JP2005130296A - 受信装置および呼び出し信号の受信方法 - Google Patents

受信装置および呼び出し信号の受信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 信号の受信状態が劣悪の無線環境下における着信判定技術であって、リンク確立に要する時間を短縮し、検出精度の向上と誤検出の発生とのトレードオフを容易に調整でき、また、装置の小型化,低廉化を促進でき、そして、呼び出し信号等の信号検出とキャリア周波数偏差の是正を可能にする。
【解決手段】 無線フレームを受信する受信装置8における呼び出し信号の受信方法であって、受信装置8がフレームに含まれる無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信を検出し、無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語データの有無を判定し、フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表す識別子データに基づいてフレームが自局宛又は他局宛を判定する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば、劣化した無線環境下における呼び出し信号の着信判定に用いて好適な、受信装置および呼び出し信号の受信方法に関する。
移動通信システム(無線通信システム)の基地局および移動端末(移動局,携帯電話又は携帯端末等)は、いずれも、音声データ又はメイルデータ(電子メイルデータ)等の伝送データの種別又は伝送データの速度にかかわらず、安定した無線環境(通信環境)を必要としている。このため、劣化した無線環境下においても安定した通信品質を維持するために、移動通信システムは、多くの技術を用いている。特に、移動端末の待ち受け時の受信状態は、電波の届かない場所に置かれた場合、移動端末自身が覆われていたり、あるいはカバンの中に入れられた場合等、通常の無線環境における状態と比較して劣悪な場合が多い。従って、移動通信システムの仕様は、無線環境が劣化している場合においても、移動端末が、呼び出し信号(呼び出し情報データ)等の制御信号を正確に着信できるように規定されている。これにより、移動端末と基地局とは、いずれも、着信制御によって、着信判定に要する所要時間と信頼度の改善とを図るようになっている。
(X1)移動端末の構成例
図22は移動端末のブロック図である。この図22に示す移動端末100は、例えば携帯電話機であって、ベースバンド処理部101,変調部102,無線処理部112,復調判定部(復調部)113をそなえて構成されている。
これにより、情報データ(送信データ)は、エンコーダ101aにおいて符号化され、符号化データは、変調部102のマッピング部103において、I(In Phase)チャネルおよびQ(Quadrature)チャネルに分離される。これらのIチャネルデータ,Qチャネルデータは、波形整形フィルタ104a,104bにおいて、それぞれ、送信するためのタイミング調整および帯域制限され、D/A(Digital to Analogue)変換部105a,105bにおいて、ディジタルデータからアナログデータに変換され、直交変調回路106において直交変調されて中間周波数信号(Intermediate Frequency)信号が出力される。
さらに、中間周波数信号は、無線処理部112の第1周波数変換部107aにおいて、無線周波数信号(RF信号[Radio Frequency Signal]:以下、無線信号と称する。)にアップコンバートされ、この無線信号は高電力増幅器(HPA:High Power Amplifier)108においてシステム仕様に規定された電力値に増幅されて、デュプレクサ109を介して、アンテナ110から送信される。ここで、デュプレクサ109は、無線信号をアンテナ110に出力するとともに、アンテナ110からの無線信号を復調判定部113に出力する共用器として機能している。
一方、デュプレクサ109からの無線信号は、低ノイズ増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)111において、受信ノイズが抑制された状態で増幅され、その増幅された無線信号は、第2周波数変換部107bにおいて、中間周波数信号にダウンコンバートされる。
この中間周波数信号は、復調判定部113の直交検波回路114において直交検波され、IチャネルおよびQチャネルの各ベースバンド信号に変換され、変換されたベースバンド信号は、A/D(Analogue to Digital)変換部115a,115bにおいて、いずれも、アナログデータからディジタルデータに変換される。そして、各ディジタルデータは、復調回路116において復調され、復調された符号化データは、ベースバンド処理部101のデコーダ101bにおいて情報データ(受信データ)が出力される。
(X2)キャリア周波数同期,ビット同期およびフレーム同期
正確な着信を確保するために、各移動端末100は、基地局のダウンリンクのキャリア周波数に同期するよう常時動作している。すなわち、基地局のキャリア周波数が、全移動端末100の基準キャリア周波数として機能している。なお、以下の説明において、同期とは特に断らない限り、タイミング同期,同期処理又は同期動作のそれぞれをも意味する。
さらに、移動端末100は、ビット同期およびフレーム同期をも常時又は必要に応じて行なっており、これにより、移動端末100は、基地局からの制御チャネルフレームに含まれる制御信号(例えば呼び出し信号)の位置を認識できるようになっている。
具体的には、キャリア周波数同期,ビット同期およびフレーム同期は、図22に示す復調回路116に設けられた自動周波数制御部(AFC:Automatic Frequency Control)116a,ビットタイミングリカバリ部116bおよびオープンアパーチャ(ウィンドウ)116cのそれぞれにおいて処理される。
ここで、オープンアパーチャ116cは、ビット同期の後に、フレームの先頭ビットをサーチするものであって、同期語データ(SW:Synchronous Word)を表すビットパタン(例えば00110011*0011)と同一のビットパタン(00110011*0011)を有するレジスタ等からなる。そして、復調回路116が同期語を検出すると、同期語検出を直交検波回路114に通知し、直交検波回路114は、基地局におけるフレームタイミングと同一タイミングで受信信号を検波するのである。
これにより、移動端末100は、フレームに含まれる情報データおよび制御データを抽出できる。さらに、移動端末100は、周期的に送信される移動端末100自身宛のフレームに含まれる制御データを保持し、複数の制御データを結合させることにより、制御チャネル(共通チャネル)に挿入された情報データを得る。また、各移動端末100は、主に電力消費を抑制するため、音声通信をしていない間、待ち受け状態(待ち受けモード)に移行し、制御チャネルを受信し続けている。
一般に、待ち受け時において、各移動端末100は、基地局から全ての移動端末100に対して送信される共通チャネルを常時監視している。また、移動端末100は、共通チャネルに含まれる移動端末100自身の呼び出し信号を受信すると、基地局との間において、リンク(通信リンク)を確立又は接続するためのメッセージ(例えば、リンク確立要求(Link Establish Request))を送受信し、その後、基地局との通話状態に移行する。
ここで、移動端末100は、待ち受け時の間、上記のキャリア周波数に同期するための動作を続けている。従って、移動端末100は、長い時間を費やして、基地局および移動端末100間におけるキャリア周波数偏差(周波数のずれ又は周波数のシフト)を除去可能である。
加えて、移動端末100は、呼び出し信号等を認識するために、フレーム周期の偏差等についても、長い時間を費やして、予め検出することが可能である。
また、移動端末100の呼び出し信号の誤検出を防止するために、基地局は、移動端末100に対する送信データに含まれる宛先データ(宛先情報)に、宛先データ以外のデータよりも強力な誤り訂正機能又は誤り検出機能を適用し通信を保護している。例えば、移動端末100が誤りを検出した場合においても、移動端末100は、基地局から再度送信される呼び出し信号を受信するようになっている。
このように、長い時間を費やせば、基地局がマスタとして機能し、各移動端末100がスレーブとして機能することにより、同期タイミングが確保される。また、移動端末100は、誤り訂正および誤り検出の各機能を用いることにより、信号検出を確実にすることができる。
(X3)トランシーバ通信におけるキャリア周波数同期
これに対して、トランシーバ機能を有する移動端末(以下、トランシーバ端末と称する。)を用いた移動通信システムにおいては、トランシーバ端末の一方がマスタとして固定されないことがある。
ここで、トランシーバ機能とは、特定の基地局又はマスタ局を介さずに、2台(又は3台以上)のトランシーバ端末が相互に直接通信するものであって、例えばトランシーバモードを有するPHS(Personal Handy-phone System)が知られている。このトランシーバモードにおいては、2台のPHSが数種類のキャリア周波数のうちの無線環境が良好なキャリア周波数を選択して相互に通信する。
トランシーバ通信においては、一方のトランシーバ端末は、他方のトランシーバ端末との間においてリンクを確立するときにはじめて相互の周波数偏差を認識し、そのフレームタイミングを検出する。このため、2台のトランシーバ端末は、いずれも、キャリア周波数偏差および同期タイミングを補正している状態において相手側端末からの呼び出し信号を認識しなければならない。
このように、無線端末間にマスタおよびスレーブ機能がないトランシーバ端末は、リンク確立前にキャリア周波数偏差等を是正できず、さらに、信号検出と同期タイミングの是正とを同時に行なうことが困難である。
(X4)ラインエンハンサを用いた信号検出およびキャリア周波数偏差の是正
引き込み時間が長い場合および信号レベルの検出が困難なときは、ラインエンハンサが用いられる。このラインエンハンサは、呼び出し信号等の信号検出と、キャリア周波数偏差の是正(キャリア周波数偏差の引き込み)との両者を行なえる装置である。このラインエンハンサは、低いC/N比(Carrier-Noise Ratio:キャリア電力対ノイズ電力比)の無変調波についての信号有無の検出が可能である。研究論文(例えば非特許文献1)によると、ラインエンハンサは、キャリア周波数偏差の検出は比較的短時間で可能である。なお、以下、このキャリア周波数偏差の検出機能をLEFD部(Line Enhancer with Frequency Detect)と表す。
また、以下、特に断らない限り、C/N比は受信部にて受信された無線信号についてのキャリア電力とノイズ電力との比を表し、後述するS/N比(Signal-Noise Ratio:信号対ノイズ比)は復調判定部にて復調された信号電力とノイズ電力との比を表す。
(X5)ビーコンを用いた信号検出およびキャリア周波数偏差の是正
また、移動端末100は、基地局又は無線送信局から送信されるビーコンを受信することにより、信号検出とキャリア周波数偏差の是正とを行なうこともできる。ビーコンとは標識信号(モニタ信号,パイロット信号)であって、例えば基地局等が一定時間毎に送信する無線信号である。そして、基地局等は無変調波を送信するための別個のチャネルを設け、無変調波をビーコンとして送信する。移動端末の受信部は、ビーコン専用のLEFD部だけを設け、ビーコンの受信により、信号検出およびキャリア周波数の偏差を是正するようにもできる。
(X6)周波数弁別器および平滑フィルタを用いた信号検出およびキャリア周波数偏差の是正
LEFD部に代替して、低いC/N比の無線環境下において無変調波の周波数引き込みとその引き込み結果とを用いた信号検出が可能である。具体的には、移動端末100の復調部113に、周波数弁別器とその出力を平滑化する平滑フィルタとを設け、平滑フィルタが受信信号を長時間積分することによってキャリア周波数偏差を検出するのである。そして、移動端末100は、得られたキャリア周波数偏差の情報について分散(分散値)を計算し、この分散値が所定範囲内である場合は、同一周波数を受信していると判定する。つまり、移動端末100は、分散値に基づいて信号検出又は非検出を判定することにより、無変調波の周波数引き込みとその引き込み結果とを用いて信号検出する。
Naokazu HAMAMOTO, Yukio HASHIMOTO, Toshiyuki IDE, Makoto SAKASAI, Teruo TEJIMA, "Signal Detection and Frequency Estimation Method for LEO Satellite Communication Systems," Technical Report of IEICE, Vol.94, No.299, pp.1-8, Oct. 1994.
しかしながら、トランシーバ通信の場合、各トランシーバ端末は、リンク確立を失敗する確率が高くならないように、十分なビット長(又は十分な時間長)を有する周波数同期用の参照信号又はフレームタイミングの同期語を必要とし、この結果、リンク確立(リンク接続)のための時間が長くなるという課題がある。
また、呼び出し信号の受信のための誤り検出に関し、トランシーバ端末は、検出した誤りが、誤り検出用のビットパタン又は同期語パタン等のデータ列の単なる誤りであるか、又は周波数および同期タイミングに起因する誤りであるかを判断することができない。このため、トランシーバ端末は、再度、最初からのリンク確立動作を要し、リンク確立に要する時間がさらに、増加する。
さらに、多くのトランシーバ端末は、例えば呼び出し信号等の検出精度を向上させるために、フレームタイミングを表す同期語の検出と、この同期語の後に位置する発信ID(Identification:トランシーバ端末自身の識別子)の検出と、例えばCRC(Cyclic Redundancy Code:巡回符号)等による誤り検出との各検出結果を単独又は併用することにより、検出精度を高くして認識することもできる。なお、この場合、各検出のうちの同期語検出による検出結果の特性が支配的である。
また、トランシーバ端末を含めた移動端末100は、常時又は必要に応じて、同期語をサーチするようにもできる。この場合、無線回線にて生じた誤りによって正しく同期語を検出できないことを防止するために、移動端末100がオープンアパーチャの許容誤り数を大きく設定すると、ノイズであって同期語でない部分において、誤検出の発生確率が高くなる。
従って、検出精度の向上と誤検出の発生との両者がトレードオフ(相反)の関係になって、両者を救出するための許容誤り数を決定することが困難になる。また、検出又は非検出のいずれかであるかを、2値判定(硬判定)のほかに、検出又は非検出の確からしさを複数の段階(レベル)を用いて表す軟判定によって同期語検出する場合においても、各段階の閾値の設定は硬判定と同様のトレードオフを調整しなければならないという課題がある。
一方、同期語の検出又は非検出の判定機能に特化した判定回路又は判定用IC(Integrated Circuit)を移動端末(又はトランシーバ端末)100に設けることは、端末サイズの小型化,処理負荷および消費電力の抑制等の観点からは不利であり、かつ低価格の移動端末100等を提供することは困難という課題がある。
これらの課題に対し、上記のLEFD部だけを用いた検出は、宛先データの抽出等を行なえず、上記の研究論文に記載された呼び出し信号用の復調部113を、通話データ等の復調部とは別個に設けなければならない。加えて、LEFD部は、複数の受信チャネルを要するので、周波数利用効率を向上させることができない。
さらに、ビーコンが用いられる場合、移動端末100は、送信機能および受信機能の両者がともに複数のチャネル動作を要する。このため、端末の低廉化を促進できず、また、周波数利用の効率化を図れない。
加えて、移動端末100が周波数弁別器と平滑フィルタとを用いて信号検出する方法は、非常に低いC/N比の無線環境下における動作が困難である。また、信号検出に要する時間が受信状態によって変動し、周波数弁別器の動作は長時間を要し、さらに、信号検出に要する時間差が大きくなり、装置構成の簡便化を図れない。
従って、従来、基地局を介さずに移動端末の呼び出し信号を受信する方法は、上記の各課題があった。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、信号の受信状態が劣悪の無線環境下における着信判定技術であって、リンク確立に要する時間を短縮し、検出精度の向上と誤検出の発生とのトレードオフを容易に調整でき、また、移動端末および基地局等の装置を小型化でき、かつ装置価格の低廉化を促進でき、そして、ラインエンハンサを用いて呼び出し信号等の信号検出とキャリア周波数偏差の是正とが可能な、受信装置および呼び出し信号の受信方法を提供することを目的とする。
このため、本発明の受信装置は、無線フレームを受信する受信装置であって、無線フレームに含まれる無変調信号と、無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語と、無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を識別する発着信IDデータとのうちの無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するラインエンハンサと、ラインエンハンサにおける呼び出し信号の着信の検出により起動され、無線フレームに含まれる同期語と識別子データとに基づいて無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部とをそなえて構成されたことを特徴としている(請求項1)。
また、ラインエンハンサにて受信された無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を複数のシンボルの個数に起因する時間中積分して得たシンボル電力値データを復調判定部に入力するベクトル加算部を設け、このベクトル加算部が、同期語データおよび識別子データと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを復調判定部に入力するように構成されてもよい(請求項2)。
さらに、復調判定部が、ベクトル加算部において出力された同期語データおよび識別子データと受信固定パタンデータとを乗じた複数の乗算データのうちの最大エネルギを有するシンボル内タイミングを、識別子データの参照タイミングとして決定するように構成されてもよく(請求項3)、又はベクトル加算部において出力された同期語データおよび識別子データについて、サンプリングタイミングのうちの信号判定時の相関値が最大のサンプリングタイミングを、同期語データの参照タイミングとして決定するように構成されてもよい(請求項4)。
そして、本発明の呼び出し信号の受信方法は、無線フレームを受信する受信装置における、呼び出し信号の受信方法であって、無線フレームに含まれる無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信を検出し、無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す第2同期語の有無を判定し、無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表す識別子データに基づいて無線フレームが自局宛又は他局宛を判定することを特徴としている(請求項5)。
本発明の受信装置および呼び出し信号の受信方法によれば、以下に示す利点がある。
(1)本発明の受信装置によれば、無線フレームに含まれる無変調信号と、無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語と、無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表すIDデータとのうちの無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するラインエンハンサと、 ラインエンハンサにおける呼び出し信号の着信の検出により起動され、無線フレームに含まれる同期語とIDデータとに基づいて無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部とをそなえて構成されているので、同期語検出のオープンアパーチャ動作が少なくともノイズだけの時には生じない。このため、同期語は無変調波又はビットタイミングリカバリに対する相関性を低くでき、許容誤り数を大きくしても誤検出を大幅に防止できる。さらに、受信装置における同期語の検出タイミングの精度が改善されるので、シンボルタイミングの再生において、シンボルタイミングの精度が向上する(請求項1)。
(2)また、ラインエンハンサにて受信された無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を複数のシンボルの個数に起因する時間中積分して得たシンボル電力値データを復調判定部に入力するベクトル加算部を設け、このベクトル加算部が、同期語データおよび識別子データと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを復調判定部に入力するように構成することもでき、このようにすれば、ラインエンハンサは、低いC/N比の無変調波について信号の有無を判定可能であり、また、精度を維持した状態で検出できる。さらに、キャリア周波数偏差を比較的短時間で検出できる。これらに加えて、受信装置が、受信データから抽出された1又は複数のビットからなる1シンボルに、既知の固定パタンを乗じて得た1又は複数のシンボル(1又は複数のビット)を受信し、この乗算後のデータを用いてシンボルタイミングを再生するので安定した受信精度が得られる(請求項2)。
(3)そして、復調判定部は、IDデータの参照タイミングとして次のA,Bのように決定できる。
A.ベクトル加算部において出力された同期語および発着信IDと受信固定パタンデータとを乗じた複数の乗算データのうちの最大エネルギを有するシンボル内タイミング。
B.ベクトル加算部において出力された同期語および発着信IDについて、サンプリングタイミングのうちの信号判定時の相関値が最大のサンプリングタイミングを、同期語の参照タイミング。
これにより、AおよびBのいずれを用いて決定した場合においても、ベクトル加算によるS/N比の改善後にシンボル内タイミングが決定されるので、タイミング検出精度が向上する。そのうえ、Aによれば、シンボル中心におけるS/N比が改善され、また、Bによれば、同期語の長さの分だけさらにベクトル加算することと等価なので一層検出精度の向上を図れる(請求項3,4)。
(4)本発明の呼び出し信号の受信方法によれば、無線フレームに含まれる無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信を検出し、無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す第2同期語の有無を判定し、無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表すIDデータに基づいて無線フレームが自局宛又は他局宛を判定するので、専用の受信回路を用いずに、通話時に想定しているよりも受信状態の悪い場合であっても、呼び出し信号の着信を認識し、周波数を引き込み、呼び出しフレームタイミングを検出し、シンボルタイミングとなるナイキスト点を検出し、宛先情報の信頼性を向上させることが可能となり、総じて呼び出し信号の受信性能を向上させることができる(請求項5)。
(5)本発明の送信装置によれば、フレームタイミングを表す同期語を少なくとも含むデータを送信シンボルにマッピングするマッピング部と、マッピング部にてマッピングされた送信シンボルの無線フレーム内部における位置を認識し、送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するデータ位置認識部と、データ位置認識部から出力されるオンオフ信号に基づいて生成した無変調信号の後に、マッピング部にてマッピングされた第1同期語を変調した同期語変調信号を付加した変調信号を出力する変調部と、変調部から出力される変調信号を含む無線フレームを送信する送信部とをそなえて構成されているので、受信装置が積分演算した後において同期語を検出でき、かつ同期語検出部の処理量が増加しないので積分演算回路の増設により受信性能の改善が可能となる。さらに、通話時と呼び出し受信時との各シンボル速度を同一にすることにより必要な受信環境変化に対して柔軟、かつ共通の受信回路で例えばキャリア周波数偏差等の処理が可能となる。
(6)本発明の送受信装置によれば、フレームタイミングを表す第1同期語を少なくとも含むデータを送信シンボルにマッピングするマッピング部と、マッピング部にてマッピングされた送信シンボルの第1無線フレーム内部における位置を認識し、送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するデータ位置認識部と、データ位置認識部から出力されるオンオフ信号に基づいて生成した第1無変調信号の後に、マッピング部にてマッピングされた第1同期語を変調した同期語変調信号を付加した第1変調信号を出力する変調部と、変調部から出力される第1変調信号を含む第1無線フレームを送信する送信部とをそなえるとともに、第2無線フレームに含まれる第2無変調信号と、第2無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語と、第2無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表すIDデータとのうちの無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するラインエンハンサと、ラインエンハンサにおける呼び出し信号の着信の検出により起動され、第2無線フレームに含まれる同期語とIDデータとに基づいて第2無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部とをそなえて構成されているので、シンボル内での参照点検出の高信頼化が図れる。また、通話よりも受信環境が悪い場合において、送信電力を大きくせずに、また、呼び出し受信専用の受信回路を用いずに悪い受信環境での呼び出し送受信が可能となる。
(7)本発明の移動通信システムによれば、送信装置が、フレームタイミングを表す第1同期語を少なくとも含むデータを送信シンボルにマッピングするマッピング部と、マッピング部にてマッピングされた送信シンボルの第1無線フレーム内部における位置を認識し、送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するデータ位置認識部と、データ位置認識部から出力されるオンオフ信号に基づいて生成した第1無変調信号の後に、マッピング部にてマッピングされた第1同期語を変調した同期語変調信号を付加した第1変調信号を出力する変調部と、変調部から出力される第1変調信号を含む第1無線フレームを送信する送信部とをそなえるとともに、受信装置が、第2無線フレームに含まれる第2無変調信号と、第2無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語と、第2無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表すIDデータとのうちの無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するラインエンハンサと、ラインエンハンサにおける呼び出し信号の着信の検出により起動され、第2無線フレームに含まれる同期語とIDデータとに基づいて第2無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部とをそなえて構成されているので、移動端末と基地局とは、いずれも、着信制御によって、着信判定に要する所要時間と信頼度の改善とを図れる。
(8)復調判定部が、ラインエンハンサにて検出された無線フレームについて同期語の有無を判定する同期語判定部と、同期語判定部にて同期語が有りと判定された無線フレームに含まれるIDデータが自局宛又は他局宛を判定するID判定部とをそなえて構成することもでき、このようにすれば、受信信号の電力値変動が大きい無線環境においても、信号検出が可能となる。
(9)復調判定部は、さらに、ラインエンハンサにて検出されたキャリア周波数偏差に基づいてキャリア周波数を補正する補正部をそなえて構成することもでき、このようにすれば、例えば同期語シンボル長を長くすることで、フレーム同期検出確率の低下を防止できる。
(10)ベクトル加算部が、ラインエンハンサにて受信された無線フレームに起因する中間信号の出力タイミングを調整するように構成してもよく、このようにすれば、キャリア周波数偏差を比較的短時間で検出でき、信号レベルの検出が困難な場合および引き込み時間が長い場合において、呼び出し信号を正確に受信できる。
(11)ベクトル加算部は、同期語および発着信IDと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを復調判定部に入力するように構成することもでき、このようにすれば、低いC/N比における呼び出し信号の受信が、専用の受信回路等を用いることなく可能となる。
(12)マッピング部は次のC〜Eのように構成することもできる。
C.同期語と、送信元装置および送信先装置を表すIDデータとを含むデータを送信シンボルにマッピングするとともに、データ位置認識部が、マッピング部にてマッピングされた送信シンボルのうちの所望の送信シンボルについて出力又は停止を表すオンオフ信号を出力する構成。このようにすれば、呼び出し情報自身の高信頼化が図れる。
D.同期語と情報データとを含むデータを送信シンボルにマッピングするとともに、変調部が、マッピング部にてマッピングされた送信シンボルを変調して変調信号を含む無線フレームを出力する構成。このようにすれば、待ち受け信号の受信感度が高まる。
E.マッピング部が、同期語と情報データとを、送信装置自身に設けられた保持部又は送信装置の外部から取得する構成。このようにすれば、ハードウェアの利用効率化が図れ、送信装置の価格の低廉化を促進できる。
(13)変調部が、変調シンボルに、変調方式に応じた固定パタンデータを乗じて1又は複数の変調信号を出力するように構成されてもよく、このようにすれば、その変調信号を受信する受信装置が、複数の変調シンボル点のうちの1番大きい電力が得られるタイミングを選択し、また、この処理を繰り返して積分判定するので、統計的な確率を向上させ、タイミング検出の精度が向上する。
(14)変調部は、変調シンボル(a,b)に、固定パタンデータ(A,B)を乗じて1又は複数の変調信号[(a,b)*A+(a,b)*B]を出力するように構成されてもよく、このようにすれば、信号平面における積分演算後に電力値を比較でき、また、ノイズを打ち消し合うことができるのでS/N比を改善できる。
(15)受信装置は、ラインエンハンサにて受信された第2無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を複数のシンボルの個数に起因する時間中積分して得たシンボル電力値データを復調判定部に入力するベクトル加算部をそなえ、ベクトル加算部が、ラインエンハンサにて受信された第2無線フレームに起因する中間信号の出力タイミングを調整するとともに、同期語および発着信IDと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを復調判定部に入力するように構成されてもよく、このようにすれば、受信装置の復調部は、無変調信号の検出前は動作を停止し続けてその検出後にはじめて受信装置の復調部が起動されるので消費電力を改善できる。
(16)本発明の呼び出し信号の送信方法によれば、無線フレームを送信する送信装置9における、呼び出し信号の送信方法であって、フレームタイミングを表す同期語を少なくとも含むデータを送信シンボルにマッピングし、マッピングされた送信シンボルの無線フレーム内部における位置を認識し送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力し、出力されたオンオフ信号に基づいて生成した無変調信号の後に、マッピングされた同期語を変調した同期語変調信号を付加した変調信号を出力し、出力された変調信号を含む無線フレームを送信するので、移動端末が電波の届かない場所に置かれた場合、移動端末自身が覆われていたり、あるいはカバンの中に入れられた場合においても、移動端末は、呼び出し信号を正確に着信でき、これにより、移動端末と基地局とは、いずれも、着信制御によって、着信判定に要する所要時間と信頼度の改善とを図られる。
(17)そして、本発明の受信装置によれば、専用の受信部を用いずに、通話時に想定しているよりも受信状態の悪い場合であっても、呼び出し信号の着信を認識し、周波数偏差を引き込み、呼び出しフレームタイミングを検出し、シンボルタイミングとなるナイキスト点を検出し、宛先情報の信頼性を向上させることが可能となり、総じて呼び出し信号の受信性能を向上させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態に係る移動通信システムの構成図である。この図1に示す移動通信システム80は、移動端末70に対して無線フレームを送信する送信装置をそなえた基地局71と、基地局71が送信した無線フレームを受信する受信装置をそなえた移動端末70とを有する。
この移動通信システム80は、音声データ,電子メイルデータ(メイルデータ),webサイトからのテキストデータ,画像データおよび各種のファイルデータ等を送受信するものであって、基地局71,複数の移動端末70,基地局制御装置73a,回線・パケット交換機73,公衆網74,加入者端末74a,インターネット75およびサーバ75aをそなえて構成されている。
なお、移動通信システム80a,80b,80cは、それぞれ、後述する変形例,第2実施形態,第3実施形態において説明する。
(1)移動通信システム80の構成
(1−1)基地局71,移動端末70等
基地局71は、本発明の送信装置を有し移動端末70との間において無線信号を送受信するものであり、複数の移動端末70はいずれも携帯電話,携帯端末等である。これらの基地局71,移動端末70の構成については後述する。
また、公衆網74は加入者電話網であり、インターネット75はパケットデータを転送する網である。さらに、加入者端末74aは電話通信する固定端末又は移動端末であり、サーバ75aはwebコンテンツの提供又はメイル配信等を行なうパーソナルコンピュータ(パソコン)又はワークステーションである。そして、基地局制御装置73aは基地局71を制御するものであり、回線・パケット交換機73は基地局制御装置73aと公衆網74およびインターネット75とのそれぞれとメイルデータ等を送受信するものである。
(1−2)無線アクセス方式
基地局71と移動端末70との間の無線アクセス方式は、無線信号を無線フレームにより送受信する所望のアクセス方式を用いることができ、例えばFDMA(Frequency Division Multiple Access:周波数分割多元接続),TDMA(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)およびCDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多元接続)のいずれのアクセス方式を用いることができる。
(1−3)無線環境(通信環境)
本発明の移動通信システム80の基地局71および移動端末70は、いずれも、伝送データの種別と伝送データの速度とにかかわらず、安定した通信品質および無線環境を必要としている。ここで、伝送データの種別とは、例えばメイルデータ等の伝送量が少ないデータ、又は映像データ等の伝送量が多いデータ等の主に伝送量の大きさに基づいて分類されるものである。
移動端末70と基地局71との間の通信は、常時、その受信品質が保証されているわけではない。特に、移動端末70の待ち受け時の受信状態は、電波の届かない場所にて移動端末70がカバーにより覆われている状態であり、あるいはカバンの中に入れられた場合等、通常通話時に比べて劣悪な場合が多い。以下の説明においては、呼び出し信号の受信状態が、通常の通話時よりも劣悪で低いC/N比であるものとする。
(1−4)通話用フレームおよび呼び出し用フレーム
本発明の移動通信システム80において、送受信されるフレームの種類は、通話用フレームと呼び出し用フレームとの2種類のほかに、プロトコルが規定する例えば制御用のフレームを用いることができる。ここで、通話用フレームは無線リンクチャネルが確立された状態において送受信されるものであって、移動端末70と基地局71とが音声通話データ又はメイルデータ等の情報データを送受信するものである。一方、呼び出し用フレームは移動端末70と基地局71との間に無線リンクチャネルが確立されていない状態において、基地局71が移動端末70に対して送信又は報知する制御フレームである。
また、後述する図5(a)に示す通話用フレームは、同期語(SW)および情報データを含む。図5(b)に示す呼び出し用フレームは無変調信号,同期語および発着信ID(送信元装置および送信先装置を表す識別子データ)を含む。
(1−5)キャリア周波数同期
各移動端末70は、基地局71が送信する1又は複数種類のキャリア周波数と同一の1又は複数の周波数を発振出力する発振器(局部発振器)を設けているが、この発振周波数はキャリア周波数と偏差が生じることがある。このため、移動通信システム80において、各移動端末70は、基地局71が送信するキャリア周波数に同期するよう常時動作している。そして、各移動端末70は、発振周波数がキャリア周波数からずれると、発振周波数を補正する。
従って、基地局71がマスタとして機能し、各移動端末70がスレーブとして機能し、同期タイミングが確保される。
(1−6)着信制御
以下、移動端末70が、通常の情報受信回路(情報受信装置)を用いて呼び出し信号を受信する方法について述べる。移動通信システム80の仕様は、無線環境が劣化している場合においても、移動端末70が、呼び出し信号(呼び出し情報データ)等の制御信号を正確に着信でき、かつ安定した通信品質を維持するように規定されている。そして、移動端末70と基地局71とは、いずれも、着信制御によって、着信判定に要する所要時間と信頼度の改善とを図るようになっている。
(2)基地局71
図2は本発明の第1実施形態に係る基地局71のブロック図である。この図2に示す基地局71は、公衆網74側の基地局制御装置73aからの情報データを無線信号に変換出力し、また、移動端末70からの無線信号を復調しその復調データを基地局制御装置73aに出力するものであって、エンコーダ101a,送信装置9,高電力増幅器(HPA)108,アンテナ110a,デュプレクサ109,受信処理部117,デコーダ101bをそなえて構成されている。
ここで、エンコーダ101aは、入力された情報データを符号化するものであり、また、送信装置9は無線フレームを送信するものである。高電力増幅器108は送信装置9からの無線信号を増幅するものであり、アンテナ110aは無線信号を送信するものである。デュプレクサ109は、無線信号をアンテナ110aに出力するとともに、アンテナ110aからの無線信号を、後段に設けられた受信復調処理を行なう受信処理部117に出力する共用器である。デコーダ101bは受信処理部117にて復調された符号化データから情報データ(受信データ)を復号したデータを出力するものである。
(2−1)送信装置9
図3は本発明の第1実施形態に係る送信装置のブロック図である。この図3に示す送信装置9は、変調部10と送信部16aとをそなえて構成されており、また、通常の通信用フレームと呼び出し用フレームとの各処理を共用して行なうようになっている。
(2−1−1)変調部10
変調部10は、情報データ(音声データ等),同期語データSW,発着信IDデータおよび制御データ等を含むデータを送信シンボルにマッピングして変調した変調信号と、変調信号(送信すべき情報データを変調した変調信号)を含まない無変調信号とを出力するものであって、変調信号および無変調信号生成部(変調信号/無変調信号生成部:MOD)10aと、マッピング部10bと、フレームカウンタ(データ位置認識部)10cとをそなえて構成されている。
ここで、マッピング部10bは、フレームタイミングを表す同期語を含むデータを送信シンボルにマッピングするものであり、情報データ,無線フレームに挿入するための発着信IDデータおよび同期語データが入力される。また、マッピング部10bは、同期語データと情報データとを、送信装置9の外部から取得するようになっている。
この情報データは、例えば音声,テキストデータおよび画像等のベースバンド処理されたデータである。挿入用の発信IDは、送信装置9自身の発信IDと、後述する受信装置8の着信IDとを含む。これらの発信IDおよび着信ID(発着信ID)は、例えば複数のビットにより表されたものである。さらに、同期語はフレームタイミングを表すものであり、例えば(00110011*0011)のようなビットパタンにより表される。なお、発着信IDおよび同期語の各表現方法は種々の方法を用いることができる。
これにより、マッピング部10bに入力された情報データ等の各種データは、信号平面(複素位相平面又は複素平面)に割り当てる。
(2−1−2)変調部10の変形態様
変調部10の変形態様について、図4(a),図4(b)を参照して2種類を説明する。なお、図4(a),図4(b)に示すもので、上述したものと同一符号を有するものはそれらと同一のものを表す。
最初に、変調部10に入力される同期語、情報データおよび発着信IDのうちの同期語と発着信IDとは、変調部10の内部に設けたメモリに保持することもできる。
図4(a)は本発明の第1実施形態に係る変調部の第2の変形構成を示すブロック図である。この図4(a)に示す変調部41は、上記の変調部10と同一機能を有し、同期語を保持する同期語メモリ33aと、挿入する発着信IDを保持する挿入IDメモリ33bとを設けており、これらの同期語メモリ33aと挿入IDメモリ33bとが協働することにより送信装置9自身に設けられた保持部33として機能している。そして、マッピング部10bは、この保持部33から、同期語および発着信IDの各データを読み出して送信シンボルに挿入するのである。なお、これらの同期語メモリ33a,挿入IDメモリ33bは、いずれも、送信装置9の所望のモジュールに設けてもよく、また、データ更新用のポート,ピン等を設けて、オペレータ又は外部入力装置(図示省略)から、データを直接書き込むようにもできる。
これにより、変調部41を実現するハードウェアをコンパクトにでき、回路の利用効率化が図れ、さらに、送信装置9の価格の低廉化を促進できる。
また、移動通信システム80が、CDMA方式を用いる場合の変調部の一例を図4(b)に示す。図4(b)は本発明の第1実施形態に係る拡散変調部のブロック図の一例であって、この図4(b)に示す変調部42は、マッピング部10bの出力側に、ミキサ(乗算器)13a,加算器15を設け、また、マッピング部10bから出力されるI,Qのチャネル信号のそれぞれに乗算するための拡散符号出力部42a,42bを設けている。なお、図4(b)に示すもので上述したものと同一符号を有するものは同一又は同一機能を有し、また、変調部42は上述の変調部10と同様の機能をも有する。
次に、フレームカウンタ10c(図3参照)は、マッピング部10bにてマッピングされた送信シンボルの無線フレーム内部における位置を認識し、送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するものであって、データ位置認識部10cとして機能している。データ位置を認識する理由は、無線フレームに無変調信号を挿入するためである。
そして、マッピング部10bが、同期語と、送信元装置および送信先装置を表すIDデータとを含むデータを送信シンボルにマッピングするとともに、フレームカウンタ10cが、マッピング部10bにてマッピングされた送信シンボルのうちの例えば情報データが挿入された部分の送信シンボルについて出力又は停止を表すオンオフ信号を出力する。
具体的には、フレームカウンタ10cは、複数のビットからなるレジスタを設け、複数のビットからなる情報データ,同期語および発着信IDを無線フレームに挿入する毎に、その情報データ等のビット数分をレジスタにインクリメントする。また、ビット数は、少なくとも1個の無線フレームに含まれるビット数以上をカウント可能な個数を要する。
従って、フレームカウンタ10cは、常時、無線フレームに挿入するデータの位置を認識できる。なお、フレームカウンタ10cのカウンタ機能は種々の方法を用いることができる。
次に、変調信号/無変調信号生成部(MODと表示されたもの)10aは、フレームカウンタ10cから出力されるオンオフ信号に基づいて生成した無変調信号の後に、マッピング部10bにてマッピングされた第1同期語を変調した同期語変調信号を付加した変調信号を出力するものである。そして、フレームカウンタ10cからのオン又はオフ信号に基づいて、変調信号/無変調信号生成部10aは、変調波と無変動波(無変調波)とのうちの一方を切り替え出力する。
この変調信号/無変調信号生成部10aは、マッピング部10bからの信号を例えば位相変調により変調する。この位相変調の一例は、PSK,QPSK,8−PSK等の2のべき乗(2,4,8…)個のシンボルを有する多値位相変調である。また、位相変調は、FSK(Frequency Shift Keying)の1種であるMSK(Minimum Shift Keying)又はガウシャンフィルタを設けたGMSK等、あるいはQAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等を用いることもできる。これにより、送信装置9は種々の移動通信システムに対応でき、汎用性が向上する。
また、無変動波は、QPSK等の被変調信号が一定のとき(変調信号が出力されていないとき)における無変調信号と、π/4シフトQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の変調信号が出力されていないときに疑似変調信号との両方を意味する。従って、本発明の送信装置9は、変調方式にかかわらず、無変調波と変調波とを切り替えて無線信号を送信できる。
これにより、マッピング部10bが、同期語と情報データとを含むデータを送信シンボルにマッピングするとともに、変調信号/無変調信号生成部10aが、マッピング部10bにてマッピングされた送信シンボルを変調して変調信号を含む無線フレームを出力する。
なお、変調信号/無変調信号生成部10aはマッピングされたシンボルを変調出力するもの(狭義)であり、また、変調部10(又は41)は入力された情報データ等を変調した変調信号と無変調信号とを出力するもの(広義)でもあってマッピング部10bおよびフレームカウンタ10cを含む。
(2−1−3)送信部16a
次に、送信部16aは、変調信号/無変調信号生成部10aから出力される変調信号を含む無線フレームを送信するものである。具体的には、送信部16aは、I,Qの各チャネル信号を帯域制限し変調部10からの中間周波数信号をアップコンバートして無線信号を送信するものであって、2個のD/A変換部(Digital to Analogue Converter)11a,11bと、2個のローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)12a,12bと、2個のミキサ13a,13bと、VCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)13cと、加算部15とをそなえて構成されている。
ここで、D/A変換部11a,11bはともに変調部10からのディジタルデータをアナログデータに変換するものである。ローパスフィルタ12a,12bはともにD/A変換部11a,11bからのアナログデータの周波数の低域成分を通過させるフィルタである。各ローパスフィルタ12a,12bの特性は、キャリア周波数および移動通信システム80の仕様等に応じて種々変更可能なものである。また、VCO13cは、キャリア周波数を出力する発振器であって、発振周波数を制御端子(図示省略)に加える直流電圧によって変化させることができる。ミキサ13a,13bは、それぞれ、I,Qの各チャネル信号と、VCO13cから出力されたキャリア周波数とを乗算し、キャリア周波数近傍にてシステム仕様に定められた帯域の無線信号を生成するためのものである。また、加算部15は、各ミキサ13a,13bから出力された無線信号を合波して無線信号を送信するものである。
これにより、本発明の無線フレームを送信する送信装置9における、呼び出し信号の送信方法は、例えば基地局71に設けられた送信装置9が、フレームタイミングを表す同期語を含むデータを送信シンボルにマッピングし、マッピングされた送信シンボルの無線フレーム内部における位置を認識し送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力し、出力されたオンオフ信号に基づいて生成した無変調信号の後に、マッピングされた同期語を変調した同期語変調信号を付加した変調信号を出力し、そして、出力された変調信号を含む無線フレームを送信する。
従って、移動端末70が電波の届かない場所に置かれた場合、移動端末70自身が覆われていたり、あるいはカバンの中に入れられた場合においても、移動端末70は、呼び出し信号を正確に着信でき、これにより、移動端末70と基地局71とは、いずれも、着信制御によって、着信判定に要する所要時間と信頼度の改善とを図られる。
(3)呼び出し信号のフレームフォーマット例
図5(a),図5(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係る呼び出し信号のフレームフォーマット例を示す図である。この図5(a)に示す呼び出し信号のフレームは、基地局71(送信装置9)が送信したものであって、制御データ、同期語(SW:Synchronous Word)、ID、情報データ、CRC等の各データを挿入されている。また、後述するLEFD部17a,17bが引き込み動作可能な無変調信号は、呼び出し情報の前に付加されている。この無変調信号の長さは、受信状態が最悪の場合におけるLEFD部17a,17bの最大引き込み時間に設定されている。
なお、図5(a),図5(b)にそれぞれ示す制御データ,無変調信号が先に送信されるデータであり、CRCが後に送信されるデータである。また、各フレームフォーマットは、これらの図5(a),図5(b)に示すフォーマットのほかにも、種々の制御データを含めることもでき、誤り訂正のためのパリティビット等を含めるようにもできる。
これにより、以下に説明する受信装置8は、無変調信号の検出前は動作を停止した状態を維持でき、無変調信号の検出後にはじめて受信装置8の復調判定回路が起動される。従って、消費電力を改善できる。
さらに、受信装置8が、受信信号の1シンボル内に含まれる複数のサンプリングデータを用いることにより、受信装置8における同期語の検出タイミングの精度が改善され、そして、この検出タイミングによってシンボルタイミングが再生されるので、シンボルタイミングの精度が改善される。
(4)移動端末70
図6は本発明の第1実施形態に係る移動端末70のブロック図である。この図6に示す移動端末70は、基地局71からの無線信号を復調し、音声,画像の出力又はファイルデータの保持等を行なうとともに、音声等のデータを変調してその変調データを基地局71に送信するものであって、アンテナ110b,低ノイズ増幅器(LNA)111,受信装置8,デコーダ101b,エンコーダ101a,送信処理部118,音声回路部119およびマイク45,スピーカ46,表示部47をそなえて構成されている。ここで、アンテナ110bは無線信号を受信するものであり、低ノイズ増幅器111は受信した無線信号を、ノイズを抑制して増幅するものである。また、音声回路部119は、音声入力用のマイク45からの信号を増幅し増幅したデータをエンコーダ101aに入力するものであり、また、デコーダ101bから入力されたデータを増幅等の処理をして音声出力用のスピーカ46から音声等を出力するものである。さらに、表示部47はデコーダ101bから入力される情報データ等を表示するディスプレイである。
次に、受信装置8は無線フレームを受信するものである。デコーダ101bは受信装置8から出力される符号化データを復号するものである。
(4−1)受信装置8
図7は本発明の第1実施形態に係る受信装置8のブロック図である。この図7に示す受信装置8は、受信部16bと2個のLEFD部17a,17bと復調判定部(復調部)20とをそなえて構成されている。図7に示すもので上述したものと同一符号を有するものは同一機能を有する。
ここで、受信部16bは、無変調信号,無変調信号の後に付加された同期語および発着信IDデータ等を含む無線フレームを受信しダウンコンバートした中間周波数信号データを出力するものであって、ミキサ13a,13b,VCO13c,ローパスフィルタ12a,12bのほかに、分離部14と、2個のA/D変換部(Analogue to Digital Converter)31a,31bとをそなえて構成されている。この分離部14は、無線信号をI,Qの各チャネルに振り分けるものである。
また、A/D変換部31a,31bはともに受信したアナログデータをディジタルデータに変換するものであって、好ましくは、最大周波数偏移の2倍のサンプリングタイミング(サンプリング速度又はサンプリング間隔)により変換する。そして、A/D変換部31a,31bからのディジタルデータは、サンプリング間隔で後述するLEFD部17a,17bに入力されるようになっている。
ローパスフィルタ12a,12bは、低域の信号を通過させるフィルタであり、最大周波数偏移を帯域とすることが好ましい。
これにより、無線信号は、I,Qの各チャネルに振り分けられて、ミキサ13a,13bにてそれぞれVCO13cからの周波数と乗算されてダウンコンバートされる。I,Qの各チャネルの中間周波数信号は、ローパスフィルタ12a,12bにて高周波数成分が除去されてからアナログデータからディジタルデータに変換され、変換されたディジタルデータはいずれもLEFD部17a,17bと復調判定部20とに入力される。
また、復調判定部20は、LEFD部17a,17bにおける呼び出し信号の着信の検出により起動され、無線フレームに含まれる同期語とIDデータとに基づいて無線フレームが自局宛又は他局宛を判定するものである。この復調判定部20は、自局宛のデータが受信されない間は動作を停止し、自局宛のデータがLEFD部17a,17bにて受信されてLEFD部17a,17bから起動信号を入力されると起動するようになっており、これにより、消費電力が抑制される。
復調判定部20は、周波数再生部(CR:Career Recovery)20a,同期語検出部(SW検出部)20b,逆マッピング部20c,ビットタイミングリカバリ20d,フレームカウンタ20e,ID検出部20fをそなえて構成されている。
ここで、周波数再生部20aは、受信部16bからの中間周波数信号の周波数を再生するものである。
ビットタイミングリカバリ20dは、キャリア再生された中間周波数信号のビット列の各ビットの正確な位相を復元するものであり、検出したビットの位相情報を逆マッピング部20cおよび同期語検出部20bのそれぞれに入力するようになっている。すなわち、ビットタイミングリカバリ20dは、ビットタイミングを検出し、これにより、受信装置8は、送信装置9にて変調された情報データをデコードできる。
さらに、逆マッピング部20cはビットタイミングリカバリ20dからの位相情報に基づいて、基地局71(送信装置9)がマッピングした変調シンボルから1又は複数のビットを復元するものである。
同期語検出部20bは、LEFD部17a,17bにて検出された無線フレームについて同期語の有無を判定するものである。同期語検出部20bは、受信信号に含まれる同期語が、自局宛又は他局宛を判定し、自局宛を表すビットパタン(例えば00110011*0011)を保持するレジスタ(図示省略)と、ビット同期した受信データビットを格納するシフトレジスタ(図示省略)とを有する。そして、シフトレジスタは、所定長の受信データビットをクロック毎にシフトし、受信データビットとビットパタンとが一致するか否かを比較する。ここで、同期語検出部20bは、この比較により一致を検出すると、その同期語を、フレームの先頭ビットと認識し、同期語検出をフレームカウンタ20eに通知する。
また、フレームカウンタ20eは、フレームに含まれる各種データのフレーム内部における位置を認識するものであって、この機能は例えばレジスタ等により実現される。このフレームカウンタ20eは、図5(a),図5(b)に示すフレームフォーマットを認識し、複数のビットからなるデータを復調する毎に復調処理したビット数をインクリメントし、1個の無線フレームに含まれるビット数以上をカウントし、これにより、情報データ,発着信ID等の位置を認識する。
また、ID検出部20f(図7参照)は、同期語検出部20bにて同期語が有りと判定された無線フレームに含まれるIDデータが自局宛又は他局宛を判定するものである。ID判定部20fは、逆マッピング部20cからの復調出力とフレームカウンタ20eからのフレーム位置とに基づいて発着信IDを検出し、検出IDとして出力するようになっている。
(4−2)呼び出し信号の受信方法
これにより、本発明の無線フレームを受信する受信装置8における、呼び出し信号の受信方法は、無線フレームに含まれる無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信を検出し、無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語の有無を判定し、無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表すIDデータに基づいて無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する。
従って、受信装置8は、低いC/N比の無線環境における呼び出し信号の着信を、専用の受信回路を用いずに認識できる。そして、受信装置8は、通話時に想定しているよりも受信状態の悪い場合であっても、周波数を引き込み、呼び出しフレームタイミングを検出する。
このフレームタイミングの検出方法は、主に次の(i)〜(iii)の3種類の方法を用いることができる。
(i)本発明の呼び出し信号の受信方法は、受信装置8が、呼び出し信号に、無変調信号と、呼び出しフレームタイミング判定用の同期語と、発着信局(送信元装置および送信先装置)を表す識別IDを同一チャネルに挿入する。受信装置8は、送信装置9からの無線信号を受信し、無変調信号の中に呼び出し信号の有無を判定する。受信装置8は、この判定後に、呼び出しフレームタイミング判定用の同期語判定部と発着信局の識別IDを判定する識別子判定部とを起動させ、そして、受信装置8は、受信無線フレームが、自局宛てか否かを判断する。
(ii)前記(i)の受信方法において、送信装置9および受信装置8が、予測される送受信状態に基づいて、タイミング判定用同期語と、発着信局の識別IDとの各ビットに、複数ビットからなる固定パタンを乗じ、その乗じたデータを送受信する。
(iii)前記(i),(ii)の受信方法において、送信装置9および受信装置8が、発着信局の識別IDに含まれるシンボル内ビット判定タイミングを、複数の全シンボル内タイミングの候補のなかから、複数ビットからなる固定パタンを乗じた後に最大エネルギを有するタイミングを選択する。
受信装置8は、呼び出しフレームタイミングを前記(i)〜(iii)のいずれかの方法を用いて検出し、シンボルタイミングとなるナイキスト点を検出する。
これにより、宛先情報の信頼性を向上させることが可能となり、総じて呼び出し信号の受信性能を向上させることができる。
次に、LEFD部17a,17bは、ラインエンハンサ17a,17bとして機能し、無線フレームに含まれる無変調信号と、無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語と、無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表すIDデータとのうちの無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するものである。具体的には、LEFD部17a,17bは、いずれも、呼び出し信号等の信号検出と、キャリア周波数偏差の是正(キャリア周波数偏差の引き込み)との両機能を有し、呼び出し信号の受信を認識すると、復調判定部20を起動させるための起動信号を復調判定部20に入力するものである。
このように、LEFD部17a,17bと、マルチシンボル伝送とが協働することにより、シンボルタイミングが抽出される。
(5)LEFD部17a,17b
図8は本発明の第1実施形態に係るLEFD部17a,17bのブロック図である。この図8に示すLEFD部17a,17bは、バンドパスフィルタ(IIR−BPF[Infinite Impulse Response - Band Pass Filter])30,周波数判定部40,平滑化部(平滑化処理部)50,検出部(信号検出部又は補正部)60をそなえて構成されている。また、図8に示す符号のうちの上述したものと同一符号を有するものは、それらと同一のもの又は同一機能を有する。
バンドパスフィルタ30は、入力された中間周波数信号の所望の帯域成分を抽出するフィルタであって、加算部15,遅延部30a,第1アンプ30b,乗算器30dをそなえて構成されている。ここで、遅延部30aは、中間周波数信号をτ時間遅延させて出力するものである。第1アンプ30bは、遅延された中間周波数信号を増幅率αで増幅しその増幅された中間周波数信号を出力するものである。乗算器30dは平滑化部50からのデータと、第1アンプ30bからの増幅された中間周波数信号データとを乗算するものであり、加算部15は乗算器30dからの乗算データと、検波された中間周波数信号とをフィードバック加算するものである。
これにより、受信部16b(図7参照)から、最大周波数偏移の2倍のサンプリングタイミングを有するサンプリングデータsiが、バンドパスフィルタ30に入力される。バンドパスフィルタ30は、サンプリングデータsiについて、(数1)で表されるフィルタ演算を行なう。ここで、zi′はi番目のバンドパスフィルタ30の出力を表し、z′i-1は1サンプリング前の出力を表し、また、Ψiは図8に示すバンドパスフィルタ30の乗算器30dに入力される複素数pow(e,j・2πf0T)を表す。また、T,α,γはそれぞれサンプリング周期,1よりも小さい実定数,1以下の実定数である。pow(e,j・2πf0T)は自然対数の底e(Exponential)の(j・2πf0T)乗を表す。
Figure 2005130296
また、バンドパスフィルタ30の伝達関数H(z−1)と、この伝達関数H(z−1)と等価なアナログフィルタの周波数特性H(f)の絶対値と、雑音等価帯域幅BWnは、それぞれ、(数2)〜(数4)に示すようになる。
Figure 2005130296


Figure 2005130296


Figure 2005130296


これにより、バンドパスフィルタ30は、f0の値により中心周波数を変更でき、また、α,γの値により雑音等価帯域を設定できる。
次に、周波数判定部40は、中間周波数信号の周波数を弁別するものであって、複素演算部(Conjugate)40a,正規化処理部(Normalization)40bをそなえて構成されている。複素演算部40aは、1サンプリング前の信号の複素共役信号と、現時刻にサンプリングして得た信号とを乗算して、1サンプリング間隔における位相回転量を偏角とする複素信号を計算するものである。
さらに詳述すると、周波数判定部40は、1サンプリング前の複素共役信号[(zi−1′)*]と、現時刻にサンプリングした値(zi′)とを乗算し、サンプリング間隔の位相回転量(2πfiT)を偏角とする複素数Ψiを計算する。ここで、iは自然数を表し、*は複素共役(Complex Conjugate)を表す。
そして、正規化処理部40bは、平滑化処理部50から出力される信号の振幅が発散することを抑制するために信号の振幅の絶対値を1にする。具体的には、正規化処理部40bは、(数5)に示すように、平滑化処理部50から出力されるγを1以下に抑制するために絶対値が1になるように信号を正規化する。
Figure 2005130296


ここで、expは自然対数、jは虚数単位、・は乗算をそれぞれ表す。
この周波数判定部40は、後段の信号検出部60からの復調判定部20の起動信号が出力されるまで、常時動作している。そして、信号検出によって復調判定部20に対して起動信号が入力されると、周波数判定部40はそのキャリア周波数偏差情報を周波数制御部(例えばVCO:図示省略)に出力して補正し、周波数判定部40自身の動作を停止する。
次に、平滑化処理部50は、周波数判定部40からの出力について、積分演算を用いて平滑化した信号を再度バンドパスフィルタ30に入力するものであり、この平滑化により得られた値は、ノイズのない一定周波数の信号がバンドパスフィルタ30に入力された値と等価である。そして、バンドパスフィルタ30の中心周波数は、検出された周波数に設定され、また、バンドパスフィルタ30の通過帯域は徐々に狭くなる。この通過帯域が狭くなるとバンドパスフィルタ30から出力される信号のC/N比が改善されて周波数検出精度が改善される。
さらに詳述すると、平滑化処理部50は、周波数検出部40にて得られた複素数Ψiを平滑化し、バンドパスフィルタ30の通過特性を、(数6)に示す通過特性にする。ここで、Ψi′はサンプリング番号iについて平滑化処理部50から出力された複素パラメータであり、βはバンドパスフィルタ30の帯域を決定するためのパラメータであって1よりも小さい実定数である。
Figure 2005130296


この平滑化処理部50は、第2アンプ50a,第3アンプ50b,加算部15,遅延部30aをそなえて構成されている。ここで、第2アンプ50a,第3アンプ50bはいずれも、入力信号をそれぞれ増幅率1−β,βで増幅するものである。そして、平滑化処理部50が受信した中間周波数信号を長時間積分することにより、移動端末70は、同一周波数を受信していると判定する。
加算部15は、同期語および発着信IDと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを復調判定部20に入力するものである。ここで、受信固定パタンデータは、既知のビットパタンである。
また、サンプリング番号iにおける平滑化処理部50から出力される絶対値γiおよび偏角θiは、それぞれ、(数7)および(数8)により表される。
Figure 2005130296


Figure 2005130296

ここで、fnがnにかかわらず一定値(fd)となる場合には、(数7)および(数8)はそれぞれ(数9)および(数10)に示すようになる。
Figure 2005130296
Figure 2005130296
なお、キャリア周波数偏差を検出するために、受信装置8は、周波数弁別器と平滑フィルタとを用いて周波数偏差情報の分散値を計算するようにもできる。この半面、この分散値を得る方法は、低いC/N比における動作の困難性と、動作時間が長い点と、信号検出に要する時間差が大きい点と、装置構成の簡便化との各観点から必ずしも好ましいものではない。
一方、LEFD部17a,17bは、平滑化処理部50からの出力信号の絶対値が入力信号の位相状態にのみ依存したことを利用している。従って、受信信号の電力値変動が大きい無線環境においても、信号検出が可能となる。以下、受信部16bはLEFD部17a,17bを用いるものとして説明する。
次に、図8に示す検出部60は、LEFD部17a,17bにて検出されたキャリア周波数偏差に基づいてキャリア周波数を補正するものであって補正部として機能している。検出部60は、平滑化処理部50からの信号の絶対値を閾値と比較しその信号の絶対値が閾値よりも大きくなった場合に発振周波数を推定し推定した発振周波数をVCOに入力するようになっており、絶対値計算部(電力化部)60a,閾値判定部(信号検出部)60b,推定部(ArcTan)60cをそなえて構成されている。
ここで、絶対値計算部60aは、平滑化処理部50から出力される信号の絶対値を計算するものである。閾値判定部60bは、絶対値計算部60aから出力された絶対値を予め設定した閾値と比較し絶対値が閾値よりも大きくなった場合にその旨を出力するものである。推定部60cは、例えば位相量(又は位相差分量)に対応付けられたアークタンジェント値に基づいて周波数を推定するものである。
さらに、(数9)および(数10)を参照して、推定周波数feを取得する計算方法について詳述する。
上記の(数9)および(数10)は、一定周波数の無変調信号がバンドパスフィルタ(図8に示すIIR−BPF)30に入力された状態に相当し、また、(数9)および(数10)によって、一定周波数の信号入力に対して、絶対値は遅れを伴って1に近づき、偏角は遅れなく出力される。この結果がバンドパスフィルタ30に入力されると、バンドパスフィルタ30の中心周波数は、検出された周波数に設定され、帯域はγの大きさにしたがって徐々に狭くなる。
また、入力信号に雑音が含まれている場合には、平滑化処理部50からの出力の偏角に誤差が含まれるが、帯域が狭くなるにつれてバンドパスフィルタ30の出力C/N比が改善され、周波数の検出精度が向上する。
無変調波入力がない場合は、バンドパスフィルタ30の出力位相は雑音成分の位相分布である[0,2π]の範囲の一様分布となる。このため、(数7)のcosとsinとの各項は、平均0の成分となり、γは1よりも十分小さな値となる。
従って、信号検出部60が、γについて閾値(1よりもわずかに小さい値)を超えたか否かを判定する。信号検出部60は、γが閾値以上になったときに推定周波数feとして(数11)に示す計算により、局発周波数を設定する。
Figure 2005130296



このように、LEFD部17a,17bを用いて、平滑処理の出力絶対値の大きさが、入力信号の位相状態にのみ依存することを利用して信号を検出できる。このため、受信電力変動の大きい回線においても信号検出が可能となる。そして、LEFD部17a,17bによれば、受信信号電力の大きさに依存しない信号検出が可能になる。加えて、LEFD部17a,17bにおいて、フィルタリングに要する演算回数は、複素積演算と、実数積演算と、複素和演算とは、それぞれ、1回、2回、1回であり、本LEFD部17a,17bによれば、FIRフィルタに比較して極めて少ない回数で上記演算が可能となる。
これにより、例えば同期語シンボル長を長くすることにより、フレーム同期検出確率の低下が防止される。
また、本発明の移動通信システム80は、送信装置9と受信装置8とをそなえて構成され、送信装置9が、フレームタイミングを表す同期語を含むデータを送信シンボルにマッピングするマッピング部10bと、マッピング部10bにてマッピングされた送信シンボルの第1無線フレーム内部における位置を認識し、送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するフレームカウンタ10cと、フレームカウンタ10cから出力されるオンオフ信号に基づいて生成した第1無変調信号の後に、マッピング部10bにてマッピングされた第1同期語を変調した同期語変調信号を付加した第1変調信号を出力する変調部10(又は41)と、変調部10から出力される第1変調信号を含む第1無線フレームを送信する送信部16aとをそなえて構成されている。
さらに、受信装置8が、第2無線フレームに含まれる第2無変調信号と、第2無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語と、第2無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表すIDデータとのうちの無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するLEFD部17a,17bと、LEFD部17a,17bにおける呼び出し信号の着信の検出により起動され、第2無線フレームに含まれる同期語と発着信IDとに基づいて第2無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部20とをそなえて構成されている。
そして、本発明のシンボルタイミングの抽出方法は、無線フレームを受信する受信装置8におけるシンボルタイミングの抽出方法である。
受信装置8は、送信装置9において変調シンボルに変調方式に応じた固定パタンデータ(送信固定パタンデータ)を乗じて得られた1又は複数の変調信号を受信する。
次に、受信装置8は、同期語データおよび発着信ID(送信元装置および送信先装置を表す識別子データ)と、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを復調判定部20に入力する。
これにより、LEFD部17a,17bと、1又は複数のビットからなるマルチシンボル伝送とが組み合わされることにより、特に呼び出し信号の受信感度が向上する。
このように、移動端末70と基地局71とは、いずれも、着信制御によって、着信判定に要する所要時間と信頼度の改善とを図れる。
(6)動作説明
このような構成によって、本発明の第1実施形態における移動通信システム80における無線信号の送受信方法について詳述する。
移動通信システム80において、移動端末70と基地局71との距離が比較的小さく無線信号のC/N比が良好な場合、移動端末70は待ち受け時に呼び出し信号を受信し、基地局71を介して、相手の加入者端末74a,サーバ75a(図1参照)と音声通話又はメイルデータの送受信を開始する。また、音声通話又はメイルデータ送受信が行なわれているときは、移動端末70は基地局71からの同期語を確実に受信する。従って、移動端末70と基地局71とは、いずれも、本発明の適用の有無にかかわらず、無線信号を確実に送受信する。
一方、移動端末70が不感地域にある場合又はカバン等の中に入れられた場合、移動端末70は待ち受け時において、呼び出し信号を正確に着信できるように受信部16bを動作させ続ける。
劣悪環境下において、ベースバンド信号は、例えば中心周波数が不明の無変調信号をダウンコンバートにより得られ、このベースバンド信号が、LEFD部17a,17bに入力されると、平滑化処理部50がサンプリングした複素信号の1つがバンドパスフィルタ30に入力される。ここで、初期状態又はノイズが混入された場合、バンドパスフィルタ30は平坦な周波数特性となる。そして、無変調波が入力されると、周波数判定部40がサンプリング間の位相差を検出する。また、この位相差を平均化し、再度、バンドパスフィルタ30にフィードバックする操作を繰り返すことにより、バンドパスフィルタ30の中心周波数は、入力された無変調波の周波数に近くなる。
さらに、送信装置9が送信する無線信号について、無変調信号部分の長さ(信号長)は、最悪の無線環境におけるLEFD部17a,17bの最大引き込み時間に設定する。そして、受信装置8は、この無変調部分で着信信号の有無をLEFD部17a,17bにて判定し、信号検出と同時にLEFD部17a,17bが検出したキャリア周波数偏差を用いて、その後の受信周波数を変更するようにVCO13cの発信周波数値を補正する。さらに、受信装置8は、フレームタイミングを識別するための同期語を待ち、前記(i)〜(iii)の各フレームタイミングの検出方法を用いて宛先情報等の呼び出し情報を抽出する。
従って、本発明の移動通信システム80は、呼び出し信号としての無変調信号と呼び出しフレームタイミング判定用同期語と発着信IDとを同一チャネルに設けて処理している。受信装置8は、送信装置9からの無変調信号によって呼び出し信号の有無を判定し、その判定後に呼び出し信号のフレームタイミング判定用同期語判定部と、発着信局のID判定部とを起動して、復調後に自局宛てか否かを判断する。
この動作シーケンスを用いることにより、同期語検出のオープンアパーチャ動作が少なくともノイズだけを受信しているときは発生しないので、無変調波やビットタイミングリカバリ20d部に対する相関性の低い同期語とすることにより、許容誤り数を大きくしても誤検出しにくくできる。
(7)変形例
移動端末70および基地局71は、送信装置9および受信装置8の両方をそなえてもよい。本変形例の移動通信システム80a(図1参照)は、移動通信システム80とほぼ同一構成である。
図9は本発明の第1実施形態の変形例に係る移動端末70aのブロック図である。この図9に示す移動端末70aは、移動端末70に設けられた受信装置8を設けるほかに、送信装置9を設けたものである。そして、移動端末70aは、基地局(対向送受信装置)71aに対して第1無線フレームを送信するとともに、基地局71aが送信した第2無線フレームを受信する送受信装置として機能している。ここで、送信系34は、主に、第1無線フレームを送信するものであり、受信系35は第2無線フレームを受信するものである。
また、図10は本発明の第1実施形態の変形例に係る基地局71aのブロック図である。この図10に示す基地局71aは、基地局71に設けられた送信装置8をそなえるとともに、受信装置9をそなえて構成されている。そして、基地局71aは、移動端末(対向送受信装置)70aに対して第1無線フレームを送信するとともに、移動端末70aが送信した第2無線フレームを受信する送受信装置として機能している。
なお、これらの図9および図10に示すもので、上述したものと同一符号を有するものは同一又は同一機能を有するので更なる説明を省略する。
従って、本変形例の移動通信システム80a(図1)は、フレームタイミングを表す第1同期語を含むデータを送信シンボルにマッピングするマッピング部10bと、マッピング部10bにてマッピングされた送信シンボルの第1無線フレーム内部における位置を認識し、送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するフレームカウンタ10cと、フレームカウンタ10cから出力されるオンオフ信号に基づいて生成した第1無変調信号の後に、マッピング部10bにてマッピングされた第1同期語を変調した同期語変調信号を付加した第1変調信号を出力する変調部10と、変調部10から出力される第1変調信号を含む第1無線フレームを送信する送信部16aとをそなえている。なお、変調部41を変調部10の代わりに用いることもできる。
さらに、第2無線フレームに含まれる第2無変調信号と、第2無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語と、第2無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表すIDデータとのうちの無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するLEFD部17a,17bと、LEFD部17a,17bにおける呼び出し信号の着信の検出により起動され、第2無線フレームに含まれる同期語とIDデータとに基づいて第2無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部20とをそなえて構成されている。
また、受信装置8が、前記(i)の検出方法を用いて判定する。すなわち、受信装置8は、呼び出し信号に、無変調信号と、呼び出しフレームタイミング判定用の同期語と、発着信局(送信元装置および送信先装置)を表す識別IDを同一チャネルに挿入する。受信装置8は、送信装置9からの無線信号を受信し、無変調信号の中に呼び出し信号の有無を判定する。受信装置8は、この判定後に、呼び出しフレームタイミング判定用の同期語判定部と発着信局の識別IDを判定する識別子判定部とを起動させ、そして、受信装置8は、受信無線フレームが、自局宛てか否かを判断する。
従って、このようにすれば、シンボル内での参照点検出の高信頼化が図れる。また、通話よりも受信環境が悪い場合において、送信電力を大きくせずに、また、呼び出し受信専用の受信回路を用いずに悪い受信環境での呼び出し送受信が可能となる。
このように、本発明の第1実施形態に係る受信装置8(又は送受信装置)のLEFD部17a,17bは、低いC/N比の無変調波について信号の有無を判定可能であり、また、精度を維持した状態で検出できる。さらに、LEFD部17a,17bは、キャリア周波数偏差を比較的短時間で検出できる。これにより、LEFD部17a,17bは、信号レベルの検出が困難な場合および引き込み時間が長い場合において、両機能を発揮できる。
(B)本発明の第2実施形態の説明
第2実施形態においては、受信装置8における呼び出し信号の受信感度を向上させ、送信装置9および受信装置8間の送受信の信頼性を向上させる方法について説明する。また、第2実施形態における移動通信システム80bは、第1実施形態の移動通信システム80と同一構成である。
第1実施形態における送信装置9は、1個の変調シンボルについて1個の送信シンボルを割り当てている。第2実施形態における送信装置は、1個の変調シンボルを例えば2個以上の複数個の送信シンボルに分割し分割した各送信シンボルを送信するようになっている。
図11は本発明の第2実施形態に係る送信装置のブロック図である。この図11に示す送信装置9aは、変調部41aと、送信部16aとをそなえて構成されている。ここで、変調部41aは、マッピング部10bと変調信号/無変調信号生成部10aとの間に、送信用固定パタン乗算部10dを設けている。この送信用固定パタン乗算部10dは、マッピング部10bから連続して入力される変調シンボルのI,Qの各チャネルに固定パタン(既知のパタン)を乗算しこの乗算した結果を1シンボルとして変調信号/無変調信号生成部10aに送信するものであって、I,Qの各チャネルに設けられた乗算器30dと、これらの乗算器30dに固定パタンを入力する固定パタン保持部30eとをそなえて構成されている。
この変調部41aは、変調シンボルに、変調方式に応じた固定パタンデータを乗じて1又は複数の変調信号を出力するのである。具体的には、変調部41aは、変調シンボル(a,b)に、固定パタンデータ(A,B)を乗じて1又は複数の変調信号[(a,b)*A+(a,b)*B]を出力する。
また、第2実施形態においても、変調部41aは、同期語および発着信IDを保持する保持部33(図4(a)参照)を用いることができる。さらに、呼び出し信号のフレームフォーマットも、図5(a),図5(b)に示すフレームフォーマットと同一である。なお、図11において上述したものと同一符号を有するものは、それらと同一のもの又は同一機能を有する。
ここで、時間間隔の近い複数の送信シンボルに分割する理由は、周波数の引き込み残差に対する積分効果の劣化を防止するためである。よく知られているように、フィルタの時間領域における応答(時間応答)は、入力信号とインパルス応答との畳み込み演算(Convolution)により計算される。従って、送信シンボルの送信間隔が時間的に近いことは、フィルタの時間応答等によってノイズの相関値が高くなり、積分演算を用いてもノイズが相殺されにくくなる。このため、積分効果とノイズの相殺効果とのトレードオフによって分割するシンボル配置を決定することが望ましい。
そして、送信装置9aの変調部41aにおいて、マッピング部10bから出力される送信シンボルは、送信用固定パタン乗算部10dにて固定パタンを乗算され、時間間隔の近い複数の送信シンボルに分割され、分割された送信シンボルが順番に送信される。また、受信装置8aにおいて、待ち受け信号の受信感度が向上する。
図12は本発明の第2実施形態に係る受信装置8aのブロック図である。なお、この図12に示す受信部16bおよび復調判定部20はいずれも上述したものと同一である。
図12に示す受信装置8aは、上述した受信装置8と同様の機能を有するほかに、後述するベクトル加算する機能を有するものであって、ベクトル加算機能を付与された受信用固定パタン乗算部(積分処理部,積分部又は積分ブロック)19が、受信部16bおよび復調判定部20間に設けられている。
ここで、受信用固定パタン乗算部19は、LEFD部17a,17bにて受信された無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を複数のシンボルの個数の例えば整数倍の個数に相当する時間中積分して得たシンボル電力値データを復調判定部20に入力するものである。
また、受信用固定パタン乗算部19は、送信装置9aから送信された2個の変調シンボルのそれぞれに固定パタンを乗算しこの乗算結果を加算して1個の変調シンボルに変換するものである。このベクトル加算とは、複数の受信シンボル点を累積加算(積分)又は相関値を計算することを意味し、また、ベクトルとは、無線信号を複素表示したr*pow(e,j・2πfT)で表されたものに相当する。ここで、rは振幅,*は乗算,pow(e,j・2πfT)は自然対数の底e(Exponential)の(j・2πfT)乗,jは虚数単位をそれぞれ表す。
受信用固定パタン乗算部19は、2個の遅延部18と、4個の乗算器30dと、2個の加算部15と、固定パタン保持部30eとをそなえて構成されており、また、遅延部18,2個の乗算器30d,加算部15,固定パタン保持部30eから構成される積分演算処理部が、I,Qの各チャネルについて1組づつ設けられている。
これにより、送信部41a(図11参照)は、予測される受信状態により、タイミング判定用同期語と、発着信IDの各ビットを、複数ビットからなる固定パタンを乗算する。
図13(a)は本発明の第2実施形態に係る受信シンボル例を示す図である。この図13(a)に示す曲線L1は、受信装置における受信シンボルが観測される概略的な範囲を表し、また、○はQPSKが用いられた場合の理論的な変調シンボルの位置(ナイキスト点)を表す。なお、横軸,縦軸はそれぞれ実数成分Re(Real),虚数成分Im(Image)である。
さらに詳述すると、理論的な変調シンボルの近辺で受信された受信シンボルの位相は、変調シンボルの位相と同一又は変調シンボルの位相から微少にずれたものを表す。この一方、変調シンボルから離れたところにおいて受信された受信シンボルの位相は、元の変調シンボルの位相から大きくずれた位相を表す。また、無線環境が劣悪な場合、位相が変調シンボルの位相からずれて、無線信号の振幅(又は電力)は小さくなる。原点と原点以外の点との距離は、受信シンボルの振幅に相当し、また、振幅を2乗したものは電力を表す。ここで、Q1,Q2は、それぞれ、大きな電力値の受信シンボル,小さな電力値の受信シンボルである。従って、理論的な変調シンボル○の近辺にて受信された受信シンボルの電力は大きくなり、それ以外にて受信された受信シンボルの電力は小さくなる。
一方、受信部16bから出力される受信シンボルのI,Qの各信号は2分岐され、I,Qの各チャネル信号に固定パタンが乗算されて、I,Qの各チャネルについて1個の受信シンボルが復調判定部20(図11参照)に入力される。
次に、ベクトル加算部19は、LEFD部17a,17bにて受信された無線フレームを周波数変換して得た中間信号の出力タイミングを調整する。
ベクトル加算についてさらに詳述する。受信装置8aは、分割送信された送信シンボルに、送信装置9aが用いる固定パタンと同一の固定パタンを乗算し、さらに、LEFD部17a,17bによって周波数補正がほとんど終了していることを利用してベクトル加算する。
図13(b)はベクトル加算を説明するための図であり、変調例としてQPSKが用いられた場合のものである。この図13(b)に示す信号平面において、○および●は、それぞれ理論的な変調シンボル点および受信シンボル点を表し、受信シンボルはノイズ又はマルチパス等によって変調シンボルとずれた点にて受信される。また、信号平面においてシンボルの信号エネルギが最大の位置はナイキスト点と呼ばれ、変調シンボル点○に相当する。
従って、受信装置8aが、LEFD部17a,17bにて受信された第2無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を複数のシンボルの個数の整数倍の個数に相当する時間中積分して得たシンボル電力値データを復調判定部20に入力するベクトル加算部19をそなえ、ベクトル加算部19が、LEFD部17a,17bにて受信された第2無線フレームをダウンコンバートして得た中間信号の出力タイミングを調整するとともに、同期語および発着信IDと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを復調判定部20に入力するように構成されている。
ここで、第2実施形態の移動通信システム80bが、CDMA方式を用いた場合における受信シンボル点の偏差量の抑制について詳述する。
各移動端末70の受信部16bは、通常、位相がずれたキャリア周波数を受信するので、受信部16bがベクトル加算をし続けると偏差量が増大する。このため、CDMA方式の仕様は、移動端末70におけるキャリア周波数偏差を抑制するようにして、拡散率および拡散速度の各値を規定している。すなわち、移動端末70は、位相のずれがないことを前提として拡散処理および逆拡散処理を行なっている。なお、逆拡散処理(図示省略)は、拡散変調部42(図4(b))が用いる拡散符号と同一符号を用いて、拡散変調とは逆の加算および乗算を行なうようになっている。
従って、拡散率および拡散速度が仕様に規定され各値よりも大きい場合は、受信部16bにおける偏差量の増大によって、受信シンボル点は、信号空間にて180度以上偏差し、また、本来の変調シンボルと異なるシンボルと認識されて受信信号が消滅することが生じる。
さらに、図14は本発明の第2実施形態に係る受信シンボル点を説明するための図である。受信装置8aにおいて、キャリア周波数偏差が生じた場合、この図14に示す受信シンボル点P1が、受信電力値が減少する方向に移動し、原点方向に回転するように近づいて消滅する(曲線L2と表示したもの)。従って、受信状態が劣悪のときは、拡散するデータの範囲および拡散時間が制限される。
これに対して、本発明の受信装置8は、周波数引き込みが完了した後にシンボル点を判定するので、長時間受信しても偏差量を抑制できる。さらに、キャリア周波数偏差がない場合、受信部16bはキャリア周波数に同期し続けるのでベクトル加算値が加算され信号電力値が増加する。加えて、無線回線のノイズがガウスノイズと近似できる場合は、種々のノイズが相殺されノイズ電力値は原点に近づく。従って、受信部16bは、ベクトル加算するシンボル数を増減することによって、積分後の各シンボルのS/Nを必要な分だけ改善可能となる。例えば、受信部16bにおけるS/N比が改善されて信号電力値が2倍になれば、S/N比は3dB改善される。
これにより、受信装置8aは、拡散時間についての増減が可能となり、要求仕様を満足する必要最小限の信号電力値で通信可能となる。
以上が、CDMA方式が用いられたときの説明である。
このような構成によって、本発明の第2実施形態に係る移動通信システム80bの信号送受信処理について図15(a)〜図15(d)を参照して詳述する。
図15(a)〜図15(d)はいずれも本発明の第2実施形態に係る受信装置8aにおける受信処理を説明するためのタイムチャートである。これらの図15(a)〜図15(d)の右方向は時間方向を表す。
この図15(a)は送信装置9aが送信した無線フレームに含まれる呼び出し信号を表し、受信装置8はこれらのビットタイミングリカバリ20d,同期語および発着信IDの各データを受信(入力)される。図15(b)は送信装置9aが送信した送信データ例を示し、ビットタイミングリカバリ20d,同期語および発着信IDの各データのビットが表示されている。ここで、ビットタイミングリカバリ20d,同期語および発着信IDの各データは、それぞれ、8ビット,4ビットおよび8ビットからなる。また、1〜8を付されたものはビットタイミングを表し、1〜8の時間が1に相当する。
また、図15(c)は受信装置8が受信したデータ(受信データ)を示す図である。この図15(c)に示す受信データ波形は、図15(b)に示す送信データの時間幅と同一である。
さらに、図15(d)は図15(c)に示す受信データ波形と固定パタンとが乗算された乗算データを表している。この図15(d)に示す乗算データの波形は、2箇所においてピークを有する。
ここで、第1実施形態の移動通信システム80と移動通信システム80bとを比較すると、移動通信システム80は、受信特性を改善するための一例として、同期語のシンボル長を長くすることにより、フレーム同期の検出確率の低下を防止している。この半面、シンボル長を長くする方法は、受信特性の改善効果を向上させるために、同期語検出部20bの処理量が増加する。
一方、移動通信システム80bにおける送信装置9aは、1個の変調シンボルを例えば2個の送信シンボルに分割し、分割した2個の送信シンボルを、変調速度を維持して送信するので、送信される変調シンボルのエネルギは、1個の変調シンボルが有するエネルギの2倍である。すなわち、第2実施形態における送信装置9aは、1シンボルあたりのエネルギを時間方向に増加させつつ、変調速度を変更しないで複数の変調シンボルを送信する。換言すれば、送信装置9が、エネルギを時間方向に増減するのである。
送信装置9aは、フレームに含まれる情報データ等の変調処理の対象となるフレーム位置から、1個の送信シンボルに固定パタンを乗算し2個の変調シンボルにして無線信号を送信する。
一方、受信装置8aのLEFD部17a,17bは、周波数偏差判定および信号検出の各動作を第1実施形態に示す動作と同様に行なう。ここで、受信用固定パタン乗算部19は、ベクトル加算を行なう。すなわち、受信用固定パタン乗算部19において、Iチャネルを構成する2個の変調シンボルに各々固定パタンを乗算しその乗算結果を加算してIチャネルについて1個のシンボルに変換する。また、受信用固定パタン乗算部19は、Qチャネルを構成する2個の変調シンボルに各々固定パタンを乗算しその乗算結果を加算してQチャネルについて1個のシンボルに変換する。
従って、復調判定部20の同期語検出部20bの入力側に設けられた受信用固定パタン乗算部(積分処理部)19において受信信号データが積分され、この積分の後に同期語検出が行なわれるので、同期語検出部20bの処理量は増加せず、受信用固定パタン乗算部19における処理量だけが増加する。
なお、受信用固定パタン乗算部19から出力される積分結果は、ID検出部20fが参照することもでき、このようにすれば、IDについての誤り訂正能力を増大させる処理が不要となる。
このように、本発明の第2実施形態においては、低いC/N比の無変調波について信号の有無を判定でき、また、判定精度を維持した状態で検出でき、さらに、キャリア周波数偏差を比較的短時間で検出できる。
また、受信装置8aにおける呼び出し信号の受信感度を向上させ、送信装置9aおよび受信装置8a間の送受信の信頼性が向上する。
(C)本発明の第3実施形態の説明
第3実施形態は、受信装置が受信シンボルの参照点を1シンボル期間のうちの適切な時刻位置において検出する方法について説明する。また、第3実施形態における移動通信システム80cは、第1実施形態の移動通信システム80と同一構成である。
図16は本発明の第3実施形態に係る送信装置のブロック図であり、この図16に示す送信装置9bは、送信部16aと変調部41bと送信用固定パタン乗算部10gを設けている。この送信用固定パタン乗算部10gは、マッピング部10bからのI,Qの各チャネルに、例えば既知の2ビット「00」の固定パタンを乗算しこの乗算した結果を変調信号/無変調信号生成部10aに送信するものであって、固定パタン保持部30eに固定パタン「00」を出力させる受信状態予測部30fをそなえて構成されている。
なお、図16に示す送信装置9bのうちの上述したものと同一符号を有するものは、図2に示す送信装置9と同一のものである。また、変調部41bは、同期語および発着信IDを保持する保持部33(図4(a)参照)を用いることができる。さらに、呼び出し信号のフレームフォーマットも、図5(a),図5(b)に示すフレームフォーマットと同一である。
また、図17は本発明の第3実施形態に係る受信装置のブロック図である。この図17に示す受信装置8bは、受信シンボルに固定パタン「00」を乗算して1シンボルとするときに、複数のシンボルタイミングのうちの電力値が最大のタイミングを決定する機能(以下、タイミング決定機能と称する。)を有するほかに、第1実施形態の受信装置8と同様の機能と、ベクトル加算機能とを有する。
そして、受信装置8bは、ベクトル加算と、タイミング決定とを行なう受信用固定パタン乗算部19aをそなえて構成されている。ここで、受信用固定パタン乗算部19aは、送信装置9bから送信された2個の変調シンボルのそれぞれに固定パタン「00」を乗算しこの乗算結果を加算して1個の変調シンボルに変換するものであって、タイミング決定部19bを有する。また、図17に示すもので、上述したものと同一符号を有するものは、それらと同一のもの又は同一機能を有する。
すなわち、送信装置9bおよび受信装置8bは、それぞれ、予測される受信状態により、同期語(タイミング判定用同期語)と、発着信IDの各ビットとを、例えば2ビットからなる固定パタン「00」を乗じて送信および受信するのである。
これにより、図17に示す受信部16bから出力される受信シンボルのIチャネル信号は、受信用固定パタン乗算部19aにおいて2分岐され、分岐された一方のIチャネル信号は、遅延部18にて遅延された後、乗算器30dにおいて、固定パタン「00」が乗算される。また、分岐された他方のIチャネル信号は、乗算器30dにおいて、固定パタン「00」が乗算され、加算部15において、遅延したIチャネル信号と加算されて1個の受信シンボルとされてから復調判定部20に入力される。さらに、受信部16bからの受信シンボルのQチャネル信号についても同様に処理されて、I,Qの各チャネルについて1個の受信シンボルがいずれも復調判定部20に入力される。また、受信装置8bは、送信装置9bが用いる固定パタンと同一の固定パタンを受信シンボルを乗算し、LEFD部17a,17bによって周波数補正がほとんど終了していることを利用してベクトル加算する。
従って、受信用固定パタン乗算部19aにおいて受信信号データが積分され、この積分の後に同期語検出されるので、同期語検出部20bの処理量は変動せずに受信用固定パタン乗算部19aにおける処理量だけが増加する。
そして、受信装置8bは、同期語検出部20bの処理量は変動しないことを利用して、連続する変調シンボルに固定パタンを乗算して1シンボルとするときに、複数のシンボルタイミングの候補のうちの最適なシンボルタイミングを決定するのである。
これにより、移動通信システム80cに対する信頼性が向上する。
以下、タイミング決定方法について詳述する。
移動通信システム80cは、周波数の有効利用の観点から、送信装置9bが送信帯域を制限するためのフィルタを設けることを必須としている。このフィルタの特性は、ナイキストの無歪条件を満たすフィルタおよびガウスフィルタ等と同様である。
そして、送信装置9bがこのフィルタを用いてシンボルを送信した場合、受信装置8bがそのシンボルに含まれるデータを識別するために最も有利なタイミングは、シンボルの中心である。なお、移動通信システム80cは、パーシャルレスポンス等の符号間干渉を許容しないものとして説明する。
受信装置8bの受信用固定パタン乗算部19aは、受信された中間周波数信号を積分することにより、ナイキスト点(図12(b)に示す変調シンボル点○)における信号情報を抽出する。
図18は本発明の第3実施形態に係るシンボル遷移を説明するための図である。受信装置8bの受信用固定パタン乗算部19aは、この図18に示す受信シンボル(●で表されたもの)が変調シンボル(○で表されたもの)間を遷移する途中のものであるか否かを知ることとはできない。すなわち、データを識別するためのタイミングを決定する機能は、受信用固定パタン乗算部19aの遅延器18,乗算器30dおよび加算器15だけでは得られない。
これに対して、受信用固定パタン乗算部19aは、受信シンボルが軸を交差(横切る)するタイミングを検出し、また、タイミングを平均化するものである。なお、シンボル間の境界の位置を知るようにもできる。換言すれば、受信用固定パタン乗算部19aは、受信シンボルのサンプリングが、このタイミングが進んでいるか又は遅れているかを判定することにより、現在のシンボル点が正確か否かを判定するようになっている。
図19は本発明の第3実施形態に係るシンボルタイミングを説明するための図である。この図19に示す曲線L4は受信シンボルの電力値分布を表し、曲線L5,L6はそれぞれ受信シンボルのアイパタンを表し、受信波形の概略1周期分に相当する部分が表示されている。また、時刻(又は時間)を表す横軸上の時刻t1,t2はアイパタンの広がりが最大となり、受信装置8bにおいて最大のS/N比が得られる時刻であり、シンボル中心に相当する。ここで、受信用固定パタン乗算部19aは、シンボル中心におけるS/N比についてベクトル加算を用いてS/N比を改善する。
一方、時刻t1,t2以外の時刻において復調されたシンボルの電力値は、シンボル中心における電力値よりも小さい。従って、受信装置8bのビットタイミングリカバリ20d等は、正確にこのタイミングでシンボルを判定しなければ改善効果が低下する。このため、第3実施形態における受信装置8bは、以下に述べる2種類のタイミングを参照タイミングとして対応するようになっている。
1番目の参照タイミングは、受信装置8bが、複数のビットにより表された発信IDおよび着信ID(発着信ID)について、発着信IDのシンボル内ビット判定タイミングを、予め格納した複数のシンボル内判定タイミングの全候補のなかから、複数ビットからなる固定パタンを乗じた後に最大エネルギが得られるシンボル内判定タイミングを選択する方法である。すなわち、受信装置8bが、1又は複数のビットからなる1シンボルに既知の固定パタンを乗じ、この乗算により得られた1又は複数のビットからなる1シンボルを検出し、シンボルタイミングを再生するのである。
さらに詳述すると、復調判定部20が、受信用固定パタン乗算部19のベクトル加算において出力された同期語および発着信IDと受信固定パタンデータとを乗じた複数のシンボル内判定タイミング(乗算データ)のうちの最大エネルギを有するシンボル内タイミングを、IDデータの参照タイミングとして決定するものである。これにより、受信装置8bがベクトル加算によって分割されたシンボル内で最もエネルギが増大するタイミングが選択される。
また、2番目の参照タイミングは、ベクトル加算された同期語および発着信IDについて、サンプリングタイミングのうちの信号判定時の相関値が最大のサンプリングタイミングを、同期語の参照タイミングとして決定する受信装置8bがフレームタイミング識別用の同期語を、複数のサンプリングタイミング(サンプリングクロック)において検出し、その複数のサンプリングタイミングのうちの最大相関値が得られたサンプリングタイミングをシンボル内の参照タイミングとする方法である。
そして、シンボル内タイミングの決定は、受信装置8bが1番目および2番目のうちのいずれを用いた場合においても、ベクトル加算によるS/N比の改善後に行なう。従って、受信装置8bのタイミング検出精度が向上する。一方、2番目の参照タイミングが用いられる場合は、同期語の長さの分だけさらにベクトル加算することと等価なので、一層の検出精度の向上が期待できる。
このように、LEFD部17a,17bによる信号検出および周波数偏差検出機能と、呼び出し情報データ部分での複数シンボルのベクトル加算を組み合わせることによって、低いC/N比における呼び出し信号受信が、専用の受信部16bを用いることなく実現される。受信装置8bがこの方法を用いた場合、受信装置8bは、通話時と呼び出し受信時との各シンボル速度を同一にすることにより、必要な受信状態の変化に対して柔軟、かつ共通の受信部16b(受信処理)で対応できる。
また、ビットタイミングリカバリ20dにおけるタイミング検出についてさらに詳述する。受信用固定パタン乗算部19aの遅延部18は、例えばτの時間解像度を有し、この時間解像度τは、受信用固定パタン乗算部19aが、送信装置9bが変調したシンボルを受信して得られる復調シンボルを複数回数サンプリングした最小時間に相当する。ビットタイミングリカバリ20dは、複数回数のサンプリング結果のうちの信号判定時にS/N比が最大になるタイミングを検出する。例えば4倍オーバーサンプリングでかつ固定パタン長を2とした場合、最大のS/N比が得られるタイミングは、8箇所のシンボルタイミング候補のうちから決定される。
ここで、8箇所のシンボルタイミングのうちの変調シンボルがナイキスト点に近いサンプル点が最大の信号エネルギを有し、また、固定パタンの区切りと異なるタイミングにおいて得られる積分結果はともに打ち消し合う。従って、受信用固定パタン乗算部19aは、8箇所のシンボルタイミングのうちの1番大きい電力値を得られるタイミングを選択するようになっている。また、受信用固定パタン乗算部19aを複数個設けることにより、受信装置8bは所望のシンボル数を増減できる。
これに対して、無線環境が非常に劣悪である場合は、被変調データと固定パタンとの組み合わせを用いたタイミング検出は、必ずしも固定パタンの区切りと異なるタイミングにおける積分結果が打ち消し合うとは限らない。このため、受信用固定パタン乗算部19aは、複数回数、タイミング検出を行なって積分して判定する。例えば図15(a)〜図15(d)に示すタイミングのうちのタイミング5において検出される。
従って、本発明の第3実施形態の受信装置8bは、時刻t1,t2と、これらの時刻t1,t2とは異なる時刻において復調されたシンボルの電力値を改善できる。
このような構成によって、受信装置8bの受信部16bが送信装置9bからのシンボルを受信し、LEFD部17a,17bが無変調信号を受信して自局宛を検出すると復調判定部20を起動し、復調判定部20はシンボル位相を監視してキャリア再生(Career Recovery:CR)し、復調判定部20は信号のシンボル間の遷移タイミングを監視して、ナイキスト点を検出する。
一方、フレームタイミング判定用同期語(以下、同期語と称する。)を検出する同期語検出部20bが、これらのキャリア再生とナイキスト点の検出とを行なうと、各操作後にフレームタイミングを検出する処理に間に合わなくなる。このため、送信装置9bの変調部41b(図16参照)が、シンボル内タイミング参照用ビット列(BTR)を呼び出しフレームに書き込むようにしている。すなわち、受信装置8bにおいて受信および復調の各操作に必要なBTRが、送信装置9bによって呼び出しフレーム中に用意されているのである。
なお、受信装置8bは、キャリア再生およびナイキスト点検出の各操作に必要な受信信号であって遅延分以上の受信信号データを保持するメモリを設けることにより対応できる。このため、受信装置8bは必ずしもビットタイミングリカバリ20d処理が必要とはならない。
次に、同期語検出部20bが、呼び出しフレームタイミングを検出し、このタイミングを用いて宛先情報(送信先装置ID)等の各種の情報を得る。
さらに、通話時の受信状態よりも受信状態が悪い場合においても正確に呼び出し可能とするために、送信装置9bは、呼び出しフレームのビットおよび同期語の各部分のエネルギを、通話フレームのビットおよび同期語を含む全体のエネルギを大きくしてシンボルを送信する必要がある。
具体的には、受信用固定パタン乗算部19aは、エネルギを大きくするために、送信電力値を大きくする方法が比較的簡単である。この一方、受信用固定パタン乗算部19aが送信電力値を大きくできない場合、シンボル数つまり時間を増加させる方法を用いることもでき、このようにすれば、受信装置8bは、積分効果によって送信電力値を大きくする方法と同等の効果(例えば受信感度の向上)を得ることができる。
なお、発着信ID部分のデータについて、受信用固定パタン乗算部19aは、ビットタイミングリカバリ20d又は同期語検出と同様の方法を用いることができる。さらに、送信装置9bが一層強力な誤り訂正ビットをフレームに挿入するとともに、受信装置8bが誤り訂正することによっても実現できる。
このように、送信装置9bおよび受信装置8bが、ともに、呼び出し信号フレームの変調速度を、通話フレームの変調速度と同一の変調速度にすることにより、受信装置8は呼び出し信号を受信するための専用の受信部16bを用いずに各処理ブロックを拡張できる。これにより、送信装置9bおよび受信装置8bは、劣悪な受信状態における呼び出し信号の送受信が可能となる。
(C1)本発明の第3実施形態の変形例の説明
受信装置は、連続する変調シンボルに固定パタンを乗算して1シンボルとするときに、同期語の検出を契機としてシンボルタイミングを決定する例を説明する。
図20は本発明の第3実施形態の変形例に係る送信装置のブロック図であり、図21は本発明の第3実施形態の変形例に係る受信装置のブロック図である。これらの図20,図21に示すもので、上述したものと同一符号を有するものは、それらと同一のもの又は同一機能を有する。
ここで、図21に示す受信装置8cの同期語/ビットタイミング検出部(同期語およびビットタイミング検出部)20gは、同期語およびビットタイミングの各々を検出するものである。同期語/ビットタイミング検出部20gの機能は、例えばオーバーサンプリング動作するマッチトフィルタを用いることにより実現される。
また、同期語/ビットタイミング検出部20gは、信号平面上において積分処理を行なった後に信号電力値を比較するようになっている。また、第3実施形態における積分は、統計的な確率の向上を期待したものである一方、本変形例においては、固定パタンの積分効果と同様にノイズを打ち消し合うことによるS/N比の改善をも可能となる。
なお、受信装置8cには、受信装置8bのビットタイミングリカバリ20dが設けられていない。
さらに、受信用固定パタン乗算部19aに設けられた遅延部の時間解像度は、変調シンボルを複数回数サンプリングした最小時間に相当する。そして、受信装置8cの同期語検出部20bのオーバーサンプリングを用いて、複数のサンプリングされた結果のうちの信号判定時におけるS/N比が最大のタイミングを推測するようになっている。例えば4倍オーバーサンプリングを用いてかつ固定パタン長を2とすると、8箇所のシンボルタイミング候補が得られる。これらのシンボルタイミングのうちの正確なタイミングを検出できる理由は、受信装置8cが同期語検出部20bの処理量は変動しないことを利用しているからである。これにより、移動通信システム80cに対する信頼性が向上する。
(D)その他
本発明は上述した実施態様およびその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
図11に示す受信部16bと復調判定部20との間に設けられた受信用固定パタン乗算部19は、受信部16bと復調判定部20とを接続又は分離するスイッチを設けてもよい。これにより、省電力化が図れる。
また、図1,図2の説明において、移動端末70はハンドオーバ(ハンドオフ)時においても、本発明を実施可能である。
さらに、送信装置9および受信装置8は、誤り訂正機能を設け、インターリーブ処理するようにもできる。
(E)付記
(付記1) 無線フレームを受信する受信装置であって、
該無線フレームに含まれる無変調信号と、該無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語データと、該無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表す識別子データとのうちの該無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するラインエンハンサと、
該ラインエンハンサにおける該呼び出し信号の着信の検出により起動され、該無線フレームに含まれる該同期語データと該識別子データとに基づいて該無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、受信装置。
(付記2) 該復調判定部が、
該ラインエンハンサにて検出された該無線フレームについて該同期語データの有無を判定する同期語判定部と、
該同期語判定部にて該同期語データが有りと判定された該無線フレームに含まれる該識別子データが自局宛又は他局宛を判定する識別子判定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の受信装置。
(付記3) 該復調判定部が、さらに、
該ラインエンハンサにて検出された該キャリア周波数偏差に基づいて該キャリア周波数を補正する補正部をそなえて構成されたことを特徴とする、付記2記載の受信装置。
(付記4) 該ラインエンハンサにて受信された該無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を該複数のシンボルの個数に起因する時間中積分して得たシンボル電力値データを該復調判定部に入力するベクトル加算部をそなえて構成されたことを特徴とする、付記1記載の受信装置。
(付記5) 該ベクトル加算部が、
該ラインエンハンサにて受信された該無線フレームに起因する中間信号の出力タイミングを調整するように構成されたことを特徴とする、付記4記載の受信装置。
(付記6) 該ラインエンハンサにて受信された該無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を該複数のシンボルの個数に起因する時間中積分して得たシンボル電力値データを該復調判定部に入力するベクトル加算部を設け、
該ベクトル加算部が、
該同期語データおよび該識別子データと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを該復調判定部に入力するように構成されたことを特徴とする、付記1記載の受信装置。
(付記7) 該復調判定部が、
該ベクトル加算部において出力された該同期語データおよび該識別子データと該受信固定パタンデータとを乗じた複数の乗算データのうちの最大エネルギを有するシンボル内タイミングを、該識別子データの参照タイミングとして決定するように構成されたことを特徴とする、付記6記載の受信装置。
(付記8) 該復調判定部が、
該ベクトル加算部において出力された該同期語データおよび該識別子データについて、サンプリングタイミングのうちの信号判定時の相関値が最大のサンプリングタイミングを、該同期語データの参照タイミングとして決定するように構成されたことを特徴とする、付記6記載の受信装置。
(付記9) 無線フレームを送信する送信装置であって、
フレームタイミングを表す同期語データを少なくとも含むデータを送信シンボルに変換し該送信シンボルを複素平面にマッピングするマッピング部と、
該マッピング部にてマッピングされた該送信シンボルの該無線フレーム内部における位置を認識し、該送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するデータ位置認識部と、
該データ位置認識部から出力されるオンオフ信号に基づいて生成した無変調信号の後に、該マッピング部にてマッピングされた該第1同期語データを変調した同期語変調信号を付加した変調信号を出力する変調部と、
該変調部から出力される該変調信号を含む該無線フレームを送信する送信部とをそなえて構成されたことを特徴とする、送信装置。
(付記10) 該マッピング部が、該同期語データと、送信元装置および送信先装置を表す識別子データとをそれぞれ変換した該送信シンボルを複素平面にマッピングするとともに、
該データ位置認識部が、該マッピング部にてマッピングされた該送信シンボルのうちの所望の送信シンボルについて出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するように構成されたことを特徴とする、付記9記載の送信装置。
(付記11) 該マッピング部が、該同期語データと情報データとをそれぞれ変換した該送信シンボルを複素平面にマッピングするとともに、
該変調部が、該マッピング部にてマッピングされた該送信シンボルを変調して変調信号を含む該無線フレームを出力するように構成されたことを特徴とする、付記9記載の送信装置。
(付記12) 該マッピング部が、
該同期語データと情報データとを、該送信装置自身に設けられた保持部又は該送信装置の外部から取得するように構成されたことを特徴とする、付記9〜付記11のいずれか一に記載の送信装置。
(付記13) 該変調部が、
該変調シンボルに、変調方式に応じた固定パタンデータを乗じて1又は複数の該変調信号を出力するように構成されたことを特徴とする、付記9〜付記11のいずれか一に記載の送信装置。
(付記14) 該変調部が、
該変調シンボル(a,b)に、該固定パタンデータ(A,B)を乗じて1又は複数の変調信号[(a,b)*A+(a,b)*B]を出力するように構成されたことを特徴とする、付記13記載の送信装置。
(付記15) 対向送受信装置に対して第1無線フレームを送信するとともに、該対向送受信装置が送信した第2無線フレームを受信する送受信装置であって、
フレームタイミングを表す第1同期語データを少なくとも含むデータを送信シンボルに変換し該送信シンボルを複素平面にマッピングするマッピング部と、
該マッピング部にてマッピングされた該送信シンボルの該第1無線フレーム内部における位置を認識し、該送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するデータ位置認識部と、
該データ位置認識部から出力されるオンオフ信号に基づいて生成した第1無変調信号の後に、該マッピング部にてマッピングされた該第1同期語データを変調した同期語変調信号を付加した第1変調信号を出力する変調部と、
該変調部から出力される第1変調信号を含む該第1無線フレームを送信する送信部とをそなえるとともに、
該第2無線フレームに含まれる第2無変調信号と、該第2無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語データと、該第2無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表す識別子データとのうちの該無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するラインエンハンサと、 、
該ラインエンハンサにおける該呼び出し信号の着信の検出により起動され、該第2無線フレームに含まれる該同期語データと該識別子データとに基づいて該第2無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、送受信装置。
(付記16) 対向送受信装置に対して第1無線フレームを送信する送信装置と該対向送受信装置が送信した第2無線フレームを受信する受信装置とをそなえた無線通信システムであって、
該送信装置が、
フレームタイミングを表す第1同期語データを少なくとも含むデータを送信シンボルに変換し該送信シンボルを複素平面にマッピングするマッピング部と、
該マッピング部にてマッピングされた該送信シンボルの該第1無線フレーム内部における位置を認識し、該送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力するデータ位置認識部と、
該データ位置認識部から出力されるオンオフ信号に基づいて生成した第1無変調信号の後に、該マッピング部にてマッピングされた該第1同期語データを変調した同期語変調信号を付加した第1変調信号を出力する変調部と、
該変調部から出力される第1変調信号を含む該第1無線フレームを送信する送信部とをそなえるとともに、
該受信装置が、
該第2無線フレームに含まれる第2無変調信号と、該第2無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語データと、該第2無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表す識別子データとのうちの該無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するラインエンハンサと、
該ラインエンハンサにおける該呼び出し信号の着信の検出により起動され、該第2無線フレームに含まれる該同期語データと該識別子データとに基づいて該第2無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、無線通信システム。
(付記17) 該受信装置が、該ラインエンハンサにて受信された該第2無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を該複数のシンボルの個数に起因する時間中積分して得たシンボル電力値データを該復調判定部に入力するベクトル加算部をそなえ、
該ベクトル加算部が、
該ラインエンハンサにて受信された該第2無線フレームに起因する中間信号の出力タイミングを調整するとともに、該同期語データおよび該識別子データと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを該復調判定部に入力するように構成されたことを特徴とする、付記16記載の無線通信システム。
(付記18) 無線フレームを受信する受信装置における呼び出し信号の受信方法であって、
該無線フレームに含まれる無変調信号に基づいて該呼び出し信号の着信を検出し、
該無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す第2同期語データの有無を判定し、
該無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表す識別子データに基づいて該無線フレームが自局宛又は他局宛を判定することを特徴とする、呼び出し信号の受信方法。
(付記19) 無線フレームを送信する送信装置における呼び出し信号の送信方法であって、
フレームタイミングを表す同期語データを少なくとも含むデータが変換された送信シンボルを複素平面にマッピングし、
マッピングされた該送信シンボルの該無線フレーム内部における位置を認識し該送信シンボルの出力又は停止を表すオンオフ信号を出力し、
出力された該オンオフ信号に基づいて生成した無変調信号の後に、マッピングされた該同期語データを変調した同期語変調信号を付加した変調信号を出力し、
出力された該変調信号を含む該無線フレームを送信することを特徴とする、呼び出し信号の送信方法。
本発明の第1実施形態に係る無線通信システムの構成図である。 本発明の第1実施形態に係る基地局のブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る送信装置のブロック図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る変調部の第2の変形構成を示すブロック図であり、(b)は本発明の第1実施形態に係る拡散変調部のブロック図の一例である。 (a),(b)はそれぞれ本発明の第1実施形態に係る呼び出し信号のフレームフォーマット例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る移動端末のブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る受信装置のブロック図である。 本発明の第1実施形態に係るラインエンハンサのブロック図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る移動端末のブロック図である。 本発明の第1実施形態の変形例に係る基地局のブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る送信装置のブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る受信装置のブロック図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る受信シンボル例を示す図であり、(b)はベクトル加算を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係る受信シンボル点を説明するための図である。 (a)〜(d)はいずれも本発明の第2実施形態に係る受信装置における受信処理を説明するためのタイムチャートである。 本発明の第3実施形態に係る送信装置のブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る受信装置のブロック図である。 本発明の第3実施形態に係るシンボル遷移を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係るシンボルタイミングを説明するための図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係る送信装置のブロック図である。 本発明の第3実施形態の変形例に係る受信装置のブロック図である。 移動端末のブロック図である。
符号の説明
8,8a,8b,8c 受信装置
9,9a,9b 送信装置
10,41,41a,41b 変調部
10a 変調信号/無変調信号生成部
10b マッピング部
10c フレームカウンタ(データ位置認識部)
11a,11b D/A変換部
12a,12b ローパスフィルタ
13a,13b ミキサ
13c VCO
15 加算部
16a 送信部
16b 受信部
17a,17b LEFD部(ラインエンハンサ)
19,19a ベクトル加算部
20 復調判定部
20a 周波数再生部
20b 同期語検出部
20c 逆マッピング部
20d ビットタイミングリカバリ
20e フレームカウンタ
20f ID検出部
20g 同期語/ビットタイミング検出部
30 バンドパスフィルタ(IIR−BPF)
30a 遅延部
30b 第1アンプ
30d 乗算器
31a,31b A/D変換部
33 保持部
33a 同期語メモリ
33b 挿入IDメモリ
34 送信系
35 受信系
40 周波数判定部
40a 複素演算部
40b 正規化処理部
42a,42b 拡散符号出力部
45 マイク
46 スピーカ
47 表示部
50 平滑化部
50a 第2アンプ
50b 第3アンプ
60 検出部(補正部)
60a 絶対値計算部
60b 閾値判定部(信号検出部)
60c 推定部
70,70a 移動端末
71,71a 基地局(対向送受信装置)
73 回線・パケット交換機
73a 基地局制御装置
74 公衆網
74a 加入者端末
75 インターネット
75a サーバ
80,80a,80b,80c 移動通信システム
101a エンコーダ
101b デコーダ
108 高電力増幅器
109 デュプレクサ
110a,110b アンテナ
111 低ノイズ増幅器
117 受信処理部
118 送信処理部
119 音声回路部

Claims (5)

  1. 無線フレームを受信する受信装置であって、
    該無線フレームに含まれる無変調信号と、該無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す同期語データと、該無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表す識別子データとのうちの該無変調信号に基づいて呼び出し信号の着信とキャリア周波数偏差とを検出するラインエンハンサと、
    該ラインエンハンサにおける該呼び出し信号の着信の検出により起動され、該無線フレームに含まれる該同期語データと該識別子データとに基づいて該無線フレームが自局宛又は他局宛を判定する復調判定部とをそなえて構成されたことを特徴とする、受信装置。
  2. 該ラインエンハンサにて受信された該無線フレームに含まれる複数のシンボルの電力値を該複数のシンボルの個数に起因する時間中積分して得たシンボル電力値データを該復調判定部に入力するベクトル加算部を設け、
    該ベクトル加算部が、
    該同期語データおよび該識別子データと、送信固定パタンデータと同一の受信固定パタンデータとを加算した加算データを該復調判定部に入力するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の受信装置。
  3. 該復調判定部が、
    該ベクトル加算部において出力された該同期語データおよび該識別子データと該受信固定パタンデータとを乗じた複数の乗算データのうちの最大エネルギを有するシンボル内タイミングを、該識別子データの参照タイミングとして決定するように構成されたことを特徴とする、請求項2記載の受信装置。
  4. 該復調判定部が、
    該ベクトル加算部において出力された該同期語データおよび該識別子データについて、サンプリングタイミングのうちの信号判定時の相関値が最大のサンプリングタイミングを、該同期語データの参照タイミングとして決定するように構成されたことを特徴とする、請求項2記載の受信装置。
  5. 無線フレームを受信する受信装置における、呼び出し信号の受信方法であって、
    該無線フレームに含まれる無変調信号に基づいて該呼び出し信号の着信を検出し、
    該無変調信号の後に付加されたフレームタイミングを表す第2同期語データの有無を判定し、
    該無線フレームに含まれる送信元装置および送信先装置を表す識別子データに基づいて該無線フレームが自局宛又は他局宛を判定することを特徴とする、呼び出し信号の受信方法。
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JP2010011152A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 基地局装置及び基地局間同期方法

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