JP2005124609A - 電子枕 - Google Patents
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Abstract
【課題】取り扱いが容易であり、騒音を伴わず、温度調節可能な電子枕の提供。
【解決手段】本発明に係る電子枕1は、本発明に係る電子枕は、ペルチェ効果を有する熱電半導体素子とを備えている。また、上記熱電半導体素子がペルチェ効果を発現する一方の面に連なる頭部用袋体と、その他方の面に連なる肩部用袋体とを備えており、上記頭部袋体と上記肩用袋体には、それぞれゲル状物質が内包されている。上記ゲル状物質13がヒドロゲル又はリポゲルであることがより好ましい。また、電子枕1は温度制御部を備え通電により少なくとも、上記頭部用袋体7の表面温度が5℃以上30℃以下の範囲で、上記肩部用袋体9の表面温度よりも低くなるように制御されることがより好ましい。さらに上記肩部用袋体9の表面温度が25℃以上45℃以下の範囲で、上記頭部用袋体7の表面温度よりも低くなるよう制御されることがさらに好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る電子枕1は、本発明に係る電子枕は、ペルチェ効果を有する熱電半導体素子とを備えている。また、上記熱電半導体素子がペルチェ効果を発現する一方の面に連なる頭部用袋体と、その他方の面に連なる肩部用袋体とを備えており、上記頭部袋体と上記肩用袋体には、それぞれゲル状物質が内包されている。上記ゲル状物質13がヒドロゲル又はリポゲルであることがより好ましい。また、電子枕1は温度制御部を備え通電により少なくとも、上記頭部用袋体7の表面温度が5℃以上30℃以下の範囲で、上記肩部用袋体9の表面温度よりも低くなるように制御されることがより好ましい。さらに上記肩部用袋体9の表面温度が25℃以上45℃以下の範囲で、上記頭部用袋体7の表面温度よりも低くなるよう制御されることがさらに好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、吸熱及び放熱の機能を備えた電子枕に関する。
従来、安眠、病気治療等のために頭部を冷却するのに水枕が用いられた。水枕には冷水に氷が入れられる。この水の温度は時間の経過とともに上昇する。水や氷を枕に注入し又は入れ替えることは面倒である。この問題の解決のためにペルチェ効果を有する熱電半導体素子(ペルチェ素子とも呼ばれる)が利用された枕が提案されている。特開平1−46454号公報には、ペルチェ素子の吸熱部に直接又は布等を介して間接に頭部を当てて冷却する枕が記載されている。冷却部の反対側の放熱部は、凹凸が設けられ放熱面積を広くして放熱させている。このペルチェ素子は、硬いため枕内でごつごつした感じを生じ、安眠の妨げとなる。
ペルチェ素子の冷却効率を向上させるため、放熱補助部品としてヒートシンクや、ヒートパイプを用いた枕も知られている。例えば、特開平9−84677号公報に記載の電子枕では、ペルチェ素子により冷却され、温度制御された流体が断熱チューブを介して枕に循環されている。ペルチェ素子の冷却面と反対の放熱面の放熱のためにファンが使用される。この発明では、ファンの騒音が発生することに対する音源を枕から遠ざけることが意図されている。しかし、この枕では、騒音源が遠ざけられるとはいえ一般家庭の室内ではせいぜい数メートルの範囲のことである。遠ざけられた騒音の音圧レベルが少し低下する程度にとどまり、睡眠を阻害しないとはいえない。また、このような構成では、冷却のための装置が大がかりで取り扱いに不便である。また、コストが高く実用的とはいえない。
特開平1−46454号公報
特開平9−84677号公報
上記のように、ペルチェ素子を用いることによって、枕の温度が制御されることは公知である。しかし、硬いペルチェ素子が組み込まれながら使用感のよい枕とすることは容易ではない。ペルチェ素子が枕の外に置かれる場合には、冷媒の冷却用装置が大がかりであり、その騒音は抑えにくい。本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、取り扱いが容易であり、騒音を伴わず、温度制御可能な電子枕を提供することを目的としている。
本発明に係る電子枕は、ペルチェ効果を有する熱電半導体素子とを備えている。また、上記熱電半導体素子がペルチェ効果を発現する一方の面に連なる頭部用袋体と、その他方の面に連なる肩部用袋体とを備えており、上記頭部袋体と上記肩用袋体には、それぞれゲル状物質が内包されている。
この電子枕は上記ゲル状物質がヒドロゲル又はリポゲルであることがより好ましい。
またこの電子枕は、電流制御部を備え、通電により、上記頭部用袋体の表面温度が5℃以上30℃以下の範囲で、上記肩部用袋体の表面温度よりも低くなるように制御されることが好ましい。
さらに、この電子枕は、電流制御部を備え、通電により、上記肩部用袋体の表面温度が25℃以上45℃以下の範囲で、上記頭部用袋体の表面温度よりも高くなるように制御されることが好ましい。
この電子枕では、頭部が冷却されるとともに、肩が温められる。放熱のためのファンや流体循環のポンプ等が不要であり、騒音がない。これにより心地よい眠りにつくことができ、快眠できる。この電子枕には、大がかりな装置が不要であり取り扱いに便利である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1から図4に、本発明の一実施形態に係る電子枕1が示されている。図1は、電子枕1が示された斜視図である。図2(a)は、平面模式的に示された図1の一部切り欠き断面図である。図2(b)は、図2(a)のB−B線に沿った断面図である。図3は、電子枕1の温度制御系統が模式的に示された平面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿った部分拡大断面図である。電子枕1は、枕本体3の中に、ペルチェ効果を有する熱電半導体素子5(以下「ペルチェ素子」という)と、上記ペルチェ素子5がペルチェ効果を発現する一方の面に連なる頭部用袋体7と、その他方の面に連なる肩部用袋体9とを備えている。また、電子枕1は、本体3の近くにペルチェ素子5に接続されている電源S及び電流制御部Cを備えている。
図1及び図2では、電子枕1の中央部に頭部用袋体7が配置されている。この頭部用袋体7に対してペルチェ素子5の2個が対称的に配置されている。この一対のペルチェ素子5の間には、熱伝導の干渉を防止するための断熱材10が配置されている。この各々のペルチェ素子5に対して、熱伝導体11がそれぞれ連なり一対の肩用袋体9が対称的に配置されている。本体3は、頭部の安定がよいように頭部に沿う凹形状になっている。本体3の大きさに制限はないが、用いる人の体型合わせて使い心地がよいように形成される。電子枕1の大きさは通常、横幅Lが400mm以上1000mm以下、奥行きWが300mm以上500mm以下及び高さHが10mm以上190mm以下程度である。
上記ペルチェ素子の機能等詳細は後述されるが、ペルチェ素子の吸熱面側に頭部用袋体7が配置される。この反対側の放熱面には熱伝導体11により肩部用袋体が連結される。このように配置されたペルチェ素子に通電されるとペルチェ素子の上面では冷却され、ペルチェ素子の下面では暖められる。すなわち、電子枕の頭部が冷却され、肩部が暖められる。上記ペルチェ素子、頭部用袋体、熱伝導体等の形状、数、配置等は、頭部が冷却され、肩部が暖められるように構成される限り、特に制限はない。
本体3は、人の頭を支持できる硬さ、可撓性及び復元性を備えておれば材質に特に制限はない。本体3には、通常の枕に使用される材質が使用できる。中でも、ゴム又は合成樹脂材料が用いられることが好ましい。ゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム等が用いられる。合成樹脂材料としては、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリブタジエン等の熱可塑性エラストマーの単独又は複数種類の組み合わせが用いられる。可撓性及び種々の硬さに調節できるという面から、ポリウレタンの発泡体がより好ましい。中でも低反発性のポリウレタン発泡体がさらに好ましい。本体3は、内部に配置される上記の各部材を埋めて安定させる。
頭部用袋体7は、ペルチェ素子5の上面に直接接して配置されている。ペルチェ素子5と頭部用袋体7の間に熱伝導体が配置されてもよい。この場合の熱伝導体は、通常、頭部用袋体に合わせて適当な形状に形成される。頭部用袋体7は、電子枕1の上部表面に近く配置される。冷却効率の観点から頭部用袋体7の表面が本体3から露出されるように構成してもよい。ペルチェ素子5の下面には、熱伝導体11が接続される。この熱伝導体11は、電子枕1が用いられて人の肩が接する本体3の端近くまで延在される。肩部用袋体9は、この熱伝導体11の下面に接して配置される。すなわち、肩部用袋体9も熱伝導体11を介して後述される温度制御系統に連なっている。
この熱伝導体11には、熱伝導率の高い材料が用いられる。この材料としては、銅等の金属体、グラファイト等の炭素成形体、シリコーン等の樹脂成形体が例示される。中でも、銅板が多く用いられる。熱伝導体11として、上記の高熱伝導率物質の他に、ゲル状体を含む半固体、その他の固体又はこれらの組み合わせ体が用いられてもよい。この熱伝導体11により、ペルチェ素子5の放熱部の熱が移動される。そのため、放熱用のファンやヒートパイプ及びこれらの駆動装置が不要である。
上記頭部用袋体7及び肩用袋体9の大きさ、形状等には特に限定はない。電子枕1を用いる人の体型に適合した形状等に形成されることが好ましい。上記頭部用袋体7及び肩用袋体9ともにゲル状物質13が内包されている。ゲル状物質13としては、高い断熱性を有するものでない限りは、特に限定されない。ゲル状物質13には、水を溶媒とするヒドロゲル及びオイルを溶媒とするリポゲルがある。ヒドロゲルとしては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース及びメチルセルロースが例示される。例えば、ポリアクリル酸の重量平均分子量としては100万から500万程度のものが好適に用いられる。
リポゲルとしては、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、シリコーン、ポリエチレン、ポリエステル、酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ネオプレン、ポリブタジエンゴムからなるゲルが例示される。これらの単独、又は複数のゲルが組み合わされて用いられる。低温でも粘性を有する面からリポゲルがより好適に用いられる。また、リポゲルは、ポリマーの性状に応じて軟化剤、可塑剤、充填剤等が加えられて弾性等が調節される。これらのポリマーがオイルとともに架橋されてリポゲルが作られる。
中でも、圧力分散性、加工性、価格等のバランスがよいという面からポリウレタンゲルが好ましい。さらに、ゲル状物質13は、もし外装のフィルムが破れてもゲル状物質13が電子枕の外に流出しないようにゲル状の固体であることがより好ましい。このようなゲル状物質13として、例えば、熱硬化性ポリウレタンのゲルがある。この熱硬化性ポリウレタンのゲルは、ポリオールとイソシアネートとの混合物が加熱硬化されて得られる。ポリオールとしては、ポリエーテル系のポリオールが柔軟性及び復元性の面から好ましく用いられる。これらのゲル成形体は、例えば封入用フィルム15からなる所定の形状の袋に充填し加熱、架橋させて得られる。ゲル成形体は、また金属の型に流し込んだり、押出機で押出成形した後、架橋しても得ることができる。
上記封入用フィルム15としては、外力に対して破れにくく、ゲル状物質13が染み込まず、ゲル状物質13により変質しない限り、特に制限はない。この封入用フィルム15には、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン-テレフタレート(PET)、ポリブチレン−テレフタレート(PBT)及びポリアミドからなるものが挙げられる。上記の熱硬化性ポリウレタンゲルが用いられた場合には、この封入用フィルム15としてポリウレタンフィルムが好適である。上記ポリウレタンのゲルとフィルムとの接着性が良好であるため、この封入用フィルム15がゲル状物質13から剥離することが少ない。そのため頭部用袋体7及び肩部用袋体9の表面状態が均一に保たれ形状保持性もよい。
封入用フィルム15の厚みは、0.02mm以上1mm以下であることが好ましい。0.02mmよりも薄いとフィルムが破れやすくなり耐久性が劣る恐れがある。1mmより厚いと可撓性が乏しく、人の頭が接したときに硬く感じられ寝心地が悪くなる。封入用フィルムの引張強度は10N以上であり、切断時伸びは200%以上であり、引裂強度は5N以上であることが好ましい。引張強度及び引裂強度が上記の値よりも小さい場合は、耐久性が劣る恐れがある。切断時伸びが200%より小さいと可撓性が小さいため、変形の自由度が小さすぎる恐れがある。そのため、保冷体5が人の首や頭の形に沿いにくく、寝心地も悪くなりがちである。また、切断伸びが小さいと寝返り等によるゲル状物質の変形をフィルムが拘束して、変形の力をフィルムだけで負担することになる。この場合は、フィルムに応力集中が生じやすくフィルムの耐久性が悪くなる。
頭部用袋体7等が収納された本体3には、通常、外装カバー17が着けられる。この外装カバ17ーの材質としては、公知のカバーと同様でよい。外装カバー17としては、シルク、綿、羊毛、パルプ等の天然繊維又はポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の合成繊維が用いられる。これらの繊維からなる不織布、織布、編布等が用いられる。
図3に示されているように、電子枕1の温度制御系統は、ペルチェ素子5、電源S、制御部C及び温度センサー19を備えている。ペルチェ素子5は、例えば銅板にビスマス、テルル半導体が結合されたもの等が主として用いられている。しかし、ペルチェ素子5の素材及び製法等に特に限定はない。市販のペルチェ素子5では、一辺がおよそ5mmから40mm程度で、厚さが2mmから4mm程度のものが主であるがこれらを用い得る。ペルチェ素子5は、吸熱の実効性が考慮されて適当な数又は面積になるように配置される。しかし、電源Sとの配線等が煩わしくなるため、大きめのペルチェ素子5を数少なく用いる方が好ましい。ペルチェ素子5及び電源Sの選択によって通電のみでも頭部袋体7及び肩部袋体9の適当な温度に設定し得る。しかし、環境や用いる人の状態に合わせて電子枕1の温度が調節できるよう温度制御部Cをさらに備えることがより好ましい。
電源Sは、ペルチェ素子5に直流電流を供給する。この電流は、温度センサー19の信号を受けた電流制御部Cが電源Sに作用して増減される。上記頭部用袋体7の表面温度が電気信号に変換された情報が温度センサー19から制御部Cに送られる。ペルチェ素子5への電流は、リード線23を通して供給される。一対のペルチェ素子5及び5’のどちらも吸熱面が上に向くように配線される。直流電流がペルチェ素子5の端子Aから端子Bに流れるとすると、ペルチェ素子5’でも端子A’から端子B’に電流が流される。電源S及び制御部Cは、通常、本体3の近くで、電子枕1を用いる人にとって操作しやすい場所に置かれる。
図4にペルチェ素子5の接続例が示されている。ペルチェ素子5は、セラミック板25の間に夾まれて金属電極27に複数の半導体29が直列に接続されている。半導体29は、N型半導体31とP型半導体33とからなる。N型半導体31が電源のプラス極に、P型半導体33がマイナス極に接続された場合、通電により、電流の流れとは逆に電子はP型半導体33からN型半導体31に向かって流れる。電子がP型半導体33から電極に入るとき及び電極からN型半導体31に入るときには電子が通りにくいためエネルギーとして熱が吸収される。逆に電子がN型半導体31から電極に入るとき及び電極からP型半導体33に入るときには熱が放出される。図4において、N型半導体31の方からP型半導体33に直流電流が流されると、金属電極27の上面では熱が吸収され、下面では熱が放出される。なお、上記電流が逆向きに流されれば、下面が吸熱面、上面が放熱面となる。
頭部用袋体7の裏側表面に上記温度センサー19が取り付けられている。この温度センサー19と電流制御部Cがリード線23を介して接続されている。この温度信号により、電流制御部Cによりペルチェ素子5に送られる電源Sの電流が増減される。電流の増減すなわち電子の増減により、ペルチェ素子5の吸熱及び放熱の度合いが変えられる。
頭部用袋体7の表面温度は、5℃以上30℃以下とされる。この表面温度が温度制御部Cにより、この範囲の任意の温度に設定され、制御される。ペルチェ素子5の温度制御の精度は±0.1℃程度と高い。しかし、ジュール熱や高温面から低温面への熱の逆流等もある分、温度制御系統での制御精度はより低くなる。主として用いられる表面温度の範囲は10℃以上25℃以下で、さらには、12℃以上20℃以下で用いられる。通常の睡眠では、5℃未満の設定は過冷却となり眠りを妨げる場合がある。30℃を超える設定では、体温との差が少ないため頭部冷却効果及び清涼感がない。
また、温度センサー19は、図示されていないが、肩部用袋体9にも取り付けられることが好ましい。この温度センサーからの信号も電流制御部Cに上記頭部用センサー19とは別系統で接続される。肩部用袋体9の表面温度は、25℃以上45℃以下の範囲で用いられる。この範囲で、上記頭部用袋体7の温度よりも高い任意の温度で制御される。ペルチェ素子の放熱側の熱が銅等の熱伝導体11で肩部に移動させて利用される。
この熱伝導体11がゲル状物質13入りの肩部用袋体9で覆われている。この肩部用袋体9によって電子枕1の肩部にクッション性が付与されている。そのため電子枕1の感触がよくなっている。また、肩部用袋体9が肩部に沿う形状で接することができるため均等にかつ、効率的に肩部を暖めることができる。肩部用袋体9の表面温度は、主として27℃以上40℃以下の範囲で設定される。特に30℃以上37℃以下の範囲がより好適に用いられる。従来から経験的に肩口を温める方が心地よい眠りに就けるといわれる。表面温度が25℃未満では冷却感を生じることがあり寝付きにくい。45℃を超えると寝汗をかいたり、低温やけどを生じることがある。肩部用袋体9の温度は、使用する人の好みに合わせて自由に設定されることが好ましい。
この電子枕1に用いられる温度制御系統の構成には特に限定はない。温度センサー19及び温度制御部Cにより、冷却及び加温の温度、持続時間及び温度勾配を制御されることがより好ましい。温度センサー19は、例えば、頭部用袋体9の裏面の後頭部又は頸部に相当する位置に取り付けられる。この温度制御部Cによって、就寝から30分から40分は、頭部用袋体9の温度が次第に低げられ、その後起床までの間に次第に上昇させるように制御されることがより好ましい。
ペルチェ素子5は構造上表面が硬いため枕の中ではゴツゴツ感を与えるものであるが、ペルチェ素子5の吸熱面側に頭部用袋体7を配置することにより、これに当接する頭にクッション性を付与して硬いペルチェ素子5から頭が保護されている。また、頭部用袋体7がペルチェ素子5の低温面側にぴったりと沿わせることができる。この頭部用袋体7と、放熱面側の熱伝導体11とは、本体3の発泡体で断熱されるために冷却効率がよい。したがって、振動や騒音がなく静かな環境で安眠できる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
本体として、発泡剤入りの天然ゴム組成物を金型で加硫成形して、袋体等を組み込むための凹部を備えた天然ゴムの発泡成形体を得た。頭部用袋体の成形用金型にポリウレタンフィルムを沿わせて敷き、ポリオールとイソシアネートとを混合して約150℃に加温した熱硬化性ポリウレタンゲルを流し込み、0.5時間かけて反応させた後、冷却成形して頭部用袋体を作成した。同様にして肩部用袋体成型用金型で肩部用袋体2個を作成した。上記本体の凹部に銅板(幅100mmのL字型、厚み0.5mm)2枚を左右に対称に配置した。この各銅板の端部下面に押し当て肩部用袋体をそれぞれ組み込んだ。この銅板の本体中央部側の上面にペルチェ素子(フリヂスター社製のフリヂスターモジュールF7070−MT)2個をそれぞれ押し当てるように組み込んだ。この各ペルチェ素子の上面に頭部用袋体を押し当て組み込み、各ペルチェ素子のリード線を電源装置(長野日本無線社製の高周波電流規制対応汎用電源 AHS300−24)及び制御装置に上面が吸熱側となるように接続し、温度センサー(Grim社のLT−ST08−12)を頭部用袋体の中央部下面に取り付け制御装置に接続した。このペルチェ素子等所定の内容が組み込まれた本体に綿製のカバーを着けて実施例1の電子枕を得た。
本体として、発泡剤入りの天然ゴム組成物を金型で加硫成形して、袋体等を組み込むための凹部を備えた天然ゴムの発泡成形体を得た。頭部用袋体の成形用金型にポリウレタンフィルムを沿わせて敷き、ポリオールとイソシアネートとを混合して約150℃に加温した熱硬化性ポリウレタンゲルを流し込み、0.5時間かけて反応させた後、冷却成形して頭部用袋体を作成した。同様にして肩部用袋体成型用金型で肩部用袋体2個を作成した。上記本体の凹部に銅板(幅100mmのL字型、厚み0.5mm)2枚を左右に対称に配置した。この各銅板の端部下面に押し当て肩部用袋体をそれぞれ組み込んだ。この銅板の本体中央部側の上面にペルチェ素子(フリヂスター社製のフリヂスターモジュールF7070−MT)2個をそれぞれ押し当てるように組み込んだ。この各ペルチェ素子の上面に頭部用袋体を押し当て組み込み、各ペルチェ素子のリード線を電源装置(長野日本無線社製の高周波電流規制対応汎用電源 AHS300−24)及び制御装置に上面が吸熱側となるように接続し、温度センサー(Grim社のLT−ST08−12)を頭部用袋体の中央部下面に取り付け制御装置に接続した。このペルチェ素子等所定の内容が組み込まれた本体に綿製のカバーを着けて実施例1の電子枕を得た。
[比較例1]
市販の平形枕に市販の保冷具(ダンロップホームプロダクツ社の保冷剤:やわらか雪枕)を乗せて比較例1の枕とした。
市販の平形枕に市販の保冷具(ダンロップホームプロダクツ社の保冷剤:やわらか雪枕)を乗せて比較例1の枕とした。
[比較例2]
ペルチェ素子(ダイドー社のSuper L−COOL)で冷却した水を透明チューブに導きシール栓を介して水枕内に循環させて冷却用枕を得た。
ペルチェ素子(ダイドー社のSuper L−COOL)で冷却した水を透明チューブに導きシール栓を介して水枕内に循環させて冷却用枕を得た。
[評価]
健康な成人10名を被験者として、実施例及び各比較例の枕を用いて、寝つくのに要した時間、寝つくときの心地よさについてアンケート形式で評価させた。実験は、防音及び空調が施された室内に設置されたベッドで、各条件につき、一夜づつ行われた。室内の温度は一般に使用されているエアコンで26℃に設定された。寝つくときの心地よさは、「よい」5、「ややよい」4、「普通」3、「やや悪い」2、「悪い」1の5段階として、被験者の回答の平均値を算出した。
健康な成人10名を被験者として、実施例及び各比較例の枕を用いて、寝つくのに要した時間、寝つくときの心地よさについてアンケート形式で評価させた。実験は、防音及び空調が施された室内に設置されたベッドで、各条件につき、一夜づつ行われた。室内の温度は一般に使用されているエアコンで26℃に設定された。寝つくときの心地よさは、「よい」5、「ややよい」4、「普通」3、「やや悪い」2、「悪い」1の5段階として、被験者の回答の平均値を算出した。
表1に示されるように、実施例の電子枕では、心地よく感じられ、寝つきが早い。比較例1及び比較例2の枕に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明は、一般の安眠用、病人の治療用枕に適用され得る。
1・・・電子枕
3・・・本体
5・・・ペルチェ素子
7・・・頭部用袋体
9・・・肩部用袋体
11・・・熱伝導体
13・・・ゲル状物質
15・・・封入用フィルム
17・・・外装カバー
19・・・温度センサー
23・・・リード線
25・・・セラミック板
27・・・金属電極
29・・・半導体
3・・・本体
5・・・ペルチェ素子
7・・・頭部用袋体
9・・・肩部用袋体
11・・・熱伝導体
13・・・ゲル状物質
15・・・封入用フィルム
17・・・外装カバー
19・・・温度センサー
23・・・リード線
25・・・セラミック板
27・・・金属電極
29・・・半導体
Claims (4)
- ペルチェ効果を有する熱電半導体素子と、
上記熱電半導体素子がペルチェ効果を発現する一方の面に連なる頭部用袋体と、
その他方の面に連なる肩部用袋体とを備えており、
上記頭部袋体と上記肩用袋体には、それぞれゲル状物質が内包されている電子枕。 - 上記ゲル状物質がヒドロゲル又はリポゲルである請求項1に記載の電子枕。
- 電流制御部を備え、通電により、上記頭部用袋体の表面温度が5℃以上30℃以下の範囲で、上記肩部用袋体の表面温度よりも低くなるように制御される請求項1又は2に記載の電子枕。
- 電流制御部を備え、通電により、上記肩部用袋体の表面温度が25℃以上45℃以下の範囲で、上記頭部用袋体の表面温度よりも高くなるように制御される請求項1から3のいずれかに記載の電子枕。
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