JP2005127759A - pH指示薬を利用した糖質の検出方法 - Google Patents

pH指示薬を利用した糖質の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 CDや澱粉部分分解物等の糖質を確実、かつ簡便に検出するための方法を見出すと共に、CGTaseや澱粉分解酵素、並びにこれらの産生菌を検出するための手段を開発すること。
【解決手段】 特定のpH領域の緩衝液およびpH指示薬を被検試料に加え、その呈色変化から、被検試料中のCDや澱粉部分分解物等の糖質を検出する方法;特定のpH領域の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせを濾紙に含ませてなる、サイクロデキストリンおよび/または澱粉部分分解物の検出用試験紙;特定のpH領域の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせと、可溶性澱粉または澱粉と、サイクロデキストリン合成酵素または澱粉部分分解酵素産生能を有する微生物の培養用培地、並びに寒天またはジェランガムとを混合してなるCGTaseおよび/または澱粉部分分解酵素、或いはCDおよび/または澱粉部分分解物の検出用培地。
【選択図】 なし

Description

本発明は、澱粉から生産される各種糖質、特にサイクロデキストリン(以下、CDと略称する)、澱粉部分分解物等の検出方法に関し、詳しくはpH領域を調整するための緩衝液と特定のpH指示薬を用いてCD、澱粉部分分解物等を検出する方法、並びに該緩衝液と該pH指示薬を用いてCD合成酵素や澱粉分解酵素を検出するための試験紙、並びに培地に関する。
CDは、グルコースが6個(G6)以上環状に結合した化学構造を持ち、普通環CDとして6グルコース環のα−CD、7グルコース環のβ−CD、8グルコース環のγ−CDがあり、これ以上のグルコースからなる大環状CDとして、δ、ε−CDなどがある。さらに、これらの環にグルコース、マルトースなどの枝を付けた分岐CDもある。
これらのCDはいずれもドーナツ状の空洞を有し、この空洞内は、疎水性(油に馴染みやすい性質)で各種の疎水性物質(油性物質)を取り込み、包接体を形成することができる。
この疎水性物質には多くのものがあり、通常の包接体形成にはテトラクロロエタン,トリクロロエタン,ブロムベンゼン(β−CD,γ−CDと沈殿形成),フロロベンゼン,シクロヘキサンなどが知られている。
このようなCDの検出方法については、従来より各種の方法が用いられている。
例えば旧くは、上記疎水性物質を被検液に混合して振り、生じた濁りからCDの存在を確認していた(例えば、非特許文献1参照)。
また、CD水溶液に蛍光試薬や2−p−トルイジニル−6−ナフタレンスルホネートを加えると、蛍光強度が増加し、その増加度はCD環の大きさに依存するため、この性質を利用した分析方法もある(例えば、非特許文献2参照)。
最近では、主として高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略称する)が用いられている。
しかし、これらの方法は極めて煩雑で,多くのプロセスと時間がかかる上に、高価な測定機器も必要である。また、多くの方法は、CDのみに適用される方法であり、他の糖質、例えば澱粉部分分解物には適用できなかった。
このようなことから、糖質の簡便な検出方法の開発が望まれていた。
一方、呈色変化により微生物を検出する方法について、極めて多数の報告がある。例えば、マンニット食塩培地には、マンニットの他にpH指示薬のフェノールレッド(pH域は6.8〜8.4で黄〜赤)が含まれており、病原性黄色ブドウ球菌がマンニットを資化・生育して酸を生成し、コロニー周縁部を黄色に変化させることを利用して病原性黄色ブドウ球菌を検出する。
EBM培地(Eosin Methylene Blue)には、酸性色素のエオジンが含まれており、大腸菌などの乳糖分解菌が、培地中の乳糖を分解して酸を産生し、コロニーが酸性となり酸性色素のエオジンを黒褐色に変化させることを利用して大腸菌群を検出する。
BTB−MR試薬は、ブロモチモールブルーとメチルレッドを組み合わせた、酸産生微生物の検出用試薬である。被検微生物が、糖質の発酵により酢酸、乳酸などの有機酸を産生すると赤〜橙色となり、一方、被検微生物が有機酸を産生しなければ、黄〜緑色となる。
ブロモクレゾールグリーンを含むLIM培地(例えば、栄研化学株式会社製)は、腸内細菌が生育するとアルカリとなり、ブランクより明瞭な紫色になるので、腸内細菌の検出が可能である。ブロモクレゾールグリーンの代わりにブロモクレゾールパープルを含む場合も、アルカリ性で黄色→紫に変化することから、同様に検出が可能である。
TSI寒天培地はフェノールレッドを含む腸内細菌確認用培地である。即ち、フェノールレッドが、腸内細菌の生成した有機酸により赤→黄色へ呈色変化するので、検出できる。
更に、日水製薬株式会社製GAM寒天培地や、ブロモチモールブルーとメチルレッドを組み合わせた例もある。
他に、グラム鑑別用としてビクトリアブルーを用い、陽性は青、陰性は赤として検出するもの、β−ラクタマーゼが、ヨウ素を還元して澱粉反応を起こさなくすることを利用して検出するヨードメトリック法などもある。
アゾ色素については、各種物質の相互作用についての研究例が報告されているが、検出に用いられた例は特にない。
一方、呈色変化によるCDの検出方法に関し、フェノールフタレインを用いてアルカリ側でβ−CDを検出する方法(非特許文献3参照)が知られている。フェノールフタレインエタノール溶液の変色域は、(無)7.8〜10.0(紅)であるが、β−CDの検出は、この変色域外のpH10を超えた領域で行う。しかし、フェノールフタレインではβ−CDしか検出することができず、他のCDを検出することができない。
また、γ−CDの検出が可能なpH指示薬もあり、この指示薬によれば、β−CDのみならず、グルコース9個以上のCDであるδ−、ε−CDなどの大環状CDも、β−CDと同様の呈色変化を示すので検出することができる。しかし、これは呈色変化の程度が小さいため、明確な検出を行うことは困難である。
ところで、CD産生菌のスクリーニングには、CD産生菌がCD合成酵素を有することを利用したCD合成酵素(以下、CGTaseと略記する。)の検出法を適用することが必要である。
該検出法として、これまでに、Tilden-Hudson法(例えば、非特許文献4参照)、糊精化力測定法に準じた方法(例えば、非特許文献5参照)など様々な方法が用いられてきた。
また、本発明者らは、澱粉と培養基を混合して作製した寒天平板培地に、土壌などの懸濁液を散布して一定期間培養した後、0.1%ヨウ素−1%ヨウ化カリ溶液で未反応の澱粉を染色する操作を行い、染色されないコロニー(α−アミラーゼなど澱粉分解酵素を産生する菌)を拾って、これを培養し、得られた培養液を澱粉溶液に加えて反応させた後、HPLC,ペーパークロマトグラフィーなどの手段で生成したCDを検出する方法を利用していた。
なお、別法として、生成CDに包接体形成試薬を加えて攪拌し、濁度を検出する方法も用いられている。
しかし、これらの方法は極めて煩雑で、多くのプロセスと時間がかかる上に、高価な測定機器も必要である。また、多くの方法は、CGTase産生菌のみに適用される方法であり、他の糖質合成酵素産生菌や澱粉部分分解酵素産生菌などの検出には適用できなかった。
このようなことから、糖質合成酵素産生菌などのスクリーニング法の開発が強く求められている。
S.Kitahata and S.Okada:Agr.Biol.Chem.,34,954(1975) H.Kondo et al.:Carbohyd.Res.,52,1(1976) Mauri Maekelae,Timo Korpela and S.Laakso:"Colorimetric determination of β-cyclodextrin:two assay modifications based on molecular complexation of phenolphatalein"Journal of Biochemical and Biophysical Methods,14,Issue 2,April 1987,Pages 85-92 E.B.Tilden and C.S.Hudson:J.Bacteriol.,43,527(1942) S.Kitahata et al.:Agr.Biol.Chem.,38,384(1974)
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解消し、CDや澱粉部分分解物等の糖質を確実、かつ簡便に検出するための方法を見出すと共に、CGTaseや澱粉分解酵素、並びにこれらの産生菌を検出するための手段を開発することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した。その結果、特定のpH領域の緩衝液および特定のpH指示薬を被検試料に加えると、その呈色変化から、被検試料中のCDや澱粉部分分解物等の糖質を検出できることを見出した。
また、このような特定の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせを濾紙に含ませて得られる試験紙は、CDや澱粉部分分解物等の糖質の検出を極めて簡便に行うことができ、しかも該試験紙の保存、取り扱い等の煩雑さが解消されることを見出した。
さらに、このような特定の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせを、特定微生物の培養用培地成分として活用することにより、CDや澱粉部分分解物等の糖質の他、これらを生産するためのCGTaseや澱粉部分分解酵素、並びにこれらの酵素の産生菌のスクリーニングを行うことができることも見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
請求項1に記載の本発明は、pH領域4〜11の緩衝液およびメチルイエローを被検試料に加え、その呈色変化から、被検試料中のα−サイクロデキストリンを検出する方法である。
請求項2に記載の本発明は、pH領域4〜11の緩衝液およびメチルオレンジを被検試料に加え、その呈色変化から、被検試料中のα−サイクロデキストリン,β−サイクロデキストリンおよびγ−サイクロデキストリンを検出する方法である。
請求項3に記載の本発明は、pH領域9〜11の緩衝液およびメタクレゾールパープルを被検試料に加え、その呈色変化から、被検試料中のβ−サイクロデキストリンおよびγ−サイクロデキストリンを検出する方法である。
請求項4に記載の本発明は、pH領域4〜8の緩衝液およびメチルレッドを被検試料に加え、その呈色変化から被検試料中のγ−サイクロデキストリンを検出する方法である。
請求項5に記載の本発明は、pH領域4〜11の緩衝液およびブロモクレゾールグリーンを被検試料に加え、その呈色変化から被検試料中のγ−サイクロデキストリンを検出する方法である。
請求項6に記載の本発明は、pH領域4〜6の緩衝液およびコンゴーレッドを被検試料に加え、その呈色変化から被検試料中のβ−サイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンまたは澱粉部分分解物を検出する方法である。
請求項7に記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせを濾紙に含ませてなる、サイクロデキストリンおよび/または澱粉部分分解物の検出用試験紙である。
請求項8に記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせ、並びに可溶性澱粉または澱粉を濾紙に含ませてなるサイクロデキストリン合成酵素および/または澱粉部分分解酵素の検出用試験紙である。
請求項9に記載の本発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせと、可溶性澱粉または澱粉と、サイクロデキストリン合成酵素または澱粉部分分解酵素産生能を有する微生物の培養用培地、並びに寒天またはジェランガムとを混合してなるサイクロデキストリン合成酵素および/または澱粉部分分解酵素、或いはサイクロデキストリンおよび/または澱粉部分分解物の検出用培地である。
本発明の検出方法によれば、特定のpH指示薬および緩衝液の組み合わせにより、α−CD、β−CD、γ−CD等のCDの他、澱粉部分分解物などの糖質を極めて簡便に検出できるので、CD関連分野における研究に幅広く利用できる。
また、本発明の試験紙は、CDや澱粉部分分解物などを極めて簡便に検出できる上に、その保存、取り扱い等の煩雑さも解消されるため、糖質の予備的な一般分析用として利用できる。
さらに、本発明の各種酵素や糖質の検出用培地は、CD合成酵素、澱粉部分分解酵素やCD、澱粉部分分解物等を極めて簡便に検出できるので、使用する培地と培養条件を選択すれば、CDや澱粉部分分解物の他、CGTaseや澱粉部分分解酵素、およびこれらの酵素産生菌の一次スクリーニングに用いることができる。特に、本発明の検出用培地により、食品として望ましい安全性の高い微生物がスクリーニングされれば、当該微生物を食品としての利用可能性を開くことができるので、食品産業において極めて有用である。
まず、請求項1〜6に係る本発明の検出方法について説明する。請求項1〜6に係る本発明の検出方法は、特定のpH領域の緩衝液および特定のpH指示薬を被検試料に加え、その呈色変化から、被検試料中のCD、澱粉部分分解物等の糖質を検出する方法である。即ち、請求項1〜6に係る本発明の検出方法は、特定のpH領域の緩衝液および特定のpH指示薬を用いる点で相違し、また、検出の対象であるCDや澱粉部分分解物の種類も相違するが、その他の点については共通であるので、共通点についてはまとめて説明する。
請求項1〜6に係る本発明の検出方法では、まず、特定のpH領域の緩衝液および特定のpH指示薬を被検試料に加える。
ここで被検試料としては、CD、澱粉部分分解物等の糖質が含まれているかどうかを確認したい試料、或いは糖質が含まれることは分かっているが、その糖質がCD、澱粉部分分解物のいずれであるかを確認したい試料であれば、どのようなものであっても良い。例えば、天然澱粉、小麦、トウモロコシ、米、馬鈴薯、甘藷などの植物又は植物由来成分、澱粉を部分水解した製品、澱粉を物理的加工した製品、分離生産した製品、CD製品、化学修飾された澱粉製品、その他の糖質製品を用いることができる。被検試料の形態としては、緩衝液に溶解可能であれば、液体、固体等のいずれであっても良い。
特定のpH領域の緩衝液としては、請求項1〜6に係る本発明の検出方法においてそれぞれ特定しているpH領域を満足する緩衝液の中から適宜選択して用いることができる。
即ち、請求項1に係る本発明の検出方法では、pH領域4〜11、好ましくは5〜10の緩衝液を用い、請求項2に係る本発明の検出方法では、pH領域4〜11、好ましくは5〜10の緩衝液を用い、請求項3に係る本発明の検出方法では、pH領域9〜11、好ましくは9.5〜10.5の緩衝液を用い、請求項4に係る本発明の検出方法では、pH領域4〜8、好ましくは4.5〜7.5の緩衝液を用い、請求項5に係る本発明の検出方法では、pH領域4〜11、好ましくは5〜10の緩衝液を用い、請求項6に係る本発明の検出方法では、pH領域4〜6、好ましくは4.5〜5.5の緩衝液を用いる。
pH領域が上記範囲を逸脱すると、pH指示薬による特異的な呈色変化が起こらず、正確な検出ができなくなるので、好ましくない。なお、pH領域が上記範囲を逸脱しても、呈色変化すれば検出は可能である。
このような緩衝液としては、pH指示薬のpH領域調整のために通常用いられる緩衝液、例えば酢酸/酢酸Na緩衝液等の酢酸緩衝液、NaHPO/NaHPO緩衝液等のリン酸緩衝液、NaHCO/NaOH緩衝液等のアルカリ緩衝液等を用いることができる。
本発明においては、特定のpH領域に調整のために用いられる場合よりも濃度のやや高いもの、換言すれば所定のpH領域よりもやや高い領域に調整される緩衝液を選択することが好ましい。具体的には、例えば0.2M CHCOOHと0.2M CHCOONaを混合してpH4〜6に調整した酢酸/酢酸Na緩衝液、0.2M NaHPOと0.2M NaHPOを混合してpH6〜8に調整したリン酸緩衝液、0.05M NaHCOと0.1M NaOHを混合してpH9.5〜11に調整したNaHCO/NaOH緩衝液は、被検試料を溶解してもpH領域が殆ど変化しないので好ましい。
このようにして得られた緩衝液とpH指示薬に被検試料を加えて溶解することにより、検出作業の全過程中、pH変化が抑えられ、pHを一定に保つことができるので、被検試料中に含まれる糖質による呈色の変化を確実に知ることができる。
請求項1〜6に係る本発明の検出方法において用いられる特定のpH指示薬とは、以下に示すものを意味する。
請求項1に係る本発明の検出方法においては、メチルイエロー(MY)を用いる。
通常、pH指示薬として用いられる場合のメチルイエローの変色域は、(薄赤)2.9〜4.0(薄赤黄)であるが、請求項1に係る本発明の検出方法においては、その範囲外の領域で検出を行う。
請求項1に係る本発明の検出方法によれば、被検試料中にα−CDが含まれる場合は、白みがかった黄色(WYe)から鮮明な黄色(LYe)に色調が変化し、このような呈色変化から、被検試料中のα−CDを検出することができる。
請求項2に係る本発明の検出方法においては、メチルオレンジ(MO)を用いる。
通常、pH指示薬として用いられる場合のメチルオレンジの変色域は、(黄赤)3.1〜4.4(赤黄)であるが、請求項2に係る本発明の検出方法においては、その範囲外の領域で検出を行う。
請求項2に係る本発明の検出方法によれば、被検試料中にα−CD、β−CDおよびγ−CDのうち少なくとも1つが含まれる場合は、橙色(Or)から黄色(Ye)に色調が変化し、このような呈色変化から、被検試料中のα−CD、β−CDおよびγ−CDを検出することができる。
請求項3に係る本発明の検出方法においては、メタクレゾールパープル(MP)を用いる。
通常、pH指示薬として用いられる場合のメタクレゾールパープルの変色域は、(赤)1.2〜2.8(黄)、(黄)7.4〜9.0(紫)であるが、請求項3に係る本発明の検出方法においては、その範囲外の領域で検出を行う。
請求項3に係る本発明の検出方法によれば、被検試料中にβ−CDが含まれる場合は、紫色(Pu)から紫がかった青色(P´Bl)へ、γ−CDが含まれる場合は、紫色(Pu)から青色(Bl)へ色調が変化し、このような呈色変化から、被検試料中のβ−CDおよびγ−CDを検出することができる。
請求項4に係る本発明の検出方法においては、メチルレッド(MR)を用いる。
請求項4に係る本発明の検出方法によれば、被検試料中にγ−CDが含まれる場合は、pHが低い領域(例えば、pH4〜5.5)では混濁した赤色(TRe)からワイン赤色(W´Re)へ色調が変化し、pHが高い領域(例えば、pH5.5〜8)では黄色(Ye)から赤みがかった黄色(RYe)へ色調が変化する。このような呈色変化から、被検試料中のγ−CDを検出することができる。
尚、通常、pH指示薬として用いられる場合のメチルレッドの変色域は、(紫赤)4.2〜6.2(黄)であるが、請求項4に係る本発明の検出方法における呈色変化は、色調が若干異なる。
請求項5に係る本発明の検出方法においては、ブロモクレゾールグリーン(BG)を用いる。
通常、pH指示薬として用いられる場合のブロモクレゾールグリーンの変色域は、(黄)3.8〜5.4(青)であるが、請求項5に係る本発明においては、その範囲外の領域である。
請求項5に係る本発明の検出方法によれば、被検試料中にγ−CDが含まれる場合は、pHが低い領域(例えば、pH4〜6)では緑がかった青(GBl)から青(Bl)へ色調が変化し、pHが高い領域(例えば、pH6〜11)では青(Bl)から僅かにくすんで白みがかった青(LPBl)へ色調が変化する。このような呈色変化から、被検試料中のγ−CDを検出することができる。
請求項6に係る本発明の検出方法においては、コンゴーレッド(CR)を用いる。
請求項6に係る本発明の検出方法によれば、被検試料中にβ−CD、γ−CDおよび澱粉部分分解物のうち少なくとも1つが含まれる場合は、暗褐色(くすんだ褐色:DBr)から褐橙色(鮮明な褐色:BBr)へ色調が変化し、このような呈色変化から、被検試料中のβ−CD、γ−CDおよび澱粉部分分解物を検出することができる。
通常、pH指示薬として用いられる場合のコンゴーレッドの変色域は、(紫)3.0〜5.0(暗黄赤)であるが、請求項6に係る本発明の検出方法における呈色変化は、色調が若干異なる。
請求項1〜6に係る本発明の検出方法において、特定のpH領域の緩衝液および特定のpH指示薬を被検試料に加える際の条件については、特に制限はない。例えば、緩衝液およびpH指示薬を被検試料に加える際の手順については、緩衝液を被検試料に溶解してからpH指示薬を加えてミキサー等を用いて攪拌しても良いし、緩衝液をpH指示薬に溶解してから被検試料を加えて攪拌しても良い。また、溶解する際の温度についても特に限定はなく、室温で溶解しても良いし、沸騰浴中で溶解した後、室温まで放冷しても良い。
pH指示薬は、あらかじめエタノール、エタノール水溶液等の適当な溶媒に常法により溶解したものを用いても良い。その際のpH指示薬の濃度は、標準的には0.5〜1.0%であるが、呈色変化が明確でない場合は、濃度を適宜高めることができる。
被検試料に対する緩衝液およびpH指示薬の配合割合については、呈色変化が得られやすい条件を選定すれば良い。
尚、被検試料を緩衝液に溶解することにより、検出作業の全過程中pH変化が抑えられ、pHを一定に保つことができるが、緩衝液およびpH指示薬を被検試料に加えた後の試料溶液のpHが一定であるかどうかをpHメーター等で確認してもよい。
請求項1〜6に係る本発明の検出方法においては、上述のように、特定のpH領域の緩衝液および特定のpH指示薬を被検試料に加えた後、或いは被検試料を緩衝液とpH指示薬に加えた後、その呈色変化から、被検試料中のCD、澱粉部分分解物等の糖質を検出する。
呈色変化の観察は、デジタルカメラによる撮影、吸光度の測定等により行うことができる。ここで、試験区(被検試料をpH緩衝液に溶解させたものと、pH指示薬(色素)液の混合液)、対照試験区(被検試料に代えて呈色変化を示さないマルトースなどの糖質を緩衝液に溶解させたものと色素および緩衝液の混合液)および空試験区(被検試料を含まない、色素とpH緩衝液との混合液)の比較目視観察で評価することが望ましい。その理由は、呈色変化前後の色調が同系色の場合も、呈色変化を確実に観察できるからである。
請求項1〜6に係る本発明の検出方法の検出対象は、CDおよび澱粉部分分解物である。
CDには、普通環CDとして6グルコース環のα−CD、7グルコース環のβ−CD、8グルコース環のγ−CDがあり、これ以上のグルコースからなる大環状CDとして、δ、ε−CDなどがある。さらに、これらの環にグルコース、マルトースなどの枝を付けた分岐CDもある。
分岐CDは、非分岐CDと同様に呈色変化するが、一般に、分岐CDはβ−CDでもα−CDに近似した呈色変化を示す。また、γ−CDやε−CDなどの大環状CDはγ−CDに準じた呈色変化を示すが、γ−CDより強い呈色変化は見られない。
従って、α−CDおよび一部の分岐CDは、請求項1または2に係る本発明の検出方法により検出することができ、β−CDは、請求項2、3、5または6に係る本発明の検出方法により検出することができ、γ−CDおよび一部の大環状CDは請求項2〜6のいずれかに記載の方法により検出することができる
一方、澱粉部分分解物とは、澱粉のα−1,4結合やα−1,6結合が酵素や加熱その他の手段により部分的に分解されたものを意味する。
ここで、澱粉としては、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、非糯米澱粉、糯米澱粉、緑豆澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、ワキシーコーン澱粉、タピオカ澱粉等の天然澱粉や、分岐デキストリン、限界デキストリン等の合成澱粉を挙げることができる。
澱粉部分分解物の分解の程度は、天然澱粉を含む非処理澱粉は、本呈色変化を示さないが、CGTaseやα−アミラーゼを澱粉に作用させたとき、その反応初期の反応物でも(例えば、アミロースであっても)本呈色変化を示すことから、極く僅かでも部分水解した部分があれば良いものと推測される。逆に、分解しすぎると、呈色変化が見られないため、ある程度の高分子であることが必要である。具体的には、部分水解物、高度分岐環状デキストリン(クラスターデキストリン)等の7糖類(G7)以上であれば、呈色変化が起こるが、グルコース,マルトース,トレハロース,パノース等6糖類(G6)以下であると、呈色変化が起こらないおそれがある。
尚、後述の実施例9に示すように、DE2〜40のデキストリンでも呈色変化が見られることから、高度に分解された澱粉部分分解物は、ある程度長鎖のデキストリンが僅かでも残っていれば、その存在により呈色変化するものと推測される。
このように、請求項1〜6に係る本発明の検出方法により、被検試料中のCDや澱粉部分分解物等の糖質を正確に検出することができる。
即ち、被検試料(例えば、100mg)中にCDや澱粉部分分解物が5%含まれている場合(例えば、5mg)であっても、呈色変化を検出することができるので、被検試料にpH緩衝液5mlおよびpH指示薬0.1%(w/v)を溶解したとすると、試料溶液全体に含まれるCDや澱粉部分分解物が僅か0.1%であっても検出が可能である。
また、請求項1〜6に係る本発明の検出方法を組み合わせることにより、被検試料中の各種CD(特に、α−CDおよびγ−CDの別)や澱粉部分分解物等の糖質を検出することができる。
ただし、β−CDについては、請求項1〜6に係る本発明の検出方法だけでは検出できないが、既に知られているフェノールフタレインの呈色変化を組み合わせて利用することにより、検出することができる。すなわち、被検試料にβ−CDが含まれていれば、アルカリ側で赤色が無色へと色調が変化し、このような呈色変化から検出が可能である。尚、α−CDおよびγ−CDにおけるフェノールフタレインの呈色変化については従来知られていなかったが、本発明者らの検討の結果、α−CDは呈色変化に影響せず、γ−CDはα−CDとβ−CDの中間の呈色変化を示すことが明らかとなった。
請求項1〜6に係る本発明の検出方法に、フェノールフタレインによる呈色変化を組み合わせる場合には、請求項1〜6に係る本発明の検出方法による検出を行った後に、緩衝好ましくはpH10〜11液に溶解した被検試料にフェノールフタレインをpH4〜11、の条件下で加えて、無色から赤色への呈色変化が観察されるか否かにより、被検試料中のβ−CDを検出することができる。
また、請求項1〜6に係る本発明の検出方法、好ましくは請求項1,2,4又は6に係る本発明の検出方法においては、pH4〜11、好ましくはpH10〜11の条件下で、それぞれのpH指示薬にフェノールフタレインを組み合わせて、呈色変化が観察されるか否かにより、被検試料中のβ−CDを検出することができる。特に、請求項2および5に係る本発明の検出方法において、それぞれメチルオレンジ+フェノールフタレイン、ブロモクレゾールグリーン+フェノールフタレインの組み合わせで作用させることにより、より鮮明な呈色変化を示すので、好ましい。
このように、請求項1〜6に係る本発明の検出方法により、被検試料中のCDや澱粉部分分解物等の糖質を正確に検出することができるが、各請求項に記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせを濾紙に含ませてなる試験紙を用いることにより、より簡便な操作で糖質を正確に検出することができる。このような試験紙を提供するのが請求項7に係る本発明である。
即ち、請求項7に係る本発明の試験紙は、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせを濾紙に含ませてなる、サイクロデキストリンおよび/または澱粉部分分解物の検出用試験紙である。
請求項7に係る本発明の試験紙は、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせを含むものである。
即ち、請求項1に係る本発明のpH領域4〜11の緩衝液およびメチルイエローの組み合わせ、請求項2に係る本発明のpH領域4〜11の緩衝液およびメチルオレンジの組み合わせ、請求項3に係る本発明のpH領域9〜11の緩衝液およびメタクレゾールパープルの組み合わせ、請求項4に係る本発明のpH領域4〜8の緩衝液およびメチルレッドの組み合わせ、請求項5に係る本発明のpH領域4〜11の緩衝液およびブロモクレゾールグリーンの組み合わせ、請求項6に係る本発明のpH領域4〜6の緩衝液およびコンゴーレッドの組み合わせ、pH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせである。
ここで、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、好ましくは請求項1,2,4または6に記載の組み合わせにおいては、pH4〜11、好ましくはpH10〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせを用いて、呈色変化が観察されるか否かにより、被検試料中のβ−CDを検出することができる。特に、請求項2および5に記載の組み合わせにおいて、pH4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせを用いることにより、より鮮明な呈色変化を示すので、好ましい。
請求項7に係る本発明の試験紙において、どの組み合わせを選択するかは、検出したいCDや澱粉部分分解物の種類により適宜決定することができる。
即ち、α−CDを検出したい場合は、請求項1または2に記載の緩衝液およびpH指示薬を選択することができ、β−CDを検出したい場合は、請求項2、3、5または6に記載の緩衝液およびpH指示薬を選択することができ、γ−CDを検出したい場合は、請求項2〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬を選択することができる。
このような緩衝液およびpH指示薬の組み合わせを含ませるための濾紙は、特に限定はなく通常用いるものであれば良い。紙の種類は特に問わず、例えば丸形濾紙、角形濾紙を使用できる。厚さについても特に限定はないが、やや厚めのものが好ましい。具体的には、やや厚めの東洋濾紙No.40が適当であり、厚めのNo.50を用いることもできる。濾紙のサイズに関しては、検出容易な大きさに適宜切り抜いて用いることができる。
緩衝液およびpH指示薬の組み合わせを濾紙へ含ませる方法は任意であり、例えば緩衝液にpH指示薬を溶解して得られる色素−緩衝液に、濾紙を含浸(浸漬)させる方法により行うことができる。また、濾紙に含浸させて湿めらせた状態のまま検出に用いることもできるし、操作性を向上するために風乾等の方法により乾燥させてから用いることもできる。さらには、pHが酸性やアルカリ性に偏らないように管理すれば、保存することも可能である。一般的な保存条件はpH4〜10で、室温で、1〜6ヶ月間である。
請求項7に係る本発明の試験紙の被検対象となる被検試料としては、請求項1〜6に係る本発明の検出方法における被検試料と同様に、CD、澱粉部分分解物等の糖質が含まれているかどうかを確認したい試料、或いは糖質が含まれることは分かっているが、その糖質がCD、澱粉部分分解物のいずれであるかを確認したい試料であれば、どのようなものであっても良い。例えば、天然澱粉、小麦、トウモロコシ、米、馬鈴薯、甘藷などの植物または植物由来成分、澱粉を部分的に加水分解した製品、澱粉を物理的加工した製品、分離生産した製品、CD製品、化学修飾された澱粉製品、その他の糖質製品を用いることができる。被検試料の形態としては、緩衝液に溶解可能であれば、液体、固体等のいずれであっても良い。
さらに、被検試料が培地であっても良い。例えば、CGTaseの基質である可溶性澱粉や澱粉部分分解酵素の基質である澱粉を含む培地とし、該培地中のCDや澱粉部分分解物を検出することにより、CGTaseや澱粉部分分解酵素、或いはそれら酵素の産生菌のスクリーニングも可能である。
呈色変化の観察は、特に呈色変化前後の色調が同系色の場合、試験区(被検試料)および対照試験区(被検試料に代えて呈色変化を示さないマルトースなどの糖質)をそれぞれ請求項7に係る本発明の試験紙につけて、比較目視観察で評価することにより、呈色変化を確実に観察できるので望ましい。
上述のように、被検試料を可溶性澱粉や澱粉を含む培地とし、CGTaseや澱粉部分分解酵素、或いはそれら酵素の産生菌をスクリーニングしたい場合、請求項7に係る本発明の試験紙を培地中のコロニーの上に静かに乗せてレプリカを取り、呈色変化をしたコロニーを探せばよい。
このように、請求項7に係る本発明の試験紙を用いることにより、より簡便な操作で各種糖質を正確に検出することができる。さらに、このような試験紙にCGTaseの基質である可溶性澱粉や澱粉部分分解酵素の基質である澱粉を含ませておくことにより、これらの酵素や酵素産生菌の簡便な検出も可能である。このような試験紙を提供するのが請求項8に係る本発明である。
即ち、請求項8に係る本発明の試験紙は、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせ、並びに可溶性澱粉または澱粉を濾紙に含ませてなるサイクロデキストリン合成酵素および/または澱粉部分分解酵素の検出用試験紙である。
請求項8に係る本発明の試験紙は、請求項7に係る本発明の試験紙において、さらに可溶性澱粉または澱粉を含ませてなるものである。
したがって、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせを含むこと、並びにpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインを組み合わせても良いことについては、請求項7に係る本発明の試験紙で説明したのと同様であるので、ここでは説明を省略する。
可溶性澱粉としては、市販の可溶性澱粉、メルク社製の高溶解性可溶性澱粉、通常可溶性澱粉等を挙げることができる。
澱粉としては、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、非糯米澱粉、糯米澱粉、緑豆澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、ワキシーコーン澱粉、タピオカ澱粉等の天然澱粉や、分岐デキストリン、限界デキストリン等の澱粉誘導体を挙げることができる。
可溶性澱粉および澱粉のいずれを含ませるかについては、CGTaseやその産生菌を検出したい場合は、該酵素の基質である可溶性澱粉を、澱粉部分分解酵素や該酵素の産生菌を検出したい場合は、該酵素の基質である澱粉を含ませることになる。
請求項8に係る本発明の試験紙の被検対象となる被検試料としては、特にCGTaseや澱粉部分分解酵素、或いはこれらを産生する微生物の有無を確認したい物質、好ましくは培地を挙げることができる。
呈色変化の観察は、試験紙を培地中のコロニーの上に静かに乗せてレプリカを取り、好ましくは一定温度(35〜45℃)で反応させて、検出を行っていない試験紙と比較目視観察して評価する方法は、呈色変化前後の色調が同系色の場合であっても、呈色変化を確実に観察できるので望ましい。
上述のように、被検試料を可溶性澱粉や澱粉を含む培地とし、CGTase産生菌や澱粉部分分解酵素産生菌をスクリーニングしたい場合は、請求項7に係る本発明の試験紙を培地中のコロニーの上に静かに乗せてレプリカを取り、呈色変化をしたコロニーを探せばよい。
また、請求項1〜6のいずれかに記載の方法で用いるpH指示薬のうち、請求項6に係るコンゴーレッドと共に澱粉を含ませてなる請求項8に係る本発明の試験紙に、被検試料(または被検試料を緩衝液に溶解させたもの)を接触させて、請求項6に記載のpH条件下、即ちpH4〜6の条件下で、かつ35〜50℃で反応させ、呈色変化をみれば、澱粉分解酵素または澱粉分解酵素産生菌を検出することができる。
請求項1〜6に係る本発明の検出方法により、被検試料中のCDや澱粉部分分解物等の糖質を正確に検出することができるが、各緩衝液およびpH指示薬を可溶性澱粉または澱粉と共に混合させた検出用培地を用いれば、各種のCDや澱粉部分分解物等の糖質の他、CGTaseや澱粉部分分解酵素、或いはそれらの産生菌を簡便に検出することができる。このような検出用培地を提供するのが請求項9に係る本発明である。
即ち、請求項9記載の本発明の検出用培地は、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせと、可溶性澱粉または澱粉と、サイクロデキストリン合成酵素または澱粉部分分解酵素産生能を有する微生物の培養用培地、並びに寒天またはジェランガムとを混合してなるサイクロデキストリン合成酵素および/または澱粉部分分解酵素、或いはサイクロデキストリンおよび/または澱粉部分分解物の検出用培地である。
請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせを含むこと、可溶性澱粉または澱粉を含むこと等については、請求項8に係る本発明の試験紙について説明したのと同様であるので、ここでは説明を省略する。
CGTaseまたは澱粉部分分解酵素産生能を有する微生物の培養用培地とは、該微生物の培養に通常用いられる各種培地を使用することができるが、特にCGTase産生菌や澱粉部分分解酵素産生菌が良好に生育できる培地、例えばポテトデキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製)であって、pH指示薬および緩衝液を加えて溶解したときに、鮮明な色調を保ち色素の呈色を妨害しないものであることが好ましい。
寒天やジェランガムとしては、培地用のゲル化剤として通常用いられるものを用いることができ、請求項1〜6に記載のpH領域の範囲でゲル化するものであれば良い。
配合割合は、寒天の場合は1.5〜3%、ジェランガムの場合は0.5〜1.0%
(目安を教えてください)であることが好ましい。
請求項9記載の検出用培地は、請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせ、可溶性澱粉または澱粉、上記微生物培養用培地、寒天またはジェランガムとを混合して作成することができる。例えば、これらの材料を溶解して、必要に応じてオートクレーブにより加熱殺菌した後、粗熱を取ってからデスポシャーレに入れて平板培地とすることができる。
培地の形態は、pH緩衝液の種類により適宜変更することが可能である。例えば、リン酸緩衝液は粉末化できるので粉末培地とすることが可能であるが、酢酸緩衝液、アルカリ緩衝液等の場合は、ゲル培地として利用することができる。
請求項9に係る本発明の培地の対象となる被検試料としては、特にCDや澱粉部分分解物の存在の有無を確認したい物質や、CGTaseや澱粉部分分解酵素、或いはこれらを産生する微生物の有無を確認したい物質、好ましくは培養液を挙げることができる。
請求項9記載の検出用培地による検出は、培地表面に被検試料を塗布または数箇所に滴下して、1〜2日一定温度(例えば、15〜45℃)で培養し、CDや澱粉部分分解物の場合は全体的な呈色変化が、またCGTase、澱粉部分分解酵素、並びにそれらの産生菌の場合はコロニーと思われる箇所の色調変化の有無を確認することにより、検出が可能である。
尚、乳酸菌、アミン生成菌などのコロニーが出現すると、培地が酸性またはアルカリ性となるので、培地のpHを常に確認する必要がある。
培地に緩衝液およびpH指示の組み合わせを含ませずに基質としての澱粉または可溶性澱粉平板培地を作成し、培養開始後コロニーの出現を待って、緩衝液およびpH指示薬の組み合わせを少量、例えば2ml程度流し込んで、呈色変化を観察することにより酵素の検出が可能である。
尚、請求項1〜6に係る本発明の検出方法は、pH指示薬以外の多種類の色素、例えば食用化学合成色素、化学合成色素などの中で、糖質に対し呈色変化を示すものも応用可能である。一般に水溶性の色素、例えばアントシアン系色素などでは、糖質の種類による呈色変化を示さない。しかし、脂溶性色素では呈色変化をする色素もあり、例えばラック色素は水解程度が進んだ澱粉系水解物(高溶解性デキストリンなど)では、ブランクでの褐色が、糖質の存在で暗褐色に呈色変化する。
以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(pH5.0における呈色変化)
pH指示薬の呈色変化により各種試料中のCDまたは澱粉部分分解物の検出を試みた。
被検試料として、小麦澱粉(wheat starch)、トウモロコシ澱粉(corn starch)、非糯米澱粉(nonglutinus rice starch)、糯米澱粉(Glutinous rice starch)、緑豆澱粉(green bean starch)、馬鈴薯澱粉(potato starch)、甘藷澱粉(sweet potato starch)、トウモロコシ澱粉酵素分解物DE30(corn starch enzyme degraded DE30)、トウモロコシ澱粉酵素分解物DE22(corn starch enzyme degraded DE22)、トウモロコシ澱粉酸分解物DE22(corn starch acid degraded DE22)ワキシーコーン澱粉酵素分解物DE5(waxy corn starch degraded enzyme DE5)、タピオカ澱粉酵素分解DE14(tapioca starch enzyme degraded DE14)、CCD(クラスターデキストリン;高度分岐環状デキストリン)、分岐デキストリンDE8(branching dextrin DE8)、トウモロコシ澱粉α−限界デキストリン(corn starch α-limit dextrin)、難消化性澱粉(商品名:NISYOKU ROAD STAR、日本食品化工株式会社製)、アミロース(Amylose)、α−CD、β−CDおよびγ−CDの各純品製品(株式会社横浜国際バイオ研究所製)、CD混合物(α−CD60%、β−CD30%、その他のCD10%、商品名:K−100、株式会社横浜国際バイオ研究所製)、CD50%含有品(商品名:K−50、株式会社横浜国際バイオ研究所製)、分岐CD(商品名:G2−α−CD、G2−β−CD、株式会社横浜国際バイオ研究所製)、カルボキシメチル澱粉(carboxymethyl starch)、リン酸澱粉(phosphoric acid starch)、スルホン酸澱粉(sulfonic acid starch)、酢酸澱粉(acetic acid starch)、澱粉以外の多糖製品(商品名:GXG−TG、大日本製薬株式会社製)、(商品名:KELZAN、大日本製薬株式会社製)および(商品名:TARAGUM、大日本製薬株式会社製)を用いた。
pH指示薬としては、メチルオレンジ(MO)、メチルイエロー(MY)、コンゴーレッド(CR)、メチルレッド(MR)、ブロモクレゾールグリーン(BG)、メタクレゾールパープル(MP)およびフェノールフタレイン(PP)を用いた。このうち、メチルイエロー、メチルレッドおよびフェノールフタレインについてはエタノール原液(試薬特級、和光純薬工業(株))を、他のpH指示薬は25%(v/v)エタノール水溶液を、用いて0.1%(w/v)に調整し、pH指示薬溶液とした。
試験管にpH緩衝液として0.2M CHCOOHと0.2M CHCOONaを混合してpH5.0に調整した酢酸/酢酸Na緩衝液5mLと上記各試料100mgを入れ、沸騰水浴中で溶解し、室温まで放冷した。この試料溶液に、0.1%(w/v)に調整したpH指示薬溶液を250μL加え、ミキサーを用いて撹拌した後、目視観察した。試料溶液のpHは、pHメータ(KS723,親電元工業(株))で測定した。さらに、試料溶液をデジタルカメラ(CAMEDIA,C-730 Ultra Zoom,オリンパス光学工業(株))で撮影し、色調・呈色の変化を判定し、各試料間で比較した。
色調・呈色変化の判定は、撮影された写真とpH指示薬の元の色調(Original color)と比較して、−(変化を認めず)、●(僅かな変化を認める)および◎(顕著な変化を認める)の3段階に分類するとともに、◎の場合はどのような色に変化したかを具体的に提示して行った。
表1〜4に、各種試料における各種pH指示薬の色調・呈色変化をまとめた。
Figure 2005127759
Figure 2005127759
Figure 2005127759
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表1〜4中、Orは橙色、Yeは黄色、WYeは白みがかった黄色、LYeは鮮明な黄色、SYeは薄い黄色、DBrはくすんだ褐色、BBrは鮮明な褐色、TReは混濁した赤色、W´Reはワイン赤色、GBlは緑がかった青、Blは青、CLは無色、RYeは赤みがかった黄色、LPBlは僅かにくすんで白みがかった青、Puは紫色、P´Blは紫がかった青色、RPuは赤みがかった紫色、PRPuはくすんで赤みがかった紫色を示す。尚、これらの色調に関する略記は、後述する表5〜12でも同様である。
表1〜4から、以下のことが分かる。
メチルイエロー(MY)は、α−CDについて白みがかった黄色(WYe)から鮮明な黄色(LYe)への顕著な色調変化が認められたことから、pH5.0におけるα−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
メチルオレンジ(MO)は、全てのCDについて橙色(Or)から黄色(Ye)への顕著な色調変化が認められたことから、pH5.0におけるα−CD,β−CDおよびγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
メチルレッド(MR)は、γ−CDについて混濁した赤色(TRe)からワイン赤色(W´Re)への顕著な色調変化が認められたことから、pH5.0におけるγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
ブロモクレゾールグリーン(BG)は、γ−CDについて緑がかった青(GBl)から青(Bl)への顕著な色調変化が認められたことから、pH5.0におけるγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
コンゴーレッド(CR)は、β−CD、γ−CDおよび各種澱粉部分分解物について暗褐色(くすんだ褐色:DBr)から褐橙色(鮮明な褐色:BBr)への顕著な色調変化が認められたことから、pH5.0におけるγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
一方、メタクレゾールパープル(MP)やフェノールフタレイン(PP)の場合は、数種の天然澱粉や澱粉部分分解物で僅かな色調変化が見られたに過ぎず、CDについては色調変化が見られなかったことから、pH5.0では検出が困難であることが明らかとなった。
実施例2(pH7.0における呈色変化)
pH緩衝液として0.2M NaHPOと0.2M NaHPOを混合してpH7.0に調整したリン酸緩衝液を用いた他は、実施例1と同様にしてpH指示薬の呈色変化により各種試料中のCDまたは澱粉部分分解物の検出を試みた。
表5〜8に、各種試料における各種pH指示薬の色調・呈色変化をまとめた。
Figure 2005127759
Figure 2005127759
Figure 2005127759
Figure 2005127759
表5〜8から、以下のことが分かる。
メチルイエロー(MY)は、α−CDについて白みがかった黄色(WYe)から鮮明な黄色(LYe)への顕著な色調変化が認められたことから、pH8.0におけるα−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
メチルオレンジ(MO)は、全てのCDについて橙色(Or)から黄色(Ye)への顕著な色調変化が認められたことから、pH8.0におけるα−CD,β−CDおよびγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
メチルレッド(MR)は、γ−CDについて黄色(Ye)から赤みがかった黄色(RYe)への顕著な色調変化が認められたことから、pH8.0におけるγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
ブロモクレゾールグリーン(BG)は、γ−CDについて青(Bl)から僅かにくすんで緑がかった青(LPBl)への顕著な色調変化が認められたことから、pH8.0におけるγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
一方、コンゴーレッド(CR)やメタクレゾールパープル(MP)やフェノールフタレイン(PP)の場合は、数種の天然澱粉や澱粉部分分解物で僅かな色調変化が見られたに過ぎず、CDについては色調変化が見られなかったことから、pH8.0では検出が困難であることが明らかとなった。
実施例3(pH10.0における呈色変化)
pH緩衝液としてNaHCOと0.1M NaOHを混合してpH10.0に調整したNaHCO/NaOH緩衝液を用いた他は、実施例1と同様にしてpH指示薬の呈色変化により各種試料中のCDまたは澱粉部分分解物の検出を試みた。
表9〜12に、各種試料における各種pH指示薬の色調・呈色変化をまとめた。
Figure 2005127759
Figure 2005127759
Figure 2005127759
Figure 2005127759
表9〜12から、以下のことが分かる。
メチルイエロー(MY)は、α−CDについて白みがかった黄色(WYe)から鮮明な黄色(LYe)への顕著な色調変化が認められたことから、pH10.0におけるα−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
メチルオレンジ(MO)は、全てのCDについて橙色(Or)から黄色(Ye)への顕著な色調変化が認められたことから、pH10.0におけるα−CD,β−CDおよびγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
ブロモクレゾールグリーン(BG)は、γ−CDについて青(Bl)から僅かにくすんで白みがかった青(LPBl)への顕著な色調変化が認められたことから、pH10.0におけるγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
メタクレゾールパープル(MP)は、β−CDについて紫色(Pu)から紫がかった青色(P´Bl)への顕著な色調変化が認められ、γ−CDについて紫色(Pu)から青色(Bl)への顕著な色調変化が認められたことから、pH10.0におけるγ−CDの検出が可能であることが明らかとなった。
フェノールフタレイン(PP)は、β−CDについて青みがかった赤色(RPu)から無色(Cl)への顕著な色調変化が認められ、γ−CDは青みがかった赤色(RPu)からくすんで赤みがかった紫色(PRPu)への顕著な色調変化が認められた。α−CDについて色調変化は認められなかった。
これらのことから、フェノールフタレインは従来報告されているようにβ−CDの検出に用いることができることが改めて示されると共に、α−CDは呈色へ何関与しないことおよびγ−CDはα−CDとβ−CDの中間の呈色変化を示すことが明らかとなった。
一方、メチルレッド(MR)やコンゴーレッド(CR)の場合は、数種の天然澱粉や澱粉部分分解物で僅かな色調変化が見られたに過ぎず、CDについては色調変化が見られなかったことから、pH8.0では検出が困難であることが明らかとなった。
実施例4(メチルイエローの呈色変化)
メチルイエローをエタノール原液に0.1%(w/v)濃度に溶解し、その500μLを、0.2M CHCOOHと0.2M CHCOONaを混合して各pH4.0、4.5、5.0、5.5に調整した0.2M 酢酸/酢酸Na緩衝液、0.2M NaHPOと0.2M NaHPOを混合して各pH6.0、6.5、7.0、7.5、8.0に調整した0.2M リン酸緩衝液、0.05M NaHCOと0.1M NaOHを混合して各pH9.5、10.0、10.5、11.0に調整したNaHCO/NaOH緩衝液5mlに加え、被検試料としてα−、β−、γ−CDの各純品製品(株式会社横浜国際バイオ研究所製)1%水溶液5mLを加えて、その呈色変化を目視で観察した。
その結果、α−CD1%水溶液のみで白みがかった黄色(WYe)から鮮明な黄色(LYe)に色調が変化した。このような呈色変化から、被検試料中のα−CDを明確に検出することができることが明らかとなった。
実施例5(メチルオレンジの呈色変化)
メチルオレンジを25%(v/v)エタノール水溶液に0.1%(w/v)濃度に溶解し、その500μLを、0.2M NaHPOと0.2M NaHPOを混合して各pH6.0、6.5、7.0、7.5、8.0に調整した0.2M リン酸緩衝液、0.05M NaHCOと0.1M NaOHを混合して各pH9.5、10.0、10.5、11.0に調整したNaHCO/NaOH緩衝液5mlに加え、被検試料液としてα−、β−、γ−CDの各糖質1%水溶液5mLを加えて、その呈色変化を目視で観察した。
その結果、α−、β−、γ−CD溶液で橙色(Or)から黄色(Ye)に色調が変化した。このような呈色変化から、被検試料中のα−、β−、γ−CDを明確に検出することができることが明らかとなった。
実施例6(メタクレゾールパープルの呈色変化)
メタクレゾールパープルを実施例5と同様にして溶解し、その500μLを、0.05M NaHCOと0.1M NaOHを混合して各pH9.5、10.0、10.5、11.0に調整したNaHCO/NaOH緩衝液5mLに加え、被検試料液としてα−、β−、γ−CDの各純品製品(株式会社横浜国際バイオ研究所製)1%水溶液5mlを加えて、その呈色変化を目視で観察した。
その結果、β−CD溶液で紫色(Pu)から紫がかった青色(P´Bl)に、γ−CD溶液で紫色(Pu)から青色(Bl)に色調が変化した。このような呈色変化から、被検試料中のβ−、γ−CDを明確に検出することができることが明らかとなった。
なお、pH9.0のNaHCO/NaOH緩衝液で同様の実験を行ったところ、同様な結果であった。
実施例7(メチルレッドの呈色変化)
メチルレッドを実施例4と同様にして溶解し、その500μLを、0.2M CHCOOHと0.2M CHCOONaを混合して各pH4.0、4.5、5.0、5.5に調整した0.2M 酢酸/酢酸Na緩衝液5mLに加えた。また、被検試料液としてα−、β−、γ−CDの各糖質(株式会社横浜国際バイオ研究所製)1%水溶液5mLを加えて、その呈色変化を目視で観察した。
その結果、γ−CD溶液でpHが低い領域(例えば、pH4〜5.5)では混濁した赤色(TRe)からワイン赤色(W´Re)へ色調が変化し、pHが高い領域(例えば、pH5.5〜8)では黄色(Ye)から赤みがかった黄色(RYe)へ色調が変化した。このような呈色変化から、被検試料中のγ−CDを明確に検出することができることが明らかとなった。
実施例8(ブロモクレゾールグリーンの呈色変化)
ブロモクレゾールグリーンを実施例5と同様にして溶解し、その500μLを、0.2M CHCOOHと0.2M CHCOONaを混合して各pH4.0、4.5、5.0、5.5に調整した0.2M 酢酸/酢酸Na緩衝液、0.2M NaHPOと0.2M NaHPOを混合して各pH6.0、6.5、7.0、7.5、8.0に調整した0.2M リン酸緩衝液、0.05M NaHCOと0.1M NaOHを混合して各pH9.5、10.0、10.5、11.0に調整したNaHCO/NaOH緩衝液5mLに加え、さらに被検試料液としてα−、β−、γ−CDの各糖質(株式会社横浜国際バイオ研究所製)1%水溶液5mLを加えて、その呈色変化を目視で観察した。
その結果、γ−CD溶液で、pH4.0〜6.0で緑がかった青(GBl)から青(Bl)に、pH6.0〜11.0で青(Bl)から僅かにくすんで白みがかった青(LPBl)へ色調が変化した。このような呈色変化から、被検試料中のγ−CDを明確に検出することができることが明らかとなった。
実施例9(コンゴーレッドの呈色変化)
コンゴーレッドを実施例5と同様にして溶解し、その500μLを、0.2M CHCOOHと0.2M CHCOONaを混合して各pH4.0、4.5、5.0、5.5、6.0に調整した0.2M 酢酸/酢酸Na緩衝液5mLに加え、被検試料液としてα−、β−、γ−CDの各糖質(株式会社横浜国際バイオ研究所製)の他、CGTaseおよびα−アミラーゼを澱粉に反応させて得られた澱粉部分分解物、澱粉水解物由来の成分であるグルコース,マルトース,トレハロース,パノース,マルトヘキサオース(G6)、DE2〜40のデキストリンの各糖質1%水溶液5mLを加えて、その呈色変化を目視で観察した。
澱粉部分分解物及び各糖質については、以下の方法により得た。即ち、市販酵素CGTase(商品名:コンチザイム、天野エンザイム株式会社製、液状600THU/ml)を酢酸緩衝液(pH6.0)で100倍希釈した酵素溶液、および市販酵素アミラーゼ(商品名:アミラーゼAD[アマノ]1、天野エンザイム株式会社製、10,000U/g粉末 糊精化力測定天野法)の0.1mg/10mL 酢酸緩衝液(pH6.0)の酵素溶液各50μLを馬鈴薯澱粉150mg/5mL同緩衝液に添加した酵素溶液を、それぞれ45℃で、1、6または12時間作用させて、澱粉部分分解物および各糖質を得た。
その結果、β−、γ−CD溶液で暗褐色(くすんだ褐色:DBr)から褐橙色(鮮明な褐色:BBr)になり明確に判別することができた。
しかし、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉他、非処理または天然澱粉は本呈色変化を示さなかった。また、澱粉水解物由来の成分であるグルコース,マルトース,トレハロース,パノース,マルトヘキサオース(G6)などは呈色変化を示さなかった。
澱粉部分分解物は、酵素反応初期の反応物でも本呈色変化を示し、またDE2〜40までのデキストリンでも本呈色変化を示すことから、極く僅かに部分水解した澱粉分解物でもβ−、γ−CDと同様に呈色変化する一方、高度に加水分解したデキストリンでも、その中にある程度長鎖のデキストリンの存在により呈色変化するものと推測される。
以上の実施例の結果から明らかなように、各種のpH指示薬を特定のpH条件下で被検試料に加えることにより、呈色変化を示すことが明らかとなり、各種糖質製品に含まれるCDや澱粉部分分解物等の糖質を検出することができた。
実施例10(試験紙)
東洋濾紙No.40を2×5cmの大きさに切り、実施例6のメタクレゾールパープル−リン酸緩衝液を漬け、風乾して試験紙を作製した。
この試験紙にCDを含む溶液と、対照試験としてマルトース溶液を滴下して呈色変化を比較したところ、対照試験区は紫色(Pu)から青色(Bl)へ色調が変化した。このような呈色変化から、被検試料中のβ、γ−CDの検出ができることが明らかとなった。
本実施例の結果と実施例4〜9の結果を勘案すると、他のpH指示薬および緩衝液の組み合わせにおいても同様に、各種CD、澱粉分解物等の糖質を検出できることが明らかとなった。
実施例11(CD検出用培地)
ポテトデキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製)3.9gと、0.2M NaHPOと0.2M NaHPOを混合してpH6.5に調整した90mlの0.2M リン酸緩衝液、各5mLの0.1% メチルオレンジ溶液とフェノールフタレイン溶液を混合して、加温溶解して作成したメチルオレンジ+フェノールフタレイン緩衝液(pH6.5)のシャーレ平板上に、CD製品(商品名:K−100、株式会社横浜国際バイオ研究所製)の1%溶液を50μLずつ4カ所に滴下し、室温で一夜放置した後の呈色変化を観察した。
その結果、橙色の背景に、黄色のハローが現れた。さらに、この呈色平板に1N NaOHを2mlずつ均等に行き渡るように流し込んだ場合、背景は橙赤色でハローは黄色で、呈色変化は鮮明となった。一方、対照として、CDの代わりに、1%マルトース溶液を50μl滴下した場合は、呈色変化を示さなかった。
実施例12(CGTase検出用培地)
ポテトデキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製)3.9gと、0.2M NaHPOと0.2M NaHPOを混合してpH6.5に調整した92.5mlの0.2M リン酸緩衝液、7.5mLの0.1% メチルオレンジ溶液を混合して加温溶解し、シャーレ中に注いで橙色の平板を作成した。この平板上にCGTase(アマノエンザイム(株)製、Bacillus macerans由来の液体コンチザイム)0.05%(w/v)溶液1滴を滴下し、室温で一夜放置後、肉眼観察したところ、滴下箇所が黄色に変化した。
実施例13(検出用培地に後からpH指示薬および緩衝液を流し込んだ場合)
実施例11と同様に作成した平板を用い、これにCGTase産生菌を含む希薄な懸濁液を塗布し、2日間、40℃で放置したところ、橙色の背景に黄色の細かいハローが現れた。この平板にさらに、0.1% フェノールフタレイン溶液500μLと1.0M NaOH溶液1.5mLの混合液を、平板全体に流し込んだところ、コロニーは黄色のままで、背景は赤橙色になり呈色変化が明確になった。
実施例14(澱粉部分分解酵素検出用培地)
ポテトデキストロース寒天培地(栄研化学株式会社製)3.9gと0.2M CHCOOHと0.2M CHCOONaを混合してpH5.0に調整した92.5mlの酢酸/酢酸Na緩衝液、7.5mlの0.1%コンゴーレッド溶液を混合して加温溶解し、シャーレ中に注いで暗褐色の平板を作成した。この平板上に0.05%(w/v)α−アミラーゼ(生化学工業(株))水溶液1滴を滴下し、室温で一夜放置後、肉眼観察したところ、滴下箇所が褐橙色に変化した。
実施例15(ジェランガムを溶解した検出用培地)
馬鈴薯200gを細かく砕いて、固形分を取り除き、そのエキス分と馬鈴薯澱粉100g、ショ糖20g、ジェランガム5gを溶解して作成した平板に、CGTase産生菌を含む希薄な懸濁液を塗布し、2日間、40℃で放置したところ、コロニーが現れた。この平板に、0.1%フェノールフタレイン溶液500μLと1.0M NaOH溶液1.5mlの混合液を平板全体に流し込んだところ、コロニーは無色で、背景は赤紫色になった。
実施例16(寒天を溶解した検出用培地)
寒天(伊那寒天株式会社製)2gと0.05M NaHCOと0.1M NaOHを混合してpH19に調整した90mLのNaHCO/NaOH緩衝液、10mlの0.1% フェノールフタレイン溶液と可溶性澱粉1gを混合してオートクレーブで加熱溶解し、粗熱をとった後、シャーレ中に注いで赤紫色の平板を作成した。この平板上にCD製品(商品名:K−100)の1%溶液50μLを4カ所に滴下し、室温で一夜放置すると、滴下箇所は無色に呈色変化した(図1)。一方、同平板に対照として1%マルトース溶液50μLを4カ所に滴下し、同様に室温で一夜放置すると、滴下箇所は呈色変化しなかった(図2)。
更に、同様にしてCGTase(アマノエンザイム(株)製、Bacillus macerans由来の液体コンチザイム)0.05%(w/v)溶液50μlを滴下し、室温で一夜放置すると、滴下箇所が無色に変化した(図3)。一方、同平板に対照として失活処理したCGTase0.05%(w/v)溶液50μLを4カ所に滴下し、同様に室温で一夜放置すると、滴下箇所は呈色変化しなかった(図4)。
本発明の検出方法によれば、特定のpH指示薬およびpH緩衝液の組み合わせにより、α−CD、β−CD、γ−CD等のCDの他、澱粉部分分解物を極めて簡便に検出できるので、CD関連研究に幅広く利用できる。
また、本発明の試験紙は、CDや澱粉部分分解物を極めて簡便に検出できる上に、その保存、取り扱い等の煩雑さも解消され、糖質の予備的な一般分析用として利用できる。
さらに、本発明の検出用培地は、CDや澱粉部分分解物を極めて簡便に検出できるので、培地と培養条件を適切に選択すれば、CGTaseや澱粉部分分解酵素、およびこれらの酵素産生菌の一次スクリーニングに用いることができる。特に、本発明の検出用培地により食品として望ましい安全な微生物がスクリーニングされれば、これを食品として利用する可能性を拓くことができるので、食品産業において極めて有用である。
フェノールフタレインを添加した検出用培地上にCD製品を添加した場合の呈色変化を示す図である。 フェノールフタレインを添加した検出用培地上に1%マルトース溶液を添加した場合の呈色変化を示す図である。 フェノールフタレインを添加した検出用培地上にCGTase溶液を添加した場合の呈色変化を示す図である。 フェノールフタレインを添加した検出用培地上に失活処理したCGTase溶液を添加した場合の呈色変化を示す図である。

Claims (9)

  1. pH領域4〜11の緩衝液およびメチルイエローを被検試料に加え、その呈色変化から、被検試料中のα−サイクロデキストリンを検出する方法。
  2. pH領域4〜11の緩衝液およびメチルオレンジを被検試料に加え、その呈色変化から、被検試料中のα−サイクロデキストリン、β−サイクロデキストリン、並びにγ−サイクロデキストリンを検出する方法。
  3. pH領域9〜11の緩衝液およびメタクレゾールパープルを被検試料に加え、その呈色変化から、被検試料中のβ−サイクロデキストリンおよびγ−サイクロデキストリンを検出する方法。
  4. pH領域4〜8の緩衝液およびメチルレッドを被検試料に加え、その呈色変化から被検試料中のγ−サイクロデキストリンを検出する方法。
  5. pH領域4〜11の緩衝液およびブロモクレゾールグリーンを被検試料に加え、その呈色変化から被検試料中のγ−サイクロデキストリンを検出する方法。
  6. pH領域4〜6の緩衝液およびコンゴーレッドを被検試料に加え、その呈色変化から被検試料中のβ−サイクロデキストリン、γ−サイクロデキストリンまたは澱粉部分分解物を検出する方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせを濾紙に含ませてなる、サイクロデキストリンおよび/または澱粉部分分解物の検出用試験紙。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせ、並びに可溶性澱粉または澱粉を濾紙に含ませてなるサイクロデキストリン合成酵素および/または澱粉部分分解酵素の検出用試験紙。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の緩衝液およびpH指示薬の組み合わせ、および/またはpH領域4〜11の緩衝液およびフェノールフタレインの組み合わせと、可溶性澱粉または澱粉と、サイクロデキストリン合成酵素または澱粉部分分解酵素産生能を有する微生物の培養用培地、並びに寒天またはジェランガムとを混合してなるサイクロデキストリン合成酵素および/または澱粉部分分解酵素、或いはサイクロデキストリンおよび/または澱粉部分分解物の検出用培地。
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