を行ったが、本実施例ではRGB色空間における等色相断面をL*a*b*表色系に変換して2次元表示を行う。
本実施例における色相角指定用の表示画面の一例を図20に示す。図20において、2001は2次元表示/非表示を指定するラジオボタンであり、実施例1と同様、ユーザはこのボタンをオン/オフ操作することにより、2Dオブジェクトデータの表示又は非表示を指定できる。2002は表示する色相をRGBにより指定するするエディットボックスであり、ユーザは0から255までのRGB値を+、−ボタンの使用又はテキスト入力により指定する。なお、2次元表示指定用のラジオボタンがオフの状態の際には、色相指定用のエディットボックスが入力不可となる。
2次元表示指定用のラジオボタンがオンの状態で、ユーザがRGB値を指定すると、2Dオブジェクト生成メッセージGENERATE_2D_DATAが色解析プログラムに通知され、色解析プログラムは指定されたRGB値とホワイト及びブラックから定義される面上の点を、色分布データを用いて明度、彩度に変換し、2Dオブジェクトを生成する。図21はユーザに指定されたRGB値、及び構成されたRGB色空間上における面の関係を示す模式図である。同図において、2101はユーザに指定されたRGB値であり、斜線部2102は前述の面である。本実施例における2Dオブジェクトのモニタ表示の例を図22に示す。
以下、本実施例における2Dオブジェクトの生成について図23のフローチャートに従い説明する。
まずステップS2301において、ユーザに指定されたRGB値(r,g,b)が属する色領域を図24に示す条件に従い判断する。図24において、左端の列がRGB値に対する判断項目であり、3つの項目にあてはまるか否かにより属する色領域を決定する。例えば、R<G、G<B、R<Bが全てあてはまる場合には前記RGB値(r,g,b)はBC領域内に存在する。例えば、図20にて指定されたRGB値の場合は、(r,g,b)=(15, 190, 205)であるから、やはりBC領域に存在することとなる。
続いてステップS2302において、まず指定されたRGB値(r,g,b)を挟む2つのプライマリ色相面から、該プライマリ色相面間におけるRGB値の変化方向ベクトル(Vr,Vg,Vb)を求める。ここで、プライマリ色相面とは、図21に示すようなRGB空間においてR(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各点とホワイト及びブラックの3点で構成される面であり、これらのプライマリ色相面をそれぞれ、R色相面、G色相面、B色相面、C色相面、M色相面及びY色相面と呼ぶ。図25は、RGBCMYの各プライマリ色相面に対し、変化方向ベクトルを求めるためのRGBステップと、プライマリ色相面上のRGB値の条件を示した表である。ここでRGBステップとは、RGBCMYの各プライマリのRGB座標を正規化した値を表す。例えば、RのRGBステップは(1、0,0)、MのRGBステップは(1,0,0)となる。
ここで前記変化方向ベクトル(Vr,Vg,Vb)は、隣接する2つのプライマリ色相面のステップをそれぞれ(r0,g0,b0)、(r1,g1,b1)とすると、(r0-r1,g0-g1,b0-b1)となる。なお、r0+g0+b0 > r1+g1+b1とする。例として、前記2つのプライマリ色相面をC色相面とB色相面とすると、(r0,g0,b0)=(0,1,1)、(r1,g1,b1)=(0,0,1)となるので、変化方向ベクトルは(0,1,0)となる。即ち、BC領域では、R、B成分は変化せず、G成分のみがステップ数1で変化することが分かる。
その後、ステップS2303において指定されたRGB値(r,g,b)と、(r,g,b)を挟むプライマリ色相面(ここでは、B色相面とC色相面)とのRGB色空間における距離比率を算出する。
図26は前記距離比率を説明するための図である。同図において2601は前記指定されたRGB値(r,g,b)、2602はステップ(r0,g0,b0)に対応するプライマリ色相面(B色相面)上の点、2603はステップ(r1,g1,b1)に対応するプライマリ色相面(C色相面)上の点を表し、2602、2603は2601を起点として前記変化方向ベクトル(Vr,Vg,Vb)の延長上に存在する。言い換えれば、2601はBC領域において、B色相面上の所定の格子点とC色相面上の所定の格子点とを結ぶ変化方向ベクトル(Vr,Vg,Vb)の線分上に存在する。
この2602、2603の座標は、は前記(r,g,b)から変化方向ベクトルの要素を参照して決定することができる。例として、変化方向ベクトル(Vr,Vg,Vb)が(0,1,0)の場合、前記指定されたRGB値(r,g,b)を挟むプライマリ色相面上の点の座標はB色相面上において(r,b,b)、C色相面上において(r,r,b)となる。
この仕組みを以下に説明する。まず、変化方向ベクトルのうち0の要素は、その成分が変化しないことを意味するので、対応するRGB値(r,g,b)の要素をそのまま当てはめればよい。よって、B色相面上及びC色相面上の座標値は共に(r、X、b)と決まる。ここでXは未知数である。この未知数Xを決定するために、変化方向ベクトルの1の要素に注目すると、これはG成分である。そこで図25を参照すると、C色相面ではG成分はB成分に一致するので、C色相面における座標値は最終的に(r、b、b)と決定できる。一方、B色相面ではG成分はR成分に一致するので、最終的に(r、r、b)と決定できる。
このように、2601、2602、2603の座標において変化する要素は1軸(G成分)のみとなるので、前記距離比率はこの要素の変化量を計算することにより算出することができる。
上記2つのプライマリ色相面がCとBの場合、距離比率は以下の式により求められる。
距離比率(ratio)=(g−r)/(b−r)
ここで、g−rは、指定されたRGB値の座標におけるG成分と、B色相面上の座標のG成分との差を表し、b−rは、C色相面上の座標のG成分と、B色相面上の座標のG成分との差を表している。即ち、距離比率は、B色相面からC色相面までの距離を1としたときのB色相面からの指定座標までの距離を表している。
その後ステップS2304において、前記プライマリ色相面上の各格子点から、ステップS2303にて算出した距離比率を持つ点のL*a*b*座標を算出する。具体的には、BC領域においてRGB座標のR成分とB成分とが一致するの格子点をペアとして線分を構成し、この線分の長さを1とした場合にB色相面から見て上記算出した距離比率を有する点を設定していく。ここで設定された点のRGB座標を求めて、L*a*b*座標系に変換すればよい。
図27はRGB色空間におけるBC領域を示した模式図であり、破線の交点(黒丸表示)は格子点を表す。図27において、斜線部はステップS2303にて算出した距離比率を持つ点により構成される面を示しており、矢印は変化方向ベクトルを表している。即ち、本ステップは図27の黒点を起点とした矢印方向のベクトルと斜線の面との交点における明度、及び彩度を求める処理となる。
前記交点の各RGB座標(rc,gc,bc)は、以下の式により補間演算を行うことで求められる。
(rc,gc,bc)=(rs,gs,bs)+ratio×(Vr’,Vg’,Vb’)
上式において、(rs,gs,bs)は前記プライマリ色相面(図27の場合はB色相面)上の格子点座標であり、ratioはステップS2303において算出した距離比率である。
また、(Vr’,Vg’,Vb’)は上記変化方向ベクトル(Vr,Vg,Vb)に対して、単位長さ1を実際の座標値の差分に変換した変化方向ベクトルである。これは、上記のようにratioはB色相面からC色相面までの距離を1として求めているので、交点のRGB座標を決定するためには、実際の格子点間のRGB座標値の差分をかける必要があるためである。よって図26の場合には、単位長さに相当する実際の距離はRGB値で205−15=190となるので、(Vr’,Vg’,Vb’)=(0、190、0)となる。このようにして求められる交点(rc,gc,bc)のL*a*b*色空間における座標値は、変化方向ベクトルの方向に該交点を挟む2つの格子点から、色分布データを参照して補間することにより算出される。
即ち、RGB空間において変化方向ベクトル(Vr',Vg',Vb')の方向に前記交点(rc,gc,bc)を挟む2つの格子点のRGB座標を(r1,g1,b1)及び(r2,g2,b2)としたとき、まずこれらの格子点に対応するL*a*b*値(L1,a1,b1)及び(L2,a2,b2)を色分布データからそれぞれ求める。その後、以下の式による補間演算を行い前記交点に対応するL*a*b*値(Lc、ac、bc)を算出する。
(Lc,ac,bc)=r×(L2,a2,b2)+(1−r)×(L1,a1,b1)
r=||(rc,gc,bc)-(r1,g1,b1)||/||(r2,g2,b2)-(r1,g1,b1)||
なお、||*||は2つの座標間の距離を表す。
ステップS2305においては、ステップS2304で求めたL*a*b*座標から以下の式により明度L及び彩度Cを算出する。
L= L*
C=(a*+b*1/2
ステップS2306では、以上の処理により算出された明度及び彩度を、変化方向ベクトル(Vr,Vg,Vb)が0の要素をもつ軸方向に繋いて描画し、2Dオブジェクトの生成及び表示処理を終了する。
以上のように、RGB色空間における等色相断面をL*a*b*表色系に変換して2次元表示を行うことにより、3次元的な断面表示だけでは分かりにくい、入力RGB画像における等色相のグラデーションの階調性を2次元的に解析することが可能となる。このため、出力画像における階調飛び等の画像障害の原因を追究・解明することが容易となる。またRGB色空間における無彩色軸を境として表示を行うため、無彩色軸上における格子点の明度、彩度分布も確認することが可能となる。
上記第2実施例においては、彩度を正の値のみとしていたために、RGB色空間における等色相面がL*a*b*色空間においてL*軸を跨いだ場合、図28のように実際のL*a*b*色空間においては彩度方向に離れている箇所が重なりあうように表示されてしまうことがある。本実施例においては、2次元表示対象となる点のうち最も彩度が高い点のa*、b*値を参照し、負の彩度値を設けて2次元表示を行う。
本実施例における2Dオブジェクトの生成手順は実施例2とほぼ同様であるので、以下では実施例2との差異についてのみ説明する。
図23のフローチャートにおけるステップS2304でL*a*b*値を求めた交点のうち、最も通常の彩度((a*+b*)1/2)の高い点のa*、b*値をam、bmとする。ここで、ステップS2305における彩度Cの算出式を以下のように設定する。
C = (a*+b*)1/2 if (a*×am +b*×bm>0)
−(a*+b*)1/2 else
その他の処理については、実施例2と同様である。本実施例における、2Dオブジェクトのモニタ表示の例を図29に示す。
このように、負の彩度値を設けて等色相面の2次元表示を行うことにより、より正確に明度と彩度の関係を把握することが可能となる。
[その他の実施例]
(2Dオブジェクトデータ数)
上記実施例においては、2次元表示する断面の数を1として説明したが、複数としてももちろん構わない。
(色相角指定方法)
上記各実施例においては、色相角を直接入力する方法、及びユーザに指定された座標値から色相を算出して2Dオブジェクトデータを表示する方法を説明したが、これ以外の方法を用いても構わない。たとえば、画像をモニタ上に表示させ、画像上の点をユーザがマウスを使ってクリックし、該クリックされたRGB値(RGB画像の場合)から実施例2或いは実施例3の方法により2Dオブジェクトデータを生成・表示させても良い。
(表示形態)
前記実施例においては、3Dオブジェクトデータの表示形態をワイヤーフレーム表示並びにポリゴン表示の2形態のみとしたが、上記特許文献1に記載されているようなスムースシェーディング表示やポイント表示等の表示形態を用いてもよい。
(表色系)
前上記各実施例においては、座標を表す表色系としてRGB表色系及びLab表色系を用いたが、XYZ表色系、Luv表色系等、他の表色系を用いても良い。
(表示装置)
前記実施例においては、表示装置をモニタのみに限定したが、もちろんプリンタ/プロッタ等に出力することも可能である。
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
また、本発明の目的は、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施例の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明の実施例に対応する色分布解析装置のシステム構成を示すブロック図である。 本発明の実施例に対応する色分布情報ファイルのファイル書式の一例を表す図である。 本発明の実施例に対応するRGB色空間での格子点配置を表す模式図である。 本発明の実施例に対応する色解析プログラムの処理動作を表す状態遷移図である。 本発明の実施例に対応するメッセージリストを示す図である。 本発明の実施例に対応する各格子点により形成される最小の四角形を示す図である。 本発明の実施例に対応する3Dオブジェクトデータの表示の一例を示す図である。 本発明の実施例に対応する2Dオブジェクトデータの表示/非表示、表示する色相の角度指定用のユーザインタフェースを示す図である。 本発明の実施例1に対応する2Dオブジェクトデータの生成の過程を説明するための図である。 本発明の実施例1に対応する2Dオブジェクトデータの生成の過程を説明するための図である。 本発明の実施例1に対応する2Dオブジェクトデータの表示例を示す図である。 本発明の実施例1に対応する2Dオブジェクト生成処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例1に対応する2Dオブジェクトの折れ線1つ分の生成処理を示すフローチャートである。 図10のステップS1003における処理を説明するための図である。 本発明の実施例1に対応する、折れ線生成処理結果の一例をa*b*平面上に表した図である。 本発明の実施例1に対応する2Dオブジェクト表示をオンとした場合のモニタ表示の例を示す図である。 本発明の実施例1に対応する3Dオブジェクトデータの表示形態選択用のユーザインタフェースを示す図である。 本発明の実施例1に対応する3Dオブジェクトデータの一表示例を示す図である。 本発明の実施例2に対応する表示格子範囲選択用のユーザインタフェースを示す図である。 本発明の実施例2に対応する3Dオブジェクトデータの一表示例を示す図である。 本発明の実施例2に対応するRGB色空間における格子範囲を示す模式図である。 本発明の実施例2に対応する2Dオブジェクトデータの表示/非表示、表示する色相の角度指定用のユーザインタフェースを示す図である。 本発明の実施例2に対応する、ユーザに指定されたRGB値及びRGB色空間上における前記RGB値を含む色相面の関係を示す模式図である。 本発明の実施例2に対応する2Dオブジェクトデータの一表示例を示す図である。 本発明の実施例2に対応する2Dオブジェクト生成処理を示すフローチャートである。 本発明の実施例2に対応するユーザに指定されたRGB値が属する色領域を判別するための条件を示す図である。 本発明の実施例2に対応する各プライマリ色相面に対し、変化方向ベクトルを求めるためのRGBステップ、及び同色相面上のRGB値の条件を示した図である。 本発明の実施例2に対応するユーザに指定されたRGB値及び該RGB値を挟むプライマリ色相面とのRGB色空間における距離比率を説明する図である。 本発明の実施例2に対応するRGB色空間におけるBC領域、及びユーザに指定されたRGB値から算出した色相面を示す模式図である。 本発明の実施例3に対応する、L*a*b*色空間において彩度方向に離れている箇所が重なりあうように表示される場合を説明するための図である。 本発明の実施例3に対応する、明度ー彩度の関係を表す図である。

Claims (13)

  1. 色分布情報の解析を行うための色分布解析装置であって、
    2次元表示する色相の指定を受け付ける指定受付手段と、
    第1の表色系において規則的に配置された複数の標本点が第2の表色系において取り得る色座標値を含む色分布情報に基づき、前記指定された色相における第1の座標の前記第2の表色系における第1の座標値を決定する座標値決定手段と、
    前記決定された第1の座標値から前記座標の第2の表色系における第1のパラメータ及び第2のパラメータを算出する算出手段と、
    前記算出されたパラメータに基づき前記色相の2次元情報を表示する表示手段と
    を備えることを特徴とする色分布解析装置。
  2. 前記指定受付手段は、前記2次元表示する色相を前記第1の表色系における色相として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の色分布解析装置。
  3. 前記座標値決定手段は、前記第1の座標の前記第1の表色系における第2の座標値を前記規則的に配置された複数の標本点から補間演算により算出し、当該第2の座標値を前記色分布情報に基づき前記第2の表色系に変換することにより、前記第1の座標値を決定することを特徴とする請求項2に記載の色分布解析装置。
  4. 前記指定受付手段は、前記2次元表示する色相を前記第2の表色系における色相として受け付けることを特徴とする請求項1に記載の色分布解析装置。
  5. 前記座標値決定手段は、前記指定された色相を挟む2つの前記標本点の前記第2の表色系における第3の座標値を決定し、当該第3の座標値に基づいて補間演算により前記第1の座標値を決定することを特徴とする請求項4に記載の色分布解析装置。
  6. 前記第1のパラメータは、前記第2の表色系における明度を表し、前記第2のパラメータは前記第2の表色系における彩度を表すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の色分布解析装置。
  7. 前記第2の表色系は、XYZ表色系、Lab表色系、Luv表色系のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の色分布解析装置。
  8. 前記色分布情報に基づいて3次元物体表面情報を生成する物体表面構成手段と、
    前記3次元物体表面情報を疑似3次元表示する3次元表示手段とを更に備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の色分布解析装置。
  9. 前記物体表面構成手段は、前記指定された色相の面情報を含む前記3次元物体表面情報を生成することを更に特徴とする請求項8に記載の色分布解析装置。
  10. 前記3次元物体表面情報の表示形態の選択を受け付ける表示形態選択受付手段を更に有し、該表示形態選択受付手段は、前記3次元物体表面情報と前記面情報との表示形態の選択を別々に受け付けることを特徴とする請求項9に記載の色分布解析装置。
  11. 色分布情報の解析を行うための色分布解析装置の制御方法であって、
    2次元表示する色相の指定を受け付ける指定受付工程と、
    第1の表色系において規則的に配置された複数の標本点が第2の表色系において取り得る色座標値を含む色分布情報に基づき、前記指定された色相における第1の座標の前記第2の表色系における第1の座標値を決定する座標値決定工程と、
    前記決定された第1の座標値から前記座標の第2の表色系における第1のパラメータ及び第2のパラメータを算出する算出工程と、
    前記算出されたパラメータに基づき前記色相の2次元情報を表示する表示工程と
    を備えることを特徴とする色分布解析装置の制御方法。
  12. 請求項11に記載の色分布解析装置の制御方法をコンピュータに実行させるための色分布解析装置の制御プログラム。
  13. 請求項12に記載の色分布解析装置の制御プログラムを格納した、コンピュータで読み取り可能な情報記憶媒体。
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