JP2005129269A - 照明制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 トンネル用の照明制御システムにおいて、トンネル内路上落下物の反射率の累積存在確率に基づいて、その視認性と先行車の視認性を確保することができる照明制御システムを提供する。
【解決手段】 少なくとも、入力部1、記憶部2、演算部3、制御部4及び照明器具5を備えたトンネル用の照明制御システムにおいて、入力部1からの入力により、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係、トンネル内走行車における先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度、及び、トンネル内障害物の所要の総視認率、を設定してトンネル内障害物の所定の視認性を確保し得る路面輝度を算出し、前記路面輝度と前記所要の鉛直面照度が達成されるように制御部4で照明器具5の出力を制御できるので、トンネル9内走行車が、危険を伴うトンネル9内の路上障害物及び先行車を必要且つ充分に視認し得ることとなる。
【選択図】図1
【解決手段】 少なくとも、入力部1、記憶部2、演算部3、制御部4及び照明器具5を備えたトンネル用の照明制御システムにおいて、入力部1からの入力により、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係、トンネル内走行車における先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度、及び、トンネル内障害物の所要の総視認率、を設定してトンネル内障害物の所定の視認性を確保し得る路面輝度を算出し、前記路面輝度と前記所要の鉛直面照度が達成されるように制御部4で照明器具5の出力を制御できるので、トンネル9内走行車が、危険を伴うトンネル9内の路上障害物及び先行車を必要且つ充分に視認し得ることとなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、トンネル内照明等において使用される照明制御システムに関するものである。
一般に、トンネル内における照明装置は運転者の安全走行を維持するために設置されており、路上障害物の視認性を確保することが要求される。従来、道路、特に、トンネル内の道路の照明設計においては、図7に示すように路上障害物の反射率を小さい方から順に存在確率を累積すると、反射率20%以下の路上障害物が全体の90%を占めるといったデータを用いて設計理論の構築が行なわれてきた。このようなデータは、Smithによる膨大な調査研究結果(SMITH、 F. C.:Reflection factors and revealing power、Trans. Illum. Engng. Soc. (London)、 196−206(1938))から得られたものであり、道路照明の路上障害物の視認性検討において、成定ら(例えば、K.Narisada et al:RE−CONSIDERATION OF THE REVEALING POWER ON THE BASIS OF VISIBILITY LEVEL、INTERNATIONAL LIGHTING CONGRESS、473−480(2001))によって用いられている。従って、路上障害物の視認性を論じる場合、20%以下の反射率を有する路上障害物を対象とすることによって概ねの安全を確保することができる。つまり、20%以下の路上障害物が視認できれば路上に存在する障害物の90%が視認できる(この確率を視認確率と呼ぶ)ことになる。また、路上障害物の視認性は反射率だけでなくその寸法にも起因し、照明設計上は、危険を伴い視認しがたい寸法として20cm四方(このような寸法の視対象物を限界対象物と呼ぶ。)が採用されており、実際に存在する障害物に比べて小さな寸法が採用されていることから視認確率90%であっても危険を伴う路上障害物のほぼ100%を視認できると言われている。
また、低反射率の路上障害物が大半占めることからエネルギー効率を考慮して、その視認モードはシルエット視を前提に設計理論が構築されている。(ここで、視認モードとは、視対象物とその背景の輝度を比較し、前者の方が低ければシルエット視、後者の方が低ければ逆シルエット視と呼ぶ。)
以上のことから、路上障害物の視認性を確保するために反射率20%の限界対象物がシルエット視で視認できる照明環境が求められてきた。
以上のことから、路上障害物の視認性を確保するために反射率20%の限界対象物がシルエット視で視認できる照明環境が求められてきた。
その一方、ここでは、前述のようにSmithの調査研究を基にした路上障害物の反射率の累積存在確率が、路上障害物の視認性を確保するための照明基準を構築するために用いられているものの、Smithの調査研究は歩行者の衣服の反射率を調査したものであり、必ずしも路上障害物の反射率の累積存在確率に相関があるとは言えない。また、過去の高速道路の落下物の反射率を調査(高速道路調査会:トンネル照明に関する調査研究(その2)報告書(1978))結果から、反射率20%以下の落下物の累積存在確率は60%程度であり、Smithによる累積存在確率に比べると比較的反射率の高い路上障害物が多く含まれることが示唆されている。これらのことから、20%以下の路上障害物だけを対象とする従来の設計理論に替わり、より高い反射率の路上障害物も対象に取り入れ、逆シルエット視による視認確率をも付加した照明環境の評価を行うことがより妥当であると考えられる。このような考え方は総視認率(total revealing power)としてHarrisら(HARRIS、 A. J.、CHRISTIE、 A. W.:The revealing power of street lighting installations and its calculation、Trans. Illumi. Eng. Soc.、 120−128(1951))によって提案されている。
一方、近年の道路交通需要の増加に伴い、重交通量路線が多く見られるようになり、また、最近の交通事故においては車両間による事故の占める割合が多く、先行車の視認性の改善が求められている。
かかる先行車の視認性は、路上障害物のような背景となる路面との輝度対比よりも先行車の明るさに相関があり(武内ら:トンネル入口部における先行車の視認性(その1)−ブライトネスと視認性−、照学全、p.144(1995))、先行車背面の鉛直面照度を高めることが有効である(山中ら:トンネル入口部における先行車の視認性(その2)−視認性の改善に関する検討−、照学全、p.145(1995))ことが報告されている。また、高速道路トンネルの入口部に先行車背面の鉛直面照度を高めその視認性を改善することを目的にしたプロビーム照明(坂本ら:前からの光、後ろからの光:照学誌、vol.82、No.3(1998))も実用化されている。
しかし、従来の路上障害物の視認性は、シルエット視を前提としているため運転者から視認できる路上障害物の面の照度は極力低くする必要があり、先行車の視認性とは相反する関係にあることから、かかる路上障害物の視認性と先行車の視認性とを同時に確保することは、一般には、困難であるとされてきた。
これに対して、上記した高速道路における落下物の反射率調査に基づく累積存在確率曲線と総視認率を用いることにより、路上障害物と先行車の視認性の両立が可能であるとの報告(岡田ら:トンネル照明における総視認率の検討、照学全、107−108(2002))もある。
SMITH、 F. C.:"Reflection factors and revealing power"、Trans. Illum. Engng. Soc. (London)、 196−206(1938) K.Narisada et al:"RE−CONSIDERATION OF THE REVEALING POWER ON THE BASIS OF VISIBILITY LEVEL"、INTERNATIONAL LIGHTING CONGRESS、473−480(2001) HARRIS、 A. J.、CHRISTIE、 A. W.:"The revealing power of street lighting installations and its calculation"、Trans. Illumi. Eng. Soc.、 120−128(1951) 武内ら:「トンネル入口部における先行車の視認性(その1)−ブライトネスと視認性−」、照学全、(1995)p.144 山中ら:「トンネル入口部における先行車の視認性(その2)−視認性の改善に関する検討−」、照学全、(1995)p.145 坂本ら:「前からの光、後ろからの光」:照学誌、(1998)vol.82、No.3 岡田ら:「トンネル照明における総視認率の検討」、照学全、(2002)p.107−108
SMITH、 F. C.:"Reflection factors and revealing power"、Trans. Illum. Engng. Soc. (London)、 196−206(1938) K.Narisada et al:"RE−CONSIDERATION OF THE REVEALING POWER ON THE BASIS OF VISIBILITY LEVEL"、INTERNATIONAL LIGHTING CONGRESS、473−480(2001) HARRIS、 A. J.、CHRISTIE、 A. W.:"The revealing power of street lighting installations and its calculation"、Trans. Illumi. Eng. Soc.、 120−128(1951) 武内ら:「トンネル入口部における先行車の視認性(その1)−ブライトネスと視認性−」、照学全、(1995)p.144 山中ら:「トンネル入口部における先行車の視認性(その2)−視認性の改善に関する検討−」、照学全、(1995)p.145 坂本ら:「前からの光、後ろからの光」:照学誌、(1998)vol.82、No.3 岡田ら:「トンネル照明における総視認率の検討」、照学全、(2002)p.107−108
本願発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、路上落下物の反射率の累積存在確率に基づいてその視認性と先行車の視認性を確保することができる照明制御システムを提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明の照明制御システムにあっては、少なくとも、入力部、記憶部、演算部、制御部及び照明器具を備えたトンネル用の照明制御システムにおいて、前記入力部からの入力により、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係、トンネル内走行車における先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度、及び、トンネル内障害物の所要の総視認率、を設定してトンネル内障害物の所定の視認性を確保し得る路面輝度を算出し、前記路面輝度と前記所要の鉛直面照度が達成されるように前記制御部で前記照明器具の出力を制御し得ることを特徴とするものである。
請求項2に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項1記載の照明制御システムにおいて、シルエット視及び逆シルエット視における路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係に対応させた第一の数値テーブルが、前記記憶部に予め記憶されており、前記路面輝度が、前記演算部において、前記数値テーブルと、前記所要の鉛直面照度とトンネル内障害物の前記所要の総視認率に基づいて算出されたことを特徴とするものである。
請求項3に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項2記載の照明制御システムにおいて、仮の路面輝度と、仮の鉛直面照度を設定する一方、前記路上障害物における反射率と累積存在確率との関係が、所定の路面輝度と鉛直面照度において視認できる限界反射率と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率の関係であって、路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係から、前記仮の路面輝度と前記仮の鉛直面照度において視認できる限界反射率と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率の関係に対応させた第二の数値テーブルを作成し、前記第二の数値テーブルとの比較において、前記所要の鉛直面照度と、トンネル内障害物の前記所要の総視認率を満たす路面輝度とを算出することを特徴とするものである。
請求項4に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、前記所要の鉛直面照度が、前記トンネル内走行車の走行速度を実測して設定されることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、前記トンネル内走行車の走行速度を実測し、前記走行速度に応じた視距に基づく路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係を用いることを特徴とするものである。
請求項6に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、トンネル内の煤煙透過率を実測し、前記煤煙透過率に対応した路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係を用いることを特徴とするものである。
請求項7に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、前記路上障害物における反射率と累積存在確率との関係を前記路上障害物の年間変動に対応して設定することを特徴とするものである。
請求項8に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、前記照明器具を備えたトンネル用の照明制御システムが、配光形状の異なる2種類以上の照明器具を併用する照明制御システムであって、前記2種類以上の照明器具を併用した路面輝度と鉛直面照度が、所要値となるように前記2種類以上の照明器具のそれぞれの光出力レベルを制御し得ることを特徴とするものである。
請求項1〜請求項2に係る発明の照明制御システムにあっては、少なくとも、入力部、記憶部、演算部、制御部及び照明器具を備えたトンネル用の照明制御システムにおいて、前記入力部からの入力により、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係、トンネル内走行車における先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度、及び、トンネル内障害物の所要の総視認率、を設定してトンネル内障害物の所定の視認性を確保し得る路面輝度を算出し、前記路面輝度と前記所要の鉛直面照度が達成されるように前記制御部で前記照明器具の出力を制御でき、しかも、これが、シルエット視及び逆シルエット視における路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係に対応させた第一の数値テーブルが、前記記憶部に予め記憶されており、前記路面輝度が、前記演算部において、前記数値テーブルと、前記所要の鉛直面照度とトンネル内障害物の前記所要の総視認率に基づいて算出されたことを特徴とするので、トンネル内走行車が、危険を伴うトンネル内の路上障害物及び先行車を必要且つ充分に視認し得るという優れた効果を奏する。
請求項3に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項1〜請求項2記載の照明制御システムにおいて、仮の路面輝度と、仮の鉛直面照度を設定する一方、前記路上障害物における反射率と累積存在確率との関係が、所定の路面輝度と鉛直面照度において視認できる限界反射率と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率の関係であって、路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係から、前記仮の路面輝度と前記仮の鉛直面照度において視認できる限界反射率と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率の関係に対応させた第二の数値テーブルを作成し、前記第二の数値テーブルとの比較において、前記所要の鉛直面照度と、トンネル内障害物の前記所要の総視認率を満たす路面輝度とを算出することを特徴とするので、請求項1〜請求項2記載の照明制御システムの発明の効果に加えて、トンネル内走行車の路上障害物及び先行車の視認性確保に必要な鉛直面照度と路面輝度の最適化が自動的にできるという優れた効果を奏する。
請求項4に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、前記所要の鉛直面照度が、前記トンネル内走行車の走行速度を実測して設定されることを特徴とするので、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の照明制御システムの発明の効果に加えて、トンネル内走行車における先行車の視認性確保が確実且つ効率的に、高精度で達成できるという優れた効果を奏する。
請求項5に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、前記トンネル内走行車の走行速度を実測し、前記走行速度に応じた視距に基づく路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係を用いることを特徴とするので、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の照明制御システムの発明の効果に加えて、トンネル内走行車の走行速度に対応した安全停止距離だけ前方の限界視認対象物が視認可能な鉛直面照度と路面輝度を算出、設定し得るという優れた効果を奏する。
請求項6に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、トンネル内の煤煙透過率を実測し、前記煤煙透過率に対応した路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係を用いることを特徴とするので、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の照明制御システムの発明の効果に加えて、トンネル内の煤煙透過率を考慮、補正した鉛直面照度と路面輝度の算出が可能となり、トンネル内走行車における路上障害物の視認性確保が、さらに高精度で達成できるという優れた効果を奏する。
請求項7に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、前記路上障害物における反射率と累積存在確率との関係を前記路上障害物の年間変動に対応して設定することを特徴とするので、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の照明制御システムの発明の効果に加えて、前記路上障害物の年間変動を考慮、補正した鉛直面照度と路面輝度の算出が可能となり、トンネル内走行車における路上障害物の視認性確保が、さらに高精度で達成できるという優れた効果を奏する。
請求項8に係る発明の照明制御システムにあっては、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の照明制御システムにおいて、前記照明器具を備えたトンネル用の照明制御システムが、配光形状の異なる2種類以上の照明器具を併用する照明制御システムであって、前記2種類以上の照明器具を併用した路面輝度と鉛直面照度が、所要値となるように前記2種類以上の照明器具のそれぞれの光出力レベルを制御し得ることを特徴とするので、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の照明制御システムの発明の効果に加えて、配光形状の異なる2種類以上の照明器具を併用した場合における、トンネル内走行車の路上障害物及び先行車の視認性確保に必要な照明制御システム全体としての鉛直面照度と路面輝度の最適化ができるという優れた効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。尚、本発明の照明制御システムは、下記の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
[第1の実施形態]
図1により本発明の第1の実施形態について説明する。すなわち、本実施形態は、少なくとも、入力部1、記憶部2、演算部3、制御部4及び照明器具5(本実施形態では、1種類の照明器具のみを使用)を備えたトンネル用の照明制御システムであり、さらに、入力部1からの入力により、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係、トンネル内走行車における先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度、及び、トンネル内障害物の所要の総視認率、を設定してトンネル内障害物の所定の視認性を確保し得る路面輝度を算出し、前記路面輝度と前記所要の鉛直面照度が達成されるように制御部4で照明器具5の出力を制御し得る照明制御システムである。このため、上記照明器具5は、制御端末器8を介して、上記制御部4に接続されている。さらに、本実施形態においては、トンネル内走行車の走行速度を実測しうる速度計6、及び、トンネル内の煤煙透過率を実測し得る透過率計7を具備し、これらの実測データを前記入力部1に入力可能な構成を有している。
図1により本発明の第1の実施形態について説明する。すなわち、本実施形態は、少なくとも、入力部1、記憶部2、演算部3、制御部4及び照明器具5(本実施形態では、1種類の照明器具のみを使用)を備えたトンネル用の照明制御システムであり、さらに、入力部1からの入力により、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係、トンネル内走行車における先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度、及び、トンネル内障害物の所要の総視認率、を設定してトンネル内障害物の所定の視認性を確保し得る路面輝度を算出し、前記路面輝度と前記所要の鉛直面照度が達成されるように制御部4で照明器具5の出力を制御し得る照明制御システムである。このため、上記照明器具5は、制御端末器8を介して、上記制御部4に接続されている。さらに、本実施形態においては、トンネル内走行車の走行速度を実測しうる速度計6、及び、トンネル内の煤煙透過率を実測し得る透過率計7を具備し、これらの実測データを前記入力部1に入力可能な構成を有している。
本実施形態におけるトンネル用照明制御システムにおける照明器具5の光出力の制御は以下の手順で行われる。
[1.] 入力部1は、上記した速度計6、及び、透過率計7の実測データの他、少なくとも次の5項目(A〜E)のデータについて入力でき、入力されたデータは、記憶部2に保存される。
A 路上障害物における反射率と累積存在確率との関係
前記煤煙透過率に対応した路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係
B 観測距離と煤煙透過率に対応した路上落下物を視認するために必要な路面輝度と所要輝度対比の関係(シルエット視及び逆シルエット視における路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係に対応させた第一の数値テーブル)
C 先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度(走行速度に対応する先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度のデータ)
D トンネル内障害物の所要の総視認率
E 照明器具の出力レベルに対する路面輝度と鉛直面照度の関係
[2.] 記憶部2に記憶された上記〔A 路上障害物における反射率と累積存在確率との関係〕及び[D トンネル内障害物の所要の総視認率]から仮の路面輝度と仮の鉛直面照度における総視認率を次の演算手順で演算部3において演算し、この演算結果を第二の数値テーブルとして記憶部2に保存する。
〔総視認率の演算手順〕
(a)仮の路面輝度Lr〔temp〕(cd/m2)と仮の鉛直面照度Ev〔temp〕(lx)を設定する。
(b)観測距離、煤煙透過率に対応した限界対象物が視認できる路面輝度Lrと輝度対比の関係から(a)の路面輝度におけるシルエット視と逆シルエット視による所要輝度対比CとC'を求める。ここで、図2は、路上障害物を視認するための路面輝度と所要輝度対比の関係の概略を示す図である。
[1.] 入力部1は、上記した速度計6、及び、透過率計7の実測データの他、少なくとも次の5項目(A〜E)のデータについて入力でき、入力されたデータは、記憶部2に保存される。
A 路上障害物における反射率と累積存在確率との関係
前記煤煙透過率に対応した路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係
B 観測距離と煤煙透過率に対応した路上落下物を視認するために必要な路面輝度と所要輝度対比の関係(シルエット視及び逆シルエット視における路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係に対応させた第一の数値テーブル)
C 先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度(走行速度に対応する先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度のデータ)
D トンネル内障害物の所要の総視認率
E 照明器具の出力レベルに対する路面輝度と鉛直面照度の関係
[2.] 記憶部2に記憶された上記〔A 路上障害物における反射率と累積存在確率との関係〕及び[D トンネル内障害物の所要の総視認率]から仮の路面輝度と仮の鉛直面照度における総視認率を次の演算手順で演算部3において演算し、この演算結果を第二の数値テーブルとして記憶部2に保存する。
〔総視認率の演算手順〕
(a)仮の路面輝度Lr〔temp〕(cd/m2)と仮の鉛直面照度Ev〔temp〕(lx)を設定する。
(b)観測距離、煤煙透過率に対応した限界対象物が視認できる路面輝度Lrと輝度対比の関係から(a)の路面輝度におけるシルエット視と逆シルエット視による所要輝度対比CとC'を求める。ここで、図2は、路上障害物を視認するための路面輝度と所要輝度対比の関係の概略を示す図である。
ここで、路上障害物を視認するために必要な路面輝度と輝度対比の関係は、観測距離とトンネル内の煤煙透過率によって変化することに留意する必要がある。すなわち、前者は、観測距離が長くなるに連れて限界対象物の視覚サイズが小さくなり視認し難くなる傾向にある。また、後者は、照明器具からの光を吸収、拡散する特性を有することから観測者に到達する光量が低下し、また、拡散光による明るさが、視対象物とその背景の両方に重畳するため視認性が低下する傾向がある。このような現象によって輝度対比の低下を表すと次式のようになる。
C=(Lb−Lo)/Lb (1)
ここで、Lo:視対象物の輝度、Lb:視対象物の背景輝度である。
C=(Lb−Lo)/Lb (1)
ここで、Lo:視対象物の輝度、Lb:視対象物の背景輝度である。
一方、トンネル内の煤煙によって透過率τ(ここで、τは、観測距離D:100mのときの透過率)となり、光幕輝度Lvが発生したときの輝度対比C'は次式から求められる。
C'=(Lb・(τ/100)D/100+Lv−(Lo・(τ/100)D/100+Lv))/(Lb・(τ/100)D/100+Lv)
=((Lb−Lo)・(τ/100)D/100)/(Lb・(τ/100)D/100+Lv) (2)
この場合、分母がLvだけ高くなるので輝度対比は低下することとなる。
C'=(Lb・(τ/100)D/100+Lv−(Lo・(τ/100)D/100+Lv))/(Lb・(τ/100)D/100+Lv)
=((Lb−Lo)・(τ/100)D/100)/(Lb・(τ/100)D/100+Lv) (2)
この場合、分母がLvだけ高くなるので輝度対比は低下することとなる。
また、上記した照明器具からの光の吸収、拡散は観測距離が長くなるほど指数的に増加する傾向がある。以上のことから設置基準(日本道路協会:道路照明施設設置基準・同解説)などでは、設計速度に応じて所要路面輝度を基準化(例えば、100km/hでは、9.0cd/m2、80km/hでは、4.5cd/m2等である。)しているが、これは、設計速度に応じた安全停止距離(例えば、100km/hでは、160m、80km/hでは、110m等である。)だけ前方の限界対象物が視認できるためのものである。
したがって、本実施形態では、走行車両の速度に応じて限界対象物が視認されるべき距離を適宜設定し、トンネル内の煤煙透過率と合わせて路上落下物を視認するために必要な路面輝度と輝度対比の関係を用いることとした。
すなわち、本実施形態では、トンネル内走行車の走行速度を上記速度計6で実測し、この走行速度に応じた視距に基づく路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係([1.]の項目B)を用いることとなるので、トンネル内走行車の走行速度に対応した安全停止距離だけ前方の限界視認対象物が視認可能な鉛直面照度と路面輝度を算出、設定し得ることとなる。また、本実施形態では、トンネル内の煤煙透過率を上記透過率計7で実測し、前記煤煙透過率に対応した路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係([1.]の項目B)を用いることとするので、トンネル内の煤煙透過率を考慮、補正した鉛直面照度と路面輝度の算出が可能となり、トンネル内走行車における路上障害物の視認性確保が、さらに高精度で達成できることとなる。
(c)Lr〔temp〕とEv〔temp〕の照明環境で輝度対比CとC'となる限界対象物の路面輝度Lr〔temp〕と鉛直面照度Ev〔temp〕において視認できる限界反射率ρ(すなわち、反射率ρ以下の対象物のみが視認可能[シルエット視])とρ’(すなわち、反射率ρ’以上の対象物のみが視認可能[逆シルエット視])を求める。
C=1−Lo/Lr (3)
(但し、Loは、限界対象物の輝度(cd/m2)
このとき、Loが完全拡散面と仮定し、
Lo=ρEv/π (4)
C=1−ρEv/Lr/π (5)
シルエット視では、
ρ=(1−C)Lr〔temp〕π/Ev〔temp〕 (6)
逆シルエット視では、
ρ’= (1−C')Lr〔temp〕π/Ev〔temp〕 (7)
(d)累積存在確率曲線からρとρ’における累積存在確率PとP'を求める。この時の累積存在確率曲線は、シルエット視の場合は反射率の小さい方から累積し、逆シルエット視の場合は反射率の大きい方から累積した曲線を用いる(図3参照)。ここで、図3は、路上障害物の反射率と累積存在確率との関係の概略を示す図である。
(e)総視認率P〔all〕を下式から計算して求める。
P〔all〕=P+P' (8)
すなわち、このようにして、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係を、所定の路面輝度と鉛直面照度において視認できる限界反射率ρ、ρ’と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率P〔all〕の関係として把握することができ、前記仮の路面輝度Lr〔temp〕と前記仮の鉛直面照度Ev〔temp〕におけるこの関係と、路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係から、前記仮の路面輝度と前記仮の鉛直面照度に対応した総視認率P〔all〕との関係を求めることができることとなる。
(f)次に、Lr〔temp〕とEv〔temp〕を変数とし、(a)〜(e)を繰り返し計算することによって路面輝度をパラメータとした鉛直面照度に対する総視認率の関係を求めることができ(図4)、これらの関係を、記憶部2に第二の数値テーブルとして保存する。ここで、図4は、路面輝度Lrをパラメータとして変化せしめた際(LrA〜LrC)の鉛直面照度に対する総視認率の関係の概略を示す図である。
(c)Lr〔temp〕とEv〔temp〕の照明環境で輝度対比CとC'となる限界対象物の路面輝度Lr〔temp〕と鉛直面照度Ev〔temp〕において視認できる限界反射率ρ(すなわち、反射率ρ以下の対象物のみが視認可能[シルエット視])とρ’(すなわち、反射率ρ’以上の対象物のみが視認可能[逆シルエット視])を求める。
C=1−Lo/Lr (3)
(但し、Loは、限界対象物の輝度(cd/m2)
このとき、Loが完全拡散面と仮定し、
Lo=ρEv/π (4)
C=1−ρEv/Lr/π (5)
シルエット視では、
ρ=(1−C)Lr〔temp〕π/Ev〔temp〕 (6)
逆シルエット視では、
ρ’= (1−C')Lr〔temp〕π/Ev〔temp〕 (7)
(d)累積存在確率曲線からρとρ’における累積存在確率PとP'を求める。この時の累積存在確率曲線は、シルエット視の場合は反射率の小さい方から累積し、逆シルエット視の場合は反射率の大きい方から累積した曲線を用いる(図3参照)。ここで、図3は、路上障害物の反射率と累積存在確率との関係の概略を示す図である。
(e)総視認率P〔all〕を下式から計算して求める。
P〔all〕=P+P' (8)
すなわち、このようにして、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係を、所定の路面輝度と鉛直面照度において視認できる限界反射率ρ、ρ’と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率P〔all〕の関係として把握することができ、前記仮の路面輝度Lr〔temp〕と前記仮の鉛直面照度Ev〔temp〕におけるこの関係と、路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係から、前記仮の路面輝度と前記仮の鉛直面照度に対応した総視認率P〔all〕との関係を求めることができることとなる。
(f)次に、Lr〔temp〕とEv〔temp〕を変数とし、(a)〜(e)を繰り返し計算することによって路面輝度をパラメータとした鉛直面照度に対する総視認率の関係を求めることができ(図4)、これらの関係を、記憶部2に第二の数値テーブルとして保存する。ここで、図4は、路面輝度Lrをパラメータとして変化せしめた際(LrA〜LrC)の鉛直面照度に対する総視認率の関係の概略を示す図である。
なお、上記の演算において使用する累積存在確率曲線は、路上障害物の地域的、季節的要因(具体的には、特定地域の冬期(積雪時)には、特定の種類のタイヤの使用頻度が上がり、これが路上障害物の種類、分布状態に反映される等が例示できる。)によって変動し得ることから、対象とする特定の路線の路上障害物の年間変動に対応して設定することができる。この結果、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係が、路上障害物の年間変動に対応して設定することとなるので、路上障害物の年間変動を考慮、補正した鉛直面照度と路面輝度の算出が可能となり、トンネル内走行車における路上障害物の視認性確保が、さらに高精度で達成できることとなる。
[3.] 記憶部2に第二の数値テーブルとして保存されている〔トンネル内障害物の所要の総視認率となる路面輝度の関係〕と上記〔C 先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度〕及び[D トンネル内障害物の所要の総視認率]とを参照し、所要路面輝度を設定することとなる。この際、本実施形態では、上記速度計6により、トンネル内走行車の走行速度を実測して、その実測結果に基づいて、上記記憶部2に保存された〔C 先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度〕を参照することにより、対応する所要の鉛直面照度が設定されることとなる。この結果、トンネル内走行車における先行車の視認性確保が確実且つ効率的に、高精度で達成し得ることとなる。
[3.] 記憶部2に第二の数値テーブルとして保存されている〔トンネル内障害物の所要の総視認率となる路面輝度の関係〕と上記〔C 先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度〕及び[D トンネル内障害物の所要の総視認率]とを参照し、所要路面輝度を設定することとなる。この際、本実施形態では、上記速度計6により、トンネル内走行車の走行速度を実測して、その実測結果に基づいて、上記記憶部2に保存された〔C 先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度〕を参照することにより、対応する所要の鉛直面照度が設定されることとなる。この結果、トンネル内走行車における先行車の視認性確保が確実且つ効率的に、高精度で達成し得ることとなる。
このように、本実施形態においては、仮の路面輝度と、仮の鉛直面照度を設定する一方、前記路上障害物における反射率と累積存在確率との関係が、所定の路面輝度と鉛直面照度において視認できる限界反射率と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率の関係であって、路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係から、前記仮の路面輝度と前記仮の鉛直面照度において視認できる限界反射率と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率の関係に対応させた第二の数値テーブルを作成し、前記第二の数値テーブルとの比較において、前記所要の鉛直面照度と、トンネル内障害物の前記所要の総視認率を満たす路面輝度とを算出することとするので、トンネル内走行車の路上障害物及び先行車の視認性確保に必要な鉛直面照度と路面輝度の最適化が自動的にできることとなる。
[4.] 上記によって求められた所要路面輝度と所要鉛直面照度を満たす(それぞれが所要値以上となる)照明器具の光出力レベルを記憶部3に保存されている上記〔E 照明器具の出力レベルに対する路面輝度と鉛直面照度の関係〕から求め、制御部4によって照明器具5の光出力を制御することとなる。
[5.] 以上のような照明器具5の光出力制御において、実走行速度に応じた観測距離(安全停止距離)とトンネル内の煤煙透過率に基づく路上障害物の視認性を確保するための路面輝度と輝度対比の関係を用いることで実際の走行状況に応じた安全性を高めることができ、また、渋滞などによって走行速度が低下した場合や交通量の低下によりトンネル内の煤煙透過率が高まった時には、路面輝度を低減することにより、消費電力を抑えることができることとなる。
[4.] 上記によって求められた所要路面輝度と所要鉛直面照度を満たす(それぞれが所要値以上となる)照明器具の光出力レベルを記憶部3に保存されている上記〔E 照明器具の出力レベルに対する路面輝度と鉛直面照度の関係〕から求め、制御部4によって照明器具5の光出力を制御することとなる。
[5.] 以上のような照明器具5の光出力制御において、実走行速度に応じた観測距離(安全停止距離)とトンネル内の煤煙透過率に基づく路上障害物の視認性を確保するための路面輝度と輝度対比の関係を用いることで実際の走行状況に応じた安全性を高めることができ、また、渋滞などによって走行速度が低下した場合や交通量の低下によりトンネル内の煤煙透過率が高まった時には、路面輝度を低減することにより、消費電力を抑えることができることとなる。
このように、本実施形態の照明制御システムでは、少なくとも、入力部、記憶部、演算部、制御部及び照明器具を備えたトンネル用の照明制御システムにおいて、前記入力部からの入力により、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係(上記[1.]の項目A)、トンネル内走行車における先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度(上記[1.]の項目C)、及び、トンネル内障害物の所要の総視認率(上記[1.]の項目D)、を設定してトンネル内障害物の所定の視認性を確保し得る路面輝度を算出し、前記路面輝度と前記所要の鉛直面照度が達成されるように前記制御部で前記照明器具の出力を制御でき、しかも、これが、シルエット視及び逆シルエット視における路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係に対応させた第一の数値テーブルが、前記記憶部に予め記憶されており、前記路面輝度が、前記演算部において、前記数値テーブルと、前記所要の鉛直面照度とトンネル内障害物の前記所要の総視認率に基づいて算出するので、トンネル内走行車が、危険を伴うトンネル内の路上障害物及び先行車を必要且つ充分に視認し得ることとなる。
[第2の実施形態]
図5により本発明の第2の実施形態について説明する。すなわち、本実施形態は、照明器具5が2種類の照明器具、すなわち、路面輝度確保主体型の配光を有する照明器具5aと、鉛直面照度確保主体型の配光を有する照明器具5bとを併用する照明制御システムであることを除いて、上記第1の実施形態と同一の構成を具備するトンネル用の照明制御システムである。
図5により本発明の第2の実施形態について説明する。すなわち、本実施形態は、照明器具5が2種類の照明器具、すなわち、路面輝度確保主体型の配光を有する照明器具5aと、鉛直面照度確保主体型の配光を有する照明器具5bとを併用する照明制御システムであることを除いて、上記第1の実施形態と同一の構成を具備するトンネル用の照明制御システムである。
すなわち、照明器具5が上記第1の実施形態のように1種類の照明器具のみを用いる場合であれば、路面輝度と鉛直面照度が所要値を満たすように光出力を設定した場合、路面輝度または鉛直面照度が所要値以上になることが推測される。 これに対して、本実施形態のように路面輝度確保主体型の配光を有する照明器具5aと鉛直面照度確保主体型の配光を有する照明器具5bの2種類を併用する場合には、路面輝度と鉛直面照度のそれぞれがちょうど所要値となるように各照明器具5a、5bの光出力を制御することによって消費エネルギーの最適化を図り、消費エネルギーの損失を回避することができることとなる。図6(a)は、路面輝度確保主体型の配光を有する照明器具5a、図6(b)は、鉛直面照度確保主体型の配光を有する照明器具5bの光出力と光学特性を示す図である。
以下に、かかる2種類の照明器具5a、5bを用いたとき、両者によって確保すべき路面輝度と鉛直面照度を求める演算過程を示す。
[所要の路面輝度と鉛直面照度を確保するための2種類の照明器具5a、5bの光出力の比率]
2種類の照明器具5a、5bの平均照度換算係数と水平面照度と鉛直面照度の比率を用いて所要の路面輝度と鉛直面照度が得られる両者の組合せ(比率)を次の連立方程式から求める。
Lr〔sym〕+Lr〔pro〕 = Lr (9)
Lr〔sym〕×K〔sym〕×R〔sym〕 + Lr〔pro〕
×K〔pro〕×R〔pro〕 = Ev (10)
ここで、Ev:所要鉛直面照度、Lr:所要路面輝度、Ev〔*〕:照明方式*による鉛直面照度(但し、*は、symまたは、proのいずれかを示す。以下、同じ。)、Eh〔*〕:照明方式*による水平面照度、Lr〔*〕:照明方式*による路面輝度、R〔*〕:照明方式*のEv/Eh、K〔*〕:照明方式*の平均照度換算係数(単位路面輝度に対する水平面照度)、sym:路面輝度確保主体の配光を有する照明器具、pro:鉛直面照度確保主体の配光を有する照明器具
この結果、式(9)、(10)より次式が求められる。
Lr〔pro〕 = (Ev−Lr×K〔sym〕×R〔sym〕)/(K〔pro〕×R〔pro〕−K〔sym〕×R〔sym〕) (11)
Lr〔sym〕 = (Ev−Lr×K〔pro〕×R〔pro〕)/(K〔sym〕×R〔sym〕−K〔pro〕×R〔pro〕) (12)
式(11)、(12)から、それぞれの配光を有する照明器具5a、5bによって確保すべき路面輝度が演算される。また、それぞれの路面輝度を確保することにより所要の鉛直面照度を実現することができる。
[所要の路面輝度と鉛直面照度を確保するための2種類の照明器具5a、5bの光出力の比率]
2種類の照明器具5a、5bの平均照度換算係数と水平面照度と鉛直面照度の比率を用いて所要の路面輝度と鉛直面照度が得られる両者の組合せ(比率)を次の連立方程式から求める。
Lr〔sym〕+Lr〔pro〕 = Lr (9)
Lr〔sym〕×K〔sym〕×R〔sym〕 + Lr〔pro〕
×K〔pro〕×R〔pro〕 = Ev (10)
ここで、Ev:所要鉛直面照度、Lr:所要路面輝度、Ev〔*〕:照明方式*による鉛直面照度(但し、*は、symまたは、proのいずれかを示す。以下、同じ。)、Eh〔*〕:照明方式*による水平面照度、Lr〔*〕:照明方式*による路面輝度、R〔*〕:照明方式*のEv/Eh、K〔*〕:照明方式*の平均照度換算係数(単位路面輝度に対する水平面照度)、sym:路面輝度確保主体の配光を有する照明器具、pro:鉛直面照度確保主体の配光を有する照明器具
この結果、式(9)、(10)より次式が求められる。
Lr〔pro〕 = (Ev−Lr×K〔sym〕×R〔sym〕)/(K〔pro〕×R〔pro〕−K〔sym〕×R〔sym〕) (11)
Lr〔sym〕 = (Ev−Lr×K〔pro〕×R〔pro〕)/(K〔sym〕×R〔sym〕−K〔pro〕×R〔pro〕) (12)
式(11)、(12)から、それぞれの配光を有する照明器具5a、5bによって確保すべき路面輝度が演算される。また、それぞれの路面輝度を確保することにより所要の鉛直面照度を実現することができる。
したがって、本実施形態の照明制御システムにおいては、路面輝度確保主体型の配光を有する照明器具と鉛直面照度確保主体型の配光を有する照明器具の2種類を用い、路面輝度と鉛直面照度のそれぞれがちょうど所要値となるように各器具の光出力を設定することによって消費エネルギーの損失を避けることができることとなる。なお、本実施形態では、配光形状の異なる2種類の照明器具を併用したが、配光形状の異なる2種類以上の照明器具を併用しても、同様に、かかる2種類以上の照明器具のそれぞれの光出力レベルを制御する照明制御システムも当然に可能であり、制限されない。
このように、本発明のトンネル用照明制御システムが、配光形状の異なる2種類以上の照明器具を併用する照明制御システムであっても、この2種類以上の照明器具を併用した路面輝度と鉛直面照度が、所要値となるように前記2種類以上の照明器具のそれぞれの光出力レベルを制御し得るので、配光形状の異なる2種類以上の照明器具を併用した場合における、トンネル内走行車の路上障害物及び先行車の視認性確保に必要な照明制御システム全体としての鉛直面照度と路面輝度の最適化ができることとなる。
1 入力部
2 記憶部
3 演算部
4 制御部
5 照明器具
5a 照明器具(路面輝度確保主体型)
5b 照明器具(鉛直面照度確保主体型)
6 速度計
7 透過率計
8 制御端末器
9 トンネル
2 記憶部
3 演算部
4 制御部
5 照明器具
5a 照明器具(路面輝度確保主体型)
5b 照明器具(鉛直面照度確保主体型)
6 速度計
7 透過率計
8 制御端末器
9 トンネル
Claims (8)
- 少なくとも、入力部、記憶部、演算部、制御部及び照明器具を備えたトンネル用の照明制御システムにおいて、前記入力部からの入力により、路上障害物における反射率と累積存在確率との関係、トンネル内走行車における先行車の視認性確保のための所要の鉛直面照度、及び、トンネル内障害物の所要の総視認率、を設定してトンネル内障害物の所定の視認性を確保し得る路面輝度を算出し、前記路面輝度と前記所要の鉛直面照度が達成されるように前記制御部で前記照明器具の出力を制御し得ることを特徴とする照明制御システム。
- シルエット視及び逆シルエット視における路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係に対応させた第一の数値テーブルが、前記記憶部に予め記憶されており、前記路面輝度が、前記演算部において、前記数値テーブルと、前記所要の鉛直面照度とトンネル内障害物の前記所要の総視認率に基づいて算出されたことを特徴とする請求項1記載の照明制御システム。
- 仮の路面輝度と、仮の鉛直面照度を設定する一方、前記路上障害物における反射率と累積存在確率との関係が、所定の路面輝度と鉛直面照度において視認できる限界反射率と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率の関係であって、路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係から、前記仮の路面輝度と前記仮の鉛直面照度において視認できる限界反射率と、その限界反射率に至るまでの視認可能な反射率における前記路上障害物のシルエット視及び逆シルエット視における累積存在確率の和で求めた総視認率の関係に対応させた第二の数値テーブルを作成し、前記第二の数値テーブルとの比較において、前記所要の鉛直面照度と、トンネル内障害物の前記所要の総視認率を満たす路面輝度とを算出することを特徴とする請求項2記載の照明制御システム。
- 前記所要の鉛直面照度が、前記トンネル内走行車の走行速度を実測して設定されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の照明制御システム。
- 前記トンネル内走行車の走行速度を実測し、前記走行速度に応じた視距に基づく路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係を用いることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の照明制御システム。
- トンネル内の煤煙透過率を実測し、前記煤煙透過率に対応した路上障害物を視認できる路面輝度と輝度対比の関係を用いることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の照明制御システム。
- 前記路上障害物における反射率と累積存在確率との関係を前記路上障害物の年間変動に対応して設定することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の照明制御システム。
- 前記照明器具を備えたトンネル用の照明制御システムが、配光形状の異なる2種類以上の照明器具を併用する照明制御システムであって、前記2種類以上の照明器具を併用した路面輝度と鉛直面照度が、所要値となるように前記2種類以上の照明器具のそれぞれの光出力レベルを制御し得ることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の照明制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003361171A JP2005129269A (ja) | 2003-10-21 | 2003-10-21 | 照明制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2003361171A Pending JP2005129269A (ja) | 2003-10-21 | 2003-10-21 | 照明制御システム |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010225559A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Nippon Expressway Research Institute Co Ltd | トンネル照明器具、同器具に使用される反射板及びトンネル入口照明装置 |
CN106304483A (zh) * | 2016-08-19 | 2017-01-04 | 江苏长路能源科技发展有限公司 | 公路隧道智慧绿色照明系统 |
CN106640119A (zh) * | 2017-03-14 | 2017-05-10 | 合肥工业大学 | 公路隧道出入口遮光自动调节系统 |
CN113795070A (zh) * | 2021-09-01 | 2021-12-14 | 珠海华发城市研究院有限公司 | 一种隧道照明系统的自适应无级调光控制系统及控制方法 |
-
2003
- 2003-10-21 JP JP2003361171A patent/JP2005129269A/ja active Pending
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