JP2005142450A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撮像装置において、焦点距離の短い光学系を採用しやすくするとともに、小型化(薄型化)を図る。
【解決手段】 第1および第2の光学系と、複数の受光素子を配列してなる第1および第2の受光素子配列が形成されたイメージセンサーとを備え、前記第1の光学系による第1の物体像を前記第1の受光素子配列上に、前記第2の光学系による第2の物体像を前記第2の受光素子配列上に投影し、前記第1の物体像に関する信号を前記第1の受光素子配列から、前記第2の物体像に関する信号を前記第2の受光素子配列から得る撮像装置において、前記第1の受光素子配列の受光素子の光電変換部上に、前記第1の光学系からの光束を反射して該光電変換部に導く屈折率分布構造が形成されていることを特徴とする撮像装置。
【選択図】 図1


Description

本発明はデジタルスティルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、あるいは撮像機能付き携帯電話などに好適な撮像装置に関し、詳しくは、薄型の複眼撮像装置に関する。
従来、カラー画像の形成においては、R(赤色)G(緑色)B(青色)などの色フィルターを備えた受光素子をモザイク状に配列した単一の受光素子配列を用いて単眼光学素子で形成した単一の物体像を捉え、その後の信号処理で受光素子数に相当する輝度情報と色情報を作り出す撮像技術が広く用いられている。
これに対して、本出願人よって先に出願されすでに公開された特許文献1に開示の撮像装置は、複眼光学素子を利用して複数の物体像を形成し、それらに対応する複数の受光素子配列で捉え、各受光素子配列からの出力を総合して単一のカラー画像を形成する。
光学素子を凸レンズあるいは凹面鏡として、同一の画素数の画像を得る際に必要とする焦点距離を単眼光学素子の場合と複眼光学素子の場合について比較すると、複眼光学素子を用いる場合のほうが短くなる。すなわち、複眼光学素子を用いる撮像装置は薄型化に好適といえる。こういった複眼撮像装置は僅か2.5mm程度の装置厚みで1画像あたり30万画素を超えるデータを出力することができ、薄型化が求められる様々な用途に適用することが可能である。
さらに、特許文献1は、オーバーラップした光学像から所望の像のみを光電変換する小型化技術を開示している。
特開2001―078215号公報
しかしながら、上述した従来の技術は、さらなる薄型化、レジストレーションズレの解消、クロストークの除去、電子ズーム機能に対応した高画素化の点で充分なものではない。
具体的には、焦点距離の短い広角レンズを用いて光学素子の射出瞳を受光素子配列に近づけると、特に画面の周辺では光線が受光素子に対して強く斜入射するため、光電変換されない光線が増えて画像周辺部が暗くなるというシェーディングの問題がある。
超広角レンズを使用する場合や、光学素子を構成するレンズ群の像側に絞りを配置する場合は、受光素子配列から射出瞳までの距離が短くなって斜入射の度合いが増すために、画像周辺の暗化現象が特に顕著である。より薄型化するためには焦点距離を短くするのが有効な手段であるが、この問題の解決が必須となっている。
また、特開2001−78213号公報や特開2002−204462号公報に開示されているように、複眼撮像装置では視差に起因し物体距離の変動で生じるレジストレーションズレをできるだけ小さく抑える必要から、焦点距離が短い広角レンズを使用するのが好ましく、斜入射光の利用効率アップは極めて強い要求となっている。
なお、光学素子をテレセントリックの構成にすれば、斜入射の度合いを緩めることは出来るが、一般にテレセントリック光学系はレンズ構成が複雑化し、薄型化のニーズとは逆行することとなって、解決には結びつかない。
問題点の第2は物体像間のクロストークである。先行技術にあるマイクロレンズの偏芯による瞳選択機能だけでは、物体像間のクロストークを除去しきれず、本来あってはならない隣のレンズによる物体像の情報が光電変換出力に混入してしまうといった問題がある。
本発明は、このような従来の問題点に着眼してなされたもので、その第1の目的は、受光素子配列へ斜めに入射する光の利用効率を高めた薄型の複眼撮像装置を実現することである。
第2の目的は、物体像間のクロストークを充分なレベルまで除去した薄型の複眼撮像装置を実現することである。第3の目的は、物体像間のクロストークの除去効果を利用して、小型でありながら電子ズーム機能を有した複眼撮像装置を実現することである。
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1および第2の光学系と、複数の受光素子を配列してなる第1および第2の受光素子配列が形成されたイメージセンサーとを備え、前記第1の光学系による第1の物体像を前記第1の受光素子配列上に、前記第2の光学系による第2の物体像を前記第2の受光素子配列上に投影し、前記第1の物体像に関する信号を前記第1の受光素子配列から、前記第2の物体像に関する信号を前記第2の受光素子配列から得る撮像装置において、前記第1の受光素子配列の受光素子の光電変換部上には、前記第1の光学系からの光束を反射して該光電変換部に導く屈折率分布構造を形成したことを要旨とする。
上記第2の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、前記第1の受光素子配列と前記第2の受光素子配列は隣接して配置されるとともに、前記第1の受光素子配列の受光素子の光電変換部上には、前記第2の光学素子からの光線を透過して前記光電変換部への入射を阻止する屈折率分布構造を形成したことを要旨とする。
上記第3の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、前記第1の受光素子配列と前記第2の受光素子配列を前記イメージセンサー上でオーバーラップした受光領域としたことを要旨とする。
請求項1に記載の発明によれば、受光素子配列へ斜めに入射する光の利用効率を高めた薄型の複眼撮像装置を実現することが出来る。この結果、焦点距離の短い光学系を採用しやすくなって、薄型化ができるとともに、複眼に起因し物体距離の変動によって生じるレジストレーションズレを小さく抑えることが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、物体像間のクロストークを充分なレベルまで除去した薄型の複眼撮像装置を実現することができる。
請求項3に記載の発明によれば、小型でありながら電子ズーム機能を有した複眼撮像装置を実現することができる。
図1から図7は本発明による第1の実施の形態を説明するための図である。まず、図4は本実施形態の撮像装置を示す図である。図4(A)は撮像装置の平面図、図4(B)は側面図、図4(C)は撮像装置の一要素である半導体回路を形成したイメージセンサーの平面図である。図4に示す撮像装置511は複眼光学素子512とイメージセンサー503が一体化され、センサパッケージやレンズ鏡筒を必要としない構造となっている。図4(B)の上方向から光学素子512に入射した物体光が、イメージセンサー503上に複数の物体像を形成し、イメージセンサー503内の受光素子にて光電変換を行う。イメージセンサー503はCCDやCMOSセンサである。
複眼光学素子512は1枚の基板と結像作用光学系であるところの4つの凸レンズからなる板状透明体である。図中501は結像作用光学系である凸レンズ600a、600b、600c、600dを成形するための光学素子基板である。(なお、凸レンズ600b、600dは図4(B)に示す断面では現われない。)
光学素子512は平面ガラス基板である光学素子基板501の上面にレプリカ製法で樹脂製の非球面凸レンズを付加した構造となっている。他に凸レンズ部を樹脂としたインジェクション成形、コンプレッション成形等の手法で基板と一体に形成する方法も選択し得る。
光学素子基板501の下面には不図示の絞り遮光層と赤外線カットフィルターが形成されている。絞り開口の光軸方向の位置は光学系の軸外主光線を決定するもので、諸収差を制御する上で絞り位置は極めて重要である。物体側に凸のレンズからなる結像作用部にあっては、近似球面の中心付近に絞りを置くと光学諸収差を良好に補正できる。
イメージセンサー503上には光学素子512によって4つの物体像が形成され、これがイメージセンサー上に設けられた4つの受光素子配列820a、820b、820c、820dで光電変換され、電気信号として捉えられる。図4(C)に示す受光素子配列820a、820b、820c、820dは多数の受光素子を二次元方向に並べた配列である。この4つの受光素子配列には緑色透過(G)フィルター、赤色透過(R)フィルター、青色透過(B)フィルター、更に緑色透過(G)フィルターが形成され、3原色に色分解された4つの画像を取り出すことができる。
イメージセンサー503と光学素子512との距離は透明ガラス製のスペーサ522と光学素子512を接着している熱紫外線硬化型エポキシ樹脂の厚さによって調整する。スペーサ522とイメージセンサー503間には開口517aを有するTABフィルム517を挟み込み、金バンプを介してイメージセンサーとTABフィルム517とを電気的に接続する。さらにTABフィルム517は不図示の外部の電気回路と接続される。
受光素子配列を被写体上に逆投影した時の受光素子像の位置関係は、受光素子配列820a、820b、820c、820dの各受光素子の空間的な位相が配列間でずれた形となり、被写体上ではベイヤー配列のカラーフィルターを持った撮像素子と同等のサンプリングを行うこととなる。
単一の撮影レンズを用いる撮像系との比較において、受光素子ピッチを固定して考えると、イメージセンサー上に2行2列の受光素子を一組として原色カラーフィルターを形成したベイヤー配列方式に比較し、この複眼方式は物体像の大きさが1/√4になる。これに伴って撮影レンズの焦点距離はおよそ1/√4=1/2にまで短くできる。したがって、カメラの薄型化に対して極めて有利である。
次に、図1から図3および図5を用いて受光素子の構造について説明する。図5は図4(C)に示したイメージセンサーの詳細平面図である。
図5において、820a、820b、820c、820dは受光素子配列であって、説明のために各受光素子配列は5行7列の35受光素子としてある。実際には500行700列程度の配列にして解像度を高め、光精細な画像を得る。なお、受光素子配列820a、820b、820c、820dを囲んでいる破線は配列の位置についての理解を助けるためのもので、実際にイメージセンサー上に描かれているわけではない。101は受光素子の表面にあるマイクロレンズ、102はマイクロレンズ101の奥に位置する高屈折率層である。マイクロレンズ101はこの方向の平面図で見るとほぼ正方形であるが、その立体構造は軸対称型の凸型非球面を正方形に切り出した形状となっている。
また、マイクロレンズの光軸はこの正方形の中心にあり、これに対して高屈折率層102は各受光素子配列の中心から離れるほど大きく偏芯している。これは、光学素子からの光束を効率よく光電変換部に導くためである。後述するように、この受光素子は光学素子からの光束を反射して光電変換部に導く屈折率分布構造を持っているので、マイクロレンズの偏芯に関する製造誤差の許容量を大きくすることができている。
さらに、514は受光素子配列820a、820b、820c、820dからの出力信号をデジタル信号に変換するAD変換回路、515は受光素子配列820a、820b、820c、820dの光電変換動作のタイミング信号を生成するタイミングジェネレータ、516は画像処理回路である。受光素子をCMOSセンサとすれば、半導体チップ503にこれらの回路を搭載するのは容易である。
図1、図2および図3はそれぞれ図4(C)に示す受光素子列113、111、112の拡大断面図である。受光素子列111は中央部の、受光素子列113は周辺部の、受光素子列112は受光素子列111と受光素子列113の中間位置での連続する4つの受光素子を受光素子配列820bから抽出した。
図1、図2および図3において、103はシリコン基板、104はシリコン基板上に形成された光電変換部、107は各受光素子の電荷蓄積動作や信号読み出し動作を制御するためのアルミニウム配線、101は前述したマイクロレンズ、108はマイクロレンズ101の光軸、105は所定の色成分を透過させるカラーフィルター、106は低屈折率層、102は低屈折率層106とともに屈折率分布構造を形成する高屈折率層である。光電変換部104が広ければ、受光素子に斜入射する光も捉えやすいが、CMOSやCCDを駆動するための回路部分があるために充分に大きくすることは難しい。
各構成要素の材質と屈折率は、次のとおりである。
・マイクロレンズ101 ・・・樹脂:1.58
・カラーフィルター105 ・・・樹脂:1.5
・低屈折率層106 ・・・SiO2:1.46
・高屈折率層102 ・・・Si34:2.0
マイクロレンズ101は光電変換部104への集光効率を高めるためのもので、この構造の受光素子に於いては高屈折率層102の中央部付近に焦点を有している。したがって、光学素子512の凸レンズ600bを射出した光束はマイクロレンズ101の作用で高屈折率層102の内部に凸レンズ600bの瞳像を形成する。
また、高屈折率層102は低屈折率層106によって周囲を覆われており、高屈折率層102から低屈折率層106との界面に臨界角を超えて入射した光は全反射する。
高屈折率層102を低屈折率層106取り囲んだ屈折率構造は、一旦アルミニウム配線107を十分覆う高さまでフラットに形成したSiO2を四角柱状に部分的にエッチングで除去した後、そこにSi34を埋め込み、さらに平滑化してその上にSiO2層を乗せるといった方法で作製する。
更に、図1および図3に示すように、マイクロレンズ101とカラーフィルター105は光電変換部104に対して偏芯した配置がとられ、その偏芯量は各受光素子配列820a、820b、820c、820dの中央でゼロで、周辺に行くほど大きくなるように設定されている。偏芯方向は各受光素子配列820a、820b、820c、820dの中央の点と各光電変換部とを結ぶ線分の方向である。
図6と図7は受光素子へ入射する光の挙動を説明するための図で、図6は図2に示した受光素子の一つを抜き出した図、図7は図1に示した受光素子の一つを抜き出した図である。
図6において119と120は凸レンズ600bの瞳の周辺を発して受光素子117に入射する光線である。受光素子117は受光素子配列820bの中央部に位置し、凸レンズ600bが形成するイメージサークルの中心であるため、光線119と光線120は光軸108に対して等しい角度だけ逆方向に倒れている。また、光線119と光線120は高屈折率層102内の領域123と領域124で瞳端部の像を形成し、そのあと拡がりながら光電変換部104に入射して、電気信号に変換される。
一方、図7において121と122は凸レンズ600bの瞳の周辺を発して受光素子118に入射する光線である。受光素子118は受光素子配列820bの周辺部に位置し、凸レンズ600bが形成するイメージサークルの周辺であるため、光線121と光線122は光軸108に対して異なる角度だけ傾いている。また、光線121と光線122は高屈折率層102内の領域125と領域126で瞳端部の像を形成する。そのあと拡がりながら、一部は高屈折率層102と低屈折率層106の界面の領域127で全反射し、低屈折率層106に抜けることなく極めて効率よく光電変換部104に入射して、電気信号に変換される。このような屈折率分布構造によれば、光電変換部の面積が拡大されたのと等価となるので、受光素子配列へ斜めに入射する光の利用効率が極めて高い。
受光素子配列へ斜めに入射する光を有効に利用できる性質を活用すると、焦点距離の短い光学系の採用によるより薄型の複眼撮像装置を実現することが出来る。また、複眼に起因し物体距離の変動によって生じるレジストレーションズレを小さく抑えることも可能である。
なお、低屈折率層と高屈折率層の境界は、必ずしも屈折率がステップ的に切り換わっている必要は無く、勾配を持って切り換わっていても良い。
図8から図15を用いて第2の実施の形態の受光素子構造について説明する。
図11は図4(C)に示したイメージセンサーの他の形態を示す詳細平面図である。
図11において、820a、820b、820c、820dは受光素子配列であって、説明のために各受光素子配列は5行7列の35受光素子としてあるが、実際には500行700列程度の配列にして解像度を高める。なお、受光素子配列820a、820b、820c、820dを囲んでいる破線は配列の位置についての理解を助けるためのもので、実際にイメージセンサー上に描かれているわけではない。
201は受光素子の表面にあるマイクロレンズ、202はマイクロレンズ201の奥に位置する高屈折率層である。マイクロレンズ201はこの方向の平面図で見るとほぼ正方形であるが、その立体構造は軸対称型の凸型非球面を正方形に切り出した形状となっている。
また、マイクロレンズの光軸はこの正方形の中心にあり、これに対して高屈折率層202は各受光素子配列の中心から離れるほど大きく偏芯している。これは、光学素子からの光束を効率よく光電変換部に導くためである。後述するように、この受光素子は光学素子からの光束を反射して光電変換部に導く屈折率分布構造を持っているので、マイクロレンズの偏芯に関する製造誤差の許容量が大きいく、製造が容易である。
図8、図9および図10はそれぞれ図4(C)に示す受光素子列113、111、112の他の形態を示す拡大断面図である。受光素子列111は中央部の、受光素子列113は周辺部の、受光素子列112は受光素子列111と受光素子列113の中間の位置の連続する4つの受光素子を受光素子配列820bから抽出した。
図8、図9および図10において、203はシリコン基板、204はシリコン基板上に形成された光電変換部、207は各受光素子の電荷蓄積動作や信号読み出し動作を制御するためのアルミニウム配線、201は前述したマイクロレンズ、208はマイクロレンズ201の光軸、205は所定の色成分を透過させるカラーフィルター、206は低屈折率層、202は低屈折率層206とともに屈折率分布構造を形成する高屈折率層である。
各構成要素の材質と屈折率は、第1の実施の形態と同じである。マイクロレンズ201は光電変換部204への集光効率を高めるためのもので、この構造の受光素子に於いては高屈折率層202の中央部付近に焦点を有している。したがって、光学素子512の凸レンズ600bを射出した光束はマイクロレンズ201の作用で高屈折率層202の内部に凸レンズ600bの瞳像を形成する。
また、高屈折率層202は低屈折率層206によって周囲を覆われており、高屈折率層202から低屈折率層206との界面に臨界角を超えて入射した光は全反射する。ここで、第1の実施の形態と大きく異なるのは、高屈折率層202と低屈折率層206の界面に斜面251、252、253、254、255を有することである。斜面251、252、253、254、255の傾斜角度は全て同一であるが、その大きさは受光素子の位置によって連続的に変化する。後述するように、傾斜角度は物体像のクロストークを防ぐに適切な角度である。
高屈折率層202を低屈折率層206取り囲んだ屈折率構造は、一旦アルミニウム配線207を十分覆う高さまでフラットに形成したSiO2を四角柱状に部分的にエッチングで除去し、さらに斜面251、252、253、254、255をエッチングで形成した後、そこにSi34を埋め込み、平滑化してその上にSiO2層を乗せるといった方法で作製する。この際、斜面251、252、253、254、255の角度は同一にしてあるので、エッチング用レジストと被エッチング物質であるSiO2とのエッチング選択比を適切に設定することによって一度に製作することができる。
図14は斜面251、252、253、254、255の様子を説明するための模式図である。図14は受光素子配列820bの拡大図であって、受光素子217、218、219を用いて、それぞれ中央部、光軸260から離れた周辺部、光軸260からやや離れた中間部の受光素子を代表させている。
図において260は凸レンズ600bの光軸である。また、黒く塗りつぶした正方形は高屈折率層のストレート部である。高屈折率層のストレート部は各受光素子の光電変換部に対して一定の位置関係で配置されている。このストレート部の上方には斜面251、252、253、254、255などで構成されるテーパー部が接続されており、ここにマイクロレンズを通過した光束を取り込む。
図15はテーパー部の形状の理解を助けるための図であって、図14にて220で示した受光素子の高屈折率層202を矢印A方向から俯瞰した斜視図である。テーパー部は基本的に4つの面よりなるが、受光素子220は配列の端部に位置するために、1つのテーパー面はなくなっている。原点が図14の光軸260を通る配列方向の直交座標系としてX軸とY軸を設定したときに、各受光素子の斜面のうちX軸あるいはY軸に近い位置の斜面の大きさは一定である。一方、各受光素子のX軸あるいはY軸から遠い位置の斜面の大きさは、X軸あるいはY軸からの距離が大きくなるほど小さくなるように構成し、光線の反射に寄与する面が画面周辺の受光素子ほど大きくなるようにしている。
なお、テーパー部を構成する4つの面が交差する稜線をここではエッジとしてあるが、角部を滑らかに丸めてあっても良い。更に、図8および図10に示すように、マイクロレンズ201とカラーフィルター205は光電変換部204に対して偏芯した配置がとられ、その偏芯量は各受光素子配列820a、820b、820c、820dの中央でゼロで、周辺に行くほど大きくなるように設定されている。偏芯方向は各受光素子配列820a、820b、820c、820dの中央の点と各光電変換部とを結ぶ線分の方向である。
図12と図13は受光素子へ入射する光の挙動を説明するための図で、図12は図9に示した受光素子の一つを抜き出した図、図13は図8に示した受光素子の一つを抜き出した図である。
図12において219と220は凸レンズ600bの瞳の周辺を発して受光素子217に入射する光線である。受光素子217は受光素子配列820bの中央部に位置し、凸レンズ600bが形成するイメージサークルの中心であるため、光線219と光線220は光軸208に対して等しい角度だけ逆方向に倒れている。また、光線219と光線220は高屈折率層202内の領域223と領域224で瞳端部の像を形成し、そのあと拡がりながら光電変換部204に入射して、電気信号に変換される。
一方、図13において221と222は凸レンズ600bの瞳の周辺を発して受光素子218に入射する光線である。受光素子218は受光素子配列820bの周辺部に位置し、凸レンズ600bが形成するイメージサークルの周辺であるため、光線221と光線222は光軸208に対して異なる角度だけ傾いている。また、光線221と光線222は高屈折率層202内の領域225と領域226で瞳端部の像を形成する。そのあとは拡がりながら、一部は高屈折率層202と低屈折率層206の界面の領域227で全反射し、低屈折率層206に進入することなく極めて効率よく光電変換部204に入射して、電気信号に変換される。
画面の周辺部の受光素子ほど全反射に寄与する領域227が広く必要となるので、確実に全反射させて光の利用効率を高めるために、凸レンズ600bの光軸260から離れるほど斜面の面積は少なく、逆にストレート部が多くなっている。
次に、同図を用いて高屈折率層202と低屈折率層206の界面に形成した斜面の機能について説明する。光線261は凸レンズ600bに隣接する凸レンズ600aから射出した光線である。本来、凸レンズ600aから射出した光線は受光素子配列820aで光電変換されるべきであって、これが受光素子配列820b内の受光素子で光電変換されると、隣のレンズからの物体像情報の混入となって、好ましくない。
マイクロレンズ201から入射した光線261はカラーフィルター205を透過し、低屈折率層206を経由して高屈折率層202に至り、高屈折率層202と低屈折率層206の界面に形成した斜面255に入射する。斜面255は光線261を全反射しない角度に設定してあるために、光線261は低屈折率層206側に侵入し、アルミニウム配線207などで反射して光電変換部204に入射することは無い。したがって、凸レンズ600bからの光の利用効率を損なうことなく、物体像間のクロストークを充分なレベルで防ぐことが可能であり、高品位な画像を得ることができる。
第2の実施の形態に示したクロストークの除去特性を利用すると、撮像装置に電子ズーム機能を付加することができる。図16と図17は、図4(C)に示したイメージセンサーの受光素子ピッチを縮小して高画素化し、電子ズーム機能に対応させたものである。ここで電子ズーム機能は、出力画素数を固定した状態で画角を可変にしている。出力画素数を固定するのは、この撮像装置で捉えた画像を携帯電話などを介して伝送する際に、画角に係わらずほぼ一定のデータ量になる方が便利なためである。
図16に戻って、イメージセンサー303には13に分割された受光領域があり、各受光素子には緑色透過(G)フィルター、赤色透過(R)フィルター、青色透過(B)フィルターの何れかが設けられている。受光素子配列はこれらの受光領域の組み合わせで構成される。イメージセンサー303に光学像を投影する光学素子は図4(A)、(B)に示した複眼光学素子512を用いることができる。
各領域に付した記号の意味合いは次のとおりである。
G ・・・・・・・ 緑色透過(G)フィルターを備えた受光領域
R ・・・・・・・ 赤色透過(R)フィルターを備えた受光領域
B ・・・・・・・ 青色透過(B)フィルターを備えた受光領域
1、2 ・・・・・・・ 1は凸レンズ600aが形成する物体像を光電変換し、
2は凸レンズ600dが形成する物体像を光電変換することを
表す属性
H ・・・・・・・ 受光素子が密に配列されていることを表す属性
L ・・・・・・・ Hの領域の1/4の密度で受光素子が配列されていることを
表す属性
ハイフン ・・・ −で連結した受光領域がオーバーラップしていることを表す。
このような記号の意味合いにしたがって、例えば、「G1L−BL」は、配列密度が1/4のGフィルターを備えたG1受光領域と、配列密度が1/4のBフィルターを備えたB受光領域とがオーバーラップし、全体として1/2密度で画素が配列されている領域であることを表す。
画角を狭く設定した状態、すなわち、望遠状態では、イメージセンサー303上のG1H領域、RH領域、BH領域、G2H領域が使用される。いずれも異種のカラーフィルターがオーバーラップした領域ではなく、しかも、受光素子は密に配列されているので、この状態では第1および第2の実施の形態と同様の動作となる。
一方、画角を広く設定した広角状態では、イメージセンサー303上の全領域が使用される。第1の実施の形態に示した受光素子配列820aに相当する受光素子配列320aは、
・G1H領域のうちの1/4密度
・G1L領域
・G1L−RL領域のうちのG1受光素子のみ
・G1L−BL領域のうちのG1受光素子のみ
・G1L−G2L−RL−BL領域のうちのG1受光素子のみ
で構成される。
受光素子配列820bに相当する受光素子配列320bは、
・BH領域のうちの1/4密度
・BL領域
・G2L−BL領域のうちのB受光素子のみ
・G1L−BL領域のうちのB受光素子のみ
・G1L−G2L−RL−BL領域のうちのB受光素子のみ
で構成される。
受光素子配列820cに相当する受光素子配列320cは、
・RH領域のうちの1/4密度
・RL領域
・G1L−RL領域のうちのR受光素子のみ
・G2L−RL領域のうちのR受光素子のみ
・G1L−G2L−RL−BL領域のうちのR受光素子のみ
で構成される。
受光素子配列820dに相当する受光素子配列320dは、
・G2H領域のうちの1/4密度
・G2L領域
・G2L−BL領域のうちのG2受光素子のみ
・G2L−RL領域のうちのG2受光素子のみ
・G1L−G2L−RL−BL領域のうちのG2受光素子のみ
で構成される。
以上の受光領域の組み合わせを整理して示したのが、図17である。なお、簡単のために、320aのみにハッチングを付した。このように、4つの受光素子配列は互いにオーバーラップしているが、第2の実施の形態で説明した技術を用いて各受光素子が隣のレンズからの光線を受光しないようにしてあるので、RGBの各色を分離した画像を出力することができる。この結果、オーバーラップ分だけ面積を縮小したイメージセンサーで複眼撮像装置を実現することができ、小型化が図れる。しかも、イメージセンサーの1ウエハからの収量が増すので低コストである。
さらには、オーバーラップが寄与して複眼光学素子のレンズ間隔を広げずに済むため、距離に依存するレジストレーションズレの発生を抑えることができる。
受光素子列の拡大断面図である。 受光素子列の拡大断面図である。 受光素子列の拡大断面図である。 図4(A)は撮像装置の平面図、図4(B)は側面図、図4(C)は撮像装置の一要素である半導体回路を形成したイメージセンサーの平面図である。 イメージセンサーの詳細平面図である。 図2に示した受光素子の一つを抜き出した図である。 図1に示した受光素子の一つを抜き出した図である。 受光素子列の他の形態を示す拡大断面図である。 受光素子列の他の形態を示す拡大断面図である。 受光素子列の他の形態を示す拡大断面図である。 イメージセンサーの他の形態を示す詳細平面図である。 図9に示した受光素子の一つを抜き出した図である。 図8に示した受光素子の一つを抜き出した図である。 斜面251、252、253、254、255の状態を説明するための模式図である。 テーパー部の斜視図。 電子ズーム機能を付加したときのイメージセンサーの平面図である。 電子ズーム機能を付加したときのイメージセンサーの平面図である。
符号の説明
102・・・高屈折率層
106・・・低屈折率層
512・・・光学素子

Claims (3)

  1. 第1および第2の光学系と、複数の受光素子を配列してなる第1および第2の受光素子配列が形成されたイメージセンサーとを備え、前記第1の光学系による第1の物体像を前記第1の受光素子配列上に、前記第2の光学系による第2の物体像を前記第2の受光素子配列上に投影し、前記第1の物体像に関する信号を前記第1の受光素子配列から、前記第2の物体像に関する信号を前記第2の受光素子配列から得る撮像装置において、
    前記第1の受光素子配列の受光素子の光電変換部上に、前記第1の光学系からの光束を反射して該光電変換部に導く屈折率分布構造が形成されていることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第1の受光素子配列と前記第2の受光素子配列は隣接して配置されるとともに、前記第1の受光素子配列の受光素子の光電変換部上には、前記第2の光学素子からの光線を透過して前記光電変換部への入射を阻止する屈折率分布構造が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1の受光素子配列と前記第2の受光素子配列は前記イメージセンサー上でオーバーラップした受光領域であることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。

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