JP2005129828A - 荷電粒子ビーム露光におけるウエハおよびマスク電位調整方法、ウエハ、ならびに荷電粒子ビーム露光装置。 - Google Patents

荷電粒子ビーム露光におけるウエハおよびマスク電位調整方法、ウエハ、ならびに荷電粒子ビーム露光装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、電子ビーム露光の際に、電子ビーム照射により電荷がレジスト層内に打ち込まれることによって生じるウエハの帯電をキャンセルして、マスク及び電子ビーム軌道への影響を防止することを目的とする。
【解決手段】 ウエハ40表面に等電位面形成手段である導電膜44を設け、また電子ビーム露光装置10を、ウエハ表面の導電膜44の対接地電位を測定する表面電位測定手段91、93と、測定電位に基づき、等電位面形成手段44上の対接地電位を相殺する電圧を、前記ウエハに印加する電圧印加手段94、95と、を備えて構成した。
【選択図】 図3

Description

本発明は、半導体集積回路などの製造工程で使用される微細パターンを露光する電子ビーム露光装置のウエハおよびマスク電位調整方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化のニーズに伴い、回路パターンの一層の微細化が要望されている。現在、微細化の限界を規定しているのは主として露光装置であり、電子ビーム直接描画装置やX線露光装置などの新しい方式の露光装置が開発されている。
最近では新しい方式の露光装置として、量産レベルで超微細加工用に使用可能な電子ビーム近接露光装置が開示されている(例えば特許文献1、およびこれに対応する日本国特許出願の特許文献2)。
図6は、特許文献1に開示された電子ビーム近接露光装置の基本構成を示す図である。この電子ビーム近接露光装置10は、主として電子ビーム15を発生する電子ビーム源14、電子ビーム15を平行ビームにするレンズ16及び整形アパーチャ18を含む電子銃12と、主偏向器22、24及び副偏向器26、28を含み、電子ビームを光軸に平行に走査する走査手段20と、マスク30とから構成されている。
前記マスク30は、表面にレジスト層42が形成されたウエハ40に近接するように(隙間が約50μmとなるように)配置される。マスク30は、厚い外縁部の中央に開口の形成された薄膜部32を有しており、薄膜部32には、ウエハ30に転写すべき露光パターンに対応する開口が設けられマスクパターンをなす。このマスク薄膜部32に垂直に電子ビームを照射すると、マスク薄膜部32の開口を通過した電子ビームが試料40の表面のレジスト層42に照射される。
また、走査手段20は、図7に示すように電子ビーム15がマスク30の全面を走査するように電子ビームを偏向制御する。これにより、マスク30のマスクパターンがウエハ40上のレジスト層42に等倍転写される。
この電子ビーム近接露光装置10は、図8に示すように真空チャンバ50内に設けられている。また、真空チャンバ50内には、ウエハ40を吸着するために静電チャック60と、この静電チャック60に吸着されたウエハ40を水平の直交2軸方向に移動させるとともに、水平面内で回転させるためのθXYステージ70が設けられている。θXYステージ70は、マスクパターンの等倍転写が終了するごとにウエハ40を所定量移動させ、これにより1枚のウエハ40に複数のマスクパターンが転写できるようにしている。
ところで、上記電子ビーム近接露光装置10のような電子ビームを使用する露光装置では、電子ビームの照射によりウエハ40上のレジスト層42に電荷が打ち込まれることにより、電荷が蓄積して帯電が生じる。このウエハ40の帯電は、ウエハ40とマスク30との間にクーロン力を作用させ、マスク30に悪影響を与える。
特に、上記の電子ビーム近接露光装置10では、ウエハ40とマスク30との間隔が非常に狭いため、マスク薄膜部32に作用するクーロン力が非常に大きくなり、最悪の場合ではマスク薄膜部32の破壊に至る。
また、ウエハ40の帯電によってウエハ40近傍に静電界が生じるため、電子ビーム15の軌道にも影響を与えて、露光パターンの転写精度の悪化の原因ともなる。
このようにウエハ40の帯電は、露光装置及び転写精度に悪影響を与えるために、例えば特許文献3に開示される電子ビーム露光装置では、図8に示すように触針71をウエハ40に当てて、ウエハ40の接地を行っている(例えば特許文献3)。
また特許文献4では、上述のウエハ帯電によって電子ビーム軌道への影響を防止するために、ウエハ40の対接地電位を測定し、対接地電位がゼロとなるように、静電チャック内の電極の電位を変化させる静電チャックが開示されている。
図9は、特許文献4に開示される静電チャックの基本構成図である。静電チャック60は内部に電極61と電極62とを備え、それぞれに静電チャック用電源63、64による電圧を印可して、ウエハ40並びに電極61及び62との間に電荷を生じさせて、その静電力によりウエハ40を吸着する。
非接触電位計83は、プローブ81を介してウエハ40上の表面電位を測定する。制御回路85は、その測定結果に基づき可変電源65の電圧Evを変化させて、ウエハ40の対接地電位をゼロに維持する。以上により、ウエハ40の表面電位と接地状態に保ち、電子ビーム軌道への影響を防止する。
米国特許第5,831,272号明細書 日本特許第2951947号公報 特開2003−7596号公報(段落〔0005〕、図19) 特開平4ー250615号公報
しかしながら、特許文献3に開示される電子ビーム露光装置の構成では、電荷が蓄積されるウエハ40表面から触針71を接触させるため、ウエハ40表面へのパーティクル付着が問題になる。
また、上述の電子ビーム近接露光装置に適用する場合には、ウエハ40とマスク30とが非常に近接して設けられるため、特許文献3に開示される触針71を設けることが困難である。
さらに、電子ビーム照射によるウエハの帯電は、電子ビーム露光装置により電荷がレジスト層内に打ち込まれることにより生じるため、打ち込まれた後に容易に移動しない電荷も存在する。これによりウエハ40上では、露光パターンに応じた局所的な帯電量の差が生じている。したがって、特許文献4に記載の手法によっては、プローブ81近傍の電位を接地状態に保つことができても、他のウエハ40上位置の電位を接地電位とすることはできない。
その他、帯電したウエハを除電する方法としては、イオナイザーが一般的であるが、高真空状態である真空チャンバ内で使用することができない。また真空紫外線VUVによる除電や軟X線を利用した除電方法もあるが、前述のように電子ビーム露光装置により電荷がレジスト層内に打ち込まれたことによる帯電には効果がない。
上記事情を鑑みて、本発明は電子ビーム照射により電荷がレジスト層内に打ち込まれることによって生じるウエハの帯電をキャンセルして、マスク及び電子ビーム軌道への影響を防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明ではウエハの露光面上に等電位面形成手段を設け、この等電位面形成手段と、荷電粒子ビーム源及びマスクが設けられる装置筐体と、の電位差が所定値以下となるように、前記ウエハに電圧を印加することとした。
図1及び図2を参照して、本発明の第1形態に係るウエハ電位の調整方法の原理を説明する。図1は、本発明に係るウエハ電位調整方法のフローチャートであり、図2は、本発明の原理図である。
ステップS101において、ウエハ表面のレジスト層の上に、等電位面形成手段を形成する。この等電位面形成手段として、導電膜を薄く形成することが好適である。図2(A)にこの様子を示す。ここに40はウエハ基板であり、41は前工程で形成された回路パターンなどからなる絶縁体層であり、42は露光に使用するレジスト層である。等電位面形成手段である導電膜44は、レジスト層42上に塗布されて形成される。
図2(A)に示すとおり、電子ビーム露光などの荷電粒子ビーム露光は、荷電粒子ビーム(電子ビームなど)15の照射により電荷17が接地されたマスク30の開口部を通してレジスト層42に打ち込まれることにより行われる。このとき、レジスト層42の間と、導体であるウエハ基板40との間には絶縁体層41があり、またレジスト層42自体も絶縁体であるために、ウエハ基板40を接地しても打ち込まれた電荷がアースに流れることはない。
しかし、レジスト層42上には導電膜44が設けられているために、レジスト層42に打ち込まれた電荷は導電膜44に拡散する。このように導電膜44に拡散した電荷は、導電膜44上に一様な電位(電子ビーム露光では負電位)を生じさせる。
また、電荷17は、電子ビーム露光装置に所定の加速電圧でレジスト層42に打ち込まれているので、導電膜44に容易に拡散せずに局所的な分布をもってレジスト層42中に残存する電荷も存在する。このようなレジスト層42中に残存する電荷により生じる電位も、導電膜44上に一様な電位を生じる。
したがって導電膜44に生じる電位は一様となり、ステップS102では、この導電膜44(等電位面形成手段)と、一般には接地された導電性の装置筐体との電位差を測定する。この様子を図2(B)に示す。
ステップS103では、測定された導電膜44の電位差と同じ強さの逆符号の電圧(電子ビーム露光では正の電圧)をウエハ40に印加する。これにより荷電粒子ビーム照射により生じた導電膜44上の表面の電位と、印加された逆符号の電圧とが相殺されて、導電膜44上の表面電位は、一様に筐体の電位と同電位となる。
上述のように、導電膜44が接地電位となるようにウエハ40に電圧を印加することにより、ウエハ帯電によるマスク及び荷電粒子ビーム軌道への影響を防止することができるが、マスクへの影響を防止するだけであれば、測定された導電膜44上の表面電位と、マスクの電位との電位差が所定値以下となるように、マスク側に電圧を印加することとしてもよい。
本発明により、電子ビームなどの荷電粒子ビームの照射により電荷がレジスト層内に打ち込まれることによって生じるウエハの帯電をキャンセルして、ウエハ表面をビーム源及びマスクが設けられる装置筐体の電位に調整することが可能となるので、マスク及び電子ビーム軌道への影響を防止することができる。
特にウエハの露光面上に等電位面形成手段を設けることにより、所定の加速電圧でレジスト層42に打ち込まれた電荷により生ずるウエハ表面の等電位面形成手段上の電位を一様にすることが可能となるので、レジスト層42中に電荷が局所的な分布をもって残存していても、等電位面形成手段表面の全域において一様に電位を調整することが可能となる。
さらに、ウエハ電位の調整は、ウエハの露光面上に等電位面形成手段の表面電位を測定して行うが、等電位面形成手段上は全て同電位なので、ウエハ面上のどの位置で表面電位を測定してもよい。したがって、上述の電子ビーム近接露光装置において、表面電位測定手段をウエハ面に近接して設けられるマスクを避けて設けることが可能となる。
また、実際の製造プロセスにおいては、前工程で帯電したウエハが露光装置に搬入されて、マスク及び電子ビーム軌道に悪影響を及ぼすことがあるが、本発明のウエハ電位調整方法によって前工程で帯電したウエハの帯電電圧をキャンセルすることが可能となる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係るマスク電位調整方法について説明を行う。なお、本発明は荷電粒子ビーム露光装置であれば、荷電粒子ビームとして電子ビームやイオンビームを用いるような、どのような露光装置にも適用可能であるが、特に電子ビーム近接露光を行う際のウエハ又はマスクの電位を調整するのに適している。
図3は、本発明の第1実施例に係る電子ビーム近接露光装置の基本構成図である。本実施例に係る電子ビーム近接露光装置の構成は、図6に示した構成の電子ビーム近接露光装置に類似した構成を有し、図6に示した構成を全て備えているが、図3では説明の簡単のため、図6に示す構成を一部省略して示している。また両図において同一の機能部分に同一の参照番号を付して表し説明を省略する。
電子ビーム近接露光装置10の真空チャンバ50内には、ウエハ40を保持する静電チャック60が設置されている。上述の通り、静電チャック60は通常θXYステージ(図示せず)上に設けられている。また、カラム13内には、電子ビーム源14の他に、図6で示した電子光学系の各要素(図示せず)が設けられている。なお、真空チャンバ50は排気ポンプ51によって高真空状態に保たれており、カラム13および真空チャンバ50の筐体は導電性材料からなる導電性遮蔽筐体を構成する。
静電チャック60に保持されるウエハ40には、照射される電子ビーム15により露光パターンが転写されるレジスト層42が塗布されており、さらにレジスト層42の表面上には等電位面形成手段たる導電膜44が設けられている。電子ビーム源14から発生しマスク30を通過した電子ビーム15の電荷は、この導電膜44を貫通してレジスト層42に打ち込まれる。なお、マスク30は電子ビーム15の照射による蓄積される電荷を逃がすため、図示するとおり真空チャンバ50の筐体を介して接地されている。なお、電子装置を構成する場合、基準とする電位は導電体の面積の最も大きな部位つまり導電性遮蔽筐体とするのが一般的である。通常、導電性遮蔽筐体はより安定した電位を示す大地と接続される。
本例では、導電性遮蔽筐体(真空チャンバ)は大地に接地されている状態での説明を行う。
静電チャック60には電極61及び62が設けられる。電極61及び62に、静電チャック用電源63及び64からの所定のチャック電圧がそれぞれ印加されると、電極61及び62と、ウエハ40との相対する面に電荷が誘起されて、その静電力によってウエハ40が静電チャック60に把持される。
電子ビーム近接露光装置10は、表面電位計プローブ91および表面電位計アンプ93からなる表面電位測定手段を備える。表面電位計プローブ91は、真空チャンバ50内にウエハ40上方に設けられ、ウエハ40表面上の導電膜44表面の表面電位を非接触で測定して、その測定信号を表面電位計アンプ93に出力する。
表面電位計測定アンプ93は、表面電位計プローブ91から出力された測定信号を受信して、所定の電圧幅(例えば±10V)をレンジとする電圧信号に変換及び増幅して出力する。
また電子ビーム近接露光装置10は、電圧印加手段であるエラーアンプ94と逆バイアス印加電源95を備えている。エラーアンプ94は、表面電位計測定アンプ93から出力された電圧信号に基づいて、導電膜44表面の表面電位の測定値が真空チャンバ50の筐体電位(すなわち接地電位、0V)となるように、逆バイアス印加電源95を制御する。
静電チャック60には、逆バイアス印加電源95から出力される電圧を、ウエハ40の下面に印加するための触針96が設けられている。触針96は、逆バイアス印加電源85に接続される一方でウエハ下面に接触することにより、逆バイアス印加電源95の出力電圧をウエハ40の下面に印加する。
電子ビーム露光が行われると、電子ビーム源14から発生した電子ビーム15が、マスク30の開口部を通して導電膜44に達し、導電膜44を貫通してレジスト層42に打ち込まれる(上記電子ビーム近接露光においては、打ち込まれる電荷の深さは約100nm程度である)。このとき、一部電荷はレジスト層42から導電膜44へと拡散して、導電膜44に一様な電位を生じるが、それ以外の電荷はそのままレジスト層42に打ち込まれた位置に残存する。
レジスト層42に残存する電荷は、露光パターンに応じてレジスト層面上の各位置においてその分布に濃淡があるが、かかる電荷分布により導電膜44上に生じる負電位は、導電膜44表面上で一様となる。
したがって、電子ビーム照射によって帯電したウエハ40により生じる、導電膜44表面上の電位は、導電膜44それ自体の作用により導電膜44表面上の各位置で一様な負電位となる。
このように電子ビーム照射によって生じた導電膜44上の負電位を、表面電位計プローブ91によって測定する。表面電位計プローブ91の出力測定信号は、表面電位計アンプ93によって所定レンジの電圧信号に変換増幅されて、エラーアンプ94に入力される。
エラーアンプ94は、表面電位計アンプ93の出力電圧信号が、真空チャンバ50の筐体電位(接地電位、0V)を示すように、逆バイアス印加電源95の出力電圧を制御する。このように制御された逆バイアス印加電源95の出力電圧が、触針96を介してウエハ40に印加されることにより、ウエハ40表面の導電膜44全体の電位を常に真空チャンバ50の筐体電位(接地電位)に維持することができる。
上記の通り、帯電したウエハ40表面の導電膜44全体の電位を真空チャンバ50の筐体電位(接地電位)に維持することにより、マスク30に与える悪影響を防止することができる。
また、ウエハ40表面の導電膜44全体を真空チャンバ50の筐体電位(接地電位)に維持することにより、電子ビーム15の軌道への悪影響を防止することができる。
また、導電膜44と真空チャンバ50の筐体との電位差を完全に0とすることなく、前記悪影響の生じない所定の許容電位差内としてもよい。
また、図示するとおり逆バイアス印加電源95は、チャック用電源63及び64とGNDの間に直列に接続され、電極61及び62にもウエハ40に印加する逆バイアス印加電源95の出力電圧(逆バイアス電圧)を印可している。これにより逆バイアス電圧にかかわらず、電極61及び62とウエハ40との間の電位差を、所定のチャック電圧に保ち静電チャックの保持力を保つことが可能となる。
なお、ウエハ40表面のレジスト層42上に設けられる導電膜44は、スピンコータ等により導体を塗布して形成することができる。電子ビーム近接露光装置においては、電子ビーム15によるレジスト層42への電荷打ち込みの深さは、上述の通り100nm程度であるから、レジスト層42上に設けられる導電膜44の厚さは、厚くとも100nm未満である必要があり、具体例としては20nm程度とする。
また、ウエハ40表面の導電膜44はどの箇所においても同電位である。したがって、表面電位計プローブ91を、マスク30の転写領域34(薄膜部)に近接して設ける必要はなく、マスク30の周辺に設けることとしてよい。すなわち表面電位計プローブ91は、その垂直位置がウエハ平面より上方であって、かつその水平位置がマスク平面においてそのマスクが占める領域外の水平位置となる位置に設けることができる。
これにより、マスク30がウエハ40に近接して設けられる電子ビーム近接露光装置において、表面電位計の設置が容易となる。
しかし、表面電位計によって導電膜44表面の電位を精度良く測定するためには、測定箇所を表面電位計プローブ91の直下とする必要がある。ここで、上述のように表面電位計プローブ91を、マスク30の転写領域34より離して設けると、ウエハの露光位置によっては、表面電位計プローブ91の直下の領域からウエハ40が外れてしまうことが考えられる。
したがって、電子ビーム近接露光装置においては、図4(A)に示すとおり表面電位計プローブ91a〜91dを、マスク30の周囲に複数個設けることが好適である。
複数の表面電位計プローブを、転写領域34から等距離の位置に等間隔に設けるとき、表面電位計プローブ91と転写領域34との間の許容離隔距離Rは、表面電位計プローブの設置数(または該プローブの設置角度間隔)と、使用するウエハ40の半径によって決定することができる。
いま、表面電位計プローブの設置数をnとすると設置角度間隔2θ=360°/nである。また使用するウエハ半径をrとする。
マスク30の転写領域34がウエハ40上にあるとき、表面電位計プローブ91がウエハ40中心から最も離れるのは、隣接するプローブの一方の位置〜転写領域の位置〜前記隣接するプローブの他方の位置が成す角度の2等分線上に、ウエハ40中心が存在し、かつ転写領域34がウエハ40の円周上にあるときである。この状態を図4(B)に示す。
図示するとおり、ウエハ40の中心は、隣接するプローブの一方91の位置〜転写領域34の位置〜前記隣接するプローブの他方91’の位置の成す角度2θの2等分線上に、あり、かつ転写領域34がウエハ40の円周上にある。
今、転写領域34とウエハ40中心とを結ぶ直線と、ウエハ40中心と何れかのプローブ91を結ぶ直線との成す角をφとすると、
Figure 2005129828
が成立する。上式(1)(2)より
Figure 2005129828
が導出される。したがって、表面電位計プローブ91は、転写領域34から許容離隔距離R=2rcos(180°/n)以内の水平距離の位置に設けられ、設置数nは3個以上であることが望ましい。
上述の通り、帯電したウエハ40表面の導電膜44の電位を真空チャンバ50の筐体電位(接地電位)に維持することにより、電子ビーム15の軌道への悪影響を防止することができるが、帯電したウエハ40がマスク30に与える悪影響を防止するだけであれば、ウエハ40表面の導電膜44と、マスク30との電位差が0となるように、マスク30の電圧を調整することにより実現可能である。
図5は、本発明の第2実施例に係る電子ビーム近接露光装置の基本構成図である。本実施例に係る電子ビーム近接露光装置の構成は、図3に示した構成の電子ビーム近接露光装置に類似した構成を有し、同一の機能部分に同一の参照番号を付して表し説明を省略する。
本実施例に係る電子ビーム近接露光装置10では、逆バイアス印加電源95の出力がマスク30に接続され、逆バイアス電圧をマスク30に印加する。エラーアンプ94は、表面電位計アンプ93の出力電圧と、逆バイアス印加電源95の出力とを入力して、測定される導電膜44の電位と、マスク30の電位(すなわち逆バイアス電圧)とが等しくなるように逆バイアス印加電源95の出力電圧を制御する。このように制御された逆バイアス印加電源95の出力電圧がマスク30に印加されることにより、ウエハ40表面の導電膜44とマスク30との電位差を常に0に維持することができる。
上記の通り、帯電したウエハ40表面の導電膜44の電位を真空チャンバ50の筐体電位(接地電位)に維持することにより、マスク30に与える悪影響を防止することができる。
またこの構成によれば、触針96を設ける必要がなく、またチャック用電源63、64に逆バイアス電圧を印加する必要がなくなるため、静電チャック60の構成を簡略にすることが可能となる。
本発明に係るウエハ電圧調整方法のフローチャートである。 本発明の原理図である。 本発明の第1実施例に係る電子ビーム近接露光装置の基本構成図である。 図3の表面電位センサの設置位置を説明する図である。 本発明の第2実施例に係る電子ビーム近接露光装置の基本構成図である。 特許文献1に記載の電子ビーム近接露光装置の基本構成図である。 電子ビーム近接露光の際の電子ビーム走査の説明図である。 特許文献3に記載の電子ビーム近接露光装置の基本構成図である。 特許文献4に記載の静電チャックの基本構成図である。
符号の説明
10…電子ビーム近接露光装置
15…電子ビーム
30…マスク
34…薄膜部
40…ウエハ
42…レジスト層
44…導電膜
50…真空チャンバ
60…静電チャック
61、62…電極
63、64…チャック用電源
91…表面電位計プローブ
93…表面電位計アンプ
94…エラーアンプ
95…逆バイアス印加電源
96…触針

Claims (13)

  1. 荷電粒子ビーム露光におけるウエハ電位調整方法において、
    前記ウエハの露光面上に等電位面形成手段を形成し、
    前記ウエハに電圧を印加して、前記等電位面形成手段と、荷電粒子ビームの発生源を備える導電性筐体と、の電位差を、所定の電位差以下に調整することを特徴とするウエハ電位調整方法。
  2. 前記等電位面形成手段の電位と前記導電性筐体との電位差を測定し、
    測定された前記電位を相殺する電圧を、前記ウエハに印加することを特徴とする請求項1に記載のウエハ電位調整方法。
  3. 前記導電性筐体は、接地されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のウエハ電位調整方法。
  4. 前記荷電粒子ビームは、電子ビーム及びイオンビームのいずれかであることを特徴とする請求項1〜3に記載のウエハ電位調整方法。
  5. 荷電粒子ビームを、露光パターンに対応するマスクパターンを有するマスクに照射して、前記マスクを通過する前記荷電粒子ビームで、ウエハ表面に前記露光パターンを露光する荷電粒子ビーム露光におけるマスク電位調整方法であって、
    前記ウエハの露光面上に等電位面形成手段を形成し、
    前記マスクに電圧を印加して、前記等電位面形成手段と前記マスクとの電位差を、所定の電位差以下に調整することを特徴とするマスク電位調整方法。
  6. 前記荷電粒子ビームは、電子ビーム及びイオンビームのいずれかであることを特徴とする請求項5に記載のマスク電位調整方法。
  7. 表面に露光用のレジストが塗布され、該レジストに電子ビームが照射されることにより露光されるウエハであって、前記レジストの表面上に等電位面形成手段を備えることを特徴とするウエハ。
  8. 前記等電位面形成手段は、導電膜であることを特徴とする請求項7に記載のウエハ。
  9. 荷電粒子ビームを照射して、ウエハ表面にパターンを露光する荷電粒子ビーム露光装置であって、
    前記ウエハ表面に設けられた等電位面形成手段と、導電性である前記荷電粒子ビーム露光装置の筐体と、の電位差を測定する表面電位測定手段と、
    測定された前記電位に基づき、前記等電位面形成手段と前記筐体との電位差を相殺する電圧を、前記ウエハに印加する電圧印加手段と、を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム露光装置。
  10. 荷電粒子ビームを、露光パターンに対応するマスクパターンを有するマスクに照射して、前記マスクを通過する前記荷電粒子ビームで、ウエハ表面に前記露光パターンを露光する荷電粒子ビーム露光装置であって、
    前記ウエハ表面に設けられた等電位面形成手段の、導電性である前記荷電粒子ビーム露光装置の筐体に対する電位を測定する表面電位測定手段と、
    前記マスクの前記筐体に対する電位を、測定された前記電位とする電圧印加手段と、を備えることを特徴とする荷電粒子ビーム露光装置。
  11. 前記等電位面形成手段は、導電膜であることを特徴とする請求項9または10に記載の荷電粒子ビーム露光装置。
  12. 前記筐体は接地されていることを特徴とする請求項9〜11に記載の荷電粒子ビーム露光装置。
  13. 前記荷電粒子ビームは、電子ビーム及びイオンビームのいずれかであることを特徴とする請求項9〜12に記載の荷電粒子ビーム露光装置。
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