JP2005131071A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
磁気共鳴イメージング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005131071A JP2005131071A JP2003370047A JP2003370047A JP2005131071A JP 2005131071 A JP2005131071 A JP 2005131071A JP 2003370047 A JP2003370047 A JP 2003370047A JP 2003370047 A JP2003370047 A JP 2003370047A JP 2005131071 A JP2005131071 A JP 2005131071A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image
- measurement
- measurement image
- magnetic resonance
- main measurement
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
Abstract
【課題】 MRI装置において、体動によるアーチファクトを低減した断層画像を取得する。
【解決手段】 テスト計測で基準となる位置情報を含む形態画像を撮像し、その位置情報と本計測で撮像する画像から補正画像を求める処理を繰り返して、本計測画像における体動アーチファクトを徐々に低減していき、この補正画像を体動アーチファクトの低減された本計測画像に近づけていく。
【選択図】 図6
【解決手段】 テスト計測で基準となる位置情報を含む形態画像を撮像し、その位置情報と本計測で撮像する画像から補正画像を求める処理を繰り返して、本計測画像における体動アーチファクトを徐々に低減していき、この補正画像を体動アーチファクトの低減された本計測画像に近づけていく。
【選択図】 図6
Description
本発明は、核磁気共鳴(以下、NMRと略記する)現象を用いて被検体の所望の断層画像を撮像する磁気共鳴イメージング(以下、MRIという)装置に関し、特に被検体の体動によって画像上に発生するアーチファクトを低減する技術に関する。
MRI装置において、被検体の1枚の断層画像を撮像するのに必要な時間は、一般的に数十msec〜数分程度となる。そのため、撮像時間が長い場合には被検体の心臓の拍動や血流、或いは呼吸や随意な体動が計測するNMR信号(エコー信号)に変動をもたらし、この変動が原因となって断層画像上において位相エンコード方向にゴーストアーチファクトや縞状のアーチファクトを発生させて画質を劣化させてしまう。
この体動による断層画像上のアーチファクトの低減技術として以下の公知技術があり、それぞれ長所・短所を持っている。
例えば、血流に対してはプリサチュレーションパルス(特許文献1)の印加によって血流からの信号を事前に飽和させる方法がある。また、心臓の拍動に対してはエコープラナー(以下、EPIと略記する)法(特許文献2)などの超高速撮像法により被検体の体動が無視できる時間内に画像再構成に必要なエコーデータを収集してしまう方法や、同期計測によって同じタイミングでエコーデータを収集することによって見かけ上拍動が無いようにする方法がある。また、呼吸に対しては同期計測によって見かけ上呼吸が無いようにする方法やグラディエントエコー(以下、GEと略記する)法(特許文献3)などの高速撮像法を用いて数秒から数十秒の息止めによる体動低減方法がある。また、呼吸や体の随意運動に対しては被検体を強固に固定して動かないようにする方法もよく実施される。
例えば、血流に対してはプリサチュレーションパルス(特許文献1)の印加によって血流からの信号を事前に飽和させる方法がある。また、心臓の拍動に対してはエコープラナー(以下、EPIと略記する)法(特許文献2)などの超高速撮像法により被検体の体動が無視できる時間内に画像再構成に必要なエコーデータを収集してしまう方法や、同期計測によって同じタイミングでエコーデータを収集することによって見かけ上拍動が無いようにする方法がある。また、呼吸に対しては同期計測によって見かけ上呼吸が無いようにする方法やグラディエントエコー(以下、GEと略記する)法(特許文献3)などの高速撮像法を用いて数秒から数十秒の息止めによる体動低減方法がある。また、呼吸や体の随意運動に対しては被検体を強固に固定して動かないようにする方法もよく実施される。
上記体動による断層画像上のアーチファクトの低減技術に関しては、それぞれ以下の様な問題点がある。即ち、高速・超高速撮像法によるエコーデータ収集方法は、時間分解能が向上するが高速で撮像するための条件設定からS/N比、空間分解能が低下するのが一般的である。また、同期によるエコーデータ収集方法は、高速・超高速撮像法と比較して、空間分解能やS/N比が向上するが時間分解能が低下し、同期をとりながら計測を行うため撮像時間が延長される。また、プリサチュレーションパルス印加方法は、同期による計測と同様に、撮像時間が延長される。また、息止めによる計測方法は数秒から数十秒間息を止めていなければならないため、被検体に対して負担が大きく、息止めが不可能な場合もある。また、被検体を強固に固定する方法は、被検体を圧迫してしまい、被検体に対する負担が大きい。
上記説明の様に、いずれのアーチファクト低減方法においても、一方の長所が他方の短所になっている場合が多く、すべての長所を兼ね備えたアーチファクト低減法は知られていない。また、それぞれの公知技術の長所を融合してアーチファクトを低減する方法もなく、上記公知文献のいずれにおいてもその点に関する記載は無い。
そこで、本発明は上記それぞれのアーチファクト低減技術を合わせて使用することにより、それぞれの技術の長所を活用して体動によるアーチファクトを低減する技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のMRI装置は以下の様に構成される。
本発明の第1の実施態様は、被検体の断層画像を撮像するためのパルスシーケンスを制御するシーケンス制御手段を備えたMRI装置において、
前記被検体の所望の断面の形態情報を含む画像を短時間で撮像して体動アーチファクトの無いテスト計測画像を撮像する手段と、
前記所望の断面を高空間分解能で撮像して本計測画像を撮像する手段と、
前記テスト計測画像と前記本計測画像との間で補間画像を取得することにより該本計測画像における体動アーチファクトを低減する手段を備える。
本発明の第1の実施態様は、被検体の断層画像を撮像するためのパルスシーケンスを制御するシーケンス制御手段を備えたMRI装置において、
前記被検体の所望の断面の形態情報を含む画像を短時間で撮像して体動アーチファクトの無いテスト計測画像を撮像する手段と、
前記所望の断面を高空間分解能で撮像して本計測画像を撮像する手段と、
前記テスト計測画像と前記本計測画像との間で補間画像を取得することにより該本計測画像における体動アーチファクトを低減する手段を備える。
この構成により、短時間で体動アーチファクトの無い形態画像であるテスト計測画像を撮像し、その後で、通常シーケンスで高空間分解能,高コントラスト,高S/N比の本計測画像を撮像し、本計測画像における体動アーチファクトを相互の画像データを使用した補間処理によって低減することができるので、体動アーチファクトの低減された高空間分解能,高コントラスト,高S/N比の画像を取得することができる。
また、本発明の好ましい第2の実施態様は、前記第1の実施態様のMRI装置において、前記補間画像は、前記テスト計測画像と前記本計測画像との間で相互に対応する2点の座標値の算術平均を座標値とする座標点における画素値を、前記相互に対応する点におけるそれぞれの画素値の算術平均とする。
この構成により、補間画像はテスト計測画像と本計測画像の相互に対応する点同士の補間(相互の算術平均)により作成されるので、高空間分解能,高コントラスト,高S/N比を持つ本計測画像とアーチファクトの無い形態情報をもつテスト計測画像に両方の良い点を引き継いで補間画像が作成される。その結果、補間画像においては、高空間分解能,高コントラスト,高S/N比を合わせ持ちながら体動アーチファクトの低減された画像となる。
また、本発明の好ましい第3の実施態様は、前記第2の実施態様のMRI装置において、前記補正画像を取得する手段は、前記補間画像を前記本計測画像とみなして再度補間画像を取得する処理を繰り返して、該本計測画像における体動アーチファクトが低減された補正画像を取得する。
この構成により、テスト計測画像と本計測画像との間で実質的な体動アーチファクトを低減する補間処理が連続的に適用されるので、最終的な補正画像においては、体動アーチファクトが低減された本計測画像、つまり、高空間分解能,高コントラスト,高S/N比を合わせ持ちながらより体動アーチファクトの低減された画像を取得することができる。
本発明は、以上説明したように、体動(血流,拍動,呼吸など)アーチファクトの無い形態画像を使用して、通常シーケンスで撮像した断層画像における体動アーチファクトを低減した補正画像を推定することにより、体動アーチファクトの低減された断層画像を取得することができる。また、高速、超高速の撮像法では一般に低下してしまうS/N比や空間分解能を、通常シーケンスで撮像した画像から体動アーチファクトの低減された補正画像を求めることにより、S/N比や空間分解能の高い画像を取得することができる。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
はじめに、本発明を適用するMRI装置の概略を説明する。
図1は本発明を適用するMRI装置の一実施形態に関する全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、MRI装置は静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えて構成される。
図1は本発明を適用するMRI装置の一実施形態に関する全体構成を示すブロック図である。このMRI装置は、NMR現象を利用して被検体の断層画像を得るもので、図1に示すように、MRI装置は静磁場発生系2と、傾斜磁場発生系3と、送信系5と、受信系6と、信号処理系7と、シーケンサ4と、中央処理装置(CPU)8とを備えて構成される。
静磁場発生系2は、被検体1の周りの空間にその体軸方向(水平磁場方式)または体軸と直交する方向(垂直磁場方式)に均一な静磁場を発生させるもので、被検体1の周りに永久磁石方式、常電導方式あるいは超電導方式の静磁場発生源が配置されている。
傾斜磁場発生系3は、X,Y,Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場コイル9と、それぞれの傾斜磁場コイル9を駆動する傾斜磁場電源10とから成り、後述のシ−ケンサ4からの命令に従ってそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動することにより、X,Y,Zの3軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,Gzを被検体1に印加する。より具体的には、X,Y,Zのいずれかの1方向にスライス方向傾斜磁場パルス(Gs)を印加して被検体1に対するスライス面を設定し、残り2つの方向に位相エンコード方向傾斜磁場パルス(Gp)と周波数エンコード方向傾斜磁場パルス(Gf)を印加して、エコー信号にそれぞれの方向の位置情報をエンコードする。
シーケンサ4は、高周波磁場パルス(以下、「RFパルス」という)と傾斜磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印加する制御手段で、CPU8の制御で動作し、被検体1の断層画像のデータ収集に必要な種々の命令を送信系5、傾斜磁場発生系3、および受信系6に送る。さらに本発明のMRI装置では、シーケンサ4はRFパルスの出力を変化させながら計測できる手段を備える。
送信系5は、被検体1の生体組織を構成する原子の原子核スピンに核磁気共鳴を起こさせるためにRFパルスを照射するもので、高周波発振器11と変調器12と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14aとから成る。高周波発振器11から出力された高周波パルスをシーケンサ4からの指令によるタイミングで変調器12により振幅変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高周波コイル14aに供給することにより、RFパルスが被検体1に照射される。
受信系6は、被検体1の生体組織を構成する原子核スピンの核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波コイル14bと信号増幅器15と直交位相検波器16と、A/D変換器17とから成る。送信側の高周波コイル14aから照射された電磁波によって誘起される被検体1の応答のNMR信号が被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検出され、信号増幅器15で増幅された後、シーケンサ4からの指令によるタイミングで直交位相検波器16により直交する二系統の信号に分割され、それぞれがA/D変換器17でディジタル量に変換されて、信号処理系7に送られる。
信号処理系7は、光ディスク19、磁気ディスク18等の外部記憶装置と、CRT等からなるディスプレイ20とを有し、受信系6からのデータがCPU8に入力されると、CPU8が信号処理、画像再構成等の処理を実行し、その結果である被検体1の断層画像をディスプレイ20に表示すると共に、外部記憶装置の磁気ディスク18等に記録する。
なお、図1において、送信側の高周波コイル14と傾斜磁場コイル9は、被検体1が挿入される静磁場発生系2の静磁場空間内に被検体1に対向して設置されている。また、受信側の高周波コイル14bは、被検体1に対向して、或いは取り囲むように設置されている。現在MRI装置の撮像対象核種は、臨床で普及しているものとしては、被検体の主たる構成物質である水素原子核(プロトン)である。プロトン密度の空間分布や、励起状態の緩和時間の空間分布に関する情報を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または、機能を2次元もしくは3次元的に撮像する。
次に本発明について説明する。本発明は、テスト計測で基準となる位置情報を含む形態画像(以下、テスト計測画像と略記する)を撮像し、その位置情報と本計測で撮像する画像(以下、本計測画像と略記する)から補正画像を求める処理を繰り返して本計測画像におけるアーチファクトを徐々に低減していき、この補正画像をアーチファクトの低減された本計測画像に近づけていく処理を実施する手段を前記MRI装置に備えるものである。
本発明は、特に体動アーチファクトの低減に有効である。
本発明は、特に体動アーチファクトの低減に有効である。
テスト計測において、本計測で撮像する画像の基準となる位置情報を含む形態画像を撮像した後に本計測を行う例を図4に示す。テスト計測404内でアーチファクトを抑制するために必要なテスト計測画像を、GE法などの高速撮像法、あるいはEPI法などの超高速撮像法により各スライス計測する。図4では、テスト計測404において基準となる位置情報を含む形態画像を撮像するだけのために、テスト計測時間406内にスライス1(407-1)〜スライスX(407-x)をGE法やEPI法によりそれぞれ撮像している。これにより、テスト計測画像においては、短時間で体動アーチファクトの無い画像を取得する。
その後に本計測403で各スライス計測する。この本計測では、心拍等の体動に関係なくエコーデータを収集する。図4では、本計測400において本計測時間401内にスライス1(403-1)〜スライスX(403-x)をそれぞれ撮像している。ここでテスト計測404と本計測400で同じスライスをそれぞれ撮像する。つまり、スライス1(403-1)とスライス1(407-1)は同じスライス位置であり、他も同様である。これにより、本計測画像においては、体動アーチファクトが発生するが、高空間分解能でS/N比の良い断層画像を撮像することができる。また、本計測中には同期等を行わないので撮像時間の延長がなくなり、撮像時間が短縮されることでより多くのエコーデータを収集することが可能となる。そして、スライス毎にテスト計測画像と本計測画像を再構成した後に、スライス毎に本発明の体動アーチファクト低減処理を適用して、体動アーチファクトの無い補正画像を求めて本計測画像を推定する。
この補正処理の処理手順の一例を図6に示す。ステップS601でテスト計測を行い、テスト計測画像を撮像する。次に、ステップS602で本計測により本計測画像を撮像する。テスト計測画像と本計測画像の撮像は時間的に連続している方が望ましい。次にステップS603でテスト計測画像と本計測画像のマッチングを行う。これは、テスト計測画像と本計測画像との間で互いに対応する点を求める処理である。次に、テスト計測画像と本計測画像から補正画像を求める処理に移るが、これは以下に説明する繰り返し処理であるので、最初にステップS604でテスト計測画像を基準画像とし、本計測画像を補正画像の初期値とする。次にステップS605で補正画像とテスト計測画像から公知の補間処理によって補間画像を求め、これで補正画像を更新する。ステップS606,S607でこの補間処理を所定の回数繰り返し、最終的にアーチファクトの低減された補正画像を取得する。以下、これらの各ステップの処理を詳細に説明する。
最初にステップS601のテスト計測画像の撮像について説明する。このテスト計測画像は高い空間分解能とコントラスト及びS/N比は必要なく、短時間でアーチファクトの無い形態画像を取得することが主目的であるため、空間分解能やコントラスト及びS/N比を多少犠牲にしてでも画像に体動アーチファクトがなるべく発生しない方法で撮像することが望ましい。例えば、公知のGE法又はEPI法等の高速又は超高速パルスシーケンスを用いることが出来る。さらにこれらのパルスシーケンスに公知のプリサチュレーションパルスを追加して血流アーチファクトを低減する様にしてもよい。撮像された画像は、例えば磁気ディスク18に一時記憶しておく。
次にステップS602の本計測画像の撮像について説明する。この本計測画像は、画像の空間分解能及びコントラスト及びS/N比に関して充分な診断能を持たせて取得することが主目的であるため、例えば高空間分解能の高速スピンエコー(以下、FSEと略記する)法を用いることができる。この際、本発明の特徴であるアーチファクトの無い補正画像を最終的に取得することができるので、この本計測画像の撮像においてはプリサチュレーションパルスや心電・体動同期等を行うことなく心臓の拍動や体動を無視して撮像してもよい。これにより本計測画像の撮像において体動等に基づくアーチファクトを低減するための手法を適用しなくてもよくなり、無用な撮像時間の延長をなくすことができる。撮像された画像は、例えば磁気ディスク18に一時記憶しておく。
次にステップS603の画像マッチングについて説明する。これは、テスト計測画像と本計測画像との間で互いに対応する点を求める処理で、例えば、公知のDPマッチングや弛緩法[非特許文献1]により行うことができる。磁気ディスク18に一時記憶されたテスト計測画像と本計測画像を取得してこのマッチング処理を適用し、互いに一致する点同士の対応情報は、例えば磁気ディスク18に一時記憶しておく。
谷口 慶治著、画像処理工学 -基礎編-、共立出版株式会社 P143〜P147
谷口 慶治著、画像処理工学 -基礎編-、共立出版株式会社 P143〜P147
次に、テスト計測画像と本計測画像から補正画像を求める処理に移るが、これは以下のステップS605〜ステップS607の繰り返し処理となる。最初にステップS604で磁気ディスク18に一時記憶されたテスト計測画像と本計測画像を取得して、テスト計測画像を基準画像とし、本計測画像を補正画像の初期値とし、繰り返し回数Iを初期値1とする。次にステップS605で補正画像とテスト計測画像から公知の補間処理によって補間画像を求め、この補間画像で補正画像を更新する。次にステップS606で繰り返し回数を1加算し、ステップS607で繰り返し回数が予め設定した所定回数に達したか否かを確認する。所定回数に達しない場合は、ステップS605に戻って再度補正画像とテスト計測画像から補間処理によって補間画像を求め、これで補正画像を更新する。所定回数に達した場合は、最終的な補正画像を求める画像として補正処理を終了する。この最終的な補正画像がアーチファクトの無い本計測画像として推定された画像となる。最終的な補正画像は、例えば磁気ディスク18に記憶しておき、かつディスプレイ20に表示する。
なお、上記の説明では予め設定した所定回数だけステップS605〜ステップS607の処理を繰り返すことを説明したが、繰り返しの度に補正画像を例えばディスプレイ20に表示して補正の様子を監視しながら、体動アーチファクトが実質的に低減されたと判断できる時点で繰り返し処理を終了し、その時点での補正画像を最終的なアーチファクトの無い本計測画像とすることもできる。
次に、前記繰り返し処理の中で最も重要な補正画像を更新するための補間処理を行うステップS605の第1実施例について説明する。ここでは、図2に示すように撮像期間201中に被検体の所望の部位を含む断面形状202が基準時刻t=0でI0(301)の状態からΔt経過する毎に、それぞれI1(302)、I2(303)…と変位する体動が起こる場合を想定するがこれに限られるわけではない。この仮定により、図3に示すように、基準点I0(301)がΔt毎にそれぞれI1(302)、I2(303)、I3(304)、I4(305)…と基準点から少しずれた位置に変位する。長時間かけて撮像を行えば、この変位に対応したエコーデータが位相エンコード毎に計測されることになり、これが位相方向にアーチファクトを起こす原因となる。
上記の前提に基づいて、基準点I0(301)からΔt後にI1(302)に変位した場合を例にして図5にしたがって補間処理を説明する。この場合、基準点I0(301)はテスト計測画像上の基準点であり、点I1(302)はステップS603の画像マッチング処理で求められた本計測画像上の基準点I0(301)に対応する点である。基準点I0(301)の対応する点I1(302)は、ステップS603で磁気ディスク18に記憶された情報を参照して求められる。図5に示すようにI1(302)のずれを徐々に基準点であるI0(301)と同じ位置になるようにI0’(501)に近づける。中間点は公知の補間法を利用して求める。例えば、2点間の平均を中間点とすることができる。求める点のデータをI’(502)とすると、以下の補間式を用いて作成できる。
I’((x0+x1)/2,(y0+y1)/2)=(I0(x0, y0)+I1(x1, y1))/2 (1)
I’((x0+x1)/2,(y0+y1)/2)=(I0(x0, y0)+I1(x1, y1))/2 (1)
つまり、作成する補間データI’(502)は、基準データとなるI0(301)と本計測データであるI1(302)とのデータ間の和を取って等分したものである。この処理を両画像上の全ての点について求めて新たな補正画像を作成する。そして求められた新たな補正画像を次の繰り返しに用いる補正画像として使用し、(1)式に基づいて次の補正画像を求める。また、対応点情報も更新して磁気ディスク18に記憶する。この処理を所望の回数だけ繰り返す(ステップS606,S607)ことによって計測点I1(302)を目標とするI’(502)に近づけていく。つまり、(1)式の右辺のI1(x1,y1)を、新たに求められた補正画像上の基準点I0(301)に対応する点である(1)式の左辺とする処理を繰り返す。各繰り返しは以下の置換に相当する。
x1 ←(x0+x1)/2
y1 ←(y0+y1)/2 (2)
I1(x1,y1)← I’((x0+x1)/2,(y0+y1)/2)
x1 ←(x0+x1)/2
y1 ←(y0+y1)/2 (2)
I1(x1,y1)← I’((x0+x1)/2,(y0+y1)/2)
ここで、以上の説明では線形補間により補正画像を求めているので、数学的には基準点I0(301)と計測点I1(302)間の体動が時間に関して線形的でかつ周期的に変動することが前提となる。しかし、本発明は基準点I0(301)と計測点I1(302)の時点での画像のみを計測して、基準点I0(301)の時点での本計測画像を推定するものであるから、基準点と計測点間の体動の仕方には無関係となる。従って、時間に関して非線形的であり周期も揺らいで非周期的となる様な体動であっても本発明を適用することができる。
次に、ステップS605の補間処理の第2実施例について説明する。第1実施例では、基準点I0(301)とその基準点からΔt後の本計測点I1(302)の2つの画像を用いて(1)式の補間処理を行うが、第2実施例では、繰り返しの最初の1回のみ、複数の計測点I1(302)、I2(303)、I3(304)、I4(305)…の画像を用いて補間処理を行う。即ち、基準点I0(301)からΔt毎に計測される画像において、基準点I0(301)に対応する計測点I1(302)、I2(303)、I3(304)、I4(305)…の画素値を用いて、
I’(X,Y)=(I0(x0,y0)+I1(x1,y1)+I2(x2,y2)+…)/N (3)
とする。ここで
X≡(x0+x1+x2+x3…)/N
Y≡(Y0+Y1+Y2+Y3…)/N
N≡補間に使用する計測点の個数
である。本実施例では、ステップS602の本計測画像の撮像で同一スライスの断層画像を複数取得し、それぞれの断層画像とステップS601で撮像した同一スライスのテスト計測画像との間でステップS603のマッチング処理を行って、相互の対応する点を求めておく必要がある。対応点情報は、例えば磁気ディスク18に記憶しておく。2回目以降は第1実施例と同じである。
この第2実施例では、複数の計測点を用いて補間処理を行うので、体動アーチファクトの低減効果が第1実施例よりも高く、そのため補正画像を求める繰り返し回数を少なくすることができる。
I’(X,Y)=(I0(x0,y0)+I1(x1,y1)+I2(x2,y2)+…)/N (3)
とする。ここで
X≡(x0+x1+x2+x3…)/N
Y≡(Y0+Y1+Y2+Y3…)/N
N≡補間に使用する計測点の個数
である。本実施例では、ステップS602の本計測画像の撮像で同一スライスの断層画像を複数取得し、それぞれの断層画像とステップS601で撮像した同一スライスのテスト計測画像との間でステップS603のマッチング処理を行って、相互の対応する点を求めておく必要がある。対応点情報は、例えば磁気ディスク18に記憶しておく。2回目以降は第1実施例と同じである。
この第2実施例では、複数の計測点を用いて補間処理を行うので、体動アーチファクトの低減効果が第1実施例よりも高く、そのため補正画像を求める繰り返し回数を少なくすることができる。
次に、ステップS605の補間処理の第3実施例について説明する。この実施例は第2実施例の(3)式において、
I1(x1,y1)+I2(x2,y2)+… → MEDIAN(I1(x1,y1),I2(x2,y2),…)
の置き換えをして補間処理を行うものである。つまり、繰り返しの最初の1回のみ、
I’(X,Y)=(I0(x0,y0)+MEDIAN(I1(x1,y1),I2(x2,y2),…))/2
X≡(x0+(MEDIAN(…)で選択された点のx座標))/2 (4)
Y≡(y0+(MEDIAN(…)で選択された点のy座標))/2
とする。ここで、MEDIAN(…)は括弧内の数列の中央値を求める演算を意味する。中央値を求める理由は、たとえアーチファクトが重なって計測点の画素値が特異な値となっても、それは括弧内数列において最大値又は最小値又はそれらに近い値となって、アーチファクトが重なってない正常な画素値が中央値となるためである。これにより、体動アーチファクトの低減効果が第1実施例よりも高く、そのため補正画像を求める繰り返し回数を少なくすることができる。この実施例の場合も2回目移行は第1実施例と同じである。
I1(x1,y1)+I2(x2,y2)+… → MEDIAN(I1(x1,y1),I2(x2,y2),…)
の置き換えをして補間処理を行うものである。つまり、繰り返しの最初の1回のみ、
I’(X,Y)=(I0(x0,y0)+MEDIAN(I1(x1,y1),I2(x2,y2),…))/2
X≡(x0+(MEDIAN(…)で選択された点のx座標))/2 (4)
Y≡(y0+(MEDIAN(…)で選択された点のy座標))/2
とする。ここで、MEDIAN(…)は括弧内の数列の中央値を求める演算を意味する。中央値を求める理由は、たとえアーチファクトが重なって計測点の画素値が特異な値となっても、それは括弧内数列において最大値又は最小値又はそれらに近い値となって、アーチファクトが重なってない正常な画素値が中央値となるためである。これにより、体動アーチファクトの低減効果が第1実施例よりも高く、そのため補正画像を求める繰り返し回数を少なくすることができる。この実施例の場合も2回目移行は第1実施例と同じである。
以上、本発明を2次元画像の撮像の場合について説明したが、本発明はこれに限られるわけではなくいろいろな変更が可能である。例えば、3次元画像の撮像に対しても同様に適用することができる。また、本計測については高速スピンエコー法に限らず、公知のスピンエコー法や、IR(インバージョンリカバリー)法などの他のパルスシーケンスを使用することができる。
1 被検体、2 静磁場発生系、3 傾斜磁場発生系、4 シーケンサ、5 送信系、6 受信系、7 信号処理系、8 中央処理装置(CPU)、9 傾斜磁場コイル、10 傾斜磁場電源、11 高周波発信器、12 変調器、13 高周波増幅器、14a 高周波コイル(送信コイル)、14b 高周波コイル(受信コイル)、15 信号増幅器、16 直交位相検波器、17 A/D変換器、18 磁気ディスク、19 光ディスク、20 ディスプレイ、201 断面形状、202 撮像期間、301 テストスキャンにより得られる基準位置の計測データ(画像)I0、302 基準位置から体動によりずれたあとの計測データ(画像)I1、303 基準位置から体動によりずれたあとの計測データ(画像)I2、304 基準位置から体動によりずれたあとの計測データ(画像)I3、305 基準位置から体動によりずれたあとの計測データ(画像)I4、401 本計測撮像時間、402,406 1スライスあたりの撮像時間、403,407 各スライスのスキャン、404 テスト計測、405 テスト計測時間
Claims (3)
- 被検体の断層画像を撮像するためのパルスシーケンスを制御するシーケンス制御手段を備えた磁気共鳴イメージング装置において、
前記被検体の所望の断面の形態情報を含む画像を短時間で撮像して体動アーチファクトの無いテスト計測画像を撮像する手段と、
前記所望の断面を高空間分解能で撮像して本計測画像を撮像する手段と、
前記テスト計測画像と前記本計測画像との間で補間画像を取得することにより該本計測画像における体動アーチファクトが低減された補正画像を取得する手段を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。 - 請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記補間画像は、前記テスト計測画像と前記本計測画像との間で相互に対応する2点の座標値の算術平均を座標値とする座標点における画素値を、前記相互に対応する点におけるそれぞれの画素値の算術平均とする画像であることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置において、前記補正画像を取得する手段は、前記補間画像を前記本計測画像とみなして再度補間画像を取得する処理を繰り返して、該本計測画像における体動アーチファクトが低減された補正画像を取得することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003370047A JP2005131071A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003370047A JP2005131071A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005131071A true JP2005131071A (ja) | 2005-05-26 |
Family
ID=34647173
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003370047A Pending JP2005131071A (ja) | 2003-10-30 | 2003-10-30 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005131071A (ja) |
-
2003
- 2003-10-30 JP JP2003370047A patent/JP2005131071A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5523718B2 (ja) | 医用撮像装置 | |
KR101663229B1 (ko) | 자기 공명 영상 장치 및 그에 따른 자기 공명 영상의 이미징 방법 | |
KR20140043655A (ko) | 움직임 오류 데이터를 이용한 자기 공명 영상법의 영상 개선 방법 및 장치 | |
KR101811720B1 (ko) | 자기 공명 영상 장치 및 그에 따른 자기 공명 영상 생성 방법 | |
KR101605130B1 (ko) | 자기 공명 영상 장치 및 그에 따른 자기 공명 영상의 이미징 방법 | |
JP2015213744A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
KR101474757B1 (ko) | 자장 측정 방법 및 장치 | |
KR101951000B1 (ko) | 자기 공명 신호 획득 방법 및 장치 | |
JP5372015B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置および同期撮像方法 | |
KR101525014B1 (ko) | 자기 공명 영상 장치 및 그에 따른 자기 공명 영상의 이미징 방법 | |
KR101649275B1 (ko) | 자기 공명 영상 생성 방법 및 그에 따른 의료 영상 장치 | |
KR101797674B1 (ko) | 자기 공명 영상 촬영 장치 및 그에 따른 자기 공명 영상 촬영 방법 | |
KR101541290B1 (ko) | 자기 공명 신호 측정 방법 및 장치 | |
KR102393288B1 (ko) | 자기공명영상장치 및 그 제어방법 | |
KR101826063B1 (ko) | 화학 교환 포화 전이 자기 공명 영상 장치 및 방법 | |
KR102386797B1 (ko) | 위상 대조 속도 측정을 이용한 자기 공명 영상 생성 장치 및 방법 | |
KR102232606B1 (ko) | 자기 공명 영상 장치 및 자기 공명 영상 생성 방법 | |
KR20190053412A (ko) | 자기 공명 영상 장치 및 자기 공명 영상 생성 방법 | |
KR101958093B1 (ko) | 자기 공명 영상 장치 및 이를 이용한 혈류 영상 복원 방법 | |
JP2005144075A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
JP7271100B2 (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 | |
KR102016422B1 (ko) | 자기 공명 영상 장치 및 이를 이용한 혈류 영상 복원 방법 | |
JP5371620B2 (ja) | 核磁気共鳴イメージング装置 | |
KR101949486B1 (ko) | 자기 공명 영상 생성 방법 및 그 자기 공명 영상 장치 | |
JP2005131071A (ja) | 磁気共鳴イメージング装置 |